JP3207600B2 - シールド掘削機のシールドジャッキ制御方法 - Google Patents

シールド掘削機のシールドジャッキ制御方法

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JP3207600B2
JP3207600B2 JP8288193A JP8288193A JP3207600B2 JP 3207600 B2 JP3207600 B2 JP 3207600B2 JP 8288193 A JP8288193 A JP 8288193A JP 8288193 A JP8288193 A JP 8288193A JP 3207600 B2 JP3207600 B2 JP 3207600B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシールド掘削機のシール
ドジャッキ制御方法に関し、なめらかで且つ精度よく方
向制御できるように工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】地下鉄道、上下水道、電力,通信,ガス
用共同溝、地下道などのトンネルは、シールド工法によ
り構築されることが多い。シールド工法を採用すれば、
周辺の地盤の崩壊を防ぎながら、シールドの内部で安全
に掘削、覆工作業を行いつつトンネルを構築することが
できる。
【0003】このシールド工法の施工は、ほぼ次の手順
により行なわれる。 (1)まずシールド推進に先だって、シールドの組立な
らびに推進の基点となる場所を、ケーソン工法などの工
法で立坑に掘下げて確保する。 (2)以降は、覆工の1リングに相当する長さだけ、シ
ールドの前面を掘削しつつ、 (3)シールドジャッキによりシールドを前進させ、 (4)尾部の覆工を行う、という操作を繰返して掘進す
る。
【0004】ここでシールド掘削機の機械的構成及び動
作の概要を、図1を参照して説明する。図1に示すよう
に、掘削機本体1は円筒状をなしており、その前部に隔
壁となるバルクヘッド2が取り付けられ、バルクヘッド
2の前面には回転カッタ3が取り付けられている。バル
クヘッド2と回転カッタ3との間がチャンバ室4とな
り、チャンバ室4内には、加圧・注入された加泥材と削
土とが混練されて生成された混練土が取り込まれ、この
混練土はスクリューコンベア5によって排出される。こ
のとき土圧は、土圧計6により検出され、土圧に応じ
て、スクリューコンベア5の排出能力が調整される。
【0005】掘削機本体1の尾部は、テールパッキン7
を介して、既設のセグメント8に嵌合している。そして
掘削機本体1には周方向に沿い複数本の油圧式シールド
ジャッキ9が配置されている。掘削機本体1を推進させ
るときには、シールドジャッキ9に油圧を供給してシー
ルドジャッキ9を伸ばしセグメント8を押す。セグメン
ト8からの反力により掘削機本体1が前進し、前進時に
回転カッタ3による掘削をする。1リング分掘り進んだ
ところで掘削を停止してシールドジャッキ9を縮め、縮
めた時に形成された間隙に、エレクタにより、新設セグ
メントを搬入してリング状に組立てる。なお、シールド
ジャッキ9のストロークはストローク計により検出さ
れ、シールドジャッキ9に供給される圧油の圧力は圧力
計により検出される。
【0006】また、掘削機本体1の内部には、本体1の
位置,姿勢,方向を測定する検出器、位置などを判定す
るための装置、シールドジャッキへの圧油供給の制御を
するシールドシーケンサなどが組み込まれている。
【0007】上述したシールド掘削機は、予め計画され
た計画線に沿って掘進するよう方向制御が行なわれる。
すなわち、シールド掘削機の位置をレーザ計測器やレベ
ル計等を用いて実測し、この実測データと計画線との偏
差をコンピュータで演算し、この偏差が小さくなるよう
に、方向制御を行う。方向制御は、掘進の際に、複数の
シールドジャッキのうち所定のものに圧油を供給しなか
ったり、各シールドジャッキに供給する圧油の圧力を調
整することにより、掘削機本体1に作用する回転モーメ
ントを変化させることによって実現している。
【0008】即ち、シールド掘削機が直進掘削するとき
には各シールドジャッキの推力を等しくしているが、計
画線に沿い旋回させるときには、シールドジャッキによ
る推力を片寄らせて片押して旋回力を与えている。具体
的に説明すると、図13(a)(b)に示すように12
本のシールドジャッキ9a〜9lを備えている場合、例
えばシールドジャッキ9g〜9lの推力を全出力として
旋回力を生じさせている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図13に示す従来技術
では、各シールドジャッキ9a〜9lに圧油を供給する
12本の各油路に、それぞれ開閉弁を備え、各開閉弁を
開閉制御していた。このためシールドジャッキの数と同
数の開閉弁が必要であり、開閉弁の設置数が多い。ま
た、一方側の推力が大きく他方側の推力が零であるため
推力のバランスが悪くスムーズな旋回がしにくかった。
また、方向制御するための開閉弁の適正な開/閉パター
ンの設定は通常掘進開始時(あるいは掘進中数回)しか
行われないため、なめらかで且つ精度のよい制御が行い
にくいという問題があった。
【0010】本発明は、上記従来技術に鑑み、シールド
ジャッキへの圧油供給を調整する弁の設置数を少なくで
き、しかもスムーズな旋回をさせ、なめらかで且つ精度
のよいシールド機械のシールドジャッキ制御方法を提供
することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の構成は、 (1)シールド掘削機の掘削機本体の後部に備えられた
複数本のシールドジャッキの推力を調整する制御方法で
あって、前記シールドジャッキの近くのものどうしを組
として4以上の偶数のブロックに区分けし、同一のブロ
ック内のシールドジャッキヘの圧油の供給あるいは排出
は同一の弁を介して行い、曲がりつつ掘進する際には、
掘削機本体の軸方向と進行方向とでなす制御角から目標
力点位置を求め、目標力点が位置するブロックのシール
ドジャッキの推力を最大とするとともに、目標力点が位
置するブロックに対し点対称な位置にあるブロックのシ
ールドジャッキの推力を最小とし、更に残りのブロック
のシールドジャッキの推力を、最大推力のブロックから
最小推力のブロックに向って段階的に小さくなるよう
に、しかも目標力点位置を満たすように、前記最大推力
ブロックに隣合う複数個のブロックのシールドジャッキ
の推力を増加させ、さらに上記隣合う複数個のブロック
に対し点対称なブロックのシールドジャッキの推力を減
少させるように、ブロック毎に設けた上記弁の開度を調
整することを特徴とし、また、 (2)上記(1)記載の推力分布で実現できる力点位置
より離れた位置に目標力点位置が要求された場合におい
て、目標力点位置を満たすように、推力が最大となるブ
ロックと推力が最小となるブロックの中間に位置する複
数個のシールドジャッキの推力を減少させるように、ブ
ロック毎に設けた弁の開度を調整することを特徴とし、
また、 (3)与えられた目標力点位置を満たすように、連続的
に或いは微小時間間隔で各ブロックのシールドジャッキ
の推力を設定するように、ブロック毎に設けた弁の開度
を調整することを特徴とし、また、 (4)シールド掘削機の掘削機本体の後部に備えられた
複数本のシールドジャッキの推力を調整する制御方法で
あって、前記シールドジャッキの近くのものどうしを組
として4以上の偶数のブロックに区分けし、同一のブロ
ック内のシールドジャッキヘの圧油の供給あるいは排出
は同一の弁を介して行い、曲がりつつ掘進する際には、
掘削機本体の軸方向と進行方向とでなす制御角から目標
力点位置を求め、目標力点が位置するブロックのシール
ドジャッキの推力を最大とするとともに、目標力点が位
置するブロックに対し点対称な位置にあるブロックのシ
ールドジャッキの推力を最小とし、更に残りのブロック
のシールドジャッキの推力を、最大推力のブロックから
最小推力のブロックに向って段階的に小さくなるよう
に、しかも与えられた目標力点位置を満たすように、連
続的に或いは微小時間間隔で各ブロックのシールドジャ
ッキの推力を設定してブロック毎に設けた弁の開度を調
整することを特徴とする。
【0012】
【作用】旋回しつつ掘削するときには制御角から目標力
点位置を求め、力点が位置するブロックのジャッキ推力
を最大とし、このブロックから、点対称なブロックに向
い、ジャッキ推力を段階的に減じていく。さらに、目標
力点位置が離れた位置に要求されたとき、点対称なブロ
ック推力を保ちながら推力を増加/減少させ、目標力点
位置を確保することができる。即ち、広い範囲の目標力
点を設定することができる。また、連続的にジャッキ推
力を設定することにより、なめらかに且つ精度の良い推
力の制御を行うことができる。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。本発明は
図1に示すシールド掘削機に適用する。掘削機本体1
は、シールドジャッキ9が伸びてセグメント8から反力
を受けて前進し、回転カッタ3により掘削された土はス
クリューコンベア5により排出される。シールドジャッ
キ9は、図1のII−II矢視図である図2に示すように1
8本備えられている(図2では各シールドジャッキに
「9−1」〜「9−18」の符号を付している)。
【0014】次に図3を参照して、実施例の制御系を構
成する各制御装置の配置状態を説明する。掘削機本体1
内には、制御装置20と、シールドシーケンサ21が備
えられており、地上側には、方向制御,データ収集・記
録,線形管理等を行う方向制御・管理システム22が備
えられている。
【0015】シールドシーケンサ21には、土圧計23
により検出した土圧データ、ジャイロとレベル計を組み
込んだジャベル(商品名)24により検出した位置・方
向データ、ジャイロ25により検出したローリングデー
タ、ストローク計26により検出したシールドジャッキ
9のスロトークデータ、圧力計27により検出したシー
ルドジャッキ9への供給油圧データ等が入力される。
【0016】また、シールドシーケンサ21は、制御弁
アンプ29を介してバルブ30の開閉制御をする。この
シールドシーケンサ21と制御装置20との間、シーケ
ンサ21と方向制御・管理システム22との間はデータ
が双方に伝送される。また、制御装置20にはディスプ
レイ28が接続されている。
【0017】地上のシステム22には、モニタ31,プ
リンタ32及びキーボード33が接続されている。この
システム22は、シールドシーケンサ21に接続されて
いる。尚、図3では制御装置20をシールド機械の中に
配置した例を示しているが、当然上記装置をシステム2
2と同様に地上に設置することは可能である。
【0018】ここでシールドシーケンサ21によるシー
ルドジャッキ9−1〜9−18の制御動作を図4を基に
説明する。シールドシーケンサ21は、方向制御弁41
の切り替え制御をするとともに、制御弁アンプ29−1
〜29−8を介して圧力制御弁30−1〜30−8の作
動圧を調整する。
【0019】方向制御弁41の室41aを選択するとシ
ールドジャッキ9−1〜9−18が伸びるよう圧油が供
給される。このとき圧力制御弁30−1〜30−8の動
作圧力を調整することによりシールドジャッキの推力を
変える、メータアウト制御が可能となる。
【0020】すなわち(a)圧力制御弁30−1の作動
圧力を調整することにより、シールドジャッキ9−1,
9−2のジャッキ推力を調整でき、(b)圧力制御弁3
0−2の作動圧力を調整することにより、シールドジャ
ッキ9−3,9−4のジャッキ推力を調整でき、(c)
圧直制御弁30−3の作動圧力を調整することにより、
シールドジャッキ9−5,9−6,9−7のジャッキ推
力を調整でき、(d)圧力制御弁30−4の作動圧力を
調整することにより、シールドジャッキ9−8,9−9
のジャッキ推力を調整でき、(e)圧力制御弁30−5
の作動圧力を調整することにより、シールドジャッキ9
−10,9−11のジャッキ推力を調整でき、(f)圧
力制御弁30−6の作動圧力を調整することにより、シ
ールドジャッキ9−12,9−13のジャッキ推力を調
整できる。(g)圧力制御弁30−7の作動圧力を調整
することにより、シールドジャッキ9−14,9−1
5,9−16のジャッキ推力を調整でき、(h)圧力制
御弁30−8の作動圧力を調整することにより、シール
ドジャッキ9−17,9−18のジャッキ推力を調整で
きる。
【0021】方向制御弁41の室41cを選択するとシ
ールドジャッキ9−1〜9−18が縮むよう圧力が供給
される。
【0022】次にシールドジャッキ9−1〜9−18を
ジャッキブロックに分けて制御する実施例を説明する。
図5に示すように、掘削機本体1の軸方向をZ軸、掘削
機本体1の前面の中心を原点Oとして水平方向にX軸、
垂直方向にY軸をとって三次元座標を考えるものとす
る。更に、掘削機本体1の進行ベクトルをVとしたと
き、XZ平面上において、ベクトルVをXZ面に投影し
た線とZ軸との角を水平制御角θX とし、YZ平面上に
おいて、ベクトルVをYZ面に投影した線とZ軸との角
を垂直制御角θY とする。
【0023】方向制御・管理システム22には、図6に
示すような制御角θX と力点位置H X との関係を示すデ
ータと、図7に示すような制御角θY と力点位置HY
の関係を示すデータがメモリされている。図8は掘削機
本体1の後面を示しており、後面の位置を力点位置と称
している。例えば、制御角がθX1,θY1であるときには
(図6,図7参照)、力点位置HX1,HY1で規定される
点Q(図8参照)のことを、目標力点位置と称してい
る。仮にこの点Qに総推力を集中すると、掘削機本体1
が制御角θX1,θY1で規定されるベクトルVの方向に旋
回していく。なお図6,図7に示す特性は、実掘削にお
いて実際のデータを取り込んで、学習制御により、土質
に合せて徐々に補正していっている。
【0024】方向制御・管理システム22には、あらか
じめ設定された計画線のデータと、現在のデータから方
向ベクトルVを求め、更に制御角θX ,θY を算出す
る。そして算出した制御角θX ,θY と図6,図7に示
す特性から目標力点位置Qを求める。
【0025】方向制御・管理システム22で求めた目標
力点位置Qは、制御装置20に送られる。制御装置20
では、目標力点位置Qを満たすように、各ブロックのジ
ャッキ推力を設定する。そのため、制御装置20には供
給圧力のデータが最低必要となる。
【0026】本実施例では、方向制御・管理システム2
2と制御装置20とで機能的に分けた構成としている
が、当然1つに纏めることは容易である。制御装置20
は各ブロックのジャッキ推力を求める手段として、原理
1〜原理3を持っている。以下に上記原理の実施例を示
す。
【0027】「原理1の説明」制御装置20は図9に示
すジャッキブロックB−1〜B−8のジャッキ推力が次
の(I),(II)に示すようになるよう指令を出す。即
ち、 (I)各ブロックのジャッキ推力の偏推力が図9に示す
ように点対称となるように設定する。つまり、ブロック
B−1に対してブロックB−5、B−2に対してブロッ
クB−6、B−3に対してブロックB−7、そしてB−
4に対してB−8にそれぞれ対応させて偏推力を与え
る。このときのジャッキ推力をfj (i),i=1〜8
とする式(1)のように表すことができる。図9中の記
号±A,±B,±C,±Dは偏推力の方向を表わし、そ
の小文字は偏推力±Δfa ,±Δf b ,±Δfc ,±Δ
d の添え字に用いる。
【0028】
【数1】 ここに、fo は平均推力である。
【0029】力点位置が図2におけるQ1と仮定したと
き、ジャッキブロックB−2のジャッキ推力fj (2) が
最大となり、ジャッキブロックB−2に対し点対称なジ
ャッキブロックB−6のジャッキ推力fj (6) が最小と
なる。
【0030】(II)ジャッキブロックB−2,B−6以
外の推力は、最大推力のジャッキから最小推力のジャッ
キに向かって線形を保って段階的に推力が小さくなるよ
うにする。図10(a)はY軸まわりに関する偏推力の
大きさを示している。すなわち、ブロックB−2,B−
4の+Bに当るX座標の偏推力はΔfb の大きさで、ブ
ロックB−3の+Aに当るX座標の偏推力はΔfa の大
きさであり、図に示すように偏推力Δfa ,Δfb は、
ブロックの作用点のX座標の大きさ(作用点の水平距
離)に比例するように設定する。この場合、偏推力Δf
c ,Δfd はY軸まわりには寄与しない。また、図10
(b)はX軸まわりに関する偏推力の大きさを示してい
る。すなわち、ブロックB−2,B−8の+Dに当るY
座標の偏推力はΔfd の大きさで、ブロックB−1の+
Cに当るY座標の偏推力はΔfc の大きさであり、図に
示すように偏推力Δfc ,Δfd は、ブロックの作用点
のY座標の大きさに比例するように設定する。この場合
も、偏推力Δfa ,Δfb はX軸まわりには寄与しな
い。そして、Δfa とΔfb 、Δfc とΔfd との関係
について、前者の比例定数をα1、後者の比例定数をα
2とすると偏推力Δfa とΔfb との関係、偏推力Δf
c とΔfd との関係は次のように表される。
【0031】
【数2】 ここに、定数α1,α2はジャッキブロックの作用点座
標の関数であり、掘削機の設計仕様よりもとめることが
できる。
【0032】以上のように各ブロックのジャッキ推力を
XY座標に分けた四つの偏推力を加減算することによ
り、最大推力のジャッキから最小推力のジャッキに向っ
て段階的に推力を小さくできる。そして、このことは、
力点位置が他の位置にずれたときも同様にジャッキ推力
を調整するものである。つまり、「原理1」では、目標
力点が位置するジャッキブロックのジャッキ推力を最大
とするとともに、このジャッキブロックに対して点対称
な位置にあるジャッキブロックのジャッキ推力を最小と
する。更に、残りのブロックのジャッキ推力は、最大推
力のジャッキから最小推力のジャッキに向って推力が線
形を保って小さくなるようにする。例えば、図11
(a)の如くである。
【0033】「原理2の説明」前述した「原理1」で示
したジャッキ推力の設定で可能な力点位置の範囲を越え
た目標力点位置が要求された場合、即ち「原理1」では
原点から見た目標力点位置の方向(角度)は満たしてい
るが、図9の力点Q1 が半径方向に移動して中心より遠
く離れてしまい力点までの距離が満たされない場合、こ
の「原理2」を使用する。図2の場合、制御装置20は
「原理1」の推力分布を基に最大・最小推力のジャッキ
ブロックB−2,B−6に隣合うジャッキブロックB−
1,B−3,B−5,B−7のジャッキ推力が次の(II
I ),(IV)に示すようになる指令を出す。
【0034】(III )ジャッキブロックB−2のジャッ
キ推力が最大であるため、その隣り合うロックB−1,
B−3のジャッキに対し、「原理1」での力点位置の角
度は保ち且つ設定距離を伸ばすように、更に推力を増加
させる。ブロックB−1,B−3の推力増加量Δf1
Δf3 とした場合、これらの関係は次式で与えられる。
【数3】 ここに、定数γは目標力点位置の座標、ブロックの作用
点座標、ジャッキ本数からなる関数である。
【0035】上記式(3)はブロックB−1の推力増加
量Δf1 を基準として、ブロックB−3の推力増加量Δ
3 を求めるものであるが、「原理1」段階でのブロッ
クB−2のジャッキ推力とブロックB−3のジャッキ推
力との差及びブロックB−2のジャッキ推力とブロック
B−1のジャッキ推力との差によって、この推力増加Δ
1 ,Δf3 の上限が決まる。
【0036】(IV)また、上記(III )の反作用として
ジャッキブロックB−6の推力が最小であるため、ブロ
ックB−1に点対称なブロックB−5のジャッキ推力を
Δf 1 減じ、ブロックB−3に点対称なブロックB−7
のジャッキ推力をΔf3 減ずる。ブロックB−5,B−
7に対して上記処理を行うことにより、「原理1」での
力点位置の角度は保ち且つ設定距離を伸ばすことができ
る。「原理2」による推力の変化を示したものが、図1
1であり、図11(a)は「原理1」のジャッキ推力分
布例であり、図11(b),図12(a)は「原理2」
による推力分布例を示したものである。この結果、上述
の推力増減量Δf1 ,Δf3 を用いると「原理1」によ
る式(1)は次のように変更される。
【0037】
【数4】 力点位置が他の位置にずれたときも同様にジャッキ推力
を調整する。
【0038】「原理3の説明」前述した「原理2」で示
したジャッキ推力の設定で可能な力点位置の範囲を越え
た目標力点位置が要求された場合、即ち「原理2」では
原点から見た目標力点位置の方向(角度)は満たしてい
るが、更に力点までの距離が満たされていない場合、
「原理3」を使用する。図2の場合、制御装置20は
「原理2」の推力分布を基にジャッキブロックB−4,
B−8のジャッキ推力が次の(V)に示すようになるよ
う指令を出す。
【0039】(V)ジャッキブロックB−2のジャッキ
推力が最大、ジャッキブロックB−6が最小であるた
め、その中間のブロックB−4,B−8のジャッキに対
し、「原理2」での力点位置の角度は保ち且つ設定距離
を伸ばすように、推力を減少させる。ブロックB−4,
B−8の推力減少量Δf4 ,Δf8 との関係は次式で与
えられる。
【数5】 ここに、定数γ′は目標力点位置の座標、ブロックの作
用点座標、ジャッキ本数からなる関数である。
【0040】上記式(5)はブロックB−4の推力減少
量Δf4 を基準として、ブロックB−8の推力減少量Δ
8 を求めるものであるが、「原理1」(或いは「原理
2」)段階でのブロックB−6のジャッキ推力とブロッ
クB−4,B−8のジャッキ推力との差によって、この
推力減少Δf4 ,Δf8 の下限が決まる。
【0041】ブロックB−4,B−8に対して上記処理
を行うことにより、「原理2」での力点位置の角度は保
ち且つ更に設定距離を伸ばすことができる。「原理3」
による推力の変化を示したものが、図12であり、図1
2(a)は「原理2」のジャッキ推力分布例(図11
(b)と同一)であり、図12(b)は「原理3」によ
る推力分布例を示したものである。また、上述の推力減
少量Δf4 ,Δf8 を用いると「原理2」による式
(4)は次のように変更される。
【0042】
【数6】 力点位置が他の位置にずれたときも同様にジャッキ推力
を調整する。
【0043】以上原理1,2,3によるジャッキ推力の
設定に基づき、シーケンサ21は制御装置20による指
令を受けてジャッキ推力fj (i),i=1〜8が指令
値となるように制御弁アンプ29−1〜29−8に信号
を出力し、圧力制御弁30−1〜30−8の開度調整を
する。
【0044】上述の手段を使用すると、目標力点が位置
するブロックのジャッキ推力を最大とし、このブロック
から、点対称なブロックに向かい、ジャッキ推力を段階
的に減じていくことができ、さらに、目標力点位置が離
れた位置に要求されたとき、点対称なブロック推力を保
ちながら推力を増加/減少させ、目標力点位置を確保す
ることができる。即ち、広い範囲の目標力点を設定する
ことができる。各ブロックのジャッキ推力が点対称で且
つ段階的であるため、推力分布が安定したスムーズな旋
回掘削ができる。また、ジャッキ推力の設定を目標力点
位置を満たすように連続的又は微小時間間隔で各ブロッ
クのシールドジャッキ推力を設定することにより、精度
のよい掘削が行える。
【0045】
【発明の効果】以上実施例とともに具体的に説明したよ
うに本発明によれば、シールドジャッキを複数のブロッ
クに分けて同一ブロック内のシールドジャッキには同一
の弁を介して圧油の供給をするため、弁の設定数はブロ
ックの数と同じになり、弁の設定数が少なくてよい。ま
た、目標力点が位置するブロックのジャッキ推力を最大
とし、これと点対称位置にあるブロックの推力を最小に
し、残りのブロックは最大推力ブロックから最小推力の
ブロックに向かい、ジャッキ推力を段階的に小さくする
ようにしたので、推力分布が安定しスムーズな旋回掘削
ができる。さらに、目標力点位置が離れた位置に要求さ
れたとき、点対称なブロック推力を保ちながら推力を増
加/減少させ、目標力点位置を確保することができるの
で、広い範囲の目標力点を設定することができる。ま
た、ジャッキ推力の設定を目標力点位置を満たすように
連続的(微小時間間隔)に行うことにより、精度のよい
掘削が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】シールド掘削機の構成を示す構成図である。
【図2】シールドジャッキの配置例を示す配置図であ
る。
【図3】シールド掘削機の制御系を示す説明図である。
【図4】制御系及び油圧系を示す構成図である。
【図5】三次元座標のとり方を示す説明図である。
【図6】制御角と力点位置との関係を示す特性図であ
る。
【図7】制御角と力点位置との関係を示す特性図であ
る。
【図8】力点位置を示す説明図である。
【図9】各ブロックのジャッキの偏推力を示す説明図で
ある。
【図10】Y軸回り、X軸回りの偏推力を示す説明図で
ある。
【図11】「原理1」から「原理2」に変更した場合の
ジャッキ推力の変化を示す説明図である。
【図12】「原理2」から「原理3」に変更した場合の
ジャッキ推力の変化を示す説明図である。
【図13】従来技術を示す説明図である。
【符号の説明】
1 掘削機本体 8 セグメント 9,9−1〜9−18 シールドジャッキ 20 制御装置 21 シールドシーケンサ 22 方向制御・管理システム 29−1〜29−8 制御弁アンプ 30−1〜30−8 圧力制御弁 B−1〜B−8 ブロック ±A,±B,±C,±D 偏推力成分の方向 ±Δfa ,±Δfb ,±Δfc ,±Δfd 偏推力 Δf1 ,Δf3 推力増加量 Δf4 ,Δf8 推力減少量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 淳一 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番 1号 三菱重工業株式会社 神戸造船所 内 (56)参考文献 特開 平5−33597(JP,A) 特開 昭59−52100(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06 302 E21D 9/06 301

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド掘削機の掘削機本体の後部に備
    えられた複数本のシールドジャッキの推力を調整する制
    御方法であって、 前記シールドジャッキの近くのものどうしを組として4
    以上の偶数のブロックに区分けし、同一のブロック内の
    シールドジャッキヘの圧油の供給あるいは排出は同一の
    弁を介して行い、 曲がりつつ掘進する際には、掘削機本体の軸方向と進行
    方向とでなす制御角から目標力点位置を求め、 目標力点が位置するブロックのシールドジャッキの推力
    を最大とするとともに、目標力点が位置するブロックに
    対し点対称な位置にあるブロックのシールドジャッキの
    推力を最小とし、更に残りのブロックのシールドジャッ
    キの推力を、最大推力のブロックから最小推力のブロッ
    クに向って段階的に小さくなるように、しかも目標力点
    位置を満たすように、前記最大推力ブロックに隣合う複
    数個のブロックのシールドジャッキの推力を増加させ、
    さらに上記隣合う複数個のブロックに対し点対称なブロ
    ックのシールドジャッキの推力を減少させるように、ブ
    ロック毎に設けた上記弁の開度を調整することを特徴と
    するシールド掘削機のシールドジャッキ制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の推力分布で実現できる力
    点位置より離れた位置に目標力点位置が要求された場合
    において、 目標力点位置を満たすように、推力が最大となるブロッ
    クと推力が最小となるブロックの中間に位置する複数個
    のシールドジャッキの推力を減少させるように、ブロッ
    ク毎に設けた弁の開度を調整することを特徴とする請求
    項1記載のシールド掘削機のシールドジャッキ制御方
    法。
  3. 【請求項3】 与えられた目標力点位置を満たすよう
    に、連続的に或いは微小時間間隔で各ブロックのシール
    ドジャッキの推力を設定するように、ブロック毎に設け
    た弁の開度を調整することを特徴とする請求項1又は2
    記載のシールド掘削機のシールドジャッキ制御方法。
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