JP3212436B2 - 構造用厚鋼板の製造法 - Google Patents

構造用厚鋼板の製造法

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JP3212436B2
JP3212436B2 JP00308594A JP308594A JP3212436B2 JP 3212436 B2 JP3212436 B2 JP 3212436B2 JP 00308594 A JP00308594 A JP 00308594A JP 308594 A JP308594 A JP 308594A JP 3212436 B2 JP3212436 B2 JP 3212436B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の用途の構造用厚
鋼板を経済的にかつ生産性よく製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】
(a)形状の良好な鋼板の製造に関して 2度にわたるオイルショック以降、省エネルギー傾向が
高まり、造船、海洋構造物分野においても軽量化ニーズ
が増大した。一方、溶接作業における省力化要請から鋼
材に対する低炭素等量化の要求が一段と強まった。こう
した要求に対処すべく鉄鋼各社が開発したのが例えば、
製鉄研究.(309),1441(1982)に記載の
制御冷却法であり、高強度鋼の低炭素等量化を実現した
根幹技術である。
【0003】しかしながら、鋼材を強制冷却して材質を
造り込むためには、克服すべき課題がある。その課題
は、鋼中水素による内質の劣化の問題である。この課題
に対応する方法として、強制冷却し、400〜650℃
で途中停止する方法がある。この方法は冶金的には非常
に有効であるが、温度域としては核沸騰と膜沸騰の遷移
温度領域であるため、板内の温度偏差量が著しく大きく
なる。その場合、結果的に鋼板の形状が悪くなり、再矯
正や焼き戻し等の処理により形状を救済しているのが実
状である。形状の矯正や圧延後の熱処理工程を負荷する
ことは大幅なコスト上昇を招くばかりか、最近高まって
いる鋼材を短納期で生産するニーズと相反することにな
る。
【0004】このような問題を解決する方法として、例
えば所要の強度を確保するために炭素当量を高くし、前
記した遷移温度領域を避け冷却停止温度を高める方法が
ある。この方法では実質的には溶接継手靭性確保が難し
く、制御冷却法の冶金的効能を十分活用できていない。
更に、鋼板表面の粗度を制御して、冷却形状を改善する
方法が考案されているが、圧延機のロール粗度やホット
レベラーのロール粗度の管理が必要で実用的ではなく、
現場操業技術としての課題が大きく、抜本的に冷却形状
を改善する方法が望まれている。
【0005】 (b)スケール密着性の良好な鋼板の製造に関して 近年、鋼材の使用性能の観点から鋼板のスケールの特性
として、曲げ加工部材等で、そのまま塗布する場合の塗
装ムラ防止やスケールの密着性に対する要望の厳しさが
増している。また鋼板の塗装性や美観の観点、特に成形
作業の多い産業機械分野では作業環境の面から剥離しや
すく、粉末状になりやすい赤スケールが少ない鋼板に対
する要望が高まり、良好なスケール性状を兼ね備えた鋼
材が望まれている。スケール密着性を改善する方法とし
て、熱間圧延された線材の分野において、例えば「鉄と
鋼」65(1979),S390に記載のようにスケー
ル厚みを薄くする方法が提案されている。
【0006】また、熱延鋼帯の分野においても、スケー
ル厚みを薄くする例として、例えば特開昭58−157
517号公報記載のように仕上げ圧延機と水冷装置間を
ラミナー水冷で覆い大気と遮断する方法、特開昭60−
24320号公報、特開昭60−77922号公報のよ
うに圧延終了後の低炭素アルミキルド鋼を非酸性雰囲気
で低温まで冷却する方法、特開昭61−123403号
公報記載のように仕上げ圧延直後に不活性ガスあるいは
還元性ガス雰囲気で低温まで冷却する方法、あるいは特
開昭61−195702号公報記載のようにCrを添加
した低炭素アルミキルド鋼の圧延直後に冷却する方法等
が提案されている。
【0007】しかしながら、この方法では、いずれも高
速で通板する鋼帯または線材を大気と遮断するための設
備、あるいはこれらの鋼帯等を圧延直後に低温まで急冷
する設備等を必要とするものであり、多大な設備コスト
を招く欠点を有する。尚、前記した連続圧延工程で製造
される熱延鋼帯は、厚鋼板に比較して高温滞留時間が大
幅に短いので、スケールを薄スケール化する上で極めて
有利である。
【0008】しかし、厚鋼板の製造には通常スラブを加
熱炉に装入して1200〜1250℃の温度範囲で加熱
した後デスケーリングデバイスへ送り、加熱中に発生し
たスケールを除去した後、1基または2基の可逆式圧延
機で幅出し圧延や所定の製品厚まで圧延する仕上げ圧延
が行われている。そのために仕上げ圧延後の厚鋼板はホ
ットレベラーへ送られ熱間矯正の後鋼板表面が所定の温
度以下になるように空冷または制御冷却される。
【0009】かかる従来法では可逆式圧延機で圧延され
るスラブが高温であると共に、圧延時間が比較的長いた
めに仕上げ圧延終了時に厚手のスケールがしかも不均一
に発生する。これが次のホットレベラーを通板時または
製品になった段階でプレス成形される時にスケールが剥
離して塗装のムラになったり、また、かかる厚鋼板を曲
げ加工部材に成形してそのまま塗装する場合、スケール
の不均一性から塗装ムラが発生する等、厚鋼板表面に生
成するスケールは色々な面で多くの問題を引き起こして
いる。以上述べたように、厚鋼板の場合は内容熱容量が
大きくかつリバース圧延での圧延時間が比較的長いこと
から、厚鋼板のスケール制御方法に関して有益な方法は
殆ど開示されていない。
【0010】 (c)ヤング率の高い鋼板の製造に関して 近年、産業機械の分野で、機械の大型化に伴い、使用鋼
材の減肉による軽量化の観点から、薄くても剛性の高い
鋼板の要求が高まっている。一般に、鋼材のヤング率に
関する従来技術について以下に述べる。一般に鋼板の剛
性は、形状が一定ならばヤング率に比例する。従来鋼に
おいては、単結晶や電磁鋼板のような特殊な例を除くと
ヤング率はほぼ21,000kgf/mm2 で一定と考えられ
ていたため、特に注目すべき材質特性とは見なされてい
なかった。
【0011】しかし近年、使用上の特定方向の剛性向上
が求められ、これに圧延方向に対し直角方向(以下、C
方向とする)のヤング率鋼板のC方向を適用することが
検討されている。この方法によると、板厚の増大や、形
状の変更を行うことなしに構造物の剛性を高めることが
可能である。一方、高ヤング率鋼に関する提案は、種々
あり、そのいずれもが2相域あるいはフェライト域での
圧延加工により圧延集合組織を発達させ、鋼板特定方向
のヤング率を向上させるものである。
【0012】例えば、特公昭58−14849号公報
に、高ヤング率鋼材の製造法が開示されている。ここに
開示された高ヤング率鋼材は、化学成分を規定した鋼を
2相域圧延し、圧延仕上げ後300℃までの冷却速度を
制御し、次いで700℃以下の温度で焼き戻すことによ
り、C方向のヤング率を約10%程度高め得るとされて
いる。また、特公昭62−4448号公報の提案は、C
を0.03重量%未満とした鋼を、Ar3 以下600℃
以上の温度範囲での圧下率を規定し、450℃以上72
0℃以下で巻取ることにより、C方向のヤング率を最高
24,300kgf/mm2まで高める方法が記載されてい
る。
【0013】しかしながら、前記した提案は実用時に次
に述べるような問題点を内在しており、改善が待たれて
いる。特公昭58−14849号公報の方法では、ヤン
グ率を向上させるため、集合組織の形成を著しく促進さ
せる圧延法(α−γ2相域大圧下圧延)が適用されてい
るが、2相域までの温度低下に大幅な待ち時間が生じ、
著しく生産性を低下させる。また、特公昭62−444
8号公報による提案はC≦0.03%の成分限定を必須
としており、引張強さが30kgf/mm2 以下の鋼板を対象
とする製造方法に関するものであり、本発明が対象とし
ている構造用鋼の引張強さ40kgf/mm2 以上の強度を満
たさない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の製造方法の欠点を解消して、種々の用途に適応する構
造用厚鋼板を生産性よく、かつ経済的に製造する方法を
提供することを課題とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下の構成を要旨とする。 (1) 重量%で C :0.01〜0.20%、 Si:0.03〜1.00%、 Mn:0.30〜2.00%、 Al:0.005〜0.10%、 N :0.001〜0.01%、 残部がFe及び不可避的成分からなり、凝固後Ac3
上に加熱した構造用鋼の鋳片を用い、可逆式熱間圧延機
厚鋼板製造するに際し、該熱間圧延機の噛込側近傍
で被圧延鋼板衝突圧1.2kg/cm2 以上デスケー
リングを実施し、その後、直ちに前記熱間圧延機で圧延
し、次いで圧延された鋼板を該熱間圧延機の噛出側近傍
設けた冷却設備において、圧延直後に冷却速度500
kcal/m2 ・hr・℃以上で冷却を行い、かかる圧延を往
復で複数パス行ってAr3 以上で圧延を終了し、圧延終
了後加速冷却を実施する前に圧延終了温度から650
になるまでの高温滞留時間を70秒以内として加速
冷却前の板内平均スケールの厚み10μm以下とす
ことを特徴とする構造用厚鋼板の製造法。
【0016】(2) 重量%で C :0.01〜0.20%、 Si:0.03〜1.00%、 Mn:0.30〜2.00%、 Al:0.005〜0.10%、 N :0.001〜0.01%、 残部がFe及び不可避的成分からなり、凝固後Ac3
上に加熱した構造用鋼の鋳片を用い、可逆式熱間圧延機
で厚鋼板を製造するに際し、該熱間圧延機の噛込側近傍
で被圧延鋼板衝突圧1.2kg/cm2 以上デスケー
リングを実施し、その後、直ちに前記熱間圧延機で圧延
し、次いで圧延された鋼板を該熱間圧延機の噛出側近傍
設けた冷却設備において、圧延直後に冷却速度500
kcal/m2 ・hr・℃以上で冷却を行い、かかる圧延を往
復で複数パス行ってAr3 以上で圧延を終了し、圧延終
温度から該鋼板表面650℃になるまでの高温滞留
時間を30秒以内にし、黒色で、密着性の優れたスケ
ールとすることを特徴とする構造用厚鋼板の製造法。
【0017】(3) 前記(2)において、圧延終了
度から該鋼板表面650℃になるまでの高温滞留時間
を30秒以内にするために、前記冷却設備を有する圧延
機内を空パスで複数回往復して冷却し、黒色で、密着性
の優れたスケールとすること を特徴とする構造用厚鋼板
の製造法。 (4) 前記(3)において、冷却設備を有する圧延機
内を空パスで複数回往復して650℃まで冷却した鋼板
を、無酸化炉に装入して、該鋼板表面の570〜400
℃の間の高温滞留時間を17時間以上確保できるように
徐冷し、黒色で、密着性の優れたスケールとすることを
特徴とする構造用厚鋼板の製造法。
【0018】(5) 重量%で C :0.01〜0.20%、 Si:0.03〜1.00%、 Mn:0.30〜2.00%、 Al:0.005〜0.10%、 N :0.001〜0.01%、 残部がFe及び不可避的成分からなり、凝固後Ac3
上に加熱した構造用鋼の鋳片を用い、可逆式熱間圧延機
で厚鋼板を製造するに際し、該熱間圧延機の噛込側近傍
で被圧延鋼板衝突圧1.2kg/cm2 以上デスケー
リングを実施し、その後、直ちに前記熱間圧延機で圧延
し、次いで圧延された鋼板を該熱間圧延機の噛出側近傍
設けた冷却設備において、圧延直後に冷却速度500
kcal/m2 ・hr・℃以上で冷却を行い、かかる圧延を往
復で複数パス行い、Ar3 点未満の圧下率を50%以上
確保した圧延を実施し、圧延終了後、圧延終了温度から
該鋼板表面650℃になるまでの高温滞留時間を30
秒以内にし、黒色で、密着性が優れたスケールであると
共に、圧延方向に対し直角方向(C方向)のヤング率が
23,000kgf/mm2 以上の鋼板とすることを特徴とす
る構造用厚鋼板の製造法。
【0019】(6) 前記(5)において、圧延終了
度から該鋼板表面650℃になるまでの高温滞留時間
を30秒以内にするために、前記冷却設備を有する圧延
機内を空パスで複数回往復して冷却し、黒色で、密着性
が優れたスケールであると共に、圧延方向に対し直角方
向(C方向)のヤング率が23,000kgf/mm2 以上
鋼板とすることを特徴とする構造用厚鋼板の製造法。 (7) 前記(5)において、冷却設備を有する圧延機
内を空パスで複数回往復して650℃まで冷却した鋼板
を、無酸化炉に装入して、該鋼板表面の570〜400
℃の間の高温滞留時間を17時間以上確保できるように
徐冷し、黒色で、密着性が優れたスケールであると共
に、圧延方向に対し直角方向(C方向)のヤング率が2
3,000kgf/mm2 以上の鋼板とすることを特徴とする
構造用厚鋼板の製造法。
【0020】(8) 重量%で更に、 Ti:0.003〜0.10%、 Cr:0.01〜0.50%、 Ni:0.01〜3.00%、 Mo:0.01〜0.50%、 Cu:0.01〜1.50%、 V :0.005〜0.20%、 Nb:0.003〜0.05%、 B :0.0003〜0.0020% の1種または2種以上を含有することを特徴とする前記
(1)〜(7)のいずれか1項に記載の構造用厚鋼板の
製造法。
【0021】
【発明の実施の形態】また、本発明が対象としている構
造用圧延鋼材は、次記するように、通常の溶接構造用鋼
が所要の材質を得るために、従来から当業分野での活用
で確認されている作用・効果の関係を基に定めている添
加元素の種類と量を同様に使用して、同等の作用と効果
が得られる。従って、これらを含む鋼を本発明は対象鋼
とするものである。これらの各成分元素につきその添加
理由と量を以下に示す。
【0022】Cは、鋼の強度を向上する有効な成分とし
て0.01%は添加するものであるが、0.20%を超
える過剰な含有量では、HAZ(Heat Affected Zone)
に島状マルテンサイトが析出し、HAZ靭性を著しく劣
化させるので、0.20%以下に規制する。Siは溶鋼
の脱酸元素として必要であり、また強度増加元素として
添加するが、0.01%未満では脱酸効果が不十分であ
り、1.0%を超えて添加すると、鋼の加工性が低下
し、HAZの靭性が低下するため、添加量は0.03〜
1.0%に規制する。
【0023】Mnも脱酸成分元素として必要であり、
0.3%未満では鋼の清浄度を低下し、加工性を害す
る。また鋼材の強度を向上する成分として0.3%以上
の添加が必要である。しかし、Mnは、過剰の添加によ
り溶接性を著しく劣化させるので、2.0%を上限とす
る。AlはAl窒化物による鋼の結晶粒径が微細化でき
るので必要である。しかし、添加量が少ない時にはその
効果がなく、過剰の場合には鋼の靭性を劣化させるの
で、添加量は0.005〜0.10%に規制する。
【0024】NはAlやTiと結びついてオーステナイ
ト粒の微細化に有効に働くが、その効果が明確になるた
めには0.001%以上含有する必要があるが、0.0
%を超えて過剰に添加すると固溶Nが増加して靭性に
悪影響を及ぼすので、0.010%を上限とする。本発
明が対象とする構造用鋼の基本成分は以上である。これ
を基本に母材強度の上昇あるいは、継手靭性の向上を目
的として、要求される性質に応じてTi,Cr,Ni,
Mo,Cu,Ti,V,Nb,Bの1種または2種以上
を含有することができる。
【0025】まず、Tiは析出強化により母材強度向上
に寄与すると共に、TiNの形成によりγ粒を微細化
し、溶接部の継手靭性に極めて有効な元素であるが、効
果を発揮できるためには0.003%以上の添加が必要
である。一方、0.1%を超えるTi炭化物を形成して
靭性や延性を劣化させるため、上限を0.10%とす
る。Cr及びMoはいずれも母材の強度上昇に有効な元
素であるが、明瞭な効果を生じるためには0.01%以
上必要であり、一方0.50%を超えて添加すると、靭
性が劣化する傾向を有するため、0.01〜0.5%の
範囲とする。
【0026】また、Niは母材の強度と靭性を同時に向
上させることができ、非常に有効な元素であるが、効果
を発揮させるためには0.01%以上含有させる必要が
ある。含有量が多くなると強度、靭性は向上するが3.
0%を超えて添加すると、変態挙動が変化して適正製造
条件が変化するので、本発明範囲では3.0%を上限と
する。次に、CuもほぼNiと同様の効果を有するが、
1.5%超の添加では析出硬化の問題が生じるため、
0.01〜1.5%の範囲に限定する。V及びNbはい
ずれも主として析出強化により母材の強度向上に寄与す
るが、通常の添加でHAZ靭性が劣化する。従って、靭
性の劣化を招かずに、効果が発揮できる範囲として、V
は0.005〜0.20%、Nbは0.003〜0.0
5%とする。
【0027】Bは0.0003%以上の極微量添加で鋼
材の焼き入れ性を高めて強度上昇に非常に有効である
が、過剰に添加すると靭性を大きく劣化させるため、上
限を0.0020%とする。本発明における鋳片の加熱
温度はオーステナイトの粗大化防止のため1200℃を
上限とし、下限温度は圧延の作業を考慮すると900℃
以上が望ましい。また、Nb元素を含む鋼材は、Nbを
完全固溶させるために1100℃以上の加熱が必要とな
る。
【0028】
【作用】本発明者らは、前記従来技術が有する問題を解
決すると共に、本発明の課題を達成するため、C:0.
05〜0.15%、Si:0.15〜0.25%、M
n:0.8〜1.6%、Al:0.01〜0.05%、
N:0.0020〜0.0050%の化学成分を有する
一般的な構造用鋼を用いて種々実験検討を繰り返した。
【0029】 (a)形状の良好な鋼板を製造するための検討 形状の良好な鋼板を製造するための検討を温度偏差に大
きく影響を及ぼす因子である冷却前のスケール厚みに着
目して種々検討を実施した。下記(1)〜(3)に示す
検討項目に実施した。(1)冷却開始前の平均スケール
厚みと板内の温度偏差量の関係、(2)板内温度偏差と
平坦度との関係、(3)冷却開始前の平均スケール厚み
と板内のスケール偏差量の関係。
【0030】まず、冷却開始前の平均スケール厚みと温
度偏差量の関係について調査した結果を図1に示す。冷
却前の平均スケール厚みは、長手方向1m間隔で幅方向
5分割した位置からサンプリングし、断面検鏡写真から
測定したスケール厚の平均値を用い、温度履歴を解析
し、式を用いて算出した値である。尚、本スケール厚
みはトレース温度計を用いて熱間中で測定した値とほぼ
一致することを確認した。図1の冷却前の平均スケール
厚みは、前記した方法で算出した値である。
【数1】
【0031】冷却開始前の板内平均スケール厚みが10
μm以下になると温度偏差量が100℃以下になること
がわかった。次に、板内温度偏差量(ΔT)と平坦度
(P/H)の関係を図2に示す。ここで、ΔTは冷却終
了後の鋼板表面の板内における最高温度と最低温度の差
で、板端部の非定常部を除いた部分での測温結果をもと
に算出した値である。また、P/Hは室温まで冷却され
た鋼板を長手方向1m(=P)間隔での最高高さと最低
高さの差(=H)を測定し、P/Hを算出し幅方向で5
箇所(幅方向に5分割)測定したものの総平均値であ
る。
【0032】鋼板は製品板厚20mmで板内平均冷却開始
温度800℃、板内平均冷却停止温度500℃の条件の
ものについて調査したものである。温度偏差量が100
℃以上になると平坦度が著しく悪化し、矯正が必要であ
ることが判明した。図1と図2からの冷却開始前の平均
スケール厚みを小さくすると平坦度が改善されることが
判明した。
【0033】以下にスケール厚みと板内のスケール偏差
量の関係について述べる。図3に板内の平均スケール厚
みと板内のスケール偏差量の関係を示す。図3で示した
板内の平均スケール厚み、偏差量は製品となった鋼板の
実測値であり、加速冷却前のスケール厚み、偏差量とほ
ぼ比例関係にあるので、偏差量は鋼板の実測スケール厚
みにて評価した。平均スケール厚みが小さくなると板内
のスケール偏差量が小さくなることがわかった。これ
は、平均スケール厚みが厚くなると部分的に剥離し、板
内で大きな冷却速度差が生じて大きな冷却ムラをもたら
す。逆にスケール厚みが薄くなるとスケールの剥離度も
小さくなり、剥れても絶対値が小さくなるためと考えら
れる。平均スケール厚みが薄くなると冷却速度幅が小さ
くなり、板内の冷却速度偏差が小さくなり、均一に冷却
され、従来温度偏差量が大きいとされていた冷却停止温
度域でも温度偏差を小さく制御できると考えられる。
【0034】次に冷却前のスケール厚みを薄くする方法
について述べる。まず本発明のために使用する設備の一
例を図4により説明する。可逆式熱間圧延機1のハウジ
ング8内に、上ワークロール2と該ロールに接する上下
圧延補強ロール4及び下ワークロール3と該ロールに接
する下圧延補強ロール5をそれぞれ配設する。前記圧延
機の噛込側(または噛出側)及び噛出側(または噛込
側)にトップガイド9,9−1を設け、該トップガイド
の孔部分にのぞませて、鋼板表面上に水を噴射するデス
ケノズル14,14−1及び冷却噴射ノズル12,12
−1を設ける。
【0035】デスケノズル14,14−1は上ワークロ
ール2に最も近接して設けられ、かつ移動する鋼板表面
への迎え角を有するように水圧デスケヘッダー13,1
3−1に連結されている。冷却水噴射ノズル12,12
−1はデスケノズル14,14−1の隣接位置に設置さ
れ、かつ鋼板表面にほぼ直角に噴射するよう冷却ヘッダ
ー11,11−1に設けられている。ノズル12,12
−1の噴射方向は水切りをよりよくするため圧延方向に
向けてもよい。
【0036】また、下ワークロール3の送り面と同一送
り面を有するローラーテーブル10,10−1が前記圧
延機の噛込側(または噛出側)と噛出側(または噛込
側)に配設されており、該下ワークロール3と前記ロー
ラーテーブルのローラーとの間にデスケノズル20,2
0−1が鋼板表面に対する迎え角を有するようノズルホ
ルダー19,19−1を介してデスケヘッダー18,1
8−1に設けられ、また前記ローラーテーブルのローラ
ー間に冷却水噴射ノズル17,17−1が鋼板表面にほ
ぼ直角に噴射するようノズルホルダー16,16−1を
介して冷却ヘッダー15,15−1に設けられている。
図中6,6−1は圧延機上ガイド、7,7−1は圧延機
下ガイドである。
【0037】以上の装置において、高温の厚鋼板Sを圧
延する場合、1パス目として圧延機1の前面Aにある被
圧延鋼板をワークロール2,3に噛込ませる直前にデス
ケノズル14,20からの高圧噴射冷却水で上下表面酸
化物を除去し、圧延されて後面に噛出されてきた被圧
延鋼板上下面を冷却水噴射ノズル12−1,17−1か
ら冷却水で冷却する。
【0038】次に2パス目として、圧延機1の後面Bに
ある被圧延鋼板をワークロール2,3に噛込ませる直前
にデスケノズル14−1,20−1からの高圧噴射水で
鋼板の上下表面に生成したスケールを除去し、圧延され
て圧延機前面Aに噛出されてきた被圧延鋼板上下表面を
冷却水噴射ノズル12,17からの冷却水で冷却する。
そして該往復圧延を所望の板厚になるまで複数回繰り返
す。
【0039】ここで、圧延、冷却条件を種々変化させて
圧延した場合、同じ仕上げ温度で圧延を終了し、圧延後
の冷却条件とスケールの厚みを図5に示す。尚、図5中
のケース1〜4は本発明例であり、ケース5,6は比較
例である。ケース5はパスNo.2及びNo.3においてデ
スケーリングしただけで、残るパスは全て冷却水を噴射
せず、ケース6は水圧デスケヘッダーの衝突圧力を1.
2kg/cm2 未満にした例である。また、表1中の式及
び式は下記によって求めた値である。表1にケース別
の冷却条件を示す。
【0040】
【表1】
【0041】図5からスケール厚みを10μm以下にす
るにはデスケーリング衝突圧が1.2kg/cm2 以上必要
で、更に、圧延終了後鋼板表面の650℃までの高温滞
留時間が70秒以内である必要があることがわかった。
圧延終了後の冷却は高温滞留中のスケールの成長を抑制
する上で有効であることがわかった。尚、650℃以下
になるとスケールは殆ど成長しない。また、スケールを
薄くする方法として前記した圧延条件にて圧延後に、ホ
ットレベラー前のデスケーリング等を併用しても構わな
い。
【0042】 (b)黒色で、スケール密着性の優れた厚鋼板を製造す
るための検討 まず、スケールの密着性に大きく影響を及ぼす限界スケ
ール厚みについて検討した。実験にはスケールの厚みが
異なる鋼板を種々試作し、下記に示す方法で評価した。
すなわちスケール密着性は目視判定等による感応試験が
多く、定量性に欠ける。そこで、今回は、曲げ半径r=
1.5×t(t:板厚)の90度曲げ試験後、表面から
10サンプルを採取し、走査型電子顕微鏡でスケールの
剥離面積率(10個の平均値)を測定し、表2に示す地
鉄露出面積率にて評価した。尚、評点ランク1,2を合
格とし、密着性良好とした。
【0043】
【表2】
【0044】スケール厚みと評点ランクの関係を、図6
に示す。図6からスケール厚みが5μm以下になると密
着性が良好になることがわかった。そこで、スケール厚
みを5μm以下とするための圧延、冷却条件及び圧延終
了後の冷却条件について検討を実施した。その検討結果
を図7に示す。尚、スケール厚みは、製品となった鋼板
の長手方向1000mmピッチで幅方向に5分割した各位
置よりサンプリングし、光学顕微鏡写真から求め、組成
はX回折法により求めその平均値より求めた平均スケー
ル厚みである。
【0045】図7からスケール厚みを5μm以下にする
にはデスケーリング衝突圧が1.2kg/cm2 以上必要
で、更に、圧延終了後鋼板表面の650℃までの高温滞
留時間が30秒以内である必要があり、圧延終了後の冷
却は高温滞留中のスケールの成長を抑制する上で有効で
あることがわかった。尚、650℃以下になるとスケー
ルは殆ど成長しない。尚、図7中の圧延中の条件に関し
ては、図5と同様にケース1〜4は本発明例であり、ケ
ース5,6は比較例である。
【0046】更に圧延後の冷却方法とスケールの厚み、
スケールの密着性について検討を実施した。冷却方法は
650℃以下の温度になるまでにスプレー冷却した場合
と圧延機内を空パス冷却した場合の2水準について検討
を実施した。その結果を図8に示す。図において冷却方
式A:衝突圧1.2kg/cm2 以上のデスケーリングヘッ
ダーと冷却ヘッダーを有する圧延機内を複数回往復させ
て冷却する方式。冷却方式B:スプレー冷却設備にて通
板冷却する方式を示す。圧延機内を通過させ、デスケー
リングの効果を取り入れた方がより薄スケール化に有効
であり、5μm以下のスケール厚を得やすいことが判明
した。
【0047】また、圧延終了後、鋼板表面が570℃か
ら400℃までの高温滞留時間についても検討を実施し
た。570℃以下になると高温で安定なFeOが共析反
応によりFe3 4 とFeが生成する。570〜400
℃の温度範囲での高温滞留時間が17時間以上であれば
共析反応で生じたFeは冷却中に凝集粗大化して地鉄と
の整合性を有するようになり、所望のスケール密着性を
より一層向上させる。このようにスケール組成を制御す
ると、スケール密着性の評点ランク1を安定して得るこ
とができることが判明した。
【0048】この温度範囲の高温滞留時間が17時間よ
りも短くなると好ましいFe分布形態が得られないこと
がわかった。スケールの色についても評価した。その結
果、図9に示すようにスケール厚みが厚くなると、赤ス
ケールの原因となるFe2 3 の組成比が大きくなるこ
とが判明した。これは、圧延中のスケールがデスケーリ
ング不良等の原因により厚いまま残存し、ミクロな割れ
が生じ、Fe3 4 が酸化される面積が大きくなったと
推察され、圧延中のスケール厚みを極力小さくすること
が有効であると考えられる。
【0049】 (c)ヤング率の高い厚鋼板を製造するための検討 鋼材のヤング率を向上させる方法について検討した。図
10は圧延方向からの角度別ヤング率と2相域(Ar3
点未満の温度域)圧下率の関係を示す。この調査の結
果、Ar3 点未満の圧下率を50%以上とすることによ
り、C方向のヤング率が10%以上向上することを知見
した。本発明は上記知見により成立するものである。ま
た、以上により得た鋼板の強度を向上するには、圧延終
了後、水、水蒸気、気水混合体等のいずれかの冷却剤を
用いても本発明の効果を損なうものではない。
【0050】
【実施例】形状の良好な鋼板、黒色で、スケール密着性
の優れた鋼板及び黒色で、スケール密着性に優れ、かつ
ヤング率の高い鋼板製造条件に関する実施例をそれぞれ
表a,b,cに示す。
【0051】(a)形状の良好な鋼板 本発明の供試鋼の成分は、前記した元素と添加量であれ
ばいずれの組合せでもよく、強度レベルが異なる代表的
な構造用鋼として本実施例に用いた鋼の化学成分を表a
−1に示す。また、本発明例の製造条件、冷却前のスケ
ール厚み及び得られた鋼板の平坦度を表a−2に示す。
尚、表a−2中の冷却条件の適用ケースKは表a−3に
示した。表a−2中のNo.A1〜A10の本発明例は、
温度偏差量も100℃以下と小さく、平坦度も良好であ
った。これに対し、No.B1〜B10の比較例は冷却前
のスケール厚みが満足しないので温度偏差が大きく、平
坦度が不良であった。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】 (b)黒色で、スケール密着性の良好な鋼板 本発明の供試鋼の成分は、(a)と同様に前記した元素
と添加量であればいずれの組合せでもよく、強度レベル
が異なる代表的な構造用鋼として本実施例に用いた鋼の
化学成分を表b−1に示す。表b−1に示す供試鋼は、
強度レベルが異なる7種の鋼種を選択し、必要に応じて
V,Nb,Ni,Ti,Cu,Ni,Cr,Mo等の合
金元素を添加している。製造条件及び得られた材質、ス
ケールの厚み、組成及び密着性を表b−2に示す。
【0057】表b−2中のNo.A1〜A7の本発明例
は、いずれも材質、スケールの密着性が優れた構造用鋼
板が得られた。これに対し、圧延中に十分な冷却を行わ
なかった比較例中、鋼種1〜7を使用したNo.B1〜B
7は、スケール厚み、組成共に所定の特性を満足せず、
密着性が不良であった。尚、表b−2中の冷却条件の適
用ケースKは表b−3に示した。
【0058】
【表7】
【0059】
【表8】
【0060】
【表9】
【0061】
【表10】
【0062】
【表11】
【0063】 (c)黒色で、スケール密着性が良好でかつヤング率の
高い鋼板 本発明の供試鋼の成分は、(a)と同様に前記した元素
と添加量であればいずれの組合せでもよく、強度レベル
が異なる代表的な構造用鋼として本実施例に用いた鋼の
化学成分を表c−1に示す。表c−1に示す供試鋼は、
強度レベルが異なる7種の鋼種を選択し、必要に応じて
V,Nb,Ni,Ti,Cu,Ni,Cr,Mo等の合
金元素を添加している。
【0064】製造条件及び得られた材質、スケールの厚
み、組成、密着性及びヤング率を表c−2に示す。表c
−2中のNo.A1〜A7の本発明例は、いずれも材質、
スケールの密着性が優れ及びヤング率が高い構造用鋼板
が得られた。これに対し、圧延中に十分な冷却を行わな
かった比較例中、鋼種1〜7を使用したNo.B1〜B7
は、スケール厚み、組成及びヤング率の少なくとも一つ
が所定の特性を満足せず、密着性が不良であった。尚、
表c−2中の冷却条件の適用ケースKは表c−3に示し
た。
【0065】
【表12】
【0066】
【表13】
【0067】
【表14】
【0068】
【表15】
【0069】
【表16】
【0070】
【発明の効果】本発明は圧延中の冷却条件と圧延後の冷
却条件を制御することにより、高い生産性のもとで円滑
に安定して、種々の用途に適応した構造用鋼板を製造す
ることを可能としたもので、この種の分野を中心に、産
業界にもたらす効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷却開始前の平均スケール厚みと板内の温度偏
差量の関係の図表。
【図2】板内温度偏差と平坦度との関係の図表。
【図3】冷却開始前の平均スケール厚みと板内のスケー
ル厚み偏差量との関係の図表。
【図4】本発明の圧延方法を示す概略正面図。
【図5】冷却ケース別の圧延−冷却条件、圧延終了後の
高温滞留時間とスケール厚みとの関係の図表。
【図6】スケール厚みとスケールの密着性(評点ラン
ク)の関係の図表。
【図7】冷却ケース別の圧延−冷却条件、圧延終了後の
高温滞留時間とスケール厚みとの関係の図表。
【図8】圧延終了後の冷却方式とスケール厚みとの関係
の図表。
【図9】スケール厚みとFe2 3 (ヘマタイト)の組
成比との関係の図表。
【図10】圧延方向からの角度別ヤング率と2相域(A
3 点未満の温度域)圧下率の関係の図表。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/00 - 8/10 C22C 38/00 - 38/60 B21B 1/38 B21B 13/06 B21B 45/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で C :0.01〜0.20%、 Si:0.03〜1.00%、 Mn:0.30〜2.00%、 Al:0.005〜0.10%、 N :0.001〜0.01%、 残部がFe及び不可避的成分からなり、凝固後Ac3
    上に加熱した構造用鋼の鋳片を用い、可逆式熱間圧延機
    厚鋼板製造するに際し、該熱間圧延機の噛込側近傍
    で被圧延鋼板衝突圧1.2kg/cm2 以上デスケー
    リングを実施し、その後、直ちに前記熱間圧延機で圧延
    し、次いで圧延された鋼板を該熱間圧延機の噛出側近傍
    設けた冷却設備において、圧延直後に冷却速度500
    kcal/m2 ・hr・℃以上で冷却を行い、かかる圧延を往
    復で複数パス行ってAr3 以上で圧延を終了し、圧延終
    了後加速冷却を実施する前に圧延終了温度から650
    になるまでの高温滞留時間を70秒以内として加速
    冷却前の板内平均スケールの厚み10μm以下とす
    ことを特徴とする構造用厚鋼板の製造法。
  2. 【請求項2】 重量%で C :0.01〜0.20%、 Si:0.03〜1.00%、 Mn:0.30〜2.00%、 Al:0.005〜0.10%、 N :0.001〜0.01%、 残部がFe及び不可避的成分からなり、凝固後Ac3
    上に加熱した構造用鋼の鋳片を用い、可逆式熱間圧延機
    で厚鋼板を製造するに際し、該熱間圧延機の噛込側近傍
    で被圧延鋼板衝突圧1.2kg/cm2 以上デスケー
    リングを実施し、その後、直ちに前記熱間圧延機で圧延
    し、次いで圧延された鋼板を該熱間圧延機の噛出側近傍
    設けた冷却設備において、圧延直後に冷却速度500
    kcal/m2 ・hr・℃以上で冷却を行い、かかる圧延を往
    復で複数パス行ってAr3 以上で圧延を終了し、圧延終
    温度から該鋼板表面650℃になるまでの高温滞留
    時間を30秒以内にし、黒色で、密着性の優れたスケ
    ールとすることを特徴とする構造用厚鋼板の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、圧延終了温度から
    鋼板表面650℃になるまでの高温滞留時間を30秒
    以内にするために、前記冷却設備を有する圧延機内を
    パスで複数回往復して冷却し、黒色で、密着性の優れ
    スケールとすることを特徴とする構造用厚鋼板の製造
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、冷却設備を有する圧
    延機内を空パスで複数回往復して650℃まで冷却した
    鋼板を、無酸化炉に装入して、該鋼板表面の570〜4
    00℃の間の高温滞留時間を17時間以上確保できるよ
    うに徐冷し、黒色で、密着性の優れたスケールとする
    とを特徴とする構造用厚鋼板の製造法。
  5. 【請求項5】 重量%で C :0.01〜0.20%、 Si:0.03〜1.00%、 Mn:0.30〜2.00%、 Al:0.005〜0.10%、 N :0.001〜0.01%、 残部がFe及び不可避的成分からなり、凝固後Ac3
    上に加熱した構造用鋼の鋳片を用い、可逆式熱間圧延機
    で厚鋼板を製造するに際し、該熱間圧延機の噛込側近傍
    で被圧延鋼板衝突圧1.2kg/cm2 以上デスケー
    リングを実施し、その後、直ちに前記熱間圧延機で圧延
    し、次いで圧延された鋼板を該熱間圧延機の噛出側近傍
    設けた冷却設備において、圧延直後に冷却速度500
    kcal/m2 ・hr・℃以上で冷却を行い、かかる圧延を往
    復で複数パス行い、Ar3 点未満の圧下率を50%以上
    確保した圧延を実施し、圧延終了後、圧延終了温度から
    該鋼板表面650℃になるまでの高温滞留時間を30
    秒以内にし、黒色で、密着性が優れたスケールであると
    共に、圧延方向に対し直角方向(C方向)のヤング率が
    23,000kgf/mm2 以上の鋼板とすることを特徴とす
    る構造用厚鋼板の製造法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、圧延終了温度から
    鋼板表面650℃になるまでの高温滞留時間を30秒
    以内にするために、前記冷却設備を有する圧延機内を
    パスで複数回往復して冷却し、黒色で、密着性が優れ
    スケールであると共に、圧延方向に対し直角方向(C方
    向)のヤング率が23,000kgf/mm2 以上の鋼板とす
    ことを特徴とする構造用厚鋼板の製造法。
  7. 【請求項7】 請求項5において、冷却設備を有する圧
    延機内を空パスで複数回往復して650℃まで冷却した
    鋼板を、無酸化炉に装入して、該鋼板表面の570〜4
    00℃の間の高温滞留時間を17時間以上確保できるよ
    うに徐冷し、黒色で、密着性が優れたスケールであると
    共に、圧延方向に対し直角方向(C方向)のヤング率が
    23,000kgf/mm2 以上の鋼板とすることを特徴とす
    る構造用厚鋼板の製造法。
  8. 【請求項8】 重量%で更に、 Ti:0.003〜0.10%、 Cr:0.01〜0.50%、 Ni:0.01〜3.00%、 Mo:0.01〜0.50%、 Cu:0.01〜1.50%、 V :0.005〜0.20%、 Nb:0.003〜0.05%、 B :0.0003〜0.0020% の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
    項1〜7のいずれか1項に記載の構造用厚鋼板の製造
    法。
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