JP3208452U - 免震装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来にない揺れの吸収緩和効果を発揮する非常に実用的な免震装置を提供する。【解決手段】地盤に設けられる下基礎部31と、下基礎部の上に設けられ、建物が構築される上基礎部30とからなる基礎構造の所定位置に固定ユニット及び制御ユニットが設けられて構成される。固定ユニットは、下基礎部に設けられる下体と、上基礎部に設けられる上体と、下体と上体間に架設され水平方向への相対移動を阻止する棒状体とで構成され、相対移動力が所定の大きさ以上のとき、分断する。制御ユニットは、下基礎部に設けられる下筒体と、上基礎部に設けられ下筒体に対して水平方向に相対移動自在に重合される上筒体と、下筒体の下筒孔に下方部位が挿入され上筒体の上筒孔に上方部位が挿入され、下筒孔及び上筒孔間で水平方向に相対移動可能な軸状体13とからなり、固定ユニットの分断に起因して生じる相対移動を、軸状体の周面が下筒孔及び上筒孔の内面に当接して阻止する。【選択図】図1
Description
本考案は、免震装置に関するものである。
従来から、建物に設けられる免震装置として、特開2000−17888号に開示されるような免震装置(以下、従来例)が提案されている。
この従来例は、基礎構造と該基礎構造の上部に構築される建物との間に柱状の弾性部材(ゴム部材)を介在させるもので、この弾性部材が基礎構造と建物との間に生じる水平方向の相対移動(水平揺動)に追従して変形し、基礎構造から建物へ伝わる衝撃を緩和するものである。
しかしながら、従来例は、弾性部材が劣化するため、永続的に衝撃緩和効果が発揮されない。従って、弾性部材を定期的に交換しなければならない。
本考案は、前述した問題点を解消するもので、従来にない作用効果を発揮する非常に実用的な免震装置を提供するものである。
添付図面を参照して本考案の要旨を説明する。
地盤Eに設けられる下基礎部31と、この下基礎部31の上に設けられ、更に、建物Hが構築される上基礎部30とからなる基礎構造Yの所定位置に下記1の固定ユニットX1及び下記2の制御ユニットX2が設けられて構成されていることを特徴とする免震装置に係るものである。
記1
前記下基礎部31に設けられる下体2と、前記上基礎部30に設けられる上体1と、前記下体2と前記上体1同士間に架設され前記下体2と前記上体1との水平方向への相対移動を阻止する棒状体3とで構成され、前記棒状体3は、前記下体2と前記上体1とが水平方向に相対移動しようとする力が所定の大きさ以上のとき、分断するように構成されている固定ユニットX1。
記2
前記下基礎部31に設けられる下筒体12と、前記上基礎部30に設けられ前記下筒体12の上部に該下筒体12に対して水平方向に相対移動自在に重合される上筒体11と、前記下筒体12の下筒孔12aに下方部位が挿入されるとともに、前記上筒体11の上筒孔11aに上方部位が挿入され前記下筒孔12a及び前記上筒孔11a間において水平方向に相対移動可能な軸状体13とからなり、前記1の固定ユニットX1の棒状体3が分断したことに起因して生じる前記下基礎部31と前記上基礎部30との相対移動が、前記軸状体13の周面が前記下筒孔12a及び前記上筒孔11aの内面に当接して阻止されるように構成されている制御ユニットX2。
記1
前記下基礎部31に設けられる下体2と、前記上基礎部30に設けられる上体1と、前記下体2と前記上体1同士間に架設され前記下体2と前記上体1との水平方向への相対移動を阻止する棒状体3とで構成され、前記棒状体3は、前記下体2と前記上体1とが水平方向に相対移動しようとする力が所定の大きさ以上のとき、分断するように構成されている固定ユニットX1。
記2
前記下基礎部31に設けられる下筒体12と、前記上基礎部30に設けられ前記下筒体12の上部に該下筒体12に対して水平方向に相対移動自在に重合される上筒体11と、前記下筒体12の下筒孔12aに下方部位が挿入されるとともに、前記上筒体11の上筒孔11aに上方部位が挿入され前記下筒孔12a及び前記上筒孔11a間において水平方向に相対移動可能な軸状体13とからなり、前記1の固定ユニットX1の棒状体3が分断したことに起因して生じる前記下基礎部31と前記上基礎部30との相対移動が、前記軸状体13の周面が前記下筒孔12a及び前記上筒孔11aの内面に当接して阻止されるように構成されている制御ユニットX2。
また、請求項1記載の免震装置Xにおいて、前記固定ユニットX1における前記棒状体3が分断した後、前記軸状体13の周面が前記下筒孔12a及び前記上筒孔11aの内面に当接するまで、前記軸状体13は転倒しないように構成されていることを特徴とする免震装置に係るものである。
また、請求項1,2いずれか1項に記載の免震装置Xにおいて、前記棒状体3には他の部位よりも径小の分断誘発部4が設けられていることを特徴とする免震装置に係るものである。
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の免震装置Xにおいて、前記下体2は、中央に前記棒状体3を貫挿し得る下孔部2aが設けられた天壁部2”を有する有天筒状体であり、この有天筒状体内には放射方向に延設された複数の補強リブ2bが設けられ、また、前記上体1は、中央に前記下孔部2aと合致し前記棒状体3を貫挿し得る上孔部1aが設けられた底壁部1”を有する有底筒状体であり、この有底筒状体内には放射方向に延設された複数の補強リブ1bが設けられていることを特徴とする免震装置に係るものである。
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の免震装置Xにおいて、前記下筒体12には、前記軸状体13の下端部を支承する下支承部12cが設けられ、前記上筒体11には、前記軸状体13の上端部を支承する上支承部11cが設けられていることを特徴とする免震装置に係るものである。
また、請求項1〜5いずれか1項に記載の免震装置Xにおいて、前記下筒体12及び前記上筒体11は円筒形状体であることを特徴とする免震装置に係るものである。
また、請求項1〜6いずれか1項に記載の免震装置Xにおいて、前記下筒体12の上端部には下鍔部12bが設けられ、この下鍔部12bに重合する上鍔部11bが前記上筒体11の下端部に設けられていることを特徴とする免震装置に係るものである。
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の免震装置Xにおいて、前記軸状体13の周面には緩衝材13bが設けられていることを特徴とする免震装置に係るものである。
本考案は上述のように構成したから、前述した従来例と異なり、地震などの揺れに常時良好に対応できるなど、従来にない作用効果を発揮する非常に実用的な免震装置となる。
好適と考える本考案の実施形態を、図面に基づいて本考案の作用を示して簡単に説明する。
例えば地震で水平方向への揺れが生じた際、固定ユニットX1により下基礎部31と上基礎部30との相対移動は阻止される。
即ち、下基礎部31に設けられる下体2と上基礎部30に設けられる上体1とが水平方向に相対移動しようとしても、この水平方向への力に対し棒状体3が分断するまでは当該相対移動は阻止される。
しかし、下体2と上体1とが水平方向に相対移動しようとする力が所定の大きさ以上になると、棒状体3が分断するため、下体2と上体1とは相対移動可能となり、建物Hの倒壊は阻止される。
また、この下基礎部31と上基礎部30との相対移動は、制御ユニットX2により制御され、所定の範囲以上とはならない。
即ち、下基礎部31と上基礎部30とが相対移動した際、下基礎部31に設けられる下筒体12と上基礎部30に設けられる上筒体11が相対移動することで、下筒体12の下筒孔12a内面及び上筒体11の上筒孔11a内面夫々が軸状体13に当接し、あらゆる水平方向に揺れても下筒体12と上筒体11とは所定長さ以上に相対移動しない。
以上、本考案は、建物Hに影響の少ない小さな揺れには棒状体3で耐え、影響の多い大きな揺れには敢えて耐えず、下基礎部31に対して上基礎部30を相対移動させることで揺れを吸収緩和し、更に、下基礎部31に対して上基礎部30が必要以上に相対移動しないようにして、万一、下基礎部31から上基礎部30が脱落することを防止するものである。
よって、本考案によれば、揺れを良好に吸収緩和でき、建物Hの破損,倒壊を可及的に防止することができることになる。
本考案の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、基礎構造Yに設けられる免震装置X(固定ユニットX1及び制御ユニットX2)である。
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
本実施例の基礎構造Yは、本出願人が特願2016−160959号で提案するもので、図1に図示したように地盤Eに設けられる下基礎部31と、この下基礎部31の上に設けられ、更に上部に建物Hが構築される上基礎部30とからなり、下基礎部31と上基礎部30とは接離可能に構成されている。
下基礎部31は、図1に図示したように適宜なコンクリート製の部材で形成されたものであり、底板31d上に所定高さの枠部31aを設け、この枠部31aの内方を所定高さの桟31bで格子状に適宜区画した構造である。
この下基礎部31の平面視形状は、後述する上基礎部30と同様、建物Hの形状に合わせて適宜設計され、本実施例では平面視方形状に形成されている。
また、下基礎部31の桟31bは、上基礎部30の桟30bとの間で人が通行不能とならず人通行空間が形成されるように構成されている。
具体的には、本実施例に係る基礎構造は、上下の桟30b,31bの一部同士が上下方向に合致しない位置に設けられており、この上下の桟30b,31b同士間に人通行空間が形成されている。
また、下基礎部31は、上面部所定位置(4隅部とその他の複数箇所(合計9カ所))に上基礎部30と重合当接する重合部31cが設けられ、この重合部31cには免震装置(固定ユニットX1及び制御ユニットX2)を設ける凹部31c’が設けられている。
上基礎部30は、図1に図示したように適宜なコンクリート製の部材で形成されたものであり、所定高さの枠部30aの内方を所定高さの桟30bで格子状に適宜区画した構造である。
この上基礎部30の平面視形状は、前述した下基礎部31と同様、建物Hの形状に合わせて平面視方形状に形成されており、上面部位には建物Hが構築される。
また、前述したように、上基礎部30の桟30bは、下基礎部31の桟31bとの間で人が通行不能とならず人通行空間が形成されるように構成されている。
また、上基礎部30は、下面部所定位置(4隅部とその間の合計9カ所)に下基礎部31と重合当接する重合部30cが設けられ、この重合部30cには免震装置を設ける凹部30c’が設けられている。
本実施例の免震装置Xは、基礎構造Yの所定位置に設けられる固定ユニットX1及び制御ユニットX2とで構成されている。
固定ユニットX1は、図2〜5に図示したように下基礎部31に設けられる下体2と、この下体2の上部に水平方向に相対移動自在に重合され上基礎部30に設けられる上体1と、下体2と上体1同士間に架設され、下体2と上体1との水平方向への相対移動を阻止する棒状体3とを有するものである。
下体2は、図2に図示したように適宜な金属製の部材で形成した有天筒状体であり、筒部2’と、この筒部2’の上端部に設けられる天壁部2”とで構成されている。
筒部2’の周面には周方向に間隔を介して突片が設けられ、この突片部は下基礎部31に設けられた際に抜け止め状態とする係止突部2cとして構成されている。
天壁部2”の中央には貫通孔が設けられており、この貫通孔は、後述する棒状体3における上方への抜けを阻止した状態で貫挿し得る下孔部2aとして構成され、この下孔部2aは後述する上体1の上孔部1aと合致する。
また、下体2は、天壁部2”の下孔部2aから周方向に複数の補強リブ2bが放射状に延設され、この各補強リブ2bは天壁部2”の内面と筒部2’の内面との間に架設状態に設けられている。
上体1は、図2に図示したように適宜な金属製の部材で形成した有底筒状体であり、筒部1’と、この筒部1’の下端部に設けられる底壁部1”とで構成されている。
筒部1’の周面には周方向に間隔を介して突片が設けられ、この突片部は上基礎部30に設けられた際に抜け止め状態とする係止突部1cとして構成されている。
底壁部1”の中央には貫通孔が設けられており、この貫通孔は、後述する棒状体3における下方への抜けを阻止した状態で貫挿し得る上孔部1aとして構成されている。
この上孔部1aは、上体1と下体2とを上下に重合状態とした際、下孔部2aと合致孔を形成するように構成されている。
また、上体1は、底壁部1”の上孔部1aから周方向に複数の補強リブ1bが放射状に設延設され、この各補強リブ1bは底壁部1”の内面と筒部1’の内面との間に架設状態に設けられている。
棒状体3は、図2に図示したように適宜な金属製の部材で形成されたネジ棒体であり、上孔部1aと下孔部2aから成る合致孔に貫挿し得る径に設定されている。
また、棒状体3は、その上端部に上孔部1aに係止するボルト頭部から成る上係止部3aが設けられ、この上係止部3aの対向位置には下孔部2aに係止するナット部材から成る下係止部3bが設けられている。
従って、上基礎部30に設けられた上体1と下基礎部31に設けられた下体2とを上下に重合させ、この状態で上孔部1aと下孔部2aから成る合致孔に棒状体3を上方から貫挿させた後に該棒状体3に下係止部3bを螺着すると、上基礎部30(上体1)と下基礎部31(下体2)とは上下方向及び水平方向への相対移動が防止された状態で固定される。
また、棒状体3は、下体2と上体1とが水平方向に相対移動しようとする力が所定の大きさ以上のとき、分断するように構成されている。
具体的には、棒状体3には他の部位よりも径小の分断誘発部4が設けられており、この分断誘発部4は、棒状体3の上係止部3a近傍に設けられた非螺子部にして前述した上孔部1aと下孔部2aから成る合致孔の近傍に配される位置に凹溝を設けて構成されている。
本実施例では、気象庁震度階級5弱以上の力が加わった際に棒状体3が分断するように構成されており、これは、建物H及び上基礎部30を合わせた重量と棒状体3の本数(強度)とが考慮され、気象庁震度階級5弱未満までは棒状体3が分断しないように構造物全体の耐震性能として適宜設定される。また、固定ユニットX1及び制御ユニットX2の配置も重要となる。
制御ユニットX2は、図6,7に図示したように下基礎部31に設けられる下筒体12と、この下筒体12の上部に水平方向に相対移動自在に重合され上基礎部30Aに設けられる上筒体11と、下筒体12の下筒孔12aに下方部位が相対移動自在に内装されるとともに、上筒体11の上筒孔11aに上方部位が相対移動自在に内装される軸状体13とからなり、固定ユニットX1の棒状体3が分断したことに起因して生じる下基礎部31と上基礎部30との相対移動が、軸状体13の周面(緩衝材13b)が下筒孔12a及び上筒孔11aの内面に当接して阻止されるように構成されている。
下筒体12は、図6に図示したように適宜な金属製の部材で形成した円筒形状体であり、上端部には下鍔部12bが設けられている。
また、下筒体12の周面には周方向に間隔を介して突片が設けられ、この突片部は下基礎部31に設けられた際に抜け止め状態とする係止突部12dとして構成されている。
また、下筒体12には、下筒孔12a内に円筒状の螺着体12’が螺着され、この螺着体12’内には後述する軸状体13の下端部を後述する上筒体11の上支承部11cとともに倒れないように支承する下支承部12cが架設されている。符号12”は螺着体12’を螺動させる際に工具や手の指を掛ける掛け部、12c’は後述する軸状体13の底板材13dに設けられる孔13d’と合致させることで該軸状体13の位置合わせ機能及び水抜き機能を発揮する孔である。
上筒体11は、図6に図示したように適宜な金属製の部材で形成した円筒形状体であり、下端部には上鍔部11bが設けられている。
また、上筒体11の周面には周方向に間隔を介して突片が設けられ、この突片部は上基礎部30に設けられた際に抜け止め状態とする係止突部11dとして構成されている。
また、上筒体11には、上筒孔11a内に円筒状の螺着体11’が螺着され、この螺着体11’内には後述する軸状体13の上端部を前述した下筒体12の下支承部12cとともに倒れないように支承する上支承部11cが架設されている。符号11”は螺着体11’を螺動させる際に工具や手の指を掛ける掛け部、11c’は後述する軸状体13の天板材13cに設けられる孔13c’と合致させることで該軸状体13の位置合わせ機能及び水抜き機能を発揮する孔である。
軸状体13は、図6〜9に図示したように適宜な金属製部材(鋼材)で形成された円筒状の基材13aと、この基材13aの周面に被嵌されるゴム製の緩衝材13bとで構成されたものであり、基材13aの上部開口部には上支承部11cに当接する天板材13cが配され、基材13aの下部開口部には下支承部12cに当接する底板材13dが配されている。尚、天板材13c及び底板材13dにはいずれも孔13c’,13d’が設けられている。
また、この軸状体13の径は、上筒体11及び下筒体12の相対移動量を考慮して設定される。
また、軸状体13は、下端部が下支承部12cに支承された状態で下筒孔12aに配され、上端部が上支承部11cに支承された状態で上筒孔11aに配されるように構成されている。
従って、上筒体11と下筒体12とが水平方向に相対移動した際、上筒体11の上筒孔11a及び下筒体12の下筒孔12a夫々の内面が軸状体13(緩衝材13b)に当接することでその相対移動(移動巾)は制御される。この際、軸状体13の周面は緩衝材13bがあり、且つ、上筒体11の上筒孔11aと下筒体12の下筒孔12aと軸状体13の周面とはいずれも円弧面での衝突となる為、衝突した際の衝撃は良好に緩和される。また、軸状体13は、天板材13c及び底板材13dの存在により強度があり、しかも、上筒体11と下筒体12との相対移動の際には上支承部11c及び下支承部12cに対する天板材13c及び底板材13dの円滑な摺動が行われ良好な相対移動が可能となる(図9参照)。
以上の構成から成る免震装置Xに係る固定ユニットX1は四隅及び中心部の合計五箇所配設され、制御ユニットX2は端部中央位置の合計四箇所配設されている。
例えば地震で水平方向への揺れが生じた際、固定ユニットX1により下基礎部31と上基礎部30との相対移動は阻止される(図3参照)。
即ち、下基礎部31に設けられる下体2と上基礎部30に設けられる上体1とが水平方向に相対移動しようとしても、この水平方向への力に対し棒状体3が分断するまでは当該相対移動は阻止される。
しかし、下体2と上体1とが水平方向に相対移動しようとする力が所定の大きさ以上になると、即ち、棒状体3(分断誘発部4)が分断するほどの力が加わった際、棒状体3が分断すると(図4参照)、下体2と上体1とは相対移動可能となり、建物Hの倒壊は阻止される。
また、この下基礎部31と上基礎部30との相対移動は制御ユニットX2により制御され、所定の範囲以上とならない(図7,8,9参照)。
即ち、下基礎部31と上基礎部30とが相対移動した際、下基礎部31に設けられる下筒体12と上基礎部30に設けられる上筒体11が相対移動することで、下筒体12の下筒孔12a内面及び上筒体11の上筒孔11a内面夫々が軸状体13(緩衝材13b)に当接し、あらゆる水平方向に揺れても下筒体12と上筒体11とは所定長さ以上に相対移動しない。
つまり、建物Hに影響の少ない小さな揺れには棒状体3で耐え、影響の多い大きな揺れには敢えて耐えず、下基礎部31に対して上基礎部30を相対移動させることで揺れを吸収緩和し、更に、下基礎部31に対して上基礎部30が必要以上に相対移動しないようにして、万一、下基礎部31から上基礎部30が脱落することを防止するものである。
尚、図5は修復した後に再度棒状体3をセットする際を図示している。
よって、本実施例によれば、良好に揺れを吸収でき建物Hの破損を可及的に防止することができる。
また、本実施例は、棒状体3には他の部位よりも径小の分断誘発部4が設けられているから、前述した作用効果を簡易構造で確実に達成することができる。
また、本実施例は、下体2は、中央に棒状体3を貫挿し得る下孔部2aが設けられた天壁部2”を有する有天筒状体であり、この有天筒状体内には放射方向に延設された複数の補強リブ2bが設けられ、また、上体1は、中央に下孔部2aと合致し棒状体3を貫挿し得る上孔部1aが設けられた底壁部1”を有する有底筒状体であり、この有底筒状体内には放射方向に延設された複数の補強リブ1bが設けられているから、前述した作用効果を簡易構造で確実に達成することができる。
また、本実施例は、下筒体12には、軸状体13の下端部を支承する下支承部12cが設けられ、上筒体11には、軸状体13の上端部を支承する上支承部11cが設けられているから、前述した作用効果を簡易構造で確実に達成することができる。
また、本実施例は、下筒体12及び上筒体11は円筒形状体であるから、前述した作用効果を簡易構造で確実に達成することができ、しかも、円弧の面で衝撃を良好に緩和することができる。
また、本実施例は、下筒体12の上端部には下鍔部12bが設けられ、この下鍔部12bに重合する上鍔部11bが前記上筒体11の下端部に設けられているから、下筒体12と上筒体11とが良好に水平方向に相対移動することになり、確実に棒状体3を利用した制御作動が機能することになる。
また、本実施例は、軸状体13の周面には緩衝材13bが設けられているから、この点においても弾性により衝撃を良好に緩和することができる。
また、本実施例は、上基礎部30及び下基礎部31は、枠部30a,31aの内方に桟30b,31
bが設けられた構造であり、上基礎部30及び下基礎部31を当接した際、桟30b,31bが上下方向において合致しない位置に設けられているから、上下の桟30b,31b同士間に人が通行できる人通行空間が形成され、この人通行空間により本実施例に係る建物Hの傾斜修復方法を良好に実現することができ、基礎構造のメンテナンスも良好に行える。
bが設けられた構造であり、上基礎部30及び下基礎部31を当接した際、桟30b,31bが上下方向において合致しない位置に設けられているから、上下の桟30b,31b同士間に人が通行できる人通行空間が形成され、この人通行空間により本実施例に係る建物Hの傾斜修復方法を良好に実現することができ、基礎構造のメンテナンスも良好に行える。
尚、本考案は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
X 免震装置
X1 固定ユニット
X2 制御ユニット
H 建物
E 地盤
Y 基礎構造
1 上体
1” 底壁部
1a 上孔部
1b 補強リブ
2 下体
2” 天壁部
2a 下孔部
2b 補強リブ
3 棒状体
4 分断誘発部
11 上筒体
11a 上筒孔
11b 上鍔部
11c 上支承部
12 下筒体
12a 下筒孔
12b 下鍔部
12c 下支承部
13 軸状体
13b 緩衝材
30 上基礎部
31 下基礎部
X1 固定ユニット
X2 制御ユニット
H 建物
E 地盤
Y 基礎構造
1 上体
1” 底壁部
1a 上孔部
1b 補強リブ
2 下体
2” 天壁部
2a 下孔部
2b 補強リブ
3 棒状体
4 分断誘発部
11 上筒体
11a 上筒孔
11b 上鍔部
11c 上支承部
12 下筒体
12a 下筒孔
12b 下鍔部
12c 下支承部
13 軸状体
13b 緩衝材
30 上基礎部
31 下基礎部
Claims (8)
- 地盤に設けられる下基礎部と、この下基礎部の上に設けられ、更に、建物が構築される上基礎部とからなる基礎構造の所定位置に下記1の固定ユニット及び下記2の制御ユニットが設けられて構成されていることを特徴とする免震装置。
記1
前記下基礎部に設けられる下体と、前記上基礎部に設けられる上体と、前記下体と前記上体同士間に架設され前記下体と前記上体との水平方向への相対移動を阻止する棒状体とで構成され、前記棒状体は、前記下体と前記上体とが水平方向に相対移動しようとする力が所定の大きさ以上のとき、分断するように構成されている固定ユニット。
記2
前記下基礎部に設けられる下筒体と、前記上基礎部に設けられ前記下筒体の上部に該下筒体に対して水平方向に相対移動自在に重合される上筒体と、前記下筒体の下筒孔に下方部位が挿入されるとともに、前記上筒体の上筒孔に上方部位が挿入され前記下筒孔及び前記上筒孔間において水平方向に相対移動可能な軸状体とからなり、前記1の固定ユニットの棒状体が分断したことに起因して生じる前記下基礎部と前記上基礎部との相対移動が、前記軸状体の周面が前記下筒孔及び前記上筒孔の内面に当接して阻止されるように構成されている制御ユニット。 - 請求項1記載の免震装置において、前記固定ユニットにおける前記棒状体が分断した後、前記軸状体の周面が前記下筒孔及び前記上筒孔の内面に当接するまで、前記軸状体は転倒しないように構成されていることを特徴とする免震装置。
- 請求項1,2いずれか1項に記載の免震装置において、前記棒状体には他の部位よりも径小の分断誘発部が設けられていることを特徴とする免震装置。
- 請求項1〜3いずれか1項に記載の免震装置において、前記下体は、中央に前記棒状体を貫挿し得る下孔部が設けられた天壁部を有する有天筒状体であり、この有天筒状体内には放射方向に延設された複数の補強リブが設けられ、また、前記上体は、中央に前記下孔部と合致し前記棒状体を貫挿し得る上孔部が設けられた底壁部を有する有底筒状体であり、この有底筒状体内には放射方向に延設された複数の補強リブが設けられていることを特徴とする免震装置。
- 請求項1〜4いずれか1項に記載の免震装置において、前記下筒体には、前記軸状体の下端部を支承する下支承部が設けられ、前記上筒体には、前記軸状体の上端部を支承する上支承部が設けられていることを特徴とする免震装置。
- 請求項1〜5いずれか1項に記載の免震装置において、前記下筒体及び前記上筒体は円筒形状体であることを特徴とする免震装置。
- 請求項1〜6いずれか1項に記載の免震装置において、前記下筒体の上端部には下鍔部が設けられ、この下鍔部に重合する上鍔部が前記上筒体の下端部に設けられていることを特徴とする免震装置。
- 請求項1〜7いずれか1項に記載の免震装置において、前記軸状体の周面には緩衝材が設けられていることを特徴とする免震装置。
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