JP3213999U - パレット、コンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】パレットに載置された物品がパレットから脱落したり、パレットに対して位置ズレしたりするのを容易に防止することができるパレットを提供する。【解決手段】物品を搬送するために用いられるパレットであって、物品Xが載置されるパレット本体部2と、パレット本体部に取り付けられる取付部材3とを備え、パレット本体部は、凹状に形成されて少なくとも一つの取付部材を上方から挿入可能に構成された凹状挿入部2aを上面に複数備えると共に、上面における二つの凹状挿入部によって挟まれた領域に、物品が載置された際に物品と重なる載置領域を備えており、取付部材は、凹状挿入部に挿入されてパレット本体部に取り付けられた状態でパレット本体部の上面よりも上方へ延出する取付部材延出部を備える。【選択図】図3

Description

本考案は、物品の搬送に用いられるパレットであって、物品を載置可能に構成されたパレットに関する。また、該パレットを用いたコンテナに関する。
例えば、大型で重量のある物品を搬送する際には、斯かる物品を載置可能に構成されたパレットが用いられる。そして、パレットに載置された物品を移動させる際には、フォークリフト等を用いて、パレットと共に物品が移動される。このように、パレットと共に物品を移動させる際には、移動に伴う振動等によって物品がパレットから脱落したり、パレットに対して物品が位置ズレしたりする虞がある。
このため、物品の脱落や位置ズレを防止するべく、種々の手段が講じられている。例えば、物品の一部(例えば、包装材)と、パレットとを連結部材(例えば、ボルトとナット)を用いて連結し、パレット上に物品を固定する方法が挙げられる。また、他の方法としては、例えば、物品の下端外周部から下方へ延出する物品延出部を、該下端外周部に沿って複数形成し、パレット上に物品を載置する際に、複数の物品延出部によって囲まれた空間にパレットの上端部を挿入することで、物品がパレットに対して位置ズレしないようにする方法が挙げられる(特許文献1参照)。更に他の方法としては、パレットの上端外周部から上方へ延出するパレット延出部を、該上端外周部に沿って複数形成し、パレット上に物品を載置する際に、複数のパレット延出部によって囲まれた空間に物品の下端部を挿入することで、物品がパレットに対して位置ズレしないようにする方法が挙げられる(特許文献2参照)。
特開2007−204119号公報 特開2005−153917号公報
しかしながら、上記のように、複数の物品延出部を物品に形成する方法では、パレットのサイズによっては、複数の物品延出部で囲まれた空間にパレットの上端部が収まらない虞がある。また、パレットのサイズによっては、複数の物品延出部によって囲まれた空間にパレットの上端部が収容された状態で、パレットの上端部と複数の物品延出部とが離れすぎて、物品の位置ズレを効果的に防止できない虞がある。
また、複数のパレット延出部をパレットに形成する方法では、物品のサイズによっては、複数のパレット延出部で囲まれた空間に物品の下端部が収まらない虞がある。また、物品のサイズによっては、複数のパレット延出部で囲まれた空間に物品の下端部が収容された状態で、物品の下端部と複数のパレット延出部とが離れすぎて、物品の位置ズレを効果的に防止できない虞がある。
そこで、本考案は、パレットに載置された物品がパレットから脱落したり、パレットに対して位置ズレしたりするのを容易に防止することができるパレットを提供すると共に、該パレットを用いて形成されたコンテナを提供することを課題とする。
本考案に係るパレットは、物品を搬送するために用いられるパレットであって、
物品が載置されるパレット本体部と、該パレット本体部に取り付けられる取付部材とを備えており、前記パレット本体部は、凹状に形成されて少なくとも一つの前記取付部材を上方から挿入可能に構成された凹状挿入部を上面に複数備えると共に、該上面における二つの凹状挿入部によって挟まれた領域に、物品が載置された際に該物品と重なる載置領域を備えており、前記取付部材は、前記凹状挿入部に挿入されてパレット本体部に取り付けられた状態でパレット本体部の上面よりも上方へ延出する取付部材延出部を備える。
斯かる構成によれば、凹状に形成されて少なくとも一つの取付部材が上方から挿入される凹状挿入部を複数備える。また、パレット本体部の上面における二つの凹状挿入部によって挟まれた領域に物品を載置する載置領域が形成される。更に、取付部材は、凹状挿入部に挿入されてパレット本体部に取り付けられた状態でパレット本体部の上面よりも上方へ延出する取付部材延出部を備える。
これにより、二つの凹状挿入部のそれぞれに挿入された各取付部材は、二つの凹状挿入部によって載置領域が挟まれる方向(以下、規制方向とも記す)において、載置領域に載置される物品と重なることになる。このため、パレット本体部に載置された物品に対して規制方向に移動させるような力が加わった際にも、取付部材延出部によって規制方向への物品の移動が規制される。このため、パレット本体部からの物品の脱落やパレット本体部上での物品の位置ズレを防止することができる。
前記凹状挿入部は、一方向に延びる第一溝部、及び、前記一方向に交差する他方向に延びる第二溝部の少なくとも一方から構成されており、前記第一溝部は、前記他方向に間隔を空けて少なくとも二つ形成され、前記第二溝部は、前記一方向に間隔を空けて少なくとも二つ形成されており、パレット本体部の上面における二つの第一溝部の間の領域、及び、二つの第二溝部の間の領域の少なくとも一方の領域に前記載置領域が形成されることが好ましい。
斯かる構成によれば、凹状挿入部は、前記一方向に延びる第一溝部、及び、前記他方向に延びる第二溝部の少なくとも一方から構成される。また、第一溝部は、前記他方向に間隔を空けて少なくとも二つ形成され、第二溝部は、前記一方向に間隔を空けて少なくとも二つ形成される。更に、パレット本体部の上面における二つの第一溝部の間の領域、及び、二つの第二溝部の間の領域の少なくとも一方に載置領域が形成される。
これにより、凹状挿入部が溝状に形成されるため、載置領域の面積(即ち、物品の大きさに)に応じて、第一溝部や第二溝部の延びる方向の任意の位置に取付部材を挿入することができる。つまり、物品の大きさに影響されることなく、パレット本体部に取付部材を取り付けることができるため、パレット本体部からの物品の脱落やパレット本体部上での物品の位置ズレをより効果的に防止することができる。
前記凹状挿入部は、パレット本体部の前記上面における外周縁から該上面の内側に向かって広がる環状領域に形成されており、該環状領域の面積は、パレット本体部の前記上面の面積に対して、80%以下であり、環状領域における凹状挿入部が占める面積割合は、60%以下であることが好ましい。
斯かる構成によれば、パレット本体部の前記上面に十分な強度を与えることができる。具体的には、パレット本体部の前記上面には、物品が載置されるため、該上面には物品の重量が加わることになる。このため、パレット本体部の前記上面には、物品の重量によって破損しない程度の強度が要求される。そこで、凹状挿入部が形成される環状領域の面積の割合を、パレット本体部の前記上面の面積に対して上記の範囲に構成し、環状領域における凹状挿入部の占める面積割合を上記の範囲に構成することで、パレット本体部の前記上面に十分な強度を与えることができる。
前記第一溝部及び第二溝部の少なくとも一方は、パレット本体部の上面における載置領域の内側と外側とを連ねるように連続的に形成されることが好ましい。
斯かる構成によれば、第一溝部及び第二溝部の少なくとも一方は、パレット本体部の上面における載置領域の内側と外側とを連ねるように連続的に形成される。
これにより、パレット本体部上に保冷材を配置した際に、保冷材によって冷やされた空気が第一溝部及び第二溝部の少なくとも一方を伝って載置領域に載置された物品の下に流入する。このため、物品の温度上昇の抑制や、物品の冷却を効果的に行うことができる。
本考案に係るコンテナは、上記何れかのパレットと、該パレットに載置された物品を収容するようにパレット上に配置される収容部材とを備えており、前記取付部材は、前記収容部材の内側に配置される。
斯かる構成によれば、上記何れかのパレットと、該パレットに載置された物品を収容するようにパレット上に配置される収容部材とを備えており、取付部材は、収容部材の内側に配置される。これにより、収容部材の内側で、パレット本体部上での物品の位置ズレを防止することができる。
前記収容部材によって形成される物品を収容する空間に、保冷材が配置されることが好ましい。
斯かる構成によれば、収容部材によって形成される物品を収容する空間に、保冷材が配置される。ここで、収容部材の内側では、パレット本体部上での物品の位置ズレが取付部材によって防止されるため、収容部材内において物品が移動して意図せずに保冷材と接触するのを防止することができる。
以上のように、本考案によれば、パレットに載置された物品がパレットから脱落したり、パレットに対して位置ズレしたりするのを容易に防止することができる。
本考案の一実施形態に係るコンテナの構成を示した斜視図。 同実施形態に係るパレットを構成するパレット本体部を上方から見た図。 同実施形態に係るパレット上に物品が載置された状態を示す斜視図。 同実施形態に係るパレット上に物品が載置された状態における上下方向に沿った断面図。 本考案の他の実施形態に係るパレットを構成する取付部材を上下方向に交差する方向から見た図。 更に他の実施形態に係るパレットを構成する取付部材を上下方向に交差する方向から見た図。 更に他の実施形態に係るパレットを構成する取付部材の斜視図。
以下に、本考案に係るパレットの一実施形態について、図面を参照しつつ説明するが、本考案は、下記の実施形態の構成に限定されるものではない。なお、以下の説明では、各図の座標軸におけるx軸に沿った方向を一方向とし、各図の座標軸におけるy軸に沿った方向を他方向とし、各図の座標軸におけるz軸に沿った方向を上下方向として説明する。
本考案の一実施形態であるパレット1は、図1に示すように、物品Xが載置されるパレット本体部2と、該パレット本体部2に取り付けられる取付部材3とを備える。また、パレット1は、パレット1に載置された物品Xを収容するようにパレット1上に配置される収容部材Yと共に、コンテナ10を構成するものである。本実施形態では、収容部材Yは、断熱材を用いて形成される断熱部Y1と、物品X及び断熱部Y1を収容する収容部材本体部Y5とを備える。
パレット本体部2は、図2に示すように、上面に、凹状に形成されて少なくとも一つの取付部材3を上方から挿入可能に構成された凹状挿入部2aを複数備える。具体的には、凹状挿入部2aは、パレット本体部2の前記上面における外周縁から該上面の内側に向かって広がる環状領域(後述する第二方向一端側領域A1、第二方向他端側領域A2、第一方向一端側領域A3、及び、第一方向他端側領域A4から構成される領域)に形成される。そして、環状領域の内側には、凹状挿入部2aが形成されない領域(以下では、補強領域とも記す)が形成される。環状領域の面積は、パレット本体部2の前記上面の面積に対して、80%以下であることが好ましい。即ち、補強領域の面積は、パレット本体部2の前記上面の面積に対して、20%以上であることが好ましい。
また、パレット本体部2は、一方向(以下では、第一方向とも記す)の両端部に、第一方向におけるパレット本体部2の外側へ向けて開放すると共に上方へ向けて開放する開放部2dを備える。該開放部2dは、第一方向に交差する他方向(以下では、第二方向とも記す)に延びるように形成される。
前記凹状挿入部2aは、第一方向に延びる第一溝部2bと、第二方向に延びる第二溝部2cとから構成される。
第一溝部2bは、第二方向に間隔を空けて少なくとも二つ形成される。具体的には、第一溝部2bは、パレット本体部2の上面における第二方向の中央部よりも一端側の領域(以下では、第二方向一端側領域とも記す)A1、及び、該中央部よりも他端側の領域(以下では、第二方向他端側領域とも記す)A2のそれぞれに、複数(本実施形態では、3つ)形成される。これにより、第二方向一端側領域A1と第二方向他端側領域A2との間には、第一溝部2bを備えない領域が形成される。また、各第一溝部2bは、パレット本体部2の上面の第一方向の両端間の略全域に亘って連続的に形成され、第一方向の両端部が開放部2dと連通する。
第二溝部2cは、第一方向に間隔を空けて少なくとも二つ形成される。具体的には、第二溝部2cは、パレット本体部2の上面における第一方向の中央部よりも一端側の領域(以下では、第一方向一端側領域とも記す)A3、及び、該中央部よりも他端側の領域(以下では、第一方向他端側領域とも記す)A4のそれぞれに、複数(本実施形態では、3つ)形成される。これにより、第一方向一端側領域A3と第一方向他端側領域A4との間には、第二溝部2cを備えない領域が形成される。また、各第二溝部2cは、パレット本体部2の上面の第二方向の両端部2e,2e間の全域に亘って連続的に形成される。
第一溝部2b及び第二溝部2cの少なくとも一方は、上下方向に延びる内面の一部が内側へ向かって突出した溝内突出部2fを備える。本実施形態では、第二方向におけるパレット本体部2の両端部2e,2eに隣接する各第一溝部2bは、第一方向一端側領域A3と第一方向他端側領域A4との間に、溝内突出部2fを備える。
また、パレット本体部2は、物品が載置された際に該物品と重なる載置領域A5を備える。つまり、該載置領域A5は、物品の大きさに対応した面積となるものである。載置領域A5は、パレット本体部2の上面における二つの凹状挿入部2aによって挟まれた領域に形成される。具体的には、載置領域A5は、第二方向一端側領域A1に形成される一つの凹状挿入部2a(第一溝部2b)と、第二方向他端側領域A2に形成される一つの凹状挿入部2a(第一溝部2b)との間に形成される。また、載置領域A5は、第一方向一端側領域A3に形成される一つの凹状挿入部2a(第二溝部2c)と、第一方向他端側領域A4形成される一つの凹状挿入部2a(第二溝部2c)との間に形成される。つまり、載置領域A5は、第二方向において対向する二つの第一溝部2bと、第一方向において対向する二つの第二溝部2cとで囲まれた領域に形成される。そして、載置領域A5の内側と外側とを連ねるように、第一溝部2b及び第二溝部2cの少なくとも一方(本実施形態では、両方)が形成される(換言すれば、載置領域A5の内側に凹状挿入部2aの一部が位置する)。
取付部材3は、図3,4に示すように、板状の形状を有するものである。また、取付部材3は、凹状挿入部2a(本実施形態では、第一溝部2b)に上方から挿入可能に構成される。また、取付部材3は、凹状挿入部2a(本実施形態では、第一溝部2b)に挿入されてパレット本体部2に取り付けられた状態でパレット本体部2の上面(載置領域A5)よりも上方へ延出する取付部材延出部3aを備える。つまり、取付部材3は、凹状挿入部2a(本実施形態では、第一溝部2b)に挿入された際に凹状挿入部2a(本実施形態では、第一溝部2b)の内側に位置する取付部材挿入部3bを備え、該取付部材挿入部3b以外の部分によって取付部材延出部3aが形成される。
また、取付部材3は、上下方向に交差する方向(本実施形態では、第一方向)において、載置領域A5に載置される物品Xと重なるように配置される。また、取付部材3は、第二方向において載置領域A5(即ち、物品X)を挟むように配置される。また、取付部材3は、載置領域A5に載置される物品Xの外周(即ち、載置領域A5の外周)に沿って間隔を空けて複数配置される。
図1に戻り、前記断熱部Y1は、板状に形成された複数(具体的には、5枚)の断熱パネルY2を組み合わせることで形成される。また、断熱部Y1は、箱状に形成されると共に内側の空間を下方へ開放する開口部Y3を下端部に備える。そして、該開口部Y3から物品Xを内側の空間に収容可能に構成される。また、断熱部Y1は、下端外周部の一部が切り欠かれるように形成された断熱部切欠部Y4を備える。該断熱部切欠部Y4は、下方へ向かって開放する凹状に形成される。そして、断熱部切欠部Y4は、パレット本体部2が備える溝内突出部2fを下方から差し込み可能に構成される。
前記収容部材本体部Y5は、箱状に形成されると共に内側の空間を下方へ開放する開口部Y6を下端部に備える。そして、該開口部Y6から断熱部Y1を内側の空間に収容可能に構成される。収容部材本体部Y5を構成する材料としては、特に限定されるものではなく、段ボール等を用いることができる。
そしてコンテナ10を形成する際には、図3に示すようにパレット本体部2に物品Xを載置すると共に、複数の(具体的には、4つの)取付部材3を凹状挿入部2a(第一溝部2b)に挿入してパレット本体部2に取り付ける。この際、取付部材延出部3aが第二方向において物品Xと重なった状態となる。図1に戻り、更に、断熱部Y1の内側の空間にパレット本体部2上の物品Xと取付部材3とを収容し、その断熱部Y1を収容部材本体部Y5の内側の空間に収容しつつ、断熱部Y1の下端部(開口部Y3)及び収容部材本体部Y5の下端部(開口部Y6)をパレット本体部2に固定する。この際、断熱部Y1の下端部(開口部Y3)及び収容部材本体部Y5の下端部(開口部Y6)は、少なくとも一部がパレット本体部2の凹状挿入部2a(具体的には、第一溝部2b)に挿入される。具体的には、断熱部Y1の下端部における第一方向に延びる部分であって断熱部切欠部Y4を備える部分と、その部分に重なる収容部材本体部Y5の下端部がパレット本体部2の最も外側に位置する第一溝部2bに挿入される。また、断熱部Y1の下端部における第二方向に延びる部分と、その部分に重なる収容部材本体部Y5の下端部がパレット本体部2の開放部2dに配置される。これにより、コンテナ10が形成される。
以上のように、本考案に係るパレット、及び、コンテナは、パレットに載置された物品がパレットから脱落したり、パレットに対して位置ズレしたりするのを容易に防止することができる。
即ち、凹状に形成されて少なくとも一つの取付部材3が上方から挿入される凹状挿入部2aを複数備える。また、パレット本体部2の上面における二つの凹状挿入部2aによって挟まれた領域に物品Xを載置する載置領域A5が形成される。更に、取付部材3は、凹状挿入部2aに挿入されてパレット本体部2に取り付けられた状態でパレット本体部2の上面よりも上方へ延出する取付部材延出部3aを備える。
これにより、二つの凹状挿入部2aのそれぞれに挿入された各取付部材3は、二つの凹状挿入部2aによって載置領域A5が挟まれる方向(以下、規制方向とも記す)において、載置領域A5に載置される物品Xと重なることになる。このため、パレット本体部2に載置された物品Xに対して規制方向に移動させるような力が加わった際にも、取付部材延出部3aによって規制方向への物品Xの移動が規制される。このため、パレット本体部2からの物品Xの脱落やパレット本体部2上での物品Xの位置ズレを防止することができる。
また、凹状挿入部2aは、第一方向に延びる第一溝部2b、及び、第二方向に延びる第二溝部2cの少なくとも一方から構成される。また、第一溝部2bは、第二方向に間隔を空けて少なくとも二つ形成され、第二溝部2cは、第一方向に間隔を空けて少なくとも二つ形成される。更に、パレット本体部2の上面における二つの第一溝部2bの間の領域、及び、二つの第二溝部2cの間の領域の少なくとも一方に載置領域A5が形成される。
これにより、凹状挿入部2aが溝状に形成されるため、載置領域A5の面積(即ち、物品Xの大きさに)に応じて、第一溝部2bや第二溝部2cの延びる方向の任意の位置に取付部材3を挿入することができる。つまり、物品Xの大きさに影響されることなく、パレット本体部2に取付部材3を取り付けることができるため、パレット本体部2からの物品Xの脱落やパレット本体部2上での物品Xの位置ズレをより効果的に防止することができる。
また、パレット本体部2の前記上面には、物品Xが載置されるため、該上面には物品Xの重量が加わることになる。このため、パレット本体部2の前記上面には、物品Xの重量によって破損しない程度の強度が要求される。そこで、凹状挿入部2aが形成される環状領域(第二方向一端側領域A1、第二方向他端側領域A2、第一方向一端側領域A3、及び、第一方向他端側領域A4から構成される領域)の面積の割合を、パレット本体部2の前記上面の面積に対して上記の範囲に構成することによって、環状領域の内側に補強領域を形成すると共に、環状領域における凹状挿入部2aの占める面積割合を上記の範囲に構成することで、パレット本体部の前記上面に十分な強度を与えることができる。
また、第一溝部2b及び第二溝部2cの少なくとも一方は、パレット本体部2の上面における載置領域A5の内側と外側とを連ねるように連続的に形成される。これにより、パレット本体部2上に保冷材を配置した際に、保冷材によって冷やされた空気が第一溝部2b及び第二溝部2cの少なくとも一方を伝って載置領域A5に載置された物品Xの下に流入する。このため、物品Xの温度上昇の抑制や、物品Xの冷却を効果的に行うことができる。
また、上記何れかのパレット1と、該パレット1に載置された物品Xを収容するようにパレット1上に配置される収容部材Yとを備えており、取付部材3は、収容部材Yの内側に配置される。これにより、収容部材Yの内側で、パレット本体部2上での物品Xの位置ズレを防止することができる。
なお、本考案に係るパレット、及び、コンテナは、上記実施形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、他の各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
例えば、上記実施形態では、凹状挿入部2aは、第一溝部2bと第二溝部2cとから構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、第一溝部2bのみ、又は、第二溝部2cのみから構成されてもよい。
また、上記実施形態では、凹状挿入部2aは、溝状に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、円形状等の開口部を有する孔状に形成されてもよい。斯かる場合には、孔状の凹状挿入部2aが第一方向、及び/又は、第二方向に沿って複数配列されるように構成されてもよい。
また、上記実施形態では、取付部材3は、板状に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、図5に示すように、パレット本体部2に載置された物品Xと同程度高さを有する三角形状に形成されてもよい。斯かる取付部材30では、中央部に貫通孔30aが形成されることが好ましい。また、取付部材3の他の形状としては、図6に示すように、パレット本体部2に載置された物品Xと同程度高さを有するX字状に形成されてもよい。斯かる取付部材31は、帯状に延びる二つ板材31aを中央部で回動自在に連結することで形成することができる。これにより、二つ板材31aを回動させて重ねることができるため、取付部材31を保管するスペースを小さくすることができる。また、取付部材3の更に他の形状としては、図7に示すように、高さ方向に直交する断面がL字状に形成されてもよい。斯かる取付部材32では、二つの方向において物品Xの移動を規制することができる。
また、上記実施形態では、第一溝部2bのみに取付部材3が挿入されるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、第一溝部2bに加えて、第二溝部2cにも取付部材3が挿入されてもよく、第二溝部2cのみに取付部材3が挿入されてもよい。
また、上記実施形態では、収容部材Yは、断熱部Y1と収容部材本体部Y5とから構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、断熱部Y1、又は、収容部材本体部Y5の何れか一方のみから構成されてもよい。
また、上記実施形態では、物品Xは、コンテナ10に収容された状態で、搬送されるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、収容部材Yに収容されることなく、搬送されてもよい。
また、上記実施形態では、断熱部Y1は、下端部がパレット本体部2の最も外側に位置する凹状挿入部2a(第一溝部2b)内、及び、開放部2d内に配置されるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、物品Xのサイズに合わせて他の第一溝部2b内、及び/又は、第二溝部2c内に配置されてもよい。例えば、断熱部Y1を構成する各断熱パネルY2を物品Xのサイズに合わせた大きさに裁断し、物品Xの外周に沿って、任意の第一溝部2b内、及び/又は、第二溝部2c内に、下端部を配置するように構成してもよい。
また、コンテナ10が形成された状態において、断熱部Y1の内側に、保冷材(図示せず)が配置されてもよい。具体的には、パレット本体部2の凹状挿入部2a(第一溝部2b、及び/又は、第二溝部2c)に、保冷材を差し込んだ状態で、物品Xと、取付部材3と、保冷材とを断熱部Y1内に収容するように構成されてもよい。又は、箱状の断熱部Y1の内側に保冷材を取り付けた状態で、物品Xと、取付部材3とを断熱部Y1内に収容するように構成されてもよい。
斯かる構成によれば、収容部材Yによって形成される物品Xを収容する空間に、保冷材が配置される。ここで、収容部材Yの内側では、パレット本体部2上での物品Xの位置ズレが取付部材3によって防止されるため、収容部材Y内において物品Xが移動して意図せずに保冷材と接触するのを防止することができる。
また、パレット本体部2、取付部材3、及び、断熱部Y1の少なくとも一つは、軽量化を図るため、合成樹脂発泡体から形成されてもよい。該合成樹脂発泡体を構成する樹脂としては、特に限定されるものではなく、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−スチレン共重合体、ポリプロピレン樹脂等が挙げられる。
1…パレット、2…パレット本体部、2a…凹状挿入部、2b…第一溝部、2c…第二溝部、2d…開放部、2f…溝内突出部、3…取付部材、3a…取付部材延出部、3b…取付部材挿入部、10…コンテナ、A1…第二方向一端側領域、A2…第二方向他端側領域、A3…第一方向一端側領域、A4…第一方向他端側領域、A5…載置領域、X…物品、Y…収容部材、Y1…断熱部、Y2…断熱パネル、Y4…断熱部切欠部、Y5…収容部材本体部

Claims (6)

  1. 物品を搬送するために用いられるパレットであって、
    物品が載置されるパレット本体部と、該パレット本体部に取り付けられる取付部材とを備えており、
    前記パレット本体部は、凹状に形成されて少なくとも一つの前記取付部材を上方から挿入可能に構成された凹状挿入部を上面に複数備えると共に、該上面における二つの凹状挿入部によって挟まれた領域に、物品が載置された際に該物品と重なる載置領域を備えており、
    前記取付部材は、前記凹状挿入部に挿入されてパレット本体部に取り付けられた状態でパレット本体部の上面よりも上方へ延出する取付部材延出部を備えるパレット。
  2. 前記凹状挿入部は、一方向に延びる第一溝部、及び、前記一方向に交差する他方向に延びる第二溝部の少なくとも一方から構成されており、
    前記第一溝部は、前記他方向に間隔を空けて少なくとも二つ形成され、前記第二溝部は、前記一方向に間隔を空けて少なくとも二つ形成されており、
    パレット本体部の上面における二つの第一溝部の間の領域、及び、二つの第二溝部の間の領域の少なくとも一方の領域に前記載置領域が形成される請求項1に記載のパレット。
  3. 前記凹状挿入部は、パレット本体部の前記上面における外周縁から該上面の内側に向かって広がる環状領域に形成されており、
    該環状領域の面積は、パレット本体部の前記上面の面積に対して、80%以下であり、
    環状領域における凹状挿入部が占める面積割合は、60%以下である請求項1又は2に記載のパレット。
  4. 前記第一溝部及び第二溝部の少なくとも一方は、パレット本体部の上面における載置領域の内側と外側とを連ねるように連続的に形成される請求項2に記載のパレット。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載のパレットと、該パレットに載置された物品を収容するようにパレット上に配置される収容部材とを備えており、
    前記取付部材は、前記収容部材の内側に配置されるコンテナ。
  6. 前記収容部材によって形成される物品を収容する空間に、保冷材が配置される請求項5に記載のコンテナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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