JP3215625U - 複合被覆弾性糸 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所定の弾性力を発揮し、肌触りや風合いも良くなり、さらに、所定の機能を発揮する織編物を作製できる複合被覆弾性糸を提供する。【解決手段】 弾性糸から成る芯部2と、所定の機能を発揮するフィラメント素材を用いたマルチフィラメント仮撚加工糸から成る鞘部3と、結束繊維状とされる綿繊維を含む短繊維から成る外層被覆部4と、を有する構成とされる複合被覆弾性糸1とした。【選択図】図1

Description

本考案は、所定の弾性力を発揮し、さらに、綿繊維の肌触りと風合いを備える複合被覆弾性糸に関する。
最近では、着心地がよい弾性力を発揮する衣料が求められており、ポリウレタン弾性糸(例えば、スパンデックス)のような弾性力の強い糸が使用されている。例えば、スポーツウエアやタイツ等の所定の弾性力を発揮する繊維素材として、ポリウレタン弾性糸を芯糸とし、その周囲を他の繊維で被覆した被覆弾性糸を用いることが一般に行われている。
例えば、弾性糸から成る芯糸の周囲に1本の糸を所定の方向に巻き付けたシングルカバードヤーンや、芯糸の周囲に2本の糸を互いに逆の方向に巻き付けたダブルカバードヤーンが知られている。また、実質的に無撚状の鞘糸で被覆した被覆弾性糸を得るために、弾性糸を芯糸とし、マルチフィラメント糸からなる捲縮糸を鞘繊維とする被覆弾性糸が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、芯糸となる弾性糸が糸の表面に露出すると肌触りが悪化したり染色性が悪化したりするので、芯糸が露出することを効果的に抑制する方法が模索されている。例えば、芯糸の弾性糸をマルチフィラメント仮撚糸で被覆して仮撚被覆弾性糸を構成した後、この仮撚被覆弾性糸の周囲を長繊維糸条または短繊維糸条で巻き付けた複合被覆弾性糸が既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、複合繊維として、芯糸の周囲を鞘糸が完全に被覆した芯鞘複合繊維であるコアヤーンが知られている。例えば、綿糸等の紡績糸を紡出する際に、そのドラフト工程、すなわち精紡工程でフィラメント糸を芯糸として挿入して、綿やウール等の天然繊維を鞘糸に用いて被覆したコアヤーンが紡績可能である。
上記コアヤーンを製造する精紡機として、芯糸は撚りを掛けずに無撚のまま、その周囲を紡績糸が被覆し撚り合わされたコアヤーンを紡績することが可能な空気精紡機が既に公知である(例えば、特許文献3参照)。
リング精紡機で作製されたコアヤーン等のように実撚状の被覆層を有する糸条を織物の経糸に用いた場合には、オサ打ち動作の度に繰り返ししごかれる際のしごきによって、経糸の撚りが移動してしまい鞘糸が脱落してしまう虞が生じる。しかし、空気精紡機で作製されたコアヤーン等のような結束繊維状の糸条は実撚ではなく鞘糸が絡み合って芯糸を被覆しているので、オサ打ち動作の際に撚りの移動が発生せず鞘糸が脱落しない。
特公昭50−28536号公報 特開2001−288634号公報 特開2001−164432号公報
従来の、芯糸の弾性糸をマルチフィラメント仮撚糸で被覆した仮撚被覆弾性糸の周囲を長繊維糸条または短繊維糸条で巻き付けた複合被覆弾性糸を用いることで、所定の弾性力を発揮すると共に芯糸が露出することを効果的に抑制可能な糸条を作製できる。
しかしながら、仮撚被覆弾性糸を製造する際に芯糸の弾性糸が熱影響を受けると、所定の弾性を発揮できなくなってしまい問題となる。また、仮撚被覆弾性糸の周囲を長繊維糸条または短繊維糸条で巻き付ける際に、内層部のコアヤーン状の被覆弾性糸を強く締め付けると、柔らかな肌触りや良好な弾性力を発揮できなくなって、着心地が悪化してしまい問題となる。
また、外層部が単一方向の実撚状であれば、オサ打ち動作の際の繰り返ししごきや、糸送り出し動作の際の糸走行に伴うしごき状態により、鞘糸が脱落してしまい芯糸が露出する虞が生じて問題となる。
人が直接着用する衣料は、肌触りや風合いが良好であることが望まれるので、外層部は綿繊維などから成る短繊維紡績糸を用いることが好ましい。また、所定の弾性力を発揮し、吸水速乾性や保温性や抗菌性や消臭性や難燃性などの各種の機能を発揮することが好ましい。
本考案は、上記問題点に鑑み、所定の弾性力を発揮し、肌触りや風合いも良くなり、さらに、所定の機能を発揮する織編物を作製できる複合被覆弾性糸を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本考案は、弾性糸から成る芯部と、所定の機能を発揮するフィラメント素材を用いたマルチフィラメント仮撚加工糸から成る鞘部と、結束繊維状とされる綿繊維を含む短繊維から成る外層被覆部と、を有する複合被覆弾性糸であることを特徴とする。
この構成によると、弾性糸から成る芯部と鞘部とから成る芯糸部が無撚状態で外層被覆部4が結束状態となるので、芯部が所定の弾性力を発揮し、鞘部が所定の機能を発揮する。また、外層被覆部が結束繊維状とされる綿繊維を含む短繊維から成るので、良好な肌触りと吸水性を発揮可能になる。従って、本考案によれば、所定の弾性力を発揮し、肌触りや風合いも良くなり、さらに、所定の機能を発揮する織編物を作製できる複合被覆弾性糸を得ることができる。
また本考案は、上記構成の複合被覆弾性糸において、前記鞘部は、無撚状のポリエステル捲縮糸から成る仮撚加工糸であることを特徴としている。この構成によると、芯部となる弾性糸を被覆する鞘部が無撚状のポリエステル捲縮糸から成るので、伸縮性が良好な所定の弾性力を発揮する糸条となり、人が着用するのに好適な衣料を作製可能になる。また、実質的に無撚状になるので、より吸水速乾性に優れた織編物を作製できる複合被覆弾性糸を得ることができる。
また本考案は、上記構成の複合被覆弾性糸において、前記外層被覆部は空気精紡機により紡績され、前記芯部と前記鞘部とから構成される糸条を芯糸として、この芯糸の周囲を結束して被覆するように紡績されていることを特徴としている。この構成によると、弾性糸から成る芯部と無撚状のポリエステル捲縮糸から成る鞘部とから構成される糸条を芯糸として、綿を含む短繊維が結束繊維状に被覆したコアヤーンとなるので、肌触りや風合いが良くなり、さらに、所定の弾性力を発揮する織編物を作製できる複合被覆弾性糸を得ることができる。
また本考案は、上記構成の複合被覆弾性糸において、前記鞘部は、十字断面もしくはY字断面の異形断面マルチフィラメントから成ることを特徴としている。この構成によると、異形断面のマルチフィラメントから成る芯糸部が発揮する毛細管現象により、吸水速乾性に優れた織編物を作製できる複合被覆弾性糸を得ることができる。
また本考案は、上記構成の複合被覆弾性糸において、前記鞘部は、所定の機能を発揮する薬剤を練りこんで溶融紡糸したポリエステルマルチフィラメントから成ることを特徴としている。この構成によると、鞘部を構成するフィラメント自体に薬剤を練り込んでいるので、所定の機能を発揮する複合被覆弾性糸を得ることができる。
また本考案は、上記構成の複合被覆弾性糸において、前記芯部と前記鞘部とから構成される芯糸部の配合割合が20〜35%であり、前記外層被覆部の配合割合が80〜65%であることを特徴としている。この構成によると、芯糸部20%で外層被覆部80%であれば、より風合いが良好な織編物を作製できる複合被覆弾性糸を得ることができ、芯糸部35%で外層被覆部65%であれば、より各種機能に優れた織編物を作製できる複合被覆弾性糸を得ることができる。
本考案によれば、所定の弾性力を発揮し、肌触りや風合いも良くなり、さらに、所定の機能を発揮する織編物を作製できる複合被覆弾性糸を得ることができる。
本考案に係る複合被覆弾性糸の構成を示す概略模式図である。 弾性糸から成る芯部とマルチフィラメント仮撚加工糸から成る鞘部とを有する被覆弾性糸を製造する仮撚加工機の一例を示す概略説明図である。 本考案に係る複合被覆弾性糸を製造する仮撚紡績機の一例を示す概略説明図である。
以下に本考案の実施形態を図面を参照して説明するが、本考案はこれにより何ら制限されるものではない。また、同一構成部材については同一の符号を用い、重複する説明は適宜省略する。まず本実施形態に係る複合被覆弾性糸1について図面を用いて説明する。
図1の模式図に示すように本実施形態に係わる複合被覆弾性糸1は、芯部2と鞘部3と外層被覆部4とを有して形成される。芯部2はポリウレタンなどの弾性糸から成り、鞘部3はマルチフィラメント仮撚加工糸(例えば、ポリエステル糸)から成る。外層被覆部4は結束繊維状とされる綿繊維を含む短繊維から成り、芯部2と鞘部3から成る芯鞘複合繊維CYの周囲を一様に結束して被覆する。
芯部2はモノフィラメントから成る弾性糸として図示しているが、マルチフィラメントから成る弾性糸でもよい。鞘部3も模式図に示すフィラメント数には限定されず所望のマルチフィラメント糸条でよい。芯部2と鞘部3から成る芯鞘複合繊維CYは、所定の仮撚加工機により製造できる。また、この芯鞘複合繊維CYを芯糸として空気精紡機に供給することにより、本実施形態に係る複合被覆弾性糸1を製造できる。次に、本実施形態に係る芯鞘複合繊維CYを製造する仮撚加工機について図2を用いて説明する。
本実施形態に係る芯鞘複合繊維CYは図2に示す仮撚加工機10を用いて製造できる。仮撚加工機10は、給糸パッケージPAから引き出したフィラメント糸条Y1(鞘部3に相当)を仮撚加工すると共に、仮撚加工工程の後半部分の引取りローラー14部に弾性糸Y2(芯部2に相当)を供給してコアヤーン状の芯鞘複合繊維CYを製造して1個のパッケージPCに巻き取るものである。
給糸パッケージPAから引き出したフィラメント糸条Y1は、供給ローラー11、仮撚ヒーター12、仮撚具13を介して仮撚加工し、引取りローラー14、送りローラー15、17、巻取りローラー18を介して仮撚加工糸として巻取りパッケージPCを巻成する。この仮撚加工機10の各部の構成や仮撚加工方法は従来公知であるので、ここでは詳述しない。
弾性糸Y2は給糸パッケージPBから供給ローラー21を介して引取りローラー14部に供給される。弾性糸Y2を供給する際には、所定の延伸率で供給することが好ましいので、供給ローラー21と引取りローラー14の送り速度比を所定の延伸率に設定するとよい。例えば、ポリウレタンなどの高い弾性率を有する弾性糸Y2の場合には、2〜5倍、好ましくは3.5倍程度に延伸して供給すると、合糸した際に仮撚加工糸の中心部に配置され、弾性糸Y2の周囲を仮撚加工糸が一様に被覆して良好な鞘部3を有する芯鞘複合繊維CYを製造できる。
フィラメント糸条Y1の延伸率は、供給ローラー11の送り速度と引取りローラー13の引取り速度との比により決定され、弾性糸Y2の延伸率は、供給ローラー21の送り速度と引取りローラー13の引取り速度との比により決定されるので、本実施形態においては、それぞれの速度を適宜設定している。また、仮撚具13はS撚仮撚具でもZ撚仮撚具でもよい。
弾性糸Y2は仮撚ヒーター12の下流側にある引取りローラー14部から供給して仮撚ヒーター12部を経由しないようにしている。これにより、弾性糸Y2は熱影響を受けず、所定の弾性率を発揮できる。また、弾性糸Y2は給糸パッケージPBからころがし解除されて引き取られるようにしている。この際に、給糸パッケージPBを引取りローラー14の近く(例えば、50cm程度離れた位置)に配置し、フィラメント糸条Y1の延伸率よりも弾性糸Y2の延伸率を高くすることで、仮撚加工工程中に合糸した際に、仮撚加工糸条の中心部に弾性糸Y2を配置できて、良好なコアヤーン状の芯鞘複合繊維CYを製造できる。
芯鞘複合繊維CYを形成する鞘部3は、複数の繊維を有するマルチフィラメントの長繊維から成る。また、所定の機能を発揮するフィラメント素材から成ることが好ましく、さらには、異形断面のポリエステル繊維から成ることがより好ましい。例えば、吸水速乾性や保温性や抗菌性や消臭性や難燃性などの各種の機能を発揮するフィラメント素材から成る構成であれば、所定の機能を発揮する織編物を作製できる複合被覆弾性糸1を得ることができる。
鞘部3を構成するマルチフィラメントは例えばポリエステル繊維から成る。ポリエステル繊維は、当該繊維を製造する工程で、各種の薬剤や機能性付与剤を混入して溶融紡糸することで、糸内部に所望の機能を発揮する薬剤を含有した(練りこんだ)ポリエステル繊維を製造することができる。例えば、ポリエステルあるいはポリアミドのような溶融紡糸可能な熱可塑性ポリマーに、薬剤や各種の機能性付与剤を添加して防菌防虫機能や消臭機能を発揮する化合繊フィラメントを製造することができる。
従って、ポリエステル等の化合繊フィラメントは添加する薬剤や機能性付与剤を変更することで種々の機能を発揮する化合繊糸を得ることができる。また、機能性付与剤を練りこんで溶融紡糸した化合繊フィラメントは、当然に機能性を付加するための後加工が不要であり、加工工程を短縮することができる。
また、予め地糸内部に薬剤を練りこんでいるので、洗濯等によって薬剤が脱落することもなく、長期にわたって安定した薬剤効果を発揮することができる。つまり、本考案に係る複合被覆弾性糸1に用いるポリエステル仮撚加工糸は、長期間に亘って安定した薬剤効果を発揮可能となる。
例えば、防虫機能(防蚊機能)を発揮する薬剤として、テトラメトリン、デルタメトリンなどのピレスロイド系化合物が使用できる。また、テトラメトリン、デルタメトリンに加えて、その他の抗菌剤や防虫剤を配合してもよい。例えば、光触媒金属酸化物系抗菌剤や銀系抗菌剤などを採用することができる。これらの抗菌剤も、これらを予め所定割合配合した紡糸原料を作製し、この紡糸原料を溶融紡糸することにより、所定のポリエステル繊維を製造できる。また、防ダニ効果を得るために所定の防ダニ剤を配合してもよく、その他の効果を発揮する防虫剤や動物忌避剤を配合してもよい。
また、各種の機能を発揮する薬剤や素材を配合することにより、所定の機能を発揮する化合繊フィラメントを製造できる。例えば、消臭素材を配合することにより消臭機能を発揮し、接触冷感素材を配合することにより接触冷感機能を発揮し、UVカット素材を配合することによりUVカット機能を発揮し、赤外線カット素材を配合することにより遮熱機能を発揮する。さらには、中空フィラメントを用いることにより、軽量で保温性を発揮する化合繊フィラメントを製造できる。
また、鞘部3は、十字断面もしくはY字断面の異形断面マルチフィラメントから成る構成であってもよい。この構成によると、異形断面のマルチフィラメントから成る芯糸部が発揮する毛細管現象により、より吸水速乾性に優れた織編物を作製できる複合被覆弾性糸1を得ることができる。
芯鞘複合繊維CYの周囲を外層被覆部4で被覆する際には、芯鞘複合繊維CYを無撚状態にして被覆できることが好ましい。このような糸構成は、例えば、従来公知の旋回流噴射ノズルを用いた空気精紡機に芯鞘複合繊維CYを芯糸として供給することにより実現できる。旋回流噴射ノズルを用いた空気精紡機によれば、芯鞘複合繊維CYを無撚状態とし、その周囲を綿糸などの短繊維で巻回被覆してコアヤーン状の複合被覆弾性糸1を製造できる。
次に、旋回流噴射ノズルを用いた空気精紡機の一例を図3を用いて説明する。
図3に本実施形態に係る空気精紡機30の一例を示す。空気精紡機30は、綿繊維もしくは綿繊維とポリエステル短繊維を所定割合に混合した紐状のスライバSLを供給して、ドラフト部DRで所定の細さまで延伸した後、空気紡績部36の旋回流により紡績糸を製造するものである。
すなわち、外層被覆部4となるスライバSLを挿通ガイド31から供給し、バックローラー32、サードローラー33、エプロンベルトEを有するミドルローラー34、及びフロントローラー35から構成されるドラフト部DRを通過して、所望の糸太さに延伸して、空気紡績部36の旋回流により結束状の紡績糸(仮撚紡績糸)を製造し、ニップローラー37を介して巻取部38に送り出されてパッケージPDに巻き取る。
バックローラー32、サードローラー33、ミドルローラー34、フロントローラー35は、それぞれ上下一対のローラーから成る。これらのドラフト部DRを構成するローラー対は、配置位置が下流側になるに従って段々送り速度が速くなる複数のローラー対から成り、これらのローラー対を順次通過して所定細さに牽伸され、空気紡績部36に送り込まれる。
空気紡績部36は、例えば、旋回方向が異なる2段の旋回流噴射ノズルを備えたものが公知であるが、特に限定されるものではなく、旋回流を発生する1段の旋回流噴射ノズルと紡績スピンドルとを備える紡績部でも、さらに1段の旋回流噴射ノズルと一対の加撚ローラー対よりなる加撚部材を備える紡績部であってもよい。
芯糸を構成する芯鞘複合繊維CYは、フロントローラー35の上流側から供給する。また、この際に、芯鞘複合繊維CYに所定の張力T1を付与することにより、ドラフトされながら送り込まれるスライバ束のほぼ中央部に導入するようにしている。
すなわち、芯糸となる芯鞘複合繊維CYを巻回した給糸パッケージPCから芯鞘複合繊維CYを引き出してテンサー41を介して所定の糸張力T1を付与した状態で導入することにしている。また、ドラフトされながら送り込まれるスライバ束のほぼ中央部に導入することで、芯鞘複合繊維CYを中心として、該芯鞘複合繊維CYの周囲を紡績糸(外層被覆部4)が被覆する複合被覆弾性糸1を製造してパッケージPDに巻成することができる。
空気紡績部36は旋回流噴射ノズルを用いて糸条を旋回しているので、紡績糸は芯糸(芯鞘複合繊維CY)の周囲に巻き付くが、芯鞘複合繊維CYには仮撚が付加されるだけであり、実撚は付加されない。そのために、空気紡績部36を経過したあとの紡績糸は、無撚状態の芯鞘複合繊維CYの周囲を短繊維の紡績糸(外層被覆部4)が被覆巻回した構成の結束紡績糸状の複合被覆弾性糸1となる。
上記したように、複合被覆弾性糸1は、無撚状態の芯鞘複合繊維CYの周囲を短繊維の紡績糸から成る外層被覆部4が巻回被覆した糸構造を呈するので、肌に接する側は紡績糸となり、肌触りや風合いなどは紡績糸の特徴を発揮する。また、紡績糸が綿繊維を含有していれば汗を吸収する機能を発揮する。
また、無撚状態の鞘部3(芯鞘複合繊維CY)を有する糸構造を呈するので、鞘部3が異形断面のポリエステル繊維を含む場合には、毛細管現象により良好な吸水速乾性を発揮する。従って、本実施形態に係る複合被覆弾性糸1は、全体として良好な吸水速乾性を発揮可能になる。
上記したように、本考案によれば、所定の弾性力を発揮し、肌触りや風合いも良くなり、さらに、吸水速乾性を含む各種の機能を発揮する織編物を作製できる複合被覆弾性糸1を得ることができる。
また、鞘部3(芯鞘複合繊維CY)が完全に外層被覆部4に被覆されるには、その芯鞘複合繊維CYの割合は複合被覆弾性糸1全体の20〜35%程度以下の割合が好ましい。そのために、前記外層被覆部4の割合を80〜65%程度以上として、完全に芯鞘複合繊維CYが被覆される構成とした。また、芯鞘複合繊維CYにおける芯部2と鞘部3との配合割合は、弾性糸Y2から成る芯部2が細くなるので、鞘部3の配合割合がより大きくなる。複合被覆弾性糸1の糸強力は芯鞘複合繊維CYの存在により、純粋な紡績糸よりも強力であり、その肌触りは紡績糸と同等に柔らかい状態を維持することになる。
すなわち、本実施形態に係る複合被覆弾性糸1は、芯鞘複合繊維CYの配合割合が20〜35%で外層被覆部4の配合割合が80〜65%であることが好ましい。この構成であれば、芯鞘複合繊維CYが20%で外層被覆部4が80%の場合は、より風合いが良好な織編物を製造できる複合被覆弾性糸1を得ることができ、芯鞘複合繊維CYが35%で外層被覆部4が65%の場合は、より吸水速乾性に優れた織編物を製造できる複合被覆弾性糸1を得ることができる。
また、紡績の際に芯鞘複合繊維CYの張力T1をデニール当たり40〜80%程度の張力にすることで、芯鞘複合繊維CYが糸束の中心部をキープすることが判った。すなわち、芯鞘複合繊維CYが50デニール程度の糸太さであれば、その40〜80%に相当する20〜40グラム程度の張力を付与し、芯鞘複合繊維CYが75デニール程度であれば、その40〜80%に相当する30〜60グラム程度の張力を付与することにより、芯鞘複合繊維CYが中心部にあり、その周囲を外層被覆部4が被覆する複合被覆弾性糸1を得ることができる。
例えば、複合被覆弾性糸1が綿番手30の場合に、綿番手30は177デニールに相当するので、50デニール(例えば、弾性糸が5デニール相当、鞘部の仮撚加工糸が45デニール相当)程度の芯鞘複合繊維CYに用いる場合には、張力T1を20〜40グラム程度、すなわち、30±10グラムにして芯鞘複合繊維CYを供給するとよい。
この場合、芯鞘複合繊維CYの配合割合は28%になり、20〜35%の範囲にある。すなわち、50デニール程度の芯鞘複合繊維CYを用いて、綿番手30の紡績糸を製造すると、外層被覆部4の配合割合は72%になる。
また、75デニール程度の芯鞘複合繊維CY(例えば、弾性糸が5デニール相当、鞘部の仮撚加工糸が70デニール相当)を用いて綿番手24(221デニールに相当)の紡績糸を製造すると芯鞘複合繊維CYの配合割合は34%になり、綿番手15(354デニールに相当)の紡績糸を製造すると芯鞘複合繊維CYの配合割合は21%になる。
すなわち、75デニール程度の芯鞘複合繊維CYを用いる場合には、綿番手15〜24の複合被覆弾性糸1を得ることができる。この際の鞘部3に用いるマルチフィラメントのフィラメント数は特には制限されない。芯部2に用いる弾性糸は、モノフィラメントでもマルチフィラメントであってもよい。
芯鞘複合繊維CYを芯糸として空気精紡機で紡績された複合被覆弾性糸1は実撚ではなく紡績糸を構成する短繊維が絡み合って芯糸を被覆している。そのために、リング紡績糸のように実撚状に外層の糸を被覆する際に生じるマイグレーション(芯糸が内から外へ、また内へと変位する現象)が生じず、芯糸を芯鞘複合繊維CYの中心部に安定して配置できる。また、外層部を結束繊維で被覆しているので、しごきに対して撚りの移動が発生せず鞘糸が脱落しない。そのために、本実施形態に係る上記構成の複合被覆弾性糸1を用いて編物や織物などの布帛を良好に作製できる。
上記したように、本考案に係る複合被覆弾性糸1は、弾性糸から成る芯部2と、所定の機能を発揮するフィラメント素材を用いたマルチフィラメント仮撚加工糸から成る鞘部3と、結束繊維状とされる綿繊維を含む短繊維から成る外層被覆部4と、を有し、芯部2と鞘部3とから構成される芯糸部が無撚状態で外層被覆部4が結束状態となる仮撚紡績糸から構成されることを特徴とする。
この構成であれば、弾性糸から成る芯部2と鞘部3とから成る芯糸部が無撚状態で外層被覆部4が結束状態となるので、芯部2が所定の弾性力を発揮し、鞘部3が所定の機能を発揮する。また、外層被覆部4が結束繊維状とされる綿繊維を含む短繊維から成るので、良好な肌触りと吸水性を発揮可能になる。従って、本考案によれば、所定の弾性力を発揮し、肌触りや風合いも良くなり、さらに、所定の機能を発揮する織編物を作製できる複合被覆弾性糸1を得ることができる。
また、上記構成の複合被覆弾性糸1を用いて編織成された編織物は、所定の弾性力と良好な肌触りと安定した吸水速乾性を含む所定の機能を発揮するので、所定の弾性力で体にフィットして、汗を素早く吸収し素早く乾燥させる性能が求められるスポーツウエアやタイツなどに好適に適用可能になる。
そのために本考案は、スポーツウエアやタイツ等の所定の弾性力を発揮することが求められる衣服や布地を製造するための糸条に好適に利用可能となる。
1 複合被覆弾性糸
2 芯部(弾性糸)
3 鞘部(芯鞘複合繊維)
4 外層被覆部
10 仮撚加工機
12 仮撚ヒーター
13 仮撚具
14 引取りローラー
30 空気精紡機(仮撚紡績機)
36 空気紡績部
CY 芯鞘複合繊維
PA 給糸パッケージ(ポリエステル糸)
PB 給糸パッケージ(弾性糸)
PC パッケージ(芯鞘複合繊維)
PD パッケージ(複合被覆弾性糸)
DR ドラフト部
T1 張力
Y1 フィラメント糸条
Y2 弾性糸

Claims (6)

  1. 弾性糸から成る芯部と、所定の機能を発揮するフィラメント素材を用いたマルチフィラメント仮撚加工糸から成る鞘部と、結束繊維状とされる綿繊維を含む短繊維から成る外層被覆部と、を有することを特徴とする複合被覆弾性糸。
  2. 前記鞘部は、無撚状のポリエステル捲縮糸から成る仮撚加工糸であることを特徴とする請求項1に記載の複合被覆弾性糸。
  3. 前記外層被覆部は空気精紡機により紡績され、前記芯部と前記鞘部とから構成される糸条を芯糸として、この芯糸の周囲を結束して被覆するように紡績されていることを特徴とする請求項1または2に記載の複合被覆弾性糸。
  4. 前記鞘部は、十字断面もしくはY字断面の異形断面マルチフィラメントから成ることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の複合被覆弾性糸。
  5. 前記鞘部は、所定の機能を発揮する薬剤を練りこんで溶融紡糸したポリエステルマルチフィラメントから成ることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の複合被覆弾性糸。
  6. 前記芯部と前記鞘部とから構成される芯糸部の配合割合が20〜35%であり、前記外層被覆部の配合割合が80〜65%であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の複合被覆弾性糸。
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WO2020159268A1 (ko) * 2019-01-30 2020-08-06 효성티앤씨 주식회사 신축회복성과 수축률이 개선된 복합 코어스펀얀 및 그의 제조 방법
CN114059209A (zh) * 2021-12-15 2022-02-18 浙江金旗新材料科技有限公司 弹力丝及弹力丝生产设备

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