JPS6242537B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、２つの端局（ターミナルステーシヨ
ン）の間の見通しがきかず、無線中継が対流圏ま
たは電離層のスキヤツタ伝搬で行われる場合の、
２つの端局間で、伝送すべき情報によつて変調さ
れる高周波信号のダイバーシチ無線伝送のための
システムに関する。

この種の無線中継は、時間の関数として大きく
変動する伝搬減衰を受ける。情報を連続的に伝送
することを保証するために、伝送時間の非常に低
い割合にしか遭遇しない伝搬の最大減衰の間中に
も、通信の所定の品質を保証するような充分広い
伝送マージユ（margin）を持つた装置を用いる
ことは、多くの場合に経済的に有利ではなくかつ
実用的に不可能であることが証明されている。こ
のため一つの解決手段は、お互いに充分異なつて
チヤンネルが同じ伝搬の減衰によつて同時には影
響を受けないような特性を有する並行な複数の伝
送チヤンネルを設けることである。かくして、各
チヤンネルの信号が自動的な加算値調整の後に組
み合わされて、最高の品質を呈するチヤンネルの
品質に少なくとも等しい品質を各瞬間に得るよう
なダイバーシチ操作が得られる。

角度ダイバーシチ、空間ダイバーシチ、周波数
ダイバーシチ等を単独で又は組み合わせて用いる
ことは公知の実用手段である。最近は、通常はデ
イジタルデータ伝送に適用されかつ異なる伝播条
件の利益を受けるように、充分離れた時刻に情報
伝送の冗長性を保証する時間ダイバーシチに注目
が集まつている。

この結果、用いられる装置そしてそれ故に設備
のコストが実質的に増加することは容易に明白で
ある。

本発明はより特には、伝送モードが最も通常に
使用されるものである周波数ダイバーシチに関す
る。

周波数ダイバーシチ数Ｎを利用するためには、
従来技術では分離しかつ独立した搬送波周波数と
同様に同じ電力Ｐを有するＮ個の受信機だけでな
くＮ個の送信機をも含む無線中継回線を設けるこ
とが必要であることが証明されている。これらの
Ｎ個の送信機はただ一つの電力増幅器を有しても
よいが、しかしこの増幅器のピーク電力は相互変
調積の過度のレベルを防止するために充分な直線
性でN²Pに等しくなければならない。

本発明は、周波数ダイバーシチを使用するため
に非常に簡単で経済的な設計の構造を有する周波
数ダイバーシチ伝送システムに関する。この構造
は単独でもあるいは公知の構造における周波数ダ
イバーシチを含む他のダイバーシチモードと関連
させても用いることができる。

本発明によれば、各端局が少なくとも一つの送
信機と一つのスーパヘテロダイン受信機を備えて
いるその２つの端局間で、複数のダイバーシチ伝
搬チヤンネルを介して伝送すべき情報によつて変
調される高周波信号を無線伝送するためのシステ
ムが提供される。前記送信機は、ジエネレータか
らの周波数Ｆの信号により周波数変調される搬送
波信号発振器を有し、その周波数変調指数は密接
に関連する振幅をもつＮ本（Ｎは１より大きな正
整数）のスペクトル線を有するスペクトルが得ら
れるように決定される。信号入力が発振器の出力
に接続され、かつその変調入力が最大周波数がＦ
よりも小さい情報信号を受けるデイジタル位相変
調装置が提供される。増幅器がその変調装置の出
力に接続され、そして（Ｎ−１）Ｆよりもわずか
に大きい帯域幅を有する帯域フイルタが次に用ら
れる。

本発明の他の特徴は以下の説明と添付図面とを
考慮して、当業者に明らかにされる。

第１図において、周波数ｆで動作する発振器１
が周波数Ｆの正弦波信号を発生するジエネレータ
２によつて周波数変調され、発振器出力３は変調
装置１０の搬送波入力に接続され、その変調装置
１０の変調入力４は伝送すべき情報を受けかつそ
の出力５は増幅器チエイン７およびこれに続く帯
域フイルタ８を介してアンテナ６に接続される。

本実施例においては、発振器１に対して選択さ
れる周波数変調指数は1.435に等しい。従つて発
振器１の出力３には、周波数帯域２Ｆ内において
中央ラインｆと第１の対称の側波帯群（ｆ±Ｆ）
が同一の振幅でかつジエネレータ２から供給され
る電力の90％を集中するベツセルラインのスペク
トルが発生する。

変調装置は公知のデイジタル位相変調器からな
り、伝送される情報は、周波数Ｆよりも明確に低
い再現周波数を持つた２進パルス列の形態で上記
変調器に与えられる。

実験によれば、変調器１０の出力側では、ベツ
セルスペクトルの各ラインはあたかも１本のライ
ンしか存在しないように変調され、各ラインの間
の位相関係が変更されずに、出力スペクトルＢが
得られる。従つて、この変調されたラインのスペ
クトルに対する増幅器７の動作は、一つの周波数
変調信号に対する動作と同じになる。

従つて上記のことから本実施例においては、増
幅器が供給する平均電力Ｐは、ピーク電力が２Ｐ
でかつ平均約Ｐ／３の３つのラインのそれぞれの
電力の和となる。仮に各ラインが相互に非相関な
ジエネレータにより発生すれば増幅器の所要出力
は６Ｐに等しくなる。

帯域フイルタ８は３つの有効なラインのみにア
ンテナの放射を制限するためのもので、それ故２
Ｆよりもわずかに大きな値の帯域幅を有する。上
記の特性は、公知のいかなる形式の周波数変調器
からなる変調装置にも同様に適用される。本実施
例の場合にも実験によれば、ベツセルスペクトル
の各ラインはあたかもラインが１つしかないかの
ごとくに変調される。周波数変調の場合、上述の
実験事実は、周波数変調波がベツセルスペクトル
のラインの和によつて表わされる２つの正弦波信
号の和で得られることから、数学的に証明され
る。この際上述の各ラインは他方の信号により周
波数変調される。

次の図は以上で議論した特性を応用した周波数
変調発射の一例を示す。

第２図において、第１図に示したものと同一の
要素は、同一の参照番号で示される。図におい
て、ジエネレータ２は加算装置１１を介して発振
器１に接続され、伝送される情報はその装置の第
２の入力１４に与えられる。

そのように発射された信号を受信するように設
計された受信機の一例が次の図に示される。

第３図において、ミクサ３３が帯域フイルタ３
２を介してアンテナ３１により供給され、そして
局部発振ジエネレータ３５に接続される。該ミク
サ３３の出力３６は増幅器３７およびその次のフ
イルタ３８を介して、３つのフイルタおよび復調
装置３９〜４１の入力に接続され、その個々の出
力は伝送された情報を出力として復調するダイバ
ーシチコンバイナ４２に接続される。

要素３２〜３８は、フイルタ３８で決定される
帯域内で中間周波数信号が増幅される公知の受信
機の要素である。例として、選択された帯域幅は
前述した送信機によつて伝送されるスペクトルの
帯域である２Ｆよりもわずかに大きい。

装置３９〜４１は、その装置が経験する分離し
かつ別個の伝搬減衰の関数として可変の関連振幅
で受信される３つの搬送波のスペクトルＣの各成
分を分離しかつ復調させる役目を果す。フイルタ
作用を容易にするために、同一のフイルタが各装
置に設けられかつ周波数変換器が先行し、このフ
イルタの帯域幅は各ラインのスペクトルよりもわ
ずかに大きい。

コンバイナ４２は公知の形式のものでありかつ
その性質の関数としてレベルの相対的な加重値を
加えて受信された３つの信号を加える。

上述の送信機と受信機は特に簡単かつ経済的な
周波数ダイバーシチ伝送システムを構成するが、
これはそのシステムが公知の単一搬送波中継に比
べて付加される要素が非常に少ないからである。

本実施例の場合、３に等しいダイバーシチ数Ｎ
は他の所望の値をとることができ、特に約1.8に
等しい周波数Ｆによる変調指数を持つて、５に等
しくすることもできるが、これはこの場合に５つ
のラインが密接に関連する振幅を有するからであ
る。

当然のことながら、本発明は、比較的小さな周
波数差で非相関となる場合の伝播妨害を保護する
のに有効である。その他の場合には本発明は魅力
的なものではない。しかし最近の研究によると、
周波数差が小さい場合にも本発明はかなり有効で
あることがわかつてきている。

特に興味深くかつ有利な適用例は、デカメート
ル波帯域、特に頻繁な選択性フエージング変形が
電話チヤンネルの帯域幅よりもしばしば小さい周
波数差に非相関である場合の電離層伝搬中継に関
する。

本システムの簡単さは、移動する自動車からの
無線通信に適用される。

高いダイバーシチ数が用いられる対流圏スキヤ
ツタ伝搬では、１又は複数の型のダイバーシチを
用いる伝送システムの送信機と受信機の組は、容
易に本発明による装置に置きかえることが出来、
その場合、当初のダイバーシチ数はＮ倍されて、
無線リンクの伝送品質が向上するか、又は同じ伝
送品質ならば、送信電力、アンテナ利得を減少さ
れてシステムコストを低下させることができる。
本発明は、在来の周波数ダイバーシチが十分な周
波数をもつていれば、それと互換性がある。

この周波数ダイバーシチ伝送システムは、ター
ミナル当たりただ一つのアンテナを使用するスキ
ヤツタ中継に良好に適する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による伝送システムの送信機を
示す一般的な構成図、第２図は情報信号による周
波数変調に調用される第１図の他の実施例、第３
図は本発明による伝送システムの受信機の一般的
な構成の一例を示す図である。 １……発振器、２……ジエネレータ、７……増
幅器、８……帯域フイルタ、１０……変調装置、
１１……加算器、３７……増幅器、３９〜４１…
…フイルタおよび復調装置、４２……ダイバーシ
チコンバイナ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 各端局がそれぞれ少なくとも一つの送信機と
   一つのスーパヘテロダイン受信機を備え、その２
   つの端局間で、複数のダイバーシチ伝搬チヤンネ
   ルを介して伝送すべき情報によつて変調される高
   周波数信号の無線伝送システムにおいて、前記送
   信機は、ジエネレータからの周波数Ｆの信号によ
   り周波数変調される搬送波信号発振器を有し、そ
   の周波数変調指数は密接に関連する振幅をもつＮ
   本（Ｎは１より大きい正整数）の変調スペクトル
   線を有するスペクトルが得られるように決定さ
   れ、変調信号入力が該発振器の出力に接続され、
   最大周波数が周波数Ｆよりも小さい情報信号を変
   調入力として受けるデイジタル位相変調装置と、
   該変調装置の出力に接続される増幅器と、そして
   （Ｎ−１）Ｆよりもわずかに大きい帯域幅を有す
   る帯域フイルタとが具備されることを特徴とする
   ダイバーシチ無線伝送システム。 ２ 各端局がそれぞれ少なくとも一つの送信機と
   一つのスーパヘテロダイン受信機を備えているそ
   の２つの端局間で、複数のダイバーシチ伝搬チヤ
   ンネルを介して伝送すべき情報によつて変調され
   る高周波数信号の無線伝送システムにおいて、前
   記送信機が、加算器内においてジエネレータによ
   り供給される周波数Ｆの信号と最大周波数が周波
   数Ｆよりも小さい情報信号とを加えることによつ
   て得られる合成信号によつて周波数変調される搬
   送波信号発振器を有し、情報信号が存在しないと
   きの発振器の出力信号における該ジエネレータに
   よる変調の指数は、密接に関連する振幅を有する
   Ｎ個（Ｎは１より大きな正整数）のスペクトル線
   が前記周波数変調から得られるように決定されて
   おり、前記送信機がさらに、前記発振器の出力に
   接続される増幅器と、（Ｎ−１）Ｆよりもわずか
   に大きい帯域幅を有する帯域フイルタとを有する
   ことを特徴とするダイバーシチ無線伝送システ
   ム。 ３ 受信機が、直列の入力段階および（Ｎ−１）
   Ｆよりもわずかに大きい帯域幅を有する中間周波
   数増幅器と、Ｎ個のラインのそれぞれをフイルタ
   し増幅し復調するためのＮ個の回路と、該Ｎ個の
   回路の出力に接続されるダイバーシチコンバイナ
   を有することを特徴とする特許請求の範囲第１項
   または第２項記載のシステム。 ４ 指数が実質的に1.435に等しく、Ｎが３に等
   しいことを特徴とする特許請求の範囲第３項記載
   のシステム。 ５ 指数が実質的に1.8に等しく、Ｎが５に等し
   いことを特徴とする特許請求の範囲第３項記載の
   システム。