JP3212115U - スプレーガン用塗料容器及びこれが接続されたスプレーガン - Google Patents

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Abstract

【課題】スプレーガンの姿勢に寄らず、塗料容器の姿勢の調整範囲を十分にとることが可能なスプレーガン用塗料容器を提供する。【解決手段】ノズル部14の先端の噴き出し口14aから塗料を噴霧するスプレーガンに対して、スプレーガン上部に突設された塗料供給管19から塗料を供給するスプレーガン用塗料容器であって、塗料を収容する塗料収容部20と、塗料収容部20の底部に設けられ、塗料を排出する塗料排出管21と、塗料排出管21を塗料供給管19に対して所定回転中心周りに回転可能に接続するボールジョイント機構23と、を備えている。【選択図】図1

Description

本考案は、スプレーガン用塗料容器及びこれが接続されたスプレーガンに関するものである。
スプレーガンは、例えば、自動車補修におけるチッピングコートの新車の吹き付け模様を再現するために用いられている(例えば特許文献1参照)。塗料を充填した塗料容器がスプレーガンの塗料供給口に取り付けられ、スプレーガンは、塗料容器から供給された塗料を圧縮空気と混合した状態で塗料ノズルの先端の噴き出し口より噴霧する。かかるスプレーガンは、塗料容器からスプレーガンに塗料を供給する方法により、圧縮空気の力を利用して塗料を吸い上げる吸い上げ式と、重力を利用して流し込んでいく重力式の2つに大きく分類される。
近年、環境問題が重視され、塗装分野においても、有機溶剤を使用する溶剤系塗料から有機溶剤を使用しない水系塗料(水性塗料)への移行が進んできている。しかし、水系塗料は、従来の溶剤系塗料よりも塗料の粘度が高く、また比重も重いという性質がある。そのため、水系塗料の塗装には、重力によって押され、自然に塗料が噴き出し口にまで落ちてくる重力式のスプレーガンが好ましい。特に、スプレーガンの上部の塗料供給口に固定した塗料容器から塗料を供給する、いわゆるセンターカップ式のスプレーガンが好ましい。
図4及び図5に従来のセンターカップ式スプレーガンを示す。図のように、従来のセンターカップ式スプレーガンは、スプレーガン1に対するスプレーガン用塗料容器2の角度が固定されている。従って、正面向きの塗装を行う場合は何ら支障はない。しかし、図4のように上向きの噴霧を行おうとすると、スプレーガン用塗料容器2内の塗料液面の高さが噴き出し口14aの高さに近付き、塗料が重力によって押されにくくなる。
また、塗料の液面が噴き出し口よりも下になると、塗料と一緒に空気を吸い込んでしまい、息継ぎをしたような現象がおこり、連続噴霧ができなくなり塗装に支障を来たす。このような現象は、図5のような下向きの塗装を行うときにも生じやすく、特に、塗料容器内の塗料が少なくなり、塗料液面が下がったときに特に起こりやすい。つまり、少量の塗料では、上向きや下向きの塗装はできない。
かかる問題を解決した先行技術として、下記特許文献2があげられる。かかるスプレーガン用塗料容器は、塗料排出管と、塗料排出管を塗料供給管に対して同軸で回転可能に接続し、塗料収容部の中心軸が塗料排出管の軸線に対して傾斜していることを特徴としている。かかる構成により、スプレーガンの姿勢に応じて、塗料収容部は軸線に対して傾斜した状態で回転することができる。
特開平8−215615号公報 実用新案登録第3165976号
上記先行技術(特許文献2)における課題は次の通りである。塗料収容部は回転することはできるものの、特定の中心軸に対して回転できるに過ぎない。したがって、スプレーガンの姿勢に応じて塗料容器の姿勢を調整できるにしても、融通性が少なく調整範囲が不十分であった。
本考案は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、スプレーガンの姿勢に寄らず、塗料容器の姿勢の調整範囲を十分にとることが可能なスプレーガン用塗料容器及びこれが接続されたスプレーガンを提供することにある。
上記課題を解決するため本考案に係るスプレーガン用塗料容器は、
ノズル部の先端の噴き出し口から塗料を噴霧するスプレーガンに対して、スプレーガン上部に突設された塗料供給管から塗料を供給するスプレーガン用塗料容器であって、
塗料を収容する塗料収容部と、
塗料収容部の底部に設けられ、塗料を排出する塗料排出管と、
塗料排出管を前記塗料供給管に対して所定回転中心周りに回転可能に接続するボールジョイント機構と、を備えていることを特徴とするものである。
かかる構成によるスプレーガン用塗料容器の作用・効果を説明する。本考案のスプレーガン用塗料容器は、塗料排出管を塗料供給管に対して所定回転中心周りに回転可能に接続するボールジョイント機構を備えているので、塗料排出管をスプレーガンの塗料供給管に回転可能に接続した際、その回転角度の調節範囲を従来に比べて飛躍的に大きくすることができる。従って、スプレーガンの姿勢に寄らず、塗料容器の姿勢の調整範囲を十分にとることが可能になった。
本考案において、前記塗料排出管が前記ボールジョイントを構成する球体の中心を貫通していることが好ましい。
かかる構成により、球体の内部に塗料排出管が形成されるので、構成を簡素化することができる。
本考案のスプレーガンおよびスプレーガン用塗料容器の側断面図 本考案のスプレーガンおよびスプレーガン用塗料容器の側面図(上向き噴射) 本考案のスプレーガンおよびスプレーガン用塗料容器の側面図(下向き噴射) 従来のスプレーガンおよびスプレーガン用塗料容器の側面図(上向き噴射) 従来のスプレーガンおよびスプレーガン用塗料容器の側面図(下向き噴射)
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、スプレーガン1と、スプレーガン1に接続されたスプレーガン用塗料容器2(以下、単に塗料容器2と称する)との一例を示す側面図である。図2は、スプレーガン1と塗料容器2の一部断面図である。
スプレーガン1は、全体的にピストル形状を有している。本体部10の握り部下方に空気ニップル11が設けられ、空気量調整装置12により導入される空気量を調整できる。引き金13を引くことで、内部の空気弁を開けて塗料をノズル部14の先端の噴き出し口14aから噴霧させることができる。塗料噴出量調整装置15は、ノズル部14内部にあるニードル弁の動きを加減して塗料の噴出量を調整することができる。
なお、本考案のスプレーガンは、塗料ノズル(不図示)の先端から塗料が噴霧された直後に塗料と圧縮空気が混合した状態で噴霧される外部混合方式のスプレーガンでもよいし、内部混合方式のスプレーガンでもよい。
スプレーガン1の上部には、塗料供給管19が突設されている。この塗料供給管19に塗料容器2が接続され、塗料容器2から塗料が供給される。塗料供給管19に供給された塗料は、塗料ノズルに送られ、噴き出し口14aから噴霧される。
塗料供給管19の下端には、外周に雄ねじ19aが形成されており、ノズル部14に形成された雌ねじに螺合することで連結される。塗料供給管19の上端は、下端よりも大径になるように形成され、雄ねじ19bが形成される。雄ねじ19bの内径は、下端に比べて大きくなっており、その境界に段差部19cが形成される。
この段差部19cには、シール部材30を嵌め込むことができる。シール部材30は、耐薬品性に優れるポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene, PTFE)で形成される。また、ポリテトラフルオロエチレンは摩擦係数が小さいという性質を有する。
塗料容器2は、塗料を収容する塗料収容部20と、塗料収容部20の底部に設けられ、塗料を排出する塗料排出管21とを備えている。塗料収容部20は、上部が円筒状、下部が円錐状をした外観形状を有している。塗料収容部20の内部は空洞となっており、スプレーガン1により噴霧される塗料が収容される。また、塗料収容部20の上端は開口しており、蓋22が着脱可能となっている。本実施形態の塗料容器2はいわゆる重力式カップであり、図1のような使用状態では、塗料が自重により塗料収容部20の底部から塗料排出管21へと移動することができる。
塗料収容部20と塗料排出管21は、所定の回転中心周りに回転できるようにボールジョイント機構23が設けられている。ボールジョイント機構23は球体部23aを有しており、この球体部23aの中心が回転中心になる。また、球体部23の中を塗料排出管21が貫通するような構成になっている。これにより、構成を簡素化することができる。
球体部23は、塗料供給管19の上端に形成された空間に挿入可能になっている。塗料排出管21の内径は、塗料供給管19の内径よりも小さくなっている。ただし、このような寸法関係に限定されるものではない。
塗料排出管21と塗料供給管19の接続は、ナット31により行われる。ナット31は、塗料供給管19の外周に形成された雄ねじ19bに螺合する雌ねじが一端に形成される。また、
ナット31の他端には段差部31aが形成され、シール部材30が挿入される。
ナット23を塗料供給管19に締め込むことで、球体部23aを塗料供給管19の方向へ押圧し、塗料排出管21を塗料供給管19に接続することができる。また、球体部23aとナット23の間と、球体部23aと塗料供給管19の間にはシール部材30が挟持されるようになるが、上記のようにシール部材30は摩擦係数の小さいポリテトラフルオロエチレンで形成されており、球体部23aはシール部材30上を滑ることができる。これにより、塗料排出管21は、ナット31により塗料供給管19に接続固定された後であっても、少しの力を加えるのみで塗料供給管19に対して自由に回転中心周りに回転可能であり、塗料排出管21は塗料供給管19に対して液密的かつ回転可能に接続されることとなる。
本考案によれば、塗料排出管21と塗料収容部20(塗料容器2)が球体部23aの回転中心周りに回転することができ、しかも任意の回転位置で止めることができる。従って、スプレーガン1の姿勢に応じて適切な姿勢になるように塗料容器2を調節することができる。
図2は、上向き姿勢で噴霧する場合を示している。ボールジョイント機構23を利用して、塗料容器2を手前側(噴き出し口14aの側)に傾斜させている。この傾斜角度は、被塗物の状態に応じて、任意に設定可能である。図2からもわかるように、塗料の液面は、図4に比較して上方に位置しており、息継ぎもなく連続的に噴霧が可能になる。
図3は、下向き姿勢で噴霧する場合を示している。ボールジョイント機構23を利用して、塗料容器2を後ろ側(噴き出し口14aとは反対側)に傾斜させている。この傾斜角度は、被塗物の状態に応じて、任意に設定可能である。図3からもわかるように、塗料の液面は、図5に比較して上方に位置しており、息継ぎもなく連続的に噴霧が可能になる。図2や図3以外の任意の位置(姿勢)にある被塗物に対しても適切に調節することができる。このように、ボールジョイント機構23を用いることで、塗料容器2の調整範囲が格段に大きくなった。
<別実施形態>
ボールジョイント機構23は、塗料収容部20や塗料排出管21と同じ材料(金属)で一体成形してもよいし、ボールジョイント機構23を別部品で構成してもよい。
1 スプレーガン
2 スプレーガン用塗料容器(塗料容器)
10 本体部
14 ノズル部
14a 噴き出し口
19 塗料供給管
19a,19b 雄ねじ
19c 段差部
20 塗料収容部
21 塗料排出管
22 蓋
23 ボールジョイント機構
23a 球体部
30 シール部材
31 ナット

Claims (3)

  1. ノズル部の先端の噴き出し口から塗料を噴霧するスプレーガンに対して、スプレーガン上部に突設された塗料供給管から塗料を供給するスプレーガン用塗料容器であって、
    塗料を収容する塗料収容部と、
    塗料収容部の底部に設けられ、塗料を排出する塗料排出管と、
    塗料排出管を前記塗料供給管に対して所定回転中心周りに回転可能に接続するボールジョイント機構と、を備えていることを特徴とするスプレーガン用塗料容器。
  2. 前記塗料排出管が前記ボールジョイントを構成する球体部の中心を貫通していることを特徴とする請求項1に記載のスプレーガン用塗料容器。
  3. 請求項1又は2のいずれか1項に記載のスプレーガン用塗料容器が接続されたスプレーガン。
JP2017002625U 2017-06-12 2017-06-12 スプレーガン用塗料容器及びこれが接続されたスプレーガン Active JP3212115U (ja)

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