JP3211819B2 - 置換用気体の回収トラップ装置 - Google Patents

置換用気体の回収トラップ装置

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JP3211819B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2345/00Details for charging or discharging refrigerants; Service stations therefor
    • F25B2345/002Collecting refrigerant from a cycle

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  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接続配管にて室内
機と室外機とを接続する空気調和機の施工に用いる置換
用気体の回収トラップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】空気調和機に用いられる冷凍サイクル
は、圧縮機、熱交換器、キャビラリチューブまたは膨張
弁等の膨張機構を有する冷媒流量制御部を銅管等の配管
にて接続して構成される機構的な部分と、冷媒や潤滑油
組成物等の冷凍サイクル内部に充填される流体から構成
されている。セパレート型空気調和機では、圧縮機、熱
交換器を有する室外ユニットと、冷凍空調がなされる部
位に設置される熱交換器を有する室内ユニットを、銅管
等の接続管にて接続して構成される。このような冷凍サ
イクルでは、予め室外ユニット側に冷媒の一部あるいは
全部と潤滑油組成物を充填して室外ユニットのバルブを
閉じておき、施工時に接続管を用いて室内ユニットと接
続して冷凍サイクルを形成するのが一般的である。
【0003】このように配管を接続しただけでは、室内
ユニットと接続管内には空気が残存している。この空気
を除去するために室外ユニットのバルブに設けられた冷
媒チャージポートに真空ポンプを接続し、空気を除いて
からバルブを開き室内ユニットと室外ユニットを連結し
て冷凍システムを構成する施工方法がとられていた。
【0004】また、簡易的な施工方法としては、施工時
に室外ユニットのバルブを開いて室外ユニット内の冷媒
を接続管と室内ユニットヘ流し、もうひとつの室外ユニ
ットのバルブに設けられた冷媒チャージポート、または
該バルブの接続ポートの連結を緩和してできる隙間部分
より空気を含んだ冷媒を放出することにより室内ユニッ
ト及び接続管内の気体を置換する操作が行われていた。
【0005】これらの方法に対して、特開平3−70953号
公報においては、冷凍サイクル内を酸素に置換した後、
冷媒充填を実施し、冷凍サイクルに装備された酸素固定
剤で酸素を固定化することによる真空ポンプを使用しな
い冷凍サイクルの製造方法が開示されている。
【0006】また、特開平7−159004号公報において
は、冷凍圧縮機、凝縮器、キャビラリチューブまたは膨
張弁等の膨張機構部及び蒸発器のうち、擬縮器あるいは
蒸発器の一方または擬縮器あるいは蒸発器の一方と膨張
機構部が分離され配管で接続されるセパレート型の空気
調和機において、冷凍サイクルの一部に空気中の水分、
酸素、窒素、炭酸ガス等のうち2種類以上を吸収できる
物質を封入する方法を開示している。
【0007】また、特開平7−269994号公報では冷媒循
環系に酸素吸収剤を配する冷凍サイクルを開示してい
る。
【0008】また、特開平9−292168号公報では空気吸
収剤を配して配管および室内機内の空気を除去する方法
および配管と室内機内に二酸化炭素を封入したのち二酸
化炭素吸収剤で配管と室内機内の二酸化炭素を吸収して
真空にする方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】冷凍サイクル内に残存
する空気は、非凝縮性ガスとして冷凍能力を下げたり酸
素や水分が冷凍サイクル内部の冷凍機油や鉄などの劣化
を促進するので必ず除去する必要がある。
【0010】従来の技術で述べたもののうち真空ポンプ
で排気する方法は、一般的であるが施工現場で真空ポン
プを稼動させるためには電源が利用可能である必要があ
り、屋根の上等では利用しにくく簡便な方法とは呼べな
かった。
【0011】また、冷媒による空気の置換方法では冷媒
であるフロンの大気放出を避けられず、地球環境的に見
て地球温暖化等の問題から好ましくなかった。
【0012】また、室内熱交換器内や接続配管内の空気
を一旦置換用気体と置換した後に、この置換用気体を回
収トラップする方法については、置換用気体を回収トラ
ップする簡便、確実な容器が提案されていない。
【0013】そこで本発明は、室内熱交換器内や接続配
管内の空気を一旦置換用気体と置換した後に、この置換
用気体を簡便に回収トラップすることができる空気調和
装置の施工方法について、それに用いる置換用気体回収
トラップ装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、圧縮機内や室外熱交換器内に冷媒ガスを封
入した室外機と、室内熱交換器内を大気中に開放した室
内機とを接続配管で接続し、前記室内熱交換器内の空気
を置換用気体と置換し、その後前記置換用気体を回収ト
ラップする空気調和機の施工に用いる置換用気体の回収
トラップ装置であって、容器内に気体トラップ剤を充填
した後、常温常圧状態で液体となる溶媒をガス状態にて
封入した後、密封して冷却し、前記容器内部を負圧状態
とする置換用気体の回収トラップ装置である。
【0015】これによって、回収トラップ装置の容器内
部を充分な負圧状態に保持したものを量産性よく提供す
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】上記の課題を解決するための第1
の実施の形態は、圧縮機内や室外熱交換器内に冷媒ガス
を封入した室外機と、室内熱交換器内を大気中に開放し
た室内機とを接続配管で接続し、前記室内熱交換器内の
空気を置換用気体と置換し、その後前記置換用気体を回
収トラップする空気調和機の施工に用いる置換用気体の
回収トラップ装置であって、容器内に気体トラップ剤を
充填した後、常温常圧状態で液体となる溶媒をガス状態
にて封入した後、密封して冷却し、容器内部を負圧状態
とする置換用気体の回収トラップ装置である。
【0017】第2の実施の形態は、溶媒の分子量が80
以上である置換用気体の回収トラップ装置である。
【0018】第3の実施の形態は、溶媒の沸点が100
℃以上である置換用気体の回収トラップ装置である。
【0019】第4の実施の形態は、溶媒がオクタン、ノ
ナン、デカン、2,3,3-トリメチルペンタン、2,3,4-トリ
メチルペンタン、2,2,5-トリメチルヘキサン、2,2,3,3-
テトラメチルヘキサン、2,2,5,5-テトラメチルヘキサ
ン、3,3,5-トリメチルヘプタン、トルエン、オルト−キ
シレン、メタ−キシレンから選ばれたものである置換用
気体の回収トラップ装置である。
【0020】(実施例) 以下、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
【0021】図1および図2は同実施例に用いる空気調
和機の冷凍サイクルの構成図であり、図1は炭酸ガスボ
ンベ11を接続した状態を示し、図2は回収トラップ
置13を接続した状態を示している。
【0022】まず、図1および図2を用いて空気調和機
を構成する冷凍サイクルの全体構成について説明する。
【0023】冷凍サイクルは、圧縮機1、四方弁2、室
外熱交換器3、絞り装置4、ドライヤー5、室内熱交換
器6によって構成されている。圧縮機1、四方弁2、室
外熱交換器3、絞り装置4、ドライヤー5は、室外機
に配設され、室内熱交換器6は、室内機Bに配設されて
いる。
【0024】室外機Aには、液側2方弁7とガス側3方
弁8が設けられている。室外機Aと室内機Bとを接続す
る接続配管9、10はそれぞれ液側2方弁7とガス側3
方弁8を用いて接続されている。液側2方弁7は、ネジ
部7aを有しており、このネジ部7aを開くことで室外
機A側の配管と接続配管9とを連通する。また、ガス側
3方弁8は、ネジ部8aとサービスポート部8bを有し
ており、このネジ部8aを開くことで室外機A側の配管
と接続配管10とを連通する。
【0025】サービスポート部8bには図1に示すよう
に、治具12を用いて炭酸ガスボンベ11を接続するこ
とができ、また図2に示すように、治具14を用いて
トラップ装置13を接続することができる。これら炭
酸ガスボンベ11や回収トラップ装置13は、治具1
2、14に接続することで、接続配管10と連通するこ
とができる。
【0026】(実施例1) 次に図3から図5を用いて、本発明に用いることのでき
回収トラップ装置の実施例について説明する。図3か
ら図5は第1の実施例による置換用気体のトラップ装置
である。図3は同実施例による置換用気体の回収トラッ
装置の概略構成図、図4は図3のA−A線断面図、図
5は図4の内部構造体を示す要部拡大断面図である。
【0027】回収トラップ装置13は、一方に開口部を
有する銅製の容器13A内部に、セラミックハニカム構
造体15が挿入され、セラミックハニカム構造体15は
400セル/inch2、70φ×50mmの体積を有し、
表面にゼオライトを主体とする被覆層16が総量で80
g形成されている。容器13Aの内部には、開口部の容
器外壁部にディンプル部(図示せず)を設け、セラミッ
クハニカム構造体15を固定保持している。その後容器
13Aの開口部をしぼり加工して入口Cを形成する。そ
の後容器13Aを雰囲気炉内に移動し、350℃まで真
空ポンプで減圧しながら、徐々に加熱して2時間ホール
ドした。その後200℃まで冷却した後、雰囲気をオク
タンで置換して直ちに平板状の蓋をエポキシ系の樹脂で
コーティングすることで密封した。その結果、25℃、
1気圧下ではトラップ容器内圧を約18mmHgにする
ことができた。また、容器13Aの入口C近くにはセラ
ミックハニカム構造体15との間にすきま空間Dが設け
られ、セラミックハニカム構造体15内部の連通孔もす
きま空間となり、容器13A内部におけるすきま総合空
間容積を120ccとなるように設計した。
【0028】次に、上記空気調和機の施工方法について
説明する。
【0029】なお、施工前の状態では、圧縮機1内や
熱交換器3内等の室外機A側の配管内には冷媒ガスが
充填されている。この時、室外機Aには運転時に必要な
作動用冷媒ガスの他にパージ用冷媒ガスが充填されてい
る。一方、室内熱交換器6等の室内機B側の配管と、接
続配管9、10とは、特に密封状態にはなく、大気中に
開放された状態である。
【0030】まず室外機Aと室内機Bとを接続配管9、
10にて接続する。この時液側2方弁のネジ部7aとガ
ス側3方弁8のネジ部8aとは閉状態としておく。そし
て室外機Aのガス側3方弁8のサービスポート部8bに
炭酸ガスボンベ11を、治具12を介して取り付ける。
【0031】サービスポート8bに炭酸ガスボンベ11
を取り付けた後、液側2方弁7のフレアー部に少し緩み
を持たせる。そして炭酸ガスボンベ11を回転させなが
ら治具12に押し付けることによって、炭酸ガスボンベ
11内部の炭酸ガスが接続配管10および室内機B内に
導入される。接続配管10および室内機B内部の空気
は、導入された炭酸ガスとともに液側2方弁7のフレア
ー部の緩み部分から大気に放出される。
【0032】この時接続配管10および室内機B内をほ
ぼ常圧に戻した状態で液側2方弁7のフレアー部をしっ
かりと閉じる。
【0033】次にサービスポート部8から炭酸ガスボン
ベ11とともに治具12を取り外す。そして、図2に示
すようにサービスポート部8bに治具14を介して、
収トラップ装置13を取り付ける。この時治具14の内
部容積は10ccであり、回収トラップ装置13を構成
する容器13Aを回転させながら治具14に押し付ける
ことによって行なう。この取り付けによって、容器13
と接続配管10とが連通することによって接続配管1
0内の炭酸ガスはサービスポート8bから容器13A内
に導入される。その結果、一旦容器13Aの内部はほぼ
常圧状態に戻る。しかし、詳細には容器13A内に設け
られたすきま空間によって治具14内の最終連通部構成
する空気は一気に容器13A側に吸引されるとともに接
続配管内の炭酸ガスとも接触することでゼオライトが炭
酸ガスを物理吸着して補集し、接続配管9、10および
室内機B内が十分な負圧状態に達する。
【0034】このような状態になった後、液側2方弁7
のネジ部7aを少し緩め、室外機A側の冷媒ガスを導入
することによって、接続配管9、10および室内機B側
配管の内部を正圧状態(約0.2kgf/cm2)にする。そ
の後サービスポート部8bから回収トラップ装置13と
ともに治具14を取り外し、再度液側2方弁7ののネジ
部7aを完全に開放する。最後にガス側3方弁8のネジ
部8aも完全に開放することで空気調和機の施工に関す
る据え付け作業が完了となる。
【0035】上記据え付け作業工程ではサービスポート
部8bから回収トラップ装置13とともに治具14を取
り外す前に、室外機A側に充填された冷媒を接続配管
9、10および室内機B内に導入したが、これは負圧状
態にできているにもかかわらず、最後の作業で外部から
空気が内部に侵入することを防ぐためである。治具14
をサービスポート部8bから瞬時に取り外すことのでき
るように設計してあるものであれば、冷媒を接続配管
9、10および室内機B内に導入する必要はない。
【0036】図3から図5に示す第1の実施例による
収トラップ装置13を使用して、上記の施工を25℃の
作業雰囲気で行なった。なお、上記実施例での室内熱交
換器6を含む室内機B側配管および接続配管9、10の
内容積は1.5リットルであった。
【0037】その結果、回収トラップ装置13室内
交換器6を含む室内機B側配管および接続配管9、10
の内部を、3分間で十分な負圧雰囲気(10mmHg以
下)に達することができた。
【0038】(実施例2)本実施例の回収トラップ装置13 は、図6に示される銅
製の容器13B内部に中空円筒状のゼオライト17を使
用し、ゼオライト17をバッフル18で固定保持した。
ゼオライト17は5φ×7mm、肉厚2mm、総量で1
00g充填され、バッフル18は開口率60%に設定し
た。容器13Bの入口E近くにはバッフル18との間に
すきま空間Fが設けられている。また、中空円柱状のゼ
オライト17で構成される連通したゼオライト同士のす
きま空間も存在する。それらを合計して50ccとして
設計した。回収トラップ装置13を雰囲気炉内に移動
し、350℃まで真空ポンプで減圧しながら、徐々に加
熱して2時間ホールドした。その後200℃まで冷却し
た後、雰囲気をノナンで置換して直ちに平板状の蓋をエ
ポキシ系の樹脂でコーティングすることで密封した。そ
の結果、25℃、1気圧下では容器13B内圧を約9m
mHgにすることができた。
【0039】本実施例では、治具14内の空間容積を5
ccとし、25℃の作業雰囲気で据え付けを行なった。
その結果、回収トラップ装置13室内熱交換器6を含
む室内機B側配管および接続配管9、10の内部を、3
分間で十分な負圧雰囲気(10mmHg以下)に達する
ことができた。
【0040】(実施例3)本実施例の回収トラップ装置13 は、図7に示される銅
製の容器13C内部に球状体からなるゼオライト19を
充填している。ゼオライト19は6〜8メッシュ径のゼ
オライトで構成される。また、容器13Cの内部には、
入口Gとゼオライト19とを分離するバッフル20を備
えており、ゼオライト19を固定保持している。このバ
ッフル20は、ゼオライト19を通過させない大きさの
孔を有している。本実施例ではバッフル20の開口率を
60%に設定し、ゼオライトを総量で100g充填し
た。容器13Cの入口G近くにはバッフル20との間に
すきま空間Hが設けられている。また、球状のゼオライ
ト19で構成される連通したゼオライト同士のすきま空
間も存在する。それらを合計して20ccとして設計し
た。入口が開放状態の容器本体を雰囲気炉内に移動
し、350℃まで真空ポンプで減圧しながら、徐々に加
熱して2時間ホールドした。その後200℃まで冷却し
た後、雰囲気をデカンで置換して直ちに平板状の蓋をエ
ポキシ系の樹脂でコーティングすることで密封した。そ
の結果、25℃、1気圧下では容器13C内圧を約4m
mHgにすることができた。
【0041】本実施例では、治具14内の空間容積を5
ccとし、25℃の作業雰囲気で据え付けを行なった。
その結果、回収トラップ装置13室内熱交換器6を含
む室内機B側配管および接続配管9、10の内部を、3
分間で十分な負圧雰囲気(10mmHg以下)に達する
ことができた。
【0042】実施例1〜3では、オクタン、ノナン、デ
カンを使用して容器内に封入した。この溶媒ガスについ
て説明する。
【0043】充填するオクタンの分子量は114であ
り、回収トラップ装置製造の作業雰囲気に存在する空気
はほとんどが窒素と酸素である。気体として重いのは分
子量32の酸素である。オクタン114gと酸素32g
は両者が気体状態であればほぼ同じ体積となる。したが
って200℃におけるオクタンの容積当たりかさ密度と
25℃における酸素の容積当たりのかさ密度を比較する
とオクタン;114/473=0.24であり、酸素;
32/298=0.11である。すなわち、オクタンは
200℃でも酸素よりも2倍以上気体として重く、容器
内に封入されたオクタンガスが熱対流で外部雰囲気の酸
素と置換することを抑制することができる。ノナンの分
子量は128.3であるので200℃におけるノナンの
容積当たりかさ密度は128.3/473=0.27で
あり、デカンの分子量は142.3であるので200℃
におけるデカンの容積当たりかさ密度は142.3/4
73=0.30であり、酸素とのかさ密度差はさらに大
きく、封入されたこれらガスが熱対流で外部雰囲気の酸
素と置換する可能性は小さくなり、容器内に不純物とし
て侵入しないので、より容器内を十分な負圧状態とする
ために有効である。
【0044】このように常温常圧、25℃、1気圧で液
体である溶媒を容器内に封入して、その後の作業中に熱
対流で酸素と置換することを抑制するためには溶媒の分
子量として80以上、さらに好ましくは100以上が必
要であった。具体的な溶媒としては他に、2,3,3-トリメ
チルペンタン、2,3,4-トリメチルペンタン、2,2,5-トリ
メチルヘキサン、2,2,3,3-テトラメチルヘキサン、2,2,
5,5-テトラメチルヘキサン、3,3,5-トリメチルヘプタ
ン、トルエン、オルト−キシレンから選ばれたものが好
ましかった。
【0045】実施例では、すべて200℃付近で作業し
たが使用する溶媒によって変更可能である。具体的には
溶媒の沸点に応じて、沸点の高いものはより高い温度で
ガス封入を行うことが好ましい。デカンの場合、沸点は
174.1℃なので作業性を考慮すると250℃程度で
充填するほうが充填時のガス液化を防止できる。しかし
蓋を有機系の接着剤でシールする作業性を考慮すると3
00℃以下が好ましかった。また沸点の低い溶媒もゼオ
ライトへの水分吸着を考慮すると少なくとも120℃以
上が好ましく。そのためには溶媒の沸点として100℃
以上を使用して120℃以上で作業を完了することが好
ましかった。
【0046】実施例では、内部空気を炭酸ガスでパージ
置換した後、接続配管および室内機内をほぼ常圧に戻し
た状態で次の作業に移ったが、正圧に保った状態で行う
こともできる。この時に必要な正圧のレベルは大気圧に
比べてわずかに正圧であればよく、0.3kgf/cm2以下
が好ましいと考えられる。これによって炭酸ガストラッ
プ装置と内部を連通させた時に気体の対流効果で炭酸ガ
ストラップを迅速に行うことができた。また、これと同
様な効果として回収トラップ装置の容器内部を十分な負
圧状態にしておくことによっても、接続配管および室内
機内部から容器内部への気体対流効果を得ることができ
た。
【0047】実施例では、容器内部の負圧状態と容器内
すきま空間容積と治具14内の空間容積を総合的に考慮
して行った。すなわち、容器内部の負圧状態が悪い場合
には(容器内すきま空間容積)/(治具14内の空間容
積)の値が大きくする必要があった。すなわち、容器
に設けられた充分な負圧状態のすきま空間容積が接続治
具の内部空間容積よりも充分に大きいことで、接続治具
の内部連通部に存在する空気と接続配管内の置換用気体
が一緒に容器内に導入、混合拡散され、置換用気体が素
早く気体トラップ剤と物理吸着もしくは化学反応するた
めのトリガーとして機能するためである。
【0048】実施例では、室内機および接続配管の内容
積1.5リットルの場合についてゼオライト80〜100
gで行ったが、本発明の効果として期待できるゼオライ
ト重量は室内機および接続配管の内容積1リットルあた
り60g以上であった。それによって2〜5分間で炭酸
ガスをトラップして、10〜30mmHgレベルの負圧
状態にすることができた。ゼオライトが多すぎて問題と
なることはないが、あまり多すぎるとトラップ材料を収
納する容器がかさ張って好ましいとはいえない。また、
60g以下では負圧の到達度および速度が遅くなって本
発明の目的が達成できない。さらにコンタミ物として水
が吸着されると炭酸ガスのトラップを阻害することにな
る。したがって、実用的には60〜100g程度が好ま
しいと考えられる。
【0049】実施例では、置換用気体として炭酸ガスを
使用し、気体トラップ剤としてゼオライトを使用した場
合について説明したが、本発明の適用範囲はこの限りで
はない。置換用気体に対して気体トラップ剤が機能する
ことを誘発するために、容器の十分な負圧条件が必要で
あり、気体トラップ剤が置換用気体を捕集して室内機お
よび接続配管を十分な負圧状態に達成できるものであれ
ば、その他の組み合わせについても適用できる。
【0050】実施例では、通常の2方弁と3方弁を具備
した室外機の施工方法について説明したが、3方弁と3
方弁を具備した室外機にも適用できる。また実施例では
2方弁に2種類の治具を使用して施工を行ったが、本発
明では治具をT分岐形状として1個の接続部から炭酸ガ
ス供給部と炭酸ガス吸着部を分離して行うことも可能で
ある。
【0051】実施例では、室外機本体内にドライヤーを
配置したものを示した。真空ポンプ方式による室内機お
よび接続配管の空気パージでは内部に存在する水分も真
空ポンプの稼動時間によって排除することができるが、
本発明のような置換用気体によるパージ方式では水分ま
で排除することはできない。したがって、冷凍サイクル
内にドライヤーを配置した空気調和機のほうが長期信頼
性を保証しやすい。
【0052】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように、請求項
1記載の発明によれば、常温常圧状態で液体となる溶媒
をガス状態にて封入した後、密封して冷却することで
収トラップ装置の容器内部を充分な負圧状態に保持した
ものを量産性よく提供することができる。
【0053】請求項2記載の発明によれば、溶媒の分子
量を80以上とすることで120℃以上の高温雰囲気で
容器密封の作業をする時、充填した溶媒ガスのかさ密度
が充分に大きいので、熱対流によって容器内部に充填し
た溶媒ガスが外部に拡散することを防止できる。
【0054】請求項3記載の発明によれば、溶媒の沸点
を100℃以上とすることで溶媒ガスが液化することな
く、ガス状態で容器の密封作業を完了できる。
【0055】請求項4記載の発明によれば、適切な溶媒
を選定することで溶媒をガス状態で封入、密封して冷却
することで、十分な負圧状態に達した回収トラップ装置
を量産性よく提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いる空気調和機の冷凍サイ
クルであって炭酸ガスボンベを接続した構成図
【図2】本発明の実施例に用いる空気調和機の冷凍サイ
クルであって回収トラップ装置を接続した構成図
【図3】同実施例に用いる回収トラップ装置の第1の実
施例による断面構成図
【図4】図3におけるA−A線断面図
【図5】図4における要部α拡大断面図
【図6】同実施例に用いる回収トラップ装置の第2の実
施例による断面構成図
【図7】同実施例に用いる回収トラップ装置の第3の実
施例による断面構成図
【符号の説明】
1 圧縮機 2 四方弁 3 室外熱交換器 4 絞り装置 5 ドライヤー 6 室内熱交換器 7 液側2方弁 8 ガス側3方弁 9 接続配管 10 接続配管 11 炭酸ガスボンベ 12 治具 13 回収トラップ装置 14 治具 15 セラミックハニカム構造体 16 ゼオライトを主体とする被覆層 17 ゼオライト 18 バッフル 19 ゼオライト 20 バッフル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武内 裕幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 45/00 F25B 43/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】室外機と、室内熱交換器内を大気中に開放
    した室内機とを接続配管で接続し、前記室内熱交換器内
    の空気を置換用気体と置換し、その後前記置換用気体を
    回収トラップする空気調和機の施工に用いる置換用気
    体の回収トラップ装置であって、容器内に気体トラップ
    剤を充填した後、常温常圧状態で液体となる溶媒をガス
    状態にて封入した後、密封して冷却し、前記容器内部を
    負圧状態とすることを特徴とする置換用気体の回収トラ
    ップ装置
  2. 【請求項2】溶媒の分子量が80以上であることを特徴
    とする請求項1記載の置換用気体の回収トラップ装置
  3. 【請求項3】溶媒の沸点が100℃以上であることを特
    徴とする請求項1記載の置換用気体の回収トラップ
  4. 【請求項4】溶媒がオクタン、ノナン、デカン、2,3,3-
    トリメチルペンタン、2,3,4-トリメチルペンタン、2,2,
    5-トリメチルヘキサン、2,2,3,3-テトラメチルヘキサ
    ン、2,2,5,5-テトラメチルヘキサン、3,3,5-トリメチル
    ヘプタン、トルエン、オルト−キシレン、メタ−キシレ
    ンから選ばれたものであることを特徴とする請求項1記
    載の置換用気体の回収トラップ装置
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