JP3203997U - 洋式トイレ飛散液漏れ防止便座 - Google Patents

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Abstract

【課題】隙間からの漏れや便器外側の液ダレを防止する便座及び便座との組合せ便器を提供する。【解決手段】便座4下面を環状波形にすることによって、便器1上縁面との隙間に広狭繰返し空間を形成させ、波形山頂6の最小狭部隙間を水が架橋できる寸法とし、峰伝いの架橋水による水幕により飛散微粒液滴の飛び出しを防ぐと共に便器1外側への液ダレを防止する環状波形を有する便座4とする。【選択図】図2

Description

本考案は、洋式トイレ、温水洗浄便器において排尿時や洗浄時の跳ね返り微粒液滴の漏れ防止および便器外側の液ダレ汚れを防止する便座および便器に関するものである。
従来から洋式トイレの液漏れ、便座と陶器製便器隙間からの漏れ防止方法が提案されている。しかし意匠的にまた便器の洗浄性、取り扱いの面から満足できるものは無かった。
提案されているものは便座手前下面に漏れ防止のため、半円筒状遮断板を取り付けたり、隙間を塞ぐ尿飛散防止容具を貼り付けたりしている。ものによっては半円筒状樹脂板を便器内に深く挿入し飛散を防止している。
飛散防止機能は満たすが、便座は閉状態のみではない。開状態ではこれら飛散防止具は目立つ状態で人の目にふれることになる。飛散防止具は飛散液を受け汚れることが前提でありこの汚れ対策や洗浄の仕方、貼り付けたものの取り替え方法に関して詳しく言及されていない。
便器素材に有機ガラス、アクリル系樹脂を用い便座下面内周リブと便器上面の外周リブにより漏れ防止を行っているものがある。樹脂の撥水性質から水汚れが付きにくいことを謳っている。難点として素材が樹脂であることから硬度が低く、また耐化学薬品性の問題から洗浄方法に制限が加えられている。
実願2004−3043 特願2004−349122 特願2004−166817 特願2007−102199 特願2009−299410
カタログ「アラウーノシリーズ」パナソニック株式会社
便座に座って用足しをする場合やその後の洗浄において、ある流速を持った液体が固定状態にある便器やお尻に衝突することから液が飛散することになる。飛散は着座の状態、液飛び方向から便器の前後方向、特に手前方向に多くなる。この飛散微粒液滴は便座を越えるものも微量にあるが、便器内にほとんど回収される。
しかし一部便座と便器隙間から漏れ、床を汚し、あるいは便器上縁より外側に伝わり、液ダレ汚れとなる。これらを防止する便座、便器を提供する。
既存便座下面、平面部に環状波形を付することにより断面形状を波形とする。波の役割は山腹で飛散してくる液滴を受け止め山頂に集めることにある。便器縁上に位置する波高は、高くすると便器上面と接触、干渉するため現状隙間から6〜9割程度減少させる程度に制限される。機能面から見ると波頂と便器上縁の距離は水で架橋でき水幕を形成出来る範囲の寸法となる。
この水幕は山頂峰伝いに形成されるため飛散する微粒液滴を吸収し便器外への飛散を防止することになる。この水幕位置が便器縁断面の最頂部より内側にあると、保水量以上の吸収水は便器内に流れ落ち、便座開時には架橋が切れ同様内側に流れ落ちることになる。
水幕形成順を考えると液が飛散して始めて形成され、その後の飛散微粒液滴に有効作用することになる。これを改善するため便蓋開によりパルス的に水を微量供給し水幕を形成させる方法がある。水と同様便蓋閉によりエアブローを行い、便器上縁の水を除去できる。便蓋に新たな役割を付与することにより便蓋、便座、便器の新たな組合せとなる。同じ考え方で便蓋にエアの供給導管を設けると便座上面の水滴除去も可能となる。
水幕の形成し易さも新たな課題となる。便器上縁には撥水処理、便座波頂には親水処理が効果を上げることになる。撥水処理は既存技術であるシリコン樹脂やフッ素樹脂の焼付けによって可能である。親水処理はプラズマによる表面改質や親水性樹脂の被膜などが考えられる。
表面改質は寿命の問題もあるので親水化処理以外に水との接触面積を増加させ保持させる方法も考えられ、波頂面粗度をサンドブラスト等で上げる方法もある。あるいは峰伝いにスリットを切る方法も考えられる。
便器上縁の水滴を内側に流す手段として便器内側に面取りを施す方法が考えられる。これに撥水処理等組合せると更に効果が期待できる。
便座下面に波形状を設けるがその範囲は便座前支持具位置より手前部が想定される。この波は全て同じ高さでも良いが、便座内側で波高を高くし、外側にある波高を低くしても良い。内側波高の高さは便器内側に位置するため便器と干渉することが無いので意匠的に問題ない範囲で高くすることができる。
波形状は波谷底Rを小さくすると掃除がしにくくなる。拭き取り掃除を想定すると谷底R5以上が好ましい。一方山頂部は液の集まるところで大きなRは好ましくなく谷底Rの半分以下を目安とする。便座下面に若干の傾斜を持たせ便座先端、手前側を奥より低くすることで便座前部により水滴が集まり前縁部の自己シール効果が向上する。
便器上縁の水滴除去方法で便器内側に勾配を設けることを述べたが、流れ易さは水滴の転落角度で評価される。これは表面性状の一つである撥水性能に左右される。転落角が15°〜30°になるものが便座との組合せ上、採用しやすく現状の便器形状を大きく変更することなく面取り加工で実現できる。
図2は従来の陶器製便座に本考案の便座を組合せたものを示す。付する波高さは同じであるが内側山は便器内側に位置するため意匠の許せる範囲で高くすることは可能である。内側山は水平飛散微粒液滴を受け止める。便器縁上に位置する波は下、斜めからの飛散を受け止めることになる。内側から3山目、頂と便器上縁の間に水幕を形成することになる。これがシールの役目を行う。
実施例1では便器内側の傾斜が弱く水滴除去に危惧が持たれる。このため便器内側に面取り加工を施したものとそれに対応する便座構造の組合せを図4に示している。この場合、波形状は、内側波高から順次減衰するものを採用している。水幕形成位置は図2同様に便器上縁最頂部より内側に位置している。波山2つ目はこの場合無くても良い。
実施例1、2に共通するが便器には表面処理として撥水処理を行い、便座波頂は親水処理を行うことにより性能が更に向上する。
水幕を事前形成させる方法、エアブローによる水滴除去も、実施例1、2に導入すると更に好ましい結果が得られる。
便座下面の波形状や、陶器製便器の面取り加工とも現状製造工程に組み込み可能な変更で比較的容易に達成される。
洋式洗浄便器斜視図 便座先端A−A’断面図、波形状図 従来の便器に本考案の便座、下面に波形状加工を施したものとの組合図 本考案便座を裏から見た正面図 波形状の山筋、谷筋を便座先端部分に施した図 面取り便器との組合せ図 便座閉時に便座と便器の微小隙間に溜まった水滴を、便座開示に便器内部に流れ落とす面取り加工を施した便器と本考案便座との組合せ図 本考案便座に給水及びエアブロー導管を組込んだ便座図
1 便器
2 便座
3 便蓋
4 本考案便座
5 波形状谷部
6 波形状山部
7 内側山部
8 便座後部支持具
9 便座前部支持具
10 山筋 2点鎖線
11 谷筋 1点鎖線
12 面取り加工便器に対応する本考案便座
13 面取り加工便器
14 エア導管
15 水導管
16 エア吐出孔
17 出口に溝加工が施された給水孔

Claims (4)

  1. 便座、便器の組合せにおいて、便座下面を環状波形にすることによって、便器上縁面との隙間に広狭繰り返し空間を設ける。波形山頂部と上縁面との最小寸法は水が架橋できる寸法とする。架橋水は峰伝いに幕を形成し、飛散微粒液滴の飛び出しを防ぐ役割を果たす。水幕が水の飛び出しを防ぐ自己シール機能で飛散および便器外側への液ダレを防止する環状波形を有する便座
  2. 請求項1において、自己シール機能向上目的で下側陶器製便器には撥水処理を行い、上側便座の波山頂部に親水化処理、保水溝スリット加工を行い、保水性能を上げた樹脂製便座との組合せ便器
  3. 便器上縁部の濡れ回避のため、便器上縁内側に15°〜30°の面取りを行い、この斜面に撥水処理を行い、下面を波形状にし、波形高さが内から外に向かって減衰する形状を持つ便座との組合せ便器
  4. 請求項1及び3おいて、便蓋の作動状況をトリガーとして開時に水幕形成目的で便座、便器隙間に水を微量供給する導管、便蓋閉時に水幕および便器上縁の付着水分除去のためパルスエアあるいは低圧で所要時間ブローし乾燥させる導管を内蔵具備した便座
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