JP3208611B2 - 同一周波無線通信方式 - Google Patents

同一周波無線通信方式

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JP3208611B2 JP2839293A JP2839293A JP3208611B2 JP 3208611 B2 JP3208611 B2 JP 3208611B2 JP 2839293 A JP2839293 A JP 2839293A JP 2839293 A JP2839293 A JP 2839293A JP 3208611 B2 JP3208611 B2 JP 3208611B2
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聡 相河
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディジタル無線通信に利
用する。特に送信局と受信局の間に中継局のある無線中
継方式において、fヘルツで送信された信号を受信しf
ヘルツで送信する同一周波中継あるいは単一周波中継に
おいて、中継局での送信波から中継局の受信波への送受
間まわり込み干渉あるいは送信局の送信信号から受信局
の受信信号へのオーバーリーチ干渉など、自信号による
干渉を補償するための干渉補償回路に関する。
【0002】
【従来の技術】無線中継方式においては、送受信間の干
渉を極力抑えるため、中継局において受信信号の周波数
とは異なる周波数で送信が行なわれている。この場合低
群、高群などとよばれる2種類の周波数を用意し、これ
を中継局ごとに交互に使用する。これを2周波中継方式
とよぶ。また、送信信号が低群の場合、同一局での受信
信号は高群とすることによって、周波数を有効に利用す
るのが一般的である。この関係を図5に示す。
【0003】一方、無線伝送路において、回線品質の向
上あるいは、伝送容量増大などのため8相PSK,16
QAMなどの多値変調を適用するため、中継距離を短縮
する場合がある。このとき、既存の中継局設備を有効に
利用するため、既存伝送路の中で中継局間距離の大きい
区間に中継局を新設する方法が用いられる。
【0004】ただし、送信局あるいは受信局では複数の
伝送路の信号を送信あるいは受信するため、それらの信
号周波数は同一にしている。ここで、中継局を1局新設
すると送信局あるいは受信局の周波数が変更になるた
め、従来は2局新設する必要があった。この関係を図6
に示す(10と12が新設中継局)。
【0005】なお、図6で既設の中間中継所14,16
の周波数が変更となっている。端局に相当する無線局
(18,20)の周波数変更が一般に困難であるに対し
て中間中継所ではさほど困難ではない。その理由は、
(1)端局では、一般に回線が集中し、無線チャンネル
が多く変更に対する融通性が低いこと、(2)端局で
は、分岐が行われる場合が多く、やはり、変更に対する
融通性が低いこと、及び(3)一方、中間中継所では上
記の問題が少ないためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、1つ中
継距離を短縮するため、複数の中継局を新設する方法で
は、経済的に不利である。従って、送信局あるいは受信
局の無線周波数を変更せずに、1つの中継局を新設する
ことによって、1つの区間の中継局間距離を短縮するこ
とが必要になる。
【0007】上記課題を解決するために、同一周波中継
が有効である。これは、新設する中継局では、低群(ま
たは高群)で受信した信号を低群(または高群)で送信
することによって送信局あるいは受信局の周波数を変更
しないで、しかも1つの中継局を新設するだけで必要な
区間の伝送距離を短縮できる。この関係を図7に示す。
【0008】この場合、中間局における送信周波数と受
信周波数が同一であるため、中継局内で同一信号の送信
信号から受信信号への干渉が発生する。これを送受間ま
わり込み干渉と呼ぶ。この関係を図8に示す。
【0009】さらに、送信局から受信局への干渉である
オーバーリーチ干渉がある。従来このオーバーリーチ干
渉は図9に示すように、3区間先の受信局で発生する。
しかし、同一周波中継を適用する場合には、図10に示
すように2区間先で発生することになる。この場合、干
渉信号の送信局と被干渉信号の受信局が短くなり、干渉
量が大きくなる問題点がある。
【0010】本発明は、同一周波中継でも干渉の問題が
発生しない無線中継方式を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、原信号
を変調しfヘルツの無線周波数で送信信号を送信する送
信局と、前記送信信号を受信しほぼfヘルツの無線周波
数で中継送信することにより送信信号を中継する少なく
とも1つの中継局と、該中継局から送信された信号を受
信し復調して原信号を再生する受信局とを有する同一周
波無線通信方式において、前記受信局又は前記少なくと
も1つの中継局は、復調された復調信号の波形歪み及び
干渉を補償するトランスバーサルフィルタを有し、該ト
ランスバーサルフィルタは、復調信号を入力する、複数
の遅延素子を縦続接続した遅延手段と、前記遅延素子の
中の一部の遅延素子の出力と前記復調信号の各々を入力
とする複数の重み付け手段と、各重み付け手段の出力の
総和を与える加算器とを有し、前記遅延素子は、フェー
ジングによる歪補償のための第1のタップ群と、まわり
込み干渉補償のための第2のタップ群と、該第1及び第
2のタップ群の間にもうけられた第3のタップ群からな
り、前記複数の重み付け手段は、該第1及び第2のタッ
プ群の遅延素子のみにもうけられている同一周波無線通
信方式にある。
【0012】
【作用】同一周波中継における干渉の補償においては、
干渉信号と被干渉信号は遅延時間差がある同一の信号で
あるため、受信信号をリファレンスとする干渉補償装置
であるトランスバーサルフィルタの適用が有効である。
【0013】ここで遅延時間の大きな干渉信号を補償し
ようとする場合には、大きなタップ数のトランスバーサ
ルフィルタが必要となり、回路規模が膨大になる問題が
ある。一方、主信号と干渉信号の間のタップについては
その遅延時間での干渉がないため、重み付けが不要であ
るため本発明では必要なタップのみ重み付け手段を加
え、その間は遅延手段のみとしている。
【0014】本発明では以上述べたようにトランスバー
サルフィルタを適用することによって同一周波中継を実
現しようとするものである。
【0015】なお、一般のトランスバーサルフィルタで
はフェージング等の伝搬路において発生する波形歪を補
償しようとするもので、干渉波と被干渉波の遅延時間差
は小さく、トランスバーサルフィルタのタップ数は少な
くてよい。これに対して、本発明で対象とする干渉は遅
延時間差が大きいため、従来のトランスバーサルフィル
タで補償しようとする場合には、非常に大きいタップ数
が必要になる。これを解決するための一手段として『ト
ランスバーサルフィルタおよびこれを用いた干渉補償回
路(特願平1−230011)』が提案されている。上
記の干渉補償器では、一般の2周波中継に適用するもの
であるが、空中線、群分波器、導波管、アンテナ給電系
等により発生した高次モードが干渉波となる場合に適用
される。
【0016】同一周波中継を行なうには、送受間まわり
込み干渉等の自信号からの干渉を補償する必要がある。
これを補償するためにはトランスバーサルフィルタが必
要であるが、干渉信号の遅延時間が大きい場合、タップ
を増加する必要があり、回路規模が膨大になる。しか
し、干渉信号の遅延時間に相当する部分のみに重み付け
手段を設けることにより、上記回路規模を縮小し、非常
に多く重み付け手段を採用した場合と同等の補償効果が
ある。
【0017】第1の発明においては干渉補償装置を受信
局に備えている。これにより、中継局が非再生中継の場
合でも適用可能になる。非再生中継とは中継局で受信波
から原信号を再生せず増幅等を行なったのち送信する。
従って再生された原信号を用いるベースバンド形トラン
スバーサルフィルタは中継局に備えることができない。
このため、第1の発明では原信号の再生を行なう受信局
にトランスバーサルフィルタを備える。
【0018】第2の発明では中継局においてトランスバ
ーサルフィルタを備える。このために、中継局は受信信
号を復調し、原信号を再生する再生中継とするか、中継
局でのトランスバーサルフィルタを原信号を用いず、中
間周波数で構成する必要がある。これらの第1、2の発
明においてトランスバーサルフィルタは線形フィルタ、
判定帰還形フィルタいずれも適用可能であるが、送受間
まわり込み干渉などの干渉信号が主信号より遅れて干渉
する場合には、判定帰還形トランスバーサルフィルタの
ほうが効果が高いことが一般に知られている。判定帰還
形フィルタはトランスバーサルフィルタのタップのう
ち、主信号より時間的に前の信号を遅延させ、重み付け
手段に入力する際に、その信号として、トランスバーサ
ルフィルタ出力を識別したものを利用するものでリファ
レンスになる信号が干渉を除去された識別後の信号であ
るため、より高い効果が得られる。
【0019】第3の発明では再生中継を行なう場合で、
再生中継局での変調信号をフィードバックして干渉補償
装置のリファレンス信号としている。これによって回路
規模を簡略化しながら判定帰還形トランスバーサルフィ
ルタと同様の効果が得られる。復調後の信号処理、変調
等によってリファレンス信号が遅延するが、送受間まわ
り込み干渉は変調後の信号であるため、干渉波にも同等
以上の遅延があるため、問題なく補償できる。
【0020】
【実施例】図1および図2に第1の発明の一実施例を示
す。無線局は図1に示すように送信局20、中継局2
4、受信局22が配置され中継局はf1の周波数を使用
する同一周波中継である。ここで図1に示すように送受
間まわり込み干渉26があり、その遅延時間はτ1であ
る。
【0021】図2は受信局に備えられるトランスバーサ
ルフィルタで、Tは遅延素子、30は重み付け手段、3
2は加算器を示す。ここでタップ群1は通常のフェージ
ングによる波形歪みを等化するためのものである。タッ
プ群2は送受間まわり込み干渉を補償するものである。
タップ群1とタップ群2の間のタップ群3は干渉波の遅
延時間τ1に合わせて設定され、重み付けは不要であ
る、重み付け手段はタップ群1とタップ群2の遅延素子
にもうけられる。
【0022】図3は第2の発明の一実施例である。ここ
に示すように中継局24に図2と同様の干渉補償用のト
ランスバーサルフィルタが備えられる。
【0023】図4は第3の発明の一実施例である。無線
局の配置は図3と同様である。中継局におけるIF信号
は復調器40及び変調器42に印加され、変調器出力は
トランスバーサルフィルタ44に入力され遅延手段46
によって干渉波に遅延時間に合わせられたのち干渉を補
償するため加算器48により受信入力に加算される。復
調器40および変調器42の信号処理時間と遅延手段4
6による遅延時間の総和が干渉波の遅延時間に相当する
ように設定される。干渉波は復調器、変調器、送信機、
給電系、空間伝搬等にかかる時間の総和が遅延時間にな
るため、送信機、給電系空間伝搬等による遅延時間を図
4の遅延手段で補償する。変調器出力は干渉補償された
のち識別後の信号であるため、判定帰還形トランスバー
サルフィルタと同様に大きな干渉補償効果がある。な
お、図4のトランスバーサルフィルタ44の遅延手段
は、図2におけるタップ群2に相当する遅延素子のみを
具備する。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明を用いるこ
とによって、小さな回路規模のトランスバーサルフィル
タで送受間まわり込み干渉等の自信号からの干渉を補償
でき、これによって、同一周波中継が実現できる。した
がって既存の伝送路において、少ない新設中継局によっ
て、区間距離が短い伝送路を実現できる。従って、経済
的に、従来の伝送路の経済化あるいは大容量化が実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の本発明の実施例における無線局の配置を
示す。
【図2】第1および第2の本発明の実施例におけるトラ
ンスバーサルフィルタを示す。
【図3】第2及び第3の本発明の実施例における無線局
の配置を示す。
【図4】第3の本発明の実施例における中継局での変調
器、復調器、干渉抽出手段、干渉補償手段を示す。
【図5】2周波中継方式の無線局の配置と無線周波数を
示す。
【図6】2周波中継方式で無線局を新設した場合の配置
を示す。
【図7】1周波中継方式で無線局を新設した場合の配置
を示す。
【図8】送受間まわり込み干渉を示す。
【図9】2周波中継でのオーバーリーチ干渉を示す。
【図10】1周波中継でのオーバーリーチ干渉を示す。
【符号の説明】
20 送信局 22 受信局 24 中継局 T 遅延素子 30 重み付け手段 32 加算器 40 復調器 42 変調器 44 トランスバーサルフィルタ 46 遅延手段 48 加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 友松 義徳 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−161057(JP,A) 特開 昭58−95435(JP,A) 特開 平4−47721(JP,A) 特開 昭48−8409(JP,A) 特開 昭59−62229(JP,A) 特開 昭62−11327(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 7/14 - 7/22 H04B 7/005

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原信号を変調しfヘルツの無線周波数で
    送信信号を送信する送信局と、前記送信信号を受信しほ
    ぼfヘルツの無線周波数で中継送信することにより送信
    信号を中継する少なくとも1つの中継局と、該中継局か
    ら送信された信号を受信し復調して原信号を再生する受
    信局とを有する同一周波無線通信方式において、 前記受信局は、復調された復調信号の波形歪み及び干渉
    を補償するトランスバーサルフィルタを有し、 該トランスバーサルフィルタは、復調信号を入力する、
    複数の遅延素子を縦続接続した遅延手段と、前記遅延素
    子の中の一部の遅延素子の出力と前記復調信号の各々を
    入力とする複数の重み付け手段と、各重み付け手段の出
    力の総和を与える加算器とを有し、 前記遅延素子は、フェージングによる歪補償のための第
    1のタップ群と、まわり込み干渉補償のための第2のタ
    ップ群と、該第1及び第2のタップ群の間にもうけられ
    た第3のタップ群からなり、前記複数の重み付け手段
    は、該第1及び第2のタップ群の遅延素子のみにもうけ
    られていることを特徴とする同一周波無線通信方式。
  2. 【請求項2】 原信号を変調しfヘルツの無線周波数で
    送信信号を送信する送信局と、前記送信信号を受信しほ
    ぼfヘルツの無線周波数で中継送信することにより送信
    信号を中継する少なくとも1つの中継局と、該中継局か
    ら送信された信号を受信し復調して原信号を再生する受
    信局とを有する同一周波無線通信方式において、 前記中継局の少なくとも1つは、復調された復調信号の
    波形歪み及び干渉を補償するトランスバーサルフィルタ
    を有し、 該トランスバーサルフィルタは、復調信号を入力する、
    複数の遅延素子を縦続接続した遅延手段と、前記遅延素
    子の中の一部の遅延素子の出力と前記復調信号の各々を
    入力とする複数の重み付け手段と、各重み付け手段の出
    力の総和を与える加算器とを有し、 前記遅延素子は、フェージングによる歪補償のための第
    1のタップ群と、まわり込み干渉補償のための第2のタ
    ップ群と、該第1及び第2のタップ群の間にもうけられ
    た第3のタップ群からなり、前記複数の重み付け手段
    は、該第1及び第2のタップ群の遅延素子のみにもうけ
    られていることを特徴とする同一周波無線通信方式。
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