JP3202705B2 - 医療用のリポソームおよび薬物含有リポソームのエアゾールの小粒子 - Google Patents

医療用のリポソームおよび薬物含有リポソームのエアゾールの小粒子

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明の分野は、医療用に有
用なリポソームおよびリポソーム・薬物の組み合わせか
らなる小粒子エアゾールである。 【0002】 【従来の技術】小粒子エアゾールとは、一つのコロイド
系で、その系の中の連続層は気体であり、粒子の大部分
のものは直径5ミクロン以下で、かつ空気力学上の質量
中間直径は1ないし3ミクロンのものであると定義され
る。このように粒子の大きさが不連続的であることの利
点は次のようなものである。即ち、粒子が小さく沈下し
て行く速さも小さいところから、これらの粒子は呼吸器
のかなり内側の奥深くまで吸入された時、かなりの部分
が浸透して行くことができる。例えば、直径1.5ミクロ
ンの粒子は総吸入量の46パーセントが肺に達し、残りの
36パーセントは鼻や上気道にとどまる。このように粒子
が均一にある部位に到達することができると、呼吸器の
どのレベルの疾病をも治療することができるようになる
だろう(Gilbert,B.E.,Wilson,S.Z.,およびKnigh
t,V.,1986年、インフルエンザウイルス感染のRibavir
inエアゾールによる治療「インフルエンザ治療の方法、
分子および細胞生物学に関するUCLAシンポジウム」
Alan R.Liss,Inc.,NewYork,New York,P343.) 小粒子エアゾールによる治療では、他の投与方法では到
達し得ないような多量の薬物を気道上皮に送り込むこと
ができる(Knight,V.1973年、呼吸器病原ウイルスの空
気感染および肺への沈着、ウイルスおよびマイコプラス
マによる気道感染、V,Knight編、Lea and Febiger,Ph
iladelphia,Pennsylvania.P.1)。このように肺に
到達した薬物は、その後一定の速度で全身の循環系へ吸
収される。乾燥したリン脂質を水性の環境におくと自然
に多層構造をとるようになり、これが浸透性のバリヤと
しての機能をもつようになる。リポソームと呼ばれてい
るこれら脂質小包は、互いに接していない水性の小室と
閉鎖系の一連の求心的な脂質の二層からなる外層を形成
している。水層の小室の組成はリポソームを形成してい
る液層と同じである。このために、非常に広範囲にわた
る物質を脂質二層内にとりこむことが可能になるのであ
る。リポソーム中にとり込まれたマーカー物質は、天然
の膜と同様の方法で種々の分解性物質によって放出させ
ることができる。このようなリポソームは、通常の細胞
膜中にみられる物質から調製することができるために、
リポソームは、哺乳類の宿主に対して無毒性であると思
われる。また最近のヒトおよび実験動物を用いての研究
結果も、リポソームの無毒であるとの考え方を支持して
いる。リポソーム中に水溶性の化合物を包埋することが
できる事実は、リポソームは、臨床的に用いて薬物の担
体として有用ではないかとの推論がもたらされた。この
ような期待は、水溶性の薬物に対しては完全には実現さ
れていない。しかし、最近行われた水不溶性の抗ガン剤
および抗菌剤に関する研究では、リポソームは、このよ
うな水不溶性の薬物の担体としては理想的なものである
ことが示唆されている。リポソーム中に含まれる薬物の
量は多く、リポソーム膜が機械的な手段、又は生物的崩
壊のいずれかによってこわされない限り、内容の薬物は
放出されないために長時間にわたってのよりコントロー
ルされた薬物放出プログラムが可能となる。さらに実験
動物では、薬物のみを投与したときに比し、リポソーム
中に薬物を包みこませると、毒性が実際に軽減すること
が観察された。リポソーム・薬物化合物は、粒子の大き
さが不均一で、直径1ミクロンから10ミクロンのものま
であり、経口的あるいは静脈内に投与する時には、比較
大量投与している。本特許申請者は、医療用の小粒子エ
アゾール用リポソームおよびリポソーム・薬物の組み合
わせについて詳細をのべたり、示唆したりあるいは過去
の技術についてのべるつもりは全くないし、あるいは小
粒子のリポソームの不均質な粒子およびリポソーム・薬
物の組み合わせの粒子を、より小さいリポソーム粒子
(直経1ミクロン以下)に、より均質な粒子にまで小さ
くする方法についてものべるつもりは全くない。エアゾ
ール粒子の大きさは、エアゾールになった後の薬物の効
果を全く失うことなく、エアゾール発生機、あるいはネ
ブライザーの操作特性によってコントロールすることが
できるものである。ネブライザーによって投与する製剤
中のリポソーム中の濃度によって、1コのエアゾール粒
子(1〜3ミクロンの空気動力学的質量の中間直径)に
含まれるリポソームあるいはリポソーム・薬物組合わせ
の粒子(直径1ミクロン以下)は、1コないし数コであ
る。in vitroの実験では、リポソームは、種々の薬物を
細胞中にとりこませるための有効な担体であることがわ
かっている。リポソームが、水溶性および脂溶性の薬物
の担体となり得ることを示しているぼう大な科学的文献
が発表されている。ことなった数百種類の物質がリポソ
ーム中にとりこまれている。さらに詳細にリポソームに
関する記述、その調製法および応用、そして参考文献
は、American Laboratory,P125−135,1985年10月
号、に記載されている。 【0003】過去の手法として、以下にのべる文献や特
許は、代表的なものである。AMA Drug Evaluation ,第5版P1162−1166.Annals NYAS 治療および予防医療におけるリポソ
ーム、薬物担体の考え方の進歩。 G.Gregoriadis,1978年,308 P343−65Clinical Science and Mol.Med., 新生腫瘍患者への静
脈注射後のブレオマイシン含有リポソームの組織および
肝細胞内分布について、A.W.Segel,G.Gregoriadi
s,J.P.Lavender,D.Tarin,T.J.Peters,1976
年,51,P421−25.J.Infect.Dis., ガン患者における全身真菌感染の治
療のためのリポソーム包埋アンフォテリシンB、予備的
研究、G.Berenstein-Lopez.V.Fainstein,R.Hopfe
r,K.Metha,M.Sullivan,M.Keating,M.Rosenblu
m,R.Metha,M.Luna,E.Hersh,J.Reuben,R.Julia
no,G.Bodey,1985年,151,P704−10Infect.Immun .リポソーム包埋アンフォテリシンBの
ラットマクロファージおよびリンパ細胞に対する効果、
R.Metha,K.Metha,G.Lopez-Berenstein,R.Julian
o,1985年,47,P429−33.The Lancet 硝子膜病における人工界面活性剤投与療
法、T.Fujiawara,H.Maeta,S.Chida,T.Morita,
Y.Watabe,T.Abe,1980年, P55−59.Pediatrics 牛から得た界面活性剤による硝子膜病の治
療、J.ASSmyth,I.L.Metcalfe,P.Duffty,F.Poss
mayer,M.H.Bryan,G.Enhorning,1983年,71 P913
−17.Pediatric 羊水からヒト界面活性物質の分離および呼吸
抑制症侯に対するその効果。M.Hallman,T.A.Merrit
t,H.Schneider,B.Epstein,F.Mannino,D.Edward
s,L.Gluck,1983年,71,P473−82.Pediatric Res., 小児の呼吸抑制症侯の治療のための
超音波処理したリン脂質の噴霧。H.H.Ivey,J.Katti
nwinkel,S.Roth,1977年,11,P301−14.The Lancet, 乾燥人工の肺界面活性剤と、非常な未熟
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Miller,J.A.Davis,1981年,,P64−68.The Lanet, 呼吸抑制症侯を予防するための人工界面活
性剤のコントロール試用。H.L.Halliday,G.McClur
e,M.Reid,T.R.J.Lappin,C.Meban,P.S.Thoma
s,1984年,,P476−78. アメリカ特許第4,370,349号凍結乾燥した潜在的リポソ
ーム混合物製法過程について、アメリカ特許第3,873,72
0号長鎖脂肪酸の存在下に脂質、炭水化物およびアミノ
酸の水性混合物を乳化する方法、あるいは塩基性アミノ
酸塩と卵黄リン脂質の存在下に乳化する方法、アメリカ
特許第4,073,943号水不溶性の薬理作用のある物質をリ
ポイド層として非経口投与する方法。アメリカ特許第4,
536,519号 乳化剤および乳化化粧品に関して、アメリカ
特許第4,563,354号 水と油の乳剤の非経口投与につい
て、 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、医療用に有
用なリポソームおよびリポソーム・薬物の組み合わせか
らなる小粒子エアゾール及びその製造方法である。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、医療用の目的
で小粒子エアゾールリポソームおよびリポソーム結合薬
物が有益な性質を有することに関連したものである。本
発明に用いられているような小粒子は、一つのコロイド
系であり、その中で連続層は気体であり、粒子の大部分
は直径5ミクロン以下で、かつ空気動力学的質量平均直
径は1ないし3ミクロンの範囲にあるものである。この
リポソームは、粒子径が1ミクロン以下のものから10ミ
クロンまでの不均質なものである。ここで有利なこと
は、エアゾールネブライザーによって、リポソームおよ
びリポソーム・薬物の粒子径が1ミクロン以下に小さく
されることである。しかも、このように小さなリポソー
ムおよびリポソーム・薬物粒子は、その薬理作用を保持
したまゝで存在することである。 【0006】 【発明の実施の形態】リポソーム単独による小粒子エア
ゾールを用いた治療は有効である。なぜなら、リポソー
ムは、肺の界面活性物質に酷似しているし、種々の原因
によって生じた呼吸器系の損傷を修復することができる
ためである。リポソームと組み合わせて投与することが
できる薬物の範囲は広く、また投与量の幅も大きくとる
ことができる。一般に、以前に発表されている無害なエ
アゾールの形での薬物の量は、以前発表されているリポ
ソームと薬物の組み合わせで無害な小粒子エアゾール・
リポソーム・薬物にも適用できるものである。リポソー
ム・薬物組み合わせエアゾール中の薬物の量は、エアゾ
ールの貯蔵ビン中の薬物の濃度によってコントロールで
きる。また、用いる薬物の量は、治療の期間、用いる薬
物その他によって定まるものである。例えば、24時間の
投与量は、必要性、薬物の毒性、生物学的化学的な性
質、その他の因子によってナノグラム以下から数グラム
の範囲内にある。リポソーム・薬物の組み合わせは、水
溶性、脂溶性のいずれの薬物でも含むことができる。こ
のような理由から、本発明の目的は、医療の目的でリポ
ソーム、あるいはリポソーム・薬物の組み合わせによる
小粒子エアゾールを調製することにある。本発明のさら
に別の目的は、薬物の薬理学的な効果を全く損失するこ
となくエアゾールネブライザーを用いて、不均質なサイ
ズの粒子を、ほとんど均質な小さいサイズのリポソーム
粒子(直径1ミクロン以下)を調製する方法にある。さ
らに別な本発明の目的は、薬物の薬理学的な効果を全く
損失することなく、不均質なサイズのリポソームから、
ほとんど均質な小粒子のリポソーム・薬物組み合わせ粒
子を調製する方法にある。本発明のさらに別の目的は、
患者の呼吸器の上皮組織に小粒子エアゾール・リポソー
ム・薬物の組み合わせを投与して患者の治療を行うこと
にある。本発明のさらに別の目的は、種々の薬物とリポ
ソームの組み合わせを、種々の病気に投与して患者を効
果的に治療することができることである。他の、更に別
な目的、特徴、そして本発明の利点は、その都度示さ
れ、本願書中に示されている。 【0007】 【実施例】先にのべたように、本発明は小粒子エアゾー
ル・リポソームおよびリポソーム・薬物の組み合わせ、
これらのエアゾールを発生させること、方法、それにこ
れらを用いて患者を治療する方法に関したものである。
こゝで用いている「小粒子エアゾール」とは、一つのコ
ロイド系でその連続相が気体であること、そして粒子の
大部は、直径5ミクロン以下で空気力学的質量中間直径
が1ミクロンから3ミクロンまでのものと定義されてい
る。本発明以前に用いられていたリポソーム・薬物の組
み合わせは、粒子の大きさが1ミクロン(直径)以下の
ものから10ミクロンのものまでと不均質であり、患者に
経口的に又は静脈注射で比較的大量を投与していた。こ
のような大量を投与すると、高用量のために薬物の血漿
中濃度が潜在的に中毒量になり得ることもあるのである
が、呼吸器上皮組織に対しては薬物の濃度は少ない。こ
のような不均質なサイズのリポソーム、およびリポソー
ム・薬物の組み合わせ粒子は、リポソームおよびリポソ
ーム・薬物の組み合わせの薬効を全く損うことなくエア
ゾールネブライザーによってより均質な小粒子に容易に
変えられることは当然考え得ることである。ここで有利
なことは、吸入によって投与するとき、小粒子のリポソ
ームおよびリポソーム・薬物の組み合わせは、呼吸器の
上皮組織に高濃度で到達し、この薬物を経口的に、るこ
とである。ここで有利なことは、吸入によって投与する
とき、小粒子のリポソームおよびリポソーム・薬物の組
み合わせは、呼吸器の上皮組織に高濃度で到達し、この
薬物を経口的に、あるいは静脈内に高濃度で投与したと
きにみられるような有害な高レベルにならずに、徐々に
血中に吸収されるようになるし、その他の投与方法では
到達し得ないような高濃度の薬物を呼吸器上皮組織に与
えることができるようになる。先にのべたように、この
ように粒子のサイズをきっちりそろえることの利点は、
粒子のサイズが小さく沈降速度も小さいために、これら
小粒子は吸入したとき、かなりの部分が呼吸器の深部に
到達し浸透することができる。例えば、直径1.5ミクロ
ンの粒子は、総吸入量の46パーセントが肺に到達し、他
の36%は鼻、その他の上気道に到る。このように薬物
の、組織への到達率がほぼ一定していると、薬物の経口
投与あるいは静脈注射に伴なう問題点、欠点を経験する
ことなく、呼吸器の一定の部分に薬物を到達させたり、
その部分を介して細胞内に薬物を到達させることができ
るようになる。次に示す表1には、リポソーム小粒子と
してエアゾールの形状で投与し得る水、および脂溶性薬
物の代表的なものの例を示したものである。 【0008】 【表1】【0009】リポソーム製剤 リポソームおよびリポソーム・薬物の組み合わせは、適
切な方法で調製することができる。例えば、その調製法
はAmerican Lab.P.125−135,1985年10月号、U.S.P
atent No.4,370,349.Evans et al.,1983年1月25
日、これらの文献には、本発明に用いられているリポソ
ームの調製に適しているものは、種々の(親水、疎水)
両性の脂質であることが示されている。ここにいうリポ
ソーム調製に適した脂質とは、リン脂質であり、その例
としては、タマゴの黄味、あるいは大豆から得られた天
然のレシチン、ウシの脳あるいは合成レシチンとして得
られるスフィンゴミエリン、又、別の例としてヂミリス
トイル・フォスファチヂルコリン、ヂパルミトイル・フ
ォスファチヂルコリン、あるいはヂステアロイル・フォ
スファチヂルコリン、あるいは不飽和の合成レシチン、
又、別の例として、ヂオレイル・フォスファチヂルコリ
ン、あるいはヂリノレイル・フォスファチヂルコリンが
挙げられる。単一のリン脂質あるいはいくつかのリン脂
質類を組み合わせて用いてもよい。ステロール類、例え
ばコレステロールあるいはエルゴステロールなどを、リ
ポソーム二重層の安定性を増すために加えてもよいし、
プラス、又はマイナスの荷電を有する脂質、例えばフォ
スファチヂルエタノールアミン、牛の脳ガングリオシ
ド、あるいはフォスファチヂン酸を、リポソームに適当
な荷電を与えるために、あるいは水成分の容積を大きく
するために加えてもよい。リポソームの流動性を大きく
するために、又は少さくするために、あるいは浸透性を
大きくするため、又は少さくするために脂質を種々の割
合に混合してもよい。リポソームは種々の方法で調製す
ることができる。その方法は通常、リン脂質、あるいは
脂質の混合物を適当な容器中で分散させ、例えば、エー
テル、クロロホルムあるいは三級ブタノールのような有
機溶媒を、例えば蒸発、真空中でのロータリー・エバポ
レーション、あるいは市販されている凍結乾燥機にて凍
結乾燥によって除去することである。このようにしてで
きた脂質膜、あるいは乾燥した脂質粉末は、例えば蒸留
水、等張食塩水、あるいは緩衝溶液のような水性溶媒中
でリポソーム粒子を形成するのである。例えばフォスフ
ァチヂルコリンを再蒸留三級ブタノールに溶解し、ビン
に入れる。このようにして得た溶液を凍結し、市販の凍
結乾燥機を用いて減圧下に溶媒を除去する。これに滅菌
した発熱性物質を含まない蒸留水を凍結乾燥粉末に加
え、粉末が分散するようにビンをよく振りまぜる。この
ようにして得られたミルク状の懸濁液を顕微鏡にて調
べ、懸濁液が、1ミクロン以下から10ミクロンまでの不
均質な粒子からなるリポソームを含むかどうかをみる。
どのような生理活性物質でも、このようなリポソーム中
にとり込むことができる。そのような化合物がリポソー
ムの脂質部分と結合しているか、あるいは残基が水溶性
のコンパートメントに溶存しているかは、そのような生
理活性を有する化合物の物理的および科学的性質により
決定されるものである。ここに示したリポソーム・薬物
の組み合わせを調製するために用いた方法は本発明の中
で特定したものと規定されるものではなく、リポソーム
が結果としてできる方法ならばどのような方法を用いて
もよいと考えられる。結論的には、以下に示す3種類の
リポソーム調製方法を用いることとなるだろう。広い範
囲の生理活性物質の化学的性質、物理的性質にかかわら
ず、これらの生理的活性物質はリポソーム中に組み込む
ことができるし、そのようにしてできたリポソームは小
さい粒子のエアゾールによって投与できることを例示し
たものである。 【0010】方法Iは、脂溶性、あるいは脂質と結合し
た生理活性物質をリポソーム中にとり込むために用いる
方法である。例えば卵黄レシチン(フォスファチヂルコ
リン)、あるいは有機溶媒中に溶解している類似フォス
フォ・リピド(リン脂質)を適当なフラスコあるいはビ
ンに入れる。これに目的とする脂溶性化合物を加え、そ
の溶液を凍結して溶媒を市販の凍結乾燥機を用いてとり
除く。リポソームは、これに適当な水性溶媒、例えば滅
菌蒸留水、等張生食水、あるいは緩衝液を加え、容器を
はげしく振盪すると生成する。リポソームを調製するた
めにリン脂質あるいはリン脂質の混合物を用いると、生
理活性物質の脂溶性を増したり減らしたり、好むままに
行うことができ、そのような化合物とリン脂質の相互作
用を増強させるためにクロロホルム、ノルマル・ブタノ
ール、三級ブタノールあるいはピリジンのような有機溶
媒を用いるとよい。ある特定の化合物のそれぞれ特有な
性質のために、特別な条件を設定してリポソームを調製
してもよい。 【0011】方法IIは、水溶性の生理活性物質をリポソ
ーム中にとり入れるときに用いる方法である。例えば、
再蒸留した三級ブタノール中に溶解した卵黄レシチンを
適当なフラスコかビンに入れる。このようにしてできた
溶液を凍結し、溶媒は市販の凍結乾燥機を用いて除去す
る。リポソーム中にとり込む化合物を水性溶媒ととも
に、この乾燥粉末に加え、乾燥粉末を分散させるために
容器をはげしく振盪するとリポソームが生成する。この
条件下では、水溶性化合物のとり込まれる量は4〜5%
と思われるが、ステロールおよび/あるいは荷電を有す
る脂質混合物を加えると、リポソーム中に有効にとり込
まれる化合物の量は、約30%にまで増加させることがで
きる。リポソーム外の媒体に遊離の形で残存している乾
燥物質は種々の方法で分離除去することができる。例え
ば遠心分離、分子篩クロマトグラフィーあるいは透析に
よって。このようなリポソームにとりこまれないで残存
している物質をとり除いた方がよいのかどうかは、その
リポソームを用いる医療の目的、化合物の生理活性、望
ましい投与量、およびすでにリポソーム中にとり込まれ
た物質の量によって決定する。 【0012】方法IIIは、溶解度特性とは無関係に生物
活性物質をリポソーム中にとり込むときに用いる方法で
ある。この方法では、化合物は脂質に共有結合で結合
し、その結果脂質残基はリポソーム中にとりこまれ、化
合物はリポソーム二重層中につなぎとめられることにな
る。このような目的のために、フォスファチヂルエタノ
ールアミンとパルミチン酸が用いられているが、この方
法に、他の種々の脂質を用いてもよい。この方法では、
化合物も脂質もこの結合をして誘導体を作ることができ
る。そのような物質の例として、パルミチン酸のN−ハ
イドロキシコハク酸イミド、N−サクシニルフォスファ
チヂルエタノールアミン、あるいはその代りにN−N′
−ヂサイクロヘキシルカルボジイミドのような脱水縮合
剤の存在下にフォスファチヂルエタノールアミンなどと
適当な溶媒中で混合し、反応させる。このようにして得
た生理活性物質の脂質との結合誘導体は、精製し、リポ
ソーム中にとりこませる。例えば、卵黄レシチン、ある
いは同様のリン脂質および適量の脂質誘導体を1つの有
機溶媒に溶解し、適当なフラスコあるいはビンの中に入
れる。溶液を凍結し、溶媒を凍結乾燥機によって除去す
る。それから乾燥粉末に適当な水性溶媒を加え容器をは
げしく振盪するとリポソームが生成される。生理活性物
質の脂質誘導を調製するために、種々の化学反応を利用
することができ、別法を用いてもよく、そのようにして
得た脂質誘導体はリポソーム中にとり込まれるし、生理
活性物質はこのような反応によって不可逆的に分解され
ないことを前提とする。また、例えば、ペプチド、タン
パクあるいはホルモンのような化合物の脂質誘導体も、
有機溶媒ではなく水性溶媒に加えると効率よくリポソー
ム中にとり込まれることも知られている。リポソーム薬
物の組み合せ(結合) 【0013】例 1 本発明の1つの目的、および本実施例は薬物がエンビロ
キシムであり、方法Iによって調製する時のリポソーム
薬物結合の調製法である。外層の薬物を配するリポソー
ムの調製法フォスファチヂルコリン(450mg)を、クロロ
ホルム30mlおよびエンビロキシム120mgを含む500ml容の
フラスコに加え溶液とする。溶媒を減圧下で除去し、脂
質薬物混合物を60mlの三級ブタノールに溶解する。溶液
を凍結し、溶媒は市販の凍結乾燥機で除去する。乾燥残
渣に30mlの減菌蒸留水を加えてはげしく器械で振盪して
リポソームを調製する。このような方法で調製したリポ
ソームは顕微鏡にて検査し、そのサイズは、直径1ミク
ロン以下から10ミクロンまでの不均質なものであること
がわかった。このリポソームを小粒子エアゾール発生機
の中に入れる。この発生機は、小粒子を生成するために
Collisonネブライザーを用いている。ネブライザー内を
通過する間に、リポソーム粒子はより小さくなり、その
ためリポソーム粒子の直径はほとんど1ミクロン以下に
なり、直径0.1ミクロン以下になることもある。エンビ
ロキシム・リポソームを含む粒子を患者に投与するに際
し、投与粒子のサイズは、エアゾール発生機の操作方法
によってコントロールする。これらの粒子の大部分は直
径5ミクロン以下で空気力学的中間直径は1ないし3ミ
クロンの範囲内にあった。リポソームの粒子径をこの位
にまで小さくできるエアゾールネブライザーならどのよ
うな型式のものを用いてもよく、多くのものが市販され
ている。例えば図1および図2に示したPuritanネブラ
イザーは、リポソームあるいはリポソーム薬物の組み合
わせをこのネブライザーの貯蔵容器の中に入れれば、こ
の目的のために用いることができる。したがって、ネブ
ライザーについてはこれ以上詳細にのべる必要はないと
思われる。図3は、エンビロキシム含有リポソームの写
真でリポソームが最初に作られたときのものであり、粒
子のサイズが直径0.7ミクロンから、0.03ミクロン以下
のものまである非常に不均質のものであることが示され
ている。小粒子エアゾール発生機(SPAG)を通すこ
とによって、リポソームはサイズが均一になり、図4お
よび図5に示すように、大きい粒子で直径0.35ミクロン
以下になった。図6は、図4および図5に示したリポソ
ーム粒子の拡大図で、リポソームの特徴をよく保持し、
小粒子エアゾール発生機から噴出された後、典型的な多
層構造を有するリポソームになっていることがわかる。
エンビロキシムは、すべての鼻ウィルスに対して、テス
トに用いた限りでは強い効果を示すイミダゾール誘導体
である。その阻止濃度は通常0.3ないし0.9μg/mlであ
る。培地中の細胞が生存し得る最大のエンビロキシムの
濃度は4ないし100μg/mlであり50〜100の範囲の治療指
数を示す。エンビロキシムは、ポリオウィルス、エコー
ウィルス、およびコクサツキーウィルスに対しても有効
である。この薬物はEli Lilly社によって発見されたも
のである。エンビロキシムは、水には難溶性である(1
〜2μg/ml)。そのために医薬品として治療に用いると
きに問題となる。この難点はエンビロキシム(1〜8mg
/ml)とフオスファチヂルコリン(15mg/ml)を小粒子エ
アゾールとして投与できるように小さい粒子のリポソー
ムを調製することによって解決した。この方法により、
6〜12mg/時間の投与量を小粒子として呼吸器気道に投
与することができるようになった。1日1時間ないし4
時間の投与時間で満足すべき結果が得られる。普通の体
格の成人(体重70kg)に対する1日の投与量を表2に示
す。 【0014】 【表2】 【0015】表2からもわかるように、ここに示した投
与量は実質的には1mg/kg/日以下である。以下に要約を
示した動物での耐量試験によると、ここに示した量の何
倍も多くの用量でも好ましくない副作用はみられなかっ
た。 【0016】動物における耐量実験:薬動力学 in vitroで筋肉に対する効果;ラットの多くの臓器から
得た筋肉でテストを、エンビロキシム10~5ないし10~8
ルを用いて行った。この量では、アドレナリン・レセプ
ター、ヒスタミン・レセプター、プロスタグランディン
E2レセプター、その他多くの生物学的レセプターを活
性化させることはなかった。塩化カリウムに類似した用
量・反応曲線に対しての非拮抗性の拮抗作用がみられ
た。 電解質に対する効果;25mg/kgあるいはそれ以上の用量
で、ラットに多尿が有意にみられた。この多尿は血清中
にナトリウムではなくカリウムが増加したためにおこっ
たものである。 マウスにおける効果;経口的に50mg/kgを投与しても検
出し得る効果はみられなかった。これより大きい投与量
100〜400mg/kgでは、脚の弱体化、運動性の減少、歩行
障害がみられた。高用量でもたられされる効果は早く、
数分以内に発現した。経口的に投与をしておこなった他
の数々のテストでは、又100mg/kgまでの普通に用いる量
では、マウスはよく耐えた。とくに興味があったことは
エンビロキシムがマウスの一次抗体反応に対して全く免
疫抑制効果を示さなかったことである。 ネコおよび犬に対する効果;ネコに対しては、心循環系
に対して有意な効果をもたらせなかった。静脈内に1、
3および10mg/kgを犬に投与したところ、段階的に拡張
期血圧が低下するのがみられた。上記用量を静脈内に投
与したときの血漿内のエンビロキシムの濃度は3.0、8.9
および19μg/mlであった。バイオ・アッセイ(抗ウィル
ス活性)および血液の生化学分析も同様の結果を示し
た。他の研究と共に上記の研究では、ヒトに用い、ヒト
での研究でも充分な安全性を示す結果が得られた。 【0017】例 2 本発明の本実施例では、方法IIで調製したリポソーム薬
結合に用いた薬物はリバビリンである。リバビリン含有
リポソームを調製するために、卵黄フォスファチヂルコ
リン450mgを500ml容の丸底フラスコに入れ、有機溶媒を
真空で除去した。30mlの水性溶媒(減菌したリン酸緩衝
生食水)中にリバビリン(600mg)を加え、リポソーム
は機械振盪して調製した。この例でも、リバビリン・リ
ポソームの粒子サイズは不均一であったが、Collisonネ
ブライザーを通過させると、リバビリン・リポソーム粒
子のサイズは例1にみられたものと同等にまで小さくな
った。 【0018】例 3 本発明の本実施例では、方法III、メトトレキセートが
リポソーム薬物結合の薬物である(Hashimoto,K.,Loa
der,J.E.,およびKinsky,S.C.,1985年、メトトレ
キセート・ヂミリストイルフォスファチヂルエタノール
アミン誘導体およびグリセロフォスフォリルエタノール
アミン同族体の合成および諸性質、Biochim.Biophy.A
cta 816:163−168;Hashimoto,K.,Loader,J.E.,K
night,M.S.,およびKinsky,S.C.,1985年、リポソ
ーム中に含有されるメトトレキセート・ヂミリストイル
フォスファチヂルエタノールアミン誘導体とグリセロフ
ォスフォリルエタノールアミン同族体による細胞増殖の
抑制、ヂヒドロ葉酸レダクターゼ活性の阻害、Biochi
m.Biophys.Acta 816:169−178)。メトトレキセート
(40μmol)をクロロホルム:メタノール1:1(容)混
合物(以下C/Mと略する)0.8ml(トリエチルアミン24
0μmolを含む)に溶解する。次のものを順次この溶液に
かくはんしながら加える;5.6mlの4Mに溶解したヂミ
リストイルフォスファチヂルエタノールアミン(120μm
ol)、0.8mlのC/Mに溶解したN・ヒドロキシサクシニ
ミド(200μmol)、0.8mlのC/Mに溶解したN,N′−
ジシクロヘキシルカルボジイミド(200μmol)。この混
合物を室温で3時間放置した後、反応混合物は、40℃で
減圧下にロータリーエバポレーターによって、乾燥する
まで溶媒を留去し、残渣を2mlのC/Mに再び溶解し
た。メトトレキセート・フォスファチヂルエタノールア
ミン誘導体のクロマトグラフによる分離は、この一部を
250μlずつ、8枚の分析用薄層クロマト板(シリカゲル
60F−254,0.25mm,Brinkmann Instruments,Inc.,We
stbury,New York)に筋状にのせておこなった。この薄
層板は、クロロホルム/メタノール/水(65:30:5容)
の溶媒系を用いて展開した。展開後4本の黄色バンド
(I−IV)がみられ、これはまた酸性モリブデン酸試薬
(Applied Science,Deerfield,Illinois)を噴霧する
とリンの反応を示す呈色をした。これらの黄色バンドの
Rf値は約0.18(I)、0.28(II)、0.39(III)および0.49
(IV)であった。一方、リン酸の反応を示さない未反応の
メトトレキセートのRfは0.06であった。バンドIは、
生理活性をフルに有していたが、薄層プレートからかき
とって、5mlのメタノール中に懸濁した。遠心分離を行
った後(750×g10分間、4℃)黄色の上清液を回収
し、シリカゲル粒子のペレットを再び5mlのメタノール
で抽出した。一諸にした上清に10mlのクロロホルムを加
え、この溶液を、1×20cmのUnisilカラム(Clarkson C
hemical Co.,Williamsport,Pennsylvania.)の上部50
mmに層状に浸透させた。Unisilは、よく徹底的にクロロ
ホルム、そしてC/Mによって予め洗浄しておく。この
黄色の化合物(以下MTX−CMPE)は、20mlのC/
Mにて溶出した。溶出液は、蒸発乾固し、残渣は、5ml
のC/Mに再溶解して−20℃で保存した。この乾燥脂質
膜から〔この膜中にはジオレイル−フォスファチヂルコ
リン(DOPC)、コレステロールおよびジセチル・リ
ン酸をモル比で2:1.5:0.2含む〕リポソームを作っ
た。この膜は、リン酸含量をもとにして、2.5モル%の
MTX/DMPEを含有しているものもある。この脂質
の膜は、10mMのリポソーム(DOPC)懸濁液を作るた
めに、充分に平衡を保った塩溶液中でボルテックスを用
いて振盪分散させた。MTX−DMPEI中のリンとメ
トトレキセートの比は1である。したがってこの誘導体
を用いて作ったリポソーム中のメトトレキセートの最終
密度は2.5モル%メトトレキセートである。さらに別のN
o.4からNo.23までの実施例については、表3に記載し
たが、この中でリポソーム調製でより良い方法、エアゾ
ール貯蔵ビン中のこの薬物の濃度、および特定した時間
内にエアゾールから投与される薬物の量はこの表に示さ
れている。投与された薬物の量は、経口的に、あるいは
非経口的なルートで投与される薬物の1回量とほぼ同じ
である。 【0019】 【表3】 【0020】1つ以上の薬物でも、小粒子リポソームエ
アゾール中にとり込んで用いることができる。 【0021】 【発明の効果】有益なことには、リポソーム薬物の組み
合わせを用いて小粒子エアゾール投与療法を行うと、か
なりの濃度の薬物がリポソームと共に呼吸器気道に沈着
し、それにより感染症の治療、呼吸器の局所感染を治療
することができる。ウィルス感染の場合、感染は呼吸器
上皮細胞に局限されている。細菌あるいは真菌の場合、
この感染には炎症性の浸出液が含まれ、肺胞、肺の空
胞、肺の種々の場所の組織にまでその感染は及ぶ。エア
ゾール化したリポソーム薬物は、これらの部位にも沈着
することができる。原発性あるいは続発性の肺腫瘍の場
合、腫瘍部位は、エアゾール、抗ガン剤リポソームの沈
着部位となり得る。喘息の場合、エアゾール化したリポ
ソーム、気管支拡張剤は、気管支にかなり長時間に有効
濃度の薬物が沈着し、最大の治療効果をもたらせるもの
と考えられる。精神科領域で有効な薬、ホルモン類、あ
るいは強心剤の場合、エアゾール化リポソーム薬物を投
与した後、全身性の吸収がおこることが考えられ、その
吸収速度は一定していて血漿中の濃度も大きくならず、
そのために潜在的な薬物の毒性発揮をさけることができ
るようになり治療効果も長く持続する。エアゾール化し
たリポソーム単独でも、溺れたヒトの肺、化学的な吸入
毒、および肺の界面活性剤をまだ作ることのできない未
熟児の自然の界面活性剤とおきかえることができるので
有用である。インフルエンザ、その他のワクチン類は手
軽に小粒子エアゾールリポソームとして直接免疫的に活
性な肺の中にある細胞に付着して、局所的な防禦的免疫
反応を発揮することができる。これにより体液性の抗体
産生も刺激を受ける。アンフォテリシンBのようなある
種の毒性の強い薬物をリポソーム中にとり込ませ、エア
ゾールの形で投与すると、呼吸器気道の細胞内への吸収
が遅れ、そのように毒性の強い薬物でも、治療効果を損
うことなく毒性を減ずることができる。局在する酵素に
よって分解されるおそれのあるポリペプチド類、オリゴ
ヌクレオチド類、酵素類その他の化合物も、そのような
作用から保護することができるので、小粒子のエアゾー
ル化リポソームに組みこむと、これらの治療効果を増強
させることができる。このように、説明を容易にするた
めに、いくつかの特殊な例を、小粒子リポソームおよび
リポソーム薬物の組み合わせについてのべて来たが、本
発明に見られる方法は、すべての薬物、薬物の組み合せ
について、小粒子リポソームエアゾール粒子にとり込ま
れることによって、種々の病気の治療に非常に有効に適
用できることができる。また、先にのべたように、小粒
子リポソーム薬物組み合わせの投与量は、薬物の種類、
治療期間その他の因子によって大きく異るものである。
このような理由から、本発明は目的を達成するために採
用するに値するものであるし、その利点および特徴はよ
くこの発明の中に包含されている。ここにのべた有利な
形状、使用法、種種の病気の治療法は、適用例の目的に
一致するものであり、病気の治療にこの方法を変更し改
良することは、特許請求の範囲で定義される本発明の精
神と見解の中で許されることである。
【図面の簡単な説明】 【図1】市販されているネブライザーを示したものであ
り、Puritan Benneltネブライザーの型式番号No.1920の
説明図である。 【図2】市販されているネブライザーを示したものであ
り、Puritan Benneltネブライザーの型式番号No.1917の
説明図である。 【図3】エアゾール発生機の操作開始時のエアゾール貯
蔵ビンの中にあるリポソームの拡大写真である。 【図4】図2と同じであるが、操作開始後60分経てから
のものである。 【図5】操作開始後15分におけるAll Glass Impinger
(AGI)中に集めたエアゾール試料(同じ拡大率)の
拡大写真である。 【図6】図4の試料の更に拡大した図であり、小粒子の
発生によってリポソームの構造が変化していないことを
示している。
フロントページの続き (72)発明者 ブライアン イー.ギルバート アメリカ合衆国 77096 テキサス,ヒ ューストン,ジェイソン 5171番地 (72)発明者 サムエル ズィー.ウィルソン アメリカ合衆国 77035 テキサス,ヒ ューストン,ブリアーベンド 4326番地 (72)発明者 ハワード アール.シックス アメリカ合衆国 77084 テキサス,ヒ ューストン,カレンベス 5138番地 (72)発明者 フィリップ アール.ワイド アメリカ合衆国 77096 テキサス,ヒ ューストン,ブレイウィック 11002番 地 (56)参考文献 特開 昭60−89414(JP,A) 特開 昭61−200849(JP,A) 国際公開86/1714(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 9/127 A61K 9/12 A61K 9/72

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.噴霧器により噴霧状にして、空気又は酸素を多く含
    んだ空気中に水性小粒子を含んだエアロゾールとする水
    性エアロゾール小粒子の製造方法であって、当該水性小
    粒子は、大部分が1〜5ミクロンの直径を有し、その空
    気力学的質量中心直径が1〜3ミクロンであり、当該水
    性小粒子はリポソーム粒子を含み、当該リポソーム粒子
    は粒径が1ミクロン以下の実質的に大きさが均一であ
    り、1又はそれ以上の脂肪親和性薬物又は水溶性薬物の
    脂肪親和性誘導体が当該リポソーム粒子の膜に結合した
    ものである水性エアゾール小粒子の製造方法。 2.脂肪親和性薬物又は水溶性薬物の脂肪親和性誘導体
    が抗喘息薬、抗不整脈薬、抗真菌薬、抗高血圧薬、抗ガ
    ン剤、抗生物質、抗糖尿病薬、抗ヒスタミン剤、抗寄生
    虫薬、抗ウイルス薬、強心配糖体、ホルモン類、免疫療
    法剤、抗低血圧薬、ステロイド類、鎮静剤、鎮痛剤、ト
    ランキライザー類、ワクチン類及び細胞表面レセプター
    ・ブロッカー類からなる群から選ばれる特許請求の範囲
    第1項に記載の水性エアゾール小粒子の製造方法。 3.水性媒体中の1又はそれ以上の脂肪親和性薬物又は
    水溶性薬物の脂肪親和性誘導体が膜に結合したリポソー
    をエアロゾール貯蔵容器に入れ、空気又は酸素を多く
    含んだ空気によりエアゾール化する特許請求の範囲第1
    項記載の方法。 4.脂肪親和性薬物又は水溶性薬物の脂肪親和性誘導体
    が抗喘息薬、抗不整脈薬、抗真菌薬、抗高血圧薬、抗ガ
    ン剤、抗生物質、抗糖尿病薬、抗ヒスタミン剤、抗寄生
    虫薬、抗ウイルス薬、強心配糖体、ホルモン類、免疫療
    法剤、抗低血圧薬、ステロイド類、鎮静剤、鎮痛剤、ト
    ランキライザー類、ワクチン類及び細胞表面レセプター
    ・ブロッカー類からなる群から選ばれる特許請求の範囲
    第3項に記載の方法。 5.水性媒体中の1又はそれ以上の脂肪親和性薬物又は
    水溶性薬物の脂肪親和性誘導体が膜に結合したリポソー
    ムリポソーム粒子を収容したエアゾール貯蔵容器を含む
    水性エアロゾール小粒子製造装置であって、当該エアゾ
    ール貯蔵容器は液体を空気又は酸素を多く含んだ空気に
    よって流体としてエアロゾールを発生させるエアゾール
    発生手段と結合され、当該エアゾール発生手段はリ ポソ
    ーム粒子を1ミクロン以下の粒径に均一化するものであ
    る水性エアロゾール小粒子発生装置
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