JP3203792B2 - 画像記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カード又はシートなど
の物体上に画像を記録する画像記録装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、画像記録装置としては、ポリ塩化
ビニル樹脂，ポリエチレンテレフタノール樹脂，或は紙
等の種々のカード等にカラー顔写真、文字、サイン等の
個人情報を記録するプリンターが知られている。

【０００３】このプリンターは、印刷を行なうカードを
搭載する移動ステージと、この移動ステージを駆動する
ステージ駆動手段と、カードの印刷面に当接させる転写
リボンと、ステージの移動速度に合わせて転写リボンを
移送させるリボン給送機構と、ステージの移動速度と転
写リボンの移動量に合わせて発熱体を発熱調節するサー
マルヘッドとを備えている。

【０００４】プリンターにカラー顔写真、文字、サイン
等の多種類の情報を記録させる場合には、移動ステージ
上にカードを固定し、カード上に転写リボンを当接さ
せ、転写リボン上にサーマルヘッドの発熱体を当接さ
せ、移動ステージの駆動手段により移動ステージを移動
させつつ、転写リボンを送り、同時に記録する情報の印
字形式に合わせてサーマルヘッドを発熱させ、転写リボ
ンの転写インクをカード上に転写するようになってい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
画像記録装置は、サーマルヘッドによる熱転写によるた
め、転写リボンが延び、ステージ駆動機構によるステー
ジの送り速度と転写リボンの送り速度とに誤差が生じ、
又、ステージ送り速度ムラや、カードのズレ等によりカ
ード上に既に記録されたプレプリント等（第一次情報）
と転写リボンにより転写されるべきデータ（第二次情
報）との間に色ずれや位置ずれが生ずるという問題があ
った。

【０００６】更に、回転ドラムに、フィルムシートと転
写リボンとを固定し、転写リボンの上からサーマルヘッ
ドを加熱して押圧することによりフィルムシートの上に
転写リボンから画像を記録し、それらの重畳的な転写層
を被転写物に転写する場合には、回転ドラムの直径を小
さくすると、転写する画像が小さくなり、回転ドラムの
直径を大きくすると、従来の大きさのサーマルヘッドが
使用できなくなるという問題がある。

【０００７】本発明にかかる画像記録装置は、複数のデ
ータを記録する画像記録装置において、転写の際の画像
等の転写データの位置ずれが生じにくく精密な転写が行
え、転写する画像を従来のものより大きなものとするこ
とが可能であり、更に、従来のサーマルヘッドを採用で
きるという３つの目的を同時に達成できる画像記録装置
を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明にかかる画像記録装置は、片面に第１画像転
写層を形成したフィルムシートを、前記第１画像転写層
が表になるように円筒状部材の周面に巻き付け、この円
筒状部材の周面に巻き付けられたフィルムシートの第１
画像転写層上に第２画像転写層を有する転写リボンを押
圧させ、この転写リボンの第２画像転写層から画像を前
記フィルムシート上の第１画像転写層の上に転写し、こ
の転写リボンから前記第１画像転写層上に第２画像転写
層から画像が転写されたフィルムを前記円筒状部材から
ステージ上に導き、ステージ上に搭載したシート状の被
転写物上に前記フィルムの第１画像転写層並びに第２画
像転写層から転写された画像を転写させる画像記録装置
であって、前記円筒状部材の近傍に、該円筒状部材の回
転中心線に平行な回転中心線を有すると共に、互いに平
行な回転中心線を有して離間する一対のドラムが配設さ
れ、前記一対のドラムと前記円筒状部材とは、前記一対
のドラムの一方から前記円筒状部材を介して一対のドラ
ムの他方に前記フィルムシートを蛇行させるように配置
され、前記一対のドラムには、それぞれ前記フィルムシ
ートを固定して一体に回転する固定手段が備えられ、前
記円筒状部材には、前記フィルムシートの第１画像転写
層に接触させる前記転写リボンが給送され、前記円筒状
部材周面の前記フィルムシートと転写リボンとが接触す
る部位の近傍にサーマルヘッドが配設されていることを
特徴とする。

【０００９】

【作用】本発明にかかる画像記録装置によれば、一対の
ドラム間に中間のドラムを配列し、一対のドラムの一方
から中間のドラムを介して一対のドラムの他方にフィル
ムシートを蛇行させるから、中間ドラムの直径を小さく
設定できる。従って、サーマルヘッドは従来の小さいタ
イプのものでも対応できると共に、中間のドラムの直径
を小さくすることにより、位置ずれの防止位置合わせの
精度が向上する。更に、3本のドラムの間をフィルムシ
ートを蛇行させる構成とするので、一対のドラムの口径
を大きくとることができ、転写する画像を大きなものと
することが出来る。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例にかかる画像記録装置
を図面に基づいて説明する。

【００１１】図１は本発明の実施例にかかる画像記録装
置の概略構成図、図２は一対の大径ドラムを逆回転さ
せ、転写位置を変える状態の説明図、図３はフィルムシ
ート及び転写リボンを送る状態の説明図であり、図中符
号１、２は一対のドラムを構成するドラム、３は一対の
ドラムの間に位置する円筒状部材としての中間ドラム、
４はフィルムシート、５、６は固定手段としての治具ロ
ーラ、７は転写リボン、８はサーマルヘッドである。

【００１２】フィルムシート４の片面には第１画像転写
層が形成されている。第１画像転写層は軟質樹脂製のシ
ート状の基材の上に形成される剥離層と、剥離層の上に
形成されるホログラム像などが記録されたセキュリティ
層と、セキュリティ層の上に記録される受像層から形成
されている。

【００１３】円筒状部材は中間ドラム３で構成されてお
り、中間ドラム３の近傍に平行に配設された一対のドラ
ム１、２は互いに平行な回転中心線を有している。一対
のドラム１、２は大きな形を有しており互いに離間して
いる。一対のドラム１、２は図示しないパルスモータ並
びにギア機構により回転制御され、正逆方向に回転調整
可能となっている。又、フィルムシート４の移動量はド
ラム１、２の周面の回動量と略等しいため、一対のドラ
ム１、２の周面の回動量はパルスモータに接続される演
算手段により演算されており、フィルムシート４に形成
された第１画像転写層がドラム１、２の周面の所定の部
位に位置するように、パルスモータは制御されている。
尚、フィルムシート４の所定の第１画像転写層がドラム
１の周面の所定部位に位置することを検知するために
は、フィルムシート４に一定ピッチの検知マークを設
け、ドラム１の周面にこの検知マークを検知する光学セ
ンサ等を透光性材質を介して臨ませることにより検知で
きる。又、フィルムシート４の所定の第１画像転写層が
ドラム１の回転開始位置に位置しない場合には、フィル
ムシート４を巻取るローラ９を回転させる。ドラム１の
逆回転時にはローラ１０がフィルムシート４を巻取る。

【００１４】一対のドラム１、２間には中間ドラム３が
配設されている。中間ドラム３は一対のドラム１、２よ
りも小さな直径を有しており、一対のドラム１、２の周
面の両者に当接できる位置に位置している。中間ドラム
３の回転中心線は一対のドラム１、２の回転中心線に平
行に延びている。中間ドラム３は回転自在とされてい
る。一対のドラム１、２とこの中間ドラム３は、ドラム
１から中間ドラム３を介してドラム２にフィルムシート
４を蛇行させるように配列されている。

【００１５】一対のドラム１、２はそれぞれフィルムシ
ート４を固定して一体に回転する固定手段としての治具
ローラ５、６を備えている。治具ローラ５、６はドラム
１、２の左右端部に形成される図示しないアームにより
支持されている。この治具ローラ５、６を支持するアー
ムの回転軸はドラム１、２の各左右両端部に取り付けら
れている。アームの回動は治具ローラ５、６をドラム
１、２の周面に当接・離間させるように行なわれ、この
アームの回動は例えばアクチュエータ等により行なう。
アクチュエータの作動制御は前記のパルスモータの回転
制御と関連して行なわれる。

【００１６】中間ドラム３には、フィルムシート４の第
１画像転写層に接触させる転写リボン７が給送され、中
間ドラム３周面のフィルムシート４と転写リボン７とが
接触する部位の近傍にサーマルヘッド８が配設されてい
る。転写フィルム７は、イエロー、マゼンタ、シアン、
黒のインク層が一定ピッチで区画されて形成されてお
り、ローラ１１からローラ１２に向かって一方向に送ら
れる。転写フィルム７を巻取るローラ９の回転は後述す
るようにドラム１、２の回転と関連しており、第２画像
転写層をフィルムシート４の第１画像転写層の上に転写
するように制御される。転写リボン７は中間ドラム３に
対して当接可能な治具ローラ１３、１３によってフィル
ムシート４に接触する。治具ローラ１３、１３は回転自
在とされており、転写リボン７によりフィルムシート４
に転写を行なう場合に中間ドラム３に対してフィルムシ
ート４を介して接触し、イエローの転写の後にマゼンタ
を転写し、更に、シアンを転写した後に黒を転写するよ
うに、転写する色の交換が行なわれる時には治具ローラ
１３、１３は中間ドラム３から離れる。

【００１７】転写リボン７から画像を転写されたフィル
ムシート４はローラ１４を介してステージ１５に送られ
る。ステージ１５は被転写物であるカード１６を保持し
ており、カード１６を保持して上昇させてフィルムシー
ト４とカード１６とを接触させる。ステージ１５の上方
にはヒーターを内蔵したヒートローラ１７が配設されて
おり、フィルムシート４とカード１６とが接触している
ときに、加熱したヒートローラ１７を回転させると、ヒ
ートローラ１７の加熱用の凸部１８がカード１６上にフ
ィルムシート４を加熱圧接して、カード１６に第１画像
転写層と画像とが転写される。

【００１８】次に、各部の動作について説明する。

【００１９】先ず、治具ローラ６、７をドラム１、２か
ら離間させ、中間ドラム３から治具ローラ１３、１３を
離しておき、ローラ１０から繰り出したフィルムシート
４をドラム１、２及び中間ドラム３に蛇行させる。ヒー
トローラ１７はステージ１５の上方であって転動開始位
置に対着させ、ステージ１５は下降位置に位置させてカ
ード１６を保持させておく。ローラ１０から繰り出され
たフィルムシート４はローラ９により巻取る状態にして
おく。ドラム１、２は回動開始する位置に停止させてお
く。

【００２０】この状態で、フィルムシート４をドラム
１、２並びに中間ドラム３に蛇行させたら、ローラ９を
回転させてフィルムシート４をローラ１０からローラ９
に向かって移動させる。このとき、ドラム１、２の周面
をフィルムシート４がスライド移動する。フィルムシー
ト４の検知マークをドラム１、２の検知手段が検知した
ら、ローラ９、１０は一旦停止し、治具ローラ５、６が
フィルムシート４をドラム１、２の周面に押さえつけて
固定する。フィルムシート４を固定したら、ドラム１、
２及びローラ９、１０を回動させ、フィルムシート４の
第１画像転写層のイエローの転写開始位置がサーマルヘ
ッド８の発熱部の転写位置まで移動させる。フィルムシ
ート４のイエローの転写開始位置がサーマルヘッド８の
発熱部の接触位置まで移動したら、再度ドラム１、２及
びローラ９、１０を停止させ、ローラ１１を回転させて
転写リボン７をローラ１２に向かって移動させる。

【００２１】転写リボン７のイエロー部分の前端部がサ
ーマルヘッド８の発熱部の位置に到達したことを別の検
知手段が検知したら、ローラ１３、１３が中間ドラム３
に向かって転写リボン７を介して押圧するとともに、ロ
ーラ１１、１２の回転が一旦停止し、発熱していないサ
ーマルヘッド８の加熱部が中間ドラム３側に移動し、転
写リボン７とフィルムシート４が中間ドラム３と発熱部
とによって挟持される。

【００２２】転写リボン７のイエローの第２画像転写層
がフィルムシート４の第１画像転写層のイエロー転写開
始位置に位置したら、ドラム１、２の回動量データに対
応する様に発熱部を発熱制御するために、発熱部の制御
装置に対して転写リボン７の転写するための発熱データ
が転写データ記録装置から送信され、第１画像転写層に
イエローの転写が行なわれる。この発熱データの制御
は、ドラム１、２の回動量データ（転写位置に関する情
報）に基づいて転写するドットデータを割り当てて転写
を行なうように行なわれる。

【００２３】イエローの転写が完了したら、図２に示す
ように、サーマルヘッド８の発熱部及びローラ１３、１
３を中間ドラム３から離間させるとともに、ドラム１、
２を逆回転させる。それと同時にローラ１１、１２を正
回転させてマゼンタ層の前端部を中間ドラム３とサーマ
ルヘッド８の発熱部の接触位置に位置させる。ドラム
１、２が回動開始位置に位置したら、イエローの次のマ
ゼンタの位置データに合うようにドラム１、２を回動さ
せる。ドラム１、２の回動量により、マゼンタの転写開
始位置がサーマルヘッド８の転写位置に位置したら、サ
ーマルヘッド８の加熱部を転写リボン７に当接させて加
熱し、マゼンタの転写を行なう。このマゼンタの転写後
にシアン、黒についてもイエローの時の動作と同様な動
作が行なわれる。

【００２４】イエロー、マゼンタ、シアン、黒の転写が
完了し、フィルムシート４の第１画像転写層の所定部位
に適正に４色が転写されたら、図３に示すように、治具
ローラ５、６をドラム１、２から離し、ローラ９を更に
回転させてフィルムシート４の画像を転写したところを
カード１６の転写すべき位置に合うように、フィルムシ
ート４を送る。フィルムシート４の検知マークをステー
ジ１５の近傍に設けた検知手段により検知し、ステージ
１５のカード１６の所定位置の上方に画像の転写部位が
位置したら、ローラ９を停止させる。ローラ９の停止後
はステージ１５を上昇させてカード１６とフィルムシー
ト４とを位置ずれなく接触させ、ヒートローラ１７のヒ
ータを加熱させて転動させ、フィルムシート４に画像が
転写された第１画像転写層をカード１６の上に、加熱転
写する。

【００２５】カード１６上に転写が完了したら、ヒート
ローラ１７は発熱を停止し、ステージ１５が下降し、ヒ
ートローラ１７は再度転動開始位置（図１中右端）に停
止する。又、ローラ９はフィルムシート４を巻取ると共
に、ドラム１、２は次の転写のために回動開始位置に位
置する。

【００２６】

【効果】本発明にかかる画像記録装置によれば、一対の
ドラム間に中間のドラムを配列し、一対のドラムの一方
から中間のドラムを介して一対のドラムの他方にフィル
ムシートを蛇行させるから、中間ドラムの直径を小さく
設定できる。従って、サーマルヘッドは従来の小さいタ
イプのものでも対応できると共に、中間のドラムの直径
を小さくすることにより、位置ずれの防止位置合わせの
精度が向上する。更に、3本のドラムの間をフィルムシ
ートを蛇行させる構成とするので、一対のドラムの口径
を大きくとることができ、転写する画像を大きなものと
することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施例にかかる画像記録装置の概略
構成図

【図２】 一対の大径ドラムを逆回転させ、転写位置を
変える状態の説明図

【図３】 フィルムシート及び転写リボンを送る状態の
説明図

【符号の説明】

１…ドラム ２…ドラム ３…中間ドラム ４…フィルムシート ５、６…治具ローラ ７…転写リボン ８…サーマルヘッド

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深井 茂 東京都台東区台東一丁目５番１号凸版印 刷株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−193861（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−90772（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B41J 2/32 - 2/325 B41F 16/00 B41M 5/26 B41J 15/00 B65H 23/00

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】片面に第１画像転写層を形成したフィルム
   シートを、前記第１画像転写層が表になるように円筒状
   部材の周面に巻き付け、この円筒状部材の周面に巻き付
   けられたフィルムシートの第１画像転写層上に第２画像
   転写層を有する転写リボンを押圧させ、この転写リボン
   の第２画像転写層から画像を前記フィルムシート上の第
   １画像転写層の上に転写し、この転写リボンから前記第
   １画像転写層上に第２画像転写層から画像が転写された
   フィルムを前記円筒状部材からステージ上に導き、ステ
   ージ上に搭載したシート状の被転写物上に前記フィルム
   の第１画像転写層並びに第２画像転写層から転写された
   画像を転写させる画像記録装置であって、 前記円筒状部材の近傍に、該円筒状部材の回転中心線に
   平行な回転中心線を有すると共に、互いに平行な回転中
   心線を有して離間する一対のドラムが配設され、前記一
   対のドラムと前記円筒状部材とは、前記一対のドラムの
   一方から前記円筒状部材を介して一対のドラムの他方に
   前記フィルムシートを蛇行させるように配置され、前記
   一対のドラムには、それぞれ前記フィルムシートを固定
   して一体に回転する固定手段が備えられ、前記円筒状部
   材には、前記フィルムシートの第１画像転写層に接触さ
   せる前記転写リボンが給送され、前記円筒状部材周面の
   前記フィルムシートと転写リボンとが接触する部位の近
   傍にサーマルヘッドが配設されていることを特徴とする
   画像記録装置。