JP3203095B2 - 苗自動供給装置 - Google Patents

苗自動供給装置

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JP3203095B2
JP3203095B2 JP12101293A JP12101293A JP3203095B2 JP 3203095 B2 JP3203095 B2 JP 3203095B2 JP 12101293 A JP12101293 A JP 12101293A JP 12101293 A JP12101293 A JP 12101293A JP 3203095 B2 JP3203095 B2 JP 3203095B2
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実夫 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水稲等の苗を圃場に移
植する移植作業車に予備の苗を自動的に供給する装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】移植作業車の代表である田植機において
は、できるだけ多くの苗を車体に積載するとともに、こ
れを苗植付機構に自動供給して作業能率を向上させるこ
との研究がなされており、その一例として特開平4−2
78006号において、畦や農道から田植機に能率良く
苗補給できるシステムが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のシステムは、苗
補給車と、この苗補給車から予備の苗を受取るとともに
苗載せ台に受取った予備苗を自動的に供給する自動供給
装置とから成り、能率的に苗補給できるものである。そ
して、前記自動供給装置では、装置上部に配設されたク
レーンによって供給されてくるキャリアを各格納区画に
配給し、空キャリアを格納区画横のストック用区画に移
送するには、装置下部に配設されたローラ式の横送りコ
ンベヤを使用するものであり、クレーンと横送りコンベ
ヤとで搬入と搬出機能を分担させて効率良く作動させる
ようにしたものである。しかしながら、上記自動供給装
置の構造については概要の構造・機能が述べられるに止
まり、詳細な部分にまでは言及されていなかった。本発
明の目的は、外部から苗格納部へのキャリアの搬入及び
搬出に関する手段を合理的に構成させる点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的の達成のために
本発明は、各条毎に予備苗を収容するキャリアを複数段
に積上げて格納しておく苗格納部の左右方向位置に、空
のキャリアを保管しておく空キャリアストック部を備
え、苗格納部の下端位置から苗格納部の後方に位置する
苗載せ台に苗を供給して空になったキャリアを、苗格納
部の下端位置から空キャリアストック部の下方位置に移
送する横送りコンベヤを備えるとともに、空キャリアス
トック部の上端及び下端位置の夫々に、横側方からキャ
リアを搬入及び搬出するための出入口を設けてあること
を特徴とするものである。
【0005】
【作用】田植機に搭載された状態の苗自動供給装置は、
その上端部の地上高さが約2mになること、及び、各格
納区画へのキャリア供給はクレーンを使って区画上方に
おいて行われること等から、前述の公報で示されたよう
に外部の苗補給車からのキャリア出入れに適している。
又、人手によって苗を苗格納部に供給するには、地上高
が約1.2mとなる格納枠下端部から行えるのが作業し易
く、望ましい。そこで、空キャリアストック部の上端及
び下端位置の夫々に、横側方からキャリアを搬入及び搬
出するための出入口を設けると、苗補給車による機械作
業と、人力による人為作業のいずれの補給手段も任意に
選択できるようになるとともに、その選択された補給手
段に適した作業高さも現出できるものとなる。
【0006】
【発明の効果】従って、キャリア回収ゾーンである空キ
ャリアストック部の上下に出入口を設けるだけの比較的
簡単な構造工夫により、苗の機械補給手段と人為補給手
段のいずれの手段にも適合し、かつ、いずれの手段でも
良好な補給作動が行える合理的なものとして提供するこ
とができた。
【0007】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図11に図示しない苗補給車から予備の苗が補
給される田植機が示されている。この田植機は、自動操
縦あるいは無線操縦される4輪駆動型の自走車体1の後
部に複数条植え(この実施例では6条)の苗植付装置2
をリンク機構8を介して昇降自在に連結するとともに、
前輪3と後輪4間の上部に苗自動供給装置Dを搭載して
いる。苗植付装置2は、一定ストロークで往復横移動す
る苗載せ台5にマット状に成育された6条分の苗Wを搭
載し、苗載せ台5の下端からロータリ式の植付機構6で
1株ずつ苗を切出して整地フロート7で均された圃場面
に植付けていくように構成された一般的な構造のものが
用いられている。苗自動供給装置Dは、各条毎に予備苗
を複数枚ずつ多段に積上げ格納し、苗載せ台5の苗消費
に伴って条単位で予備苗を自動供給する機能を備えてお
り、以下に、詳しく説明する。
【0008】図7、図11に示すように、自走車体1の
上部に前後一対のガイドレール9,9が設けられ、この
ガイドレール9,9に沿って左右移動可能に格納枠10
が搭載されている。この格納枠10には左右に8個の区
画A,Bに区分され、両端を除く6箇所の区画Aで構成
される苗格納部kには同調駆動される前後一対の爪付き
チェーン11,12が上下回動可能に設けられ、図5に
示すように各爪付きチェーン11,12から対向して突
設された爪11a,12aに箱状のキャリア13に収容
されたマット状の予備苗Wが上下に間隔をあけて受止め
支持されている。
【0009】図4に示すように、キャリア13は、苗W
を収容し得る寸法の中抜き矩形の外枠13Aと、これの
内部に支点ピン14を介して天秤揺動自在に枢支連結し
た側壁付き平板状の内枠13Bとから成り、この内枠1
3B上に苗Wが搭載支持される。ステンレス製の内枠1
3Bには、これを傾斜させての苗排出時に滑りやすくす
るための凸状の縦溝13cが複数並列形成されるととも
に、アルミ合金製の外枠13Aには軽量化のための軽減
孔13dが多数形成してある。外枠13Aは、苗W(内
枠13B)を収容する収容部13aと、この収容部13
aから長手方向側方に形成された被チャック部45とか
ら構成されている。被チャック部45は、上及び下面
(リブ部に相当)46,47と左右の側壁52,52を
有して構成され、多物との接触してもスムーズに搬送で
きるように側壁52,52を傾斜配置してあり、キャリ
ア13としての角部を斜めカットされた形状としてあ
る。又、下面47は上方に、上面46の左右端部分は下
方に夫々先端部分を折り曲げてフック部47a,46a
を形成してある。
【0010】図5に示すように、前記区画Aの後側の爪
付きチェーン12は、その下端が区画Aの底より高い位
置に設定され、その下方にはキャリア13が後方に通過
し得る開口15が各条毎に形成されている。又、格納枠
10の底部前方には押出し部材16がロッドレスシリン
ダRCによって平行前後動可能に各条毎に配備されてお
り、前後のチェーン11,12と図示しない昇降装置と
によって格納枠10の底部まで下降されたキャリア13
だけが押出し部材16に押されて開口15から後方に送
り出されるように構成されている。各開口15の後方に
は、押出されたキャリア13を載置案内するガイド部材
18が各条毎に設けてある。
【0011】図9に示すように、苗載せ台5上端には、
天秤式に上下揺動自在な苗供給フレーム19が苗載せ台
全幅に亘って備えてある。この苗供給フレーム19は、
揺動軸27回りに油圧シリンダ17で駆動揺動可能であ
り、苗載せ台5の傾斜方向に連なる苗供給姿勢と、前記
ガイド部材18に沿う苗受取り姿勢とに切換え駆動可能
な傾動機構Fを構成している。尚、図7に示す20は、
ガイド部材18を介して後方に送られてきたキャリア1
3の横方向位置ズレを修正する可動ガイドである。苗供
給フレーム19の後端には、上下方向に移動可能に鉤状
の押圧片21が取付けられた伸縮シリンダ51が装着さ
れ、圧接機構Gを構成している。苗供給フレーム19上
に送られてきたキャリア13は、被チャック部45の下
面48を押圧片21で下方に押付けて苗供給フレーム1
9上に係止固定され、苗供給フレーム19が苗供給姿勢
に傾動されると、固定のプッシャー22がキャリア13
の内枠13Bに下方より相対的に接当して内枠13Bの
後端が外枠13A上にせり上げられ、この状態で内枠1
3B上の苗Wが苗載せ台5上に滑落供給されるようにな
っている。つまり、押圧片21が押付け移動された押圧
作動状態においては、下面48と押圧片21とによって
これら両者の相対外れ移動が阻止される係合構造が構成
される状態に、下面48及び押圧片21夫々の形状が設
定されている。
【0012】図10に示すように、押出し部材16には
キャリア13に係脱する係止片23が備えられ、押出し
部材16が前方に復帰する際、空になったキャリア13
を係止して格納枠10内に引込み搬送するようにしてあ
る。
【0013】図7に示すように、格納枠10の底部には
キャリア13を横送りするローラコンベヤ24が備えて
あり、押出し部材16によって持ち帰ってきた空キャリ
ア13を左又は右端の区画B、即ち空キャリアストック
部Bに搬送する。図6に示すように、空キャリアストッ
ク部Bには、搬送されてきたキャリア13を持ち上げる
前後の揚送チェーン25が備えられ、この揚送チェーン
25に取付けられた係止爪26に空キャリア13を載置
し、順次空キャリア13を下方より積上げて回収できる
ように構成されている。尚、格納枠10は苗載せ台5の
横移動に同調して横移動するように図示しない油圧シリ
ンダで横移動されるようになっているとともに、格納枠
10の左右と苗供給フレーム19の始点軸27の両端と
が伸縮及び上下左右に傾動可能な連結アーム28で連結
されている。
【0014】図7、図13に示すように、空キャリアス
トック部Bの上端及び下端位置の夫々に、横側方からキ
ャリアを搬入及び搬出するための出入口53,54を設
けてある。即ち、上部出入口53は図12に示す外部の
苗補給車Tのローダ56からキャリア13を搬入及び搬
出するストック部Bの上面によって、下部出入口54は
ローラコンベヤ24上にあるキャリア13が通過可能な
開閉式の手動扉55によって夫々形成されている。つま
り、上部出入口53は特開平4−278006号公報で
示されたように、自動的に外部からキャリア13を補給
する自動苗積込みに適し、下部出入口54は人為作業で
キャリア13を補給する人為苗積込みに適している。人
為苗積込みでは、揚送チェーン25によってキャリア1
3を順次揚送していくのであり、その後は自動苗積込み
と同様に、後述するクレーンEによって各格納区画kに
移送する。
【0015】以上が、苗自動供給装置Dによる苗載せ台
5への苗供給に関する構成であり、苗載せ台5の各条毎
に備えられた検出手段によって苗消費が検出されると、
格納枠10の対応する区画Aからキャリア13が送り出
され、苗供給フレーム19に受渡した後に苗載せ台5の
所定の条へ苗だけが送りこまれ、空キャリア13は左右
の空キャリアストック部Bに積上げ回収されていく。こ
れら一連の動作は苗植付作業中に自動的に行われ、苗格
納部kに保管していた予備苗がなくなると苗補給を受け
るために田植機は、例えば、畦に待機している苗補給車
Tのそばに移動し、苗を補給する。
【0016】図1〜図3に示すように、格納枠10上部
に配備された前後のレール29,30に対して平行横移
動自在にフレーム枠31を、前後軸心Yを持つ縦ローラ
49と、上下軸心Zを持つ横ローラ50とで支持し、該
フレーム枠31にチャッキング装置Cを昇降自在に支持
してクレーンEが構成されている。フレーム枠31に
は、左右両端のスプロケット32,33に巻回されるチ
ェーン34が前後夫々に連結されており、前後の左スプ
ロケット32を連動する回転軸35をモータmで駆動さ
せることによって、クレーンEを左右に駆動平行移動自
在に構成してある。
【0017】図1、図2に示すように、チャッキング装
置Cは、チャック37と、これが被チャック45部に位
置する作用姿勢と被チャック45部から離間した非作用
姿勢とにスライド移動自在な出退シリンダ38とを下向
きコ字状の断面形状を有したチャンネル材で成るフレー
ム枠36に備えて構成してある。詳述すると、チャック
37に屈曲板材のステー39を取付け、このステー39
の前後のガイド部37a,37aに出退シリンダ38の
ピストンロッド38bを貫通して相対固定してあるとと
もに、ピストンロッド38bを下方から受止め支持する
ブラケット40をフレーム枠36の内上面36uに取付
けてある。そして、ガイド部37aの左右側面37y,
37yとフレーム枠36の内側面36s,36sとが隙
間なく嵌合され、かつ、ガイド部37aの上面37uと
フレーム枠36の内上面36uとの隙間もないようにし
ながらフレーム枠36とチャック37との相対スライド
を許容している。つまり、スライド移動方向に対する左
右及び上下方向へのチャック37の首振り移動が規制さ
れるべく、チャック37とフレーム枠36とを相対スラ
イド自在な緊密嵌合構造に構成してある。チャック37
の二股状の折曲げ先端部には左右一対の爪部37bが形
成され、更に各爪部37bの先端には突起37cが突設
されている。
【0018】前記外枠36には,フレーム枠31の上部
枠31aに取付けらた昇降シリンダ41のピストンロッ
ド41aに対する連結ブラケット36aが固定され、か
つ、その両側にチャッキング装置Cの昇降移動を案内す
るための前後一対の案内棒42,42が固定されてい
る。上部枠31aには、案内棒42を内嵌合させる筒ボ
ス43が取付けてある。一方、キャリア13の長手方向
の両端部は、図4に示すように、内側に凹入して折曲げ
上面46と側壁44とによって被チャック部45に形成
されている。側壁44にはチャック37先端の突起37
cが係入可能な係合孔44aが形成してあるとともに、
平面視で外開きハ字状を呈する一対のガイド48,48
が折曲げ上下面46,47と側壁44とに跨がって固着
してある。
【0019】次にクレーンEの作用を説明する。苗Wが
収容されたキャリア13が一方のキャリアストック部B
上部に補給されると、モータmを駆動してフレーム枠3
1をその補給されたキャリア13上に横移動させ、昇降
シリンダ41を作動させて前後に開いた状態のチャッキ
ング装置Cを下降する。そして、図1に示すように、出
退シリンダ38を短縮動して一対のチャック37,37
を閉じ移動させるチャッキング作動を行い、キャリア1
3の被チャック部45に係入させるのであるが、このと
きチャック37と被チャック部45とが多少左右方向に
ずれていても一対のガイド48,48によって爪部37
bが案内移動され、突起37cが係合孔44aに挿入さ
れての所定位置に自動的に位置合わせされるようにな
る。これにより、両チャック37間における一対の爪部
37b,37bの間に必ずキャリア13の重心が位置す
るようになる調心作用が自動的に行われる作用が発揮さ
れるようになる。それから、昇降シリンダ41が短縮動
してキャリア13を持上げて吊下げ姿勢とし、次いでモ
ータmを駆動してフレーム枠31を目的とする区画Aに
横移動させ、再び昇降シリンダ41を伸張動させてキャ
リア13を下ろし移動するとともに出退シリンダ38を
伸張動させてチャック37を被チャック部45から抜き
去り、もって、クレーンEによるキャリア13の移送配
給の1行程が完了するのである。
【0020】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーンの吊下げ構造を示す要部の一部切欠き
側面図
【図2】チャック部分の構造を示す斜視図
【図3】クレーンの吊下げ構造を示す要部の一部切欠き
平面図
【図4】キャリアの分解斜視図
【図5】苗自動供給装置の苗格納部部分での構造を示す
側面図
【図6】苗自動供給装置の側面図
【図7】苗自動供給装置の概略構造を示す斜視図
【図8】クレーンの背面図
【図9】苗載せ台への苗供給作動状態を示す要部の縦断
側面図
【図10】押出し部材によるキャリア引込み構造を示す
要部の縦断側面図
【図11】田植機の全体側面図
【図12】苗補給車からの苗補給状態を示す平面図
【図13】苗格納部の端部の背面図
【符号の説明】
5 苗載せ台 13 キャリア 19 供給フレーム 24 横送りコンベヤ 53 上取出口 54 下取出口 k 苗格納部 B 空キャリアストック部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 和彦 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (56)参考文献 特開 平4−278006(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01C 11/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各条毎に予備苗を収容するキャリア(1
    3)を複数段に積上げて格納しておく苗格納部(k)の
    左右方向位置に、空のキャリア(13)を保管しておく
    空キャリアストック部(B)を備え、前記苗格納部
    (k)の下端位置から該苗格納部(k)の後方に位置す
    る苗載せ台(5)に苗を供給して空になったキャリア
    (13)を、前記苗格納部(k)の下端位置から前記空
    キャリアストック部(B)の下方位置に移送する横送り
    コンベヤ(24)を備えるとともに、前記空キャリアス
    トック部(B)の上端及び下端位置の夫々に、横側方か
    ら前記キャリア(13)を搬入及び搬出するための出入
    口(53),(54)を設けてある苗自動供給装置。
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