JP3208648B2 - 厚み分布を有するリーダーテープ用ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

厚み分布を有するリーダーテープ用ポリエステルフィルムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気テープを実用す
る際の磁気テープとそれを巻き取る巻き取り軸、ハブも
しくはリールとの接合に使用するリーダーテープ用ポリ
エステルフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気テープと、磁気テープを巻き取る巻
き取り軸、ハブもしくはリールの接合には、テープの走
行開始および停止の過酷な張力により磁気テープの損傷
を防ぐため、磁気テープよりも機械的特性に優れたリー
ダーテープが使用される。現在、ほとんどの磁気テープ
のベースは2軸延伸されたポリエステルフィルムが使用
されており、リーダーテープ用ベースも単に厚みを厚く
したポリエステルフィルムが使用されている。この結
果、極端な例では厚さ12μmの磁気テープに厚さ18
8μmのリーダーテープが装着されることもある(カン
タム社ストリーマーテープ)。磁気テープとリーダーテ
ープの厚み差はテープの巻き取り形状を不良にし、磁気
テープに異常な変形を生じせしめ、記録、再生のエラー
の原因となる。これらの問題を解決するためリーダーテ
ープを強度の高い別の素材にして機械特性を上げリーダ
ーテープを薄くする方法、ポリエステルフィルムを機械
的に研磨して磁気テープの接合部のみを薄くする方法、
ポリエステルフィルムをサンドブラストにより磁気テー
プの接合部のみを薄くする方法などを検討したが、別素
材法はコストの問題、機械的研磨法では加工精度、厚み
分布の任意度、表面粗さの問題、また、サンドブラスト
法では加工精度、厚み分布の任意度、表面汚れの問題な
どからいずれも不満足であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、厚み分布を
テーパー状などの任意の形状に高精度で加工する方法を
提供し、以て、磁気テープとそれを巻き取る巻き取り
軸、ハブもしくはリール等との接続用であって上記欠陥
のないリーダーテープ用のポリエステルフィルムの製造
方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、スペー
サーを巻き込んだロール状に巻回された長尺のポリエス
テルフィルムの一部をアルカリ性液体に浸漬してエッチ
ングすることを特徴とする厚み分布を有するリーダーテ
ープ用ポリエステルフィルムの製造方法、によって達成
された。本発明において、スペーサーの幅をポリエステ
ルフィルムの幅より狭くし、該スペーサーが巻き込まれ
ていない部分をアルカリ性液体に浸漬してポリエステル
フィルムをエッチングすることが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明でいうポリエステルフィル
ムとは、テレフタル酸、2−6ナフタレンジカルボン酸
などの芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコール、ブ
タンジオールなどのジオールとの線状縮重合高分子を8
0%以上含有する公知のポリエステルのフィルムであ
り、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレ
ンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレート
フィルムなどが使用可能であるが、経済性、エッチング
の容易性の点からポリエチレンテレフタレートフィルム
が最も好ましい。本発明に使用するポリエステルフィル
ムは長さが数十センチメートル以上、好ましくは数メー
トル以上の長尺のシート状のものである。また、該ポリ
エステルフィルムは1体物でもよいし複数のシートを接
合したものでもよい。該長尺ポリエステルフィルムはエ
ッチング処理後フィルムの幅方向にリーダーテープの形
状に打抜き加工される。本発明のポリエステルフィルム
は、延伸好ましくは2軸延伸されたものであることが好
ましい。
【0006】本発明でいうスペーサーとは、厚さが通常
1mmから20mm、好ましくは3mmから5mmの柔
軟性を有する長尺シート状物であって、素材は特に限定
されないが重量、耐熱性、耐水性、取扱い性などの点か
ら高分子発泡体のシートが好ましい。特に軽くて取扱い
が容易なポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン
などの発泡体シート、スポンジゴムやフォームラバーな
どの発泡ゴムシートが好ましい。該スペーサーの厚さが
1mm未満では図1に示したようにポリエステルフィル
ムと重ね合わせて巻回した時、図2に示すポリエステル
フィルム相互の間隔d(以下スペースと称する)が狭す
ぎて、アリカリ性液体に浸漬した時表面張力で液面が上
昇しエッチングの制御が困難となる問題がある。また、
スぺーサーの厚さが20mmを越えると図1に示したよ
うにポリエステルフィルムと重ね合わせて巻回した時の
同一巻き径におけるポリエステルフィルムの巻き込み長
さが短くなり生産性が低下する問題がある。
【0007】また、該スペーサーの幅は本質的には特に
規定されないが、取扱いの容易さの点からポリエステル
フィルムの幅より狭いのが好ましく、さらに好ましくは
ポリエステルフィルムが最終的にアルカリ性液体に浸漬
される最大の長さ(以下浸漬長と称する)より5mm以
上、好ましくは20mm以上ポリエステルフィルムの幅
より狭く設定される。一方、スペーサーの幅がポリエス
テルフィルムの幅の1/2以下では重ね合わせて巻回す
る時に不安定となりスペースが不均一になるなどの問題
があるので、スペーサーの幅はポリエステルフィルムの
幅の1/2以上が好ましい。
【0008】本発明の特徴は、上記のポリエステルフィ
ルムとスペーサーを図1のように重ね合わせて巻回しロ
ール状とすることにある。すなわち、ポリエステルフィ
ルム1とスペーサー2は重ね合わせて巻芯3に巻回され
最外層端末は粘着性テープなどで固定される。この時、
スペーサー2は図2に示すとおりポリエステルフィルム
1の一方の端近くに偏って巻回される。この偏りによっ
て作られるスペーサーのないロール部a(以下ロール状
フィルムのエッチング側部分と称する)の幅はアルカリ
性液体への浸漬長より通常5mm以上広くし、好ましく
は20mm以上とする。5mmより狭いとアルカリ性液
体の温度の影響や蒸発水の結露などが問題となる。また
上記の偏りによって作られる狭い方のスペーサーのない
ロール部cの幅は特に規定するものではないが、ポリエ
ステルフィルム1とスペーサー2を安定して巻回するに
は0mmから10mm程度とするのが好ましい。
【0009】このように巻回したポリエステルフィルム
のロール端面eの凹凸は通常3mm以内、好ましくは2
mm以内、さらに好ましくは1mm以内とすべきであ
る。この凹凸が3mmを越えるとアリカリ性液体への浸
漬長の変動が大きくなり、エッチング後のポリエステル
フィルムの断面形状を正確に制御できなくなる。このよ
うにして準備されたロール状のポリエステルフィルム
は、例えば本発明の実施例の一つを示す図3の装置にお
いて、ロール状フィルムのエッチング側部分を下にし、
かつロールの端面がほぼ水平となるようにフィルム固定
治具7に固定される。図3において4はアルカリ性液
体、5は容器、6は攪拌装置、8はリニアードモータ、
9はラック、10はステッピングモータドライバー、1
1はパーソナルコンピューターを示す。ロール状に巻回
されたポリエステルフィルム1はパーソナルコンピュー
ター11およびステッピングモータドライバー10によ
って制御されるリニアードモータ8のラック9の上下運
動につれてアルカリ性液体4に垂直に浸漬される。
【0010】本発明でいうアルカリ性液体とは、KO
H、NaOH、LiOHなどで代表される強アルカリを
1種以上含む溶液を指し、好ましくはNaOHの水溶液
を指す。該アルカリ性液体には必要に応じて第4級アン
モニウム塩などの反応促進剤を添加することができる。
アルカリ濃度はエッチング速度に影響を与えるが、例え
ばNaOHの場合は一般に1〜50wt%が使用可能で
あり、好ましくは5〜30wt%が採用される。濃度が
1wt%以下ではエッチング反応速度が遅く経済性に欠
け、また50wt%を越えると処理槽の周囲でのNaO
Hの析出が著しくなり作業性が低下する。また、アルカ
リ性液体の温度はアルカリの濃度によって異なるが、一
般に60℃から100℃が好ましく、さらに80℃から
95℃がより好ましい。60℃以下では反応速度が著し
く低下し経済性に欠け、100℃を越えると水の蒸発が
著しくなりNaOHの濃度管理が困難となったり、Na
OHの濃度が低い場合は突沸などの危険性がある。
【0011】本発明により製造されるリーダーテープ用
ポリエステルフィルムのエッチング部分の厚み分布の代
表的なものを図5に示す。(A) はリーダーテープの特定
の位置から先端にかけて厚みがテーパー状にほぼ直線的
に薄くなっているものであり、(B) はそのテーパー部の
先端にさらにほぼ一定の厚みの部分が存在するものであ
る。(C) は階段状に厚みが変化しているものである。
(D) は厚みの変化が曲線的であるものであり、(E) はエ
ッチングがテープの片面のみであるのが特徴である。当
然、これらの例の組み合わせや他の形状も可能であり、
図4は本発明を何ら限定するものではない。
【0012】これらの厚みの変化を本発明の1例を示す
図3の装置で実現するには、アルカリ性液体へのポリエ
ステルフィルムフィルムの浸漬時間をフィルムの位置別
に制御する必要がある。浸漬時間はポリエステルフィル
ムの種類、アルカリ性物質の種類と濃度、液体の温度、
反応促進剤の有無などで決まる処理時間−エッチング厚
みの関係から決められる。188ミクロンのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを90℃に加熱された10w
t%NaOH水溶液中に浸漬した場合の処理時間とフィ
ルム厚みの関係の一例を図6に示す。この例ではフィル
ム厚みは時間と共にほぼ直線的に減少しており、エッチ
ング時間の制御はポリエステルフィルムのアルカリ性液
体への浸漬速度もしくは引上げ速度の制御で容易に代替
できることが分かる。
【0013】本発明において例えば図5の(A) の厚み分
布を有するリーダーテープ用ポリエステルフィルムを製
造する場合は、垂直に固定されたロール状のポリエステ
ルフィルム1を任意の速度で下降し、その先端がアルカ
リ性液体4に接触した瞬間から計画された一定の浸漬速
度でアルカリ性液体中に浸漬して行き、一定長さ浸漬し
た時点で急速に引上げることにより実現される。これと
は逆に、一定長さまで急速に浸漬し、そこから計画され
た引上げ速度で取り出していく方法でもほぼ同様の結果
が得られる。このことは以下に説明する例でも同様であ
る。
【0014】図5の(B) の場合は、ある一定の長さまで
予め急速に浸漬した後に計画された一定の浸漬速度でア
ルカリ性液体中に浸漬して行き、一定長さ浸漬された時
点で急速に引上げることにより実現される。
【0015】また、図5の(C) の場合は、ある一定の長
さまでを急速に浸漬した後一定時間停止し、さらにこれ
を任意の回数繰り返すことにより実現できる。
【0016】また、図5の(D) の場合は、ある一定の長
さまで予め急速に浸漬した後に例えば三角関数や3次関
数など厚み分布と類似の形を示す関数の微分関数を参考
に浸漬速度を制御することにより実現される。
【0017】ロール状のポリエステルフィルムをアルカ
リ性液体に浸漬する方法としては、図3に示した実施例
のようにロール状フィルムを上下動させる方法、アルカ
リ性液体の液面を上下動させる方法、およびこれらを組
み合わせた方法などが採用できるが、装置の簡便さ、浸
漬速度の制御の容易さなどからロール状フィルムを上下
動させる方法が最も好ましい。フィルムを上下動させる
方法としては、ワイヤー巻き上げ法、ボールねじ法、ラ
ック・ピニオン法、ベルト法など公知の方法が採用でき
る。上下動速度の変更には公知の回転数可変式モーター
や変速機を使用することができるが、非常に低速でかつ
正確な位置決めが可能なサーボモーターあるいはステッ
ピングモーターの使用が好ましい。なお、ステッピング
モーターは非常に低速の場合厳密には等速ではないが、
1ステップ当りの移動距離が十分短い場合は実質的に等
速とみてなんら問題はない。上下動の速度制御は手動で
も可能であるが、精度、再現性、経済性などの点からシ
ーケンサやコンピューターによる自動制御が好ましい。
【0018】エッチングが終わった後、フィルム面に残
存する分解生成物、アルカリ性物質、反応促進剤などを
除去するために洗浄を行うが、この時、必要に応じて超
音波洗浄器を用いてもよいしさらにアルカリ性物質の除
去のため酸による中和を行ってもよい。これらの処理は
スペーサーを巻き込んだままのロール状で行ってもよい
し巻き解いてスペーサーを除去した長尺シート状で行っ
てもよい。また必要に応じてスポンジなどで摩擦洗浄し
てもよい。洗浄を終了したポリエステルフィルムは水分
を除去し乾燥される。
【0019】本発明の特徴は図1及び図2に示したよう
に長尺のポリエステルフィルム1をスペーサー2と共に
巻き上げてロール状とし図3に示すようにその一部分を
高温のアルカリ性液体に浸漬するものであるから、長尺
のポリエステルフィルム1はアルカリ性液体及びその水
蒸気に接触した部分が熱収縮し平面性が損なわれること
がある。このような場合は巻き解いたポリエステルフィ
ルムを緊張状態で80℃以上200℃以下、好ましくは
120℃以上150℃以下で乾熱処理を行うことにより
平面化が達成できる。温度が80℃未満では平面化効果
が弱く、また200℃を超えるとフィルムの収縮が大き
すぎたりモノマーやオリゴマーが析出するなどの問題が
ある。
【0020】以上の説明はポリエステルフィルムの両面
をほぼ対称的に同時にエッチングするものであるが、フ
ィルムシートの片面のみをエッチング加工したい場合
は、予めポリエステルフィルムの片面を耐アルカリ性材
料で保護しておけばよい。具体的には例えばアクリル系
樹脂、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹
脂などの硬化型樹脂をロールコーター法、ディップ法、
スプレー法など公知の方法でポリエステルフィルムの片
面にコートすることにより実現できる。
【0021】本発明によって得られるエッチングされた
長尺のポリエステルフィルムは幅方向にリーダーテープ
の形状に打抜き加工される。
【0022】以上のように長尺のポリエステルフィルム
をロール状に巻回してその一部をエッチングすることに
より、容易に多量に任意の厚み分布を有するリーダーテ
ープ用のポリエステルフィルムを製造することが可能と
なる。
【0023】本発明において、エッチング後のフィルム
の厚みの測定は、アンリツ株式会社製のK351C型電
子マイクロメータ、K107C型スピンドル検出器およ
びK402B型スタンドを用い0.1μmのレンジで行
った。
【0024】
【実施例】以下に実施例にて本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 [実施例1]幅33cm、長さ6m、厚さ188μmの
ポリエチレンテレフタレート(以下の本明細書でPET
と称する)2軸延伸フィルム(東レ株式会社製:“ルミ
ラー”タイプX30)及び幅23cm、長さ6m、厚さ
3mmのポリプロピレン発泡シート(東レ株式会社製:
“トーレペフ”タイプ30030AT60)を各1枚準
備した。この2枚を重ね合わせ、図1及び図2に示すよ
うに直径5cm、長さ25cmの金属製巻芯に巻き付け
粘着テープで固定した。この時、図2におけるロール状
PETフィルムのエッチング側部分cの長さをおよそ9
cmとした。このロールの直径はおよそ16cmであっ
た。一方、図3に示したエッチング装置を準備した。図
3において5は直径20cmの円筒状の加熱容器、4は
90±1℃に加熱した10wt%のNaOH水溶液、7
はフィルム固定治具、8はリニヤードステッピングモー
タ(オリエンタルモーター株式会社製:UPH566L
B3−A型)、9はラック、10はステッピングモータ
のドライバ、11はパーソナルコンピューターである。
NaOH水溶液にはエッチングの反応促進剤として第4
級アンモニウム塩(一方社油脂工業株式会社製:“DY
K−1125”)を1wt%添加した。蒸発によるNa
OH水溶液の液面の低下を防止するためにフロート式液
面計を取り付けリミットスイッチ(図示せず)にて液面
高さを監視しつつマイクロポンプ(図示せず)で随時水
を添加し液面の変動を0.5mm以内とした。また、N
aOH水溶液はマグネットスターラー6で静かに攪拌し
た。ロール状のPETフィルム1はエッチング側部分を
下にして垂直にフィルム固定治具7に固定した。空間に
あるロール状PETフィルムをおよそ2mm/秒の速度
で降下し、フィルムの下端がNaOH水溶液に10mm
浸漬した時点からフィルムの降下速度を0.6mm/分
としてさらに30mm降下した。次いで直ちにおよそ2
0mm/秒の速度でフィルムを引上げて取り出し、1%
酢酸水溶液の入った超音波洗浄器で3分間中和洗浄しさ
らに水で洗浄した。つづいてロールを巻き解いてPET
フィルムを取り出しエッチング部分の両面をスポンジた
わしで摩擦洗浄した。この長尺PETフィルムを水切り
乾燥後、150℃の乾熱処理機の中を張力2Kg、速度
2m/分で走行させた。得られたPETフィルムは良好
な平面性を示した。また、6mの長さのほぼ中央から幅
方向に直角に切り出したPETフィルムのエッチング部
分の厚み分布は、図7に示す通り先端から10mmまで
は厚みは約100μmでほぼ一定であり、その後厚みは
ほぼ直線的に増加して先端から約40mmの位置でフィ
ルムの元の厚みの約188μmに至っていた。この厚み
分布はエッチング処理前に意図した分布とほとんど同一
であった。この長尺PETフィルムのエッチング部分の
外観は梨地調で均一でありエッチング部と非エッチング
部の境界線もほぼ直線的であった。この長さ6mの長尺
PETフィルムから幅1/2インチのリーダーテープが
240本採取できた。 [比較実施例]実施例1と同一のPETフィルムから切
り出した幅1/2インチ、長さ31.2cmのリーダー
テープ148本と図4に示したエッチング装置を準備し
た。該エッチング装置はリーダーテープ固定治具7´が
異なる以外は実施例で使用したエッチング装置(図3)
と同じものである。リーダーテープ1´は同じ高さで5
mm間隔に吊り下げテープ固定治具7´に固定した。リ
ーダーテープが相互に接触しないように揺れ止め材12
を装着した。このリーダーテープを実施例1と同様にN
aOH水溶液に浸漬しエッチング処理を行った。NaO
H水溶液から取り出したリーダーテープは1%酢酸水溶
液の入った超音波洗浄器で中和洗浄した後1枚1枚のテ
ープを取り出しエッチング部分の両面をスポンジたわし
で摩擦洗浄し次いで水を切り風乾した。得られたリーダ
ーテープのエッチング部分の厚みの分布は実施例で得ら
れれたエッチングフィルムの厚み分布とほとんど差はな
かった。しかし、本比較実施例においてはリーダーテー
プ相互が接触しやすいためリーダーテープは5mm間隔
とする必要があった。そのため、実施例1のロール状P
ETフィルムの直径と同じ直径16cmの円内に吊り下
げられるテープの数は148枚であった。
【0025】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明のリーダ
ーテープ用のポリエステルフィルム製造方法では、平面
性が優れ、任意の厚み分布を有する、欠点のないリーダ
ーテープ用のポリエステルフィルムを効率良く製造でき
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】:長尺ポリエステルフィルムとスペーサーの巻
き上げ状態を示すロール上面模式図。
【図2】:長尺ポリエステルフィルムとスペーサーの巻
き上げ状態を示すロール断面模式図
【図3】:実施例1に用いた装置の模式図。
【図4】:比較実施例に用いた装置の模式図。
【図5】:本発明で得られるエッチンクフィルムの厚み
分布の例を示す図。
【図6】:PETフィルムのエッチング時間と厚みの関
係を示す図。
【図7】:実施例で得られたPETフィルムのエッチン
グ部分の厚み分布を示す図。
【符号の説明】
1:ロール状ポリエステルフィルム 1´:リーダーテープ 2:スペーサー 4:NaOH水溶液 7:フィルム固定治具 7´:リーダーテープ固定治具 8:リニヤードステッピングモーター 11:パーソナルコンピューター

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スペーサーを巻き込んだロール状に巻回さ
    れた長尺のポリエステルフィルムの一部をアルカリ性液
    体に浸漬してエッチングすることを特徴とする厚み分布
    を有するリーダーテープ用ポリエステルフィルムの製造
    方法。
  2. 【請求項2】スペーサーの幅をポリエステルフィルムの
    幅より狭くし、該スペーサーが巻き込まれていない部分
    をアルカリ性液体に浸漬してポリエステルフィルムをエ
    ッチングすることを特徴とする請求項1記載の厚み分布
    を有するリーダーテープ用ポリエステルフィルムの製造
    方法。
  3. 【請求項3】スペーサーの厚さが1mmから20mmで
    あることを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載
    の厚み分布を有するリーダーテープ用ポリエステルフィ
    ルムの製造方法。
  4. 【請求項4】ポリエステルフィルムがポリエチレンテレ
    フタレートフィルムであることを特徴とする請求項1〜
    請求項3のいずれかに記載の厚み分布を有するリーダー
    テープ用ポリエステルフィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】スペーサーが高分子発泡体からなることを
    特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のリー
    ダーテープ用ポリエステルフィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】高分子発泡体がポリエチレン、ポリプロピ
    レン、ポリスチレン、ポリウレタンなどの発泡体シー
    ト、スポンジゴム、フォームラバーなどの発泡ゴムシー
    トなどから選ばれることを特徴とする請求項5記載の厚
    み分布を有するリーダーテープ用ポリエステルフィルム
    の製造方法。
  7. 【請求項7】ポリエステルフィルムのエッチング量の制
    御を、ポリエステルフィルムをアルカリ性液体に浸漬す
    る速度の制御にて行うことを特徴とする請求項1〜請求
    項6のいずれかに記載の厚み分布を有するリーダーテー
    プ用ポリエステルフィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】エッチング後スペーサーを取り除き、次い
    でポリエステルフィルムを80℃以上200℃以下の温
    度で乾熱処理することを特徴とする請求項1〜請求項7
    のいずれかに記載の厚み分布を有するリーダーテープ用
    ポリエステルフィルムの製造方法。
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