JP3204402B2 - 多線条高速伝送路用コモンモ−ドチョ−クコイル - Google Patents

多線条高速伝送路用コモンモ−ドチョ−クコイル

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JP3204402B2
JP3204402B2 JP07722991A JP7722991A JP3204402B2 JP 3204402 B2 JP3204402 B2 JP 3204402B2 JP 07722991 A JP07722991 A JP 07722991A JP 7722991 A JP7722991 A JP 7722991A JP 3204402 B2 JP3204402 B2 JP 3204402B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多数の心線からなる平
衡伝送路を伝導するコモンモ−ドノイズ電流を広帯域に
わたって阻止する多線条高速伝送路用チョ−クコイルに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】多対平衡ケ−ブルやフラットケ−ブルな
ど、多数の心線を有する平衡伝送路の各心線を同方向に
伝導するコモンモ−ドノイズ電流を阻止するために用い
られるチョ−クコイルとしては、従来、図21や24に
示す構成のものが広く用いられている。すなわち、図2
1(a)で、1は円形状のトロイダルコア、2はn本の
心線からなる伝送線路であり、トロイダルコア1に同方
向に捲回されている。,,…nおよび´,´,
…n´は伝送線路2の各々の入力端子および出力端子で
ある。このようなチョ−クコイルのコモンモ−ド雑音電
流に対する阻止性能は、トロイダルコイルのインダクタ
ンスLによって決まり、Lは前記伝送線路2のトロイダ
ルコア1への巻数Nの2乗に比例することから、一般に
はできるだけNを大きくしたものが用いられる。
【0003】一方、図21(b)は、トロイダルコア1
に伝送線路2を多回数捲回した場合の断面の概略であ
り、円形状のコア内径断面部分を多数の巻線が密集して
貫通するため、巻線の入出力端子間および巻線相互間に
浮遊容量が発生する。
【0004】すなわち、図22は、図21のコモンモ−
ドチョ−クコイルの電気的等価回路であり、図22
(a)のC11´,C22´,……Cnn´はそれぞれ入出力
端子−´間,−´間,……n−n´間の巻線浮
遊容量、図22(b)のC12,C13,……C1nはそれぞ
れ入力端子−間,−間,……−n間の巻線浮
遊容量である。なお、これ以外にも入出力端子相互間や
巻線相互間に同様の浮遊容量が存在することは明らかで
あるが省略してある。
【0005】図22(a)で入力端子,,……nか
ら各線路を同相で伝導する高周波のコモンモ−ドノイズ
電流Ic が流入した場合、それぞれの入出力端子間に上
記巻線浮遊容量C11´,C22´,……Cnn´があるた
め、コモンモ−ドノイズ電流Ic の高周波成分は、巻線
コイル部分を通らずこれらの容量部分を通過してしま
う。したがって、図21のような構造のコモンモ−ドチ
ョ−クコイルでは、インダクタンスLが大きくても高周
波のコモンモ−ドノイズ電流に対する阻止特性が低下す
る欠点がある。
【0006】一方、図22(b)で任意の伝送線路、例
えば入出力端子−´と−´とをペア線として使
用したときの往復の信号電流In (ノ−マルモ−ド電
流)が図23の波形Aのようなパルスの場合、このペア
線間には上記巻線浮遊容量C12が存在するため、図23
の波形Bのように波形がなまり、伝送線路に接続された
図示しない回路が動作不能となるなどの可能性がある。
すなわち、図21(a)のような従来のコモンモ−ドチ
ョ−クコイルは、高速度パルス伝送線路へ適用できない
欠点がある。
【0007】次に、図24は多線条伝送線路へ使用され
ているコモンモ−ドチョ−クコイルの他の従来例であ
り、図24(a)はフラットケ−ブルなどの平面状に配
置された伝送線路を平板状ル−プコア3で囲ったもの、
図24(b)は多対平衡ケ−ブルなど円形断面を有する
多線条伝送線路を円筒状コア4で囲ったものである。こ
のような構造では、入出力端子間および各伝送線路間の
浮遊容量は図21に比べ極めて小さい。しかし、例えば
図24(a)では各伝送線路が平板状ル−プコア3を1
回貫通しているのみであり、等価巻数は1タ−ンである
ことから各伝送線路のコモンモ−ドノイズ電流Ic によ
るコア内磁束φ1 ,φ2 ,……φn の集積によって生じ
るインダクタンスLが低周波領域(低域)では小さい。
したがって、コモンモ−ドノイズ電流Ic を阻止するに
必要な低域でのインダクタンスLを得るためには、コア
断面積が大きいか伝送方向のコア長さlが大きいものが
必要となるなどの欠点がある。図24(b)の構造につ
いても図24(a)と同様である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、円形状の
トロイダルコア1を用いた従来の多線状チョ−クコイル
では、入出力端子間の巻線浮遊容量により高周波領域に
おけるコモンモ−ドノイズ電流ICの阻止特性が低下す
るとともに、パルス伝送時には巻線相互間浮遊容量によ
ってパルス信号がなまり、高速度パルス伝送が行えない
欠点があった。また、多線条伝送線路を従来の平板状ル
−プコア3や円筒状コア4で囲ったものでは、低域にお
けるコモンモ−ドノイズ電流ICの阻止特性が十分でな
く、これを得るにはコア断面積が大きいか、長さが長大
なものが必要となるなどの欠点があった。
【0009】本発明の目的は、多対ケ−ブルやフラット
ケ−ブルなど多数の心線からなる平衡伝送路を伝導する
コモンモ−ドノイズ電流の阻止特性が広帯域にわたって
すぐれ、高速度パルス伝送方式にも適用可能な多線条高
速伝送路用コモンモ−ドチョ−クコイルを提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明にかかわる多線条
平衡伝送路用コモンモ−ドチョ−クコイルは、複数個の
長辺磁路が平行に配置された閉磁路コアの長辺磁路を多
線条平衡伝送路の伝送方向に対して垂直に設け、この閉
磁路コアの複数個の長辺磁路に、多線条平衡伝送路の各
線路を伝送方向に対して順に捲回方向を逆に、かつ同一
長辺磁路には同回数Nだけ互いに交叉させずにN≦1と
なるように捲回したものである。
【0011】
【作用】本発明においては、コモンモ−ドノイズ電流伝
導時には各コイルの作る磁束が閉磁路コア内で加わり合
うため大きなインダクタンスとなりノイズの侵入を阻止
し、信号電流のときは各コイルの作る磁束が打ち消し合
ってインダクタンスを小として信号の伝送を妨げないよ
うにする。
【0012】また、捲回数NをN≦1としているので、
入出力線間に生ずる浮遊容量が小さくなり、コモンモ−
ドノイズに対する阻止特性を高周波域にまで広げること
になる。
【0013】
【実施例】図1はこの発明の一実施例の基本構成図であ
り、図1(a)は斜視図を、図1(b)は伝送方向の断
面図である。図中、11は入力端子,,……n側か
ら出力端子´,´,……n´側への信号伝送方向面
に対し、長辺が垂直となるよう配置した長方形状の閉磁
路コア、12はコイルで、12−iおよび12−i´は
n本の伝送線路2中の任意のi番目を、所定の間隔を保
って対向した閉磁路コア11の2つの長辺磁路にそれぞ
れN1 (N1 ≦1)回およびN2 (N2 ≦1)回だけ捲
回したコイルであり、コイル12−iと12−i´の巻
方向は互いに逆方向になっている。なお、図1では、N
1 ,N2 =3/4の場合を示す。12−j,12−j´
はi番目と異なる任意のj番目の伝送線路を2つのコア
長辺磁路にi番目の伝送線路の場合と同一の巻き方(巻
数が各N1 回およびN2 回の逆巻き。ただし、N1 ,N
2 ≦1)をしたコイルであり、両コイルは隣接する場合
でも交叉しないようになっている。これらi番目および
j番目以外の図示しない伝送線路についても同様のコイ
ル構成となっている。
【0014】図2は、図1の構成によるこの発明の実施
例の動作原理を説明する図であり、図2(a)はコモン
モ−ドノイズ電流Ic ,図2(b)は信号電流In (ノ
−マルモ−ド電流)の各場合に対し、コイル12−i,
12−j,12−i´,12−j´により閉磁路コア1
1内に発生する磁束の方向を示している。
【0015】すなわち、図2(a)でコモンモ−ドノイ
ズ電流Ic がコイル12−iおよび12−jを流れるこ
とによって、これらのコイルが捲回された長辺磁路内部
に発生するそれぞれの磁束φci,φcjと、コモンモ−ド
ノイズ電流Ic がコイル12−i´および12−j´を
流れることによってこれらのコイルが捲回された長辺磁
路内部に発生するそれぞれの磁束φci´,φcj´はいず
れも閉磁路コア11内で同一方向となるため強め合う。
実際には図示しないこれら以外のコイルを流れるコモン
モ−ドノイズ電流Ic による磁束も加わるため、チョ−
クコイルはコモンモ−ドノイズ電流Ic に対して大きな
インダクタンスLとして作用する。また、2つの長辺磁
路が間隔をおいて対向しており、かつ各コイルの巻数N
が1以下であるため、入出力端子間の巻線浮遊容量が小
さく、コモンモ−ドノイズ電流Ic が高周波電流の場合
にもインダクタンスLが有効に作用する。
【0016】一方、図2(b)でコイル12−i,12
−i´を流れるノ−マルモ−ド電流In によるコア内磁
束φniとφni´とは、図2(a)のコモンモ−ドノイズ
電流Ic による磁束φci´,φci´と同一方向である
が、コイル12−j,12−j´を流れるノ−マルモ−
ド電流In によるそれぞれのコア内の磁束φnjとφnj´
は、図2(a)のコモンモ−ドノイズ電流Ic による磁
束φcj,φcj´と反対方向になる。また、コイル12−
iと12−jは同一巻数(N1 ≦1)、12−i´と1
2−j´も同一巻数(N2 ≦1)であるため、図2
(b)でノ−マルモ−ド電流In によるコア内の磁束φ
niとφnjおよびφni´とφnj´とは大きさが等しく方向
反対となって打ち消し合うため、ノ−マルモ−ド電流I
n に対してはインダクタンスLが発生せず損失とならな
い。また、両コイルは隣接時にも交叉しないためコイル
相互間の浮遊容量が小さく、ノ−マルモ−ド電流In が
パルス電流の場合でも波形のなまりが生じない。
【0017】次に、図3は、図2(b)のn本の伝送線
路2中、ノ−マルモ−ド電流In が往路または復路を分
流するような伝送形態時のコア内発生磁束の状態を説明
する図である。図3はこの代表例として往路が第i番目
と第j番目の伝送線路(各In /2ずつ分流)、復路が
第k番目の伝送線路であるような場合であり、12−
k,12−k´は第k番目の伝送線路を前記第i番目ま
たは第j番目と同様2つの長辺磁路に互いに逆方向に捲
回したコイル(巻数それぞれN1 およびN2 。ただし、
N1 ,N2 ≦1)である。コイル12−i,12−j,
12−kはいずれも巻数が等しい(=N1 ≦1)ことか
ら、コイル12−iと12−jを流れる各In /2によ
る磁束であるφni/2の和と、コイル12−kを反対方
向に流れるノ−マルモ−ド電流In による磁束φnkとは
大きさが等しく方向反対となって同一磁路内で打ち消し
合う。
【0018】同様に、コイル12−i´と12−j´を
流れるIn /2による磁束はそれぞれφni´/2,φnj
´/2の和と、コイル12−k´を流れるIn による磁
束φnk´とは大きさが等しく方向反対となって同一磁路
内で打ち消し合う。したがって、これらよりノ−マルモ
−ド電流In に対してインダクタンスLが発生せず損失
とならない。しかもこれらの磁束の相殺作用は、それぞ
れ各コイルの捲回された同一長辺磁路内で行われるた
め、往路または復路を流れる信号電流In (ノ−マルモ
−ド電流)がどのように分流してもそれらの往路および
復路ごとの総和が等しく、かつ同一磁路を捲回した各コ
イルの巻数が等しければ同様の作用をなすことは明らか
である。
【0019】ここで、コイルが長辺磁路に完全に捲回さ
れる場合(特願昭63−285739号)、すなわちコ
イルの巻数N1 ,N2 が、N1 ,N2 >1の場合と比較
すると、本発明ではコイルの巻数が1以下と小さい(N
1 ,N2 <1)ため、入出力線間に生ずる浮遊容量が小
さくなり、コモンモ−ドノイズに対する阻止特性を高周
波域に拡張できる利点がある。
【0020】また、本発明では、コイルを長辺磁路の全
周囲を囲って捲回する必要がないため、多線条フラット
ケ−ブルを用いてコモモ−ドチョ−クコイルを構成する
ような場合、当該ケ−ブルをU字状に交互に折曲げてコ
イルとなし、このコイルの両側から2個のコ字形コアを
順次挿入して閉磁路を形成することにより、容易に多線
条伝送路用コモンモ−ドチョ−クコイルを実現できると
いったコイルを完全に捲回(N1 ,N2 >1)したとき
には得られない利点もある。
【0021】図4(a)〜(c)は、図1の実施例と同
一形状で、実効透磁率が同一もしくは異なる閉磁路コア
11a,11bを2個用い、コイルを縦続接続した場合
の実施例の伝送方向断面図であり、同図(a)は2つの
コアを伝送方向に直線状に並べた場合、(b)は2つの
コアを一方を互いに重ねた場合を示す。このような縦続
接続構成とすることによって、図1の場合よりコモンモ
−ドノイズに対する阻止特性を向上できる利点がある。
【0022】図4(c)は、同図(a)の2つの閉磁路
コア11a,11bのコイルの巻数N1 ,N2 を、一方
はN1 ,N2 ≦1、他方はN1 ,N2 ≧1とした複合構
成にしたもので、図1の実施例にコイルを完全に巻いた
例(N1 ,N2 >1)のコアを縦続接続した場合に該当
する。このような複合化構成とすることによって、コモ
ンモ−ドノイズに対する阻止特性を広帯域化できる利点
がある。
【0023】図5は、図1の実施例の閉磁路コア11と
同一形状のコアを2個つみ重ねるか、閉磁路コア11を
分割し2つの長辺磁路部分をコイル12−i,12−i
´および12−j,12−j´でそれぞれ逆方向に共通
巻きしたもので、11aおよび11bは閉磁路コア11
と同一のコアかまたはそれを分割した閉磁路コアであ
る。それぞれ閉磁路コア11a,11bの実効透磁率μ
1 ,μ2 と巻数N1 ,N2 および磁路間隔を変えること
により、2つのチョ−クコイルの有する異なる雑音阻止
特性を共通巻きによって平滑化でき、広帯域化できる利
点がある。
【0024】図6は、図1と同一形状の閉磁路コア11
a,11bを2個信号伝送方向に並べ、中間磁路部分を
共通巻きとしたもので、それぞれの伝送線路を各長辺磁
路に対して順に逆方向となるよう捲回してある。
【0025】図7は、図6の実施例の動作原理を説明す
る図であり、閉磁路コア11aおよび11bの長辺磁路
内に発生する磁束が、図2をもとにコモンモ−ドノイズ
電流Ic およびノ−マルモ−ド電流In に対し、それぞ
れ図7(a),(b)中に記載したようになることは明
らかである。したがって、コモンモ−ドノイズ電流Ic
に対しては、第1図に比べインダクタンスLを倍加でき
るとともに、ノ−マルモ−ド電流In に対しては各磁路
内で磁束が打ち消し合うため損失とならない。また、図
5の場合と同様、2つの閉磁路コア11a,11bの実
効透磁率μ1 ,μ2 やコイルの巻数,磁路間隔などを変
えることにより種々の雑音阻止特性をもたせることがで
き、コモンモ−ドノイズ電流Ic に対する広帯域化がは
かれる利点がある。
【0026】図8は、図6の実施例における2つの閉磁
路コア11a,11bを同一材料で形成し閉磁路コア1
1Aとしたもので、その動作原理を図9に示す。すなわ
ち、図9(a)のコモンモ−ドノイズ電流Ic に対して
は、中央磁路部分に生じる磁束φci´+φcj´がそれぞ
れφci´1 とφci´2 のように両側磁路に分流し、左右
両側閉磁路で両側磁路の磁束φci,φcjおよびφci″,
φcj″と同一方向のため強め合って大きなインダクタン
スLとして作用する。
【0027】また、ノ−マルモ−ド電流In に対しては
図9(b)からそれぞれの磁路部分に発生する磁束が左
右両側閉磁路で反対方向となるため、打ち消し合ってイ
ンダクタンスが生じない。これらの作用は、前記図7
(b)の場合と同じである。
【0028】図10は、図8の閉磁路コア11Aを伝送
方向面に垂直に中央部分で直角(θ=90°)に折り曲
げて閉磁路コア11Bとした実施例である。
【0029】図11は、図10の実施例における閉磁路
コア11Bを2個縦続接続し同一コアとして閉磁路コア
11Cを構成した実施例である。
【0030】図12は、図11の実施例におけるコア角
度θを小さくした実施例の断面略図であり、いずれも伝
送方向長さlを短縮でき、かつコモンモ−ドノイズ電流
Icに対するインダクタンスLの増加により阻止特性を
向上できる利点がある。
【0031】図13〜図20は、この発明の図1の基本
構成によるチョ−クコイルを実際の多線条平衡伝送路に
適用した応用例である。
【0032】図13は閉磁路コア11をICチップ内に
組込んだ応用例であり、21はハウジング、22はn本
の信号伝送線路に対応した端子である。
【0033】図14はプリント板実装用などに用いられ
る多端子コネクタへの応用例であり、23はハウジン
グ、24はプリント板挿入時などの接続用U溝端子、2
5はコネクタの外部接続端子である。
【0034】図15は閉磁路コア11を薄形にしてプリ
ント基板内部に埋込んだ応用例であり、図15(a)は
斜視図、図15(b)はコア部分の断面図を示す。同図
で、26はプリント基板、27は基板上側の接続端子、
28は基板上側のパタ−ン、29は基板下側の接続端
子、30は基板下側のパタ−ンである。このような構成
とすることによって、プリント基板26の一方の側から
他方の側へ接続された伝送路を伝導するコモンモ−ド雑
音を基板厚さ部分のみで抑制できる利点がある。
【0035】図16は、図15と同様薄形の閉磁路コア
11をフラットケ−ブル伝送路の途中のケ−ブル被覆内
に埋込んだ応用例であり、図16(a)は斜視図、図1
6(b)はコア部分の断面図である。同図で、31はケ
−ブル被覆、32はケ−ブル心線である。このような構
成によってコネクタを用いることなく、フラットケ−ブ
ルを伝導するコモンモ−ド雑音電流を阻止できる利点が
ある。
【0036】図17は、図1の実施例におけるコモンモ
−ドチョ−クコイルをRS−232C,GP−IB,セ
ントロニクス仕様ケ−ブルなど、多くの接続端子を有す
るインタフェ−スケ−ブル用コネクタに適用した応用例
であり、33はハウジング、34は接続端子、35は多
対ケ−ブルである。
【0037】図18は、図1の実施例におけるコモンモ
−ドチョ−クコイルをモジュラプラグに用いた応用例、
図19はモジュラジャックに用いた応用例であり、図2
0はこの発明の図10の実施例におけるL形の閉磁路コ
ア11Bをモジュラジャックに用いた実施例であり、こ
れらの図で、36はモジュラジプラグハウジング、37
はモジュラジャックハウジング、38はピンコンタクト
である。
【0038】これら、図13〜図20の各部品は、従来
シ−ルド材料などを用い、これらをア−スして雑音阻止
をはかったものが大半であるが、この発明によるコモン
モ−ドチョ−クコイルを用いれば非ア−ス状態でも容易
に雑音阻止が可能となる。
【0039】以上、各実施例からもわかるように、この
発明によるコモンモ−ドチョ−クコイルは多線条伝送線
路を信号伝送方向面に垂直に配置した長方形状の閉磁路
コア11の複数個の長辺磁路に順に互いに反対方向に捲
回し、各磁路間に間隔を設けたことにより入出力端子間
の巻線が交叉せず、入出力端子間の巻線浮遊容量を減少
できる。よって、多数の伝送線路を伝導するコモンモ−
ド雑音電流の阻止特性を広帯域化できる。
【0040】また、信号電流In (ノ−マルモ−ド)に
対しては多線条伝送線路を互いに交叉することなく、同
一コア磁路に同回数だけ捲回したことによりコイル相互
間の浮遊容量が小さいことから、パルス伝送路に用いて
も波形のなまりを除去できるため高速パルス伝送系への
適用が可能である。また、ノ−マルモ−ド電流In によ
る磁束を同一磁路内で打ち消し合うようにしてあるた
め、巻線のアンバランスなどにより発生する漏洩磁束に
起因する損失をなくすことができる。
【0041】さらに、図13〜図20の応用例からも明
らかなように、この発明によるコモンモ−ドチョ−クコ
イルは、線数の多い種々の多線条伝送路に容易に適用が
可能であり、非ア−ス状態においてもコモンモ−ドノイ
ズ電流の阻止特性を広帯域化できる。
【0042】なお、上記図13〜図20では、この発明
の基本構成である図1のコモンモ−ドチョ−クコイルを
用いた各種の応用例を示したが、これらは図4,図5,
図6,図8,図10,図11の各チョ−クコイルを用い
ても同様の効果があることは明らかである。
【0043】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明は、複数個
の長辺磁路が平行に配置された閉磁路コアの長辺磁路を
伝送路の伝送方向に対し垂直に設け、この閉磁路コアの
複数個の長辺磁路に、多線条平衡伝送路の各線路を伝送
方向に対して順に捲回方向を逆に、かつ同一長辺磁路に
は同回数Nだけ互いに交叉させずにN≦1となるように
捲回したので、入出力端子間の巻線浮遊容量が増加せ
ず、高周波のコモンモ−ドノイズ電流に対する阻止特性
を広帯域化できる。また、各伝送線路が交叉しないた
め、巻線相互間の浮遊容量が小さく、ノ−マルモ−ドの
パルス伝送信号を用いても波形なまりが生じず、高速度
パルス伝送系へ適用できる。さらに、ノ−マルモ−ド電
流に対して同一の長辺磁路に同回数捲回しているため、
同一磁路内で互いに反対方向の磁束が生じて打ち消し合
うことから、巻線のアンバランス時にも伝送損失が生じ
ない等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコモンモ−ドチョ−クコイルの一実施
例の基本構成を示す図である。
【図2】図1の実施例の動作原理説明図である。
【図3】伝送信号形態が図2とは異なる場合の図1の実
施例の動作原理図である。
【図4】他の実施例の構成を示す断面図である。
【図5】図1のコアを2個または2分割して組み合せた
実施例の構成を示す斜視図である。
【図6】図1のコアを2個または2分割して組み合せた
実施例の構成を示す斜視図である。
【図7】図5または図6の実施例の動作原理説明図であ
る。
【図8】図5の閉磁路コアを1つの材料で形成した実施
例の斜視図である。
【図9】図8の実施例の動作原理説明図である。
【図10】図8の実施例の閉磁路コアをL字形に配置し
た実施例の斜視図である。
【図11】図10の実施例の閉磁路コアをさらに2個組
合せ配置した実施例の斜視図である。
【図12】図11の実施例のL型の閉磁路コアの角度θ
を小さくして長さ方向を短縮した実施例の構成を示す断
面図である。
【図13】閉磁路コアをICチップ内に組込んだ応用例
を示す斜視図である。
【図14】閉磁路コアをプリント基板コネクタなど多端
子コネクタ内に組込んだ応用例を示す斜視図である。
【図15】閉磁路コアをプリント基板内に組込んだ応用
例を示す図である。
【図16】閉磁路コアをフラットケ−ブル被覆内に組込
んだ応用例を示す斜視図ならびに要部の断面図である。
【図17】コモンモ−ドチョ−クコイルをインタフェ−
スケ−ブル用コネクタ内に組込んだ構成を示す斜視図で
ある。
【図18】コモンモ−ドチョ−クコイルをモジュラプラ
グ内に組込んだ応用例を示す斜視図である。
【図19】コモンモ−ドチョ−クコイルをモジュラジャ
ック内に組込んだ応用例を示す図である。
【図20】図10のコアをモジュラジャック内に組込ん
だ応用例を示す図である。
【図21】従来の平衡多線条伝送線路のコモンモ−ドノ
イズ電流を阻止する円形状のトロイダルコアを用いたチ
ョ−クコイルの構成を示す図である。
【図22】図21の電気的等価回路図である。
【図23】図21におけるパルス伝送信号の波形図であ
る。
【図24】従来の平衡多線条伝送線路のコモンモ−ドノ
イズ電流を阻止する図21と異なる平板状ル−プコアお
よび円筒状コアを用いた構成を示す図である。
【符号の説明】
2 伝送線路 11 閉磁路コア 11A 閉磁路コア 11B 閉磁路コア 11a 閉磁路コア 11b 閉磁路コア 12 コイル

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多線条平衡伝送路を伝導するコモンモ−ド
    ノイズ電流を抑制するチョ−クコイルにおいて、複数個
    の長辺磁路が平行に配置された閉磁路コアの長辺磁路を
    前記多線条平衡伝送路の伝送方向に対し垂直に設け、こ
    の閉磁路コアの前記複数個の長辺磁路に、前記多線条平
    衡伝送路の各線路を伝送方向に対して順に捲回方向を逆
    に、かつ同一長辺磁路には同回数Nだけ互いに交叉させ
    ずにN≦1となるように捲回したことを特徴とする多線
    条高速伝送路用コモンモ−ドチョ−クコイル。
JP07722991A 1991-03-18 1991-03-18 多線条高速伝送路用コモンモ−ドチョ−クコイル Expired - Lifetime JP3204402B2 (ja)

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