JP3207397U - 防風柵工 - Google Patents

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翔 匹田
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Abstract

【課題】予め複数の支柱木を連結して柵ユニットを形成しておき、この柵ユニットを作業現場において複数配設することで簡単に設置することができる防風柵工を提供する。【解決手段】柵ユニット1であって、第1の支柱木2と第2の支柱木3とが交互に隣接して配設され、第1の支柱木2の上部には、第1の挿通孔が形成され、第2の支柱木3の上部には、第2の挿通孔が形成され、前記第1の挿通孔及び前記第2の挿通孔に連結軸5が挿通されて、第1の支柱木2と第2の支柱木3とが連結され、第1の支柱木2、及び、第2の支柱木3は、連結軸5を支点として回動可能に形成され、第1の支柱木2同士が、それぞれの下部を第1の連結桟8で連結され、第2の支柱木3同士が、それぞれの下部を第2の連結桟9で連結されて構成されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本考案は、防風柵工に関し、特に、海岸部又はその近傍に設置される防風柵工に関するものである。
従来から、海岸部又はその近傍には、陸側の道路、人家、農地等を、海側からの強風、飛砂、飛来塩分等から防護するために、防風林が設置されることが知られている。また、防風林として植栽された植栽木を保護するために、防風林よりも海岸側に防風柵工を設置されることも知られている。なお、「防風柵工」は、「防風工」、「防風柵」、「防風・防砂柵」等と呼ばれることもある。
上記防風柵工として、例えば、特許文献1には、「複数の木製の支柱と、前記支柱に交差して延びるとともに前記支柱の上方に位置する第1横木および前記第1横木の下方に位置する第2横木と、前記支柱および前記第1横木、前記支柱および前記第2横木をそれぞれ連結する木製の連結具と、前記支柱の間に位置し前記第1横木および前記第2横木に交差して延びる複数の縦木と、前記第1横木または第2横木と、前記縦木とを互いに固定する植物由来材料によって構成される固定具と、を備えたことを特徴とする防風・防砂柵」(特許文献1の「請求項1」参照。)が記載されている。
登録実用新案第3201903号公報
特許文献1に「このような防風・防砂柵1を施工する際、作業者は一本目の支柱2の下端部2B側を地中に埋設し、続いて第2横木4の一端部4Aの貫通孔41Aと支柱2の貫通孔21Aとを一致させ、棒体51を挿入して仮止めする。このとき第2横木4から手を放すと、一端部4Aは棒体51によって保持され、他端部4Bは地面で保持される。次に、作業者は第2横木4の他端部4B側へと移動し、設置した他端部4Bの近傍に二本目の支柱2の下端部2Bを埋設する。次に、第2横木4の他端部4Bの貫通孔41Aおよび二本目の支柱2の貫通孔21Aに棒体51を挿入し仮止めする。同様に、第1横木3の一端部3Aおよび他端部3Bも支柱2に仮止めする。次に、二枚の第1横木3の間および二枚の第2横木4の間を通るように縦木6を挿入する。二枚の第1横木3および二枚の第2横木4の間隔は、それぞれ縦木6の厚さよりも大きくしておく。縦木6の下端部6Bは地面に当接し保持される。縦木6を挿入したら、仮止めしていた第1横木3の一端部3Aおよび他端部3Bをそれぞれ連結具5で支柱2に固定するとともに、第2横木4の一端部4Aおよび他端部4Bも連結具5で支柱2に固定する。さらに、縦木6と第1横木3との間、縦木6と第2横木4との間に固定具7を挿入し、これらを固定する。」(段落「0015」、図1〜図3参照。)と記載されているように、特許文献1の「防風・防砂柵」は、作業者が作業現場において、個々の部材(一本目の支柱2、第2横木4、棒体51、二本目の支柱2、・・・)について、埋設、挿入、仮止め、固定等の作業を順次行う必要があり、非常に工期に時間が掛かるものと推量される。また、悪天候時は、作業が中断してしまうので、さらに工期に時間を要する。
そこで、本考案は、複数の支柱木を連結してユニット化して構成され、組立を簡単に行うことができる柵ユニットを提供することを目的とする。
また、本考案は、柵ユニットを構成する複数の第1の支柱木同士を連結し、複数の第2の支柱木同士を連結することで、容易にかつ高強度の合掌型の防風柵工を形成することができる柵ユニットを提供することを目的とする。
また、本考案は、上記柵ユニットを作業現場において複数配設することで簡単に設置することができる防風柵工を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1の考案では、柵ユニットであって、第1の支柱木と第2の支柱木とが交互に隣接して配設され、前記第1の支柱木の上部には、第1の挿通孔が形成され、前記第2の支柱木の上部には、第2の挿通孔が形成され、前記第1の挿通孔及び前記第2の挿通孔に連結軸が挿通されて、前記第1の支柱木と第2の支柱木とが連結され、前記第1の支柱木、及び、前記第2の支柱木は、前記連結軸を支点として回動可能に形成され、前記第1の支柱木同士が、それぞれの下部を第1の連結桟で連結され、前記第2の支柱木同士が、それぞれの下部を第2の連結桟で連結されて構成されていることを特徴とする。
また、請求項2の考案では、請求項1に記載の柵ユニットであって、前記第1の支柱木及び前紀第2の支柱木は、プレーナー加工及び面取り加工された角材で形成されていることを特徴とする。
また、請求項3の考案では、請求項1又は請求項2に記載の柵ユニットを複数配設して構成された防風柵工であって、前記柵ユニットの各々は、前記第1の支柱木と前記第2の支柱木が、前記連結軸を支点として互いの下部同士が離隔する方向に回動されて、合掌型に形成されて設置されていることを特徴とする。
本考案の柵ユニットによれば、複数本の支柱木を連結軸で連結してユニット化したので、保管するときには柵ユニットをパネル状態にして積層することができ、狭い場所でも大量の保管を可能にすることができるという顕著な効果を奏する。また、予め工場等で柵ユニットを製造して保管することができるので、防風柵工としての工期の短縮を図ることができるという顕著な効果を奏する。
また、本考案の柵ユニットによれば、第1の支柱木同士を第1の連結桟で連結し、第2の支柱木同士を第2の連結桟で連結したので、この柵ユニットを用いて防風柵工を形成するときに、複数本の第1及び第2の支柱木を同時に回動させて、簡単に合掌型の防風柵工を形成することができるという顕著な効果を奏する。
本考案の防風柵工によれば、上記の柵ユニットを用いることで、作業現場の天候の影響も軽減され、簡単に設置することができるという顕著な効果を奏する。
本考案の実施形態における柵ユニットの外観斜視図である。 図1の正面図である。 図1の左側面図である。 図1の平面図である。 図1の要部拡大図である。 本考案の実施形態における防風柵工の外観斜視図である。 本考案の実施形態における防風柵工の正面図である。 図7の左側面図である。
以下、好適な実施形態を用いて本考案をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施形態は本考案を具現化した例に過ぎず、本考案はこれに限定されるものではない。
(実施形態)
まず、本考案の実施形態における柵ユニット1について、図1〜図5を参照しながら説明する。図1は、柵ユニット1の外観斜視図であり、図2は、図1の正面図であり、図3は、図1の左側面図であり、図4は、図1の平面図である。図5は、図1の要部拡大図であり、図5(a)及び図5(b)は、柵ユニット1の両端部の第1の支柱木2及び第2の支柱木3の側面及び平面の要部拡大図であり、図5(c)及び図5(d)は、両端部の支柱木に挟まれた内側の第1の支柱木2及び第2の支柱木3の側面及び平面の要部拡大図ある。
柵ユニット1は、図示するように、平面視で角丸長方形の角材で形成された第1の支柱木2と、第1の支柱木2と略同一形状に形成された第2の支柱木3とが、隣接して交互に配設されている。第1の支柱木2及び第2の支柱木3の長手方向の上部には、連結軸5を挿通するための挿通孔6が開孔されている。この連結軸5は、ボルトで形成されている。柵ユニット1を構成したときに、両端に配設される第1の支柱木2及び第2の支柱木3の挿通孔6の一端部には、座堀孔4が形成されている。座堀孔4は、柵ユニット1の両端部において、連結軸5と第1の支柱木2、及び、連結軸5と第2の支柱木3とを、それぞれ連結軸5(ボルト)とナット7で締結するために設けられている。図示するように、座堀孔4には、座金5aを挿入してもよい。第1の支柱木2及び第2の支柱木3の材料となる角材は、主伐材でも間伐材でもよく、また、第1の支柱木2、第2の支柱木3は、必要に応じて防腐処理されてもよい。
第1の支柱木2及び第2の支柱木3は、プレーナー加工、及び、面取り加工が施されている。ユニット柵1では、第1の支柱木2と第2の支柱木3とは側面同士が密接して配設されるので、プレーナー加工することで、第1の支柱木2及び第2の支柱木3を後述するように連結軸5を支点に回動するときに、スムーズに回動させることができ、運搬・組立作業時の安全性も向上させることができる。また、角材の四隅を面取り加工することで、運搬・組立時の安全性を向上させることができる。
図示するように、本実施形態の柵ユニット1は、隣接して交互に配設された3本の第1の支柱木2及び3本の第2の支柱木3とで構成され、ユニット柵1の一方の端部に配設された第1の支柱木2に形成された座堀孔4から挿通された連結軸5が、挿通孔6を通して全ての支柱木に挿通され、柵ユニット1の他方の端部に配設された第2の支柱木3の座堀孔4に挿入されたナット7と連結軸5のねじ部を螺合することで、3本の第1の支柱木2と3本の第2の支柱木3とが全て連結される。なお、第1の支柱木2の本数、及び、第2の支柱木3の本数は、必要に応じて適宜増減することができる。
また、3本の第1の支柱木2の下部には、第1の連結桟8が、木ネジ8aにより固定されている。3本の第2の支柱木3の下部には、第2の連結桟9が、木ネジ9aにより固定されている。木ネジに代えて釘を用いてもよい。
ここで、柵ユニット1を防風柵工として構成するときは、連結軸5を支点として、第1の支柱木2と第2の支柱木3を、それぞれの下部が離隔する方向に回動される。図3の正面図でみると、連結軸5を支点にして、第1の支柱木2は反時計廻りに回動され、第2の支柱木3は時計廻りに回動される。このとき、本考案の柵ユニット1では、上述したように、3本の第1の支柱木2が、第1の連結桟8によって連結され、3本の第2の支柱木3が、第2の連結桟9によって連結されていることで、個々の支柱木毎に回動させる作業は不要であり、第1の連結桟8、第2の連結桟9によって、それぞれ、3本の第1の支柱木2、3本の第2の支柱木3を、同時に回動させることができ、作業時間を短縮することができる。なお、3本の第1の支柱木2と3本の第2の支柱3とを全て、パネル状態に整列させた状態を閉状態、上述のように連結軸5を支点にして3本の第1の支柱木2と、3本の3本の第2の支柱木3とを、互いに下部同士が離隔する方向に、合掌型に回動した状態を開状態と表現してもよい。
また、第1の支柱木2同士が第1の連結桟8で連結され、第2の支柱木3同士が第2の連結桟9で連結されていることで、第1の支柱木2及び第2の支柱木3を回動して防風柵工として構成したときに、防風柵工としての強度を向上させることができる。第1の連結桟8、第2の連結桟9は、それぞれ、第1の支柱木2、第2の支柱木3の下部に固定されており、防風柵工として設置されるときには、この第1の連結桟8、第2の連結桟9の第1の支柱木2、第2の支柱木3への固定部分は、地中(砂中)に埋設される。これにより、防風柵工としてさらに強度を向上させることができる。
上述したように、第1の支柱木2、及び、第2の支柱木3を連結する手段として、ボルト、ナット、座金を用いたが、座金付きボルトや座金付きナットを用いてもよい。また、第1の連結桟8の第1の支柱木2への取付け位置と、第2の連結桟9の第2の支柱木3への取付け位置は、図示するようにそれぞれの支柱木の下端部からの高さが等しくなるように設定されているが、それぞれ、異なる高さに取り付けられてもよい。
上記の柵ユニット1は、防風柵工の作業現場で製造されるのではなく、予め、工場等で製造しておき、保管しておくことができる。柵ユニット1を、複数本の支柱木で一つのユニットとして構成したので、広大な保管場所を必要とせず、比較的狭い場所にも保管することができる。また、柵ユニット1を保管するときには、第1の支柱木2と第2の支柱木3とを回動させることなく閉状態、いわゆる、パネル状態にして、積層することができるので、狭い場所でも大量の柵ユニット1を保管することができる。
次に、本実施形態の防風柵工100について、特に図6〜図8を参照しながら説明する。図6は、防風柵工100の外観斜視図であり、図7は、本実施形態の防風柵工100の正面図である、図8は、図7の左側面図である。図6では、柵ユニット1を2ユニット配設して防風柵工100を構成した例を示し、図7は、柵ユニット1を10ユニット配設して防風柵工100を構成した例を示す。それぞれの柵ユニット1は、連結軸5を支点にして、第1の支柱木2と第2の支柱木3とが、下部が離隔する方向に回動される、つまり、図8で見れば、第1の支柱木2は反時計廻りに回動され、第2の支柱木3は時計廻りに回動される。各柵ユニット1は、上記の構成で、予め掘削された床堀部10に設置され、各柵ユニット1が設置された後、床堀部10は埋め戻される。このとき、第1の連結桟8、及び、第2の連結桟9も支柱木の下部とともに埋設される。上述したように、第1の支柱木2と第2の支柱木3とを互いに下部同士が離隔する方向に回動させて形成した構成を、合掌型という。本実施形態では、複数の柵ユニット1を直線状に配設して防風柵工100を形成した例を示しているが、柵ユニット1をジグザグに配設したり、並行して配設するなど、必要に応じて適宜変更されてよい。
上述したように、各柵ユニット1は、予め工場等で製造され、パネル状態にして積層されて保管されている。このような柵ユニット1を、必要数、防風柵工100の設置現場に運搬し、各柵ユニット1を合掌型に組み立てて、予め掘削された床堀部10に設置する。各柵ユニット1を合掌型に組み立てるときは、第1の連結桟8、及び、第2の連結桟9を、逆向きに可動させることで、第1の連結桟8に連結されている3本の第1の支柱木2、及び、第2の連結桟9に連結されている3本の第2の支柱木3が、連結軸5を支点として同時に回動するので、簡単に合掌型の防風柵工100を形成することができる。なお、第1の支柱木2と第2の支柱木3との回動角度は、必要に応じて適宜変更することができる。また、第1の支柱木2あるいは第2の支柱木3のいずれか一方を固定して、連結軸5を支点として、他方の支柱木だけを回動させることでも、第1の支柱木2及び第2の支柱木3を同時に回動させることもできる。
合掌型に形成された各柵ユニット1は、図示するように、第1の支柱木2及び第2の支柱木3の下部であって、第1の連結桟8及び第2の連結桟9よりも上部の位置まで、埋戻により埋設される。複数本の第1の支柱木2が連結された第1の連結桟8、及び、複数本の第2の支柱木3が連結された第2の連結桟9も、各支柱の下側部分とともに埋設されるので、より強度の高い防風柵工100を形成することができる。
1 柵ユニット
2 第1の支柱木
3 第2の支柱木
4 座堀孔
5 連結軸(ボルト)
5a 座金
6 挿通孔
7 ナット
8 第1の連結桟
8a,9a 木ネジ
9 第2の連結桟
10 床堀部
100 防風柵工

Claims (3)

  1. 第1の支柱木と第2の支柱木とが交互に隣接して配設され、
    前記第1の支柱木の上部には、第1の挿通孔が形成され、
    前記第2の支柱木の上部には、第2の挿通孔が形成され、
    前記第1の挿通孔及び前記第2の挿通孔に連結軸が挿通されて、前記第1の支柱木と第2の支柱木とが連結され、前記第1の支柱木、及び、前記第2の支柱木は、前記連結軸を支点として回動可能に形成され、
    前記第1の支柱木同士が、それぞれの下部を第1の連結桟で連結され、
    前記第2の支柱木同士が、それぞれの下部を第2の連結桟で連結されて
    構成されていることを特徴とする柵ユニット。
  2. 前記第1の支柱木及び前紀第2の支柱木は、プレーナー加工及び面取り加工された角材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の柵ユニット。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の柵ユニットを、複数配設して構成された防風柵工であって、
    前記柵ユニットの各々は、
    前記第1の支柱木と前記第2の支柱木が、前記連結軸を支点として互いの下部同士が離隔する方向に回動されて、合掌型に形成されて設置されている
    ことを特徴とする防風柵工。
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