JP3209059B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置

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JP3209059B2
JP3209059B2 JP27573695A JP27573695A JP3209059B2 JP 3209059 B2 JP3209059 B2 JP 3209059B2 JP 27573695 A JP27573695 A JP 27573695A JP 27573695 A JP27573695 A JP 27573695A JP 3209059 B2 JP3209059 B2 JP 3209059B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃料噴
射制御装置に係り、詳しくは、筒内噴射式内燃機関の燃
料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的に使用されているエンジン
においては、燃料噴射弁からの燃料は吸気ポートに噴射
され、燃焼室には予め燃料と空気との均質混合気が供給
される。かかるエンジンでは、アクセル操作に連動する
スロットル弁によって吸気通路が開閉され、この開閉に
より、エンジンの燃焼室に供給される吸入空気量(結果
的には燃料と空気とが均質に混合された気体の量)が調
整され、もってエンジン出力が制御される。
【0003】しかし、上記のいわゆる均質燃焼による技
術では、スロットル弁の絞り動作に伴って大きな吸気負
圧が発生し、ポンピングロスが大きくなって効率は低く
なる。これに対し、スロットル弁の絞りを小とし、燃焼
室に直接燃料を供給することにより、点火プラグの近傍
には、可燃混合気を存在させ、当該部分の空燃比を高
め、着火性を向上するようにしたいわゆる「成層燃焼」
という技術が知られている。
【0004】例えば特公平6−39923号公報に開示
された技術においては、燃焼室内に直接的に燃料を噴射
せしめるとともに、電子制御式のスロットル弁を適宜制
御することにより、成層燃焼が図られている。すなわ
ち、低・中負荷及び低・中回転領域においては、スロッ
トル絞りを抑え、可燃混合気を点火プラグの近傍に存在
させることにより成層燃焼が実行される。このとき、電
子制御式スロットル弁は所定開度に保持されるよう制御
される。また、高負荷・高回転領域においては、上記成
層燃焼に代えて、均質燃焼が実行される。このため、そ
のときどきの負荷・回転に応じた燃焼が実行されること
となり、特に、「成層燃焼」により燃費の向上が図られ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術では、次に記すような問題があった。すなわち、上記
電子制御式のスロットル弁が何らかの原因(機械的原
因、電気的原因)で故障した場合、空気量制御を適切に
行うことができず、上記の制御による正常運転が不可能
となる。従って、かかる場合にはフェイルセーフを行う
必要がある。
【0006】しかしながら、例えばスロットル弁の故障
時に、当該スロットル弁が全閉となるようなシステムに
おいては、吸入空気量がほとんど「0」となってしま
う。そのため、アイドリングを行う程度の燃焼は確保で
きるものの、所定以上の出力を得ることができないの
で、退避走行ができなくなるおそれがある。
【0007】一方、故障時にスロットル弁が全開となる
ようなシステムにおいては、吸入空気量が常に最大とな
る。この場合、燃料噴射に何らの制限をも加えないとす
ると、燃焼不能を起こしたり、出力の急増が起こってし
まい、退避走行ができない。
【0008】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、スロットル弁に異常が生じた
場合であっても、燃焼不能となっり、出力の急増を招い
たりすることなく、円滑な退避走行を図ることのできる
内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明においては、図1に示すように、
内燃機関M1の気筒M2内に、燃料を直接的に噴射する
燃料噴射弁M3と、前記内燃機関M1の吸気通路M4内
に設けられ、前記気筒M2内に供給される吸入空気量を
調整するためのスロットル弁M5と、前記内燃機関M1
の要求される運転状態を検出する運転状態検出手段M6
と、前記運転状態検出手段M6の検出結果に基づき、前
記燃料噴射弁M3による燃料噴射を制御する燃料噴射制
御手段M7とを備えた内燃機関の燃料噴射制御装置にお
いて、前記燃料噴射制御手段M7は、前記スロットル弁
M5の異常を検出する異常検出手段M8と、前記異常検
出手段M8により、前記スロットル弁M5の異常が検出
されたとき、前記気筒M2内にて成層燃焼が行われるよ
う燃焼状態を制御する燃焼状態制御手段M9とを含んで
構成され、前記異常検出手段M8により前記スロットル
弁M5の異常が検出されたとき、前記スロットル弁M5
の開度が所定開度以上となるよう調整するスロットル弁
開放調整装置を更に備えることをその要旨としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関
の燃料噴射制御装置において、前記スロットル弁開放調
整装置は、前記スロットル弁の開度が全開となるよう付
勢する付勢手段を含むことをその要旨としている。
【0010】上記請求項1又は請求項2に記載の構成に
よれば、図1に示すように、燃料噴射弁M3より、内燃
機関M1の気筒M2内に燃料が直接的に噴射され、当該
気筒M2内での混合気の爆発・燃焼により出力が得られ
る。内燃機関M1の吸気通路M4内に設けられたスロッ
トル弁M5が開閉されることにより、吸気通路M4内の
開口面積が変動し、これによって、前記気筒M2内に供
給される吸入空気量が調整される。また、運転状態検出
手段M6により、内燃機関M1の要求された運転状態が
検出される。そして、その検出結果に基づき、燃料噴射
制御手段M7によって、燃料噴射弁M3から気筒M2内
に噴射される燃料噴射量等が制御される。
【0011】さて、本発明では、異常検出手段M8によ
り、スロットル弁M5の異常が検出される。そして、異
常検出手段M8によりスロットル弁M5の異常が検出さ
れたときには、前記スロットル弁開放調整装置によりス
ロットル弁M5の開度が所定開度以上となるよう調整さ
れるとともに、燃焼状態制御手段M9によって燃焼状態
が異常時対応に制御され、この制御により気筒M2内に
て成層燃焼が行われる。このため、スロットル弁M5に
異常が生じ、全開になったとしても、上記成層燃焼によ
り、燃料が増減されて出力が制御される。従って、出力
の増大を招くことなく、退避走行を行うのに充分な燃焼
が行われうる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明における内燃機関の
燃料噴射制御装置を具体化した一実施の形態を図面に基
づいて詳細に説明する。
【0013】図2は本実施の形態において、車両に搭載
された筒内噴射式エンジンの燃料噴射制御装置を示す概
略構成図である。内燃機関としてのエンジン1は、例え
ば4つの気筒1aを具備し、これら各気筒1aの燃焼室
構造が図3に示されている。これらの図に示すように、
エンジン1はシリンダブロック2内にピストンを備えて
おり、当該ピストンはシリンダブロック2内で往復運動
する。シリンダブロック2の上部にはシリンダヘッド4
が設けられ、前記ピストンとシリンダヘッド4間には燃
焼室5が形成されている。また、本実施の形態では1気
筒1aあたり、4つの弁が配置されており、図中におい
て、符号6aとして第1吸気弁、6bとして第2吸気
弁、7aとして第1吸気ポート、7bとして第2吸気ポ
ート、8として一対の排気弁、9として一対の排気ポー
トがそれぞれ示されている。
【0014】図3に示すように、第1の吸気ポート7a
はヘリカル型吸気ポートからなり、第2の吸気ポート7
bはほぼ真っ直ぐに延びるストレートポートからなる。
また、シリンダヘッド4の内壁面の中央部には、点火プ
ラグ10が配設されている。さらに、第1吸気弁6a及
び第2吸気弁6b近傍のシリンダヘッド4内壁面周辺部
には燃料噴射弁11が配置されている。すなわち、本実
施の形態においては、燃料噴射弁11からの燃料は、直
接的に気筒1a内に噴射されるようになっている。
【0015】図2に示すように、各気筒1aの第1吸気
ポート7a及び第2吸気ポート7bは、それぞれ各吸気
マニホルド15内に形成された第1吸気路15a及び第
2吸気路15bを介してサージタンク16内に連結され
ている。各第2吸気通路15b内にはそれぞれスワール
コントロールバルブ17が配置されている。これらのス
ワールコントロールバルブ17は共通のシャフト18を
介して例えばステップモータ19に連結されている。こ
のステップモータ19は後述する電子制御装置(以下単
に「ECU」という)30からの出力信号に基づいて制
御される。なお、当該ステップモータ19の代わりに、
エンジン1のインテークポートの負圧に応じて制御され
るものを用いてもよい。
【0016】前記サージタンク16は、吸気ダクト20
を介してエアクリーナ21に連結され、吸気ダクト20
内には、アクチュエータたるステップモータ22によっ
て開閉されるスロットル弁23が配設されている。つま
り、本実施の形態のスロットル弁23はいわゆる電子制
御式のものであり、ステップモータ22が前記ECU3
0からの出力信号に基づいて駆動されることにより開閉
制御される。そして、このスロットル弁23の開閉によ
り、吸気ダクト20を通過して燃焼室5内に導入される
吸入空気量が調節されるようになっている。本実施の形
態では、吸気ダクト20、サージタンク16並びに第1
吸気路15a及び第2吸気路15b等により、吸気通路
が構成されている。
【0017】但し、本実施の形態において、上記スロッ
トル弁23は常には図示しない付勢手段(例えばスプリ
ング)にて全開となるよう付勢されている。そして、ス
ロットル弁23の正常作動時においては、当該付勢力に
抗して、スロットル弁23は、前記ステップモータ22
からの駆動力を得て、開閉動作するようになっている。
また、スロットル弁23の近傍には、その開度(スロッ
トル開度TA)を検出するためのスロットルセンサ25
が設けられている。
【0018】なお、前記各気筒の排気ポート9には排気
マニホルド14が接続されている。そして、燃焼後の排
気ガスは当該排気マニホルド14を介して図示しない排
気ダクトへ排出されるようになっている。
【0019】さて、上述したECU30はデジタルコン
ピュータからなっており、双方向性バス31を介して相
互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)3
2、ROM(リードオンリメモリ)33、マイクロプロ
セッサからなるCPU(中央処理装置)34、入力ポー
ト35及び出力ポート36を具備している。本実施の形
態においては、当該ECU30により燃料噴射制御手
段、異常検出手段及び燃焼状態制御手段が構成されてい
る。
【0020】前記アクセルペダル24には、当該アクセ
ルペダル24の踏込み量に比例した出力電圧を発生する
アクセルセンサ26が接続され、該アクセルセンサ26
によりアクセル開度ACCPが検出される。当該アクセ
ルセンサ26の出力電圧は、AD変換器37を介して入
力ポート35に入力される。
【0021】また、上死点センサ27は例えば1番気筒
1aが吸気上死点に達したときに出力パルスを発生し、
この出力パルスが入力ポート35に入力される。クラン
ク角センサ28は例えばクランクシャフトが30°CA
回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入
力ポートに入力される。CPU34では上死点センサ2
7の出力パルスとクランク角センサ28の出力パルスか
らエンジン回転数NEが算出される。
【0022】さらに、前記シャフト18の回転角度はス
ワールコントロールバルブセンサ29により検出され、
これによりスワールコントロールバルブ17の開度が測
定される。そして、スワールコントロールバルブセンサ
29の出力はA/D変換器39を介して入力ポート35
に接続される。
【0023】併せて、前記スロットルセンサ25によ
り、スロットル開度TAが検出される。このスロットル
センサ25の出力はA/D変換器40を介して入力ポー
ト35に接続される。本実施の形態において、これらス
ロットルセンサ25、アクセルセンサ26、上死点セン
サ27、クランク角センサ28及びスワールコントロー
ルバルブセンサ29等により、運転状態検出手段が構成
されている。
【0024】一方、出力ポート36は、対応する駆動回
路38を介して各燃料噴射弁11及び各ステップモータ
19,22に接続されている。そして、ECU30は各
センサ等25〜29からの信号に基づき、ROM33内
に格納された制御プログラムに従い、燃料噴射弁11、
ステップモータ19,22等を好適に制御する。
【0025】次に、上記構成を備えたエンジンの燃料噴
射制御装置における本実施の形態に係る各種制御に関す
るプログラムについて、フローチャートを参照して説明
する。図4は、本実施の形態におけるインジェクタ11
等を制御して燃料噴射制御を実行するための「燃料噴射
制御ルーチン」を示すフローチャートであって、メイン
ルーチンで実行される。但し、本実施の形態において
は、スロットル弁23に異常が生じた場合の制御内容に
特徴があるので、当該制御を中心として説明する。
【0026】処理がこのルーチンへ移行すると、ECU
30は、先ず、ステップ101において、各種センサ2
5〜29等よりエンジン回転数NE、アクセル開度AC
CP等の各種信号を読み込むとともに、スロットルフェ
イルフラグXFTRT等の各種フラグをRAM32より
読み込む。
【0027】次に、ステップ102においては、スロッ
トルフェイルフラグXFTRTが「1」であるか否かを
判断する。ここで、スロットルフェイルフラグXFTR
Tは、スロットル弁23の異常を判定するためのフラグ
であって、別途のルーチンにおいて決定される。すなわ
ち、通常時(スロットル弁23の正常時)においてはス
ロットルフェイルフラグXFTRTは、「0」に設定さ
れている。そして、実際にスロットルセンサ25により
検出されたスロットル開度TAと要求開度との間に所定
以上のずれが発生したり、電気的な回路異常が発生した
りしたとき等に、スロットル弁23に異常が生じたもの
と判断され、かかる場合にスロットルフェイルフラグX
FTRTが「1」に設定されるのである。
【0028】そして、ステップ102においてスロット
ルフェイルフラグXFTRTが「1」でないと判断され
た場合には、スロットル弁23に異常が生じていないも
のとして、ステップ109へ移行する。ステップ109
においては、正常時の燃料噴射制御を実行し、その後の
処理を一旦終了する。
【0029】一方、ステップ102において、スロット
ルフェイルフラグXFTRTが「1」と判断された場合
には、スロットル弁23に異常が生じたものとして、以
降において退避走行を可能とするべく、ステップ103
へ移行する。但し、この時点においては、スロットル弁
23への通電による開閉制御が不能となっているため、
スロットル弁23は付勢手段にて全開となるよう付勢さ
れている。このため、気筒1a内に供給される吸入空気
量は最大となる。そして、ステップ103においては、
燃料噴射のタイミングを圧縮行程に固定して成層燃焼の
実行を図るべく、噴射タイミング変更フラグXINJP
を「0」に設定する。なお、この噴射タイミング変更フ
ラグXINJPは、それまでの通常運転時においては、
そのときどきの運転状態に応じて「0」、「1」又は
「2」のいずれかに設定されるものである。すなわち、
同フラグXINJPが「0」の場合には燃料噴射のタイ
ミングを圧縮行程に固定され(成層燃焼が図られる)、
「1」の場合には吸気行程に固定され(均質燃焼が図ら
れる)、「2」の場合には圧縮行程と吸気行程とにおい
て燃料噴射が実行される。
【0030】次に、ステップ104においては、今回読
み込んだエンジン回転数NE及びアクセル開度ACCP
に基づき、スロットル弁23の異常時(フェイル時)の
フェイル時燃料噴射量QINJFを算出する。ここで、
フェイル時燃料噴射量QINJFの算出に際しては、エ
ンジン回転数NE及びアクセル開度ACCPに基づく2
次元マップが参照される。例えば、エンジン回転数NE
が比較的高く、また、燃料噴射量QINJが比較的多い
場合には、図5に示すように、成層燃焼を行うことがで
きない。このため、フェイル時燃料噴射としては、図5
及び図6に示すように、比較的低いエンジン回転数N
E、低い噴射量域に限定される。正常時の燃料噴射量Q
INJをそのまま採用しても成層燃焼を行えるような場
合には、正常時の燃料噴射量QINJをフェイル時燃料
噴射量QINJFとしてそのまま採用してもよい。エン
ジン回転数NEが非常に高いような場合には、成層燃焼
が不可能となるので、フェイル時燃料噴射量QINJF
は「0」に設定され、結果的に燃料カットが行われる。
【0031】さらに、ステップ105においては、今回
読み込んだエンジン回転数NEに基づき、ガード値QI
NJFMAXを算出する。これは、図5に示すように、
フェイル時燃料噴射量QINJFの許容最大値はエンジ
ン回転数NEによって異なる(成層燃焼を行うことがで
きない)からである。
【0032】続いて、ステップ106において、ECU
30は、今回算出したフェイル時燃料噴射量QINJF
が今回算出したガード値QINJFMAXを超えている
か否かを判断する。そして、フェイル時燃料噴射量QI
NJFがガード値QINJFMAXを超えている場合に
は、ステップ107に移行する。
【0033】ステップ107においては、フェイル時燃
料噴射量QINJFにガードをかけるべく、ガード値Q
INJFMAXを新たにフェイル時燃料噴射量QINJ
Fとして設定し、ステップ108へ移行する。一方、ス
テップ106において、フェイル時燃料噴射量QINJ
Fがガード値QINJFMAXを超えていない場合に
は、ステップ108にジャンプする。
【0034】ステップ108において、ECU30は、
今回読み込まれたエンジン回転数NE及び今回設定され
たフェイル時燃料噴射量QINJFに基づき、フェイル
時スワールコントロールバルブ開度SCVPTF、フェ
イル時噴射時期AINJTF及びフェイル時点火時期S
ATFを算出する。これらの算出に際しては、そのとき
どきのエンジン回転数NE及びフェイル時燃料噴射量Q
INJFに対する2次元マップが参照される。そして、
ECU30はその後の処理を一旦終了する。
【0035】このように、上記「燃料噴射制御ルーチ
ン」においては、スロットル弁23に異常が生じた場合
には、噴射タイミングが圧縮行程に固定されるととも
に、フェイル時燃料噴射量QINJFが算出される。そ
して、そのフェイル時燃料噴射量QINJFに基づき燃
料噴射制御が実行される。また、スロットル弁23の異
常発生に伴い、フェイル時スワールコントロールバルブ
開度SCVPTF、フェイル時噴射時期AINJTF及
びフェイル時点火時期SATF等も別途算出され、これ
らの指令値に基づきスワール制御、噴射時期制御、点火
時期制御等の各種制御が付随的に実行されることとな
る。
【0036】以上詳述したように、本実施の形態によれ
ば、スロットル弁23の異常が検出されたときには、噴
射タイミングが圧縮行程に固定されるとともに、フェイ
ル時燃料噴射量QINJFが算出される。そして、その
比較的少ないフェイル時燃料噴射量QINJFに基づき
燃料噴射制御が実行される。このため、スロットル弁2
3の異常時においての燃焼状態を、確実に成層燃焼とす
ることができる。従って、スロットル弁23に異常が生
じたとしても、燃料の増大を伴うことのない上記成層燃
焼により、出力の増大を招くことなく、比較的少ない燃
料でもって燃焼が行われる。その結果、燃料量を増減さ
せて出力をも制御して、退避走行を行うことができる。
【0037】また、本実施の形態では、フェイル時燃料
噴射量QINJFの算出に際し、ガード値QINJFM
AXでもってガードをかけるようにした。そのため、エ
ンジン回転数NEが高すぎた場合であっても速やかに成
層燃焼を実行することができる。
【0038】さらに、本実施の形態では、フェイル時燃
料噴射量QINJFのみならず、フェイル時スワールコ
ントロールバルブ開度SCVPTF、フェイル時噴射時
期AINJTF及びフェイル時点火時期SATF等も別
途算出され、これらの指令値に基づきスワール制御、噴
射時期制御、点火時期制御等の各種制御が付随的に実行
されるようにした。このため、スロットル弁23に異常
が生じた場合であっても、各種制御においても退避走行
に適した制御を行うことができる。
【0039】尚、本発明は上記実施の形態に限定される
ものではなく、例えば次の如く構成してもよい。 (1)上記実施の形態では、ステップ108において、
フェイル時スワールコントロールバルブ開度SCVPT
F、フェイル時噴射時期AINJTF及びフェイル時点
火時期SATFの算出に際して、そのときどきのエンジ
ン回転数NE及びフェイル時燃料噴射量QINJFに対
する2次元マップを参照することとした。これに対し、
このステップ108の処理に代えて、例えば図7に示す
ような処理としてもよい。すなわち、ステップ208に
示すように、正常時スワールコントロールバルブ開度S
CVP0 に所定値αを加算した値をフェイル時スワール
コントロールバルブ開度SCVPTFとして設定し、正
常時噴射時期AINJ0 から所定時間βを減算したもの
をフェイル時噴射時期AINJTFとして設定し、さら
には、正常時点火時期SA0 から所定時間γを減算した
ものをフェイル時点火時期SATFとして設定するよう
にしてもよい。このように、一定値を加減算してフェイ
ル時の各種制御値を算出するようにした場合には、2次
元マップ等を用いる必要がないので、ECU30の構成
をより簡易なものとすることができる。
【0040】(2)上記実施の形態においては記されて
いないが、排気ガスに含まれるNOxを低減するための
排気還流装置(EGR装置)等を別途設けるようにして
もよい。例えば、このEGR装置は、排気ガスの一部を
排気通路から吸気ダクト20へ再循環させるものであっ
て、エンジン1の吸気ダクト20と排気通路とを連結す
る排気還流通路(EGR通路)内にEGRバルブが設け
られたものである。さらに、上記したECU30により
エンジン1の運転状態に応じてEGRバルブが開閉制御
され、排気ガスの還流量(EGR流量)が制御されるも
のである。そして、このようなEGR装置を設けた場合
には、スロットル弁23の異常時にはこのEGRバルブ
の開度もフェイル時のものに設定されるようにしてもよ
い。
【0041】(3)上記実施の形態では、1つのスロッ
トル弁23のみを配設する場合に具体化したが、直列的
又は並列的に2つの弁を有するタイプのものに具体化す
るこもできる。
【0042】
【0043】()上記実施の形態では、スロットル弁
23の異常時には、付勢手段の付勢力により、スロット
ル弁23を全開状態に保持するようにしたが、別途スト
ッパ等を用いて中間開度状態に保持せしめるようにして
もよい。
【0044】特許請求の範囲の請求項に記載されないも
のであって、上記実施の形態から把握できる技術的思想
について以下にその効果とともに記載する
【0045】
【0046】
【0047】()請求項1又は請求項2に記載の内燃
機関の燃料噴射制御装置において、燃焼状態制御手段は
前記燃料噴射弁からの燃料の噴射タイミングを圧縮行程
に切り換える燃料噴射時期制御手段により構成されるこ
とを特徴とする。
【0048】上記の構成とすることにより、請求項1
は請求項2に記載の発明の効果を容易に奏せしめること
ができる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の内燃機関
の燃料噴射制御装置によれば、スロットル弁に異常が生
じた場合であっても、燃焼不能となっり、出力の急増
を招いたりすることなく、円滑な退避走行を図ることが
できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な概念構成を説明する概念構成
図である。
【図2】エンジンの燃料噴射制御装置を示す概略構成図
である。
【図3】エンジンの気筒部及びポート部等を示す拡大断
面図である。
【図4】ECUにより実行される「燃料噴射制御ルーチ
ン」を示すフローチャートである。
【図5】エンジン回転数に対する燃料噴射量の関係を示
すグラフであって特に成層燃焼可能な領域を示す図であ
る。
【図6】アクセル開度に対する燃料噴射量の関係を示す
マップである。
【図7】別例における「燃料噴射制御ルーチン」を示す
フローチャートの一部である。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、1a…気筒、11…燃
料噴射弁、15a…吸気通路を構成する第1吸気路、1
5b…吸気通路を構成する第2吸気路、16…吸気通路
を構成するサージタンク、20…吸気通路を構成する吸
気ダクト、23…スロットル弁、25…運転状態検出手
段を構成するスロットルセンサ、26…運転状態検出手
段を構成するアクセルセンサ、27…運転状態検出手段
を構成する上死点センサ、28…運転状態検出手段を構
成するクランク角センサ、29…運転状態検出手段を構
成するスワールコントロールバルブセンサ、30…燃料
噴射制御手段、異常検出手段及び燃焼状態制御手段を構
成するECU。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−288282(JP,A) 特開 平6−280656(JP,A) 特開 昭63−134837(JP,A) 特開 昭63−159645(JP,A) 特開 昭62−276244(JP,A) 特開 昭60−30435(JP,A) 特開 平7−293301(JP,A) 実開 平5−69374(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/02 F02D 41/22 F02D 45/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の気筒内に、燃料を直接的に噴
    射する燃料噴射弁と、 前記内燃機関の吸気通路内に設けられ、前記気筒内に供
    給される吸入空気量を調整するためのスロットル弁と、 前記内燃機関の要求される運転状態を検出する運転状態
    検出手段と、 前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記燃料噴
    射弁による燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段とを備
    えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、 前記燃料噴射制御手段は、前記スロットル弁の異常を検
    出する異常検出手段と、前記異常検出手段により前記ス
    ロットル弁の異常が検出されたとき、前記気筒内にて成
    層燃焼が行われるよう燃焼状態を制御する燃焼状態制御
    手段とを含んで構成され、 前記異常検出手段により前記スロットル弁の異常が検出
    されたとき、前記スロットル弁の開度が所定開度以上と
    なるよう調整するスロットル弁開放調整装置を更に備え
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 前記スロットル弁開放調整装置は、前記
    スロットル弁の開度が全開となるよう付勢する付勢手段
    を含む請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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