JP3216266U - 屋根構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】遮熱および断熱に優れた屋根構造を提供する。【解決手段】鋼板屋根材1と、鋼板屋根材1の下方に配設された防水シート2と、防水シート2の下方に配設された遮熱断熱層体10とを備え、鋼板屋根材1は、裏面に遮熱断熱シートを有し、遮熱断熱層体10は、断熱機能を発揮する基材層と、前記基材層の片面または両面に形成され所定の機能を発揮する機能性薄膜とを含む屋根構造である。【選択図】図1

Description

本考案は、屋根構造に関する。さらに詳しくは、所望の遮熱・断熱性能を有し、しかも密閉性に優れた屋根構造に関する。
従来より、鋼板屋根の断熱構造について種々提案がなされている。
例えば、特許文献1には、図11に示すように、折板屋根101と、折板屋根101の凹部に埋設接着され、折板屋根101の凸部と表面をほぼ面一にした、断面が逆台形の発泡樹脂断熱ボード支持パッキン102と、折板屋根101の凸部および発泡樹脂断熱ボード支持パッキン102の表面に接着剤により接着され、表面をネット状のガラス繊維103により被覆された発泡樹脂断熱ボード104、前記発泡樹脂断熱ボード104上の全面に渡って被覆された防水シート105とを有する屋根構造100が提案されている。
しかしながら、前記特許文献1の提案に係る屋根構造100においては、表面をネット状のガラス繊維103により被覆された発泡樹脂断熱ボード104を折板屋根101の上に配設してなるものとされているところから、屋根構造100の遮熱性能については課題がある。
また、屋根構造内への室内水蒸気の侵入防止については、何らの示唆もなされていない。
特開2006−132214号公報
本考案はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、遮熱および断熱に優れた屋根構造を提供することを主たる目的とし、さらに密閉性にも優れた屋根構造をも提供することを目的としている。
本考案の屋根構造は、鋼板屋根材と、前記鋼板屋根材の下方に配設された防水シートと、前記防水シートの下方に配設された遮熱断熱層体とを備え、前記遮熱断熱層体は、断熱機能を発揮する基材層と、前記基材層の片面または両面に形成され所定の機能を発揮する機能性薄膜とを含むことを特徴とする。
本考案の屋根構造においては、基材層は、低発泡率の発泡樹脂からなる主部と、前記主部の両面に一体的に形成された強化層とを含むものとされてなるのが好ましい。その場合、低発泡率は、例えば15倍ないし20倍とされる。
また、本考案の屋根構造においては、機能性薄膜は、保護被膜が形成された遮熱薄膜とされてなるのが好ましい。その場合、遮熱薄膜は、合成樹脂からなる防蝕被膜が形成されたアルミ薄膜であるのがさらに好ましい。
また、本考案の屋根構造においては、遮熱断熱層体が、上部遮熱断熱層体と、下部遮熱断熱層体との二層体とされてなるのが好ましい。
また、本考案の屋根構造においては、遮熱断熱層体の下方に第2の鋼板屋根材が配設されてなるのが好ましい。その場合、第2の鋼板屋根材が、軒先端部の開口部が密閉された波型鋼板とされてなるのがさらに好ましい。
また、本考案の屋根構造においては、第2の鋼板屋根材の下方に吸音部材が配設されてなるのが好ましい。
また、本考案の屋根構造においては、遮熱断熱層体の側面を支持するサイド支持部材が第2の鋼板屋根材に配設されてなるのが好ましい。その場合、サイド支持部材が、鋼板屋根材と第2の鋼板屋根材との接合部材としての機能を有するのがさら好ましい。
また、本考案の屋根構造においては、鋼板屋根材は、裏面に遮熱断熱シートを有してなるのが好ましい。
本考案は前記の如く構成されているので、遮熱断熱性能が向上するという優れた効果を奏する。
本考案の好ましい形態においては、踏み抜けの防止が図られるという優れた効果を奏する。
また、本考案の別の好ましい形態においては、吸音効果が得られるという優れた効果を奏する。
本考案の実施形態1に係る屋根構造の要部概略図である。 上部鋼板屋根材の要部概略図である。 遮熱断熱層体の概略図である。 上部遮熱断熱層体を分解して示す概略図である。 山部にビス先端部を格納する格納部が形成された折板の格納部概略図である。 軒先面戸の二面図であって、同(a)は平面図を示し、同(b)は正面図を示す。 本考案の実施形態2に係る屋根構造の要部概略図である。 同実施形態に用いられる取付具の概略図であって、同(a)は固定ナットを分離して示す分解図を示し、同(b)は吸音部材を取り付けた状態を示す。 本考案の実施形態3に係る屋根構造の要部概略図である。 同実施形態に用いられる取付具の概略図であって、同(a)は吸音部材受け具の正面図を示し、同(b)は吸音部材を取り付けた状態を示す。 特許文献1の提案に係る屋根構造の概略図である。
以下、添付図面を参照しながら本考案を実施形態に基づいて説明するが、本考案はかかる実施形態のみに限定されるものではない。
実施形態1
図1に、本考案の実施形態1に係る屋根構造Rの要部を概略図で示す。なお、本実施形態の屋根構造Rは、体育館の屋根に用いられるものとされる。
屋根構造Rは、図1に示すように、上部鋼板屋根材(鋼板屋根材)1と、上部鋼板屋根材1の下部(下方)に配設された防水シート2と、防水シート2の下部(下方)に配設された遮熱断熱層体10と、遮熱断熱層体10の下部(下方)に配設された下部鋼板屋根材(第2の鋼板屋根材)3と、下部鋼板屋根材3を受ける支持部材4とを主要構成要素として備えてなるものとされる。
上部鋼板屋根材1は、例えば嵌合立平葺きHT−45(株式会社 三邦 商品名)とされる。
また、上部鋼板屋根材1は、図2に示すように、フラットな裏面に遮熱断熱シート1aを一体化して有している。遮熱断熱シート1aは、具体的には、下面に保護被膜(防蝕被膜)を有するアルミ薄膜1bが形成されたシートとされ、アルミ薄膜1bが形成されていない上面が上部鋼板屋根材1の裏面に貼付されている。
防水シート2は、例えばゴムアスファルトルーフィングとされる。
遮熱断熱層体10は、図3に示すように、上部遮熱断熱層体20と下部遮熱断熱層体30とを積層してなる二層構造体とされて、その側端面がサイド支持部材5により支持されて横ずれ防止が図られている。
サイド支持部材5は、具体的には、中間片5aと、中間片5aの上端から一側方向に一体的に延伸された上部片5bと、中間片5aの下端から他側方向に一体的に延伸された下部片5cとを含むものとされる。下部片5cは下部鋼板屋根材3に、例えばビス留めされる一方、上部片5bは上部鋼板屋根材1に、例えばビス留めされる。つまり、サイド支持部材5は上部鋼板屋根材1と下部鋼板屋根材3とを接合する機能も有する。
上部遮熱断熱層体20は20mmの厚みを有し、図4に示すように、主として断熱機能を発揮する基材層21と、基材層21の片面、例えば下面に配設されて所定の機能を発揮する機能層22とを含むものとされる。なお、図示例においては、機能層22は下面に設けられているが、上面にも設けられてもよい。つまり、機能層22は、両面に設けられてもよい。
基材層21は、低発泡率の発泡樹脂パネル、例えばポリスチレンパネルからなる主部と、主部の両面に熱圧着により一体的に形成された強化層とを含むものとされて強度の強化が図られた強化発泡樹脂とされる。ここで、低発泡率は例えば15倍ないし20倍とされる。なお、かかる構成を有する基材層21は、例えばエアインフォーム(コンフォートフォーム株式会社 商品名(登録商標第5898813号))とされる。
機能層22は、例えば遮熱機能を有する薄膜(遮熱薄膜)とされる。遮熱薄膜は、具体的には、表面に保護被膜(防蝕被膜)が形成されたアルミフィルム(アルミ薄膜)とされる。この遮熱薄膜により屋内への太陽光からの輻射熱が遮熱される。
下部遮熱断熱層体30は、上部遮熱断熱層体20と同様の構成とされている。
遮熱断熱層体10が、上部遮熱断熱層体20と下部遮熱断熱層体30とからなる二層構造体とされているところから、遮熱断熱性能が向上するとともに、踏み抜け防止機能も向上する。
下部鋼板屋根材3は、山谷を有する折板とされ、かつサイド支持部材5を下部鋼板屋根材3に固定するビスの先端部が下部鋼板屋根材3内に露出しないようにするビス先端格納部が山部に設けられたものとされる(図5参照)。そのため、ビス留めされた箇所から室内の湿気が屋根構造内への侵入が防止され、遮熱断熱層体10の湿気による劣化が防止される。なお、かかる構成を有する折板としては、例えばサドシマZルーフII型(株式会社 佐渡島 商品名)があげられる。また、遮熱断熱層体10が前記構成とされているところから、遮熱断熱層体10の下部鋼板屋根材3の谷部に位置する箇所において踏み抜けが生じるおそれはない。
図6に下部鋼板屋根材3の軒先端部を示す。
下部鋼板屋根材3の軒先端部には、図6に示すように、軒先面戸6が配設されている。軒先面戸6の下部鋼板屋根材3の軒先端部との嵌合部6に、図示はされていないが、シーリング材が充填されてシール(密閉)がされている。それにより、屋根構造R内への外部湿気の侵入防止が図られ、湿気による遮熱断熱層体10の劣化防止がなされている。
支持部材4は、軽量角型鋼とされる。支持部材4を軽量角型鋼とするのは、下部鋼板屋根材3の支持部材4へのビス留め箇所から室内湿気が屋根構造R内へ侵入するのを防止するためである。
次に、かかる構成とされた屋根構造Rの施工の一例について説明する。
ステップ1:支持部材4を所定配列にて配設する。
ステップ2:下部鋼板屋根材3を、例えば屋根の長手方向に沿って配設する。
ステップ3:サイド支持部材5を下部鋼板屋根材3の長手方向に沿って所定間隔で配設する。
ステップ4:サイド支持部材5,5間に下部遮熱断熱層体30および上部遮熱断熱層体20を配設してサイド支持部材5にビス留めする。
ステップ5:防水シート2を配設する。
ステップ6:上部鋼板屋根材1を下部鋼板屋根材3と直交方向に配設する。
ステップ7:軒先面戸6を下部鋼板屋根材3の軒先端部にセットし、嵌合部をシールする。
以上により屋根構造Rの施工が完了して屋根が形成される。
このように、本実施形態によれば、上部鋼板屋根材1が裏面に遮熱断熱シート1aを一体化して有し、さらに遮熱断熱層体10が上部遮熱断熱層体20と下部遮熱断熱層体30とを積層してなる二層構造体とされているところから、遮熱・断熱性能が向上する。
また、基材層21が強化発泡樹脂とされて強度の強化が図られたものを二層構造体としているので、下部鋼板屋根材3の谷部に位置する箇所において踏み抜けが生じるおそれはない。
実施形態2
図7に、本考案の実施形態2に係る屋根構造Rの要部を概略図で示す。
実施形態2は実施形態1を改変してなるものであって、下部鋼板屋根材3の下面に吸音部材7を配設してなるものとされる。図中、符号8は取付具を示す。
以下、実施形態2の実施形態1と異なる点を中心に説明する。
吸音部材7は、公知の吸音材からなるものとされ、例えばグラスウールボードとされる。なお、本実施形態ではグラスウールボードの厚みは25mmとされているが、グラスウールボードの厚みは25mmに限定されるものではなく、求められる吸音性能に応じて適宜とされる。
図8に、吸音部材7の取り付け状態を示す。
吸音部材7の取り付けは、図8(a)に示すように、装着板8aと、装着板8aの片面の適宜位置、例えば重心位置に立設されたロッド8bと、ロッド8bの先端部にオネジを形成するタップ機能を有する固定ナット8cとを含む取付具8によるものとされる。かかる構成の取付具8としては、例えばSPアンカー(セブン工業株式会社 商品名)とSPナット(セブン工業株式会社 商品名)との組み合わせをあげることができる。かかる取付具8を用いることにより下部鋼板屋根材3の谷部に密閉された空気層を形成することができ、遮熱・断熱性能の向上が図られる。
装着板8aの形状は、例えば角にアールが形成された正方形または長方形とされる。
装着板8aのロッドが立設された面とは反対側の面には接着剤が塗布されて、取付具8が下部鋼板屋根材3の下面に接着固定可能とされている。
ロッド8bの先端は、図8(a)に示すように、尖頭とされて吸音部材7がロッド8bに容易に差し込み取り付けがなされるようにされている。
固定ナット8cの基部は、図8(a)に示すように、鍔状とされて吸音部材7を押圧保持するようにされている。
図8(b)に、取付具8により吸音部材7を下部鋼板屋根材3に取り付けた状態を示す。
このように、本実施形態では下部鋼板屋根材3の下面に吸音部材7を配設してなるものとされているので、吸音性能が向上するという実施形態1では得られない効果が得られる。
実施形態3
図9に、本考案の実施形態3に係る屋根構造Rの要部を概略図で示す。なお、本実施形態の屋根構造Rは屋内プールの屋根に用いられるものとされる。
実施形態3は実施形態2を改変してなるものであって、吸音部材7の材質を変更するとともに、取付構造を改変してなるものとされる。
以下、実施形態3の実施形態2と異なる点を中心に説明する。
吸音部材7は、プールからの水蒸気により劣化しない性能を有するものとされる。例えば、有孔鋼板とされる。本実施形態では有孔鋼板の厚みは、15mm−25mmとされているが、有孔鋼板の厚みは15mm−25mmに限定されるものではなく、求められる吸音性能に応じて適宜とされる。
図10に、吸音部材受け具9の一例を示す。なお、吸音部材受け具9は、図示例に限定されるものではなく適宜とされる。
吸音部材受け具9は、図10(a)に示すように、鍔付き逆溝型状とされている。すなわち、中央部の逆溝状取付部9aと、逆溝状取付部9aの下端から図中左右方向に一体的に一定距離延伸された受け部9bとを有するものとされる。
逆溝状取付部9aの頂部水平部の幅は、例えば25mmとされ、また、高さは吸音部材7の受けに支障のない寸法、例えば25mmとされている。
受け部9bの幅は、例えば30mmとされている。
図10(b)に、吸音部材受け具9により吸音部材7を下部鋼板屋根材3に取り付けた状態を示す。図中、符号9mはビスを示し、9pは止水パッキンを示す。
このように、本実施形態によれば室内プールにおける反響音を低減できる。
以上、本考案を実施形態に基づいて説明してきたが、本考案はかかる実施形態のみに限定されるものではなく種々改変が可能である。
例えば、実施形態ではフラット屋根を例に取り説明されているが、本考案の適用はフラット屋根に限定されるものではなく、アーチ型の屋根にも適用が可能である。
また、本実施形態では遮熱断熱層体10は、上部遮熱断熱層体20と下部遮熱断熱層体30とを積層してなる二層構造体とされているが、条件によっては一層構造とされてもよい。
また、本実施形態では上部鋼板屋根材1は、フラットな裏面に遮熱断熱シート1aを一体化して有しているが、遮熱断熱シート1aは必ずしも設けられる必要はない。
本考案は建築産業に適用できる。
R 屋根構造
1 上部鋼板屋根材
1a 遮熱断熱シート
1b アルミ薄膜
2 防水シート
3 下部鋼板屋根材
4 支持部材
5 サイド支持部材
5a 中間片
5b 上部片
5c 下部片
6 軒先面戸
7 吸音部材
8 取付具
8a 装着板
8b ロッド
8c 固定ナット
9 吸音部材受け具
9a 逆溝状取付部
9b 受け部
9m ビス
9p 止水パッキン
10 遮熱断熱層体
20 上部遮熱断熱層体
21 基材層
22 機能層
30 下部遮熱断熱層体

Claims (12)

  1. 鋼板屋根材と、前記鋼板屋根材の下方に配設された防水シートと、前記防水シートの下方に配設された遮熱断熱層体とを備え、
    前記遮熱断熱層体は、断熱機能を発揮する基材層と、前記基材層の片面または両面に形成され所定の機能を発揮する機能性薄膜とを含む
    ことを特徴とする屋根構造。
  2. 基材層は、低発泡率の発泡樹脂からなる主部と、前記主部の両面に一体的に形成された強化層とを含むものとされてなることを特徴とする請求項1記載の屋根構造。
  3. 低発泡率が、15倍ないし20倍とされてなることを特徴とする請求項2記載の屋根構造。
  4. 機能性薄膜は、保護被膜が形成された遮熱薄膜とされてなることを特徴とする請求項1記載の屋根構造。
  5. 遮熱薄膜は、合成樹脂からなる防蝕被膜が形成されたアルミ薄膜であることを特徴とする請求項4記載の屋根構造。
  6. 遮熱断熱層体が、上部遮熱断熱層体と、下部遮熱断熱層体との二層体とされてなることを特徴とする請求項1記載の屋根構造。
  7. 遮熱断熱層体の下方に第2の鋼板屋根材が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の屋根構造。
  8. 第2の鋼板屋根材が、軒先端部の開口部が密閉された波型鋼板とされてなることを特徴とする請求項7記載の屋根構造。
  9. 第2の鋼板屋根材の下方に吸音部材が配設されてなることを特徴とする請求項7記載の屋根構造。
  10. 遮熱断熱層体の側面を支持するサイド支持部材が第2の鋼板屋根材に配設されてなることを特徴とする請求項7記載の屋根構造。
  11. サイド支持部材が、鋼板屋根材と第2の鋼板屋根材との接合部材としての機能を有することを特徴とする請求項10記載の屋根構造。
  12. 鋼板屋根材は、裏面に遮熱断熱シートを有してなることを特徴とする請求項1記載の屋根構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20220129156A (ko) * 2021-03-16 2022-09-23 이태범 면진 및 단열기능 강화구조 지붕시스템과 그 시공방법
CN115354802A (zh) * 2022-09-08 2022-11-18 苏州新颖新材料科技股份有限公司 一种高强度保温隔热彩钢板

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