JP3214760U - 樹脂成形用型 - Google Patents
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Abstract
【課題】上型と下型が接触し樹脂流路が形成された場合において、キャビティやランナー等の樹脂流路に残留するエアや重合反応により樹脂から発生するガス、外から侵入するエアを短時間で脱気することが可能な真空もしくは減圧環境下で用いられる樹脂成形用型を提供する。【解決手段】樹脂成形用型1は、上型10及び下型20から構成される樹脂成形用型であって、上型10及び下型20の少なくとも一方の成形面12、22に、被成形物が収納される少なくとも1つのキャビティ21が形成され、上型10及び下型20の少なくとも一方の成形面に、エア抜きおよびエア侵入防止手段を有する溝24が、上型及び下型を合わせたとき、キャビティ21を囲むように形成配置されている。【選択図】図4
Description
本考案は、真空又は減圧環境下で樹脂成形を行う樹脂成形用型の構造に関するものである。
熱硬化性樹脂の成形は、基本樹脂に硬化剤を混合、真空脱泡により水分や気泡を取り除いた後、真空チャンバの型締めされた型に液状の樹脂を圧入後加熱することにより硬化させ成型する注型法がある。この注型法を用いる場合、真空チャンバ内で型に樹脂を圧入しなければ、型のパーティングラインや樹脂注入口から空気を巻き込み成形後の樹脂にエアが混入し気泡となり、成形品が微細であればあるほど成形品の内部に残留した気泡が成形品の特性を低下させる。
一般的な真空注型機はアームの先端にカップを取付けておき、それぞれのカップに液を入れた後、真空引きを始める。真空状態になった後、アーム操作によって混合し、撹拌してから型に流し込み、大気圧に戻すことにより樹脂を圧入し硬化させていた。又、このアーム操作の機構や駆動力及び、撹拌機構を備えなければならないため、装置が大型化し、真空ポンプや真空槽が大型になると、真空ポンプの排気速度が大きなものを使用しなければならず、電気の消費量が増えると共に装置全体の価格が高いものとなっていた。更にその装置を設置する場所も広く確保する必要があった。
以上のような真空注型機について下記の発明等が提案されている。
特許文献1に係る真空注型装置は、注型材を注入するための注入口を備えた型を収納可能な減圧室と、減圧室内に収納され、注型材を収納する注型材容器と、減圧室内に収納され、注型材容器を移動させる移動装置と、減圧室内に収納され、注型材容器の注型材を型に注入する注入装置と、型の注入口位置を設定する位置設定装置と、位置設定装置により設定された注入口位置に基づいて移動装置と注入装置を制御して、注型材容器から注型材を注入させる、制御装置とを備えたことを特徴とし、上記構成により、注入口位置の設定が可能であり、制御装置により該注入口位置において注入動作が確実に行われ、装置の自動化が可能になる。しかし、上記各装置を駆動させるために、撹拌モータ、撹拌伝達機構、傾斜モータ、揺振動装置などが用いられるので、構造や作動及びその制御が複雑であった。
特許文献1に係る真空注型装置は、注型材を注入するための注入口を備えた型を収納可能な減圧室と、減圧室内に収納され、注型材を収納する注型材容器と、減圧室内に収納され、注型材容器を移動させる移動装置と、減圧室内に収納され、注型材容器の注型材を型に注入する注入装置と、型の注入口位置を設定する位置設定装置と、位置設定装置により設定された注入口位置に基づいて移動装置と注入装置を制御して、注型材容器から注型材を注入させる、制御装置とを備えたことを特徴とし、上記構成により、注入口位置の設定が可能であり、制御装置により該注入口位置において注入動作が確実に行われ、装置の自動化が可能になる。しかし、上記各装置を駆動させるために、撹拌モータ、撹拌伝達機構、傾斜モータ、揺振動装置などが用いられるので、構造や作動及びその制御が複雑であった。
以上のように、従来の真空注型装置は、装置の構造が複雑で大型である上に、真空チャンバに型締めした型を投入し真空引きするため、生産性が問題となっている。
本考案は、このような問題に鑑み、真空チャンバ内に型を入れずに、上型と下型が接触し樹脂流路が形成された場合において、キャビティやランナー等の樹脂流路に残留するエアや外から侵入するエア、硬化の際に樹脂から発生するガスを短時間で脱気することが可能な真空もしくは減圧環境下で用いられる樹脂成形用型を提供することを目的とする。
本考案は、このような問題に鑑み、真空チャンバ内に型を入れずに、上型と下型が接触し樹脂流路が形成された場合において、キャビティやランナー等の樹脂流路に残留するエアや外から侵入するエア、硬化の際に樹脂から発生するガスを短時間で脱気することが可能な真空もしくは減圧環境下で用いられる樹脂成形用型を提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、本考案の樹脂成形用型は、上型及び下型から構成される樹脂成形用型であって、上型及び下型の少なくとも一方の成形面に、被成形物が収納される少なくとも1つのキャビティが形成され、上型及び下型の少なくとも一方の成形面に、エア抜きおよびエア侵入防止手段を有する溝が、上型及び下型を合わせたとき、キャビティを囲むように形成配置されていることを特徴とする。
本考案に係る樹脂成形用型の脱気用溝の存在により、樹脂流路の残留エアや外から侵入するエア、硬化時に樹脂から発生するガスを短時間で脱気できるので、これらが樹脂中に気泡となり取り込まれ特性低下の原因を排除する効果がある。
以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に説明する。各図において、同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。また、図面は、本考案を理解するために誇張して表現している場合もあり、必ずしも縮尺どおり精緻に表したものではないことに留意されたい。なお、本考案は下記に示される実施例に限られるものではない。
実施例1を図面を参照して詳細に説明する。
まず、樹脂成形用型1の全体構成を説明する。図1は、本考案に係る樹脂成形用型1の斜視図である。図1に示すとおり、樹脂成形用型1は、大別すると、上型10と下型20とからなる。
図1と図2を参照する。図2は、本考案に係る樹脂成形用型1の下型20の平面図である。図2に示す下型20の面は、上型10の底面が当接する成形面22である。実施例1において、下型20は、その成形面22に、被成形物X(図示していない)が収納される少なくとも1つのキャビティ21と、溝24がキャビティ21を囲むように形成配置されている。また、下型20は、上型10と型締めするときに位置合わせする位置合わせ部29を備える。後述するとおり、上型10に形成される樹脂供給口15を介して、液状の樹脂が、樹脂受け部25に注入され、樹脂流路26を介して、キャビティ21内に充填される。
また、実施例1において、下型20は、キャビティ21に連通する第2の樹脂流路27を備える。液状の樹脂は、上型10に形成される樹脂吸引口18から負圧で引かれることでキャビティ21に充填されるが、キャビティ21から溢れた樹脂は樹脂流路27を介して樹脂吸引口18に到達することでセンサが働き、投入樹脂量の調節することができる。
また、実施例1において、下型20は、キャビティ21に連通する第2の樹脂流路27を備える。液状の樹脂は、上型10に形成される樹脂吸引口18から負圧で引かれることでキャビティ21に充填されるが、キャビティ21から溢れた樹脂は樹脂流路27を介して樹脂吸引口18に到達することでセンサが働き、投入樹脂量の調節することができる。
後述するとおり、上型10には、溝24に連通してエア抜きおよび外からのエアの侵入を防ぐ吸引通路14があり、この吸引通路14の開口にバルブ(図示していない)を介して真空ポンプ(図示していない)が取り付けられる。また、実施例1において、下型20の成型面22にはキャビティ21を囲むように脱気およびエア侵入防止用の溝24が環状に形成されているが、溝24は、上型10の成形面に設けてもよく、上型10及び下型20の双方の成形面12、22に形成することも可能である。
なお、実施例1において、下型20の内部は空洞であり、下型20は側面に熱源挿入口201、202、203、204を備える。熱源挿入口201、202、203、204にヒータ(図示していない)を挿通してもよいし、熱源挿入口201、202、203、204から熱湯を投入するようにしてもよい。
図3は、本考案に係る樹脂成形用型の上型10の平面図(a)と底面図(b)である。
図3(a)を参照する。上型10は、上面11に樹脂供給口15と、溝24に連通してエア抜きおよび外からのエアの侵入を防ぐ吸引通路14と、樹脂吸引口18とを備える。
図3(b)を参照する。上型10の面は、下上型10の成形面22が当接する成形面12である。上型10は、下型20に当接面12をフラットにすると、下型20に型締めされたときに、キャビティ21の開口を閉塞し、キャビティ21をチャンバ化することができる。また、上型10は、下型20と型締めするときに位置合わせする位置合わせ部19を備える。
図3(a)を参照する。上型10は、上面11に樹脂供給口15と、溝24に連通してエア抜きおよび外からのエアの侵入を防ぐ吸引通路14と、樹脂吸引口18とを備える。
図3(b)を参照する。上型10の面は、下上型10の成形面22が当接する成形面12である。上型10は、下型20に当接面12をフラットにすると、下型20に型締めされたときに、キャビティ21の開口を閉塞し、キャビティ21をチャンバ化することができる。また、上型10は、下型20と型締めするときに位置合わせする位置合わせ部19を備える。
なお、実施例1において、下型20と同様に上型10の内部も空洞であり、上型10は側面に熱源挿入口101、102、103、104を備える。熱源挿入口101、102、103、104にヒータ(図示していない)を挿通してもよいし、熱源挿入口101、102、103、104から熱湯を投入するようにしてもよい。
図4は、本考案の実施例1に係る樹脂成形用型が型締めされた状態を示す断面図である。図4に示すとおり、下型20には、その成形面22に、被成形物Xが収納されるキャビティ21と、空気抜き手段を有する溝24がキャビティ21を囲むように形成配置されている。上型10には、溝24に連通してエア抜きおよび外からのエアの侵入を防ぐ吸引通路14があり、この吸引通路14の開口にバルブ(図示していない)を介して真空ポンプ(図示していない)が取り付けられる。上型10は、当接面12がフラットであるので、下型20に型締めされたときに、キャビティ21の開口を閉塞する。すなわち、上型10と下型20が型締めされると、密封空間が形成される。このような密封空間ができた上で、溝24を介して、吸引通路14の開口から真空ポンプ(図示していない)により真空引きする。
なお、溝24の断面積(S)は、溝の効果が真空ポンプ排気速度の大小に影響されない範囲として、10〜60mm2が好適であるが限定されない。また、溝の断面形状は、図4に示すような正方形でもよいし、半円形であってもよく限定されない。
なお、溝24の断面積(S)は、溝の効果が真空ポンプ排気速度の大小に影響されない範囲として、10〜60mm2が好適であるが限定されない。また、溝の断面形状は、図4に示すような正方形でもよいし、半円形であってもよく限定されない。
実施例2を図面を参照して詳細に説明する。実施例2に係る樹脂成形型3は、後述するとおり、上型30と下型40の双方の成形面32、42に、キャビティ33、41と溝34、44が形成されている。
まず、樹脂成形用型3の全体構成を説明する。図5は、本考案に係る樹脂成形用型3の斜視図である。図5に示すとおり、樹脂成形用型3は、大別すると、上型30と下型40とからなる。
図5と図6を参照する。図6は、本考案に係る樹脂成形用型3の下型40の平面図である。図6に示す下型40の面は、上型30の底面が当接する成形面32である。実施例2において、下型40は、その成形面42に、被成形物X(図示していない)が収納される少なくとも1つのキャビティ41と、溝44がキャビティ41を囲むように形成配置されている。また、下型40は、上型30と型締めするときに位置合わせする位置合わせ部49を備える。後述するとおり、上型30に形成される樹脂供給口35を介して、液状の樹脂が、樹脂受け部45に注入され、樹脂流路46を介して、キャビティ41内に充填される。
なお、図8において後述するとおり、上型30と下型40が型締めされたときに、型締めされた上型30と下型40の任意の側面に、溝44に連通してエア抜きおよび外からのエアの侵入を防ぐ吸引通路54が形成される。この吸引通路54の開口にバルブ(図示していない)を介して真空ポンプ(図示していない)が取り付けられる。
実施例2においても、実施例1と同様に、下型40の内部は空洞であり、下型40は側面に熱源挿入口401、402、403、404を備える。熱源挿入口401、402、403、404にヒータ(図示していない)を挿通してもよいし、熱源挿入口401、402、403、404から熱湯を投入するようにしてもよい。
図7は、本考案に係る樹脂成形用型の上型30の平面図(a)と底面図(b)である。
図7(a)を参照する。上型30は、上面31に樹脂供給口35を備える。
図7(b)を参照する。上型30の底面は、下型40の成形面42が当接する成形面32である。上型30は、その成形面32に、被成形物X(図示していない)が収納される少なくとも1つのキャビティ33と、溝34がキャビティ33を囲むように形成配置されている。また、上型10は、下型20と型締めするときに位置合わせする位置合わせ部39を備える。
図7(a)を参照する。上型30は、上面31に樹脂供給口35を備える。
図7(b)を参照する。上型30の底面は、下型40の成形面42が当接する成形面32である。上型30は、その成形面32に、被成形物X(図示していない)が収納される少なくとも1つのキャビティ33と、溝34がキャビティ33を囲むように形成配置されている。また、上型10は、下型20と型締めするときに位置合わせする位置合わせ部39を備える。
上型30を下型40に型締めしたときに、キャビティ33とキャビティ41とが重なり合って密封空間が形成される。なお、図8において後述するとおり、上型30と下型40が型締めされたときに、型締めされた上型30と下型40の任意の側面に、溝44に連通してエア抜きおよび外からのエアの侵入を防ぐ吸引通路54が形成される。この吸引通路54の開口にバルブ(図示していない)を介して真空ポンプ(図示していない)が取り付けられる。このような密封空間ができた上で、溝34、44を介して、吸引通路54の開口から真空ポンプ(図示していない)により真空引きする。
なお、実施例2において、下型40と同様に上型30の内部も空洞であり、上型30は側面に熱源挿入口301、302、303、304を備える。熱源挿入口301、302、303、304にヒータ(図示していない)を挿通してもよいし、熱源挿入口301、302、303、304から熱湯を投入するようにしてもよい。
図8は、本考案の実施例2に係る樹脂成形用型が型締めされた状態を示す断面図である。図8に示すとおり、下型40には、その成形面42に、被成形物Xが収納されるキャビティ21が形成され、空気抜き手段を有する溝44がキャビティ33、41を囲むように形成配置される。前述したとおり、上型30と下型40が型締めされたときに、型締めされた上型30と下型40の任意の側面に、溝34,44に連通してエア抜きおよび外からのエアの侵入を防ぐ吸引通路54が形成される。この吸引通路54の開口にバルブ(図示していない)を介して真空ポンプ(図示していない)が取り付けられる。このような構造において、溝34、44を介して、吸引通路54の開口から真空ポンプ(図示していない)により真空引きする。
なお、溝34、44の断面積(S)は、溝の効果が真空ポンプ排気速度の大小に影響されない範囲として、10〜60mm2が好適であるが限定されない。また、溝の断面形状は、図8に示すような正方形でもよいし、半円形であってもよく限定されない。
なお、溝34、44の断面積(S)は、溝の効果が真空ポンプ排気速度の大小に影響されない範囲として、10〜60mm2が好適であるが限定されない。また、溝の断面形状は、図8に示すような正方形でもよいし、半円形であってもよく限定されない。
以上、本考案に係る樹脂成形用型における好ましい実施形態を図示して説明してきたが、本考案の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
本考案に係る樹脂成形用型は、種々の熱硬化性プラスチックに透明性が高い成形品を得ることができるので、広く利用することができる。
1 3 樹脂成形用型
10 30 上型
11 31 上面
12 32 成形面
33 キャビティ
34 溝
14 54 吸引通路
15 35 樹脂供給口
18 樹脂吸引口
19 39 位置合わせ部
20 40 下型
21 41 キャビティ
22 42 成形面
24 44 溝
25 45 樹脂受け部
26 46 樹脂流路
27 樹脂流路
28 樹脂溜まり
29 49 位置合わせ部
X 被成形物
10 30 上型
11 31 上面
12 32 成形面
33 キャビティ
34 溝
14 54 吸引通路
15 35 樹脂供給口
18 樹脂吸引口
19 39 位置合わせ部
20 40 下型
21 41 キャビティ
22 42 成形面
24 44 溝
25 45 樹脂受け部
26 46 樹脂流路
27 樹脂流路
28 樹脂溜まり
29 49 位置合わせ部
X 被成形物
Claims (1)
- 上型及び下型から構成される樹脂成形用型であって、
前記上型及び下型の少なくとも一方の成形面に、被成形物が収納される少なくとも1つのキャビティが形成され、
前記上型及び下型の少なくとも一方の成形面に、エア抜きおよびエア侵入防止手段を有する溝が、前記上型及び下型を合わせたとき、前記キャビティを囲むように形成配置されていることを特徴とする樹脂成形用型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017005317U JP3214760U (ja) | 2017-11-22 | 2017-11-22 | 樹脂成形用型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017005317U JP3214760U (ja) | 2017-11-22 | 2017-11-22 | 樹脂成形用型 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019078343A Continuation JP2019147386A (ja) | 2019-04-17 | 2019-04-17 | 樹脂成形用型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3214760U true JP3214760U (ja) | 2018-02-01 |
Family
ID=61067056
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017005317U Ceased JP3214760U (ja) | 2017-11-22 | 2017-11-22 | 樹脂成形用型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3214760U (ja) |
-
2017
- 2017-11-22 JP JP2017005317U patent/JP3214760U/ja not_active Ceased
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