JP3205896B2 - 種子の発芽改善方法 - Google Patents

種子の発芽改善方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種蒔き前に種子を
水和処理することにより発芽を改善する方法に関する。
さらに詳しくは、播種後の種子の迅速且つ斉一な発芽や
不良環境下での発芽率の改善などを目的とし、播種前の
種子に施す種子水和処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】種子は、播種後、水分・温度・酸素・光
等の環境条件が適当な状態に揃った場合、一定の期間を
経て発芽に至る。
【0003】この播種から発芽に至るまでの発芽準備期
間に、種子内部では様々な代謝が行なわれている。その
期間の長さは、種子個々の登熟度や作物の種類によっ
て、また温度や水分等の環境要因によって異なる。この
発芽準備期間を短縮し、迅速且つ斉一な発芽をもたらす
ことにより、栽培期間の短縮や発芽後の栽培管理が容易
となり、大規模な営利栽培においては生産コストの削減
や省力化などの利点が得られる。
【0004】このような目的で播種前の種子に施される
水和処理として、従来よりホーレンソウ栽培において
は、種子を井戸水に1日浸漬してから播種する(催芽処
理)等の方法が慣行されている。近年では、プライミン
グ、オスモコンディショニングあるいはマトリコンディ
ショニングなどの種子水和処理技術が開発されており、
発芽の迅速化や不良環境下での発芽率改善などの効果が
あることが確認されている。
【0005】プライミング等の種子水和処理技術の原理
は、種蒔き前の種子に給水し、種子の活力を増進するに
は充分であるが種子発芽をおこさせるには不充分な時間
と温度で種子を処理することにより、播種後の発芽を早
めることにある。現在、様々な種子水和処理技術の研究
・開発の報告がなされているが、その中で主なものとし
て、以下の4方法が挙げられる。
【0006】プライミング(Priming) 1974年にハイデッカー(W. Heydecker)らが開発した技
術で、水溶性ポリマー(ポリエチレングリコール、ソジ
ウム・ポリプロペネイト(Sodium Polypropenate)など)
水溶液もしくは塩類水溶液を媒体として、浸透圧によっ
て種子への水分供給を制御する方法である。(W. Heyde
cker, J. Higgins and R. L. Gulliver,1973, Nature(L
ondon) 246:42-44 )(W. Heydecker, 1974, Univ. Not
tinghamsch. Agr. Rep. 1973/1974: 50-67)(Zuo Wein
eng et al.,1987, Chinese Science Bulletin 32: 143
8)ドラム・プライミング(Drum Priming) 1987年にローズ(H. R. Rowse )らが開発した技術で、
媒体を使用せず、回転するドラム内で噴霧状に水分を与
え、種子への水分供給を直接重量制御する方法である。
(英国特許 2192781)ソリッド・マトリクス・プライミング(Solid Matrix
Priming) 1988年にテイラー(A. G. Taylor)らが開発した技術
で、レオナルダイト頁岩(leonardite shale)粉末資材
(アグロ・リグ、Agro-Lig)を媒体として、種子への水
分供給を制御する方法である。(A. G. Taylor, D. E.
Klein and T. H.Whitlow, 1988, Scientia Horticultur
ae 37(1988)1-11)(米国特許 4912874/ヨーロッパ特
許 0309551B1/特許出願公表 平1-503437)マトリコンディショニング(Matriconditioning) 1990年にカーン(A. A. Khan)らが開発した技術で、水
に不溶性な多孔質素材(Micro-Cel E, Zonolite) を媒体
として、種子への水分供給を制御する方法である。(A.
A. Khan, H.Miura, J.Prusinski and S.Ilyas, Procee
dings of the Symposium on Stand Establishment of H
orticultural Crops / Minneapolis, Minnesota, April
4-6, 1990) 上記4つの方法は、いずれも播種前の種子に対して施す
種子水和処理方法であり、種子へ供給する水分を制御す
ることによって、発芽準備期間に種子内部で行なわれる
様々な代謝のみを播種前に人為的に完了させてしまう点
が共通する。
【0007】それらの差異は、水分制御の方法原理にあ
る。においては液体を媒体として使用し、液体の有す
る浸透圧(Osmotic Potential) によって種子への水分供
給の制御を行なっている。においては媒体を使用せ
ず、直接重量で水分制御を行なっている。、におい
ては水に不溶性の固体媒体を使用し、浸透圧用材料(os
moticum )および/または毛管力(Matric Potential)に
よって水分の制御を行なっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法は、いず
れも発芽改善には同等の効果が認められるが、それぞれ
次のような欠点を有している。
【0009】のプライミング法は、使用するポリエチ
レングリコール溶液などの粘度が高く、且つその液は酸
素の溶解度が低く、さらに処理後の種子の乾燥に時間が
かかるなど、工業的な大量処理には無理がある。
【0010】のドラムプライミング法は、単純明快な
方法であるが、実際に水量のコントロールを行なうには
精密な機械制御が必要となり、機械設備や操作が実質的
には複雑化するため実施困難である。
【0011】水不溶性の固体媒体の持つ毛管力などを利
用するおよびの方法は、簡単な設備で処理が行な
え、酸素供給の問題も解決している。しかし、粉末状の
固体媒体が種子に付着して残り、確実な篩い分けが難し
いといった問題がある。このように処理後の種子に固体
媒体の微粉が付着して残留することは、製品である種子
の包装や流通の場面でダストを発生し、また種子の商品
価値を著しく損なうことにつながる。
【0012】本発明の課題は、種子に固体媒体の微粉が
付着・残留することなく、水和処理後の種子の乾燥も容
易な種子の発芽改善方法を提供する処にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、より優れ
た種子の水和処理技術を検討した結果、無機ハイドロゲ
ルを用いることにより、上述の課題が解決され、発芽の
改善はもとより、工業化しやすく、自然環境の汚染に無
縁かつ人体に安全な種子水和処理技術を見出し、本発明
を完成した。
【0014】すなわち本発明は、無機ハイドロゲルに種
子を加え、開放系で、種子の活力を増進するには充分で
あるが発芽をおこさせるには不充分な時間と温度で、種
子を水和処理する種子の発芽改善方法である。
【0015】本発明においては、種子に水分を供与する
媒体として無機ハイドロゲルを使用し、そのハイドロゲ
ルが保持する水を種子に吸水せしめる。
【0016】本発明の発芽改善方法は、上述した従来の
水和処理とは、種子の吸水の原理が本質的に相違するも
のである。すなわち、従来法では、種子と浸透圧用材料
および/または毛管力を有する媒体との混合物に水を加
え、この媒体が種子への吸水を制御するものであるた
め、種子が直接液状の水と接触するのに対し、本発明の
方法では、無機ハイドロゲルが水素結合を主体に化学結
合している水を蒸気又は分子状で放出するものと推論さ
れ、この蒸気又は分子状の水を種子が吸水するため、種
子が直接液状の水と接触することがなく、よって種子が
外観上濡れることがないなど、両者は本質的に吸水原理
が異なる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施に関連する事
項について詳細に説明する。
【0018】無機ハイドロゲルは、金属の無機又は有機
化合物の水溶液を用いて該化合物の加水分解及び/又は
重合により金属酸化物の粒子を含むゾルを得て、そのゲ
ル化により前記粒子の隙間に細孔を形成させた多孔質体
であって、水を保持している。
【0019】この無機ハイドロゲルが保持している水の
量[保水率(重量%)=(無機ハイドロゲルが保持して
いる水の重量/無機ハイドロゲルの乾燥重量)×10
0]は、その乾燥重量に対して100〜500重量%で
あることが好ましい。より好ましくは300〜500重
量%である。また、無機ハイドロゲルの形態は、粉末状
及び粒状いずれでもよいが、吸水しても相互付着が少な
く適度な流動性を有する点より球状のものが好ましい。
そして、その粒径は、特に限定されるものではないが、
乾燥状態で10μm〜3mmが好ましく、処理する種子
にもよるが汎用性のあるのは50〜500μmである。
【0020】この無機ハイドロゲルにはアルミナなども
あるが、代表的なものはシリカハイドロゲルである。以
下、シリカハイドロゲルについて説明する。
【0021】シリカハイドロゲルは、水ガラスやケイ酸
ナトリウム、ケイ酸のアルコラートの加水分解物等より
得られるケイ酸モノマーを重縮合することにより、シリ
カハイドロゾルを生成し、それを凝集させてゲル化させ
ることにより得られる。
【0022】シリカハイドロゲルの製造方法の詳細につ
いては、R.K.IlerのThe Chemistryof Silica(John Wile
y & Sons,1978) に記載されている。シリカハイドロゲ
ルを脱水すると、市販されている吸湿、脱水剤のシリカ
ゲルを得ることができる。すなわち、シリカハイドロゲ
ルは、水を含んだ未脱水のシリカゲルを精製して得たも
のである。
【0023】このようにして得られるシリカハイドロゲ
ルの母体になるシリカゲルの基本的な性状は次のとおり
である。
【0024】1.表面がシラノール基(水酸基をもつ)
で覆われた多孔質体である。 2.前記シラノール基が水を水素結合あるいはファンデ
ルワールス力で結合する。 3.多孔質体部分は毛管凝集力でも水を保持する。 4.他の基本的性状は次のとおりである。 pH 6〜9 表面積 200〜800m/g 細孔径 2〜20nm 細孔容積 0.3〜0.9ml/g 本発明で用いるシリカハイドロゲルは、上記性状のシリ
カゲルに当該シリカゲル重量の100〜500重量%の
水分を保持させたものが好ましく、より好ましくは30
0〜500重量%の水分を保持させたものである。そし
て、その形態としては、上記したように球状のものが好
ましい。また、その粒径は、乾燥状態、即ちシリカゲル
の状態で10μm〜3mmが好ましく、汎用性のあるの
は50〜500μmである。
【0025】本発明でいう開放系とは、密閉状態ではな
く、通気されていることを意味している。
【0026】すなわち、水和処理中に被処理種子(処理
対象種子)が時折あるいは連続的に空気などの酸素含有
気体と接触することが必要である。そのため、例えば、
無機ハイドロゲルと種子とを入れた処理容器を間欠的も
しくは連続的に回転させたり、無機ハイドロゲルと種子
とを間欠的もしくは連続的に撹拌させたり、あるいは、
エアポンプなどの給気手段を用いて酸素含有気体を間欠
的もしくは連続的に種子と無機ハイドロゲルとに供給す
るなどして、種子を酸素含有気体に接触させる。
【0027】本発明の一般的な実施方法は次のとおりで
ある。
【0028】乾燥重量の1〜5倍の水を保持した無機ハ
イドロゲルを用意する。保持させる水の量は被処理種子
により異なる。次いで、種子100重量部に対して通常
50〜1,000重量部の無機ハイドロゲルを加え混合
する。好ましくは、種子100重量部に対して100〜
500重量部の無機ハイドロゲルを用いる。
【0029】その後、この混合物を10〜30℃程度の
温度下(通常は被処理種子の発芽適温)で、数時間〜2
週間の一定期間(種子内部で行なわれる代謝活動が進行
するのに要する時間。通常は被処理種子の播種から発芽
に至るまでに要する時間±α)保持する。保持期間の
間、上記したように何らかの方法で通気させる。
【0030】保持期間経過後、適切な目の篩で無機ハイ
ドロゲルと種子を分離する。無機ハイドロゲルは全く種
子に付着しないので、種子を傷めることなく容易に分離
できる。
【0031】分離後の種子はすぐ播種する場合を除き乾
燥させる。水和処理後の種子は、本来耐久体である種子
が吸水によって活発な生命活動を開始しているため、加
熱乾燥によるダメージを受けやすくなっている。そのた
め、種子を保存後使用するためには、乾燥はできるだけ
低温(60℃以下、常温)で行なうのが望ましい。好ま
しくは、篩分けによる分離後、直ちに、水和処理された
種子を、60℃以下の温度で送風乾燥することである。
【0032】なお、本発明に用いられる種子は、タマネ
ギ、人参などの野菜種子、トルコギキョウ、パンジーな
どの草花種子など大小どんな種子でもよい。
【0033】また、水和処理前後に殺菌剤などで種子を
処理してもよく、水和処理後にフィルムコーティングや
造粒コーティングしてその種子表面にコーティング層を
形成させることも可能である。
【0034】以上説明した本発明の従来技術に比べての
最大の利点は次のとおりである。
【0035】1)水和処理の終了時には、種子同士の付
着も種子と無機ハイドロゲルとの付着も全くないので、
適当なメッシュの篩を用いて種子と処理媒体である無機
ハイドロゲルとを簡単に分離することができる。
【0036】2)分離した種子は洗浄することなく直ち
に乾燥できる。しかも外観上、表面に付着水は見られ
ず、従来技術の処理に比べ低温で短時間に乾燥すること
ができる。
【0037】3)無機ハイドロゲルを用いるため、廃棄
による自然環境の汚染がなく、人体にも安全である。
【0038】4)特に、無機ハイドロゲルとしてシリカ
ハイドロゲルを用いた場合、その母体が前述したように
市販のシリカゲルと同一であること、シリカゲルが地球
の土壌成分の60%を占めている酸化珪素の重合体であ
ること、シリカゲルが食品加工に多用されているほどの
物質であることなどから、入手容易性、環境への非汚染
性及び安全性により優れる。
【0039】
【実施例】次に本発明の実施例を説明するが、本発明は
これらに限定されるものではない。
【0040】実施例1 (シリカハイドロゲル量と発芽
速度との関係) 通気用の小穴を備えた密閉可能な容器(500ml容)
に、タマネギ50gを入れ、シリカハイドロゲルを表2
に示した量加え、通気できる状態で容器を回転させるこ
とにより種子とシリカハイドロゲルとを混合させて水和
処理を行なった。用いたシリカハイドロゲルの性状を表
1に示す。
【0041】
【表1】 水和処理は、20℃の室内で、シリカハイドロゲルの量
によって表2に示すように処理期間を変えて行なった。
水和処理終了後、直ちにシリカハイドロゲルと種子を、
1.5mmのメッシュの篩で分離した。シリカハイドロ
ゲルが全く種子に付着していなかったため、分離は容易
であった。分離後、種子を常温で送風乾燥した。
【0042】水和処理した種子と未処理の種子に対して
発芽試験を行なった。発芽試験は、発芽温度15℃とし
て、シャーレに置床して行なった(各種子につき、10
0粒×4シャーレ)。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】 水和処理した種子は、いずれも未処理の種子に比べ発芽
揃いがよく発芽速度も早かった。表2に示されているよ
うに、表1のシリカハイドロゲルの場合、種子とシリカ
ハイドロゲルの比率(重量比)は、1:1.5(表中
「50/75」)が最適であった。
【0044】実施例2 (各種種子の水和処理) 人参、トマト及びセルリーの各種子に対して、種子の使
用量を50g、シリカハイドロゲルの使用量を75g、
及び水和処理期間を4日間と一定にして、実施例1と同
様に水和処理、篩分け、乾燥を行なった。そして、水和
処理した種子および未処理の種子につき、発芽温度を2
0℃として、他は実施例1と同様にして発芽試験を行な
った。結果を表3に示す。
【0045】
【表3】 いずれの種子も、水和処理したものは発芽揃いがよく、
発芽速度も著しく改善された。
【0046】実施例3 (パンジーの水和処理) パンジーの種子は直接液状の水に触れると、種子からゲ
ル状の物質が出てくる。そのため、従来の水和処理で
は、この出てきたゲル状物質を処理後拭き取る等の処理
を要する。本発明の無機ハイドロゲルを用いる方法で
は、種子が直接液状の水に触れることがないので、該ゲ
ル状物質が生じることがなく、よって、パンジーの種子
についても、このようなゲル状物質を出さない種子と同
様に水和処理できる。このことを確かめるために、以下
の実験を行なった。
【0047】すなわち、パンジーの種子10gに対し、
保水率200重量%のシリカハイドロゲル(保水率以外
は表1のシリカハイドロゲルと同一の性状のもの)70
gを用いて、実施例1と同様にして、5日間水和処理し
た。この水和処理中に、上記したようなゲル状物質の発
生は全く見られなかった。
【0048】水和処理後、実施例1と同様に、篩分けし
乾燥して、発芽温度20℃で発芽試験を行なった。結果
を表4に示す。
【0049】
【表4】 表4に示すように、未処理の種子に比べて、発芽揃いが
よくかつ発芽速度の著しい改善が見られた。
【0050】実施例4 (トルコギキョウの水和処理) トルコギキョウは種子の種類によって粒径が異なる。本
実施例では250μmより大きい種子を使用した。シリ
カハイドロゲルは、150μmの篩を通過する保水率3
50重量%のもの(表1のシリカハイドロゲルを篩分け
したもの)を用いた。水和処理の方法は、種子10g及
びシリカハイドロゲル30gを使用し、処理期間5日間
として、他は実施例1と同様にして行った。水和処理
後、200μmの篩を用いて、簡単に水和処理した種子
を篩分けすることができた。処理した種子を乾燥した
後、発芽温度20℃とし、他は実施例1と同様にして発
芽試験を行なった。結果を表5に示す。
【0051】
【表5】 未処理の種子に比べて、発芽揃いがよく発芽速度も改善
された。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、水和処理の固体媒体と
して無機ハイドロゲルを用いているので、該媒体が種子
に付着・残留することがなく、そのため、水和処理後
に、容易に篩分けでき、またその後の乾燥も低温かつ短
時間に行える。よって、種子を傷めることなく、素早く
均一に発芽する改善された種子を、安価に工業的に製造
することができる。また、無機ハイドロゲルを用いるの
で、環境汚染の心配もなく、かつ、人体にも安全であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−304926(JP,A) 特開 平4−99403(JP,A) 特開 平8−51809(JP,A) 特表 平1−503437(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01C 1/00 - 1/06

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機ハイドロゲルに種子を加え、開放系
    で、種子の活力を増進するには充分であるが発芽をおこ
    させるには不充分な時間と温度で、種子を水和処理する
    種子の発芽改善方法。
  2. 【請求項2】 無機ハイドロゲルが球状であることを特
    徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 無機ハイドロゲルが、その乾燥重量に対
    して100〜500重量%の水を保持していることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 無機ハイドロゲルがシリカハイドロゲル
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記水和処理において、無機ハイドロゲ
    ルと種子とを入れた処理容器を間欠的もしくは連続的に
    回転させるか、または、無機ハイドロゲルと種子とを間
    欠的もしくは連続的に撹拌することによって、種子を酸
    素含有気体に接触させることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記水和処理において、酸素含有気体
    を、給気手段によって、間欠的もしくは連続的に、無機
    ハイドロゲルと種子とに供給して、種子を酸素含有気体
    に接触させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記水和処理の処理後に、無機ハイドロ
    ゲルと種子とを篩分けにより分離することを特徴とする
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記篩分けによる分離後、前記水和処理
    された種子を、60℃以下の温度で送風乾燥することを
    特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜のいずれか1項に記載の方
    法によって処理された種子。
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