JP2710648B2 - 多線条平衡伝送路用コモンモードチョークコイル - Google Patents

多線条平衡伝送路用コモンモードチョークコイル

Info

Publication number
JP2710648B2
JP2710648B2 JP63285739A JP28573988A JP2710648B2 JP 2710648 B2 JP2710648 B2 JP 2710648B2 JP 63285739 A JP63285739 A JP 63285739A JP 28573988 A JP28573988 A JP 28573988A JP 2710648 B2 JP2710648 B2 JP 2710648B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
common mode
core
transmission line
choke coil
closed magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63285739A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02132806A (ja
Inventor
国主男 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP63285739A priority Critical patent/JP2710648B2/ja
Publication of JPH02132806A publication Critical patent/JPH02132806A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2710648B2 publication Critical patent/JP2710648B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、多数の心線からなる平衡伝送路を伝導す
るコモンモードノイズ電流を広帯域にわたって阻止する
チョークコイルに関するものである。
〔従来の技術〕
多対平衡ケーブルやフラットケーブルなど、多数の心
線を有する平衡伝送路の各心線を同方向に伝導するコモ
ンモードノイズ電流を阻止するために用いられるチョー
クコイルとしては、従来、第20図〜第22図に示す構成の
ものが広く用いられている。すなわち、第20図(a)
で、1は円形状のトロイダルコア、2はn本の心線から
なる伝送線路であり、トロイダルコア1に同方向に捲回
されている。,,…および′,′,…′は
伝送線路2の各々の入力端子および出力端子である。こ
のようなチョークコイルのコモンモード雑音電流に対す
る阻止性能は、トロイダルコイルのインダクタンスLに
よって決まり、Lは前記伝送線路2のトロイダルコア1
への巻数Nの2乗に比例することから、一般にはできる
だけNを大きくしたものが用いられる。
一方、第20図(b)は、トロイダルコア1に伝送線路
2を多回数捲回した場合の断面の概略であり、円形状の
コア内径断面部分を多数の巻線が密集して貫通するた
め、巻線の入出力端子間および巻線相互間に浮遊容量が
発生する。
すなわち、第21図は、第20図のコモンモードチョーク
コイルの電気的等価回路であり、第21図(a)の
C11′,C22′,……Cnn′はそれぞれ入出力端子−
′間,−′間,……−′間の巻線浮遊容量、
第21図(b)のC12,C13,……C1nはそれぞれ入力端子
−間,−間,……−間の巻線浮遊容量であ
る。なお、これ以外にも入出力端子相互間に同様の浮遊
容量が存在することは明らかであるが省略してある。
第21図(a)で入力端子,,……から各線路を
同相で伝導する高周波のコモンモードノイズ電流Icが流
入した場合、それぞれの入出力端子間に上記巻線浮遊容
量C11′,C22′,……Cnn′があるため、コモンモード
ノイズ電流Icの高周波成分は、巻線コイル部分を通らず
これらの容量部分を通過してしまう。したがって、第20
図のような構造のコモンモードチョークコイルでは、イ
ンダクタンスLが大きくても高周波のコモンモードノイ
ズ電流に対する阻止特性が低下する欠点がある。一方、
第21図(b)で任意の伝送線路、例えば入出力端子−
′と−′とをペア線として使用したときの往復の
信号電流In(ノーマルモード電流)が第21図(c)の波
形Aのようなパルスの場合、このペア線間には上記巻線
浮遊容量C12が存在するため、第21図(c)の波形Bの
ように波形がなまり、伝送路に接続された図示しない回
路が動作不能となるなどの可能性がある。すなわち、第
20図(a)のような従来のコモンモードチョークコイル
は、高速度パルス伝送線路へ適用できない欠点がある。
次に、第22図は多線条伝送線路へ使用されているコモ
ンモードチョークコイルの他の従来例であり、第22図
(a)はフラットケーブルなどの平面状に配置された伝
送線路を平板状ループコア3で囲ったもの、第22図
(b)は多対平衡ケーブルなど円形断面を有する多線条
伝送線路を円筒状コア4で囲ったものである。このよう
な構造では、入出力端子間および各伝送線路間の浮遊容
量は第20図に比べ極めて小さい。しかし、例えば第22図
(a)では各伝送線路が平板状ループコア3を1回貫通
しているのみであり、等価巻数は1ターンであることか
ら各伝送線路のコモンモードノイズ電流Icに基づくコア
内磁束φ1,φ2,……φnの集積によって生じるインダ
クタンスLが低周波領域(低域)では小さい。したがっ
て、コモンモードノイズ電流Icを阻止するに必要な低域
でのインダクタンスLを得るためには、コア断面積が大
きいか伝送方向のコア長さlが大きいものが必要となる
などの欠点がある。第22図(b)の構造についても第22
図(a)と同様である。
〔発明が解決しようとする課題〕 このように、従来の円形状のトロイダルコア1を用い
た従来の多線状チョークコイルでは、入出力端子間の巻
線浮遊容量により高周波領域におけるコモンモードノイ
ズ電流の阻止特性が低下するとともに、パルス伝送時に
は巻線相互間浮遊容量によってパルス信号がなまり、高
速度パルス伝送が行えない欠点があった。また、多線条
伝送線路を従来の平板状ループコア3や円筒状コア4で
囲ったものでは、低域におけるコモンモードノイズ電流
の阻止特性が十分でなく、これを得るにはコア断面積が
大きいか、長さが長大なものが必要となるなどの欠点が
あった。
この発明の目的は、多対ケーブルやフラットケーブル
など多数の心線からなる平衡伝送路を伝導するコモンモ
ードノイズ電流の阻止特性が広帯域にわたってすぐれ、
高速度パルス伝送方式にも適用可能な多線条平衡伝送路
用コモンモードチョークコイルを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
この発明にかかわる多線条平衡伝送路用コモンモード
チョークコイルは、複数個の長辺磁路が平行に配置され
てなる閉磁路コアの長辺磁路を多線条平衡伝送路の信号
伝送方向に直交して設け、この閉磁路コアの複数個の長
辺磁路に、多線条平衡伝送路の各線路を信号伝送方向に
対して順に捲回方向を逆に、かつ同一長辺磁路には同回
数だけ同捲回方向に互いに交叉させずに捲回したもので
ある。
〔作用〕
この発明においては、コモンモードノイズ電流伝導時
には各コイルの作る磁束が閉磁路コア内で加わり合うた
め大きなインダクタンスとなりノイズの侵入を阻止し、
信号電流のときは各コイルの作る磁束が打ち消し合って
インダクタンスを小として信号の伝送を妨げないように
する。
〔実施例〕
第1図はこの発明の一実施例の基本構成図であり、11
は入力端子,,……側から出力端子′,′,
……′側への信号伝送方向面に対し、長辺が垂直とな
るよう配置した長方形状の閉磁路コア、12−iおよび12
−i′はn本の伝送線路2中の任意のi番目を、所定の
間隔を保って対向した閉磁路コア11の2つの長辺磁路に
それぞれN1回およびN2回だけ捲回したコイルであり、コ
イル12−iと12−i′の巻方向は互いに逆方向になって
いる。12−j,12−j′はi番目と異なる任意のj番目の
伝送線路を2つのコア長辺磁路にi番目の伝送線路の場
合と同一の巻き方(巻数が各N1回およびN2回の逆巻き)
をしたコイルであり、両コイルは隣接する場合でも交叉
しないようになっている。これらi番目およびj番目以
外の図示しない伝送線路についても同様のコイル構成と
なっている。
第2図は、第1図の構成によるこの発明の実施例の動
作原理を説明する図であり、第2図(a)はコモンモー
ドノイズ電流Ic,第2図(b)は信号電流In(ノーマル
モード電流)の各場合に対し、コイル12−i,12−j,12−
i′,12−j′により閉磁路コア11内に発生する磁束の
方向を示している。
すなわち、第2図(a)でコモンモードノイズ電流Ic
がコイル12−iおよび12−jを流れることによって、こ
れらのコイルが捲回された長辺磁路内部に発生するそれ
ぞれの磁束φci,φcjと、コモンモードノイズ電流Ic
コイル12−i′および12−j′を流れることによってこ
れらのコイルが捲回された長辺磁路内部に発生するそれ
ぞれの磁束φci′,φcj′はいずれも閉磁路コア11内で
同一方向となるため強め合う。実際には図示しないこれ
ら以外のコイルを流れるコモンモードノイズ電流Icによ
る磁束も加わるため、チョークコイルはコモンモードノ
イズ電流Icに対して大きなインダクタンスLとして作用
する。また、2つの長辺磁路が間隔をおいて対向してい
るため、入出力端子間の巻線浮遊容量が小さく、コモン
モードノイズ電流Icが高周波電流の場合にもインダクタ
ンスLが有効に作用する。
一方、第2図(b)でコイル12−i,12−i′を流れる
ノーマルモード電流Inによるコア内磁束φniとφni′と
は、第2図(a)のコモンモードノイズ電流Icによる磁
束φci′,φci′と同一方向であるが、コイル12−j,12
−j′を流れるノーマルモード電流Inによるそれぞれの
コア内の磁束φnjとφnj′は第2図(a)のコモンモー
ドノイズ電流Icによる磁束φcj,φcj′と反対方向にな
る。また、コイル12−iと12−jは同一巻数(N1)、12
−i′と12−j′も同一巻数(N2)であるため、第2図
(b)でノーマルモード電流Inによるコア内の磁束φni
とφnjおよびφni′とφnj′とは大きさが等しく方向反
対となって打ち消し合うため、ノーマルモード電流In
対してはインダクタンスLが発生せず損失とならない。
また、両コイルは隣接時にも交叉しないためコイル相互
間の浮遊容量が小さく、ノーマルモード電流Inがパルス
電流の場合でも波形のなまりが生じない。
次に、第3図は、第2図(b)のn本の伝送線路中、
ノーマルモード電流Inが往路または復路を分流するよう
な伝送形態時のコア内発生磁束の状態を説明する図であ
る。第3図はこの代表例として往路が第i番目と第j番
目の伝送線路(各In/2ずつ分流)、復路が第k番目の伝
送線路であるような場合であり、12−k,12−k′は第k
番目の伝送線路を前記第i番目または第j番目と同様2
つの長辺磁路に互いに逆方向に捲回したコイル(巻数そ
れぞれN1およびN2)である。コイル12−i,12−j,12−k
はいずれも巻数が等しい(=N1)ことから、コイル12−
iと12−jを流れる各In/2による磁束であるφni/2の和
と、コイル12−kを反対方向に流れるノーマルモード電
流Inによる磁束φnkとは大きさが等しく方向反対となっ
て同一磁路内で打ち消し合う。
同様に、コイル12−i′と12−j′を流れるIn/2によ
る磁束それぞれφni/2,φnj/2の和と、コイル12−k′
を流れるInによる磁束φnkとは大きさが等しく方向反対
となって同一磁路内で打ち消し合う。したがって、これ
らよりノーマルモード電流Inに対してインダクタンスL
が発生せず損失とならない。しかもこれらの磁束の相殺
作用は、それぞれ各コイルの捲回された同一長辺磁路内
で行われるため、往路または復路を流れる信号電流I
n(ノーマルモード電流)がどのように分流してもそれ
らの往路および復路ごとの総和が等しく、かつ同一磁路
を捲回した各コイルの巻数が等しければ同様の作用をな
すことは明らかである。
第4図は、第1図の実施例の閉磁路コア11と同一形状
のコアを2個つみ重ねるか、閉磁路コア11を分割し2つ
の長辺磁路部分をコイル12−i,12−i′および12−j,12
−j′でそれぞれ逆方向に共通巻したもので、11aおよ
び11bは閉磁路コア11と同一のコアかまたはそれを分割
した閉磁路コアである。それぞれ閉磁路コア11a,11bの
実効透磁率μ1,μ2と巻数N1,N2および磁路間隔を変え
ることにより、2つのチョークコイルの有する異なる雑
音阻止特性を共通巻きによって平滑化でき、広帯域化で
きる利点がある。
第5図は、第1図と同一形状の閉磁路コア11a,11bを
2個信号伝送方向に並べ、中間磁路部分を共通巻きとし
たもので、それぞれの伝送線路を各長辺磁路に対して順
に逆方向となるよう捲回してある。
第6図は、第5図の実施例の動作原理を説明する図で
あり、閉磁路コア11aおよび11bの長辺磁路内に発生する
磁束が、第2図をもとにコモンモードノイズ電流Icおよ
びノーマルモード電流Inに対し、それぞれ第6図
(a),(b)中に記載したようになることは明らかで
ある。したがって、コモンモードノイズ電流Icに対して
は、第1図に比べインダクタンスLを倍加できるととも
に、ノーマルモード電流Inに対しては各磁路内で磁束が
打ち消し合うため損失とならない。また、第4図の場合
と同様、2つの閉磁路コア11a,11bの実効透磁率μ1,μ
2やコイルの巻数,磁路間隔などを変えることにより種
々の雑音阻止特性をもたせることができ、コモンモード
ノイズ電流Icに対する広帯域化がはかれる利点がある。
第7図は、第5図の実施例における2つの閉磁路コア
11a,11bを同一材料で形成し閉磁路コア11Aとしたもの
で、その動作原理を第8図に示す。すなわち、第8図
(a)のコモンモードノイズ電流Icに対しては、中央磁
路部分に生じる磁束φci′+φcj′がそれぞれφci1
とφci2のように両側磁路に分流し、左右両側閉磁路
で両側磁路の磁束φci,φcjおよびφci″,φcj″と同
一方向のため強め合って大きなインダクタンスLとして
作用する。
また、ノーマルモード電流Inに対しては第8図(b)
からそれぞれの磁路部分に発生する磁束が左右両側閉磁
路で反対方向となるため、打ち消し合ってインダクタン
スが生じない。これらの作用は、前記第6図(b)の場
合と同じである。
第9図は、第7図の閉磁路コア11Aを伝送方向面に垂
直に中央部分で直角(θ=90°)に折り曲げて閉磁路コ
ア11Bとした実施例である。
第10図は、第9図の実施例における閉磁路コア11Bを
2個縦続接続し同一コアとして閉磁路コア11Cを構成し
た実施例である。
第11図は、第10図の実施例におけるコア角度θを小さ
くした実施例の断面略図であり、いずれも伝送方向長さ
lを短縮でき、かつコモンモードノイズ電流Icに対する
インダクタンスLの増加により阻止特性を向上できる利
点がある。
第12図〜第19図は、この発明の第1図の基本構成によ
るチョークコイルを実際の多線条平衡伝送路に適用した
応用例である。
第12図は閉磁路コア11をIcチップ内に組込んだ応用例
であり、21はハウジング、22はn本の信号伝送線路に対
応した端子である。
第13図はプリント板実装用などに用いられる多端子コ
ネクタへの応用例であり、23はハウジング、24はプリン
ト板挿入時などの接続用U溝端子、25はコネクタの外部
接続端子である。
第14図は閉磁路コア11を薄形にしてプリント基板内部
に埋込んだ応用例であり、第14図(a)は斜視図、第14
図(b)はコア部分の断面図を示す。同図で、26はプリ
ント基板、27は基板上側の接続端子、28は基板上側のパ
ターン、29は基板下側の接続端子、30は基板下側のパタ
ーンである。このような構成とすることによって、プリ
ント基板26の一方の側から他方の側へ接続された伝送路
を伝導するコモンモード雑音を基板厚さ部分のみで抑制
できる利点がある。
第15図は、第14図と同様薄形の閉磁路コア11をフラッ
トケーブル伝送路の途中のケーブル被覆内に埋込んだ応
用例であり、31はケーブル被覆、32はケーブル心線であ
る。このような構成によってコネクタを用いることな
く、フラットケーブルを伝導するコモンモード雑音電流
を阻止できる利点がある。
第16図は、第1図の実施例におけるコモンモードチョ
ークコイルをRS−232C,GP−IB,セントロニクス仕様ケー
ブルなど、多くの接続端子を有するインタフェースケー
ブル用コネクタに適用した応用例であり、33はハウジン
グ、34は接続端子、35は多対ケーブルである。
第17図は、第1図の実施例におけるコモンモードチョ
ークコイルをモジュラプラグに用いた応用例、第18図は
モジュラジャックに用いた応用例であり、第19図はこの
発明の第9図の実施例におけるL形の閉磁路コア11Bを
モジュラジャックに用いた実施例であり、これらの図
で、36はモジュラジプラグハウジング、37はモジュラジ
ャックハウジング、38はピンコンタクトである。
これら、第12図〜第19図の各部品は、従来シールド材
料などを用い、これらをアースして雑音阻止をはかった
ものが大半であるが、この発明によるコモンモードチョ
ークコイルを用いれば非アース状態でも容易に雑音阻止
が可能となる。
以上、各実施例からもわかるように、この発明による
コモンモードチョークコイルは多線条伝送線路を信号伝
送方向面に垂直に配置した長方形状の閉磁路コア11の複
数個の長辺磁路に順に互いに反対方向に捲回し、各磁路
間に間隔を設けたことにより入出力端子間の巻線が交叉
せず、入出力端子間の巻線浮遊容量を減少できる。よっ
て、多数の伝送線路を伝導するコモンモード雑音電流の
阻止特性を広帯域化できる。
また、信号電流In(ノーマルモード)に対しては多線
条伝送線路を互いに交叉することなく、同一コア磁路に
同回数だけ捲回したことによりコイル相互間の浮遊容量
が小さいことから、パルス伝送路に用いても波形のなま
りを除去できるため高速パルス伝送系への適用が可能で
ある。また、ノーマルモード電流Inによる磁束を同一磁
路内で打ち消し合うようにしてあるため、巻線のアンバ
ランスなどにより発生する漏洩磁束に起因する損失をな
くすことができる。
さらに、第12図〜第19図の応用例からも明らかなよう
に、この発明によるコモンモードチョークコイルは、線
数の多い種々の多線条伝送路に容易に適用が可能であ
り、非アース状態においてもコモンモードノイズ電流の
阻止特性を広帯域化できる。
なお、上記第12図〜第19図では、この発明の基本構成
である第1図のコモンモードチョークコイルを用いた各
種の応用例を示したが、これらは第4図,第5図,第7
図,第9図,第10図の各チョークコイルを用いても同様
の効果があることは明らかである。
〔発明の効果〕
以上説明したようにこの発明は、複数個の長辺磁路が
平行に配置されてなる閉磁路コアの長辺磁路を伝送路の
信号伝送方向に直交して設け、この閉磁路コアの複数個
の長辺磁路に、多線条平衡伝送路の各線路を信号伝送方
向に対して順に捲回方向を逆に、かつ同一長辺磁路には
同回数だけ同捲回方向に互いに交叉させずに捲回したの
で、捲回数を多くしても入出力端子間の巻線浮遊容量が
増加せず、高周波のコモンモードノイズ電流に対する阻
止特性を広帯域化できる。また、各伝送線路が交叉しな
いため、巻線相互間の浮遊容量が小さく、ノーマルモー
ドのパルス伝送信号を用いても波形なまりが生じず、高
速度パルス伝送系へ適用できる。さらに、ノーマルモー
ド電流に対して同一の長辺磁路に同回数捲回しているた
め、同一磁路内で互いに反対方向の磁束が生じて打ち消
し合うことから、巻線のアンバランス時にも伝送損失が
生じない等の利点がある。
また、この発明では、複数個の長辺磁路が平行に配置
されてなる閉磁路コアの長辺磁路を多線条平衡伝送路の
信号伝送方向に直交して設ける構成としたことにより、
この第12図ないし第19図に記載されたような信号伝送方
向に対して直角方向に広がった接続端子をもつ多線条コ
ネクタの筺体内に組み込む場合にコンパクトな構成にで
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明のコモンモードチョークコイルの一実
施例の基本構成を示す図、第2図(a),(b)は、第
1図の実施例の動作原理説明図、第3図は伝送信号形態
が第2図とは異なる場合の第1図の実施例の動作原理
図、第4図,第5図は、第1図のコアを2個または2分
割して組み合せた実施例の構成を示す斜視図、第6図
(a),(b)は、第4図または第5図の動作原理説明
図、第7図は、第5図の閉磁路コアを1つの材料で形成
した実施例の斜視図、第8図(a),(b)は、第7図
の実施例の動作原理説明図、第9図は、第7図の実施例
の閉磁路コアをL字形に配置した実施例の斜視図、第10
図は、第9図の実施例の閉磁路コアをさらに2個組合せ
配置した実施例の斜視図、第11図は、第10図の実施例の
L型の閉磁路コアの角度θを小さくして長さ方向を短縮
した実施例の構成を示す断面図、第12図〜第18図はこの
発明による第1図の実施例の閉磁路コアを実際の平衡多
線条伝送路に適用した実施例であり、第12図はICチップ
内に組込んだ斜視図、第13図はプリント基板コネクタな
ど多端子コネクタ内に組込んだ斜視図、第14図(a),
(b)はプリント基板内に組込んだ構成を示す斜視図な
らびに要部の断面図、第15図(a),(b)はフラット
ケーブル被覆内に組込んだ構成を示す斜視図ならびに要
部の断面図、第16図はコモンモードチョークコイルをイ
ンタフェースケーブル用コネクタ内に組込んだ構成を示
す斜視図、第17図はコモンモードチョークコイルをモジ
ュラプラグ内に組込んだ構成を示す斜視図、第18図はモ
ジュラジャック内に組込んだ構成を示す斜視図、第19図
は、第9図のコアをモジュラジャック内に組込んだ構成
を示す斜視図、第20図(a),(b)は従来の平衡多線
条伝送線路のコモンモードノイズ電流を阻止する円形状
のトロイダルコアを用いたチョークコイルの構成を示す
斜視図ならびに断面図、第21図(a),(b),は、第
20図の電気的等価回路図、第21図(c)はパルス伝送信
号の波形図、第22図(a),(b)は従来の平衡多線条
伝送線路のコモンモードノイズ電流を阻止する第20図と
異なる平板状ループコアおよび円筒状コアを用いた構成
を示す斜視図である。 図中、2は伝送線路、11,11A,11B,11a,11bは閉磁路コ
ア、12はコイルである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多線条平衡伝送路を伝導するコモンモード
    ノイズ電流を抑制するチョークコイルにおいて、複数個
    の長辺磁路が平行に配置されてなる閉磁路コアの長辺磁
    路を前記多線条平衡伝送路の信号伝送方向に直交して設
    け、この閉磁路コアの前記複数個の長辺磁路に、前記多
    線条平衡伝送路の各線路を信号伝送方向に対して順に捲
    回方向を逆に、かつ同一長辺磁路には同回数だけ同捲回
    方向に互いに交叉させずに捲回したことを特徴とする多
    線条平衡伝送路用コモンモードチョークコイル。
JP63285739A 1988-11-14 1988-11-14 多線条平衡伝送路用コモンモードチョークコイル Expired - Fee Related JP2710648B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63285739A JP2710648B2 (ja) 1988-11-14 1988-11-14 多線条平衡伝送路用コモンモードチョークコイル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63285739A JP2710648B2 (ja) 1988-11-14 1988-11-14 多線条平衡伝送路用コモンモードチョークコイル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02132806A JPH02132806A (ja) 1990-05-22
JP2710648B2 true JP2710648B2 (ja) 1998-02-10

Family

ID=17695420

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63285739A Expired - Fee Related JP2710648B2 (ja) 1988-11-14 1988-11-14 多線条平衡伝送路用コモンモードチョークコイル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2710648B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2599483B2 (ja) * 1990-06-18 1997-04-09 松下電器産業株式会社 ラインフィルタ
EP0626767B1 (en) * 1993-05-26 1999-04-21 Nippon Telegraph And Telephone Corporation EMC filter for a balanced multi-wired telecommunication line
US20080200060A1 (en) * 2007-02-16 2008-08-21 Buckmeier Brian J Electrical Isolation Device Capable Of Limiting Magnetic Saturation Even Upon Receipt Of High Power DC Bias And Method For Making The Same
CN101593606B (zh) * 2009-03-30 2012-02-22 浙江大学 基于柔性多层带材的全集成emi滤波器
JP5387502B2 (ja) * 2010-05-21 2014-01-15 Tdk株式会社 コイル部品及びインピーダンスの調整方法
KR102162654B1 (ko) * 2012-05-15 2020-10-07 스미스 디텍션-워트포드 리미티드 자기 공진 인덕터를 이용한 소형 고전압 알에프 발생기

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH058659Y2 (ja) * 1985-11-26 1993-03-04
JPS6347909A (ja) * 1986-08-18 1988-02-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 外鉄形コモンモ−ドチヨ−クコイル

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02132806A (ja) 1990-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5825259A (en) Electromagnetic interference isolator with common mode choke
JP4525589B2 (ja) フィルタ素子
CN110770859B (zh) 用于高速数据通信的具有增加的带宽的磁变压器
JP7159901B2 (ja) ディファレンシャルモードチョークコイル部品およびそれを備える回路
JP2710648B2 (ja) 多線条平衡伝送路用コモンモードチョークコイル
US7148768B2 (en) Filter element
JP5244492B2 (ja) 波形歪み緩和部材および該波形歪み緩和部材を備えた通信線路
JP2007129291A (ja) ノイズフィルタおよびノイズフィルタ回路
DE102019201203A1 (de) Gleichtakt-drosselspule
JP2738763B2 (ja) 広帯域多線条伝送路用コモンモードチョークコイル
US6429762B1 (en) Data communication isolation transformer with improved common-mode attenuation
JP3204402B2 (ja) 多線条高速伝送路用コモンモ−ドチョ−クコイル
JP3200501B2 (ja) 雑音防止形多線条変換コネクタ
CN113178300B (zh) 线圈部件及具备其的电路基板
JP7073864B2 (ja) 複合フィルタ部品、及び、電力重畳回路
JP4213694B2 (ja) フィルタ素子
JP4127552B2 (ja) フィルタ素子
JPH07161533A (ja) パルス変成器
EP0601829B1 (en) Electrical connectors
RU2807669C1 (ru) Полевой кабель парной скрутки
CN109243762A (zh) 磁环抗干扰方法及装置
RU220089U1 (ru) Полевой кабель парной скрутки
TWI695391B (zh) 濾波變壓裝置
US1655048A (en) Electrical coil system
JP2020102499A (ja) インダクタおよびノイズ除去回路並びに車両

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees