JP3211425B2 - はんだ材の製造方法およびはんだ材 - Google Patents

はんだ材の製造方法およびはんだ材

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JP3211425B2 JP30571792A JP30571792A JP3211425B2 JP 3211425 B2 JP3211425 B2 JP 3211425B2 JP 30571792 A JP30571792 A JP 30571792A JP 30571792 A JP30571792 A JP 30571792A JP 3211425 B2 JP3211425 B2 JP 3211425B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、ガラスやセラ
ミックス系のスパッタリング用ターゲットを銅製の水冷
板にはんだ付けする際に、またLSIやVLSI等の大
型の半導体装置の製造において半導体素子をダイボンデ
ィングする際に好適に用いられるはんだ材とその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、スパッタリング技術の改良が進
み、例えば二極スパッタでは基板の温度上昇が激しく、
数百度にも達してしまうといった欠点を解消するべく、
スパッタされるターゲット材料を直接冷却するといった
手段を付加した低温スパッタが提供されている。ところ
で、このようにターゲットを冷却するには、通常ターゲ
ットを銅製の水冷板にはんだ付けし、この水冷板を介し
てターゲットを冷却するといった方法が採られている。
【0003】ここで、はんだ付けに用いられるはんだ材
としては、従来インジウム系のもの、例えばインジウム
−アンチモン系の低融点(融点;130〜150℃程
度)のものが用いられている。なぜなら、このような低
融点のはんだ材によれば、融点が低く柔らかいため比較
的低温ではんだ付け処理が可能となり、したがってター
ゲットとしてガラスやセラミックスなどの熱膨張係数の
小さいものを用い、このターゲットを熱膨張係数の大き
い銅板にはんだ付けした場合に、熱膨張係数の差に起因
するターゲットの割れやはんだ付け部の剥がれが発生す
るといった不都合が回避されるからである。また、LS
IやVLSI等の大型の半導体装置の製造においては、
半導体素子(チップ)をパッケージにダイボンディング
する際、従来ではパッケージに予め銀メッキを施してお
き、この銀メッキの上にはんだ箔、半導体素子を順次載
置し、前記はんだ箔を加熱溶融することにより、半導体
素子をパッケージに固定するといった方法が採られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ターゲ
ットを水冷板に固定するに際して用いられるはんだ材と
しては、前述した理由により低融点のインジウム系のも
のが用いられ実用化されているものの、このはんだ材に
あってはその厚みは10〜20μm程度にしかできず、
そのため高速スパッタを行うための装置には適用できな
いといった不具合がある。なぜなら、高速低温スパッタ
ではターゲットの温度上昇が低温スパッタに比べ大き
く、そのため低融点のはんだ材では溶融し易く、これに
よりターゲットが水冷板から剥がれてしまう恐れがある
からである。ここで、このような剥がれを防止すべくは
んだ材の厚さを前記した厚みより大きくすることも考え
られるが、その場合にははんだ材が溶融し流れ出てしま
うため、スパッタによる膜形成上好ましくない。また、
前記インジウム系のはんだ材にあっては、接合強度が例
えば錫系のものに比べても低く、そのため熱応力によっ
て剥がれ易く、したがってターゲットの温度上昇が顕著
である高速低温スパッタには適用し得ない。
【0005】一方、前記半導体装置の製造において用い
られるはんだ材にあっては、半導体装置の集積度がます
ます高まるにつけ、用いられるはんだ箔等の品質に対す
る要求も高度化しつつあり、従来のはんだ箔では信頼性
を十分満足させることができなくなりつつある。例え
ば、20mm角以上の大型の半導体素子(チップ)をダ
イボンドした半導体装置に、温度サイクル試験(半導体
装置を−60℃と125℃の各槽中に繰り返し浸漬する
試験)を施すと、500サイクルで30%程度の半導体
装置にはんだ付け面の剥離等の不具合が発生するなどと
いう問題があり、はんだ付けの信頼性を向上する必要に
せまられている。
【0006】本発明者はこのような背景に鑑み、先に前
記半導体装置の製造に用いるのに好適な半導体装置用は
んだ箔とその製造方法を提供した。(特願平3−286
919号) このはんだ箔は、鉛または当該鉛を主成分とする合金か
らなる箔本体の両面に、はんだ膜が形成され、該はんだ
膜は、沸点の異なる複数の金属層を交互に積層してなる
ものである。また、このようなはんだ箔の製造方法は、
真空蒸着法により、鉛または当該鉛を主成分とする合金
からなる箔本体の両面に、はんだ膜を形成する半導体装
置用はんだ箔の製造方法であり、複数の蒸着源を順次蒸
発させることにより、前記箔本体の表面に、沸点の低い
金属層及び当該金属層より沸点の高い金属層を交互に積
層したはんだ膜を形成する方法である。
【0007】しかし、前記はんだ箔にあっては、前記製
造方法によって示したごとく真空蒸着法によって箔本体
の両面にはんだ膜を形成する際、箔本体の表面に油等の
汚れが付着していたり部分的に酸化されていたりする
と、この部分のハンダ濡れ性が悪いため、得られたはん
だ箔をはんだ付けに使用した場合に、パッケージ上のA
gメッキあるいは半導体素子と箔本体との間に未着部分
(欠陥)が生じてしまうという欠点がある。また、製造
時間を短縮するために箔本体を急速に加熱すると、はん
だのぬれ不良が発生し易く、したがって箔本体へのはん
だ膜の付着強度が不十分なものが製造されてしまうとい
う不具合が生じる。よって、このようなはんだ箔を製造
するに際しては、箔本体を急速に加熱することができ
ず、ゆるやかに昇温せざるを得ないのが実状である。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、高速スパッタにも
適用し得る、ターゲットと銅製水冷板との接合用はんだ
材を提供するとともに、半導体装置の製造に際しても好
適に使用でき、しかもはんだ材自身の製造に際して急速
加熱が可能であり、したがって製造時間の短縮が図れる
はんだ材の製造方法とはんだ材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
記載のはんだ材の製造方法では、鉛または鉛を主成分と
する合金からなる箔本体を基板と電極と蒸着手段とを備
えた真空容器に入れ、さらに該箔本体を前記電極に対向
させた状態で基板に固定し、次に該真空容器内を真空引
きし、続いて該真空容器内に不活性ガスを導入し、次い
で前記基板と電極との間に電圧を印加してこれら基板と
電極との間にグロー放電を生じせしめ、次いで真空容器
内を真空引きし、その後前記蒸着手段により箔本体に
箔本体よりも融点の低い材質を真空蒸着せしめて、前記
箔本体との界面が消失したはんだ膜を形成することを前
記課題の解決手段とした。なお、このグロー放電は直流
グロー放電を用いた方が好ましい。
【0010】また、請求項2記載のはんだ材の製造方法
では、鉛または鉛を主成分とする合金からなる箔本体の
両面にはんだ膜及び貴金属または貴金属を主成分とする
合金からなる膜を順次形成するはんだ材の製造方法であ
って、まず前記箔本体を基板と電極と蒸着手段とを備え
た真空容器に入れ、さらに該箔本体を前記電極に対向さ
せた状態で基板に固定し、次に該真空容器内を真空引き
し、続いて該真空容器内に不活性ガスを導入し、次いで
前記基板と電極との間に電圧を印加してこれら基板と電
極との間にグロー放電を生じせしめ、次いで真空容器内
を真空引きし、その後前記蒸着手段により箔本体に該箔
本体よりも融点の低い材質を真空蒸着せしめて、前記箔
本体との界面が消失したはんだ膜を形成し、次いで、該
真空容器内に不活性ガスを導入し、次いで前記基板と電
極との間に電圧を印加してこれら基板と電極との間にグ
ロー放電を生じせしめ、次いで真空容器内を真空引き
し、その後前記蒸着手段により前記はんだ膜に真空蒸着
せしめて貴金属または貴金属を主成分とする合金からな
る膜を形成することを前記課題の解決手段とした。
【0011】また、請求項3記載のはんだ材では、鉛ま
たは鉛を主成分とする合金からなる箔本体の両面にはん
だ膜が形成されてなるはんだ材であって、前記箔本体
が、基板と電極と蒸着手段とを備えた真空容器に入れら
れ、さらに該箔本体が前記電極に対向した状態で基板に
固定され、該真空容器内が真空引きされ、該真空容器内
に不活性ガスが導入され、前記基板と電極との間に電圧
が印加されてこれら基板と電極との間にグロー放電が生
じせしめられ、さらに真空容器内が真空引きされ、その
後前記蒸着手段により箔本体に該箔本体よりも融点の低
い材質が真空蒸着せしめられて、前記箔本体との界面が
消失したはんだ膜が形成されてなることを前記課題の解
決手段とした。
【0012】また、請求項4記載のはんだ材では、鉛ま
たは鉛を主成分とする合金からなる箔本体の両面にはん
だ膜及び貴金属または貴金属を主成分とする合金からな
る膜が順次形成されてなるはんだ材であって、前記箔本
体が、基板と電極と蒸着手段とを備えた真空容器に入れ
られ、さらに該箔本体が前記電極に対向した状態で基板
に固定され、該真空容器内が真空引きされ、該真空容器
内に不活性ガスが導入され、前記基板と電極との間に電
圧が印加されてこれら基板と電極との間にグロー放電が
生じせしめられ、該真空容器内が真空引きされ、前記蒸
着手段により前記箔本体に該箔本体よりも融点の低い材
質が真空蒸着されて、前記箔本体との界面が消失した
んだ膜が形成され、該真空容器内に不活性ガスが導入さ
れ、前記基板と電極との間に電圧が印加されてこれら基
板と電極との間にグロー放電が生じせしめられ、該真空
容器内が真空引きされ、前記蒸着手段によりはんだ膜に
真空蒸着されて貴金属または貴金属を主成分とする合金
からなる膜が形成されてなることを前記課題の解決手段
とした。
【0013】以下、本発明を請求項1または2記載の製
造方法に基づいて詳しく説明する。まず、請求項1記載
の製造方法に基づいて説明する。鉛または鉛を主成分と
する合金からなる箔本体を用意する。このような箔本体
としては、鉛はもちろん、例えばアンチモンを5重量%
含む鉛・アンチモン合金(m.p.=314℃)や錫を1
〜10重量%含む鉛・錫合金(錫を1重量%含む場合、
m.p.=320℃)からなるものが用いられる。また、
箔本体の厚みとしては、0.05mm以上とするのが望
ましい。なぜなら、0.05mm未満であると、後述す
るようにこれから得られるはんだ材をターゲットと銅製
冷却板とのはんだ付けに用いた場合に、冷却時あるいは
加熱時にターゲットと冷却板との熱膨張係数の差に起因
してこれらの間に発生する歪みが吸収できず、ターゲッ
トの剥がれや割れが発生する恐れがあるからである。
【0014】次に、前記箔本体を、例えば図1に示す真
空容器1内に入れる。ここで、真空容器1は、図示略の
駆動機構により回転可能な回転基板2と、この回転基板
2の下面側に所定間隔をおいて配置されかつ回転基板2
に電気的に接続されたアルミ電極3と、はんだ膜を形成
するための蒸着源を収納するモリブデン製のボート4‥
と、蒸着源および真空容器1内を所定温度に加熱するた
めの加熱手段(図示略)を具備してなるものである。こ
こで、蒸着源ははんだ膜を形成するものとなるが、この
ような蒸発源としては、形成されるはんだ膜の融点が1
90℃以下となるよう、例えばPbー63wt%Sn等の
鉛・錫合金やPbー62wt%Snー2wt%Ag等の鉛
・錫・銀合金等を選択して用いるのが好ましい。なぜな
ら、形成されたはんだ膜の融点が200℃を越えると、
後述するように得られるはんだ材をターゲットと銅製冷
却板とのはんだ付けに用いた場合に、はんだ付け温度を
高温にしなければならず、これによってターゲットに歪
み等が生じることから該ターゲットに剥がれや割れが生
じる可能性があるからである。なお、この例では、前記
ボート4‥、蒸着源、加熱手段によって本発明における
蒸着手段が構成されるものとする。そして、真空容器1
内に入れた箔本体Aを、前記電極3に対向させた状態
で、すなわち回転基板2の下面に固定する。
【0015】次に、この真空容器1内をこれに連結され
た脱気装置(図示略)により真空引きして容器内を1×
10ー5Torr以下の真空にし、続いて該真空容器1
内に不活性ガス、例えばアルゴンガスを導入して容器内
を0.5〜50Torrにする。 次いで、前記回転基
板2とアルミ電極3との間に0.1〜10kv程度の 電
圧を1〜15分間程度印加してこれら基板2と電極3と
の間にグロー放電を生じせしめる。すると、箔本体Aは
その電極3側の面(下面)に付着した油等の汚れや酸化
部分が除去されあるいは還元されることにより、清浄化
される。
【0016】次いで、真空容器内を前記脱気装置により
1×10ー5Torr以下にまで真空引きし、その後回転
基板2を回転させつつ前記加熱手段によって真空容器1
内およびボート4‥を加熱してボート4‥内の蒸着源を
蒸発させることにより、真空蒸着を行った箔本体Aの下
面にはんだ膜を形成する。そしてさらに、一旦真空容器
1内を常圧に戻した後、箔本体Aの面を反対にして再度
回転基板2に固定し、前記操作を繰り返すことによって
もう一方の面にもはんだ膜を形成し、図2に示すように
箔本体Aの両面にはんだ膜B、Bを有した本発明におけ
る請求項3記載のはんだ材Cを得る。
【0017】このようなはんだ材の製造方法にあって
は、箔本体Aのはんだ膜形成面をグロー放電によって清
浄化し、油等の汚れや酸化部分を取り除き、かつ酸化を
防いだ後はんだ膜Bを形成するので、真空蒸着によりは
んだ膜Bを形成する際、急速加熱して処理を行っても箔
本体Aの膜形成面が清浄化され、膜形成面と蒸着物との
濡れ性がよく、よって未着部分(欠陥)のない極めて良
好で均一な膜形成を行うことができ、したがって全体の
製造時間を短縮化できるとともに得られるはんだ材の品
質を高め、かつ均一化することができる。
【0018】また、このようにして得られたはんだ材C
にあっては、未着部分(欠陥)がなくしたがって箔本体
Aとはんだ膜Bとの密着状態が極めて強固となるので、
例えば使用に際してこのはんだ材Cを切断しても箔本体
Aからはんだ膜Bが剥離するといった不都合が防止され
る。さらに、特にはんだ膜Bを形成するための蒸着源を
選定してはんだ膜Bの融点が箔本体Aに比べ十分低温と
なるようにすれば、箔本体Aの表面にはんだ膜Bを形成
した際、はんだ膜Bを形成する成分(金属)が箔本体A
に拡散し、これによって箔本体Aとはんだ膜Bとの界面
が消失してこの界面における接合が強固になる。
【0019】なお、はんだ付け後に形成される、箔本体
Aとはんだ膜Bとの界面部に形成されるこれら材質の略
均一混合物については、その融点が250℃以上となる
ように箔本体Aとはんだ膜Bを形成する蒸着源とを選定
するのが好ましい。なぜなら、このような混合物を有す
るはんだ材によれば、これをターゲットの冷却板へのは
んだ付けに使用し、さらにこのようなターゲットを用い
て高速スパッタを行った場合に、ターゲットが昇温して
高温になっても通常は250℃未満までしか昇温しない
ことから、はんだ材C中の界面部に形成される混合物が
溶融することなく、したがってターゲットの冷却板から
の剥がれを防止することができるからである。
【0020】また、前記例では箔本体Aの両面にそれぞ
れ一層ずつはんだ膜Bを形成したが、それぞれ複数層ず
つ、あるいは一方の面のみ複数層形成してもよく、その
場合には、はんだ膜Bの上にさらにはんだ膜を形成する
際、グロー放電による面清浄化処理を省略してもよい。
なお、本発明のはんだ材を半導体装置の製造に適用する
場合には、特にはんだ膜を複数層ずつ形成するととも
に、該複数のはんだ膜をそれぞれ融点の異なる金属ある
いは合金によって形成すれば、はんだ付けの際に加熱温
度を低下させることができ好ましい。
【0021】次に、本発明を請求項2記載の製造方法に
基づいて説明する。この製造方法においては、箔本体A
の両面にはんだ膜B、Bを形成するまでは上述した請求
項1記載の製造方法と全く同一である。このはんだ膜
B、Bが形成された箔本体Aを回転基板2の下面に固定
し、該真空容器内を前記脱気装置により1×10ー5To
rr以下にまで真空引きし、この真空容器1内に、再
度、例えばアルゴン等からなる不活性ガスを導入し容器
内の圧力を0.5〜50Torrにする。次いで、前記
回転基板2とステンレス電極3との間に0.1〜10k
v程度の電圧を1〜10分間程度印加してこれら基板2
と電極3との間にグロー放電を生じせしめる。すると、
箔本体Aの一方の面に形成されたはんだ膜Bはその表面
(下面)の酸化膜が除去されあるいは還元されることに
より清浄化される。
【0022】次いで、該真空容器内を前記脱気装置によ
り1×10-5Torr以下にまで真空引きし、その後回
転基板2を回転させつつ前記加熱手段によって真空容器
1内およびボート4‥を加熱してボート4‥内の蒸着源
を蒸発させることにより、箔本体Aの一方のはんだ膜B
の表面に貴金属または貴金属を主成分とする合金からな
る貴金属膜Dを形成する。ここで、貴金属膜Dとして
は、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オス
ミウム、イリジウム、白金のいずれか1種からなる貴金
属、または、白金・ロジウム合金、白金・イリジウム合
金、銀・パラジウム合金等、前記貴金属を2種以上含む
貴金属合金が用いられる。
【0023】そしてさらに、一旦真空容器1内を常圧に
戻した後、箔本体Aの他方のはんだ膜Bを下面にして再
度回転基板2に固定し、前記操作を繰り返すことによっ
て他方のはんだ膜Bの表面にも貴金属膜Dを形成し、図
6に示すように箔本体Aの両面にはんだ膜B、B及び貴
金属膜D、Dを順次形成してなる本発明における請求項
4記載のはんだ材Eを得る。
【0024】前記請求項2記載の製造方法にあっては、
はんだ膜B、B各表面の貴金属膜形成面をグロー放電に
よって清浄化し、これらの表面の酸化膜を取り除き、か
つ酸化を防いだ後貴金属膜Dを形成するので、真空蒸着
により貴金属膜Dを形成する際、はんだ膜B、B各表面
の貴金属膜形成面が清浄化され、急速加熱して処理を行
っても膜形成面と蒸着物との濡れ性がよく、よって未着
部分(欠陥)のない極めて良好で均一な膜形成を行うこ
とができ、したがって全体の製造時間を短縮化できると
ともに得られるはんだ材Eの品質を高め、かつ均一化す
ることができる。また、このようにして得られたはんだ
材Eにあっては、未着部分(欠陥)がなくしたがって箔
本体Aとはんだ膜B及びはんだ膜Bと貴金属膜D各々の
密着状態が極めて強固となるので、例えば使用に際して
このはんだ材Eを切断してもはんだ膜Bや貴金属膜Dが
剥離するといった不都合が防止される。
【0025】また、このようにして得られたはんだ材E
にあっては、未着部分(欠陥)がなくしたがって箔本体
Aとはんだ膜B及びはんだ膜Bと貴金属膜D各々の密着
状態が極めて強固となるので、例えば使用に際してこの
はんだ材Eを切断しても箔本体Aからはんだ膜Bが剥離
したり、また、はんだ膜Bから貴金属膜Eが剥離したり
等の不都合が防止される。また、はんだ膜Bの表面に貴
金属膜Eが蒸着されているので、はんだ付け時またはそ
の後の信頼性において問題となる貴金属のマイグレーシ
ョン等の不具合が解消される。また、貴金属膜Dを形成
したハンダは保管中表面が酸化しないので、長時間保管
してもはんだ付け部の信頼性が高い(接合部のボイド等
の欠陥がほとんど見られない)。
【0026】なお、前記例では箔本体Aの両面に、はん
だ膜Bと貴金属膜Dをそれぞれ一層ずつ順次形成した
が、上記例に限定することなく種々の構成が可能であ
り、例えば、箔本体Aの両面にはんだ膜Bと貴金属膜D
を交互に積層した複数層の膜を形成したり、あるいは箔
本体Aの一方の面のみ複数層の膜を形成してもよい。ま
た、貴金属膜Dを複数の種類の貴金属膜を組み合わせた
構成としてもよい。
【0027】
【作用】本発明における請求項1記載のはんだ材の製造
方法によれば、グロー放電によって箔本体のはんだ膜形
成面を清浄化した後、真空蒸着によってはんだ膜を形成
するので、蒸着の際急速加熱して処理を行っても箔本体
の膜形成面が清浄化されていることから極めて良好で均
一な膜形成を行うことができる。さらに、はんだ膜の融
点が箔本体に比べて低温とされており、箔本体の表面に
はんだ膜を形成した際、はんだ膜を形成する成分が箔本
体に拡散し、これによって箔本体とはんだ膜との界面が
消失してこの界面における接合が強固になる。
【0028】また、請求項2記載のはんだ材の製造方法
によれば、箔本体に極めて良好で均一、かつ箔本体との
接合が強固なはんだ膜が形成される。さらにグロー放電
によってはんだ膜の表面の貴金属膜の形成面を清浄化し
た後、真空蒸着によって貴金属膜を形成するので、蒸着
の際急速加熱して処理を行ってもはんだ膜の表面の貴金
属膜形成面が清浄化されていることから極めて良好で均
一な膜形成を行うことができる。
【0029】また、請求項3記載のはんだ材によれば、
前記製造方法によって作成されることにより未着部分
(欠陥)のない良好で均一なはんだ膜を有しているもの
となり、よって箔本体とはんだ膜との密着状態が極めて
強固なものとなる。さらにはんだ膜を形成する成分が箔
本体に拡散されていて、箔本体とはんだ膜との界面が消
失しているので、この界面における接合が強固なものと
なる。
【0030】また、請求項4記載のはんだ材によれば、
前記製造方法によって作成されることにより、未着部分
(欠陥)のない良好で均一なはんだ膜及び貴金属膜を有
しているものとなり、よって箔本体とはんだ膜及び貴金
属膜各々の密着状態が極めて強固なものとなる。さらに
はんだ膜を形成する成分が箔本体に拡散されていて、箔
本体とはんだ膜との界面が消失しているので、この界面
における接合が強固なものとなる。
【0031】また、請求項5記載のはんだ材によれば、
はんだ膜の融点が190℃以下であるので、これをター
ゲットと銅製冷却板とのはんだ付けに用いた場合に、は
んだ付け後の冷却時にはんだ膜が早く固化してしまい、
これによってターゲットに歪み等が生じることが防止さ
れる。
【0032】また、請求項6記載のはんだ材によれば、
箔本体の厚さが0.05mm以上であるの で、これをタ
ーゲットと銅製冷却板とのはんだ付けに用いた場合に、
冷却時あるいは加熱時にターゲットと冷却板との熱膨張
係数の差に起因してこれらの間に発生する歪みが十分に
吸収される。
【0033】また、請求項7記載のはんだ材によれば、
箔本体とその両面に形成されたはんだ膜との混合物の融
点が250℃以上であるので、これをターゲットの冷却
板へのはんだ付けに使用し、さらにこのようなターゲッ
トを用いて高速スパッタを行った場合に、ターゲットが
昇温して高温になってもはんだ材中の界面部に形成され
る混合物が溶融することなく、したがってターゲットの
冷却板からの剥がれが防止される。
【0034】
【実施例】以下、本発明を各実施例によりさらに具体的
に説明する。 (実施例1)図1に示した真空容器1を用い、先に述べ
た本発明の請求項1記載の製造方法に基づき、はんだ材
を4種作製した。箔本体Aについては表1に示す材質、
厚みのものを用いた。また、はんだ膜を形成する蒸着源
としては、得られるはんだ膜の材質が表1に示す材質に
なるものを用いた。
【0035】
【表1】
【0036】処理については、箔本体を回転基板2に固
定した後、真空容器1内を脱気し真空引きして1×10
-5Torrの真空度とした。なお、この処理については
表1に示した試料について全て同一とした。次に、真空
容器1内にアルゴンガスを導入して該容器1内を各試料
毎に表1に示す真空度とした。そして、各試料毎に表1
に示す条件でグロー放電を行い、箔本体の表面を清浄化
処理した。
【0037】次いで、真空容器1内を再度脱気・真空引
きして1×10-5Torrの真空度とし、さらにモリブ
デン製のボート4‥、真空容器1内を加熱して真空蒸着
を行い、箔本体Aに表1に示す材質、厚みのはんだ膜B
を形成した。さらに、このような操作を繰り返し、箔本
体Aのもう一方の面にも同じはんだ膜Bを形成し、各は
んだ材Cを得た。
【0038】このようにして得られた各試料(はんだ
材)を用い、1ケ月以内に直径300mm、厚さ5mm
のSi製円盤状スパッタリング用ターゲットと、図3に
示す無酸素銅製冷却板とをはんだ付けした。はんだ付け
は、真空容器(図示略)内にて図4に示すように冷却板
10の上にはんだ材Cを置き、さらにその上にターゲッ
ト11を置き、この状態でアンビル12、12間で挟
み、真空容器内を1×10-4Torr程度の真空度にし
た。その後、アンビル12、12により全体に50kg
の荷重をかけつつ図5に示す温度プロフィルで所定温度
まで加熱し、さらに冷却してはんだ付けを行った。な
お、アンビル12、12としては、冷却時間を短くする
ため冷却オイルを循環させられるものを用いた。
【0039】はんだ付け品の接合部を目視観察し、接合
部にハガレ等の接合不良が無いことを確認した後に、室
温で30分保持し、200℃×30分保持する温度サイ
クル試験を5サイクル行った後、ターゲットの割れ発生
及び剥がれ発生の有無を目視で調査した。表1から明か
なように、本実施例のはんだ材Cを用いた場合ではター
ゲットの割れ及び剥がれ共に発生せず、比較例と比べて
優れていることがわかる。
【0040】また、前記の得られたはんだ付け品を高速
スパッタに適用したところ、いずれもターゲットの剥が
れや割れがなく良好に行うことができた。また、先に得
られたはんだ材を用い、半導体素子(チップ)をパッケ
ージにダイボンディングしたところ、いずれも良好に接
合することができ、本発明のはんだ材は半導体装置の製
造にも極めて有効であることが確認された。
【0041】(実施例2)図1に示した真空容器1を用
い、先に述べた本発明の請求項2記載の製造方法に基づ
き、はんだ材を6種作製した。これらのはんだ材の箔本
体A、はんだ膜B、貴金属膜Dそれぞれの材質及び厚み
は表2に示した通りである。また、はんだ膜Bまたは貴
金属膜Dを形成する蒸着源としては、得られるはんだ膜
Bまたは貴金属膜Dの材質が表2に示す材質になるもの
を用いた。
【0042】
【表2】
【0043】処理については、箔本体Aを回転基板2に
固定した後、真空容器1内を真空引きして1×10-5
orrの真空度とした。なお、この処理については表2
に示した試料について全て同一とした。次に、真空容器
1内にアルゴンガスを導入して該容器1内を各試料毎に
表2に示す真空度とした。そして、各試料毎に表2の
「グロー放電条件(1)」に示す条件でグロー放電を行
い、箔本体Aの表面を清浄化処理した。次いで、真空容
器1内を再度真空引きして1×10-5Torrの真空度
とし、さらにモリブデン製のボート4‥及び真空容器1
内を加熱して真空蒸着を行い、箔本体Aに表2に示す材
質、厚みのはんだ膜Bを形成した。さらに、このような
操作を繰り返し、箔本体Aのもう一方の面にも同じはん
だ膜Bを形成した。
【0044】次に、真空容器1内にアルゴンガスを導入
して該容器1内を各試料毎に表2に示す真空度とした。
そして、各試料毎に表2の「グロー放電条件(2)」に
示す条件でグロー放電を行い、はんだ膜Bの表面を清浄
化処理した。さらに、このような操作を繰り返し、箔本
体Aのもう一方の面のはんだ膜Bの表面も清浄化処理し
た。
【0045】次いで、真空容器1内を再度真空引きして
1×10-5Torrの真空度とし、さらにモリブデン製
のボート4‥及び真空容器1内を加熱して真空蒸着を行
い、箔本体Aの一方の面のはんだ膜Bに表2に示す材
質、厚みの貴金属膜Dを形成した。さらに、このような
操作を繰り返し、箔本体Aのもう一方の面のはんだ膜B
にも同じ貴金属膜Dを形成し、各はんだ材Eを得た。
【0046】このようにして得られた各試料(はんだ
材)を用いて、上述した実施例1と全く同一の方法によ
り、ターゲットの割れ発生及び剥がれ発生の有無を目視
で調査し、これらの結果を表3に示した。
【表3】 表3から明かなように、本実施例のはんだ材Eを用いた
場合ではターゲットの割れ及び剥がれ共に発生せず、比
較例と比べて優れていることがわかる。
【0047】また、上記実施例により得られたはんだ付
け品を高速スパッタに適用したところ、いずれもターゲ
ットの剥がれや割れがなく良好に行うことができた。ま
た、先に得られたはんだ材を用い、半導体素子(チッ
プ)をパッケージにダイボンディングしたところ、いず
れも良好に接合することができ、また、貴金属のマイグ
レーション等の不具合もなく、本発明のはんだ材は半導
体装置の製造において極めて有効であることが確認され
た。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における請
求項1記載のはんだ材の製造方法によれば、グロー放電
によって箔本体のはんだ膜形成面を清浄化した後、真空
蒸着によってはんだ膜を形成するもので、蒸着の際急速
加熱して処理を行っても箔本体の膜形成面が清浄化され
ているので、膜形成面と蒸着物であるはんだ膜との濡れ
性がよく、よって未着部分(欠陥)のない極めて良好で
均一な膜形成を行うことができ、したがってはんだ材の
製造時間を従来に比べ大幅に短縮することができる。
らに、はんだ膜の融点が箔本体に比べて低温とされてお
り、箔本体の表面にはんだ膜を形成した際、はんだ膜を
形成する成分が箔本体に拡散し、これによって箔本体と
はんだ膜との界面が消失してこの界面における接合が強
固になる。
【0049】また、請求項2記載のはんだ材の製造方法
によれば、箔本体に極めて良好で均一、かつ箔本体との
接合が強固なはんだ膜が形成される。さらにグロー放電
によってはんだ膜の表面の貴金属膜の形成面を清浄化し
た後、真空蒸着によって貴金属膜を形成するもので、蒸
着の際急速加熱して処理を行ってもはんだ膜の表面の貴
金属膜形成面が清浄化されているので、膜形成面と蒸着
物である貴金属膜との濡れ性がよく、よって未着部分
(欠陥)のない極めて良好で均一な貴金属膜の形成を行
うことができ、したがってはんだ材の製造時間を従来に
比べて大幅に短縮することができる。
【0050】また、請求項3記載のはんだ材によれば、
前記請求項1記載のはんだ材の製造方法によって作成さ
れることにより未着部分(欠陥)のない良好で均一なは
んだ膜を有したので、箔本体とはんだ膜との密着状態が
極めて強固なものとなり、したがって石英、タングステ
ン、シリコンなどの熱膨張係数の小さいターゲットと銅
等の熱膨張係数の大きい冷却板とのはんだ付けに用いこ
れをターゲットの温度上昇が顕著である高速スパッタに
使用した場合にも、箔本体がターゲットと冷却板の熱膨
張係数の差に起因する熱応力等を吸収することなどによ
り、ターゲットの剥がれや割れなどがなく、また、はん
だ膜の箔本体からの剥がれもなく良好にスパッタリング
を行うことができる。さらに、はんだ膜の融点が箔本体
に比べて低温とされており、箔本体の表面にはんだ膜を
形成した際、はんだ膜を形成する成分が箔本体に拡散
し、これによって箔本体とはんだ膜との界面が消失して
この界面における接合が強固になる。
【0051】また、請求項4記載のはんだ材によれば、
前記請求項2記載のはんだ材の製造方法によって作成さ
れることにより未着部分(欠陥)のない良好で均一、か
つ箔本体との接合が強固なはんだ膜を有したので、箔本
体とはんだ膜及び該はんだ膜と貴金属膜各々の密着状態
が極めて強固なものとなり、したがって石英、タングス
テン、シリコンなどの熱膨張係数の小さいターゲットと
銅等の熱膨張係数の大きい冷却板とのはんだ付けに用い
これをターゲットの温度上昇が顕著である高速スパッタ
に使用した場合にも、箔本体がターゲットと冷却板の熱
膨張係数の差に起因する熱応力等を吸収することなどに
より、ターゲットの剥がれや割れなどがなく、また、は
んだ膜の箔本体からの剥がれや貴金属膜のはんだ膜から
の剥がれもなく良好にスパッタリングを行うことができ
る。また、はんだ膜に貴金属膜が蒸着されているので、
はんだ付け時またはその後の信頼性において問題となる
貴金属のマイグレーション等の不具合が解消され、高品
質のはんだ膜を得ることができる。
【0052】また、請求項5記載のはんだ材は、はんだ
膜の融点が190℃以下のものであるから、これをター
ゲットと銅製冷却板とのはんだ付けに用いた場合に、は
んだ付け後の冷却時にはんだ膜が早く固化してしまい、
これによってターゲットに歪み等が生じることを防止す
ることができる。
【0053】また、請求項6記載のはんだ材は、箔本体
の厚さが0.05mm以上のものであるから、これをタ
ーゲットと銅製冷却板とのはんだ付けに用いた場合に、
冷却時あるいは加熱時にターゲットと冷却板との熱膨張
係数の差に起因してこれらの間に発生する歪みを十分に
吸収することができる。
【0054】また、請求項7記載のはんだ材は、箔本体
とその両面に形成されたはんだ膜との混合物の融点が2
50℃以上のものであるから、これをターゲットの冷却
板へのはんだ付けに使用し、さらにこのようなターゲッ
トを用いて高速スパッタを行った場合に、ターゲットが
昇温して高温になってもはんだ材中の界面部に形成され
る混合物が溶融することなく、したがってターゲットの
冷却板からの剥がれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に用いられる真空容器の一例
の概略構成図である。
【図2】本発明の請求項3記載のはんだ材の一例の概略
構成を示す側断面図である。
【図3】本発明品の性能を確認するための試験に用いた
銅製冷却板の側断面図である。
【図4】はんだ付けの処理状態を示す説明図である。
【図5】はんだ付け処理の温度プロフィルを示す図であ
る。
【図6】本発明の請求項4記載のはんだ材の一例の概略
構成を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 真空容器 2 回転基板 3 アルミ電極 4 ボート A 箔本体 B はんだ膜 C はんだ材 D 貴金属膜 E はんだ材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−268032(JP,A) 麻蒔立男「薄膜作成の基礎」(昭56− 11−27)日刊工業新聞社 p.91−95 大和久重雄 編者代表「アグネ金属述 語辞典」改訂版(平1−3−31)アグネ p.247 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 H01L 21/52

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛または鉛を主成分とする合金からなる
    箔本体の両面にはんだ膜を形成するはんだ材の製造方法
    であって、まず前記箔本体を基板と電極と蒸着手段とを
    備えた真空容器に入れ、さらに該箔本体を前記電極に対
    向させた状態で基板に固定し、次に該真空容器内を真空
    引きし、続いて該真空容器内に不活性ガスを導入し、次
    いで前記基板と電極との間に電圧を印加してこれら基板
    と電極との間にグロー放電を生じせしめ、次いで真空容
    器内を真空引きし、その後前記蒸着手段により箔本体に
    該箔本体よりも融点の低い材質を真空蒸着せしめて、前
    記箔本体との界面が消失したはんだ膜を形成することを
    特徴とするはんだ材の製造方法。
  2. 【請求項2】 鉛または鉛を主成分とする合金からなる
    箔本体の両面にはんだ膜及び貴金属または貴金属を主成
    分とする合金からなる膜を順次形成するはんだ材の製造
    方法であって、まず前記箔本体を基板と電極と蒸着手段
    とを備えた真空容器に入れ、さらに該箔本体を前記電極
    に対向させた状態で基板に固定し、次に該真空容器内を
    真空引きし、続いて該真空容器内に不活性ガスを導入
    し、次いで前記基板と電極との間に電圧を印加してこれ
    ら基板と電極との間にグロー放電を生じせしめ、次いで
    真空容器内を真空引きし、その後前記蒸着手段により
    箔本体に該箔本体よりも融点の低い材質を真空蒸着せ
    しめて、前記箔本体との界面が消失したはんだ膜を形成
    し、次いで、該真空容器内に不活性ガスを導入し、次い
    で前記基板と電極との間に電圧を印加してこれら基板と
    電極との間にグロー放電を生じせしめ、次いで真空容器
    内を真空引きし、その後前記蒸着手段により前記はんだ
    膜に真空蒸着せしめて貴金属または貴金属を主成分とす
    る合金からなる膜を形成することを特徴とするはんだ材
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 鉛または鉛を主成分とする合金からなる
    箔本体の両面にはんだ膜が形成されてなるはんだ材であ
    って、前記箔本体が、基板と電極と蒸着手段とを備えた
    真空容器に入れられ、さらに該箔本体が前記電極に対向
    した状態で基板に固定され、該真空容器内が真空引きさ
    れ、該真空容器内に不活性ガスが導入され、前記基板と
    電極との間に電圧が印加されてこれら基板と電極との間
    にグロー放電が生じせしめられ、さらに真空容器内が真
    空引きされ、その後前記蒸着手段により箔本体に該箔本
    体よりも融点の低い材質が真空蒸着せしめられて、前記
    箔本体との界面が消失したはんだ膜が形成されてなるこ
    とを特徴とするはんだ材。
  4. 【請求項4】 鉛または鉛を主成分とする合金からなる
    箔本体の両面にはんだ膜及び貴金属または貴金属を主成
    分とする合金からなる膜が順次形成されてなるはんだ材
    であって、前記箔本体が、基板と電極と蒸着手段とを備
    えた真空容器に入れられ、さらに該箔本体が前記電極に
    対向した状態で基板に固定され、該真空容器内が真空引
    きされ、該真空容器内に不活性ガスが導入され、前記基
    板と電極との間に電圧が印加されてこれら基板と電極と
    の間にグロー放電が生じせしめられ、該真空容器内が真
    空引きされ、前記蒸着手段により前記箔本体に該箔本体
    よりも融点の低い材質が真空蒸着されて、前記箔本体と
    の界面が消失したはんだ膜が形成され、該真空容器内に
    不活性ガスが導入され、前記基板と電極との間に電圧が
    印加されてこれら基板と電極との間にグロー放電が生じ
    せしめられ、該真空容器内が真空引きされ、前記蒸着手
    段によりはんだ膜に真空蒸着されて貴金属または貴金属
    を主成分とする合金からなる膜が形成されてなることを
    特徴とするはんだ材。
  5. 【請求項5】 請求項3または4のいずれか1項記載の
    はんだ材において、前記はんだ膜の融点は190℃以下
    であることを特徴とするはんだ材。
  6. 【請求項6】 請求項3,4または5のいずれか1項記
    載のはんだ材においおいて、 前記箔本体の厚みは0.05mm以上であることを特徴
    とするはんだ材。
  7. 【請求項7】 請求項3,4,5または6のいずれか1
    項記載のはんだ材において、 前記箔本体とその両面に形成されたはんだ膜との混合物
    の融点は250℃以上であることを特徴とするはんだ
    材。
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