JP3203566B2 - 広角レンズ - Google Patents

広角レンズ

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JP3203566B2 JP10842692A JP10842692A JP3203566B2 JP 3203566 B2 JP3203566 B2 JP 3203566B2 JP 10842692 A JP10842692 A JP 10842692A JP 10842692 A JP10842692 A JP 10842692A JP 3203566 B2 JP3203566 B2 JP 3203566B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、写真用の広角レン
ズ、特に安価なパノラマ撮影用のカメラ及びレンズ付フ
ィルムユニットに適する広角レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レンズ付フィルムユニットは手軽
に使える安価なカメラとして広く使用されているが、最
近ではさまざまな機能が要求され、望遠レンズを搭載し
たものや接写あるいはパノラマ撮影が可能なもの等と多
種多様なカメラが市販されている。そのうち、通常の3
5mmフィルムの撮影画面サイズの上下をマスク等でおお
い、横長の画面として、それを拡大プリントすることで
パノラマ写真を得るようにしたカメラがあるが、この種
のカメラでは、パノラマの特徴を生かすため広角レンズ
が望まれている。
【0003】このような目的に用い得る広角レンズとし
ては、従来米国特許第4932764号及び米国特許第
5000552号などで開示された2つの正のメニスカ
スレンズの間に絞りを有するレンズや、特開平3−16
3509号公報で開示された負のメニスカスレンズとそ
の後方に配置された正のメニスカスレンズを有し、絞り
をこれらのレンズユニットの後方に配置したレンズシス
テム、及び特開平3−259108号公報に開示された
正のメニスカスの単レンズとその後方に配置された絞り
からなるレンズが知られている。
【0004】しかしながら、これらのレンズのうち、米
国特許第4932764号及び米国特許第500055
2号に開示されたレンズでは、絞りをはさんで両側にレ
ンズが配置され、絞りより後方のレンズを通過した光線
束は広い範囲を通り、レンズ系の後方にシャッターを配
置しようとすると大口径のシャッターが必要となり、十
分なシャッター速度を得にくくなる。そのためシャッタ
ーを2つのレンズの間に設けるとレンズ系及びシャッタ
ー機能の構造が複雑になり安価なカメラとなりにくい。
また特開平3−163509号公報の広角レンズでは強
い屈折力の負レンズが前方にあるため、レンズのバック
フォーカスやレンズ全長が長くなりすぎカメラの大型化
を招き望ましくない。更にまた特開平3−259108
号公報の単レンズでは広角化する程倍率色収差が大きく
なり、通常のプリントから拡大されるパノラマ用プリン
トに対する画質としては不充分なものとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、コンパク
トでパノラマ用の拡大プリントでも十分な画質を有する
広角レンズを得ようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明の広角レンズ
は、図1に示すように、物体側から順に、物体側に凸面
を向けたメニスカス形状の第1レンズと、物体側に凹面
を向けたメニスカス形状の正の第2レンズとからなり、
前記第1レンズの焦点距離をf1 、全系の焦点距離を
f、前記第2レンズの物体側面の曲率半径をr3、軸上
厚をd3とすると以下の条件を満足するように構成す
る。 −0.1<f/f1<0.4 (1) 0.08<d3/|r3|<0.25 (2)
【0007】また、副次的には以下の条件を満足するこ
とが望ましいが、焼き付け倍率が小さいとか、画角を小
さくして用いる等、若干の性能低下が許される場合に
は、必ずしも必須の条件となるものではない。第1レン
ズの物体側の曲率半径をr1 、軸上厚をd1 、第1レン
ズと第2レンズの軸上間隔をd2 とすると以下の条件を
満足するように構成する。 0.15<r1/f<0.25 (3) 0.03<d1/f<0.07 (4) 0.03<d2/f<0.08 (5)
【0008】更に望ましくは、第1レンズと第2レンズ
の少なくとも1つの面を非球面とし、第1レンズの非球
面は中心から周辺部に向うに従い正の屈折力が弱くなる
ような、あるいは負の屈折力が強くなるような形状と
し、第2レンズの非球面は中心から周辺部に向うに従い
正の屈折力が強くなるような形状とする。より具体的に
述べると、第1レンズの物体側面を非球面としたとき
は、中心部から周辺部に向うに従い、曲率が小さくなる
非球面とし、第2レンズの像側面を非球面としたとき
は、中心部から周辺部に向うに従い曲率が大きくなる非
球面とする。
【0009】またこの発明の広角レンズでは絞りを第2
レンズの近くに、すなわち第2レンズの直後あるいは第
2レンズの直前に配置する。
【0010】
【作用】この発明の広角レンズは、メニスカス形状の2
つのレンズを凹面を向きあうように配置して、対称に近
い構造であり、コマ収差、非点収差の補正がしやすい。
更に第1レンズの正の屈折力を小さくするかあるいは、
わずかな負の屈折力を持たせ、全系の屈折力の大半を第
2レンズに持たせるようにすることにより、倍率色収差
の発生を防ぐことができる。条件式(1)はこの屈折力
の配置に関するもので、下限を越えると負の歪曲収差が
大きくなり、またバックフォーカスやレンズ全長が長く
なり、コンパクトなレンズが得られない。また、上限を
こえると倍率色収差や正の歪曲収差が大きくなる。
【0011】また第2レンズの物体側面を凹面とし発散
作用を持たせ、軸上厚を適度に与えることによって倍率
色収差を良好に補正することができる。条件式(2)は
この第2レンズの形状に関し、下限をこえると十分な倍
率色収差の補正ができなくなりまた像面湾曲が大きくな
りすぎる。上限をこえると負の歪曲収差が大きくなり、
非点収差も大きくなる。
【0012】条件式(3)の下限を下まわると第1レン
ズと第2レンズの偏心によって像面が傾く片ぼけが発生
しやすくなり、レンズの組み込みに要求される精度が高
くなり安価なカメラに適するレンズにならない。上限を
超えると第1レンズの像側面の曲率半径が大きくなるこ
とにより、近軸曲率半径が関与する低画角でのコマ収差
が大きくなり好ましくない。条件式(4)の下限をこえ
ると像面湾曲が大きくなりすぎたり、レンズの軸上厚が
うすくなりすぎるため、加工性や強度の点で問題にな
る。また、上限をこえると倍率色収差が大きくなる。条
件式(5)の下限をこえると像面湾曲が大きくなる。ま
た第1レンズと第2レンズの凹面が互いにぶつかる高さ
が低くなり、レンズのFナンバーが暗くなったり、ある
いは周辺光量が不足しやすくなる。上限をこえると負の
歪曲収差が大きくなる。
【0013】また、更に第1レンズに中心部から周辺部
に向うに従い正の屈折力が弱くなるような、あるいは負
の屈折力が強くなるような非球面を配置し、第2レンズ
に中心部から周辺部に向うに従い正の屈折力が強くなる
ような非球面を配置することにより、軸外光束の周辺光
線のフレアーを補正し、撮像面が湾曲しているときは適
当な像面湾曲を与えることができる。これらの作用から
見て、非球面は離して配置するのが良く、望ましくは第
1レンズの物体側面と第2レンズの像側面に配置する。
【0014】
【実施例】以下にこの発明の広角レンズの実施例を示
す。表中の記号は以下のものを表す。 r:屈折面の曲率半径 d:屈折面の間隔 nd:レンズ材料の屈折率 νd:レンズ材料の
アッベ数 F:Fナンバー ω:半画角 またこの発明の非球面は*で表し、その形状は光軸方向
をX軸、光軸と垂直方向をY軸とするとき数式1で表わ
される。
【数1】 ここで、rは近軸曲率半径、K,A2iは非球面係数であ
る。また、以下の実施例では結像面が曲率半径 R=1
10で画面の長手方向についてレンズ側に湾曲するシリ
ンドリカル面になっている。
【0015】 第1実施例 f=25.4 F=9.7 ω=41° 面No. r d nd νd *1 4.582 1.000 1.492 57.0 2 4.595 1.000 3 −20.408 3.000 1.492 57.0 *4 −8.720 非球面係数 第1面 K =−0.1917 A4 =−0.4026×10-3 6 = 0.6340×10-4 8 =−0.1238×10-4 10= 0.1065×10-6 第4面 K = 0.1496×10-2 4 =−0.7685×10-3 6 = 0.1008×10-3 8 =−0.3329×10-4 f/f1 =0.20 d3/|r3|=0.15 r1/f =0.18 d1/f =0.04 d2/f =0.04
【0016】第2実施例 f=25.4 F=9.7 ω=41° 面No. r d nd νd *1 4.570 1.000 1.492 57.0 2 4.438 1.200 3 −18.528 2.000 1.492 57.0 *4 −7.904 非球面係数 第1面 K =−0.2472 A4 =−0.5208×10-4 6 = 0.7025×10-4 8 =−0.1892×10-4 10= 0.3834×10-6 第4面 K = 0.1548×10-24 =−0.7474×10-3 6 =−0.4999×10-4 8 =−0.4398×10-6 f/f1 =0.12 d3/|r3|=0.11 r1/f =0.18 d1/f =0.04 d2/f =0.05
【0017】第3実施例 f=25.9 F=9.7 ω=40° 面No. r d nd νd *1 4.970 1.100 1.492 57.0 2 5.098 1.000 3 −17.855 2.000 1.492 57.0 *4 −8.503 非球面係数 第1面 K =−0.5044 A4 =−0.4060×10-3 6 = 0.1268×10-3 8 =−0.2543×10-4 10= 0.1132×10-5 第4面 K =−0.6662×10-3 4 =−0.1198×10-2 6 = 0.4170×10-3 8 =−0.1199×10-3 f/f1 =0.25 d3/|r3|=0.11 r1/f =0.19 d1/f =0.04 d2/f =0.04
【0018】第4実施例 f=25.4 F=9.7 ω=41° 面No. r d nd νd *1 4.970 1.100 1.492 57.0 2 4.817 1.000 3 −16.440 2.000 1.492 57.0 *4 −7.447 非球面係数 第1面 K =−0.4115 A4 =−0.6722×10-3 6 = 0.1021×10-3 8 =−0.2753×10-4 10= 0.1111×10-5 第4面 K =−0.1195×10-2 4 = 0.1337×10-2 6 = 0.3773×10-3 8 =−0.1191×10-3 f/f1 =0.09 d3/|r3|=0.12 r1/f =0.20 d1/f =0.04 d2/f =0.04
【0019】
【発明の効果】この発明の広角レンズは、実施例および
収差曲線図にみるように、倍率色収差、非点収差の小さ
い良好な結像性能を有し、パノラマ等の拡大プリントに
おいても十分な画質が得られる。また断面図に見るよう
に、コンパクトでまたシャッターをレンズの後方に配置
できるためレンズの形状やシャッター機構等を簡単化で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の広角レンズの断面図と光線経路
【図2】この発明の広角レンズの第1実施例の収差図
【図3】この発明の広角レンズの第2実施例の収差図
【図4】この発明の広角レンズの第3実施例の収差図
【図5】この発明の広角レンズの第4実施例の収差図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 9/00 - 17/08 G02B 21/02 - 21/04 G02B 25/00 - 25/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体側から順に、物体側に凸面を向けた
    メニスカス形状の第1レンズと、物体側に凹面を向けた
    メニスカス形状の正の第2レンズからなる広角レンズに
    おいて、前記第1レンズの焦点距離をf1 、全系の焦点
    距離をf、第2レンズの物体側の曲率半径をr3 、その
    軸上厚をd3 としたとき、以下の条件を満足することを
    特徴とする広角レンズ −0.1<f/f1<0.4 0.08<d3/|r3|<0.25
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JP3452919B1 (ja) 2003-01-22 2003-10-06 マイルストーン株式会社 撮像用レンズ
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