JP3213486B2 - 配線経路決定方法 - Google Patents
配線経路決定方法Info
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- JP3213486B2 JP3213486B2 JP23186394A JP23186394A JP3213486B2 JP 3213486 B2 JP3213486 B2 JP 3213486B2 JP 23186394 A JP23186394 A JP 23186394A JP 23186394 A JP23186394 A JP 23186394A JP 3213486 B2 JP3213486 B2 JP 3213486B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ある領域内に配置され
る複数の機器同士を少なくとも接続する配線経路を決定
する方法にかかり、特に略直角に折れ曲がる折れ線によ
り配線する配線経路決定方法に関するものである。
る複数の機器同士を少なくとも接続する配線経路を決定
する方法にかかり、特に略直角に折れ曲がる折れ線によ
り配線する配線経路決定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような配線経路決定方法と
して、配線の始点と終点とを指定することにより始点と
終点との位置を特定するマトリクスが形成され、始点を
中心にして4方向の座標とその番号から成るイベント
と、終点を中心にして4方向の座標とその番号から成る
イベントとが作成され、これらのイベントが交差する点
を自動的に検索することにより、検索された交点を経由
して始点と終点とを結線する方法があった(特開平5−
233743号公報参照)。
して、配線の始点と終点とを指定することにより始点と
終点との位置を特定するマトリクスが形成され、始点を
中心にして4方向の座標とその番号から成るイベント
と、終点を中心にして4方向の座標とその番号から成る
イベントとが作成され、これらのイベントが交差する点
を自動的に検索することにより、検索された交点を経由
して始点と終点とを結線する方法があった(特開平5−
233743号公報参照)。
【0003】また、他の方法として、配線対象となる2
点を含む矩形の配線領域を縦横に複数のブロックに分割
し、各ブロック毎に水平及び垂直方向の配線の危険度
(障害物に阻まれる確率)を判別するとともに、この判
別結果に基づいて水平方向線分、垂直方向線分またはそ
れらの組み合わせから成る予め定められた基本パターン
群の中から、配線可能な基本パターンの候補を決定し、
基本パターンの候補の中から選択される1つの基本パタ
ーンをもとに目的とする配線パターンを生成するととも
に、配線パターンが配線禁止領域と重なる場合には配線
禁止領域を回避するように、パターンの構成線分を水平
又は垂直に移動させることにより、障害物を避けて自動
的に配線パターンを生成する方法があった(特開平3−
294972号公報参照)。
点を含む矩形の配線領域を縦横に複数のブロックに分割
し、各ブロック毎に水平及び垂直方向の配線の危険度
(障害物に阻まれる確率)を判別するとともに、この判
別結果に基づいて水平方向線分、垂直方向線分またはそ
れらの組み合わせから成る予め定められた基本パターン
群の中から、配線可能な基本パターンの候補を決定し、
基本パターンの候補の中から選択される1つの基本パタ
ーンをもとに目的とする配線パターンを生成するととも
に、配線パターンが配線禁止領域と重なる場合には配線
禁止領域を回避するように、パターンの構成線分を水平
又は垂直に移動させることにより、障害物を避けて自動
的に配線パターンを生成する方法があった(特開平3−
294972号公報参照)。
【0004】さらに、別の方法として、接続線の始点と
終点の2点のみを順次選択することによりピンペア情報
を作成し、このピンペア情報に基づいて配線禁止領域を
避けて始点と終点とを直角に折れ曲がる連続直線で結線
する方法が提案されていた(特開平4−149783号
公報参照)。
終点の2点のみを順次選択することによりピンペア情報
を作成し、このピンペア情報に基づいて配線禁止領域を
避けて始点と終点とを直角に折れ曲がる連続直線で結線
する方法が提案されていた(特開平4−149783号
公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記各従来構成(順番
に第1〜第3の従来構成と呼ぶ)のうち、第1及び第3
の従来構成においては、始点と終点との間に結線を阻む
障害物が多いと経路の探索・決定に時間がかかり過ぎる
という問題があった。また、始点と終点とを結ぶ線を1
本ずつしか配線できず、始点と終点との間を複数本の線
で接続するとともにそれら複数本の線を束ねることがで
きないという問題があった。
に第1〜第3の従来構成と呼ぶ)のうち、第1及び第3
の従来構成においては、始点と終点との間に結線を阻む
障害物が多いと経路の探索・決定に時間がかかり過ぎる
という問題があった。また、始点と終点とを結ぶ線を1
本ずつしか配線できず、始点と終点との間を複数本の線
で接続するとともにそれら複数本の線を束ねることがで
きないという問題があった。
【0006】さらに、第2の従来構成においては、危険
度の判別結果から得られる基本パターンの数が膨大にな
ったり、配線領域をブロック分割する場合の分割の仕方
によって危険度の判定に時間がかかったり、あるいは、
障害物を回避する場合にも一度基本パターンを選択して
から障害物回避の操作が必要となり、配線経路の決定が
迅速に行えないという問題があった。
度の判別結果から得られる基本パターンの数が膨大にな
ったり、配線領域をブロック分割する場合の分割の仕方
によって危険度の判定に時間がかかったり、あるいは、
障害物を回避する場合にも一度基本パターンを選択して
から障害物回避の操作が必要となり、配線経路の決定が
迅速に行えないという問題があった。
【0007】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、配線経路の決定が容易に且つ迅速に行える配
線経路決定方法を提供しようとするものである。
のであり、配線経路の決定が容易に且つ迅速に行える配
線経路決定方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、領域内に配置された複数の機器
同士を少なくとも接続する配線経路の決定方法であっ
て、配線領域内に直交座標系を設定し、接続しようとす
る2つの機器に対応する位置をそれぞれ始点と終点に指
定するとともに、配線領域内において始点及び終点と異
なる位置に操作点を指定し、始点から操作点に向かうベ
クトルと、終点から操作点に向かうベクトルとを直交座
標系の各座標軸に平行なベクトル成分に分解するととも
に分解されたベクトル成分を組み合わせて形成される連
続した折れ線により始点から操作点を経由して終点に至
る配線経路が決定されることを特徴とする。
目的を達成するために、領域内に配置された複数の機器
同士を少なくとも接続する配線経路の決定方法であっ
て、配線領域内に直交座標系を設定し、接続しようとす
る2つの機器に対応する位置をそれぞれ始点と終点に指
定するとともに、配線領域内において始点及び終点と異
なる位置に操作点を指定し、始点から操作点に向かうベ
クトルと、終点から操作点に向かうベクトルとを直交座
標系の各座標軸に平行なベクトル成分に分解するととも
に分解されたベクトル成分を組み合わせて形成される連
続した折れ線により始点から操作点を経由して終点に至
る配線経路が決定されることを特徴とする。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、配線領域内における機器の配置位置および配置向き
と機器に具備された接続線が接続される端子の位置とに
よって機器から引き出される接続線の引出し方向が決定
されることを特徴とする。請求項3の発明は、請求項1
又は請求項2の発明において、配線領域内において始点
と終点とを含む矩形の領域を設定し、この矩形領域内を
縦横に分割してマトリクスを作成するとともに、矩形領
域内において少なくとも機器の配置位置に対応するマト
リクスの要素に配線不可能を示す評価値をパラメータと
して設定し、マトリクスの任意の2つの要素が始点と終
点として指定されると、始点と終点とを結ぶ線分の略中
点とその中点に隣接する位置に対応する要素のうちから
配線不可能を示す評価値がパラメータとして設定されて
いない要素を探索して仮操作点とし、この仮操作点を操
作点としたことを特徴とする。
て、配線領域内における機器の配置位置および配置向き
と機器に具備された接続線が接続される端子の位置とに
よって機器から引き出される接続線の引出し方向が決定
されることを特徴とする。請求項3の発明は、請求項1
又は請求項2の発明において、配線領域内において始点
と終点とを含む矩形の領域を設定し、この矩形領域内を
縦横に分割してマトリクスを作成するとともに、矩形領
域内において少なくとも機器の配置位置に対応するマト
リクスの要素に配線不可能を示す評価値をパラメータと
して設定し、マトリクスの任意の2つの要素が始点と終
点として指定されると、始点と終点とを結ぶ線分の略中
点とその中点に隣接する位置に対応する要素のうちから
配線不可能を示す評価値がパラメータとして設定されて
いない要素を探索して仮操作点とし、この仮操作点を操
作点としたことを特徴とする。
【0010】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
の発明において、機器間の配線に使用される接続線を屈
曲させる場合のルールを予め設定するとともに、一旦決
定された配線経路に対してこのルールに反するか否かの
判定を行い、ルールに反した配線経路を補正することを
特徴とする。請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
の発明において、複数の端子を具備する機器の任意の1
つの端子同士を接続する配線経路の一部を残りの端子同
士を接続する配線経路の一部に共用するようにしたこと
を特徴とする。
の発明において、機器間の配線に使用される接続線を屈
曲させる場合のルールを予め設定するとともに、一旦決
定された配線経路に対してこのルールに反するか否かの
判定を行い、ルールに反した配線経路を補正することを
特徴とする。請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
の発明において、複数の端子を具備する機器の任意の1
つの端子同士を接続する配線経路の一部を残りの端子同
士を接続する配線経路の一部に共用するようにしたこと
を特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1の発明によれば、配線領域内に直交座
標系を設定し、接続しようとする2つの機器に対応する
位置をそれぞれ始点と終点に指定するとともに、配線領
域内において始点及び終点と異なる位置に操作点を指定
し、始点から操作点に向かうベクトルと、終点から操作
点に向かうベクトルとを直交座標系の各座標軸に平行な
ベクトル成分に分解するとともに分解されたベクトル成
分を組み合わせて形成される連続した折れ線により始点
から操作点を経由して終点に至る配線経路が決定される
ので、配線領域内に始点,終点及び操作点を指定すれ
ば、始点と操作点を結ぶ経路と、終点と操作点とを結ぶ
経路とが略直角に折れ曲がる折れ線にて接続され、始点
から操作点を経由して終点に至る配線経路を容易に且つ
迅速に決定することができる。
標系を設定し、接続しようとする2つの機器に対応する
位置をそれぞれ始点と終点に指定するとともに、配線領
域内において始点及び終点と異なる位置に操作点を指定
し、始点から操作点に向かうベクトルと、終点から操作
点に向かうベクトルとを直交座標系の各座標軸に平行な
ベクトル成分に分解するとともに分解されたベクトル成
分を組み合わせて形成される連続した折れ線により始点
から操作点を経由して終点に至る配線経路が決定される
ので、配線領域内に始点,終点及び操作点を指定すれ
ば、始点と操作点を結ぶ経路と、終点と操作点とを結ぶ
経路とが略直角に折れ曲がる折れ線にて接続され、始点
から操作点を経由して終点に至る配線経路を容易に且つ
迅速に決定することができる。
【0012】請求項2の発明によれば、配線領域内にお
ける機器の配置位置および配置向きと機器に具備された
接続線が接続される端子の位置とによって機器から引き
出される接続線の引出し方向が決定されるので、始点、
終点、操作点が指定されると、機器からの接続線の引出
し方向に応じて直ちに1つの配線経路を決定することが
できる。
ける機器の配置位置および配置向きと機器に具備された
接続線が接続される端子の位置とによって機器から引き
出される接続線の引出し方向が決定されるので、始点、
終点、操作点が指定されると、機器からの接続線の引出
し方向に応じて直ちに1つの配線経路を決定することが
できる。
【0013】請求項3の発明によれば、配線領域内にお
いて始点と終点とを含む矩形の領域を設定し、この矩形
領域内を縦横に分割してマトリクスを作成するととも
に、矩形領域内において少なくとも機器の配置位置に対
応するマトリクスの要素に配線不可能を示す評価値をパ
ラメータとして設定し、マトリクスの任意の2つの要素
が始点と終点として指定されると、始点と終点とを結ぶ
線分の略中点とその中点に隣接する位置に対応する要素
のうちから配線不可能を示す評価値がパラメータとして
設定されていない要素を探索して仮操作点とし、この仮
操作点を操作点とするので、始点と終点とを指定するだ
けで操作点を指定しなくても配線経路を決定することが
できる。
いて始点と終点とを含む矩形の領域を設定し、この矩形
領域内を縦横に分割してマトリクスを作成するととも
に、矩形領域内において少なくとも機器の配置位置に対
応するマトリクスの要素に配線不可能を示す評価値をパ
ラメータとして設定し、マトリクスの任意の2つの要素
が始点と終点として指定されると、始点と終点とを結ぶ
線分の略中点とその中点に隣接する位置に対応する要素
のうちから配線不可能を示す評価値がパラメータとして
設定されていない要素を探索して仮操作点とし、この仮
操作点を操作点とするので、始点と終点とを指定するだ
けで操作点を指定しなくても配線経路を決定することが
できる。
【0014】請求項4の発明によれば、機器間の配線に
使用される接続線を屈曲させる場合のルールを予め設定
するとともに、一旦決定された配線経路に対してこのル
ールに反するか否かの判定を行い、ルールに反した配線
経路を補正するので、接続線に負担のかかる配線経路と
なることを避けることができる。請求項5の発明によれ
ば、複数の端子を具備する機器の任意の1つの端子同士
を接続する配線経路の一部を残りの端子同士を接続する
配線経路の一部に共用するようにしたので、複数の端子
により機器同士を接続する場合の配線経路をより容易に
且つ迅速に決定することができる。
使用される接続線を屈曲させる場合のルールを予め設定
するとともに、一旦決定された配線経路に対してこのル
ールに反するか否かの判定を行い、ルールに反した配線
経路を補正するので、接続線に負担のかかる配線経路と
なることを避けることができる。請求項5の発明によれ
ば、複数の端子を具備する機器の任意の1つの端子同士
を接続する配線経路の一部を残りの端子同士を接続する
配線経路の一部に共用するようにしたので、複数の端子
により機器同士を接続する場合の配線経路をより容易に
且つ迅速に決定することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、以下の実施例では、電設盤において盤内に配置され
る内器である分岐ブレーカなどの電気機器2同士を少な
くとも結線する電線などの接続線の配線経路を決定する
場合を例示するものであるが、これ以外にもビル内に配
置された複数の空調機器同士をパイプによって接続する
場合の配管経路を決定する場合など、ある領域内に配置
された複数の機器同士を少なくとも接続して配線経路を
決定する必要がある各種の分野において、本発明の技術
思想を適用することが可能である。
お、以下の実施例では、電設盤において盤内に配置され
る内器である分岐ブレーカなどの電気機器2同士を少な
くとも結線する電線などの接続線の配線経路を決定する
場合を例示するものであるが、これ以外にもビル内に配
置された複数の空調機器同士をパイプによって接続する
場合の配管経路を決定する場合など、ある領域内に配置
された複数の機器同士を少なくとも接続して配線経路を
決定する必要がある各種の分野において、本発明の技術
思想を適用することが可能である。
【0016】図2は以下の実施例において、本発明を実
現するために使用されるCAD装置のハードウェア構成
を示しており、各種の演算処理や外部ファイルとのデー
タの授受を行ったり、他の装置の制御などを行う電子計
算機10と、外部ファイルを格納する外部記憶装置11
と、図面やその他各種情報を表示するディスプレイ装置
12と、ディスプレイ装置12の画面上にて任意のポイ
ントを指定するためのマウス13aやタブレット13b
のようなポインティング装置13やキーボード14とか
ら構成されている。
現するために使用されるCAD装置のハードウェア構成
を示しており、各種の演算処理や外部ファイルとのデー
タの授受を行ったり、他の装置の制御などを行う電子計
算機10と、外部ファイルを格納する外部記憶装置11
と、図面やその他各種情報を表示するディスプレイ装置
12と、ディスプレイ装置12の画面上にて任意のポイ
ントを指定するためのマウス13aやタブレット13b
のようなポインティング装置13やキーボード14とか
ら構成されている。
【0017】(実施例1)図1は電設盤における配線経
路の対象領域を示す図であり、CAD装置のディスプレ
イ装置12の画面上に表示される。この対象領域内に
は、例えば図1に示される始点と終点とを結ぶ配線経路
に対して障害物2となる分岐ブレーカなどの電気機器が
配置されており、始点と終点とを結ぶ配線経路はこの障
害物2を避けて決定される必要がある。そこで、対象領
域内において配線経路を決定しようとする場合、まず、
マウス13aかタブレット13bかのポインティング装
置13を使ってディスプレイ装置12の画面上にて接続
する2点を始点と終点として指定し、さらに、始点及び
終点と異なる点を操作点として配線領域内に指定する。
そうすると、電子計算機10における演算により、始点
と操作点、終点と操作点をそれぞれ結ぶ線分a,bが得
られ、これらの線分a,bはそれぞれ始点から操作点、
終点から操作点への向きを持ったベクトルa’,b’と
考えることができる。これらのベクトルa’,b’は、
配線領域内に設定した直交座標系の各座標軸に平行なベ
クトル成分にそれぞれ分解することができ、以下のよう
に表すことができる。
路の対象領域を示す図であり、CAD装置のディスプレ
イ装置12の画面上に表示される。この対象領域内に
は、例えば図1に示される始点と終点とを結ぶ配線経路
に対して障害物2となる分岐ブレーカなどの電気機器が
配置されており、始点と終点とを結ぶ配線経路はこの障
害物2を避けて決定される必要がある。そこで、対象領
域内において配線経路を決定しようとする場合、まず、
マウス13aかタブレット13bかのポインティング装
置13を使ってディスプレイ装置12の画面上にて接続
する2点を始点と終点として指定し、さらに、始点及び
終点と異なる点を操作点として配線領域内に指定する。
そうすると、電子計算機10における演算により、始点
と操作点、終点と操作点をそれぞれ結ぶ線分a,bが得
られ、これらの線分a,bはそれぞれ始点から操作点、
終点から操作点への向きを持ったベクトルa’,b’と
考えることができる。これらのベクトルa’,b’は、
配線領域内に設定した直交座標系の各座標軸に平行なベ
クトル成分にそれぞれ分解することができ、以下のよう
に表すことができる。
【0018】a’=ax1’+ay1’=ax2’+ay2’ b’=bx1’+by1’=bx2’+by2’ 上式によりベクトルa’,b’を分解して得られるベク
トル成分ax1’,ay1’,ax2’,ay2’,bx1’,b
y1’,bx2’,by2’を組み合わせることにより、始点
から操作点を経由して終点に至る折れ線による配線経路
を表すことができる。例えば、ベクトル成分ax1’,a
y1’,bx1’,by1’の組み合わせによって1つの配線
経路の候補が決定され、同様にして計4つのベクトル成
分の組み合わせ(ax1’,ay1’,bx1’,by1’),
(ax1’,ay1’,bx2’,by2’),(ax2’,
ay2’,bx1’,by1’),(ax2’,ay2’,
bx2’,by2’)から成る4つの配線経路の候補が決定
される。そして、上記4つの配線経路の候補の中から操
作者が1つの候補を選択すれば、配線領域内に設定され
た直交座標系の各座標軸に平行な線が組み合わされて形
成された折れ線にて始点と終点とが結ばれた配線経路が
決定されることになる。
トル成分ax1’,ay1’,ax2’,ay2’,bx1’,b
y1’,bx2’,by2’を組み合わせることにより、始点
から操作点を経由して終点に至る折れ線による配線経路
を表すことができる。例えば、ベクトル成分ax1’,a
y1’,bx1’,by1’の組み合わせによって1つの配線
経路の候補が決定され、同様にして計4つのベクトル成
分の組み合わせ(ax1’,ay1’,bx1’,by1’),
(ax1’,ay1’,bx2’,by2’),(ax2’,
ay2’,bx1’,by1’),(ax2’,ay2’,
bx2’,by2’)から成る4つの配線経路の候補が決定
される。そして、上記4つの配線経路の候補の中から操
作者が1つの候補を選択すれば、配線領域内に設定され
た直交座標系の各座標軸に平行な線が組み合わされて形
成された折れ線にて始点と終点とが結ばれた配線経路が
決定されることになる。
【0019】ところで、実際に電気機器同士を接続する
場合には、電気機器に設けられた接続用の端子に接続線
である電線を接続するのであるから、始点あるいは終点
として指定できるのは電気機器の端子位置であり、しか
も、その端子位置から引き出される電線の方向は電気機
器の配置された向きや端子の位置によって一義的に決ま
るものである。したがって、上述のようにして配線経路
を決定しようとする電気機器の端子位置を始点と終点に
指定し、さらに、操作点を指定した場合、始点及び終点
からの配線の方向が決まっているから、4つのベクトル
成分の組み合わせのうち1つのベクトル成分の組み合わ
せしか選択できないことになる。つまり、図3に示すよ
うに、電気機器21 は長手方向を縦向きにして電設盤に
配置され、端子の位置は下側にあるので、端子からの電
線4の引出し方向はy軸のマイナス方向となり、ベクト
ルa’のベクトル成分ay1’,ax2’のうちy軸のマイ
ナス方向のベクトル成分ay1’を含むことが必要とな
り、同様に、電気機器22 が長手方向を縦向きにして電
設盤に配置され、端子の位置が上側にあることから、端
子からの電線4の引出し方向はy軸のプラス方向とな
り、ベクトルb’のベクトル成分bx1’,by2’のうち
y軸のプラス方向のベクトル成分by2’を含むことが必
要となるので、結局始点から操作点を経由して終点に至
る配線経路は、上記2つのベクトル成分ay1’,by2’
を含んだ組み合わせ(ax1’,ay1’,b x2’,
by2’)に一義的に決定されることになる。
場合には、電気機器に設けられた接続用の端子に接続線
である電線を接続するのであるから、始点あるいは終点
として指定できるのは電気機器の端子位置であり、しか
も、その端子位置から引き出される電線の方向は電気機
器の配置された向きや端子の位置によって一義的に決ま
るものである。したがって、上述のようにして配線経路
を決定しようとする電気機器の端子位置を始点と終点に
指定し、さらに、操作点を指定した場合、始点及び終点
からの配線の方向が決まっているから、4つのベクトル
成分の組み合わせのうち1つのベクトル成分の組み合わ
せしか選択できないことになる。つまり、図3に示すよ
うに、電気機器21 は長手方向を縦向きにして電設盤に
配置され、端子の位置は下側にあるので、端子からの電
線4の引出し方向はy軸のマイナス方向となり、ベクト
ルa’のベクトル成分ay1’,ax2’のうちy軸のマイ
ナス方向のベクトル成分ay1’を含むことが必要とな
り、同様に、電気機器22 が長手方向を縦向きにして電
設盤に配置され、端子の位置が上側にあることから、端
子からの電線4の引出し方向はy軸のプラス方向とな
り、ベクトルb’のベクトル成分bx1’,by2’のうち
y軸のプラス方向のベクトル成分by2’を含むことが必
要となるので、結局始点から操作点を経由して終点に至
る配線経路は、上記2つのベクトル成分ay1’,by2’
を含んだ組み合わせ(ax1’,ay1’,b x2’,
by2’)に一義的に決定されることになる。
【0020】上記方法によれば、配線領域内において2
つの電気機器同士を接続する場合に、各電気機器21 ,
22 の端子を始点及び終点に指定し、さらに、始点と終
点との間の適当な位置に操作点を指定すれば、始点から
操作点に向かうベクトルと、終点から操作点に向かうベ
クトルとをそれぞれ配線領域内に設定された直交座標系
の各座標軸に平行なベクトル成分に分解した結果に基づ
いて、直交座標系の各座標軸に平行な線分を組み合わせ
て形成される折れ線により、始点から操作点を経由して
終点に至る配線経路を決定することができ、配線経路の
決定を容易に且つ迅速に行うことができるのである。
つの電気機器同士を接続する場合に、各電気機器21 ,
22 の端子を始点及び終点に指定し、さらに、始点と終
点との間の適当な位置に操作点を指定すれば、始点から
操作点に向かうベクトルと、終点から操作点に向かうベ
クトルとをそれぞれ配線領域内に設定された直交座標系
の各座標軸に平行なベクトル成分に分解した結果に基づ
いて、直交座標系の各座標軸に平行な線分を組み合わせ
て形成される折れ線により、始点から操作点を経由して
終点に至る配線経路を決定することができ、配線経路の
決定を容易に且つ迅速に行うことができるのである。
【0021】(実施例2)図4は本実施例における配線
領域を示す図であり、電気機器2を隔てた2点を始点と
終点とに指定し、始点と終点とを結ぶ配線経路を決定す
る場合について説明する。上記のように配線領域内で始
点と終点とが指定されると、図5のフローチャートに基
づく処理が実行される。
領域を示す図であり、電気機器2を隔てた2点を始点と
終点とに指定し、始点と終点とを結ぶ配線経路を決定す
る場合について説明する。上記のように配線領域内で始
点と終点とが指定されると、図5のフローチャートに基
づく処理が実行される。
【0022】つまり、外部記憶装置11に格納された始
点と終点とを含む矩形の領域Aが電子計算機10の主記
憶装置(図示せず)に取り込まれ、電子計算機10にお
いて矩形領域Aが縦横それぞれ等間隔で分割されてマト
リクスが作成され、マトリクスの各要素に対して配線が
可能であるか否かを示す評価値が設定される。この評価
値は、例えば電気機器2が配置されていて配線ができな
い場合を−1、配線が可能な場合を0とするもので、マ
トリクスの全ての要素について0または−1のいずれか
の評価値が設定される(図6参照)。なお、マトリクス
の1つの要素の大きさは、本実施例では5mm×5mm
としているが、これに限定するものではなく適宜設定す
ればよい。
点と終点とを含む矩形の領域Aが電子計算機10の主記
憶装置(図示せず)に取り込まれ、電子計算機10にお
いて矩形領域Aが縦横それぞれ等間隔で分割されてマト
リクスが作成され、マトリクスの各要素に対して配線が
可能であるか否かを示す評価値が設定される。この評価
値は、例えば電気機器2が配置されていて配線ができな
い場合を−1、配線が可能な場合を0とするもので、マ
トリクスの全ての要素について0または−1のいずれか
の評価値が設定される(図6参照)。なお、マトリクス
の1つの要素の大きさは、本実施例では5mm×5mm
としているが、これに限定するものではなく適宜設定す
ればよい。
【0023】次に、指定された始点と終点とを結んだ直
線上のほぼ中央に位置する中点の要素について、その要
素に設定された評価値が0または−1のいずれであるか
を判別し、評価値が0すなわち配線可能であればその要
素に対応する位置を仮操作点に決定するとともに、実施
例1と同様にして得られる配線経路の候補について、そ
の経路中に他の電気機器のような障害物が存在するか否
かを検証し、障害物がなければ、始点から仮操作点を経
由して終点に至るその経路を配線経路に決定する。
線上のほぼ中央に位置する中点の要素について、その要
素に設定された評価値が0または−1のいずれであるか
を判別し、評価値が0すなわち配線可能であればその要
素に対応する位置を仮操作点に決定するとともに、実施
例1と同様にして得られる配線経路の候補について、そ
の経路中に他の電気機器のような障害物が存在するか否
かを検証し、障害物がなければ、始点から仮操作点を経
由して終点に至るその経路を配線経路に決定する。
【0024】一方、中点の要素に設定された評価値が−
1であった場合、例えば、図7及び図8に示すようにそ
の要素に対応する位置に電気機器2が配置されているよ
うな場合には、別の仮操作点を探索して同じようにその
仮操作点に対応する要素に設定された評価値を判定し、
配線可能であれば上述のようにして配線経路が決定さ
れ、配線不可能であれば、配線可能な仮操作点が決定さ
れるまで同じ処理が繰り返される。
1であった場合、例えば、図7及び図8に示すようにそ
の要素に対応する位置に電気機器2が配置されているよ
うな場合には、別の仮操作点を探索して同じようにその
仮操作点に対応する要素に設定された評価値を判定し、
配線可能であれば上述のようにして配線経路が決定さ
れ、配線不可能であれば、配線可能な仮操作点が決定さ
れるまで同じ処理が繰り返される。
【0025】ここで、最初の仮操作点が配線不可能であ
った場合に次の仮操作点を探索する方法としては、図9
に示すように、最初(第1回目)の仮操作点Kを中心と
する同心円上に位置する要素を例えば時計周りに順次選
択するようにして行えばよい(これを第2回目の仮操作
点の探索ルートとする。)。そして、第2回目の仮操作
点の探索ルート上の要素に配線可能な要素がなければ、
さらに第3回目の仮操作点の探索ルートとして、第2回
目の仮操作点の探索ルートの外側の第1回目の仮操作点
Kの同心円上の要素を順次探索し、配線可能な要素が決
定されるか若しくは矩形領域内に探索できる要素がなく
なるまで、同じようにして第4回目の探索ルート、第5
の探索ルート…と順次外側へ移行してゆく。
った場合に次の仮操作点を探索する方法としては、図9
に示すように、最初(第1回目)の仮操作点Kを中心と
する同心円上に位置する要素を例えば時計周りに順次選
択するようにして行えばよい(これを第2回目の仮操作
点の探索ルートとする。)。そして、第2回目の仮操作
点の探索ルート上の要素に配線可能な要素がなければ、
さらに第3回目の仮操作点の探索ルートとして、第2回
目の仮操作点の探索ルートの外側の第1回目の仮操作点
Kの同心円上の要素を順次探索し、配線可能な要素が決
定されるか若しくは矩形領域内に探索できる要素がなく
なるまで、同じようにして第4回目の探索ルート、第5
の探索ルート…と順次外側へ移行してゆく。
【0026】上記の本実施例の方法によれば、配線領域
内に始点と終点とを含む矩形領域を設定し、この矩形領
域を縦横に等間隔で分割してマトリクスを作成するとと
もに、マトリクスの各要素に配線の可否を示す評価値を
設定したので、始点と終点とが指定されれば始点と終点
とを結ぶ線分の略中点位置の要素の評価値を判別し、そ
の要素に対応した位置が配線可能な位置であればその位
置を仮操作点として実施例1と同様にして配線経路を決
定することができ、しかも、最初に選択された略中点位
置の要素が配線不可能であれば他の要素を仮操作点に選
択するようにしたから、配線領域内に始点と終点とを指
定するだけで障害物を避けて配線経路を決定することが
でき、配線経路の決定が容易に且つ迅速に行うことがで
きる。
内に始点と終点とを含む矩形領域を設定し、この矩形領
域を縦横に等間隔で分割してマトリクスを作成するとと
もに、マトリクスの各要素に配線の可否を示す評価値を
設定したので、始点と終点とが指定されれば始点と終点
とを結ぶ線分の略中点位置の要素の評価値を判別し、そ
の要素に対応した位置が配線可能な位置であればその位
置を仮操作点として実施例1と同様にして配線経路を決
定することができ、しかも、最初に選択された略中点位
置の要素が配線不可能であれば他の要素を仮操作点に選
択するようにしたから、配線領域内に始点と終点とを指
定するだけで障害物を避けて配線経路を決定することが
でき、配線経路の決定が容易に且つ迅速に行うことがで
きる。
【0027】(実施例3)本実施例は一旦決定された配
線経路に対して、電線4の太さや種類に応じて規制され
るルールに基づくチェックを行い、このルールに違反し
ている場合には一旦決定された配線経路を上記ルールに
従うように補正する方法に関するものである。なお、チ
ェックの対象となる配線経路は、上記実施例1または2
の方法により決定されて電子計算機10の主記憶装置あ
るいは外部記憶装置11のファイルに格納されているも
のとする。
線経路に対して、電線4の太さや種類に応じて規制され
るルールに基づくチェックを行い、このルールに違反し
ている場合には一旦決定された配線経路を上記ルールに
従うように補正する方法に関するものである。なお、チ
ェックの対象となる配線経路は、上記実施例1または2
の方法により決定されて電子計算機10の主記憶装置あ
るいは外部記憶装置11のファイルに格納されているも
のとする。
【0028】図10(a)に示すように、始点あるいは
終点から出た電線4が最初に屈曲する位置Pが始点ある
いは終点に近い場合、屈曲位置から始点あるいは終点の
近い方の点までの電線4も短くなり、その短い部分の電
線4に曲げによる応力が働いて電気的な負荷による発熱
が生じたり、断線や被覆の破れなどの不具合が生じる場
合がある。そして、このような応力は電線4の種類や径
(太さ)によって決まるものであるから、電線4の種類
や径に応じて許容できる電線4の先端からの曲げ位置
を、上記ルールとして予め外部記憶装置11のファイル
に格納しておくのである。
終点から出た電線4が最初に屈曲する位置Pが始点ある
いは終点に近い場合、屈曲位置から始点あるいは終点の
近い方の点までの電線4も短くなり、その短い部分の電
線4に曲げによる応力が働いて電気的な負荷による発熱
が生じたり、断線や被覆の破れなどの不具合が生じる場
合がある。そして、このような応力は電線4の種類や径
(太さ)によって決まるものであるから、電線4の種類
や径に応じて許容できる電線4の先端からの曲げ位置
を、上記ルールとして予め外部記憶装置11のファイル
に格納しておくのである。
【0029】そして、上記実施例1または2の方法にて
配線経路が決定されると、図11のフローチャートに基
づく処理が電子計算機10において実行される。つまり
配線経路が一旦決定されれば、電子計算機10は外部記
憶装置11より上記ルールが格納された外部ファイルを
読み出し、使用される電線4に関するルールに従って配
線経路のチェックを行い、ルールに反する屈曲箇所があ
ればその箇所を補正する。この補正は、例えば図10
(b)に示すように、屈曲位置から近い方の始点あるい
は終点までの距離がルールの範囲内に収まるように配線
経路を平行移動させるような補正である。このような補
正を行った結果、補正後の配線経路が電気機器のような
障害物にかかっていないかをチェックし、障害物にかか
っていなければ補正を終了し、障害物にかかっていれば
さらに補正を行い、障害物にかからなくなるまで補正を
繰り返すのである。
配線経路が決定されると、図11のフローチャートに基
づく処理が電子計算機10において実行される。つまり
配線経路が一旦決定されれば、電子計算機10は外部記
憶装置11より上記ルールが格納された外部ファイルを
読み出し、使用される電線4に関するルールに従って配
線経路のチェックを行い、ルールに反する屈曲箇所があ
ればその箇所を補正する。この補正は、例えば図10
(b)に示すように、屈曲位置から近い方の始点あるい
は終点までの距離がルールの範囲内に収まるように配線
経路を平行移動させるような補正である。このような補
正を行った結果、補正後の配線経路が電気機器のような
障害物にかかっていないかをチェックし、障害物にかか
っていなければ補正を終了し、障害物にかかっていれば
さらに補正を行い、障害物にかからなくなるまで補正を
繰り返すのである。
【0030】本実施例の方法によれば、一旦配線経路を
決定した後、決定された配線経路に使用される電線4の
種類や径に応じて規制されるルールにその配線経路が反
していないかをチェックするとともに、上記ルールに反
している場合には配線経路の補正を行うことができ、電
線4の屈曲点における発熱及び断線や被覆の破れなどの
問題を配線経路の決定段階において未然に防ぐことがで
き、より安全性の高い配線経路の決定方法を提供するこ
とができる。
決定した後、決定された配線経路に使用される電線4の
種類や径に応じて規制されるルールにその配線経路が反
していないかをチェックするとともに、上記ルールに反
している場合には配線経路の補正を行うことができ、電
線4の屈曲点における発熱及び断線や被覆の破れなどの
問題を配線経路の決定段階において未然に防ぐことがで
き、より安全性の高い配線経路の決定方法を提供するこ
とができる。
【0031】(実施例4)本実施例は、2つの電気機器
の間で複数の端子を接続する場合の配線経路の決定方法
に関するものである。一般に電設盤に配置される電気機
器は複数の端子が並設されていることが多く、また、そ
れら複数の端子は同一の相手方電気機器の端子と各別に
接続されるのが普通である。そこで、本実施例において
は、図12に示すように、2つの電気機器21 ,22 に
各々複数の端子31 〜33 ,31 ’〜33 ’(本実施例
では3つずつ)が具備されていて、同じ番号の端子同士
をそれぞれ電線4により接続する場合、1つ目の端子3
1 ,31 ’の配線経路を上記実施例1または2の方法で
決定したら、残りの端子32 ,33 ,32 ’,33 ’に
ついては最初の端子31 ,31 ’の配線経路を一部共用
し、共用部分の電線4を束ねてあたかも1本の電線4と
して扱うようにしている。
の間で複数の端子を接続する場合の配線経路の決定方法
に関するものである。一般に電設盤に配置される電気機
器は複数の端子が並設されていることが多く、また、そ
れら複数の端子は同一の相手方電気機器の端子と各別に
接続されるのが普通である。そこで、本実施例において
は、図12に示すように、2つの電気機器21 ,22 に
各々複数の端子31 〜33 ,31 ’〜33 ’(本実施例
では3つずつ)が具備されていて、同じ番号の端子同士
をそれぞれ電線4により接続する場合、1つ目の端子3
1 ,31 ’の配線経路を上記実施例1または2の方法で
決定したら、残りの端子32 ,33 ,32 ’,33 ’に
ついては最初の端子31 ,31 ’の配線経路を一部共用
し、共用部分の電線4を束ねてあたかも1本の電線4と
して扱うようにしている。
【0032】つまり、最初にいずれか1つの端子31 ,
31 ’同士の配線経路を決定し(図12(a)参照)、
次にその端子と並設された端子32 ,32 ’を始点と終
点とに指定するとともに、すでに決定されている配線経
路上に操作点を設定すれば、実施例1のようにして最初
の端子31 ,31 ’の配線経路の一部を共用する2番目
の端子32 ,32 ’の配線経路が決定される(同図
(b)参照)。同様に3番目の端子33 ,33 ’の配線
経路もその一部を他の端子31 ,31 ’、32 ,3 2 ’
の配線経路と共用して決定される(同図(c)参照)。
そして、共用部分の配線経路においては、複数の電線4
がいわゆる束線されて配線されるから、配線に必要とな
る領域が狭くて済むという利点がある。
31 ’同士の配線経路を決定し(図12(a)参照)、
次にその端子と並設された端子32 ,32 ’を始点と終
点とに指定するとともに、すでに決定されている配線経
路上に操作点を設定すれば、実施例1のようにして最初
の端子31 ,31 ’の配線経路の一部を共用する2番目
の端子32 ,32 ’の配線経路が決定される(同図
(b)参照)。同様に3番目の端子33 ,33 ’の配線
経路もその一部を他の端子31 ,31 ’、32 ,3 2 ’
の配線経路と共用して決定される(同図(c)参照)。
そして、共用部分の配線経路においては、複数の電線4
がいわゆる束線されて配線されるから、配線に必要とな
る領域が狭くて済むという利点がある。
【0033】あるいは、上記の共用部(束線部)以外の
部分、すなわち共用部から電気機器の複数の端子に至る
配線経路について、電線の引出し方向や端子位置、電線
の径等の条件に応じて予め設定された複数の配線パター
ンを外部記憶装置11に記憶された外部ファイルに格納
しておき、図13に示すように、必要に応じて外部記憶
装置11の外部ファイルから上記配線パターンPT1 ,
PT2 を呼出して共用部から電気機器21 ,22 の端子
までの位置に当てはめることにより、2つの電気機器を
複数の端子にて接続する配線経路を決定するようにして
もよい。
部分、すなわち共用部から電気機器の複数の端子に至る
配線経路について、電線の引出し方向や端子位置、電線
の径等の条件に応じて予め設定された複数の配線パター
ンを外部記憶装置11に記憶された外部ファイルに格納
しておき、図13に示すように、必要に応じて外部記憶
装置11の外部ファイルから上記配線パターンPT1 ,
PT2 を呼出して共用部から電気機器21 ,22 の端子
までの位置に当てはめることにより、2つの電気機器を
複数の端子にて接続する配線経路を決定するようにして
もよい。
【0034】上記本実施例の方法によれば、複数の端子
が具備された機器同士を接続する場合に、配線経路の一
部分を共用するようにしたので、1つの端子について配
線経路を決定すれば残りの端子については既に決定した
配線経路の一部を共用でき、配線経路の決定が容易に且
つ迅速に行うことができる。なお、上記実施例1〜4に
おいて、配線領域が立体である場合でも、3軸直交座標
系を配線領域内に設定すれば、上記の2次元の場合と同
様にして配線経路を決定することができる。
が具備された機器同士を接続する場合に、配線経路の一
部分を共用するようにしたので、1つの端子について配
線経路を決定すれば残りの端子については既に決定した
配線経路の一部を共用でき、配線経路の決定が容易に且
つ迅速に行うことができる。なお、上記実施例1〜4に
おいて、配線領域が立体である場合でも、3軸直交座標
系を配線領域内に設定すれば、上記の2次元の場合と同
様にして配線経路を決定することができる。
【0035】
【発明の効果】請求項1の発明は、領域内に配置された
複数の機器同士を少なくとも接続する配線経路の決定方
法であって、配線領域内に直交座標系を設定し、接続配
線しようとする2つの機器に対応する位置をそれぞれ始
点と終点に指定するとともに、配線領域内において始点
及び終点と異なる位置に操作点を指定し、始点から操作
点に向かうベクトルと、終点から操作点に向かうベクト
ルとを直交座標系の各座標軸に平行なベクトル成分に分
解するとともに分解されたベクトル成分を組み合わせて
形成される連続した折れ線により始点から操作点を経由
して終点に至る配線経路が決定されるので、配線領域内
に始点,終点及び操作点を指定すれば、始点と操作点を
結ぶ経路と、終点と操作点とを結ぶ経路とが略直角に折
れ曲がる折れ線にて接続され、始点から操作点を経由し
て終点に至る配線経路を容易に且つ迅速に決定すること
ができるという効果がある。
複数の機器同士を少なくとも接続する配線経路の決定方
法であって、配線領域内に直交座標系を設定し、接続配
線しようとする2つの機器に対応する位置をそれぞれ始
点と終点に指定するとともに、配線領域内において始点
及び終点と異なる位置に操作点を指定し、始点から操作
点に向かうベクトルと、終点から操作点に向かうベクト
ルとを直交座標系の各座標軸に平行なベクトル成分に分
解するとともに分解されたベクトル成分を組み合わせて
形成される連続した折れ線により始点から操作点を経由
して終点に至る配線経路が決定されるので、配線領域内
に始点,終点及び操作点を指定すれば、始点と操作点を
結ぶ経路と、終点と操作点とを結ぶ経路とが略直角に折
れ曲がる折れ線にて接続され、始点から操作点を経由し
て終点に至る配線経路を容易に且つ迅速に決定すること
ができるという効果がある。
【0036】請求項2の発明は、配線領域内における機
器の配置位置および配置向きと機器に具備された接続線
が接続される端子の位置とによって機器から引き出され
る接続線の引出し方向が決定されるので、始点、終点、
操作点が指定されると、機器からの接続線の引出し方向
に応じて直ちに1つの配線経路を決定することができ、
配線経路の決定がより容易に且つ迅速に行えるという効
果がある。
器の配置位置および配置向きと機器に具備された接続線
が接続される端子の位置とによって機器から引き出され
る接続線の引出し方向が決定されるので、始点、終点、
操作点が指定されると、機器からの接続線の引出し方向
に応じて直ちに1つの配線経路を決定することができ、
配線経路の決定がより容易に且つ迅速に行えるという効
果がある。
【0037】請求項3の発明は、配線領域内において始
点と終点とを含む矩形の領域を設定し、この矩形領域内
を縦横に分割してマトリクスを作成するとともに、矩形
領域内において少なくとも機器の配置位置に対応するマ
トリクスの要素に配線不可能を示す評価値をパラメータ
として設定し、マトリクスの任意の2つの要素が始点と
終点として指定されると、始点と終点とを結ぶ線分の略
中点とその中点に隣接する位置に対応する要素のうちか
ら配線不可能を示す評価値がパラメータとして設定され
ていない要素を探索して仮操作点とし、この仮操作点を
操作点とするので、始点と終点とを指定するだけで操作
点を指定しなくても配線経路を決定することができ、配
線経路の決定がより容易に且つ迅速に行えるという効果
がある。
点と終点とを含む矩形の領域を設定し、この矩形領域内
を縦横に分割してマトリクスを作成するとともに、矩形
領域内において少なくとも機器の配置位置に対応するマ
トリクスの要素に配線不可能を示す評価値をパラメータ
として設定し、マトリクスの任意の2つの要素が始点と
終点として指定されると、始点と終点とを結ぶ線分の略
中点とその中点に隣接する位置に対応する要素のうちか
ら配線不可能を示す評価値がパラメータとして設定され
ていない要素を探索して仮操作点とし、この仮操作点を
操作点とするので、始点と終点とを指定するだけで操作
点を指定しなくても配線経路を決定することができ、配
線経路の決定がより容易に且つ迅速に行えるという効果
がある。
【0038】請求項4の発明は、機器間の配線に使用さ
れる接続線を屈曲させる場合のルールを予め設定すると
ともに、一旦決定された配線経路に対してこのルールに
反するか否かの判定を行い、ルールに反した配線経路を
補正するので、接続線に負担のかかる配線経路となるこ
とを避けることができ、より安全性の高い配線経路とす
ることができるという効果がある。
れる接続線を屈曲させる場合のルールを予め設定すると
ともに、一旦決定された配線経路に対してこのルールに
反するか否かの判定を行い、ルールに反した配線経路を
補正するので、接続線に負担のかかる配線経路となるこ
とを避けることができ、より安全性の高い配線経路とす
ることができるという効果がある。
【0039】請求項5の発明は、複数の端子を具備する
機器の任意の1つの端子同士を接続する配線経路の一部
を残りの端子同士を接続する配線経路の一部に共用する
ようにしたので、複数の端子により機器同士を接続する
場合の配線経路をより容易に且つ迅速に決定することが
できるという効果がある。
機器の任意の1つの端子同士を接続する配線経路の一部
を残りの端子同士を接続する配線経路の一部に共用する
ようにしたので、複数の端子により機器同士を接続する
場合の配線経路をより容易に且つ迅速に決定することが
できるという効果がある。
【図1】実施例1を説明する説明図である。
【図2】同上において使用されるCAD装置の構成図で
ある。
ある。
【図3】同上を説明する説明図である。
【図4】実施例2における配線領域を示す図である。
【図5】同上を説明するためのフローチャートである。
【図6】同上を説明するための説明図である。
【図7】同上を説明するための説明図である。
【図8】同上を説明するための説明図である。
【図9】同上を説明するための説明図である。
【図10】(a)及び(b)は実施例3を説明するため
の説明図である。
の説明図である。
【図11】同上を説明するためのフローチャートであ
る。
る。
【図12】(a)〜(c)は同上を説明するための説明
図である。
図である。
【図13】(a)及び(b)は実施例4を説明するため
の説明図である。
の説明図である。
2 障害物 a’,b’ ベクトル ax1’〜by2’ ベクトル成分
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−309414(JP,A) 特開 平6−61352(JP,A) 特開 平2−2466(JP,A) 特開 平1−154531(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/50 H01L 21/82
Claims (5)
- 【請求項1】 領域内に配置された複数の機器同士を少
なくとも接続する配線経路の決定方法であって、配線領
域内に直交座標系を設定し、接続しようとする2つの機
器に対応する位置をそれぞれ始点と終点に指定するとと
もに、配線領域内において始点及び終点と異なる位置に
操作点を指定し、始点から操作点に向かうベクトルと、
終点から操作点に向かうベクトルとを直交座標系の各座
標軸に平行なベクトル成分に分解するとともに分解され
たベクトル成分を組み合わせて形成される連続した折れ
線により始点から操作点を経由して終点に至る配線経路
が決定されることを特徴とする配線経路決定方法。 - 【請求項2】 配線領域内における機器の配置位置およ
び配置向きと機器に具備された接続線が接続される端子
の位置とによって機器から引き出される接続線の引出し
方向が決定されることを特徴とする請求項1記載の配線
経路決定方法。 - 【請求項3】 配線領域内において始点と終点とを含む
矩形の領域を設定し、この矩形領域内を縦横に分割して
マトリクスを作成するとともに、矩形領域内において少
なくとも機器の配置位置に対応するマトリクスの要素に
配線不可能を示す評価値をパラメータとして設定し、マ
トリクスの任意の2つの要素が始点と終点として指定さ
れると、始点と終点とを結ぶ線分の略中点とその中点に
隣接する位置に対応する要素のうちから配線不可能を示
す評価値がパラメータとして設定されていない要素を探
索して仮操作点とし、この仮操作点を操作点としたこと
を特徴とする請求項1又は請求項2記載の配線経路決定
方法。 - 【請求項4】 機器間の配線に使用される接続線を屈曲
させる場合のルールを予め設定するとともに、一旦決定
された配線経路に対してこのルールに反するか否かの判
定を行い、ルールに反した配線経路を補正することを特
徴とする請求項1乃至請求項3記載の配線経路決定方
法。 - 【請求項5】 複数の端子を具備する機器の任意の1つ
の端子同士を接続する配線経路の一部を残りの端子同士
を接続する配線経路の一部に共用するようにしたことを
特徴とする請求項1乃至請求項4記載の配線経路決定方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23186394A JP3213486B2 (ja) | 1994-09-27 | 1994-09-27 | 配線経路決定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23186394A JP3213486B2 (ja) | 1994-09-27 | 1994-09-27 | 配線経路決定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0896007A JPH0896007A (ja) | 1996-04-12 |
JP3213486B2 true JP3213486B2 (ja) | 2001-10-02 |
Family
ID=16930205
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23186394A Expired - Fee Related JP3213486B2 (ja) | 1994-09-27 | 1994-09-27 | 配線経路決定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3213486B2 (ja) |
-
1994
- 1994-09-27 JP JP23186394A patent/JP3213486B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0896007A (ja) | 1996-04-12 |
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