JP3208837U - 樹木葬用墓素体及びこれを用いた樹木葬用墓構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 遺骨収容筒の埋設位置が容易且つ確実に正確に特定され得、遺骨の埋葬が容易に行われ得る樹木葬用墓素体及びこれを用いた樹木葬用墓構造を提供すること。【解決手段】 樹木葬用墓構造7の樹木葬用墓素体1が、上下両端に開口13,14を備え地中R1に埋設される遺骨収容筒10と、該遺骨収容筒10の上端開口13を閉じる蓋構造体5とを有し、該蓋構造体5が、遺骨収容筒10の上端開口13を閉じる蓋本体20と、下部62で該蓋本体20に取付けられると共に該下部62から上方に延びた細長い支柱60と、該支柱60の上端部64に上方から取外し可能に固定された目印キャップ80とを有する。【選択図】図1

Description

本考案は樹木葬に用いられる樹木葬用墓素体及びこれを用いた樹木葬用墓構造に係る。
墓石の代わりに樹木を墓標とする樹木葬としては、
(1)一坪程度以上の比較的広い場所に好みの植樹をし、その樹木の下に遺骨を接納骨するタイプのもの、
(2)一定の墓域内にシンボルとなる植樹を行うと共に該樹木の周辺を多数の小区画に分けて各区画に別々に納骨するタイプのもの、
(3)一定の墓域内にシンボルとなる植樹を行うと共に該樹木の近くに多数の遺骨をまとめて合祀するタイプのもの等が知られており、夫々のタイプには、それなりの長所や需要があるところ、
本考案は、この三つのタイプのうち二番目のタイプ(2)の樹木葬に係るもので、このタイプ(2)の樹木葬では、一方では全くの他人と共に合祀形式で納骨されるのを避け得、他方では占有面積が最低限に抑えられ得るという長所がある。
上記の二番目のタイプ(2)の樹木葬としては、
(ア)骨壺から取出して直接納骨・埋葬する形式のもの、
(イ)骨壺のまま納骨・埋葬する形式のもの、
(ウ)コンクリート製の納骨室に納骨する形式のもの、
(エ)粉骨してステンレス製等の有底で蓋付きの筒に納骨・埋葬する形式のもの、
(オ)あらかじめ地中に埋められた筒に、骨壺から取出した遺骨を粉骨することなく布製の袋に収納した状態で納骨・埋葬する形式のもの、等
が知られており、夫々の形式には、それなりの長所や需要があるところ、
本考案の樹木葬用墓素体及び樹木葬用墓構造は、(オ)の形式の樹木葬に用いられるに適したもので、この形式(オ)の樹木葬では、一方では遺骨の自然風化を可能とすると共に夫婦等の密接な関係を有する複数人が同一の筒(遺骨収容筒)内に死没順に納骨されるのを可能とし、他方では遺骨を粉骨することなく納骨・埋葬することが可能になり得るので遺骨を埋葬しようとする家族や親族等に余計な心痛を与えるのを避け得る長所がある。
このタイプ(2)で形式(オ)の樹木葬墓地としては、東京都町田市にあり、インターネット上でアクセス可能な非特許文献1や非特許文献2において「桜の里」の名で公表されているものがある。
しかしながら、この非特許文献1や2に開示されている樹木葬用墓素体について、本考案者らがこの非特許文献その他の情報から知り得た限りでは、まず、樹木葬の墓域すなわち樹木葬域に直径25cmで深さ90cmの樹脂製の筒(遺骨収容筒)からなる樹木葬用墓素体を多数個近接した状態で並べて埋設した上で該樹木葬域の全地表面に芝を敷くと共に該樹木葬域の傍にシンボルとなる桜を植樹しておき、各樹脂製筒で規定される区画のうち特定の区画(特定の位置にある樹脂製筒)への納骨・埋葬を希望していた人の遺骨を実際に納骨する際には、まず、(i)樹木葬域に水糸を張って当該樹脂製筒の位置を割出し、(ii)次に、その場所の表層の芝を剥がして樹脂製筒を露出させて蓋を開き、(iii)布袋に入れた遺骨を露出した該樹脂製筒内に収納することにより納骨し、(iv)当該樹脂製筒に蓋をした上で、剥がした芝生を再び元の位置に被せることになる。
しかしながら、この非特許文献1や2の技術の場合、納骨しようとする箇所(区画)すなわち納骨しようとする筒の埋設位置を割出す(特定する)必要が生じる毎に、水糸を張って位置決めする必要があり容易な位置決め(割出し)が行ない得ないだけでなく樹木葬域を過度に踏み荒らす虞れもある。これらの問題は、一つの樹木葬域の規模が大きくなればなる程大きくなってしまい、場合によっては位置決め誤差が大きくなって誤って隣接位置にある筒を露出させてしまう虞れもあり得る。
なお、タイプ(2)で形式(オ)の樹木葬と同様な点が多々あるものの、地表に墓石を配置するようにした技術も提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この特許文献1に開示の技術は、簡単ではあっても地表に墓石を配置するものであって、樹木葬域に高密度に地表墓石を並べることになり、自然に還るという樹木葬の特徴を大きく損なう虞れがあるだけでなく、地表の墓石自体により遺骨収納筒の位置が特定されるものであることから、実際上、形式(オ)の技術とは別異の技術である。
登録実用新案第3203652号公報
http://www.izumijouen.co.jp/graveyard/jumoku/ https://www.misatosekizai.co.jp/tokyo/izumijoen_fp/sakuranosato.html
本考案は、前記諸点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、遺骨収容筒の埋設位置が容易且つ確実に正確に特定され得、遺骨の埋葬が容易に行われ得る樹木葬用墓素体及びこれを用いた樹木葬用墓構造を提供することにある。
本考案の樹木葬用墓素体は、前記目的を達成すべく、上下両端に開口を備え地中に埋設される遺骨収容筒と、該遺骨収容筒の上端開口を閉じる蓋構造体とを有する、樹木葬用墓素体であって、前記蓋構造体が、前記遺骨収容筒の前記上端開口を閉じる蓋本体と、下部で該蓋本体に取付けられると共に該下部から上方に延びた細長い支柱と、該支柱の上端部に上方から取外し可能に固定された目印キャップとを有する。
本考案の樹木葬用墓素体では、「地中に埋設される遺骨収容筒が下端に開口を備える」ので、該遺骨収容筒内の遺骨が下端開口を介して地中につながった状態になるから、遺骨の自然な風化が妨げられる虞れが少ない。また、本考案の樹木葬用墓素体では、「遺骨収容筒の上端開口を閉じる蓋構造体が、遺骨収容筒の上端開口を閉じる蓋本体に下部で取付けられると共に該下部から上方に延びた細長い支柱を備える」ので、樹木葬用墓素体を適切な深さに埋設することにより、該樹木葬用墓素体の細長い支柱の上端部を地上に突出させることができる。更に、本考案の樹木葬用墓素体では、「目印キャップが支柱の上端部に上方から取外し可能に固定されている」ので、目印キャップが、地上において、支柱の上端部に上方から取外し可能に固定された状態に保たれ得るから、目印キャップを視認するだけで、該目印キャップによって、樹木葬用素体の遺骨収容筒の位置を容易且つ確実に正確に特定し得、該目印キャップが「上端部に・・・固定されている」ので、風雨にさらされたり小動物等が当たったりしても、目印キャップが位置ずれすることなく、樹木葬用墓素体の遺骨収容筒の位置の容易且つ確実で正確な特定を担保し得る。従って、本考案の樹木葬用墓素体では、樹木葬域を過度に踏み荒らすことなく、納骨・埋葬が行われ得る。
しかも、本考案の樹木葬用墓素体では、「目印キャップが支柱に対して上方から取外し可能である」ので、樹木葬用墓素体の遺骨収容筒に遺骨を埋葬すべく墓素体の蓋構造体を開ける際には、まず、目印キャップを把持して適宜回したり引っ張ったりすることによって該目印キャップを支柱の上端部から取外し得、目印キャップのこの取外しにより細長い支柱を露出し得るから、蓋本体の上を覆っている被覆層(典型的には、玉竜又は芝等)をその周囲の領域から切離して、該被覆層切離し領域を上方に引張り上げると、該切離し領域に突刺さった状態の支柱から抜けるように該被覆層切離し領域を取除き、更に露出した土を取除くだけで、対象となる樹木葬用墓素体の蓋構造体を実際上露出させ得る。従って、この蓋構造体の周りの土等をきれいに払った上で、蓋構造体を引き上げることにより、遺骨収容筒の上端開口を開いて、遺骨を収容し得る。元の埋設状態に戻すには、露出させたのとは反対の手順を採ればよい。このとき、骨壺から取出された遺骨は布製等の通気性のある袋に入れた状態で遺骨収容筒内に収容されることにより納骨される。
本考案の樹木葬用墓素体が多数個(多数行多数列に整列された状態で)埋設されている場合には、対象とすべき樹木葬用墓素体の位置する行番号及び列番号さえわかれば、露出した目印キャップの行数及び列数を数えるだけで、対象とすべき樹木葬用墓素体の位置を容易且つ確実に正確に特定し得ることは同様である。
本考案の樹木葬用墓素体では、典型的には、前記蓋本体が、前記遺骨収容筒の前記上端開口を覆う頂板部と、該頂板部から下方に延び前記遺骨収容筒の上端部に嵌合される嵌合筒状部と、前記頂板部の上面側に突設された把手部とを備え、前記支柱が前記下部において前記蓋本体の前記把手部に固定されている。
その場合、把手部を持って引張るだけで遺骨収容筒の上端開口を開き得、把手部を持って嵌合筒状部を遺骨収容筒の上端開口に嵌合させるだけで遺骨収容筒の上端開口を閉じ得る。また、その場合、支柱の固定を目的として別の固定構造を設けることなくこの把手部自体を利用して、支柱を蓋本体に固定し得る。従って、支柱を蓋本体に挿通する必要がないので、遺骨収容筒内に上から水が浸入する虞れを最低限に抑えることが可能になる。
本考案の樹木葬用墓素体では、典型的には、前記支柱が雄ねじの切られたボルト状物からなり、該蓋本体の前記把手部が貫通穴を備え、該貫通穴に前記支柱が挿通されると共に、前記把手部の上面側及び下面側において前記雄ねじに螺合されたナットにより該把手部に固定されている。
その場合、蓋本体の把手部の側に設ける支柱の取付構造を最低限に抑えつつ、支柱の蓋本体への取付を行い得る。また、その場合、ボルト状物とナットの螺合構造によって固定を行っているので、一つの遺骨収容筒内に埋葬されるべき複数の遺骨のうちの最後の遺骨の収容(埋葬)が終り、遺骨埋葬のために掘返す可能性がなくなる段階で、所望ならば、支柱を取除くことも可能になる。なお、一つの樹木葬域内に多数ある区画の夫々に誰が埋葬されるべきかや埋葬済みかは該樹木葬域の管理者により、各区画の配置を示した地図と共にデータ(情報)として保管されているので、一つ又は複数(多数を含む)の特定の区画の支柱及び目印キャップを取除いても、その分布を利用して、残りの目印キャップの数および位置から遺骨を納骨(収容)すべき任意の区画の位置を特定することが容易且つ確実に正確に行われ得ることに変わりはない。
本考案の樹木葬用墓素体では、典型的には、前記支柱がその下端面で前記蓋本体の前記頂板部の上面に当接している。
その場合、支柱がその(蓋本体の把手部に取付けられる)下部及び下端面の両方で蓋本体によって固定され得るので支柱の固定が確実に行われ得るだけでなく、蓋本体の頂板に支柱を貫通させていないので該頂板によって遺骨収容筒の上端開口を閉塞した状態に確実に保ち得、遺骨収容筒内に上から水が浸入する虞れを最低限に抑え得る。
本考案の樹木葬用墓素体では、典型的には、前記蓋本体の前記嵌合筒状部が外周に環状溝を備え、該環状溝にシールリングが嵌められている。
その場合、該頂板による遺骨収容筒の上端開口のシールが確実に行われ得るので、雨水等が上から遺骨収容筒内に入る虞れを最低限に抑え得る。
本考案の樹木葬用墓素体では、典型的には、前記目印キャップが、ドーム状のキャップ本体と、該キャップ本体の底面側から下方に延び前記支柱の前記上端部に対して上方から取外し可能に固定された係合筒状部とを有し、該係合筒状部が、前記支柱の前記上端部に遊嵌される筒状部本体と、該筒状部本体の内周面から径方向内向きに延びた複数の可撓性リブとを備え、前記目印キャップの前記係合筒状部が前記支柱の前記上端部に強制的に嵌込まれる際に、該目印キャップの前記複数の可撓性リブが前記支柱の前記上端部によって変形されることにより、該目印キャップが前記支柱の前記上端部に対して上方から取外し可能に固定されるように構成されている。
ここで、リブについて「可撓性」とは、支柱の上端部によって「撓ませられ得る」ように支柱に対して相対的に軟らかいことをいい、典型的には防錆処理の施された鋼やステンレス鋼等の如き金属製や硬質樹脂製の支柱の上端部によって「撓ませられ得る」ように該支柱に対して相対的に軟らかい種類の樹脂等からなることをいう。その場合、樹木葬用墓素体の遺骨収容筒の上端開口の開閉の際に支柱の上端部や目印キャップの係合筒状部内に土等が多少入ったり付着したりしても、「目印キャップの支柱上端部に対する取外し可能な固定」が妨げられたり、取外し可能な固定の性能が低下する虞れが少なく、取外し可能な固定性能が安定に維持され得る。但し、螺子溝部に土等が入ると螺合部の嵌合わせが土等によって妨げられる虞れが高くなるのを許容する(例えば必要なときはその都度洗浄する)場合には、所望ならば、例えば、目印キャップとボルト状の支柱の上端部とを螺合によって取外し可能に固定するようにしてもよい。
本考案の樹木葬用墓素体では、典型的には、前記遺骨収容筒が、骨壺から取り出された遺骨を粉骨することなくそのまま収容可能な内径と、複数人の遺骨を収容可能な高さとを備える。
その場合、遺骨を粉骨することなくして遺骨収容筒に収容し得るので、遺骨を納骨・埋葬しようとする家族や親族等に粉骨に伴う余計な心痛を与えるのを避け得る。しかも、その場合、例えば夫婦のうち先に亡くなった方の遺骨の納骨・埋葬から数年以上の期間が経過した後に再度、例えば夫婦のうちの後で亡くなった方の遺骨の納骨・埋葬を行い得、該後の埋葬に際しても、上述の如く、埋葬位置の特定が容易且つ確実に正確に行われ得るだけでなく遺骨収容筒の上端開口を容易に開き得るから、樹木葬域を過度に踏み荒らすことなく、複数人の遺骨の納骨・埋葬が容易に行われ得る。
本考案の樹木葬用墓構造では、前記目的を達成すべく、前記遺骨収容筒及び前記蓋本体が地中に埋設され、前記支柱の前記上端部に固定された前記目印キャップが地上に突出するように、上述のような樹木葬用墓素体を配設してなる。
本考案の樹木葬用墓構造では、典型的には、前記目印キャップが突出する地表面部分に該目印キャップを覆う程度の背丈で地表面に沿って繁茂する、玉竜や芝のような、グランドカバー的な植物を配置してなる。
その場合、目印キャップが、一方では視認可能性を損なうことのないように、他方では過度に目立たないように、玉竜や芝の中に概ね隠れ得るので、各樹木葬用墓素体の埋設位置の容易且つ確実な特定可能性を担保しつつ、樹木葬用墓構造の景観を害する虞れを最低限に抑え得る。逆に言えば、本考案では、玉竜や芝としては、目印キャップを覆う程度には高いものの、目印キャップの位置が全く分からなくなる程高く繁茂しないものが選ばれ、目印キャップの頂部が玉竜や芝の隙間からチラチラ見える程度に該玉竜等によって実際上覆われるような深さのところに樹木葬用墓素体の遺骨収容筒が埋設されて、樹木葬用墓構造が形成されている。なお、例えば、遺骨収容筒の埋設位置(深さ)、使用しようとする種類の玉竜や芝の丈や根の層の厚さ、及び支柱の長さは相互に関連しているので、例えば、他の二つの条件(前二者)に応じて他の条件(例えば支柱の長さ)を調整すればよい。
本考案の好ましい一実施例の樹木葬用墓素体を示したもので、(a)は斜視説明図、(b)は該墓素体のキャップの一部を断面で示した説明図。 図1の樹木葬用墓素体が図5の樹木葬墓地の樹木葬域の各区画において地中に配設されてなる本考案の好ましい一実施例の樹木葬用墓構造を、その納骨の際の操作状態と共に示したもので、(a)は樹木葬用墓構造を水平方向に見て右半分を断面で示した説明図、(b)は(a)において矢印IIB方向に玉竜層よりも上から見た平面説明図。 図1の樹木葬用墓素体の蓋構造体を示したもので、(a)は図1の(a)の墓素体の蓋構造体をIIIA−IIIA方向に見て右半分を断面で示した説明図、(b)は図1の(a)の墓素体の蓋構造体をIIIB−IIIB方向に見て右半分を断面で示した説明図。 図1の樹木葬用墓素体の目印キャップを示したもので、(a)は(b)において矢印IVA方向に見た下面説明図、(b)は(a)において、矢印IVB方向に見て右半分を断面で示した説明図。 図1の樹木葬用墓素体が図2の樹木葬用墓構造の状態で適用される本考案の好ましい一実施例の樹木葬墓地を示したもので、(a)は平面説明図、(b)は(a)のVB−VB線断面説明図。
本考案の好ましい一実施の形態を添付図面に示した好ましい一実施例に基づいて説明する。
図5の(a)及び(b)には、本考案の好ましい一実施例の樹木葬用墓素体1を用いた本考案の好ましい一実施例の樹木葬用墓構造7を多数備える樹木葬墓地3が示されている。
この樹木葬墓地3では、四本のシンボルツリー101a,101b,101c,101d(夫々を区別しないときは添字なしの符号101で示す)を備えると共に、シンボルツリー101の周囲の樹木葬域103に多数の樹木葬区画102が形成されている。図5の(a)の平面図では、各区画102は、破線で示されたように長さGの矩形(正方形)領域からなり、各区画102には、横断面形状が円形の一つの樹木葬用墓素体1が埋設されている(図5の(a)では図示の簡便化のために樹木葬用墓素体1を表す破線の円が一部の区画102のみに記載されているけれども実際には樹木葬域103内の全区画102に樹木葬用墓素体1が埋設されている)。多数の樹木葬区画102からなる樹木葬域103の表層部104には、地上の高さが10cm程度の玉竜が敷かれている。表層104は、場合によっては、玉竜層の代わりに同程度の厚さの芝生層(例えば10cm近くに達し得るような背丈の高い芝生層)であってもよい。樹木葬用墓素体1を形成する遺骨収容筒10は、図1〜4に基づいて後で詳述するように、例えば約20cmの外径を有し25cmの間隔Gで各区画102の中心に中心軸線Cが位置するように、横方向及び縦方向即ちX方向及びY方向に、規則的に配置されている。図5の(a)に示した樹木葬域103を構成する各区画102の配置ないし区画地図は、この樹木葬墓地3の管理者によって、各区画に納骨・埋葬すべき人の情報(氏名、住所、埋葬日時(埋葬済の場合)等)と共に保持されている。この例のように相互に直角をなす縦横方向に規則的に区画102を配置することにより、狭い樹木葬域103でも多数の区画102を形成し得る。なお、区画102が規則的に配置される限り、区画102の配置の仕方は異なっていてもよい。各区画102の一辺Gが25cmの正方形からなるこの樹木葬墓地3の場合、樹木葬域103は、図5の(b)の断面説明図で示したように、Y方向には、シンボルツリー101のある領域を最高位とするように、全体として傾斜している。この傾斜は細かく見れば、各区画の表面の玉竜層104が概ね水平になるように、隣接区画に移るところで階段状になっていてもよい。この例では玉竜層104はX方向には水平である。
この樹木葬墓地3では、樹木葬域103における樹木葬区画102の分布を示す区画番号図が刻まれた石板である区画番号板105や、樹木葬域103の各樹木葬区画102に納骨される人の氏名を記載した氏名彫刻板ないし銘板106や、樹木葬域103の各区画102に納骨・埋葬された人を弔うべく花を立てるための花立107や、焼香のための香炉を載せる香炉台及び線香を載せる線香台108等に加えて、線香に着火するための線香着火台109や、花立107や樹木葬区画102に水を入れたり水をかけたりするための桶及び柄杓の置場110や、水場111等が設けられている。樹木葬墓地3には、玉砂利領域112や芝生領域113も設けられ、更に、玉竜層104に散水するスプリンクラー等の散水設備114も設けられている。樹木葬墓地3の管理者のいる管理棟は、この樹木葬墓地3の属する墓苑の一角にある。樹木葬墓地3のデザインは所望に応じて異なるものでよい。
次に、このような樹木葬墓地3に適用される樹木葬用墓構造7を構成する樹木葬用墓素体1について、図1〜図4に基づいて、詳しく説明する。
樹木葬用墓素体1は、遺骨収容筒10と蓋構造体5とからなる。遺骨収容筒10は、上下両端11,12に開口13,14を備えた円筒15からなる。この円筒15は、典型的には、塩化ビニル樹脂(塩ビ樹脂)からなる。但し、ある程度の期間その円筒状態を維持し得る耐性がある限り、他の材料からなっていてもよく、少なくとも数年以上の所定期間は当初の状態が維持され得る限り、極端な場合は生分解性の材料等でできていてもよい。円筒15は、この例では、骨壺から取出された遺骨を粉骨にすることなくそのまま布製の袋92に入れて収容し得るように内径D1が20cm程度、外径D2が20cm強程度(筒15の肉厚分だけ内径D1よりも大きい)で、底部に5〜10cm程度の深さの川砂層又は砕石層90を敷いた状態で二人分の遺骨Q(二つの遺骨収納袋92)を収容し得るように高さ(深さ)Hが60cm程度であり、上述のように、中心間間隔G(図5)が25cmで5cm弱程度の隙間を介して林立するように、樹木葬域103に横方向X及び縦方向Yに整列した状態で配置される。なお、遺骨収容筒10は、上下両端11,12で開口している限り、横断面が円形である代わりに、楕円形や多角形など他の形状であってもよい。また、遺骨収容筒10の下端12側には、底のない開口14の代わりに、地中との間の十分に連通を担保する一つ又は複数の貫通孔(開口)を備えた底壁が形成されていてもよい。
蓋構造体5は、遺骨収容筒10の上端開口13を閉じる蓋本体20と、細長い支柱60と、目印キャップ80とからなる。
蓋本体20は、遺骨収容筒10と同様に、典型的には、塩化ビニル樹脂(塩ビ樹脂)からなる。但し、遺骨収容筒10と同様に、他の材料からなっていてもよい。蓋本体20は、遺骨収容筒10の上端開口13を覆う頂板部30と、該頂板部30から下方に延び遺骨収容筒10の上端部11に嵌合される嵌合筒状部40と、頂板部30の上面側に突設された把手部50とを備える。
頂板部30は、遺骨収容筒10の外径D2と実際上同じ外径で厚さが数mm程度(例えば3mm程度)の円板からなり、該円板30の下面31側に遺骨収容筒10の内径D1と概ね同じ(わずかに小さい)外径の嵌合筒状部40が一体的に形成されている。嵌合筒状部40は、数cm程度(例えば3cm程度)の高さを有し、該嵌合筒状部40の中間部42で該嵌合筒状部40の外周面41には、環状溝43が形成されており、該環状溝43にはシールリング45が嵌められている。
把手部50は、頂板部30の上面32の二箇所33,34から一体的に突設された立上部51,52と、該立上部51,52をつなぐべく実際上水平方向に延びた把手部本体53とからなり、立上部51、把手部本体53及び立上部52の全長にわたって、両側部には、補強リブ部54,55が形成されている。なお、把手部本体53は、円板状頂板部30の円の中心軸線Cが通るその長手方向中央領域に、補強リブ部54,55の上端と概ね同じ高さ位置に上面を備えた肉厚中央部56を有し、該中央部56には、中心軸線Cを中心とする直径D5の円形貫通穴57が形成されている。肉厚中央部56の下面側には円弧状(部分円筒状)の切欠56aが形成されている。なお、把手部50を構成する各部51,52,53,54,55は、人が手で掴む領域であることから、手を傷つけることのないように、角部や隅部が丸みを有するように加工されている。人が把手部本体53を掴み得るように、立上部51,52は数cm程度(3cm程度)の高さを有する。
支柱60は、鋼(例えば防錆処理の施された鋼又はステンレス鋼)の如き金属製で外径D6(D6〜D5で且つD6<D5)の棒状体61からなり、この例では、棒状体61は、全長にわたって雄ねじの切られたボルトからなる。支柱60を構成するボルト61が長期間十分な螺着強度を保ち得る限り、支柱60が鋼の如き金属の代わりに硬質樹脂等でできていてもよい。このボルト61からなる支柱60は、下部62において把手部50の本体53の肉厚中央部56の円形貫通穴57に挿通され、下端面63が頂板部30の上面32に当接する状態ないし位置において、一対の締付ナット58,59によって、把手部50の肉厚中央部56に締付けられ固定されている。なお、58a,59aは、夫々、ナット58,59と共に用いられている螺旋ワッシャ及び平ワッシャである。ここで、肉厚中央部56及び切欠部56aはナット58,59による締付固定を強固にするのに役立つ。この状態においては、支柱60は、下部62においてワッシャ58a,59a及びナット58,59によって把手部50の肉厚中央部56に締付・固定されているだけでなく、下端面63が頂板部30の上面32に対して実際上押付けられて頂板部30に対して固定されることにより、蓋本体20に対して強固に固定されている。なお、この固定状態において、支柱60は、上方に大きく突出しており、下部固定部62から支柱60の上端64までの上方延在部65の長さないし高さは例えば約10cm程度である。但し、利用する玉竜層104の特性(根の層の厚さや地表面層104の高さ等)や、玉竜層104の根の下で蓋の上の土の厚さ(蓋本体20の上の土の層の厚さ)次第では、より長くても短くてもよい。
支柱60のボルト61を構成する鋼の如き金属や硬質樹脂と比べて比較的軟質の樹脂製の目印キャップ80は、ドーム状のキャップ本体81と、該キャップ本体81の底面81a側から下方に延びた係合筒状部82とを有する。係合筒状部82は、支柱60の上端部64が遊嵌される円筒状の筒状部本体83と、該筒状部本体83の内周面83aから径方向内向きに延びた複数の可撓性リブ84と、筒状部本体83の外周面83bから径方向外向きに延びた複数の外側リブ85とを有する。内側及び外側の可撓性リブ84,85は、ドーム状のキャップ本体81と協働して、係合筒状部82の本体83をキャップ本体81の底面81aに対して実際上垂直に保持する。内側可撓性リブ84は、筒状部本体83の下端面83cの近傍に位置する下端部86からキャップ本体81の底面81aまで軸線Cの延在方向Zに拡がり、上端はキャップ本体81の底面81aにつながっている。
なお、可撓性リブ84は、キャップ本体81の底面81aに近いところ程径方向内側に延びており、該可撓性リブ84の径方向内縁部87は、下端部86では支柱60の外径D6よりも大きく支柱60に遊嵌され、キャップ本体81の底面81aにつながった上端部88では支柱60の外径D6よりも相当小さい。
従って、支柱60の上端部64が目印キャップ80の係合筒状部82内に挿入されるように目印キャップ80が支柱60の上端部64に上方からZ1方向に嵌込まれる際、支柱60の上端部64は、当初は筒状部本体83の複数の内側可撓性リブ84内に遊嵌されるけれども、嵌込が進行すると、複数の内側可撓性リブ84の径方向内縁部87にZ2方向に押付けられるようになり、支柱60に対して目印キャップ80を例えばC1方向に回しながら下向きZ1に押し込むと、支柱60が目印キャップ80に対してC2方向に相対回転しながらZ2方向に押込まれるので、複数の内側可撓性リブ84が支柱60の上端部64によってC2方向に撓んだり凹むように変形されながら、支柱60の上端部64に対してZ1方向に徐々に強く嵌合されていく。この嵌合は、押し込みが実際上進行しない程度になったら完了する。この押込み嵌合状態では、複数の可撓性リブ84を変形させていることから、目印キャップ80は、多少の外力では支柱60から外れない程度に強固に、該支柱60に対して固定される。反面、この固定は、複数の可撓性リブ84の変形によるものなので、目印キャップ80を上向きにZ2方向に引張ることにより、典型的には、C2方向に回しながらZ2方向に引張ることにより、支柱60の上端部64が上方からZ2方向に取外し可能である。以上のように、目印キャップ80は、支柱60の上端部64に上方から取外し可能に固定されている。ここで、この樹木葬用墓素体1では支柱60がねじの切られたボルト61からなるので、目印キャップ80をC1方向に回しながらZ1方向に押込んでいく際にボルト61の右ねじがこの螺旋状の押込みを多少なりとも助け得る。その場合には、引抜きもC2方向且つZ2方向に行うことが有効である。但し、目印キャップ80の内側可撓性リブ84に雌ねじが切られているわけではなく、元々過度の効率的な押込みになっていないことから、逆に、土等で汚れてもこの押込み固定の性能が大きく低下する虞れも少ない。なお、キャップ本体81の下端縁部81cには、キャップ本体81を手で掴んでキャップ80のC1,C2方向の回転力やZ1,Z2方向の押込み・引張り力を効果的に加え得るように、滑り止め用凹凸部89が形成されている。
以上の如く構成された樹木葬用墓素体1は、図2の(a)の左端に示した素体1Aの状態になるように地中に埋設・配置されて、本考案の好ましい一実施例の樹木葬用墓構造7ないし7Aとなされる。(この樹木葬用墓構造7Aの樹木葬用墓素体1AのX方向右側に隣接して位置する樹木葬用墓構造7Bの素体1Bも実際には素体1Aと同様にキャップ80があり、またその右側にある素体1Cも実際には素体1Aと同様にキャップ80や高さ位置L1までの土層R1や高さ位置L2,L3までの玉竜の根の層R2及び玉竜の地上繁茂層R3があるけれども、以下における埋葬過程の説明の便宜のために、図2の(a)ではキャップ80や玉竜の層R2,R3等を取り去った状態で示してある)。図2の(a)において、L1は玉竜の根の達しない土の領域の上面、L2は玉竜の根の層の上面でいわゆる地表面、L3は地上に繁茂した玉竜の層の上面(頂部の包絡面)である。すなわち、高さ位置L1と高さ位置L2との間の層R2は玉竜の根が繁茂して該根に土がついた層であり、高さ位置L2と高さL3との間の層R3は地上において玉竜の葉が繁茂した層すなわち図5で言及した表層104に対応する層であり、高さ位置L1よりも下の層R1は玉竜の根もない主として土等からなる層である。
樹木葬墓地3の開園から1〜2年程度以上の時間が経過した通常の運用状態では、樹木葬用墓構造7の樹木葬用墓素体1のうち目印キャップ80は、図2の(b)のうち左端の樹木葬用墓構造7Aの樹木葬用墓素体1Aについて細い実線で示したように、地表面L2よりも上にあって上方からみれば玉竜の茂った葉を介してわずかに視認可能であり隠れている場合でも玉竜をかき分ければ容易に視認できる一方で、茂った玉竜の葉の領域R3の中にあるので、実際上あまり目立たず樹木葬域103の雰囲気を壊す虞れは少ない。
樹木葬域103のうち高さ位置L1以下で樹木葬用墓構造7の樹木葬用墓素体1によって占有されている領域以外の地中部分は層R1にあたる。一方、樹木葬用墓素体1の遺骨収納筒10内の円柱状空間Sのうち最下部には川砂又は砕石の層90が5〜10cm程度の厚さに敷かれている。従って、遺骨収容筒10内の空間Sは、川砂ないし砕石層90を介して地中とつながっており、遺骨収容筒10内に収容される遺骨Qも該川砂層ないし砕石層90を介して地中とつながり、遺骨Qが分解ないし風化して土に還るのが妨げられない。なお、所望ならば、地中R1のうち遺骨収納筒10の下に層90と同様な又は粒径がそれよりも多少大きいか又は小さい川砂や砕石からなる層等を敷設しておいてもよい。ここで、川砂や砕石の層90としては、主としてリン酸カルシウム等からなる遺骨Qの分解や風化を助長するように多少酸性のものであってもよく、また、層R1のうち遺骨収納筒10の下側に位置する領域に多少酸性の土壌層を敷設しておいてもよい。
以上の如く構成された樹木葬墓地3において、特定の区画102Kに納骨されることになっている人が亡くなってその人の遺骨を区画102Kの樹木葬用墓素体1内に納骨する場合、まず、当該区画102Kの目印キャップ80を、各区画102の目印キャップ80の分布に依拠して特定する。具体的には、例えば、図5の(a)において、102Kで示した区画102が当該区画である場合において、基準となる区画に対して該区画102KがX方向のx番目でY方向のy番目であるときは、(x,y)の位置を、目印キャップ80をX方向及びY方向に順々に数えることにより定める。なお、図5の(a)のような樹木葬域103の地図は、区画番号板105によって概略が表示されているだけでなく、各区画102を販売する際に該区画情報と共に販売者・管理者及び各区画の(永代使用権等の)購入者に当然ながら詳細且つ具体的に共有されており、この例では、これを前提とする。
この場合、例えば、最下端の左端の区画102Gを基準となる区画とするとこの区画102Gの目印キャップ80から順々に数えてもいいけれども、例えば、樹木葬墓地3の他の付属物の位置を参照して、図5の(a)の場合だと特定区画102Kに近い102Hの区画の目印キャップ80から順々に数えるとより容易に特定できる。この場合、単に目印キャップ80の数を数えていけばいいので、水糸を張って位置を割出すという無粋で時間のかかる作業をする必要がなく、遺骨収容筒10の埋設位置が容易且つ確実に正確に特定され得、遺骨Qの納骨・埋葬が容易に行われ得る。また、余計な作業がないことから樹木葬域103が過度に踏み荒らされる虞れも少ない。なお、この例では、全ての目印キャップ80が、対応する区画102の樹木葬用墓素体1に固定されているので、その位置がズレたりなくなったりする虞れがないので、その正確で容易な特定が妨げられる虞れがない。
区画102Kが特定されると、図2の(a)の中間の樹木葬用墓構造7Bの樹木葬用墓素体1Bに関連して示したように、まず、目印キャップ80が取外される。目印キャップ80は、係合筒状部82の本体83の複数の内側可撓性リブ84が変形されることによって蓋構造体5の支柱60の上端部64を含む上側端部領域に固定されているので、目印キャップ80を手で掴んで例えばC2方向に回しながら上にZ2方向に引張り上げるだけで該目印キャップ80を支柱60から取外し得る。このように目印キャップ80を取外した状態が図2の(a)の中間の樹木葬用墓素体1Bについて示した状態である。なお、これを、上から見た状態が図2の(b)の中間の樹木葬用墓素体1Bの状態である。この状態では、図2の(b)において径の細い支柱60を細い実線で示したように、目印キャップ80ではなく支柱60の上端部64が茂った玉竜層R3の中にある。
次に、図2の(a)において、右端の樹木葬用墓構造7Cの樹木葬用墓素体1Cについて示したように、区画102Kの玉竜層R3,R2を隣接する四つの区画102の玉竜層R3,R2に対して根こそぎ切り取り、剥がす。このとき、区画102Kの境界に沿って切取った矩形板状の玉竜層R3,R2(すなわち玉竜の地上繁茂層R3及び地下繁茂層R2)を上に引き上げるだけで、該玉竜層R3,R2を貫通している細長い支柱60(目印キャップ80を取外した状態の細長い支柱60)が玉竜層R3,R2から抜ける。なお、典型的には、玉竜の地下繁茂層(根の層)R2と土層R1との境界までが取除かれるけれども、その境界は厳密ではないので、実際には、図2の(a)において樹木葬用墓素体1Cについて示したように、層R1の上層域の一部の土も同時に取り除かれる。なお、この区画102Kの玉竜層R3,R2及び層R1の最上部の土は、後で埋め戻すために用いられるので、傍に置かれる。
その次に、図2の(a)の最右端の樹木葬用墓構造7Cの樹木葬用墓素体1Cについて示したように、遺骨収容筒10の上部が十分に露出する深さ位置L4まで、区画102Kの土層R1の土壌を取除く。このようにして蓋構造体5が完全に露出した状態が図2の(b)の最右端の樹木葬用墓構造7C及び樹木葬用墓素体1Cについて示した状態である。その後は、蓋構造体5の把手50を持って多少C1方向やC2方向に回しつつ蓋構造体5を引上げることにより、遺骨収容筒10の蓋5を開き、必要なら遺骨収容筒10の周囲や内部をきれいに清掃しておく。
次に、予め骨壺から取出されて布袋92に納められていた遺骨Qが、遺族等の同席のもと読経の中で遺骨収容筒10内に納められる。この遺骨収容筒10は、径が20cm程度で、一人当たり遺骨収納深さが25cm以上あるので、骨壺から取出した遺骨Qを粉骨することなくそのまま袋92に入れ袋口を結束した状態で遺骨収容筒10内で川砂層ないし砕石層90上に納められることにより納骨され得る。遺骨Qを収納する袋92が布であるから、遺骨が風化・分解するのを妨げる虞れが少ない。
なお、対象の遺骨収容筒10内に納骨される遺骨が二人目の遺骨である場合には、遺骨Qを収めた袋92は、図2の(a)において想像線92iで示したように、遺骨収容筒10内で既納の遺骨収容袋92の上に納められる。前の納骨から比較的長い時間が経過している場合、前の遺骨収納袋92内の遺骨Qの体積が減り袋92が小さくなっていることはあり得る。
以上のようにして納骨が完了したら、遺族等の確認を得た上で、蓋本体20を閉じる。ここで、蓋本体20は、シールリング45で該蓋構造体5と遺骨収容筒10との間において該遺骨収容筒10の上端開口を実際上液密に閉じているので、雨水等が上側から遺骨収容筒10内に入る虞は少ない。なお、このシールリング45によるシール作用は気密性まで確保するものである代わりに、所望ならば、気体の多少の出入りを許容するか許容し易いものであってもよい。
次に、層R1の表層の土及び剥がした玉竜層R2,R3を蓋本体20の上に再度被せる。このとき、玉竜層R2,R3のうち支柱60を抜いた後の貫通孔の部分に支柱60が再度貫通するように且つ厳密には矩形に切取られていない玉竜層R2,R3が元の向きに一致するように向きを合わせて配置する。これにより、図2の(a)及び(b)において左右の中間(真中)の素体1Bの状態に戻る。最後に、目印キャップ80を嵌める。即ち、複数の内側可撓性リブ84を変形させるように目印キャップ80をC1方向に回しながら支柱60の上端部64に嵌合させることにより、目印キャップ80の取付を行う。なお、内側可撓性リブ84の変形状況次第では、目印キャップ80をC1方向の代わりにC2方向に回しながら支柱60の上端部64に嵌合させることにより、目印キャップ80を支柱60に取付けてもよい。
この樹木葬用墓素体1では、支柱60の上端部64と目印キャップ80との係合が、複数の内側可撓性リブ84の変形によって実現されるようになっているので、目印キャップ80の内側可撓性リブ84の部分が土等で汚れ(該部分に土等が付着し)ても、その係合性能が大きく損なわれる虞れが少ない。但し、当該係合部分の汚れを最小限に抑え得るか又は必要に応じて清掃・洗浄する場合には、目印キャップ80の係合筒状部に雌ねじを形成しておいて、目印キャップ80と支柱60の上端部との係合を螺合によって行うようにしてもよい。
1,1A,1B,1C 樹木葬用墓素体
3 樹木葬墓地
5 蓋構造体
7,7A,7B,7C 樹木葬用墓構造
10 遺骨収容筒
11 上端部
12 下端
13 上端開口
14 下端開口
15 円筒
20 蓋本体
30 頂板部
31 下面
32 上面
33,34 取付箇所
40 嵌合筒状部
41 外周面
42 中間部
43 環状溝
45 シールリング
50 把手部
51,52 立上部
53 把手部本体
54,55 補強リブ部
56 肉厚中央部
56a 切欠
57 円形貫通穴
58,59 締付ナット
58a,59a ワッシャ
60 支柱
61 棒状体(ボルト)
62 下部固定部
63 下端面
64 上端部
65 上方延在部
80 目印キャップ
81 キャップ本体
81a 底面
81c 下端縁部
82 係合筒状部
83 筒状部本体
83a 内周面
83b 外周面
83c 下端面
84 内側可撓性リブ
85 外側リブ
86 下端部
87 径方向内縁部
88 上端部
89 滑止め凹凸部
90 川砂層(砕石層)
92,92i 遺骨収容袋(布袋)
101,101a,101b,101c,101d シンボルツリー
102,102G,102K 樹木葬区画
103 樹木葬域
104 表層部
105 区画番号板
106 氏名彫刻版
107 花立
108 線香台
109 線香着火台
110 桶及び柄杓の置場
111 水場
112 玉砂利領域
113 芝生領域
114 散水設備
C 中心軸線
C1,C2 回転方向
D1 内径
D2 外径
D5 直径
D6 外径
G 中心間間隔
L1玉竜の根が繁茂した層の最下位置
L2 地表面(玉竜の根と地上域との境界)
L3 玉竜の繁茂した地上最上位置
L4 樹木葬用墓素体の遺骨収容筒の上部が完全に露出する深さ位置
Q 遺骨
R2 玉竜の地下の根の拡がり層
R3 地上繁茂層
S 円柱状空間
X 横方向(隣接する樹木葬用墓素体が同じ高さ位置に配設されている方向)
Y 縦方向(隣接する樹木葬用墓素体が異なる高さ位置に配設されている方向)
Z 中心軸線の延在方向(上下方向)

Claims (9)

  1. 上下両端に開口を備え地中に埋設される遺骨収容筒と、該遺骨収容筒の上端開口を閉じる蓋構造体とを有する、樹木葬用墓素体であって、
    前記蓋構造体が、
    前記遺骨収容筒の前記上端開口を閉じる蓋本体と、
    下部で該蓋本体に取付けられると共に該下部から上方に延びた細長い支柱と、
    該支柱の上端部に上方から取外し可能に固定された目印キャップと
    を有する樹木葬用墓素体。
  2. 前記蓋本体が、前記遺骨収容筒の前記上端開口を覆う頂板部と、該頂板部から下方に延び前記遺骨収容筒の上端部に嵌合される嵌合筒状部と、前記頂板部の上面側に突設された把手部とを備え、
    前記支柱が前記下部において前記蓋本体の前記把手部に固定されている
    請求項1に記載の樹木葬用墓素体。
  3. 前記支柱が雄ねじの切られたボルト状物からなり、前記蓋本体の前記把手部が貫通穴を備え、該貫通穴に前記支柱が挿通されると共に、該把手部の上面側及び下面側において前記雄ねじに螺合されたナットにより該把手部に固定されている請求項2に記載の樹木葬用墓素体。
  4. 前記支柱がその下端面で前記蓋本体の前記頂板部の上面に当接している請求項3に記載の樹木葬用墓素体。
  5. 前記蓋本体の前記嵌合筒状部が外周に環状溝を備え、該環状溝にシールリングが嵌められている請求項2から4までのいずれか一つの項に記載の樹木葬用墓素体。
  6. 前記目印キャップが、ドーム状のキャップ本体と、該キャップ本体の底面側から下方に延び前記支柱の前記上端部に対して上方から取外し可能に固定された係合筒状部とを有し、
    該係合筒状部が、前記支柱の前記上端部に遊嵌される筒状部本体と、該筒状部本体の内周面から径方向内向きに延びた複数の可撓性リブとを備え、
    前記目印キャップの前記係合筒状部が前記支柱の前記上端部に強制的に嵌込まれる際に、該目印キャップの前記複数の可撓性リブが前記支柱の前記上端部によって変形されることにより、該目印キャップが前記支柱の前記上端部に対して上方から取外し可能に固定されるように構成された請求項1から5までのいずれか一つの項に記載の樹木葬用墓素体。
  7. 前記遺骨収容筒が、骨壺から取り出された遺骨を粉骨することなくそのまま収容可能な内径と、複数人の遺骨を収容可能な高さとを備える請求項1から6までのいずれか一つの項に記載の樹木葬用墓素体。
  8. 前記遺骨収容筒及び前記蓋本体が地中に埋設され、前記支柱の前記上端部に固定された前記目印キャップが地上に突出するように、請求項1から7までのいずれか一つの項に記載の樹木葬用墓素体を配設してなる樹木葬用墓構造。
  9. 前記目印キャップが突出する地表面部分に該目印キャップを覆う程度の背丈で地表面に沿って繁茂する、玉竜や芝のような、グランドカバー的な植物を配置してなる請求項8に記載の樹木葬用墓構造。
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