JPH10338720A - 低複屈折重合体、その製法、板状体及び光ピックアップレンズ - Google Patents

低複屈折重合体、その製法、板状体及び光ピックアップレンズ

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JPH10338720A
JPH10338720A JP9112560A JP11256097A JPH10338720A JP H10338720 A JPH10338720 A JP H10338720A JP 9112560 A JP9112560 A JP 9112560A JP 11256097 A JP11256097 A JP 11256097A JP H10338720 A JPH10338720 A JP H10338720A
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JP
Japan
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acrylate
hydrocarbon group
polymer
group
repeating unit
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JP9112560A
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English (en)
Inventor
Akira Yanagase
昭 柳ヶ瀬
Seiji Tone
誠司 刀禰
Tooru Tokimitsu
亨 時光
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、耐熱性及び低吸水性に優れ、かつ低
複屈折性のメタクリル系成形材料及び光ピックアップレ
ンズを提供する。 【解決手段】 実質的に一般式(1)の繰り返し単位と
(メタ)アクリル酸エステルの繰り返し単位からなる低
複屈折重合体。前記低複屈折重合体により成形された光
ピックアップレンズ。 【化1】 但し、式中、R1は水素原子または炭素数1〜25の炭
化水素基、脂環式炭化水素基、置換炭化水素基を示し、
nは正の整数を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学用途等に適した
有機重合体及び光ピックアップレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル樹脂は、機械的性質や成形加
工性、耐候性等にバランスのとれた性質を有しており、
シート材料あるいは成形材料として多方面に使用されて
いる。更に、透明性、低分散、低複屈折等、光学的にも
優れた性質を有している。最近ではこうした特性を活か
して、ビデオディスク、オーディオディスク、コンピュ
ーター用追記型ディスク等のディスク材料やカメラ、ビ
デオカメラ、投写型テレビ、光ピックアップ等のレンズ
材料、さらに光ファイバー、光コネクターなど種々の光
伝送材料として用途が広がっている。
【0003】しかしながら、メタクリル樹脂は吸湿性が
高い、耐熱性が低いという問題点を有している。即ち、
吸湿により寸法変化や成型品のそりが生じたり、吸湿と
乾燥の長期繰り返しサイクルによりクラックが発生する
ため、商品によってはその使用が制限されている分野も
ある。特に、ディスク材料やそれらの光学系に用いる光
ピックアップレンズ、コネクター等にはその影響が大き
いといわれている。また、耐熱性が低いため車載用途な
どの使用が制限されることもある。さらに、アクリル板
においても同様の問題点が指摘されている。また更に近
年、記録媒体の高密度化により、ディスク材料、レンズ
等の光学樹脂材料の更なる低複屈折化が求められ、ポリ
メタクリル酸メチル程度の複屈折では不十分な分野もあ
る。
【0004】それ故、近年、メタクリル樹脂の光学的性
質を保持しながら、吸湿性の改善、耐熱性の向上、低複
屈折化等に関し数多くの提案がなされている。例えばメ
タクリル樹脂に低吸水性を付与する方法として、メチル
メタクリレートとシクロヘキシルメタクリレートとの共
重合体(特開昭58-5318号公報)、メチルメタクリレー
トとシクロヘキシルメタクリレート及びベンジルメタク
リレート共重合体(特開昭58-13652号公報)が提案され
ている。しかしながら、低吸湿化は改善されるものの耐
熱性が低下するという欠点を有していた。また、耐熱
性、低複屈折を付与する方法としては、メタクリル酸メ
チルとo-メチルフェニルマレイミドとの共重合体(特開
昭60-217216号公報)、メタクリル酸メチルとマレイミ
ド化合物との共重合体(特開昭61-95011号公報)が提案
されている。しかしながら、この場合にもマレイミド系
単量体を導入するため、一般に着色が大きい等の欠点を
有している。
【0005】一方、ポリマー鎖を剛直にすることにより
分子運動を抑え耐熱性を向上する方法がある。このよう
なポリマーとして、ピラン環を主鎖に持つ重合体が提案
されている(US4,889,948及びLon J. Mathias, Polyme
r, 35(15), 3317, 1994)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この重
合体は、メチルエステル、イソボルニルエステル、トリ
メチルシクロヘキシルエステル等からなるものであっ
て、複屈折率がかなり大きい値を示し、さらにこれらの
ポリマーはその機械強度が低く通常の射出成形は困難で
あった。またこの文献には共重合体が開示されている
が、架橋重合体であって、成型物は熱溶解せず溶融成形
は不可能である。
【0007】即ちこのような従来の重合体は、光ディス
ク、レンズ、および光伝送材料として十分満足するもの
ではない。
【0008】本発明の目的は、透明性、耐熱性、低吸水
性及び機械的強度に優れ、かつ低複屈折なメタクリル系
成形材料、その板状体及び光ピックアップレンズを提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、実質的
に一般式(1)の繰り返し単位と(メタ)アクリル酸エ
ステルの繰り返し単位からなる低複屈折重合体にある。
【0010】
【化4】
【0011】但し、式中、R1は水素原子または炭素数
1〜25の炭化水素基、脂環式炭化水素基または置換炭
化水素基を示し、nは正の整数を表す。
【0012】また本発明の要旨は、実質的に一般式
(1)の繰り返し単位からなり、厚み2mmにおける複
屈折Rが80nm以下の低複屈折重合体にある。
【0013】更に、本発明の要旨は、一般式(2)で示
されるα置換アクリル酸エステル単量体と(メタ)アク
リル酸エステルを、一分子中に0−0結合を2つ以上持
つ過酸化物を重合開始剤として共重合する低複屈折重合
体の製造方法にある。
【0014】
【化5】
【0015】但し、式中、R1は水素原子または炭素数
1〜25の炭化水素基、脂環式炭化水素基または置換炭
化水素基を表す。
【0016】また更に本発明の要旨は前記重合体により
構成された板状成形体にある。また本発明の要旨は前記
低複屈折重合体により成形された光ピックアップレンズ
にある。
【0017】実質的に一般式(1)の繰り返し単位から
なる重合体は複屈折が正値を示す。またメタクリル酸メ
チル重合体は複屈折が負値を示す。即ち本願第1の発明
は、その重合体の複屈折が正値をとる単量体であるα置
換アクリル酸エステルと、その重合体の複屈折が負値を
とる単量体であるメタクリル酸メチルとを共重合するこ
とによって、複屈折が零または零に近い共重合体を提供
するものである。また、本願第2の発明は複屈折が零に
近い重合体を提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の共重合体は、一般式
(2)で表されるα置換アクリル酸エステル単量体と
(メタ)アクリル酸エステルとを共重合することによっ
て得られる。重合の際に一般式(2)の単量体が環化反
応し、一般式(1)のピラン環構造が形成される。
【0019】一般式(2)の単量体としては具体的に
は、ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸メチル)エ
ーテル、ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸エチ
ル)エーテル、ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸n
-プロピル)エーテル、ビス(α-ヒドロキシメチルアク
リル酸イソプロピル)エーテル、ビス(α-ヒドロキシ
メチルアクリル酸n-ブチル)エーテル、ビス(α-ヒド
ロキシメチルアクリル酸イソブチル)エーテル、ビス
(α-ヒドロキシメチルアクリル酸t-ブチル)エーテ
ル、ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸ステアリ
ル)エーテル、ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸
ラウリル)エーテル、ビス(α-ヒドロキシメチルアク
リル酸2−エチルヘキシル)エーテル、ビス(α-ヒド
ロキシメチルアクリル酸2−メトキシエチル)エーテ
ル、ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸ベンジル)
エーテル、ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸フェ
ニル)エーテル、ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル
酸シクロヘキシル)エーテル、ビス(α-ヒドロキシメ
チルアクリル酸ジシクロペンタジエニル)エーテル、ビ
ス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸トリシクロデカニ
ル)エーテル、ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸
アダマンチル)エーテル、等が挙げられる。好ましくは
一般式(2)のエステル基R1の炭素数が2以上の単量
体であり、ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸ベン
ジル)エーテル、ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル
酸シクロヘキシル)エーテル、ビス(α-ヒドロキシメ
チルアクリル酸トリシクロデカニル)エーテル、ビス
(α-ヒドロキシメチルアクリル酸アダマンチル)エー
テルである。
【0020】また、共重合成分の(メタ)アクリル酸エ
ステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸
イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イ
ソブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸イソア
ミル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、
メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、
メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2-エチルヘキシ
ル等のメタクリル酸エステル、およびアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリ
ル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸t-ブチル、アクリル酸イソアミ
ル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル、アクリ
ル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸
グリシジル、アクリル酸2-エチルヘキシル等のアクリル
酸エステルが挙げられる。なかでも、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ベンジル、メタ
クリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メチルが好まし
い。
【0021】(共)重合体の製造方法は一般に公知とさ
れている重合方法、例えばラジカル重合、アニオン重
合、ク゛ルーフ゜トランスファー重合(GTP)、配位アニオン重合等が採
用できる。
【0022】ラジカル重合において使用できる一分子中
に0−0結合を2つ以上持つ重合開始剤としては特に限
定されないが、日本油脂(株)製のパーテトラA、パー
ヘキサMC、ペロマーAC等が好ましい。
【0023】重合の際に使用する溶媒としては、トルエ
ン、キシレン、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素、クロ
ロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭
化水素、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルフォキシド、エーテル等が挙げられる。
【0024】重合においてモノマーの濃度は特に限定さ
れないが、4〜30重量%が好ましく、更に好ましくは
4〜25重量%である。モノマー濃度が低すぎる場合に
は重合体収率が低くなり、モノマー濃度が高すぎる場合
には分子間の重合が優先的に進み架橋反応を起こすため
部分的に目的の構造とならず、生成した重合体の溶融成
形は不可能となる。
【0025】本発明の共重合体の実質的に一般式(1)
の繰り返し単位と(メタ)アクリル酸エステルの繰り返
し単位の組成比は特に限定されないが、その光学材料と
しての特性から(メタ)アクリル酸エステルの重量組成
が30〜99重量%の範囲であることが好ましく、40
〜85重量%の範囲であることがより好ましい。
【0026】また実質的に一般式(1)の繰り返し単位
からなり、厚み2mmにおける複屈折Rが80nm以下
の低複屈折重合体であって、透明性、耐熱性及び低吸水
性に優れた重合体も、光ディスク、レンズ、および光伝
送体用の材料として使用可能である。
【0027】この重合体は一般式(2)で示される単量
体を、前記共重合体の場合と同様な方法で重合すること
によって製造される。
【0028】本発明の共重合体または重合体の複屈折R
は厚み2mmにおいて80nm以下が好ましく、更に好
ましくは40nm以下である。またこれらの(共)重合体
の分子量は特に限定されないが、数平均分子量Mnで1
0,000〜1,000,000の範囲であることが好ましい。50,000
〜1,000,000の範囲であることがより好ましく、50,000
〜500,000の範囲であることが特により好ましい。
【0029】本発明の(共)重合体の成型物は、その透
明性、耐熱性、低吸水性が優れており、耐熱アクリル板
として用いることができる。さらに低複屈折であるため
レンズ、ディスク、光伝送材料として十分な性能を発揮
できる。即ち、用途としては、ピックアップレンズ、レ
ーザービームプリンター用fθレンズ、眼鏡レンズ、カ
メラレンズ、ビデオカメラレンズ等のレンズ材料、ビデ
オディスク、オーディオディスク、コンピューター用追
記型ディスク等のディスク材料、光ファイバー、光コネ
クター等の光伝送材料、アクリル看板、アクリル水槽等
のディスプレイ材料が挙げられる。その中でもピックア
ップレンズ、レーザービームプリンター用fθレンズに
特に適している。
【0030】本発明の(共)重合体を用いて成型物を製
造する際には、公知の溶融成型法、溶液成型法などが可
能である。また、板状成形体を成形する場合にはガラス
板間にモノマーを注入し、重合するキャスト成型法も可
能である。更に、本発明の重合体は適量の可塑剤、架橋
剤、熱安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、離型剤と併用し
て成型物を製造することができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例で得られた重合体およびその成型品の
評価は以下の方法により行った。
【0032】分子量、分子量分布 PMMAをスタンダードとしてGPC法(溶媒:クロロホル
ム)により求めた。 重合体組成 1H NMRにより定量した(溶媒:クロロホルム-d , 測定
温度:60℃)。 飽和吸水率 ペレットを80℃で24時間乾燥し、シリンダー温度250
℃、金型温度60℃で射出成形し、50×100×2mmの平板試
験板を得た。これを80℃で乾燥させた後、重量を測定
し、ついで25℃の温水中に重量が平衡に達するまで浸漬
した。平衡後の重量を測定し、次の式により求めた。 飽和吸水率(%)=[(吸水重量−乾燥重量)/乾燥重
量]×100 全光線透過率 厚み2mmの平板を用い、ASTM D1003に従って測定した。 複屈折 全長100mm、幅5cm、厚み2mmの平板をシリンダー温度240
℃、金型温度70℃、射出圧800〜850kg/cm2で射出成形
し、ゲージから5cmの場所の光路差R(レタデーショ
ン)を偏光顕微鏡により、3ヶ所測定した。
【0033】VICAT軟化温度 厚み3mmの平板を用い、ASTM D1525に従って測定した。 曲げ強度・曲げ弾性率 ASTM D790に従い測定した。
【0034】耐候性 サンシャインウエザオメーター(スガ試験機社製WE-SUN-
DC)を用い、ブラックパネル温度が63℃、水12分/乾燥60
分サイクルで1000時間、1500時間暴露した。この試料を
以下の外観項目について観察した。被膜のクラック、ク
レージング、デラミネーション、ヘイズ及び黄帯色等の
外観以上を観察しこれらの異常が認められないときに○
とした。
【0035】実施例1 容量2リットルのフラスコ中においてシクロヘキシルア
クリレート616g(4mol)、純度75%のパラホルムアルデ
ヒド160g(4mol)、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタ
ン60g(0.53mol)、p-メトキシフェノール616mg、t-ブ
チルアルコール120gを、空気バブリングを行いながら80
℃で5日間反応させた。反応終了後、3Lのメタノール中
にこの反応溶液を注ぎ、30分撹拌した。ついで、この混
合溶液を-20℃で一晩静置し,白色結晶のビス(α-ヒド
ロキシメチルアクリル酸シクロヘキシル)エーテルを52
0g(収率74.2%)得た。
【0036】溶媒としてトルエン480mlを含む1Lフラ
スコ中に、ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸シク
ロヘキシル)エーテル42g、メチルメタクリレート(MM
A)78gを入れ溶解させた。この溶液に開始剤としてアゾ
ビスイソブチロニトリル(AIBN)120mgを加え窒素置換
しながら40分撹拌した。その後、80℃に加熱して重合を
開始させ5時間重合を行った。
【0037】この反応液を大量のメタノール中に入れて
ポリマーを析出させ、濾過しメタノールで洗浄した。こ
れを真空乾燥することにより粉末状の重合体111g
(収率93%)を得た。この共重合体を評価し表1の結
果を得た。
【0038】実施例2 ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸シクロヘキシ
ル)エーテルの量を12g、MMAの量を108gとした以外は実
施例1と同様にして共重合体を107g(収率89%)
得、また表1の結果を得た。
【0039】実施例3 シクロヘキシルアクリレートをトリシクロデカニルアク
リレート(日立化成(株)製;ファンクリル513A)824g
(4mol)とした以外は実施例1と同様にして、ビス(α-
ヒドロキシメチルアクリル酸トリシクロデカニル)エー
テル712g(収率79.2%)を得た。
【0040】ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸シ
クロヘキシル)エーテル42gをビス(α-ヒドロキシメチ
ルアクリル酸トリシクロデカニル)エーテル36g、MMAの
量を84gとした以外は実施例1と同様にして共重合体109
g(収率91%)を得た。この共重合体を評価し表1の結
果を得た。
【0041】実施例4 ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸シクロヘキシ
ル)エーテルをビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸
トリシクロデカニル)エーテルとした以外は実施例2と
同様にして共重合体103g(収率86%)を得た。この共重
合体を評価し表1の結果を得た。
【0042】実施例5 シクロヘキシルアクリレートをジシクロペンタジエニル
アクリレート(日立化成(株)製;ファンクリル511A)
816g(4mol)とした以外は実施例1と同様にして、ビス
(α-ヒドロキシメチルアクリル酸ジシクロペンタジエ
ニル)エーテル712g(収率79.2%)を得た。
【0043】ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸ト
リシクロデカニル)エーテル 36gをビス(α-ヒドロキ
シメチルアクリル酸ジシクロペンタジエニル)エーテル
30gとした以外は実施例3と同様にして共重合体110g
(収率92%)を得た。この共重合体を評価し表1の結果
を得た。
【0044】実施例6 ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸シクロヘキシ
ル)エーテルをビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸
ジシクロペンタジエニル)エーテルとした以外は実施例
2と同様にして共重合体100g(収率84%)で得た。この
共重合体を評価し表1の結果を得た。
【0045】実施例7 溶媒としてトルエン480mlを含む1Lフラスコ中に、実
施例1と同様にして得たビス(α-ヒドロキシメチルア
クリル酸シクロヘキシル)エーテル120gを入れ溶解させ
た。
【0046】この溶液に開始剤としてアゾビスイソブチ
ロニトリル(AIBN)120mgを加え、フラスコ内を窒素置
換しながら40分撹拌した。その後、80℃に加熱して重合
を開始させ5時間重合を行った。
【0047】この反応液を大量のメタノール中に入れて
ポリマーを析出させ、濾過しメタノールで洗浄した。こ
れを真空乾燥することにより粉末状の重合体110g
(収率92%)を得た。この重合体を評価し表1の結果
を得た。
【0048】実施例8 ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸シクロヘキシ
ル)エーテルをビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸
トリシクロデカニル)エーテルとした以外は実施例7と
同様にして重合体113g(収率94%)を得た。この重合体
を評価し表1の結果を得た。
【0049】実施例9 溶媒としてDMF570mlを含む1Lフラスコ中に、ビス(α
-ヒドロキシメチルアクリル酸シクロヘキシル)エーテ
ル38g、メチルメタクリレート(MMA)62gを入れ溶解さ
せた。この溶液に開始剤としてパーテトラA(日本油脂
(株)製:純度20wt.%)600mgを加え窒素置換しながら
40分撹拌した。その後、95℃に加熱して重合を開始させ
7時間重合を行った。
【0050】この反応液を大量のメタノール中に入れて
ポリマーを析出させ、濾過しメタノールで洗浄した。こ
れを真空乾燥することにより粉末状の重合体92g(収率
92%)を得た。この共重合体を評価し、表2の結果を
得た。
【0051】実施例10 ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸シクロヘキシ
ル)エーテル19g、メチルメタクリレート(MMA)81gと
した以外は実施例9と同様にして共重合体を90g(収率9
0%)で得た。この共重合体を評価し、表2の結果を得
た。
【0052】実施例11 ビス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸シクロヘキシ
ル)エーテル50g、メチルメタクリレート(MMA)50gと
し、ハ゜ーテトラAを200mgとした以外は実施例9と同様にして
共重合体を82g(収率82%)で得た。この共重合体を評価
し、表2の結果を得た。
【0053】比較例1 メタクリル樹脂として、アクリペットVH(三菱レイヨ
ン(株)製品)のペレットを用いて、実施例1と同様に
評価し表1の結果を得た。
【0054】実施例12 実施例 1、3、5及び7の(共)重合体、及び比較例
1のアクリペットVHを用いて各々コンパクトディスク
用ピックアップレンズを成形した。これらのレンズにつ
いて60℃、90%RHの雰囲気下で球面収差変化を、干渉
縞の変化を測定することにより評価したところ、前者
(実施例1、3、5及び7)は後者(比較例1)に比べ
て変化が非常に小さく、多湿下でのレンズ性能が優れて
いた。
【0055】実施例13 溶媒としてトルエン2500mlを含む5Lフラスコ中に、ビ
ス(α-ヒドロキシメチルアクリル酸トリシクロデカニ
ル)エーテル100g、メチルメタクリレート(MMA)400g
を入れ溶解させた。この溶液に開始剤としてパーテトラ
A:3gを加え窒素置換しながら40分撹拌した。その後、9
5℃に加熱して重合を開始させ7時間重合を行った。
【0056】この反応液を大量のメタノール中に入れて
ポリマーを析出させ、濾過しメタノールで洗浄した。こ
れを真空乾燥することにより粉末状の重合体465g(収率
93%)を得た。
【0057】この重合体を240℃で溶融押し出しする
ことによりアクリル板(10×10×2mm) を得
た。得られたアクリル板の一部を切断してその物性を測
定したところ次の通りであった。
【0058】 重合体の分子量:Mn=102,000 重合体組成:トリシクロデカニルエステル/メチルメタ
クリレート=20/80 飽和吸水率:1.5% 全光線透過率:92% VICAT軟化温度:135℃ 耐候性:1000時間の性能 ○ 1500時間の性能 ○
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【発明の効果】本発明により、透明性、耐熱性、低吸水
性及び機械的強度に優れた低複屈折の重合体が提供され
る。この重合体はその性質から光ピックアップレンズ等
のレンズ、ディスク、光伝送体等の各種光学用途、アク
リル看板等のディスプレイ材料に適用可能である。本発
明の方法によれば分子量の5万以上の共重合体を高収率
で容易に合成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 33:04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に下記の一般式(1)の繰り返し
    単位と(メタ)アクリル酸エステルの繰り返し単位から
    なる低複屈折重合体。 【化1】 (式中、R1は水素原子または炭素数1〜25の炭化水
    素基または脂環式炭化水素基、置換炭化水素基を示し、
    nは正の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 厚み2mmにおける複屈折Rが40nm
    以下の請求項1に記載の低複屈折重合体。
  3. 【請求項3】 数平均分子量Mnが50,000〜1,000,000
    の請求項1に記載の低複屈折重合体。
  4. 【請求項4】 一般式(1)のエステル基R1がシクロ
    ヘキシル基、ベンジル基、トリシクロデカニル基、ジシ
    クロペンタジエニル基またはアダマンチル基である請求
    項1または請求項2に記載の低複屈折重合体。
  5. 【請求項5】 (メタ)アクリル酸エステルがメタクリ
    ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸シクロ
    ヘキシルまたはアクリル酸メチルである請求項1〜請求
    項4に記載の低複屈折重合体。
  6. 【請求項6】 実質的に下記の一般式(1)の繰り返し
    単位からなり、厚み2mmにおける複屈折Rが80nm
    以下の低複屈折重合体。 【化2】 (式中、R1は水素原子または炭素数1〜25の炭化水
    素基、脂環式炭化水素基または置換炭化水素基を示し、
    nは正の整数を表す。)
  7. 【請求項7】 下記の一般式(2)で示されるα置換ア
    クリル酸エステル単量体と(メタ)アクリル酸エステル
    を、一分子中に0−0結合を2つ以上持つ過酸化物を重
    合開始剤として、共重合する請求項1に記載の低複屈折
    重合体の製造方法。 【化3】 (式中、R1は水素原子または炭素数1〜25の炭化水
    素基、脂環式炭化水素基または置換炭化水素基を示し、
    nは正の整数を表す。)
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項6に記載の低複屈折重
    合体により成形された光ピックアップレンズ。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の重合体により構成され
    た板状成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001114850A (ja) * 1999-10-15 2001-04-24 Toagosei Co Ltd 多官能アクリレート誘導体及びその硬化物
JP2015117264A (ja) * 2013-12-17 2015-06-25 株式会社日本触媒 重合体粒子

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