JP3216117B2 - 圧電振動デバイスの周波数調整方法および周波数調整装置 - Google Patents

圧電振動デバイスの周波数調整方法および周波数調整装置

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JP3216117B2
JP3216117B2 JP35227596A JP35227596A JP3216117B2 JP 3216117 B2 JP3216117 B2 JP 3216117B2 JP 35227596 A JP35227596 A JP 35227596A JP 35227596 A JP35227596 A JP 35227596A JP 3216117 B2 JP3216117 B2 JP 3216117B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えばMCF(モノ
リシッククリスタルフィルタ)等の圧電振動デバイスの
周波数調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電振動子、圧電フィルタ等の圧電振動
デバイスは、圧電振動板に形成された励振電極の所定部
分に金属材料をパーシャル蒸着することにより、周波数
等の電気的特性を調整することが一般的に行われてい
る。パーシャル蒸着は真空室内でパーシャル蒸着用のマ
スク(パーシャルマスク)を前記励振電極に近接させ
て、所定の位置に蒸着源からの金属材料を付着させるこ
とにより行う。
【0003】図6は従来のパーシャル蒸着装置9の真空
室内を示す平面図である。電極形成された圧電振動板8
1を表面実装用の一面が開口した箱形のベース82に収
納した表面実装型MCF8に対して、パーシャルマスク
92を近接させパーシャル蒸着を行う。パーシャルマス
ク92には前記励振電極パターンの一部に対応した窓部
分が形成されている。より具体的には、例えば真空室内
のターンテーブル91に複数個の表面実装型MCF8を
設置し、一度の真空排気で複数個のパーシャル蒸着を行
う。パーシャル蒸着は前記ターンテーブル91を間欠的
に回転させ、各表面実装型MCFをパーシャルマスク9
2が設置された位置に移動させ、ターンテーブルの停止
時に微少量のパーシャル蒸着を行う。周波数調整状況は
表面実装型MCFの電気的特性をモニタリングしなが
ら、シャッター93の窓の開閉と蒸着源94からの蒸着
物質の供給を相互にコントロールする。所定の周波数等
の電気的特性が得られた段階で調整作業を終了し、その
後、図示していないがベースを蓋板で気密封止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】パーシャルマスクは、
励振電極の所定の微小領域に正確に金属材料を付着させ
るために、窓部分が小さく形成されている。従って、金
属材料が窓部分に堆積し易く、パーシャル蒸着の効率が
低下したり、窓部分の目づまりを起こすことがあった。
このような場合、その都度真空室内の真空状態を解除
し、真空室を開閉しなければならず、連続した周波数調
整ができない場合があった。また、金属材料の堆積した
パーシャルマスクのメンテナンスに時間がかかるという
問題点もあった。
【0005】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、真空室等の真空排気、解除(真空破壊)を
行うことなく、連続してパーシャル蒸着を行うことので
きる圧電振動デバイスの周波数調整方法および周波数調
整装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明は、複数組のマスクの形成された蒸着マス
ク連あるいは複数枚の蒸着マスクを真空室内に予め収納
し、蒸着の進行率が低下した場合に、新たな1組のマス
クあるいは新たなマスクに切り換えて使用することによ
り、真空室開閉の回数を極力抑制し、効率のよい周波数
調整を行うものである。蒸着レートは単位時間当たりの
蒸着量を意味し、実際的には周波数変化率により判断す
ることができる。単位時間当たりの周波数変化率が小さ
いと蒸着レートは低く、逆に大きいと蒸着レートは高い
と判断できる。
【0007】すなわち、請求項1に示すように、励振電
極を有する圧電振動板が取り付けられたベースを、真空
室内の所定の位置に1つずつ間欠的に搬送し、蒸着を実
施すべき位置に位置決めする工程と、1あるいは2以上
の周波数調整窓の設けられた1組のパーシャルマスクを
複数組形成した、1つの薄板体からなる蒸着マスク連を
用い、任意の1組のパーシャルマスクを前記励振電極の
前面に対応設置することにより、蒸着源からの蒸着金属
材料を前記励振電極の所定の範囲に付着させ、所望の周
波数に調整する工程とを有する圧電振動デバイスの周波
数調整方法であって、前記周波数調整作業中に、前記励
振電極に対する蒸着レートをモニタリングし、当該蒸着
レートが所定のレートより下回った場合に前記蒸着作業
を停止させ、次の1組のマスクが前記励振電極に対応す
るように蒸着マスク連を移動させ、その後蒸着を再開
し、所定の蒸着量を得ることを特徴とする圧電振動子の
周波数調整方法により解決できる。
【0008】また、請求項2に示すように、励振電極を
有する圧電振動板が取り付けられたベースを、真空室内
の所定の位置に1つずつ間欠的に搬送し、蒸着を実施す
べき位置に位置決めする工程と、1あるいは2以上の周
波数調整窓の設けられたマスクを選択的に取り出し可能
な状態で前記真空室内に複数枚収納し、複数のマスクの
うち任意のマスクを取り出し、前記励振電極の前面に対
応設置することにより、蒸着源からの蒸着金属材料を前
記励振電極の所定の範囲に付着させ、所定の周波数に調
整する工程とを有する圧電振動デバイスの周波数調整方
法であって、前記周波数調整作業中に、前記励振電極に
対する蒸着レートをモニタリングし、当該蒸着レートが
所定のレートより下回った場合に前記蒸着作業を停止さ
せ、次の新規のマスクを前記励振電極に対応設置させ、
その後蒸着を再開し、所定の蒸着量を得ることを特徴と
する圧電振動子の周波数調整方法により解決できる。
【0009】さらに、請求項3に示すように、圧電振動
板に形成された励振電極に蒸着金属を付着させることに
より、所望の周波数を得る圧電振動デバイスの周波数調
整装置であって、励振電極を有する圧電振動板が取り付
けられ、外部導出電極を形成したベースを、真空室内の
所定位置に1つずつ間欠的に搬送し、蒸着を実施すべき
位置に位置決めするベース搬送装置と、前記真空室内に
おいて、1あるいは2以上の周波数調整窓の設けられた
1組のマスクを複数組設けた、1つの薄板体からなる蒸
着マスク連のうち、任意の1組のマスクを前記励振電極
の前面に対応設置するマスク位置決め機構と、真空室内
にあって蒸着金属を生成する蒸着源と、前記任意の一組
のマスクと蒸着源間にあり、蒸着源から放出される蒸着
金属材料の励振電極への付着をコントロールするシャッ
ターと、前記ベースの外部導出電極に接続される端子を
有し、前記励振電極に駆動電圧を供給する発振回路と、
蒸着作業の実施中に前記発振回路の周波数並びに単位時
間当たりの周波数の変化率をモニタリングし、前記周波
数が予め定められた周波数と一致した場合、調整作業終
了信号を出力し、また前記周波数の変化率が予め定めら
れた変化率より低下した場合に、蒸着レートが低下した
と判断し、停止信号を出力するデータ処理部とからな
り、前記データ処理部からの前記停止信号により、蒸着
作業を停止し、次の1組のマスクが前記励振電極に対応
するように蒸着マスク連を移動させ、その後蒸着を再開
し、調整作業終了信号により調整作業を終了することを
特徴とする周波数調整装置により解決できる。
【0010】また、請求項4に示すように、圧電振動板
に形成された励振電極に蒸着金属を付着させることによ
り、所望の周波数を得る圧電振動デバイスの周波数調整
装置であって、励振電極を有する圧電振動板が取り付け
られ、外部導出電極を形成したベースを、真空室内の所
定の位置に1つずつ間欠的に搬送し、蒸着を実施すべき
所定位置に位置決めするベース搬送装置と、前記真空室
内にあって、1あるいは2以上の周波数調整窓の設けら
れたマスクが複数枚選択的に取り出し可能な状態で収納
され、任意の1枚のマスクを選択し前記励振電極の前面
に対応設置するマスク位置決め機構と、真空室内におい
て蒸着金属を生成する蒸着源と、前記任意の1枚のマス
クと蒸着源間にあり、蒸着源から放出される蒸着金属材
料の励振電極への付着をコントロールするシャッター
と、前記ベースの外部導出電極に接続される端子を有
し、前記励振電極に駆動電圧を供給する発振回路と、蒸
着作業の実施中に前記発振回路の周波数並びに単位時間
当たりの周波数の変化率をモニタリングし、前記周波数
が予め定められた周波数と一致した場合、調整作業終了
信号を出力し、また前記周波数の変化率が予め定められ
た変化率より低下した場合に、蒸着レートが低下したと
判断し、停止信号を出力するデータ処理部とからなり、
前記検出回路からの前記停止信号により蒸着作業を停止
し、次の新規のマスクを前記励振電極に対応設置させ、
その後蒸着を再開し、調整作業終了信号により調整作業
を終了することを特徴とする周波数調整装置によっても
解決できる。
【0011】
【作用】本発明による周波数調整方法および周波数調整
装置によれば、複数組のマスクの形成された蒸着マスク
連あるいは複数枚の蒸着マスクを真空室内に予め収納
し、蒸着レートが低下した場合に、新たな1組のマスク
あるいは新たなマスクに切り換えて使用することによ
り、真空室内の開閉を行うことなく、常に蒸着金属の堆
積等のない良好な窓部分を有するパーシャルマスクを使
用することができる。
【0012】また、請求項2,4によれば、複数種類の
マスクを真空室内に収納しておくことにより、圧電振動
板に形成された励振電極パターンに応じたパーシャルマ
スクを用いることも可能となるので、真空室の開閉を必
要とせず、他品種の調整を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を表面実装型
MCF(モノリシッククリスタルフィルタ)の周波数調
整を例にとり、図1,図2、図3、図4を参照して説明
する。図1は表面実装型MCF1の開蓋された周波数調
整前の状態の斜視図、図2は周波数調整装置の各工程を
示す模式図、図3は画像認識によるベースの傾き補正を
説明する平面図、図4は周波数調整工程を示すブロック
図である。
【0014】開口部を有する箱形のベース10はセラミ
ックスを基体とし、積層技術を利用して内部に電極が形
成され、底面には複数の外部導出電極10aが形成され
た構成である。開口内部には圧電振動板である水晶振動
板11を設置する搭載部(図示せず)が形成されてい
る。搭載部の上面には電極パッド(図示せず)が形成さ
れており、この電極パッドは積層技術により前述の外部
導出電極10aに電気的に接続されている。また、開口
部にはコバール等の金属リング1bが取り付けられてい
る。水晶振動板11はATカット水晶板であり、表面に
アース接続される共通電極として機能する励振電極2
1、励振電極22が形成され、裏面には上記各励振電極
に対応して入出力電極として機能する励振電極23,2
4(図示せず)が形成されている。各電極から水晶振動
板端部まで引出電極21a,22a,23a,24a
(一部図示せず)が形成されている。なお、後述の周波
数調整を終了した後、図示していないがコバール等の金
属材料からなる蓋板4が、ベースの開口部の金属リング
1bと溶接接合され、気密封止される。
【0015】以上のような構成を有する表面実装型MC
F1は図2に示すような周波数調整装置で周波数調整が
進められる。真空前室Aは真空排気、解除可能に構成さ
れ、複数個の閉蓋前の表面実装型MCF(以下閉蓋作業
までは表面実装型MCFという。)が収納できるキャリ
アを収納できる収納庫(図示せず)を配置することがで
きる構成となっている。真空前室AはゲートバルブG1
を介して真空室Bに連通している。真空室Bは真空排
気、解除可能に構成され、画像処理エリアB1と、画像
処理によって得られた傾きデータに基づいて表面実装型
MCFの位置補正を行うとともに、位置補正された状態
で周波数調整を行う周波数調整エリアB2を少なくとも
有する構成となっている。真空室BはゲートバルブG2
を介して真空後室Cに連通している。真空後室Cも真空
排気、解除可能に構成され、ここから周波数調整の完了
した表面実装型MCFを取り出す。
【0016】次に、周波数調整の各工程を詳述する。表
面実装型MCF1は複数個がキャリア2に収納された状
態で真空前室Aに投入され、真空排気された後、ゲート
バルブG1を開けて真空室Bに移送される。真空室Bで
はまず画像処理エリアB1において、キャリア2に収納
された各表面実装型MCFの励振電極の位置を画像認識
し、電極の位置データを得る。すなわち、キャリア2に
ベース10の開口部が下方を向くようにセットされた表
面実装型MCF1に対して、その下方からカメラCMで
水晶振動板11の励振電極21,22の位置を撮影す
る。撮影データはA/D変換され画像メモリに書き込ま
れ、記憶される。この撮影記憶作業は1つのキャリアに
収納された各表面実装型MCFに対して行なわれる。そ
してこの各画像データを基に水晶振動板の搭載状態(上
下左右移動、回転等)を算出し、位置補正データとして
次段の周波数調整段に転送される。なお、この画像デー
タについては必要に応じて二値信号化する等の周知の画
像処理手段を採用すればよい。また、この画像認識の詳
細な処理については図示していない。
【0017】画像認識エリアB1の処理を終了したキャ
リアは、周波数調整エリアB2に搬送される。周波数調
整エリアB2は、前記位置補正データに基づいて位置補
正する位置補正機構(図示せず)と、前記キャリアの下
方に位置する蒸着源41と、キャリアに収納された1つ
の表面実装型MCFに近接、対応させる蒸着マスク連4
2と、蒸着マスク連42と蒸着源41間に位置するシャ
ッター43と、表面実装型MCFの外部導出電極に接続
される端子を有する発振回路44と、発振回路からの出
力データにより表面実装型MCFのパーシャル蒸着を制
御する制御部45からなる。
【0018】制御部45は、発振回路から入力される周
波数データに基づいて、蒸着の進行状況(蒸着レート)
並びに所望の基準周波数に達したか否かを検出し、次段
への制御信号を出力するデータ処理部と、データ処理回
路からの制御信号に基づいて蒸着の実施、停止を制御す
る蒸着制御部、あるいは蒸着マスク連の移動あるいはシ
ャッターの開閉等を制御する駆動制御部とからなる。な
お、この実施例において蒸着マスク連42は、薄板状の
金属板からなり、所定構成の複数の窓部分を1組とする
マスクが長手方向に複数組形成された構成であり、図示
していないが、ハンドリング装置により少なくとも長手
方向に移動できるように構成されている。
【0019】キャリア2に収納された最初の表面実装型
MCFを蒸着実施位置に位置させ、前記位置補正データ
に基づいてキャリアを微少移動させ、位置補正する。こ
の位置補正は例えば図3に示すように、励振電極を基準
とし、点線で示す基準位置Jに表面実装型MCF1の励
振電極が移動するよう、矢印Yの方向に位置補正を行
う。この状態で蒸着マスク連42のうちの1組のマスク
を最初の表面実装型MCFの励振電極に対応させ、パー
シャル蒸着を実施する。なお、図2ではキャリアの2番
目の表面実装型MCFについての蒸着状況を図示してい
る。MCFにおいては、対称モード、斜対称モードと称
される2つの振動モードを調整するので、マスク並びに
シャッターには複数の窓部分が形成され、シャッターの
窓部分の開閉を各々独立して行い、また蒸着源からの蒸
着物質の供給とも関連させてコントロールして、パーシ
ャル蒸着を遂行する。
【0020】パーシャル蒸着の進行状態は、発振回路4
4に接続されている表面実装型MCF1の周波数変化に
よってモニタリングする。発振回路44からの周波数デ
ータは制御部45のデータ処理部に出力され、当該デー
タ処理部で所望の基準周波数に達したか否か、あるいは
所定の周波数変化率が得られているか否かを検出する。
【0021】所望の基準周波数に達しているか否かは、
例えばゼロビートの検出により行う。すなわち、別途用
意した発振回路から基準周波数と、調整中の周波数デー
タとを混合し、両周波数の一致した、うなりビートの生
じない周波数まで調整を行う。また、パーシャル蒸着の
進行状況(蒸着レート)は、予め設定された最低周波数
変化率を下回ったか否かで検出する。
【0022】蒸着開始から終了までは次のような流れで
蒸着が行われる。図4に示すように、表面実装型MCF
の励振電極パターンを画像入力し、当該表面実装型MC
Fの基準位置からの変位状況を検出する。表面実装型M
CFを蒸着実施位置に移動した後、変位データをもとに
位置補正を実施する。その後1組のマスクを対向させ、
蒸着を開始する。蒸着レートの低下のない場合、すなわ
ち予め設定された最低周波数低下率を下回らない場合
は、所望の基準周波数に至るまで蒸着を実施する。蒸着
レートが低下した場合は、蒸着を停止し、次の組のマス
クを対向させ、蒸着を再開する。マスク交換は、通常数
10個分のパーシャル蒸着で実施される程度の交換頻度
となっている。
【0023】なお、実際上は蒸着金属材料の不足により
周波数の変化率が低下する場合がある。このような場合
は、次のような基準で区別すればよい。すなわち、表面
実装型MCFのように複数の励振電極が形成されている
場合は、電極ごとに窓部分が形成されている。このよう
な場合、一般的には各窓部分の大きさが異なるので、面
積の小さい窓部分から目詰まりを起こす。従って、複数
の窓部分のうちの一部のみを使用した蒸着時に当該現象
が生じたときに、マスクの目詰まりに起因する周波数の
変化率の低下であると判断することができる。
【0024】図2に示すように、1つのキャリア搭載分
について周波数の調整が完了すると、ゲートバルブG2
を開けて、真空排気された真空後室Cに移送され、当該
真空後室の真空を解除後、周波数調整された表面実装型
MCFを取り出すことができる。そして最終的に、ベー
スの開口部と蓋板とを気密を保った状態で接合し、閉蓋
された表面実装型MCFが完成する。なお、インライン
化されている工程においては、当該周波数調整工程に続
いて、自動機によりベースの開口部と蓋板を接合し、気
密封止を行う等の作業がなされる。
【0025】本発明の他の実施の形態を図5とともに説
明する。図5は周波数調整装置の各工程を示す模式図で
ある。上記実施例と同じ構造部分については、同番号に
より説明する。この実施の形態においては、圧電振動デ
バイスとして表面実装型水晶振動子6を用いている。周
波数調整の各工程は概ね上記実施例と同じ構成である
が、マスクが1枚単位となっており、マスクの目詰まり
が生じた場合に、次の1枚のマスクを表面実装型水晶振
動子に対応させる構成となっている。すなわち、複数の
マスクがバスケット52に収納されており、このバスケ
ット52からハンドリング装置51により1枚のマスク
を取り出し、使用する。蒸着中に周波数の変化率が低下
した場合には、当該使用中のマスクを使用済みマスクと
し、新たなマスクをハンドリング装置により取り出し、
使用する。なお、図5において60はベース、61は水
晶振動板、60aは外部導出電極である。
【0026】なお、複数種の電極パターンの水晶振動子
を周波数調整する場合、他種のマスクを複数枚収納した
バスケット53を用意しておき、各電極パターンに応じ
て各マスクを使い分けてもよい。これにより他品種少量
生産に適応させることができる。
【0027】なお、本発明は表面実装型のMCFや水晶
振動子に限定して適用されるものではなく、圧電発振器
の圧電振動子部分の調整や、表面実装型ではない圧電振
動デバイスにも適用することができる。
【0028】
【発明の効果】本発明による周波数調整方法および周波
数調整装置によれば、複数組のマスクの形成された蒸着
マスク連あるいは複数枚の蒸着マスクを真空室内に予め
収納し、蒸着レートが低下した場合に、新たな1組のマ
スクあるいは新たなマスクに切り換えて使用することに
より、真空室内の開閉を行うことなく、常に蒸着金属の
堆積等のない良好な窓部分を有するパーシャルマスクを
使用することができる。従って、真空室内の開閉を行う
ことなく連続した周波数調整が可能になった。
【0029】また、請求項2,4によれば、複数種類の
マスクを真空室内に収納しておくことにより、圧電振動
板に形成された励振電極パターンに応じたパーシャルマ
スクを用いることも可能となるので、真空室の開閉を必
要とせず、他品種の調整を行うことができる。従って、
他品種少量生産に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面実装型MCFの開蓋時の斜視図。
【図2】周波数調整装置の各工程を示す模式図。
【図3】画像認識によるベースの傾き補正を説明する平
面図。
【図4】周波数調整工程を示すブロック図。
【図5】他の実施の形態を示す周波数調整装置の各工程
を示す模式図。
【図6】従来例を示す図。
【符号の説明】
1 表面実装型MCF 10,60 ベース 11、61 水晶振動板 40 金属材料 41 蒸着源 42 蒸着マスク連 43 シャッター
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 3/00 - 3/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励振電極を有する圧電振動板が取り付け
    られたベースを、真空室内の所定の位置に1つずつ間欠
    的に搬送し、蒸着を実施すべき位置に位置決めする工程
    と、 1あるいは2以上の周波数調整窓の設けられた1組のパ
    ーシャルマスクを複数組形成した、1つの薄板体からな
    る蒸着マスク連を用い、任意の1組のパーシャルマスク
    を前記励振電極の前面に対応設置することにより、蒸着
    源からの蒸着金属材料を前記励振電極の所定の範囲に付
    着させ、所望の周波数に調整する工程とを有する圧電振
    動デバイスの周波数調整方法であって、 前記周波数調整作業中に、前記励振電極に対する蒸着レ
    ートをモニタリングし、当該蒸着レートが所定のレート
    より下回った場合に前記蒸着作業を停止させ、次の1組
    のマスクが前記励振電極に対応するように蒸着マスク連
    を移動させ、その後蒸着を再開し、所定の蒸着量を得る
    ことを特徴とする圧電振動子の周波数調整方法。
  2. 【請求項2】 励振電極を有する圧電振動板が取り付け
    られたベースを、真空室内の所定の位置に1つずつ間欠
    的に搬送し、蒸着を実施すべき位置に位置決めする工程
    と、 1あるいは2以上の周波数調整窓の設けられたマスクを
    選択的に取り出し可能な状態で前記真空室内に複数枚収
    納し、複数のマスクのうち任意のマスクを取り出し、前
    記励振電極の前面に対応設置することにより、蒸着源か
    らの蒸着金属材料を前記励振電極の所定の範囲に付着さ
    せ、所定の周波数に調整する工程とを有する圧電振動デ
    バイスの周波数調整方法であって、 前記周波数調整作業中に、前記励振電極に対する蒸着レ
    ートをモニタリングし、当該蒸着レートが所定のレート
    より下回った場合に前記蒸着作業を停止させ、次の新規
    のマスクを前記励振電極に対応設置させ、その後蒸着を
    再開し、所定の蒸着量を得ることを特徴とする圧電振動
    子の周波数調整方法。
  3. 【請求項3】 圧電振動板に形成された励振電極に蒸着
    金属を付着させることにより、所望の周波数を得る圧電
    振動デバイスの周波数調整装置であって、 励振電極を有する圧電振動板が取り付けられ、外部導出
    電極を形成したベースを、真空室内の所定位置に1つず
    つ間欠的に搬送し、蒸着を実施すべき位置に位置決めす
    るベース搬送装置と、 前記真空室内において、1あるいは2以上の周波数調整
    窓の設けられた1組のマスクを複数組設けた、1つの薄
    板体からなる蒸着マスク連のうち、任意の1組のマスク
    を前記励振電極の前面に対応設置するマスク位置決め機
    構と、 真空室内にあって蒸着金属を生成する蒸着源と、 前記任意の一組のマスクと蒸着源間にあり、蒸着源から
    放出される蒸着金属材料の励振電極への付着をコントロ
    ールするシャッターと、 前記ベースの外部導出電極に接続される端子を有し、前
    記励振電極に駆動電圧を供給する発振回路と、 蒸着作業の実施中に前記発振回路の周波数並びに単位時
    間当たりの周波数の変化率をモニタリングし、前記周波
    数が予め定められた周波数と一致した場合、調整作業終
    了信号を出力し、また前記周波数の変化率が予め定めら
    れた変化率より低下した場合に、蒸着レートが低下した
    と判断し、停止信号を出力するデータ処理部とからな
    り、 前記データ処理部からの前記停止信号により、蒸着作業
    を停止し、次の1組のマスクが前記励振電極に対応する
    ように蒸着マスク連を移動させ、その後蒸着を再開し、
    調整作業終了信号により調整作業を終了することを特徴
    とする周波数調整装置。
  4. 【請求項4】 圧電振動板に形成された励振電極に蒸着
    金属を付着させることにより、所望の周波数を得る圧電
    振動デバイスの周波数調整装置であって、 励振電極を有する圧電振動板が取り付けられ、外部導出
    電極を形成したベースを、真空室内の所定の位置に1つ
    ずつ間欠的に搬送し、蒸着を実施すべき所定位置に位置
    決めするベース搬送装置と、 前記真空室内にあって、1あるいは2以上の周波数調整
    窓の設けられたマスクが複数枚選択的に取り出し可能な
    状態で収納され、任意の1枚のマスクを選択し前記励振
    電極の前面に対応設置するマスク位置決め機構と、 真空室内において蒸着金属を生成する蒸着源と、 前記任意の1枚のマスクと蒸着源間にあり、蒸着源から
    放出される蒸着金属材料の励振電極への付着をコントロ
    ールするシャッターと、 前記ベースの外部導出電極に接続される端子を有し、前
    記励振電極に駆動電圧を供給する発振回路と、 蒸着作業の実施中に前記発振回路の周波数並びに単位時
    間当たりの周波数の変化率をモニタリングし、前記周波
    数が予め定められた周波数と一致した場合、調整作業終
    了信号を出力し、また前記周波数の変化率が予め定めら
    れた変化率より低下した場合に、蒸着レートが低下した
    と判断し、停止信号を出力するデータ処理部とからな
    り、 前記検出回路からの前記停止信号により蒸着作業を停止
    し、次の新規のマスクを前記励振電極に対応設置させ、
    その後蒸着を再開し、調整作業終了信号により調整作業
    を終了することを特徴とする周波数調整装置。
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