JP3206035U - チップソー - Google Patents

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Abstract

【課題】長寿命化、切削能力の向上、切削箇所の美感の向上を図ることができるチップソーを提供する。【解決手段】チップソー1aは、略円盤状の工具本体11と、工具本体の外周の複数の箇所に取り付けられているチップ12aとを有し、全てのチップ12aは、超硬合金からなるチップ本体126と、チップ本体の表面に設けられているダイヤモンドの焼結材127とを有し、全てのチップ12aの刃先は、回転方向Rの前面視において、刃厚中心が尖るとともに刃厚中心の両側は刃厚中心線に対して傾斜する先細り形状を有しており、刃厚中心線に関して線対称の形状である。【選択図】図2

Description

本考案は、回転により切削を行うチップソーに関する。特には、サイディングボードなどの切削に好適で、略円盤状の工具本体の外周の複数の箇所にチップが取り付けられたチップソーに関する。
回転により切削を行うチップソーは、一般的に、円盤状の工具本体(台金とも称する)と、その外周の複数の箇所に取り付けられたチップとを有する。特許文献1には、平刃状の刃部を有する超硬チップが取付けられたチップソーと、右側に傾斜した刃部を有する超硬チップと左側に傾斜した刃部を有する超硬チップとが組み合わせて配設されたチップソーとが開示されている。
しかしながら、平刃状の刃部を有する超硬チップが取り付けられたチップソーや、形状が異なる超硬チップを組み合わせて配設されたチップソーでは、切削能力が低いほか、切削により超硬チップが摩耗しやすく寿命が短い。また、このようなチップソーによってサイディングボードを切断すると、切削箇所に欠けが生じやすく、切断箇所の美観を損ねることがあった。
特開平8−25137号公報
上記実情に鑑み、本考案が解決しようとする課題は、長寿命化を図ることができるとともに、切削能力の向上と切削箇所の美感の向上を図ることができるチップソーを提供することである。
前記課題を解決するため、本考案は、
回転により切削を行うチップソーであって、
略円盤状の工具本体と、前記工具本体の外周の複数の箇所に取り付けられているチップと、を有し、
全ての前記チップは、超硬合金からなるチップ本体と、前記チップ本体の表面に設けられているダイヤモンドの焼結材と、を有し、
全ての前記チップの刃先は、回転方向の前面視において、刃厚中心に位置し前記回転の半径方向外側に突出するように尖った頂部と、前記頂部の刃厚方向の両側に位置し刃厚中心線に対して傾斜する2つの傾斜部と、を有し、前記刃厚中心線に関して線対称の形状であることを特徴とする。
また、本考案は、
回転により切削を行うチップソーであって、
略円盤状の工具本体と、前記工具本体の外周の複数の箇所に取り付けられているチップと、を有し、
全ての前記チップは、超硬合金からなるチップ本体と、前記チップ本体の表面に設けられているダイヤモンドの焼結材と、を有し、
全ての前記チップの刃先は、回転方向の前面視において、刃厚中心に位置し刃厚中心線に対して直角な直線状の平坦部と、前記平坦部の刃厚方向の両側に位置し前記刃厚中心線に対して傾斜する傾斜部とを有し、前記刃厚中心線に対して線対称の形状であることを特徴とする。
回転方向の前面視において、前記2つの傾斜部どうしがなす角度は、90〜120°である構成が適用できる。
本考案によれば、長寿命化を図ることができるとともに、切削能力の向上と切削箇所の美感の向上を図ることができる。
図1は、本考案の第1の実施形態に係るチップソー1aの構成例を模式的に示す図である。 図2は、図1のII部拡大図であり、チップソー1aのチップ12aの構成例を模式的に示す図である。 図3は、チップ12aの構成例を模式的に示す図2のIII矢視図であり、チップ12aのすくい面121の回転方向Rの前面視の図である。 図4は、第2の実施形態に係るチップソー1bのチップ12bの構成例を模式的に示す図であり、第1の実施形態の図3に対応する図である。
以下に、本考案の各実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本考案の各実施形態に係るチップソー(ダイヤモンドソー)は、サイディングボードなどの被加工材の切削などに使用される工具である。各図において、矢印Rはチップソーの回転方向を示す。
<第1の実施形態>
図1は、本考案の第1の実施形態に係るチップソー1aの構成例を模式的に示す図である。図2は、図1のII部拡大図であり、チップソー1aのチップ12aの構成例を模式的に示す図である。図3は、チップ12aの構成例を模式的に示す図2のIII矢視図であり、チップ12aのすくい面121の回転方向Rの前面視の図である。
図1に示すように、チップソー1aは、略円盤状の工具本体11(「台金」とも称する)と、工具本体11の外周の円周方向に等間隔な複数の箇所に取り付けられた複数のチップ12aとを有する。図1では、チップ12aが工具本体11の外周の10箇所に取り付けられた構成を示す。ただし、チップソー1aが有するチップ12aの数は、10個に限定されるものではない。
工具本体11は鋼系材料からなり、図1に示すように略円盤状の構成を有している。工具本体11の寸法は特に限定されないが、例えば、外径が85〜305mm程度である。工具本体11の中心部には、チップソー1aをチップソーカッターなどの工具の回転軸に締結するための貫通孔である取付孔111が形成されている。工具本体11の外周の複数の箇所には、回転中心線の方向視で略半円形状や略U形状の凹部であるチップポケット112が、円周方向に等間隔に並ぶように設けられている。
それぞれのチップポケット112には、回転方向Rの前側を向く面の外周近傍に、チップ12aを取り付けるための凹部113が設けられている。そして、複数のチップ12aのそれぞれは、複数のチップポケット112のそれぞれの凹部113に、ロウ付けなどによって取り付けられている。
チップ12aは、超硬合金からなるチップ本体126と、このチップ本体126の回転方向Rの前側の表面に設けられている多結晶ダイヤモンドの焼結材127とからなる。例えば、チップ12aは、チップ本体126の表面に板状の多結晶ダイヤモンドの焼結材127を圧着することによって製造される。なお、チップ本体126の材質は特に限定されるものではなく、公知のチップソーのチップのチップ本体と同じ材質が適用できる。また、多結晶ダイヤモンドの焼結材127をチップ本体126に接合する方法も、従来公知の各種方法が適用できる。
次に、チップ12aの構成について説明する。チップ12aは、回転方向Rの前側に設けられるすくい面121と、回転の半径方向の外側に設けられる先端逃げ面122とを有する。図3に示すように、回転方向Rの前面視において、チップ12aの刃先(先端逃げ面122)には、回転の半径方向外側に向かって突出するように尖った頂部123が設けられ、この頂部123の両側には刃厚中心線Tに対して所定の角度で傾斜する部分である傾斜部125aが設けられる。換言すると、チップ12aの先端逃げ面122は、2つの傾斜部125aとそれらの間の頂部123とからなる。そして、頂部123は刃厚中心線T上に位置するように設けられており、その両側の2つの傾斜部125aは刃厚中心線Tに関して線対称である。このように、チップ12aの半径方向の外周側(刃先)は、全体として刃厚中心線Tに関して線対称であり、例えば刃厚中心線Tに関して対称な二等辺三角形状の形状を有する。
なお、回転方向Rの前面視において、2つの傾斜部125aのなす角度αは、90〜120°の範囲であることが好ましく、略90°であることがより好ましい。なお、図3においては、2つの傾斜部125aがなす角度αが90°である例を示す。また、チップ12aの刃厚寸法Bは1.5mm程度が適用でき、チップ12aの半径方向寸法H(高さ)は、3〜5mm程度が適用できる。ただし、これらの数値は例示であり、本考案のチップ12aの各部の寸法は前述の寸法に限定されない。
なお、本実施形態では、全てのチップ12aが前記構成を有する。すなわち、複数の全てのチップ12aは、表面に多結晶ダイヤモンドの焼結材127が設けられたダイヤモンドチップである。そして、全てのチップ12aのすくい面121の半径方向の外周側(刃先)は、回転方向Rの前面視において、刃厚方向の中心が尖りその両側が傾斜する先細り形状であり、全体として刃厚中心線Tに対して線対称の形状である。
このような構成によれば、従来の、半径方向の外周側(刃先)が平坦の平刃を有するチップソーや、左右非対称の形状のチップが円周方向に交互に配列されるチップソーに比較して、チップソー1aの長寿命化を図ることができる。特に、前記のような従来のチップソーに比較して、3〜5倍程度の長寿命化を図ることができる。また、このような構成によれば、従来のチップソーに比較して切削能力を高くすることができ、かつ、切削箇所の欠けを抑制して美感の向上を図ることができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。図4は、第2の実施形態に係るチップソー1bのチップ12bの構成例を模式的に示す図であり、第1の実施形態の図3に対応する図である。なお、第1の実施形態と共通する構成には第1の実施形態と同じ符号を付し、説明を省略する。
図4に示すように、チップ12bの半径方向の外周側(刃先)は、回転方向Rの前面視において、刃厚中心線Tに対して直角な直線状の平坦部124と、刃厚中心線Tに対して傾斜しており頂部123の左右両側に設けられる傾斜部125bとを有する。換言すると、先端逃げ面122は、刃厚方向の中央部に設けられる直線状の平坦部124と、その両側に設けられる2つの傾斜部125bとからなる。そして、チップ12bの半径方向の外周側は、刃厚中心線Tに関して線対称の形状であり、例えば、刃厚中心線Tに関して左右対称な台形状の形状である。
図4中の破線Sは、2つの傾斜部125bの延長線を示し、点Pはそれらの延長線Sの交点を示す。2つの傾斜部125b(斜辺)の延長線Sの交点Pと平坦部124との距離Gは、例えば0.5mm以下であることが好ましい。ただし、この距離Gは特に限定されるものではない。
また、第1の実施形態と同様に、2つの傾斜部125bがなす角度αは、90〜120°の範囲であることが好ましく、略90°であることがより好ましい。また、チップ12bの半径方向寸法Hは、距離Gを加算した場合に2.5〜5.0mmとなる寸法が適用できる。
なお、第2の実施形態も、第1の実施形態と同様に、複数の全てのチップ12bが前記構成を有する。すなわち、全てのチップ12bは、表面に多結晶ダイヤモンドの焼結材127が設けられたダイヤモンドチップである。そして、全てのチップ12bのすくい面121の半径方向の外周側(刃先)には、回転方向Rの前面視において、刃厚方向の中心部に刃厚中心線Tに対して直角な直線状の平坦部124が設けられ、平坦部124の両側に傾斜部125bが設けられ、全体として刃厚中心線Tに対して線対称の形状である。
このような構成であっても、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上、本考案の各実施形態について図面を参照して詳細に説明したが、前記実施形態は、本考案の実施にあたっての具体例を示したに過ぎない。本考案の技術的範囲は、前記各実施形態に限定されるものではない。本考案は、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であり、それらも本考案の技術的範囲に含まれる。
本考案はチップソーに有効な技術である。そして、本考案によれば、長寿命化を図ることができるとともに、切削能力の向上と切削箇所の美感の向上を図ることができる。
1a,1b:チップソー
11:工具本体
111:取付孔
112:チップポケット
113:凹部
12a,12b:チップ
121:すくい面
122:先端逃げ面
123:頂部
124:平坦部
125a,125b:傾斜部
126:チップ本体
127:ダイヤモンドの焼結材
α:2つの傾斜部のなす角度
T:刃厚中心線
S:傾斜部の仮想的な延長線
P:傾斜部の仮想的な延長線どうしの交点
G:平坦部から傾斜部の延長線どうしの交点までの距離
B:刃厚寸法
H:チップの半径方向寸法

Claims (3)

  1. 回転により切削を行うチップソーであって、
    略円盤状の工具本体と、前記工具本体の外周の複数の箇所に取り付けられているチップと、を有し、
    全ての前記チップは、超硬合金からなるチップ本体と、前記チップ本体の表面に設けられているダイヤモンドの焼結材と、を有し、
    全ての前記チップの刃先は、回転方向の前面視において、刃厚中心に位置し前記回転の半径方向外側に突出するように尖った頂部と、前記頂部の刃厚方向の両側に位置し刃厚中心線に対して傾斜する2つの傾斜部と、を有し、前記刃厚中心線に関して線対称の形状であることを特徴とするチップソー。
  2. 回転により切削を行うチップソーであって、
    略円盤状の工具本体と、前記工具本体の外周の複数の箇所に取り付けられているチップと、を有し、
    全ての前記チップは、超硬合金からなるチップ本体と、前記チップ本体の表面に設けられているダイヤモンドの焼結材と、を有し、
    全ての前記チップの刃先は、回転方向の前面視において、刃厚中心に位置し刃厚中心線に対して直角な直線状の平坦部と、前記平坦部の刃厚方向の両側に位置し前記刃厚中心線に対して傾斜する傾斜部とを有し、前記刃厚中心線に対して線対称の形状であることを特徴とするチップソー。
  3. 回転方向の前面視において、前記2つの傾斜部どうしがなす角度は、90〜120°であることを特徴とする請求項1または2に記載のチップソー。
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