JP3206165B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JP3206165B2
JP3206165B2 JP35818292A JP35818292A JP3206165B2 JP 3206165 B2 JP3206165 B2 JP 3206165B2 JP 35818292 A JP35818292 A JP 35818292A JP 35818292 A JP35818292 A JP 35818292A JP 3206165 B2 JP3206165 B2 JP 3206165B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光を利用して情報を記
録等することが可能な光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来技術】従来、再生専用の光情報記録媒体として
は、コンパクトディスク(以下、CDという)が広く普
及しており知られている。又、書き換え可能な光情報記
録媒体としては、光照射により結晶状態を可逆的変化、
つまり、非晶質−結晶質間で相転移させ、それに伴って
生じる反射率の変化を利用する相変化型が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光情報記録
媒体に要求される性能としては、消去状態部分の反射率
が65%以上、更に、C/N(キャリヤ信号レベル/ノイ
ズレベル)比が47dB以上の信号強度を有することが必
要である。上記C/N比が大きい程、記録情報の再生段
階での読み取りエラーを少なくできるのである。上記C
/N比を大きくするためには、再生時における光情報記
録媒体の記録膜の記録状態部分と消去状態部分との反射
率の差を大きくすれば良い。ここで、(振幅変調度)=
{(消去状態部分の反射率)−(記録状態部分の反射
率)}/(消去状態部分の反射率)にて表される。即
ち、ノイズレベルが同じであるならば、光情報記録媒体
においてC/N比を改善するには振幅変調度を大きくす
れば良いのである。発明者らは、光情報記録媒体の基板
表面における光反射により記録状態部分の反射率が不必
要に高くなっていることに着目することにより、光情報
記録媒体の振幅変調度を大きくしてC/N比を改善でき
ることを見出したのである。
【0004】本発明は、上記の課題を解決するために成
されたものであり、その目的とするところは、光情報記
録媒体において振幅変調度を大きくしてC/N比を改善
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の発明の構成は、基板上に下層保護膜、記録膜、上層保
護膜を順次形成し、記録膜について、再生のための波長
と記録若しくは消去のための波長の2つの異なる波長を
用いる光情報記録媒体において、前記記録膜が形成され
た側と反対側の前記基板表面上に該基板の屈折率と異な
ると共に互いに屈折率の異なる透明な多層膜から成る反
射防止膜を備え、反射防止膜が記録膜の再生のための波
長と記録若しくは消去のための2つの波長に対し、互い
に屈折率の異なる透明な多層膜から成り、下層保護膜が
記録膜の再生のための波長と記録若しくは消去のための
2つの波長に対し、互いに屈折率の異なる透明な多層膜
から成ることを特徴とする。
【0006】
【作用及び効果】上記の手段によれば、光情報記録媒体
は反射防止膜により照射される光の基板表面における反
射をなくすことができる。これにより、光情報記録媒体
はその基板内にほぼ 100%の光が入射されることとな
る。記録膜の記録状態部分又は消去状態部分では反射率
が異なっており、各部分における反射光量は基板表面か
ら入射する光の増量分も含めた光量にそれぞれの反射率
を乗じたものとなる。ここで、反射防止膜を設けない基
板表面の反射率をr1,反射防止膜を設けた基板表面の反
射率をr2 とし、記録膜の記録状態部分又は消去状態部
分の反射率をRとする。すると、記録膜の記録状態部分
又は消去状態部分の反射率Rの部分において、基板表面
の反射率がr1 からr2 に変化したときの反射率の変化
は近似的に次式にて表される。
【数1】{R(1−r2)+r2}−{R(1−r1)+r1} =−(1−R)(r1−r2) 上式より、記録膜の記録状態部分又は消去状態部分のう
ち反射率Rが低い部分程、反射率のマイナス側への変化
が大きくなることが分かる。このため、本発明の光情報
記録媒体は記録膜の記録状態部分又は消去状態部分のう
ち反射率の高い部分の反射率を低下させることなく記録
膜の記録状態部分又は消去状態部分のうち反射率の低い
部分の反射率を低下できるのである。即ち、本発明の光
情報記録媒体は結果として振幅変調度を大きくできC/
N比が改善されて読み取りエラーが少なくなる。
【0007】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。図1は本発明に係る光情報記録媒体の断面構造
を示した模式図である。光情報記録媒体10は書き換え
可能な光情報記録媒体であり、例えば、円盤状の透明な
ガラス又はプラスチックから成る基板1上に順次、以下
の膜が積層され形成されている。ポリカーボネイト(屈
折率1.58)から成る基板1面のうち、プリグルーブ(光
ピックアップによるトラッキングのための反射率の低い
部分)の形成された面上に、下層保護膜として多層下層
保護膜2を形成した。この多層下層保護膜2は、波長(
再生波長780nm,記録消去波長830nm)の異なる2つの光に
対して透明で隣同士で屈折率の異なる4層を積層した。
上記多層下層保護膜2は、TiO2(屈折率2.5)から成る
下層保護膜(I) 2aを厚さ80nm、SiO2(屈折率1.46)
から成る下層保護膜(II)2bを厚さ 110nm、TiO2から
成る下層保護膜(III) 2cを厚さ 260nmにてそれぞれ成
膜した。これらの膜はスパッタリング法又は真空蒸着法
(抵抗加熱法、電子ビーム法、イオンプレーティング
法)により成膜した。これらの材料ソースであるターゲ
ットにはそれぞれTiO2,SiO2を用いた。尚、TiO2
はTi を酸素雰囲気中で蒸着し反応させて成膜しても良
い。更に、ZnS-SiO2(屈折率2.0)から成る下層保護
膜(IV)2dを厚さ 250nmにて成膜した。この膜も同じく
スパッタリング法又は真空蒸着法により成膜するが、材
料ソースであるターゲットにはZnS とSiO2とを混合
焼結したものを用いた。
【0008】次に、GeSbTe から成る記録膜3を厚さ
50nmにて成膜した。この膜もスパッタリング法又は真空
蒸着法により成膜し、材料ソースであるターゲットに
は、Ge,Sb,Te を適当に混合焼結したもの(GeSb2
Te4,Ge2Sb2Te5等)を用いた。上記記録膜3上に、
ZnS-SiO2から成る上層保護膜4を厚さ 200nmにて成
膜した。この膜の成膜方法は、下層保護膜(IV)2dと同
じとした。更に、Au から成る反射膜5を厚さ 100nmに
て成膜した。この膜は、スパッタリング法又は真空蒸着
法にて成膜した。
【0009】一方、基板1面のプリグルーブのない面側
に反射防止膜として多層反射防止膜6を形成した。この
多層反射防止膜6は波長( 再生波長780nm,記録消去波長
830nm)の異なる2つの光に対して透明で屈折率の異なる
2層を積層した。上記多層反射防止膜6は、TiO2(屈
折率2.5)から成る反射防止膜(I) 6aを厚さ20nm、Mg
2(屈折率1.38)から成る反射防止膜(II)6bを厚さ
180nmにてそれぞれ成膜した。これらの膜はスパッタリ
ング法又は真空蒸着法(抵抗加熱法、電子ビーム法、イ
オンプレーティング法)により成膜し、材料ソースであ
るターゲットにはそれぞれTiO2,MgF2を用いた。
尚、TiO2はTi を酸素雰囲気中で蒸着し反応させて成
膜しても良い。
【0010】反射防止膜としてコーティングする膜は、
上述したような光情報記録媒体10では、基板側ではそ
の屈折率と異なると共に互いに屈折率の異なる透明な多
層膜又は基板の屈折率と異なる透明な単層膜でも良い。
反射防止膜の材料としては透明性が高く高融点であるM
g,Ca,Sr,Y,La,Ce,Ho,Er,Yb,Ti,Zr,Hf,V,
Nb,Ta,Zn,Al,Si,Ge,Pb などの酸化物、硫化物、
窒化物やCa,Mg,Li などのフッ化物を用いることがで
きる。尚、上述の光情報記録媒体10の反射膜5上に樹
脂等のオーバコートを施したり、その上に保護板又はも
う1つの同様の光情報記録媒体を接着剤などで張り合わ
せても良い。
【0011】図2は、上述の実施例と同様のポリカーボ
ネイト(屈折率1.58)から成る基板面に同様の多層反射
防止膜を施したときの照射される光の波長(nm)に対する
基板表面の反射率(%)の依存性のシミュレーション結果
を示した特性図である。ここで、ポリカーボネイトから
成る基板の反射防止膜を施さない表面の反射率は約5%
である。図より、光の波長が 780nm(再生波長)で0.03
%、 830nm(記録消去波長)で0.1%と反射率が低くな
っていることが分かる。即ち、これらの波長での反射率
は0%と見なして良いと言える。
【0012】図3は、図1の構造から成る反射防止膜を
施した光情報記録媒体(本発明品:実線にて表示)にお
ける記録状態部分(非晶質部分)と消去状態部分(結晶
質部分)との光の波長(nm)に対する反射率(%)の依存性
のシミュレーション結果を示した特性図である。尚、光
情報記録媒体10における再生のための光の波長は 780
nmであり、記録・消去のための光の波長は 830nmであ
る。又、比較のため、基板表面に反射防止膜を施さない
構造から成る光情報記録媒体の特性を破線にて示した。
反射防止膜を施した光情報記録媒体(本発明品)におい
て、再生波長 780nmでは、消去状態部分の反射率が70%
程度で反射防止膜を施さないものから殆ど変化していな
い。一方、記録状態部分の反射率は35%から31%と低下
している。即ち、前述の振幅変調度は50%から56%へと
大きくできることが分かる。更に、記録・消去波長 830
nmでは消去状態部分及び記録状態部分の反射率が共に34
%から30%へと小さくでき、光吸収率を4%増加させる
ことができる。即ち、図1の構造から成る光情報記録媒
体10は、反射防止膜が施されていることにより再生波
長では当初の目的であるC/N比が改善されると共に記
録消去波長では光吸収率が大きくなることから、記録・
消去のための光パワーを小さくすることができるという
更成る効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な一実施例に係る光情報記録媒
体の断面構造を示した模式図である。
【図2】基板面に実施例と同様の多層反射防止膜を施し
たときの照射される光の波長(nm)に対する基板表面の反
射率(%)の依存性のシミュレーション結果を示した特性
図である。
【図3】同実施例の光情報記録媒体における記録状態部
分(非晶質部分)と消去状態部分(結晶質部分)との光
の波長(nm)に対する反射率(%)の依存性のシミュレーシ
ョン結果を示した特性図である。
【符号の説明】
1…基板 2…多層下層保護膜 3…記録膜 4…上層保護膜 5…反射膜 6…多層反射防止膜 6a…反射防止膜(I) 6b…反射防止膜(II) 10…光情報記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に下層保護膜、記録膜、上層保護
    膜を順次形成し、前記記録膜について、再生のための波
    長と記録若しくは消去のための波長の2つの異なる波長
    を用いる光情報記録媒体において、 前記記録膜が形成された側と反対側の前記基板表面上に
    該基板の屈折率と異なると共に互いに屈折率の異なる透
    明な多層膜から成る反射防止膜を備え、 前記反射防止膜は、前記記録膜の再生のための波長と、
    記録若しくは消去のための2つの波長に対し、互いに屈
    折率の異なる透明な多層膜から成り、 前記下層保護膜は、前記記録膜の再生のための波長と、
    記録若しくは消去のための2つの波長に対し、互いに屈
    折率の異なる透明な多層膜から成る ことを特徴とする光
    情報記録媒体。
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JP2003208733A (ja) * 2001-11-08 2003-07-25 Konica Corp 光記録媒体及び情報の記録読み出し方法
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