JP3213849B2 - 圧電磁器組成物 - Google Patents
圧電磁器組成物Info
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- JP3213849B2 JP3213849B2 JP17481191A JP17481191A JP3213849B2 JP 3213849 B2 JP3213849 B2 JP 3213849B2 JP 17481191 A JP17481191 A JP 17481191A JP 17481191 A JP17481191 A JP 17481191A JP 3213849 B2 JP3213849 B2 JP 3213849B2
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- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電磁器組成物に係
り、特に結晶粒径が小さく且つ均一で高い電気機械結合
係数Kp を有し、更に比誘電率εrの温度依存性も小さ
く、超音波振動子として好適な圧電磁器組成物に関す
る。
り、特に結晶粒径が小さく且つ均一で高い電気機械結合
係数Kp を有し、更に比誘電率εrの温度依存性も小さ
く、超音波振動子として好適な圧電磁器組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】圧電セラミックスは超音波振動子、アク
チュエータ、超音波モータ、セラミックフィルター等広
範囲の用途に利用されている。超音波振動子について更
に言えば、近年、家庭用小型洗浄機、車載用の雨滴除去
装置等その需用が増々高まっている。この種の超音波振
動子としての円形の圧電磁器に対する要求としては、
チュエータ、超音波モータ、セラミックフィルター等広
範囲の用途に利用されている。超音波振動子について更
に言えば、近年、家庭用小型洗浄機、車載用の雨滴除去
装置等その需用が増々高まっている。この種の超音波振
動子としての円形の圧電磁器に対する要求としては、
【0003】エネルギー変換効率が高いこと(径方向
振動での電気機械結合係数Kp が高いこと) 振動子駆動回路との整合上、比誘電率εr の温度依存
性が小さいこと、 入力電力に対し高信頼性を維持する上で圧電磁器の微
細構造が均一なこと(結晶粒径が小さく且つ均一なこ
と) 等が挙げられる。
振動での電気機械結合係数Kp が高いこと) 振動子駆動回路との整合上、比誘電率εr の温度依存
性が小さいこと、 入力電力に対し高信頼性を維持する上で圧電磁器の微
細構造が均一なこと(結晶粒径が小さく且つ均一なこ
と) 等が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、この種超音波振
動子として用いる圧電磁器としては、例えばPb(Mn
1/3 Nb2/3 )O3 −PbZrO3 −PbTiO3 系等
の比較的機械的品質係数Qm の高い3成分系のものが知
られている。しかしながら上記従来の組成物の場合、電
気機械結合係数Kp が必ずしも高くはない。従って、超
音波振動子として搭載した機器或は装置に於いて機能上
限度があり、この対策手段として振動子に対し入力電力
を大きくする手段もあるが、消費電力が大きくなると共
に、振動子の信頼性が低下する等不都合が生じる。更に
雰囲気温度が高くなるに従って、或はサイクル駆動等に
よる振動子自体の発熱によって、電気機械結合係数Kp
が更に低下し、それに伴なって機器或は装置の機能低下
を招く恐れも生じる。
動子として用いる圧電磁器としては、例えばPb(Mn
1/3 Nb2/3 )O3 −PbZrO3 −PbTiO3 系等
の比較的機械的品質係数Qm の高い3成分系のものが知
られている。しかしながら上記従来の組成物の場合、電
気機械結合係数Kp が必ずしも高くはない。従って、超
音波振動子として搭載した機器或は装置に於いて機能上
限度があり、この対策手段として振動子に対し入力電力
を大きくする手段もあるが、消費電力が大きくなると共
に、振動子の信頼性が低下する等不都合が生じる。更に
雰囲気温度が高くなるに従って、或はサイクル駆動等に
よる振動子自体の発熱によって、電気機械結合係数Kp
が更に低下し、それに伴なって機器或は装置の機能低下
を招く恐れも生じる。
【0005】一方、高い電気機械結合係数Kp を得る目
的で組成物に於いてZr/Ti比をMPB(モルフォト
ロピック相境界)に持ってくると組成上、電気機械結合
係数Kp が高くなる反面、比誘電率εr の温度依存性が
大きくなり、雰囲気温度の上昇、振動子自体の発熱等に
よって比誘電率εr が著しく増加し、駆動回路との整合
がとれず機器或は装置本来の機能が失なわれるという事
態にもなりかねない。更に、比誘電率εrの増加に伴な
う共張インピーダンスの低下もさけられず、回路を流れ
る電流値も増大し、振動子の発熱と共に、駆動回路を構
成する部材にも悪影響を及ぼす結果となる。
的で組成物に於いてZr/Ti比をMPB(モルフォト
ロピック相境界)に持ってくると組成上、電気機械結合
係数Kp が高くなる反面、比誘電率εr の温度依存性が
大きくなり、雰囲気温度の上昇、振動子自体の発熱等に
よって比誘電率εr が著しく増加し、駆動回路との整合
がとれず機器或は装置本来の機能が失なわれるという事
態にもなりかねない。更に、比誘電率εrの増加に伴な
う共張インピーダンスの低下もさけられず、回路を流れ
る電流値も増大し、振動子の発熱と共に、駆動回路を構
成する部材にも悪影響を及ぼす結果となる。
【0006】本発明の技術的課題は、かかる従来の磁器
組成物の欠点を、種々検討を加えた結果、解消するもの
であって、電気機械結合係数Kp が大きく、比誘電率ε
r の温度変化率も小さく、更に結晶粒径も小さく均一で
あり、径方向振動を利用する超音波振動子として好都合
な特性を有している圧電磁器組成物を得ることにある。
組成物の欠点を、種々検討を加えた結果、解消するもの
であって、電気機械結合係数Kp が大きく、比誘電率ε
r の温度変化率も小さく、更に結晶粒径も小さく均一で
あり、径方向振動を利用する超音波振動子として好都合
な特性を有している圧電磁器組成物を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の圧電磁
器組成物は、主成分として一般式Pb1-A BaA (Zr
B Tic )O3 で示され(但しB+C=1)、0.05
≦A≦0.15、B/C比=1.01〜1.07を満足
する基本組成に対し、副成分としてMnO0.05〜
0.25重量%、NiO0.05〜0.25重量%、及
びLa2 O3 を0.05〜0.15重量%添加含有して
成る事を特徴とする。
器組成物は、主成分として一般式Pb1-A BaA (Zr
B Tic )O3 で示され(但しB+C=1)、0.05
≦A≦0.15、B/C比=1.01〜1.07を満足
する基本組成に対し、副成分としてMnO0.05〜
0.25重量%、NiO0.05〜0.25重量%、及
びLa2 O3 を0.05〜0.15重量%添加含有して
成る事を特徴とする。
【0008】
【作用】本発明では、PbZrO3 −PbTiO3 を主
成分とし、Pb原子の一部をBaで置換すると共にZr
/Ti比を調整し、更に種々添加物を加える事によっ
て、高い電気機械結合系数Kp を有し、比誘電率εr の
温度依存性も小さく、更に結晶粒径が小さく均一で高信
頼性が維持できる等、径方向振動を利用する超音波振動
子として好適な圧電磁器組成物が提供される。
成分とし、Pb原子の一部をBaで置換すると共にZr
/Ti比を調整し、更に種々添加物を加える事によっ
て、高い電気機械結合系数Kp を有し、比誘電率εr の
温度依存性も小さく、更に結晶粒径が小さく均一で高信
頼性が維持できる等、径方向振動を利用する超音波振動
子として好適な圧電磁器組成物が提供される。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例の圧電磁器組成物につい
て、参考例と比較しながら詳細に説明する。
て、参考例と比較しながら詳細に説明する。
【0010】出発原料として化学的純度99%以上の主
成分としてのPbO,BaCO3 ,ZrO2 ,Ti
O2 ,Nb2 O5 ,MnO、及び所定の副成分を選び、
図1〜4に示す組成になる様に精秤した。
成分としてのPbO,BaCO3 ,ZrO2 ,Ti
O2 ,Nb2 O5 ,MnO、及び所定の副成分を選び、
図1〜4に示す組成になる様に精秤した。
【0011】次に、これら原料をボールミルで混合した
後、乾燥し、850〜900℃で仮焼成した。次いでボ
ールミルによって粉砕して得られた粉末に、有機バイン
ダを適量加えて造粒した後、1ton /cm2 の圧力で加圧
成形し、1200℃〜1280℃の温度で数時間焼成し
て焼結体を得た。
後、乾燥し、850〜900℃で仮焼成した。次いでボ
ールミルによって粉砕して得られた粉末に、有機バイン
ダを適量加えて造粒した後、1ton /cm2 の圧力で加圧
成形し、1200℃〜1280℃の温度で数時間焼成し
て焼結体を得た。
【0012】得られた焼結体をφ17.5厚さ1mmに切
断、研磨した後、Ag蒸着電極を付与し、シリコーン油
中で温度140〜180℃の条件下で直流電場40〜6
0kV/cmを30分間印加し、分極処理を施して圧電的に
活性化させて、圧電磁器組成物を得る。次に所定の測定
方法により電気機械結合係数Kp 及び比誘電率εr の温
度依存性を調べた。
断、研磨した後、Ag蒸着電極を付与し、シリコーン油
中で温度140〜180℃の条件下で直流電場40〜6
0kV/cmを30分間印加し、分極処理を施して圧電的に
活性化させて、圧電磁器組成物を得る。次に所定の測定
方法により電気機械結合係数Kp 及び比誘電率εr の温
度依存性を調べた。
【0013】尚、電気機械結合係数Kp は数1により算
出して求めた。 fr :共振周波数、fa :反共振周波数
出して求めた。 fr :共振周波数、fa :反共振周波数
【0014】
【数1】
【0015】比誘電率の温度依存性は、恒温槽中に試料
をセットし、分極方向と振動方向が同一で単一振動させ
た場合、20℃及び100℃での比誘電率(εr =ε33
T /ε0 )を求め、数2により温度変化率として、算出
し比較した。
をセットし、分極方向と振動方向が同一で単一振動させ
た場合、20℃及び100℃での比誘電率(εr =ε33
T /ε0 )を求め、数2により温度変化率として、算出
し比較した。
【0016】
【数2】
【0017】結晶粒径は焼結体を鏡面研磨しエッチング
後、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いn=30から最
大粒径、平均粒径で評価した。結果を図1〜4に示す。
尚、図1〜4に於いて、*印の試料No.は本発明の圧電
磁器組成物に該当する。
後、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いn=30から最
大粒径、平均粒径で評価した。結果を図1〜4に示す。
尚、図1〜4に於いて、*印の試料No.は本発明の圧電
磁器組成物に該当する。
【0018】図1〜4からも明らかな様に、図1〜3の
本発明の圧電磁器組成物から成る試料は、図4の参考例
と比較して電気機械結合係数Kp が大きく、比誘電率ε
r の温度変化率も小さく、更に結晶粒径も小さく均一で
あり、径方向振動を利用する超音波振動子として好都合
な特性を有している事は明白である。
本発明の圧電磁器組成物から成る試料は、図4の参考例
と比較して電気機械結合係数Kp が大きく、比誘電率ε
r の温度変化率も小さく、更に結晶粒径も小さく均一で
あり、径方向振動を利用する超音波振動子として好都合
な特性を有している事は明白である。
【0019】この様に本発明によれば、主成分としてP
b1-A BaA (ZrB Tic )O3 を基本組成とし、A
及びB/C比を各々適度な範囲に設定し、且つ副成分と
して、MnO,NiO,Co2 O3 を各々適度な範囲で
同時に添加含有させることにより、特に基本成分と副成
分との相乗効果のため、電気機械結合係数Kp が高くな
り、比誘電率εr の温度依存性が小さく、更に磁器の結
晶粒径が小さく且つ均一で良好な微細構造を有する高出
力超音波振動子として好適な圧電磁器組成物が実現でき
る。
b1-A BaA (ZrB Tic )O3 を基本組成とし、A
及びB/C比を各々適度な範囲に設定し、且つ副成分と
して、MnO,NiO,Co2 O3 を各々適度な範囲で
同時に添加含有させることにより、特に基本成分と副成
分との相乗効果のため、電気機械結合係数Kp が高くな
り、比誘電率εr の温度依存性が小さく、更に磁器の結
晶粒径が小さく且つ均一で良好な微細構造を有する高出
力超音波振動子として好適な圧電磁器組成物が実現でき
る。
【0020】尚、0.05>A、1.01>B/C及び
副成分であるMnOが0.05重量%、NiOが0.0
5重量%、及びLa2 O3 が0.05重量%より少ない
組成物のものでは、電気機械結合係数Kp の改善効果が
認めらない。また、所望する比誘電率が得られない。
A>0.15の組成物では磁器としての緻密性が失なわ
れ、電気機械結合係数Kp の低下を招き、B/C>1.
07では比誘電率εr の温度依存性が大きく目的とする
超音波振動子としては好ましくない。更に、副成分であ
るMnOが0.25重量%、NiOが0.25重量%、
La2 O3 が0.15重量%より多い組成物のもので
は、電気機械結合係数Kp が低下すると共に結晶粒径も
大きくなる傾向のため、いずれも本発明の特許請求の範
囲から除外した。
副成分であるMnOが0.05重量%、NiOが0.0
5重量%、及びLa2 O3 が0.05重量%より少ない
組成物のものでは、電気機械結合係数Kp の改善効果が
認めらない。また、所望する比誘電率が得られない。
A>0.15の組成物では磁器としての緻密性が失なわ
れ、電気機械結合係数Kp の低下を招き、B/C>1.
07では比誘電率εr の温度依存性が大きく目的とする
超音波振動子としては好ましくない。更に、副成分であ
るMnOが0.25重量%、NiOが0.25重量%、
La2 O3 が0.15重量%より多い組成物のもので
は、電気機械結合係数Kp が低下すると共に結晶粒径も
大きくなる傾向のため、いずれも本発明の特許請求の範
囲から除外した。
【0021】
【発明の効果】以上詳述した様に、本発明によれば、広
範囲に利用できる高出力超音波振動子に好適な電気機械
結合係数Kp が大きく、比誘電率εr の温度変化率も小
さく、更に結晶粒径も小さく均一の一電圧磁器組成が得
られ、産業上極めて価値大である。
範囲に利用できる高出力超音波振動子に好適な電気機械
結合係数Kp が大きく、比誘電率εr の温度変化率も小
さく、更に結晶粒径も小さく均一の一電圧磁器組成が得
られ、産業上極めて価値大である。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】本発明の一実施例の圧電磁器組成物の組成を示
す図である。
す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/49 C01G 25/00 - 25/02 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】 主成分として一般式Pb1-A BaA (Z
rB Tic )O3 で示され(但しB+C=1)、0.0
5≦A≦0.15、B/C比=1.01〜1.07を満
足する基本組成に対し、副成分としてMnO0.05〜
0.25重量%、NiO0.05〜0.25重量%及び
La2 O3 を0.05〜0.15重量%添加含有して成
ることを特徴とする圧電磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17481191A JP3213849B2 (ja) | 1991-06-20 | 1991-06-20 | 圧電磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17481191A JP3213849B2 (ja) | 1991-06-20 | 1991-06-20 | 圧電磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05116947A JPH05116947A (ja) | 1993-05-14 |
JP3213849B2 true JP3213849B2 (ja) | 2001-10-02 |
Family
ID=15985083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17481191A Expired - Fee Related JP3213849B2 (ja) | 1991-06-20 | 1991-06-20 | 圧電磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3213849B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AT515462B1 (de) * | 2014-02-17 | 2018-07-15 | Guenter Dipl Ing Dr Engel | Keramisches Material und Kondensator mit demselben |
CN116283281A (zh) * | 2023-04-07 | 2023-06-23 | 中国科学院上海硅酸盐研究所 | 一种有双向应变的压电驱动器材料及其制备方法 |
-
1991
- 1991-06-20 JP JP17481191A patent/JP3213849B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05116947A (ja) | 1993-05-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20010627 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |