JP3208811B2 - 透明性樹脂組成物 - Google Patents

透明性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、N−置換マレイミド−
オレフィン系共重合体およびこれと実質的に屈折率の等
しい熱可塑性樹脂とからなる透明性、耐熱性、対衝撃性
その他機械特性に優れた樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】従来、透明性の材料としては一般にガラス
が用いられてきたが、近年、生産性、軽量化、コストな
どの点から高分子材料が用いられるようになってきた。
このような透明性の材料としてはポリスチレン(以下P
Sと略記する)およびポリスチレン系樹脂、透明性AB
S(アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合
体)、ポリメタクリル酸メチル(以下PMMAと略記す
る)、耐衝撃性PMMAおよびポリカ−ボネ−ト(以下
PCと略記する)、非晶性ナイロンが用いられている。
【0003】しかし、PS、PMMA、およびそれらを
含む共重合体や樹脂組成物は透明性に優れるものの熱変
形温度(HDT)が100〜120℃付近のため耐熱性
や耐衝撃性などの機械特性が不充分であり使用に制限を
受ける。PCはHDTが135℃付近と比較的高い耐熱
性を示し耐衝撃性にも優れるが、光学特性、特に複屈折
が大きくPMMAに比べて劣る、表面硬度が低く傷つき
やすい、耐候生が悪い、成形性が悪いなどの問題点があ
る。非晶性ナイロンは靱性に優れるものの吸水性、剛
性、耐熱性に問題が有る。
【0004】一方、マレイミド系共重合体は、高い耐熱
性を有するため種々の検討がなされている。例えば、メ
タクリル酸メチルにN−芳香族置換マレイミドを共重合
する方法が特公昭43−9753号公報、特開昭61−
141715号公報、特開昭61−171708号公報
および特開昭62−109811号公報に、スチレン系
樹脂にN−芳香族置換マレイミドを共重合する方法が特
開昭47−6891号公報、特開昭61−76512号
公報および特開昭61−276807号公報に知られて
いる。しかし、この方法で得られる樹脂はN−芳香族置
換マレイミド含量が増すほど耐熱性は良好となるが、非
常に脆く、また加工性が悪い、着色する等の問題があ
り、ABS樹脂の耐熱性改良剤として少量添加されると
いった使い方がされているにすぎない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
性、耐熱性、高い剛性、その他機械特性に優れた樹脂組
成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この問題
に鑑み鋭意検討した結果、N−置換マレイミド−オレフ
ィン系共重合体と非晶性ナイロンからなる樹脂組成物が
上記目的を満たすことを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち本発明は、下記に示す構成成分
(I)がポリマ−全体の30〜98モル%、構成成分
(II)がポリマ−全体の2〜70モル%であり、ポリ
スチレン換算の重量平均分子量が1×10以上5×1
以下である樹脂0.5〜99.5重量部、熱可塑性
樹脂99.5〜0.5重量部からなることを特徴とする
透明性、耐熱性、高い剛性その他機械特性に優れた樹脂
組成物に関する。
【0008】
【化3】 (ここで、Rは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数
3〜12のシクロアルキル基、フェニル基、アルキル置
換フェニル基又はハロゲン置換フェニル基を示す)
【0009】
【化4】 (ここで、Rは水素または炭素数1〜8のアルキル基
であり、R,Rは各々炭素数1〜8のアルキル基を
示す)上記のマレイミド共重合体は、例えば、N−置換
マレイミド類とオレフィン類とのラジカル共重合反応に
より得ることができる。
【0010】構成成分(I)を与える化合物は、N−メ
チルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロ
ピルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−n
−ブチルマレイミド、N−i−ブチルマレイミド、N−
s−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N
−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミ
ド、N−n−ヘプチルマレイミド、N−n−オクチルマ
レイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマ
レイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロ
ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N
−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マ
レイミド、N−(2−エチルフェニル)マレイミド、N
−(2−イソプロピルフェニル)マレイミド、N−(3
−メチルフェニル)マレイミド、N−(3−エチルフェ
ニル)マレイミド、N−(4−メチルフェニル)マレイ
ミド、N−(4−エチルフェニル)マレイミド、N−
(2,6−ジメチルフェニル)マレイミド、N−(2,
6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジ
イソプロピルフェニル)マレイミド、N−(2,4,6
−トリメチルフェニル)マレイミド、N−カルボキシフ
ェニルマレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイ
ミド、N−(2,6−ジクロロフェニル)マレイミド、
N−(2−ブロモフェニル)マレイミド、N−(パーブ
ロモフェニル)マレイミド、N−(2,4−ジメチルフ
ェニル)マレイミド、パラトリルマレイミド等のN−置
換マレイミド類であり、このうちN−メチルマレイミ
ド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミ
ドあるいはN−シクロヘキシルマレイミドが好ましく用
いられる。これらは1種または2種以上組み合わせて用
いることができる。
【0011】構成成分(II)を与える化合物は、イソ
ブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペ
ンテン、2−メチル−1−ヘキセン、1−メチル−1−
ヘプテン、1−イソオクテン、2−メチル−1−オクテ
ン、2−エチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ブテ
ン、2−メチル−2−ペンテン、2−メチル−2−ヘキ
セン等のオレフィン類であり、このうちイソブテンが好
ましく用いられる。これらは1種または2種以上組み合
わせて用いることができる。
【0012】構成成分(I)の含有量は、ポリマ−全体
の30〜98モル%であり、40〜85モル%、特に4
5〜80モル%が好ましい。構成成分(I)が98モル
%を越える場合には生成するポリマ−は脆くなり好まし
くない。
【0013】本発明のマレイミド共重合体は、さらに反
応性基により変性したものを用いてもよい。反応性基と
しては、カルボン酸およびその誘導体あるいは金属塩、
酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基、
チオ−ル基、アルコキシシリル基、イソシアネ−ト基等
が挙げられ、反応性基の含量は、マレイミド共重合体に
対して0〜30モル%、好ましくは0〜20モル%、更
に好ましくは0〜5モル%である。反応性基が30モル
%を越える場合には、生成する樹脂の熱安定性および機
械強度が低下するおそれがある。
【0014】これら変性マレイミド共重合体の製法は、
無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、グリシジ
ル(メタ)アクリレ−ト、2−アミノエチル(メタ)ア
クリレ−ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−
ト、トリエトキシシリルプロピル(メタ)アクリレ−
ト、アリルアミン等の不飽和化合物を共重合させること
により製造できる。また、後述するように無水マレイン
酸とオレフィン共重合体の後イミド化により本発明のマ
レイミド共重合体を得る場合には、イミド化量を調整す
ることにより酸無水物単位を残存することができる。
【0015】さらに、必要であれば本発明の目的を損な
わない範囲で、上記共重合体に他のビニル系モノマ−を
共重合させて用いても差支えない。他のビニル系モノマ
−としては、スチレン,α−メチルスチレン,ビニルト
ルエン, 1,3−ブタジエンイソプレンおよびこれら
のハロゲン置換誘導体、メタクリル酸メチル,メタクリ
ル酸エチル,メタクリル酸シクロヘキシル,メタクリル
酸フェニル,メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸エ
ステル類、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アク
リル酸ブチル,アクリル酸シクロヘキシル,アクリル酸
フェニル,アクリル酸ベンジル等のアクリル酸エステル
類、酢酸ビニル,安息香酸ビニル等のビニルエステル
類、メチルビニルエ−テル,エチルビニルエ−テル,プ
ロピルビニルエ−テル,ブチルビニルエ−テル等のビニ
ルエ−テル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロ
ニトリル、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブ
テン、1−ヘキセンより選ばれる1種類以上の化合物が
挙げられる。
【0016】これらモノマ−の重合は公知の重合法、例
えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法および乳化重
合法のいずれもが採用可能である。
【0017】重合開始剤としては、ベンゾイルパ−オキ
サイド、ラウリルパ−オキサイド、オクタノイルパ−オ
キサイド、アセチルパ−オキサイド、ジ−t−ブチルパ
−オキサイド、t−ブチルクミルパ−オキサイド、ジク
ミルパ−オキサイド、t−ブチルパ−オキシアセテ−
ト、t−ブチルパ−オキシベンゾエ−ト等の有機過酸化
物、または、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニト
リル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメ
チル−2,2’−アゾビスイソブチレ−ト、1,1’−
アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等の
アゾ系開始剤が挙げられる。
【0018】溶液重合法において使用可能な溶媒として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、
シクロヘキサン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ア
セトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、
イソプロピルアルコ−ル、ブチルアルコ−ル等が挙げら
れる。
【0019】重合温度は開始剤の分解温度に応じて適宜
設定することができるが、一般的には40〜150℃の
範囲で行うことが好ましい。
【0020】上記の樹脂は、また、無水マレイン酸とオ
レフィン類との共重合により得られる樹脂をアルキルア
ミン等を用いて、後イミド化することにより得ることも
できるこのような後イミド化反応は、例えば、無水マレ
イン酸−イソブテン共重合体を、溶融状態、あるいはメ
タノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ルなどのアルコ−ル
溶媒、あるいは、ベンゼン、トルエンなどの芳香族溶媒
等に溶解あるいは分散させ、メチルアミンなどの一級ア
ミンと100〜350℃の温度で反応させることにより
行なうことができる。
【0021】ここで、生成する樹脂の重量平均分子量
(Mw)は、ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−
(GPC)により求めることができる。マレイミド共重
合体の分子量は1×10以上5×10以下、特に、
1×10以上1×10以下のものが好ましい。分子
量が5×10を越える場合には成形性が悪くなり、1
×10未満の場合には、得られる樹脂が脆くなる傾向
にある。
【0022】また、本発明の樹脂組成物には上記共重合
体と波長589nmにおける屈折率差が0.01以内で
ある熱可塑性樹脂が共重合体0.5〜99.5重量部に
対して99.5〜0.5重量部含まれる。ここで、共重
合体が0.5重量部未満である場合、樹脂組成物の剛性
や弾性率は低下する。一方、99.5重量部より多い場
合は衝撃強度が低下するので好ましくない。さらに、上
記共重合体と熱可塑性樹脂との屈折率差は、0.01以
内、さらに0.005以内が好ましい。屈折率差が0.
01を超えると成形体は光散乱現象によって乳白色をす
るようになり、光線透過率すなわち透明性が減少するの
で好ましくない。
【0023】たとえば、そのような熱可塑性樹脂として
は非晶性ナイロンなどが挙げられる。この非晶性ナイロ
ンとはナイロン6やナイロン66のような直鎖脂肪族ナ
イロンとは異なり、ポリマ−の結晶化がほとんど起こら
ないか、あるいは結晶化速度が非常に小さいナイロンで
ある。
【0024】非晶性ナイロンを構成するコモノマ−は酸
成分としてはイソフタル酸、テレフタル酸、アジピン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸などのジカルボン酸、ジアミン成分としては1,6
−ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレン
ジアミン、4、4´−ジアミノ−ジシクロ−ヘキシレン
メタン、4、4´−ジアミノ−3,3´−ジメチル−ジ
シクロ−ヘキシレンメタン、4、4´−ジアミノ−ジシ
クロ−ヘキシレンプロパン、イソホロンジアミン、ラク
タム成分としてカプロラクタム、ラウロラクタム、イソ
シアナ−ト成分として4、4´−ジフェニルメタン−ジ
イソシアナ−トが挙げられる。 本発明の樹脂組成物に
おいて、マレイミド−オレフィン共重合体と非晶性ナイ
ロンの配合比(重量比)は、1〜50:99〜50、特
に3〜30:97〜70、さらに5〜15:95〜85
が好ましい。
【0025】非晶性ナイロンの屈折率は1.53〜1.
54である。一方、本発明において用いられるマレイミ
ド系共重合体はマレイミドの種類に応じて屈折率が1.
50から1.58まで任意に変化させることができるの
で、両者の屈折率を実質的に一致させることにより、光
線透過率が85%以上の高い透明性を有し、かつ耐熱
性、高い剛性その他機械特性に優れた透明性樹脂組成物
として利用することができる。
【0026】なお、本発明の組成物はマレイミド共重合
体および/又は非晶性ナイロンの両者と相溶する第3成
分を相溶化剤として添加して用いることもできる。
【0027】また、マレイミド共重合体および/又は非
晶性ナイロンの反応性基と反応可能な第3成分を添加し
両者の界面でブロックあるいはグラフトを共重合体を生
成させることもできる。
【0028】更に、マレイミド系ポリマ−および/又は
非晶性ナイロンの反応性基を導入した場合、反応を促進
する目的で各種触媒を添加することもできる。
【0029】本発明の透明性樹脂組成物には、さらに屈
折率が実質的に等しい他の熱可塑性あるいは熱硬化性樹
脂や固体状あるいは液体状ゴム等を混合することもでき
る。また、上記マレイミドとオレフィン類の重合を非晶
性ナイロン存在下で行いグラフト重合体として使用する
ことも可能である。
【0030】なお、本発明において得られる樹脂組成物
には必要に応じて屈折率が実質的に等しいガラス繊維、
ガラスマイクロロッド、ガラスマイクロビ−ズ、ガラス
パウダ−などの無機充填剤を混合することもできる。さ
らに、ヒンダ−ドフェノ−ル、有機リン酸エステルのよ
うな熱安定剤、ベンゾトリアゾ−ル系あるいはヒンダ−
ドアミン系等の紫外線安定剤、難燃剤、発泡剤、帯電防
止剤、各種潤滑剤等を添加してもよい。これら添加剤は
種々併用して用いることもできる。
【0031】本発明の樹脂組成物の製造方法には特に制
限がなく、例えば、粉体あるいは、ペレット状のマレイ
ミド−オレフィン共重合体と非晶性ナイロンおよびその
他の添加剤を混合し、あるいは混合せずに押出機に供給
し溶融混練する方法、マレイミド−オレフィン共重合体
と非晶性ナイロンおよびその他の添加剤を溶媒に溶解さ
せて混合し溶媒を除去する方法等が挙げられる。
【0032】本発明の透明性樹脂組成物を成形する方法
としては、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法、ブロ
−成形法、キャスト成形法、スピンキャスト成形法等の
通常の成形法が挙げられる。
【0033】得られた成形品は各種電気部品用ケ−ス、
照明カバ−、自動車用レンズ類、信号用レンズ、インス
ツルメントパネル、風防、ゴ−グル、窓ガラス、採光板
等に用いることができる。
【0034】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0035】生成ポリマ−の分子量は、GPC(東ソ−
(株)製HLC−802A)を用い、ポリスチレン換算
により求めた。
【0036】生成ポリマ−の組成は、元素分析、NMR
測定により行った。
【0037】光線透過率はASTM 1746に準拠し
て、屈折率はアッベ屈折率計を用いて測定した。
【0038】機械特性として、ASTM D638Mに
準拠して引張試験を行った。ただし、以下の実施例、比
較例において示される破断伸度、弾性率は、クロスヘッ
ドの移動距離を引張試験片の平行部の長さで除したもの
をひずみとし、これより求めた値である。衝撃強度はA
STM D256に準拠して行った。
【0039】下記の、参考例および実施例において、
「部」および「%」は、特に記載されない限り重量部お
よび重量%を示す。
【0040】参考例 マレイミド−オレフィン共重合体の合成 A−1 撹拌機、窒素導入管、温度計および脱気管の付いた30
lオ−トクレ−ブにN−メチルマレイミド1180g、
グリシジルメタクリレ−ト167g,パーブチルネオデ
カネート8gおよびトルエン/メタノ−ル混合溶媒(1
/1重量比)15lを仕込み、窒素で数回パ−ジした
後、液化イソブテン8.5lを仕込み、60℃で12時
間反応を行った。
【0041】反応により得られた粒子状ポリマ−を遠心
分離により分離して減圧下60℃で2時間乾燥した。収
量は1770gであった。
【0042】得られたポリマ−をクロロホルム/メタノ
−ル系溶媒で再沈殿精製し、元素分析およびH−NM
Rにより分析した結果、生成ポリマ−中のマレイミド単
位は49.5モル%、グリシジルメタクリレ−ト単位
0.8モル%,イソブテン単位49.7モル%であっ
た。GPCより求めた分子量(Mw)は263000で
あった。屈折率は1.525であった。
【0043】A−2 A−1に記載の反応容器にN−メチルマレイミド118
0g、無水マレイン酸23g,パーブチルネオデカネー
ト8gおよびトルエン/メタノ−ル混合溶媒(1/1重
量比)15lを仕込み、窒素で数回パ−ジした後、液化
イソブテン8.5lを仕込み、60℃で12時間反応を
行った。
【0044】反応により得られた粒子状ポリマ−を遠心
分離により分離して減圧下60℃で24時間乾燥した。
収量は1750gであった。
【0045】得られたポリマ−の元素分析結果、および
得られたポリマ−の無水マレイン酸部をメチルエステル
化したサンプルの元素分析およびH−NMR分析結果
より生成ポリマ−中のマレイミド単位は49モル%、無
水マレイン酸1モル%,イソブテン単位50モル%であ
った。得られたポリマ−は分子量(Mw)は27000
0であった。屈折率は1.525であった。
【0046】非晶性ナイロン B−1 市販の非晶性ナイロン(エムス ジャパン(株)製:T
R55−LX)を用いた。屈折率は1.529であっ
た。
【0047】スチレン系共重合体樹脂 C−1 市販のスチレン−アクリロニトリル共重合体(三菱化成
ポリテック(株)製:サンレックス)を用いた。屈折率
は1.570であった。
【0048】実施例および比較例 表1に示す組成で共重合体及び非晶性ナイロンを粉体あ
るいはペレットであらかじめ振り混ぜ、2軸押出機(ラ
ボプラストミル,東洋精機(株)製)により混練押出を
行い、ペレット化した。得られたペレットを射出成形機
(パナジェクション、松下電器産業(株)製)用いて成
形し、物性測定試料とした。得られた結果を表2に示
す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】実施例より明らかなように、本発明の樹
脂組成物は良好な透明性を有しさらに破断伸び、弾性
率、衝撃強度など優れた機械特性を有しているために実
用上極めて有用である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)下記に示す構成成分(I)がポリマ−
    全体の30〜98モル%、構成成分(II)がポリマ−
    全体の70〜2モル%であり、ポリスチレン換算の重量
    平均分子量が1×10以上5×10以下であるマレ
    イミド系共重合体0.5〜99.5重量部、b)a)と
    波長589nmにおける屈折率差が0.01以内である
    熱可塑性樹脂99.5〜0.5重量部とからなる樹脂組
    成物。 【化1】 (ここで、Rは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数
    3〜12のシクロアルキル基、フェニル基、アルキル置
    換フェニル基又はハロゲン置換フェニル基を示す) 【化2】 (ここで、Rは水素または炭素数1〜8のアルキル基
    であり、R,Rは各々炭素数1〜8のアルキル基を
    示す)
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂が非晶性ナイロンである請求
    項1に記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の樹脂組成物からな
    ることを特徴とする透明性材料。
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