JP3211979B2 - 集塵機用フィルタおよびその製造方法 - Google Patents

集塵機用フィルタおよびその製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低い通気圧力損失と高
い集塵効率の両方を満足することができるとともに、優
れた機械的強度を有し薄い肉厚でコンパクトな設計を達
成することができる集塵機用フィルタおよびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近では濾過式集塵機のフィルタとして
布製のバグフィルタに代わり、合成樹脂粉体をもって所
要の形状に成形焼結した無数の連通孔を有する多孔性焼
結体よりなるものが用いられるようになり、このような
集塵機用フィルタとしては例えば特公平1−5934号
公報等いくつかの発明が先に提案されている。
【0003】ところが、従来のこの種集塵機用フィルタ
においては、主原料である合成樹脂粉体の粒子径が大き
いと通気圧力損失が低いという利点を有するものの集塵
効率が低下し、このためにフィルタの肉厚を厚くしたり
充填密度を上げる等の必要があり薄い肉厚のコンパクト
な設計をすることができないという問題点があった。一
方、合成樹脂粉体の粒子径が小さいと集塵効率が高くな
るという利点を有するものの通気圧力損失が高くなり、
このために肉厚を薄くする必要があってフィルタとして
の機械的強度が保てないという問題点があり、合成樹脂
粉体を焼結したフィルタでは低い通気圧力損失と高い集
塵効率の両方を満足させることができないという問題点
があった。更には、従来のこの種集塵機用フィルタにお
いては合成樹脂粉体の焼結体に導電性が殆どないため、
帯電粉体を捕集する場合には静電気力による粉塵の払い
落とし不良や、それに伴う粉塵爆発の危険性も増し適用
範囲が限定されるという問題点もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の問題点を解決して、低い通気圧力損失と高い集塵
効率の両方を満足することができるとともに、優れた機
械的強度を有し薄い肉厚でコンパクトな設計を達成する
ことができ、さらに、帯電粉体を捕集する場合にも優れ
た性能を発揮することのできる集塵機用フィルタおよび
その製造方法を提供することを目的として完成されたも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、合成樹脂粉体をもって所要の形
状に成形焼結した多孔性焼結体よりなるフィルタ本体の
濾過面側にウイスカを主材とする多孔性表層を層着形成
したことを特徴とする集塵機用フィルタと、金型の所要
のキャビティ面にウイスカと接着剤との懸濁液の吹付け
により所要厚みの塗布層を形成したうえ型合わせしてそ
のキャビティに合成樹脂粉体を充填し、これを加熱して
前記合成樹脂粉体が焼結された多孔性焼結体よりなるフ
ィルタ本体の所要部にウイスカを主材とする多孔性表層
が層着された集塵機用フィルタを一体成形することを特
徴とする集塵機用フィルタの製造方法とよりなるもので
ある。
【0006】次に、本発明を図面を参照して詳細に説明
する。図面は本発明に係るフィルタを説明するために要
部を拡大して示した断面図であって、図中1は合成樹脂
粉体を焼結したフィルタ本体、2は該フィルタ本体1の
濾過面側、即ち被処理ガスと直接接触するダーティサイ
ド側に層着形成されたウイスカを主材とする多孔性表層
である。フィルタ本体1の素材となる合成樹脂粉体とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセター
ル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリサルホン、ポリエーテルスルホン、ポ
リフェニレンサルファイド等の焼結用原料として用いら
れる合成樹脂から選ばれた1種あるいは2種以上のもの
が使用される。また、その平均粒径は集塵処理すべき被
処理ガスに応じて20〜200μm 程度の範囲で任意に
選択される。
【0007】一方、前記したウイスカを主材とする多孔
性表層2を形成するものとしては、前記合成樹脂粉体よ
りも高い融点を有するニッケル、亜鉛、鉄、マグネシウ
ム等の金属あるいは金属酸化物またはカーボン、炭化珪
素、サファイヤ等の非金属からなるあらゆるフィラメン
ト状や繊維状の繊維質ウイスカとこれを多孔性表層2に
まとめる少量のボンド類がある。なお、このウイスカを
主材とする多孔性表層2をフィルタ本体1と強固に結合
させるには、ウイスカとして繊維径が0.1 〜5μm 、繊
維長さが1〜100 μm の繊維質体を使用し且つテトラポ
ット状の三次元構造のような立体構造物に形成しておく
ことが好ましい。更には、導電性を有する繊維質ウイス
カで多孔性表層2を形成した場合にはフィルタ本体1に
帯電防止機能が付与されるので、この場合には帯電粉体
の集塵にも適用できることとなる。
【0008】次に、本発明のフィルタの製造方法を説明
する。先ず、前記したような繊維質ウイスカを例えばエ
チルアルコールに分散させたうえこれに水と接着剤とか
らなる溶媒を加えた懸濁液を用意し、この懸濁液を一対
の合わせ金型のうちいずれか一方の金型3の内面に図2
に示されるようにスプレーノズル4で均一に噴霧塗布
し、この塗布層を乾燥させて金型3の内面に一定厚みの
ウイスカを主材とする多孔性表層2を形成する。次い
で、この金型3を他の金型3と型合わせして相互間に形
成されるキャビティ内に前記したような合成樹脂粉体を
充填し、該合成樹脂粉体の融点の±10℃の温度範囲内
(合成樹脂粉体が結晶性樹脂の場合にはガラス転移点よ
り高く且つ40℃を越えない温度範囲)で加熱焼結す
る。この工程において、前記合成樹脂粉体はその表面が
溶融して相隣る合成樹脂粉体同志が部分的に融着した多
孔性焼結体となるのであるが、前記したように一方の金
型3の内面にはウイスカを主材とする多孔性表層2が予
め形成されており、該多孔性表層2の繊維質ウイスカが
焼結処理中に溶融状態となった合成樹脂粉体よりなる層
の表面部に入り込んで合成樹脂粉体をもって所要の形状
に成形焼結した多孔性焼結体よりなるフィルタ本体1の
濾過面となる片面側にウイスカを主材とする多孔性表層
2が層着形成されることとなるが、この際、繊維質ウイ
スカの無数の針状部がアンカー効果(投びょう効果)を
発揮するのでフィルタ本体1とウイスカを主材とする多
孔性表層2とは境界部において強固に一体化されたもの
となる。即ち、合成樹脂粉体の焼結処理と同時にウイス
カを主材とする多孔性表層2を金型3側からフィルタ本
体1の表面側へ転写させるのである。
【0009】このようにして焼結工程が完了したなら
ば、金型3、3を冷却してフィルタ本体1を離型してキ
ャビティより取り出すこととなるが、前記したようにウ
イスカを主材とする多孔性表層2は繊維質ウイスカのア
ンカー効果によってフィルタ本体1の表面に強固に連繋
された状態で一体化しているので、金型内面に残存する
ことなく全てフィルタ本体1の表面側へ転写され、フィ
ルタ本体1の濾過面側にウイスカを主材とする多孔性表
層2が形成された集塵機用フィルタが得られる。
【0010】
【作用】このようにして得られた集塵機用フィルタは、
フィルタ本体1をそのままあるいは適当な骨格に組み込
んだうえ集塵機に組付けて含塵ガス等の濾過処理に供さ
れるものである点は従来のこの種集塵機用フィルタと同
様であるが、本発明においては合成樹脂粉体をもって所
要の形状に成形焼結した多孔性焼結体よりなるフィルタ
本体1の濾過面側にウイスカを主材とする多孔性表層2
を層着形成したものであるので、濾過面を構成するウイ
スカを主材とする多孔性表層2の補強作用によって全体
の機械的強度が著しく向上することができてフィルタ厚
みを薄くしても充分な強度が確保できコンパクトな設計
が可能となる。また、前記フィルタ本体1に所定値以下
の十分な通気圧力損失性能を保有させたとしても、濾過
面側に形成したウイスカを主材とする多孔性表層2によ
り粉塵の効率的な捕集を可能とし集塵効率を低下させる
ことなく効率的な集塵処理が行えることとなる。
【0011】さらに、ウイスカとして導電性を有する金
属材などを用いたときは従来のものにはなかった帯電防
止性能を発揮することができ、静電気力による粉塵払い
落とし作業を支障なく行えることとなる。
【0012】
【実施例】繊維長さ2〜50μm 、繊維径0.2 〜3μm 、
昇華点1720℃のテトラポット状三次元構造の酸化亜鉛か
らなる繊維質ウイスカをエチルアルコールに分散後、接
着剤と水からなる溶液と混合して懸濁液を得た。この懸
濁液をキャビティ面が襞状に形成してある一対の金型の
うち一方の金型の内面に均一に噴霧塗布してこれを乾燥
し一定厚みのウイスカを主材とする多孔性表層を形成
し、これを他方の金型と型合わせして両金型間のキャビ
ティ内へ平均粒径 120μm 、融点135℃のポリエチレ
ン樹脂粉体を振動充填し、これを電気炉で140℃、6
0分間加熱処理して所要の形状に成形焼結したポリエチ
レン樹脂の多孔性焼結体よりなるフィルタ本体の濾過表
面側にウイスカを主材とする多孔性表層が形成された集
塵機用フィルタを得た。得られたフィルタを常法により
集塵機に組み込み、ステアリン酸粒子を用いて捕集され
た個数をパーティクルカウンタで計測し集塵効率を測定
した結果を図4のグラフに示す。なお比較例として、前
記ウイスカを主材とする多孔性表層を形成しないフィル
タの集塵効率を測定した結果を図5のグラフに示した。
この図4および図5のグラフからも明らかなように、本
発明のフィルタにおいては集塵効率が著しく改善される
ことが確認できた。また、本発明のフィルタにおいては
引張破壊強度も十分であり、通気圧力損失も低く保持で
きることも確認できた。更に、この実施例のものはウイ
スカを主材とする多孔性表層に導電性が付与されている
ので、フィルタ自体に優れた導電性が付与され帯電防止
機能を発揮させれることも確認できた。
【0013】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、第1
の発明である集塵機用フィルタは低い通気圧力損失と高
い集塵効率の両方を満足することができるとともに、優
れた機械的強度を有し薄い肉厚でコンパクトな設計を達
成することができ、更には導電性を有して帯電防止機能
にも優れており帯電粉体の集塵処理にも利用することが
でき、また、他の発明である集塵機用フィルタの製造方
法は前記した第1の発明に係る集塵機用フィルタを簡単
な設備で容易に成形することができるなど多くの利点が
ある。よって本発明は従来の問題点を一掃した集塵機用
フィルタおよびその製造方法として、産業の発展に寄与
するところは極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る集塵機用フィルタの要部を拡大し
て示す断面図である。
【図2】本発明に係る製造方法における懸濁液をスプレ
ーする工程を示す概略斜視図である。
【図3】本発明に係る製造方法における焼結工程を示す
拡大断面図である。
【図4】本発明の実施例における集塵効率を示すグラフ
である。
【図5】比較例における集塵効率を示すグラフである。
【符号の説明】
1 フィルタ本体 2 ウイスカを主材とする多孔性表層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−173113(JP,A) 特開 平2−277520(JP,A) 特開 昭61−227812(JP,A) 特開 昭62−142629(JP,A) 特開 昭51−92470(JP,A) 特開 昭61−238835(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 39/00 - 39/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂粉体をもって所要の形状に成形
    焼結した多孔性焼結体よりなるフィルタ本体(1) の濾過
    面側にウイスカを主材とする多孔性表層(2)を層着形成
    したことを特徴とする集塵機用フィルタ。
  2. 【請求項2】 ウイスカが導電性を有している請求項1
    に記載の集塵機用フィルタ。
  3. 【請求項3】 ウイスカは、その繊維径が0.1 〜5μm
    、繊維長さが1〜100 μm の繊維質体である請求項1
    または請求項2に記載の集塵機用フィルタ。
  4. 【請求項4】 合成樹脂粉体が、ポリエチレン、ポリプ
    ロピレン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネ
    ート、ポリエチレンテレフタレート、ポリサルホン、ポ
    リエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイドから
    選ばれた1種あるいは2種以上のものである請求項1ま
    たは請求項2または請求項3に記載の集塵機用フィル
    タ。
  5. 【請求項5】 金型の所要のキャビティ面にウイスカと
    接着剤との懸濁液の吹付けにより所要厚みの塗布層を形
    成したうえ型合わせしてそのキャビティに合成樹脂粉体
    を充填し、これを加熱して前記合成樹脂粉体が焼結され
    た多孔性焼結体よりなるフィルタ本体の所要部にウイス
    カを主材とする多孔性表層が層着された集塵機用フィル
    タを一体成形することを特徴とする集塵機用フィルタの
    製造方法。
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