JP3206198B2 - Dc−squid磁束計 - Google Patents
Dc−squid磁束計Info
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Description
測定するのに適したDC−SQUID磁束計に関する。 【0002】 【従来の技術】DC−SQUIDを用いた磁束計におい
ては、一般に、被測定磁束をSQUIDリングで直接拾
わず、SQUIDリングと磁気的に結合された入力コイ
ルと、その入力コイルと超伝導接続されるピックアップ
コイルとからなる超伝導ループである磁束トランス等と
称される入力回路を用い、ピックアップコイルで拾った
被測定磁束をインプットコイルを介してDC−SQUI
Dリングに伝達する。 【0003】また、DC−SQUIDリングは磁束ロッ
ク回路と称されるエレクトロニクスによって駆動される
が、この磁束ロック回路では、通常、AF発振器からの
交流電流を、SQUIDリングに近接して設けられたフ
ィードバックコイルに流してSQUIDリングに交流磁
束を印加し、その状態でSQUIDリングの出力を増幅
してAF発振器からの基準信号と比べて位相検波し、さ
らにこれを積分型増幅器およびフィードバックコイルを
介してSQUIDリングにフィードバックするという構
成を採る。 【0004】以上のことから、SQUIDリング、イン
プットコイルおよびフィードバックコイルを1つの基板
上に積層していわゆるSQUID素子を形成し、このS
QUID素子に対してピックアップコイルを接続した構
造が多用されている。 【0005】ここで、以上のように被測定磁界をピック
アップコイルで検出する場合、SQUID素子側のSQ
UIDリング、インプットコイル、あるいはフィードバ
ックコイル等のリング状配線部分に磁気信号が入り込む
と正確な測定を行うことができなくなるが、これを防止
するため、従来、SQUID素子をNb等を用いた超伝導
シールドによって外部磁場からシールドする方法や、あ
るいは、2穴のDC−SQUIDリングと2つのインプ
ットコイルを設けるとともに、2穴のうち一方の穴側に
フィードバックコイルを結合し、他方の穴側にはそのフ
ィードバックコイルと同等のパターンの超伝導薄膜を形
成した差動型の構成として、SQUIDリングやインプ
ットコイル等に入り込んだ外部磁束をキャンセルする方
法(電子情報通信学会論文誌D−II Vol.J73-D-II, No.
7 PP.1054-1064, 1990年 7月) が採用されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、マルチチャ
ンネルのSQUIDを作製する場合、SQUID素子に
対して超伝導シールドを施すと、被測定磁界を歪ませて
しまうという問題が生じる。 【0007】一方、SQUIDリング等に入り込む外部
磁束をキャンセルする従来の差動型の構成では、被測定
磁界や外部磁界等によりピックアップコイルに流れる誘
導電流に基づく2次磁界が、近接した他のチャンネルの
ピックアップコイルに対して干渉を起こすという問題が
ある。 【0008】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、SQUID素子に超伝導磁気シールドを施す必
要がなく、しかも、マルチチャンネル化しても各ピック
アップコイル間の干渉を生じることのないDC−SQU
ID磁束計の提供を目的としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するための構成を、実施例図面である図1または図2を
参照しつつ説明すると、本発明のDC−SQUID磁束
計は、偶数個の超伝導ループ11a,11bおよび2箇
所のジョセフソン接合部12a,12bが互いに直列ま
たは並列に接続されてなる差動型DC−SQUIDリン
グ1と、その各超伝導ループ11a,11bに対して個
別に磁気的に結合された偶数個のインプットコイル2
a,2bと、その各インプットコイル2a,2bを含め
て全体として1つの超伝導閉ループを形成する1つのピ
ックアップコイル3とを備え、差動型DC−SQUID
リング1を動作させる磁束ロック回路5からのフィード
バック信号は、各インプットコイル2a,2bとピック
アップコイル3で形成される超伝導閉ループに対して、
これと磁気的に結合され、インプットコイル2a,2b
と同数個のフィードバックコイル4a,4bを介して差
動方式で供給されるよう構成されているとともに、各イ
ンプットコイル2a,2bとピックアップコイル3との
間に、インプットコイル2a,2bに直列に、かつ、外
部磁界を打ち消す関係のもとに対称にそれぞれ配置され
た受信用リング22a,22bを備えてなることによっ
て特徴づけられる。 【0010】 【作用】磁束ロック回路5からのフィードバック信号
は、SQUIDリング1に戻されるのではなく、ピック
アップコイル3とインプットコイル2a,2bで形成さ
れる超伝導閉ループに戻される。これにより、ピックア
ップコイル3では、拾った磁界による誘導電流がフィー
ドバック電流によって打ち消され、2次磁界を生じるこ
とがない。 【0011】また、偶数個の超伝導ループ11a,11
bを備えたDC−SQUIDリング1に対して、1つの
ピックアップコイルで拾った磁束を超伝導ループ11
a,11bにそれぞれ個別に同数個だけ設けられたイン
プットコイル2a,2bを介して伝達するとともに、磁
束ロック回路5からのフィードバック信号を、ピックア
ップコイル3および各インプットコイル2a,2bを介
して、上記と同数個のフィードバックコイル4a,4b
によって差動方式で戻し、さらに受信用リング22a,
22bを備えているので、ピックアップコイル3を除い
て、SQUIDリングをはじめとして超伝導回路中で磁
束が侵入する可能性のある部分、すなわち、超伝導ルー
プ11aと11b、インプットコイル2aと2b、およ
びフィードバックコイル4aと4bに入り込む外来磁束
は互いにキャンセルし合い、その影響が除去される。 【0012】 【実施例】図1は本発明実施例の回路構成を示す模式図
である。基板10上に超伝導体薄膜製の2つの超伝導ル
ープ11aと11bが8字形に接続されているととも
に、そのパターン中には2箇所のジョセフソン接合部1
2aと12bが設けられ、これらによって直列式の差動
型DC−SQUIDリング1が形成されている。 【0013】各超伝導ループ11a,11bには、それ
ぞれ超伝導体薄膜製のインプットコイル2a,2bが磁
気的に結合されている。このインプットコイル2a,2
bは実際にはスパイラル状のコイルで、これらはそれぞ
れ各超伝導ループ11a,11bの上または下に、絶縁
層を介して積層形成される。 【0014】各インプットコイル2a,2bは、それぞ
れの一端が互いに接続されているとともに、他端はそれ
ぞれ基板10の表面に形成された超伝導体薄膜製のパッ
ド21aないしは21bに接続されている。そして、こ
のパッド21a,21bには、超伝導線または超伝導体
薄膜を巻回してなるピックアップコイル3の両端が接続
され、このピックアップコイル3および各インプットコ
イル2a,2bによって超伝導閉ループが形成されてい
る。 【0015】インプットコイル2aとパッド21a、お
よびインプットコイル2bとパッド21bの間には、こ
れらの各コイル2aおよび2bと直列に受信用リング2
2aおよび22bが対称に、つまり外部磁界を打ち消す
ような関係のもとに形成されている。そして、この各受
信用リング22aおよび22bには、それぞれフィード
バックコイル4aおよび4bが磁気的に結合されてい
る。このフィードバックコイル4aおよび4bについて
も、実際にはスパイラル状のコイルで、対応するインプ
ットコイル2aおよび2bに対して、その上または下に
それぞれ絶縁層を介して積層形成される。 【0016】磁束ロック回路5は、通常のDC−SQU
ID磁束計と同様にしてSQUIDリング1と接続さ
れ、2つのジョセフソン接合部12a,12bの間にバ
イアス電流Ib が供給されるとともに、その磁束ロック
回路5からのフィードバック信号は上記した各フィード
バックコイル4aおよび4bに供給される。 【0017】以上のような本発明実施例によると、磁束
ロック回路5からのフィードバック信号はピックアップ
コイル3と各インプットコイル2a,2bで形成される
超伝導閉ループに供給され、ピックアップコイル3で磁
束をピックアップすることによって当該コイル3に流れ
る電流はフィードバック電流によって打ち消され、実質
的にピックアップコイル3には誘導電流が流れず、従っ
て、2次磁界を生じない。このことは、図1に示すよう
な磁束計を多数個近接配置してマルチチャンネル化を図
った場合において、各チャンネルのピックアップコイル
3が作る2次磁界による干渉現象が生じないことを意味
する。 【0018】また、DC−SQUIDリング1に2つの
超伝導ループ11a,11bを持たせるとともに、これ
に対して2つのインプットコイル2a,2bを介して1
つのピックアップコイル3による検出磁束を伝達し、ま
た、磁束ロック回路5からのフィードバック信号を2つ
のフィードバックコイル4a,4bで伝達し、更にはそ
のフィードバックコイル4a,4bと磁束トランスとの
結合を、対称形の2つの受信用リング22a,22bに
よって行っているから、ピックアップコイル3を除い
て、SQUIDリングをはじめとして超伝導回路中で磁
束が侵入する可能性のある部分については、そのいずれ
もそれぞれの2つのリングによって侵入磁束が相互にキ
ャンセルされる。 【0019】なお、以上の実施例では、差動型のDC−
SQUIDリング1として8字形の直列式のものを用い
たが、本発明はこれに限定されることなく、並列式の差
動型DC−SQUIDリングを用いることができる。そ
の例を図2に模式図で示す。 【0020】この図2の例が図1の例と相違する点は、
DC−SQUIDリング1として並列式のものを用いた
点のみであり、超伝導回路の他の部分については図1の
例と全く同様であり、従って同一部材については同一の
番号を付してその詳細説明を省略する。 【0021】並列式の差動型DC−SQUIDリング1
は、2つの超伝導ループ11aと11bとが並列に接続
され、その間に2つのジョセフソン接合部12aと12
bが並列接続された構造を採るもので、同様にして2つ
のジョセフソン接合部12aと12bの間に磁束ロック
回路5からのバイアス電流Ib が供給される。 【0022】この例においても、先の例と全く同様にし
て、ピックアップコイル3を除いた他の超伝導回路に侵
入する外来磁束はキャンセルされ、また、ピックアップ
コイル3には誘導電流が流れず、2次磁界を生じること
がない。 【0023】ここで、以上の各実施例では、差動型DC
−SQUIDリングとして2つの超伝導ループを持つも
のについて述べたが、超伝導ループの数は2個に限ら
ず、任意の偶数個とすることができることは勿論であ
る。この場合、その数と同数のインプットコイル、フィ
ードバックコイルおよび受信用リングを設け、先の各例
と同様な接続を施せばよい。 【0024】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
偶数個の超伝導ループを持つ差動型のDC−SQUID
リングに対して、偶数のインプットコイルを磁気的に結
合し、その各インプットコイルを1つのピックアップコ
イルに接続して超伝導閉ループを形成するとともに、そ
の超伝導閉ループに対して偶数個のフィードバックコイ
ルを磁気的に結合して磁束ロック回路からのフィードバ
ック信号を差動方式で供給し、また、受信用リングを備
えた構成としたので、ピックアップコイルを除く部分に
侵入した外来磁束はキャンセルされて影響を及ぼさない
とともに、被測定磁束を拾うことによって、ピックアッ
プコイルに流れる誘導電流がフィードバック電流で打ち
消されることなり、ピックアップコイルから2次磁界が
発生しない。このことから、SQUID素子に対して超
伝導シールドを施すことなく使用することが可能とな
り、被測定磁界を歪ませることなく、しかも、マルチチ
ャンネル化に際しても各チャンネルのピックアップコイ
ル間の干渉も生じない。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 偶数個の超伝導ループおよび2箇所のジョセフソン接合
部が互いに直列または並列に接続されてなる差動型DC
−SQUIDリングと、上記各超伝導ループに対して個
別に磁気的に結合された偶数個のインプットコイルと、
その偶数個のインプットコイルを含めて全体として1つ
の超伝導閉ループを形成する1つのピックアップコイル
とを備え、上記差動型DC−SQUIDリングを動作さ
せる磁束ロック回路からのフィードバック信号は、上記
各インプットコイルとピックアップコイルで形成される
超伝導閉ループに対して、これと磁気的に結合され、上
記インプットコイルと同数個のフィードバックコイルを
介して差動方式で供給されるよう構成されているととも
に、上記各インプットコイルとピックアップコイルとの
間に、インプットコイルに直列に、かつ、外部磁界を打
ち消す関係のもとに対称にそれぞれ配置された受信用リ
ングを備えてなるDC−SQUID磁束計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07373793A JP3206198B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | Dc−squid磁束計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07373793A JP3206198B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | Dc−squid磁束計 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06289109A JPH06289109A (ja) | 1994-10-18 |
JP3206198B2 true JP3206198B2 (ja) | 2001-09-04 |
Family
ID=13526856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07373793A Expired - Fee Related JP3206198B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | Dc−squid磁束計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3206198B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
JP5089048B2 (ja) * | 2006-01-17 | 2012-12-05 | セイコーインスツル株式会社 | 多重信号読み出し回路 |
-
1993
- 1993-03-31 JP JP07373793A patent/JP3206198B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH06289109A (ja) | 1994-10-18 |
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