JP3202608B2 - 地中温度計測方法および植生地盤の温度制御方法 - Google Patents
地中温度計測方法および植生地盤の温度制御方法Info
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Description
の貼り替えなどの芝生管理のため及び陸上競技等のため
に地中温度計を設置できない地盤表層部分の地温を正確
に把握できるようにした地中温度測定方法、並びにこの
地中温度測定方法を応用するとともに、高木や屋根など
のために特定エリアが他に比べて日照りが不足したり、
地温が低下したり、競技の関係で損傷レベルが激しいな
どエリア毎の芝生環境の違いに対応し得るようにした植
生地盤の温度制御方法に関する。
フ場などの芝生は、冬季には降雪によって埋もれたり、
冬枯れとなって緑色ではなくなる。近年、冬季に休眠し
夏季に強い高麗芝と、逆に冬季に強いベントグラスの両
方を植えて通年に亘って緑色の芝を保持しようとするオ
ーバーシート技術も開発されているが、この場合におい
てもやはり自然条件の影響を受けるため、一年を通じて
緑色の芝を維持することは難しい。また、これらの施設
は競技やレクリエーション等によって頻繁に使用され、
芝生が踏み潰されたりスパイクで削られたりするため、
芝生の育成環境としては非常に厳しいものとなってい
る。さらに、芝生土壌の水はけが悪くて植芝土壌中の水
分が過剰になると、根腐れや病虫害の発生が起こり易く
なり、逆に水分が不足すると芝生は枯れてしまうなどの
問題もある。
水手段を巡らして水はけを良くするとともに、適時散水
を行い土壌の湿潤状態を適性に保つことも行われている
が、芝生は外部条件によって育成状態が大きく左右され
るため、多大な手間と経費を掛けてその維持管理を行っ
ているにも拘わらず、年間を通して継続的に緑の状態に
維持管理することは困難な状況にある。
循環させて育成床を保温する方法、またはベントグラス
の夏の病害を抑制するためヒートポンプで約10℃の冷
却水を作り、地下に埋設したパイプに冷却水を循環させ
グリーン床土の温度を低下させる方法など、熱媒体のパ
イプ循環によって地中温度を制御する方法が試みられて
いる。その具体例として、特公平8−2216号公報で
は、芝の温度、葉緑素量、色彩、日射、気象状態、土壌
状態などの芝育成環境の測定手段を設け、光照射量、散
水量、送風量、施肥量、土壌温度について、測定値と目
標値との偏差を計算し、この偏差量に基づいて芝生育成
に最適の操作量を算出して前記項目について制御を加え
るようにした芝生育成環境制御装置が開示されている。
せる熱媒体によって地温を制御する方法においては、実
際の地温制御対象域となる地表面下数cm付近に直接温度
センサーを埋設して管理するのが最も効果的であるが、
現実的にはこの領域には芝刈機による芝刈りや芝の貼り
替えのために温度センサーを埋設することはできない。
特に、サッカー場やグランドなどの競技場は、やり投げ
や砲丸投げなどの投てき競技に使用されることがあるた
め、地表面上はもちろんの事、地表面下数十cmまでの領
域には温度センサーは一切埋設することはできないこと
になっている。
合には、埋設した温度測定センサーによって地温を測定
するものであるが、前述のように現実的には地表面下数
十cmの領域には温度センサーは埋設することはできない
ため、把握できる地温領域が測定センサー位置近傍に限
定され、芝生育成にとって最も重要とされる地表面下数
cmの部分の地温は依然として不明のままである。したが
って、芝にとって最適の地温環境を作り出せないなどの
問題がある。
60号において、地表面下数cmの地中温度を測定するこ
となく、近隣に設置した温度センサーから対象となる地
点の地温を地盤温度伝播の遅れを考慮しながら数値計算
で予測し、高い精度で対象地点の温度を制御可能とした
制御方法を提案した。この制御方法は、最適理論に基づ
いた数値計算を行い、通水のオンオフ計画を立案するも
ので、制御したい地点の変更が計算条件を変更するだけ
で容易になる、また熱源からの熱の伝播時間遅れを考慮
した制御が可能になるなどの利点を有する。しかし、た
とえば競技場の周囲を張出屋根によって覆うようにした
場合には、太陽位置との関係で、日陰部分が出来るため
フィールドの日射量が均一とならず、芝生の育成環境に
偏りが生じている。また、たとえばサッカー場のペナル
ティーエリアのように、他のエリアと比べて著しく芝生
損傷の激しい部分とそうでない部分とでは芝生成育状態
が異なるにも拘わらず、これらに対応した制御となって
いないなどの問題がある。
芝生の貼り替えなどの芝生管理のため及び陸上競技等の
ために地中温度計を設置できない地盤表層部分の地温を
正確に知るための地中温度測定方法を提供することにあ
る。
に特定エリアが他に比べて日照りが不足したり、地温が
低下するなどの気象環境の違いや、競技等の関係でエリ
ア毎の芝生損傷程度の違いに対応すべく、各エリア毎に
きめ細かい温度制御を可能とするとともに、熱媒体の過
剰供給を無くして熱エネルギーの節減を図り得る植生地
盤の温度制御方法を提供することにある。
ための本第1発明は、地盤表層領域に温度計を埋設でき
ない条件の下で、この地盤表層領域の地中温度を知るた
めの温度計測方法であって、測定対象領域の表面温度を
測定するサーモグラフィを設置するとともに、少なくと
も日射計、外気温度計、外気湿度計の気象データ計測機
器を設置し、前記サーモグラフィによって測定した表面
温度および前記気象データ計測機器によって測定した気
象データを境界条件とする熱伝導解析により、前記温度
計を埋設できない地盤表層領域の地中温度を求めること
を特徴とするものである。
によれば非接触でしかも広範囲に亘って精度良く表面温
度を測定できるサーモグラフィを用いて地面の表面温度
を測定し、かつ少なくとも日射量、外気温度、外気湿度
の気象データを測定し、これらの計測データを境界条件
として、熱伝導解析により地中温度を求めるようにして
いる。したがって、地盤表層領域に温度計を埋設できな
い条件の下でも、地中温度を知ることが可能となる。
第2発明は、地盤表層領域に温度計を埋設できない条件
の下で、植生地盤内にパイプを敷き巡らし、このパイプ
中に熱媒体を供給することにより植生地盤の温度を制御
する温度制御方法において、制御対象領域を平面的に複
数のブロックに区画するとともに、各ブロック毎に熱媒
体の供給系統を独立に形成し、制御対象領域の表面温度
を測定するサーモグラフィを設置するとともに、少なく
とも日射計、外気温度計、外気湿度計の気象データ計測
機器を設置し、前記サーモグラフィによって測定した表
面温度および前記気象データ計測機器によって測定した
気象データを境界条件とする熱伝導解析により、前記温
度計を埋設できない地盤表層領域の地中温度を求め、こ
の地盤表層領域の地中温度を目標地温とするべく、地盤
の熱伝導率を考慮しながら前記パイプに供給される熱媒
体をブロック毎に制御することを特徴とするものであ
る。
つかのブロックに分け、これらのブロック毎に熱媒体を
供給制御できるようにしている。したがって、たとえば
屋根付きサッカー場、競技場や樹木に囲まれた場所のよ
うに、日陰部分が生じる場合には日陰部分の集中養生
や、損傷の激しい部分がある場合にはそのエリアの集中
養生のように部分的制御が可能となる。この方法によれ
ば、対象とするエリアのみを精度良く温度制御できるよ
うになるとともに、過剰供給を無くして熱エネルギーの
節減を図ることができる。
の計算温度を基に、たとえば有限要素法によって地盤の
熱伝導率を考慮しながら、パイプからの熱影響による空
間的および時間的な温度変化を把握して、定点(観測
点)目標温度と地中温度(計算温度)との差を最小にす
るようにパイプ通水温度(熱媒体温度)を求めて地温を
制御する。したがって、芝生の育成に最も影響の大きい
地盤表層域を適切な温度環境にコントロールすることが
できる。
御方法においては、前記地盤表層領域を避けた中層地盤
内に地中温度計を埋設し、前記サーモグラフィによって
測定した表面温度および前記気象データ計測機器によっ
て測定した気象データを境界条件として熱伝導解析によ
り求めた計算地中温度と、前記地中温度計によって測定
した実測地中温度とを比較して、その残差を無くすよう
に前記境界条件を補正するのが望ましい。本発明によれ
ば、地中温度計が無くても、地中温度を予測することが
可能であるが計算精度が保証されない。したがって、支
障のない深さ位置に埋設した温度計との整合を図るよう
に境界条件を補正することで、大幅に解析精度を向上さ
せることができる。
は、前記サーモグラフィのカメラ視野内であってかつ測
定対象地盤領域外の地表面に温度計を設置し、前記サー
モグラフィによる実測表面温度と、前記地表面に設置し
た温度計による実測温度との比較に基づいて、前記境界
条件の補正を行うこともできる。誤差は、主としてサー
モグラフィによる表面温度測定によって生じ易い。これ
は、後述するように、芝生が生え揃っている場合には、
芝生の葉頭位置の温度を測定しているためであるが、芝
管理や競技と関係ない場所に温度計を設置して実際の地
表面温度を測定することによって、境界条件の補正を的
確に行うことができる。
植生層に相当する断熱層を設ける一方、前記サーモグラ
フィのカメラ視野内であってかつ測定対象地盤領域外の
地表面直下地盤内に温度計を設置し、前記サーモグラフ
ィによって測定した表面温度および前記気象データ計測
機器によって測定した気象データを境界条件として熱伝
導解析により求めた計算地中温度と、前記地表面直下地
盤内に設置した温度計による実測地中温度とが一致する
ように前記断熱層の解析上の物性値を決定することでも
よい。
は温度計などを設置・埋設できないとされる地盤の浅層
範囲を言い、数値的には定義されない。また「中層地
盤」とは前記地盤表層領域に隣接する温度埋設制限を受
けない地盤層を言う。
例に基づいて詳述する。図1は屋根付きサッカー場の縦
断面図、図2はサッカーフィールドの平面図、図3はパ
イプおよび熱電対を敷設したフィールドの断面図であ
る。フィールドの地盤構成は、図3に示されるように、
散水車、芝生カッター車などの管理車が往来するため、
地盤の沈下や轍掘などを防止するとともに、水はけを考
慮して、上層側より細砂層2、粗砂層3、玉砂利層4の
3層構成となっている。熱媒体を循環させるためのパイ
プ1を表層近傍に埋設したのでは管理車による上載荷重
や槍投げ、ハンマー投げなどの競技の際に変形、破裂す
ることがあるため、地表面下数十cmの安全な深さ位置に
埋設される。具体的には、地盤表面からパイプの敷設位
置までの深さhは、概ね15〜35cm、好ましくは25
〜30cm程度とされる。敷設状態は、たとえば図4に示
されるように、同一平面内で敷き巡らすようにして敷設
する。その設置間隔Pは通常の例であれば15〜60cm
程度とする。
操作手段より所定温度の温水または冷水等の熱媒体(熱
媒および冷媒の両者を指す。)が供給循環されるように
なっている。他の熱媒体としては、たとえば高温熱媒体
としては、蒸気、高温ガスなどを用いることができる
し、また低温熱媒体としてはフロンガス、ブライン、ア
ンモニアなどを用いることができる。前記パイプ1に供
給される熱媒体は、周囲の地盤との熱交換により次第に
温度上昇または温度降下することになるが、敷設された
パイプ1の中間に、図4に示されるように、所定温度の
熱媒体が貯留された補助熱媒体槽17を設けたり、ある
いは加熱/冷却コイル等の熱媒体に対する加熱/冷却手
段18、18…を設けることにより熱媒体の温度を元の
基準温度に回復させることができる。
に、サッカーフィルドを平面的に複数に、具体的にはブ
ロックA〜ブロックLにブロック割りし、これらのブロ
ックA〜L毎にパイプ1の熱媒体供給系統を独立に形成
し、ブロック毎A〜Lに熱媒体を供給制御ができるよう
にしてある。
ために計算地中温度との比較や熱伝導率の同定のために
適宜の間隔で熱電対5、5…などの地中温度計が埋設さ
れている。この場合、前記熱電対5は、前記各ブロック
A〜Lに対応させて1ブロック当り、たとえば2〜3箇
所とし、管理車による上載荷重や槍投げ、ハンマー投げ
などの競技を考慮して地表面下数十cmの範囲(地盤表層
領域X)には埋設できないため、パイプ1と同じ深さ位
置とこれより深い位置に適宜の間隔で複数個埋設され
る。本例では、深さ方向に計3個の熱電対5、5…を設
置してある。なお、前記熱電対5に代えて光ファイバー
などを使用することもできる。
表面温度を測定するため、図1に示されるように、観客
席の上方に設置された張出屋根19の先端にサーモグラ
フィ8を設置している。サーモグラフィ8は、物体が自
然に放射する赤外線を捉えて非接触で物体の表面の温度
分布を2次元の熱画像データとして提供する装置であ
り、近年、精錬電解槽の監視、焼結工程の温度監視、炉
のライニング診断等、数々の非接触型温度計測に利用さ
れている装置である。サーモグラフィ8の設置数は、設
置可能位置との関係で測定距離によるが通常、2〜4個
程度とするのがよい。また、サーモグラフィ8の種別と
しては、後述する理由により短波長タイプのものを使用
するのがよい。
は、図2に示されるように、種々の気象データを測定す
るために2台の気象データ計測機器ユニット9A、9B
が設置されている。前記気象データ計測機器ユニット9
A(9B)は、たとえば図5に示されるように、地盤上
に立設されたポールに対して日射計40、外気温度計4
1、41…、外気湿度計42、風速計43、風向計4
4、電源46を設備したもので、サッカーフィールド脇
にそれぞれ設置することによって、時刻にもよるが日向
部と日陰部との両方を計測できるようにしてある。前記
気象データ計測機器としては、後述するように解析式と
の関係で、日射計40、外気温度計41、41…、外気
湿度計42の3種類とすることができる。なお、気象デ
ータ計測機器ユニット9A(9B)に近接する地盤上に
は雨量計45も設置してある。
図6に示す。サーモグラフィ8、8による熱画像(温度
情報)は伝送用温度情報付きビデオケーブル55により
コンピューター52に入力される。なお、54はリモー
ト制御用ケーブル、50はモデム、51はインターフェ
イスボックスである。
(9B)によって計測された気象データおよび地中に埋
設された熱電対5、5…による計測データも同時にコン
ピュータ52に入力される。コンピュータ52では、こ
れらの計測情報を基に、後述する熱伝導解析により熱電
対5を埋設できない地盤表層領域Xの地中温度を求め、
この計算地中温度に基づいて後述する最適制御計算を実
行して各ブロックの通水計画を立案する。そして、この
通水計画に基づいて制御器53により各ブロックへの通
水を制御する制御弁に対して指令を発する。なお、前記
通水計画は過去数日間の計測データによって翌日の地温
を予測することにより行う。
に従いながら具体的に述べる。 〔ステップ1〕…地表面温度および気象データの測定 サーモグラフィ8、8によって各ブロックA〜Lの地表
面温度を測定すると同時に、気象データ計測機器ユニッ
ト9A(9B)による各種気象観測データおよび埋設し
た熱電対5、5…による地中温度測定値を取り込み、コ
ンピュータ52に記録する。
(地盤表層領域X)には、前述のように熱電対5を埋設
できないため、該領域の地中温度を測定することはでき
ない。そこで、本発明ではサーモグラフィ8、8による
地表面温度データおよび気象観測データを境界条件とし
て、一次元熱伝導方程式および地表面における熱収支方
程式を用いて、各ブロックA〜Lの複数点について地盤
表層領域Xの地盤内温度を数値計算する。
地盤内の熱伝導基礎方程式としては、下式(1)の1次
元熱伝導方程式を支配方程式として用いる。
内実験より求め、熱伝導率λは後述する同定方法により
求める。なお、前記1次元熱伝導方程式に代えて2次元
熱伝導方程式を用いることもできるが、境界条件は均一
であり地盤深さ方向の伝達のみを扱えば良いため、精度
的には前記1次元熱伝導方程式で十分である。
とする。
辺第1項は日射吸収熱、第2項は長波長放射収支、第3
項は対流熱伝達、第4項は蒸発潜熱である。この場合、
各パラメータについては、実測および既往文献による現
実的な数値定義を行う。 (a)日射吸収率;a 既往文献により、乾燥芝の場合でa=0.66、湿潤芝
の場合でa=0.75とする。 (b)日射量;TH 日射量は、太陽光による直接的な直接日射量と、放射的
な天空日射量とがあり、日向ではそれらの両方が日射量
として与えられ、日陰では天空日射量のみが与えられ
る。したがって、前述のように、二台の気象データ計測
機器ユニット9A、9Bとにより、日向と日陰の気象観
測データを夫々使い分ける。
雲量(10分数で示され0〜10の無次元数)、x;外
気絶対湿度(g/kg)である。なお、t0 は実測外気
温度を使い、xは湿度計による実測値から変換する。ま
たCT は既往文献により、日照率SD(日照時間/可照
時間)で予測可能であり、下式(4)により求める。
また、h+1は1時間後を示すため、CT は毎正時の瞬
間値となる。また、夜間は日没直前と日の出直後とを直
線補間する。 (e)表面熱伝達率;αc 既往文献により、下式(5)により任意高さhでの風速
Vh から算出する。なお、風速べき指数を0.25と仮
定する。
の割合で蒸発が発生すると考える。 (g)空気の湿り比熱;Ca 既往文献により、水蒸気の場合はCa=0.501kcal
/kg ℃、空気の場合はCa=0.241kcal/kg ℃とす
る。 (h)水の蒸発潜熱;L 既往文献により、L=597.5kcal/kg とする。
いて、各パラメータの影響度は日射吸収熱>長波長放射
収支>対流熱伝達>蒸発潜熱の順であり、少なくとも右
辺第1項の日射吸収熱と第2項の長波長放射収支は必ず
考慮する必要があるが、たとえば第3項の対流熱伝達
は、図1に示す周囲が屋根で囲まれた競技場のように、
地面を這う風の影響が小さくなるような条件の下では、
これを省略することができる。また、高い精度が要求さ
れない場合などは第4項の蒸発潜熱は無視することもで
きる。したがって、右辺第1項の日射吸収熱と第2項の
長波長放射収支との2つのパラメータを考慮する熱収支
方程式とした場合には、気象観測データとしては日射
量、外気温度、外気湿度の3項目で十分である。
は、後述の実験例1から判るように、カメラで捉えられ
る物質の表面温度、すなわち芝生が生え揃っている場合
には、主には葉頭(地表面より数cm上)の温度を測定し
ており、実際の地表面温度とは数℃程の誤差が存在す
る。この温度誤差はサーモグラフィによる測定点(サー
モグラフはモニタ上の各ドット毎に温度情報を持つ。)
や芝生の育成具合及び損傷程度によって微妙に変化する
ため、この誤差量を予め数値的に特定するのは困難であ
る。
おいて、熱電対5の埋設位置の温度を計算し、この計算
値と実測値とを比較して境界条件を補正する。この場
合、前記熱電対5によって測定される実測温度は、パイ
プヒーティングを行っている場合には、埋設したパイプ
1からの熱影響を受けて温度変化した後の実温度である
ため、前記地盤内温度の解析計算値に対してパイプ1か
らの熱源とする熱伝導解析による計算値を加算した計算
値と、前記熱電対実測値とを比較する。また、簡略的に
は、サーモグラフィ8のカメラ視野内であってかつ測定
対象地盤領域外の地表面に温度計を設置し、前記サーモ
グラフィ8による実測表面温度と、前記地表面に設置し
た温度計による実測温度との比較に基づいて、前記境界
条件の補正を行うこともできる。
正とすることもできるが、たとえば図2に示されるよう
に、サーモグラフィ8のカメラ視野内であってかつサッ
カーコートエリア外の地表面直下、たとえば3〜5cm程
度の深さ位置に熱電対7を埋設しておくとともに、図7
に示されるように、地盤表面に芝生による特定物性の断
熱層が存在すると考えて、解析モデル上に芝生層6を設
け、この芝生層6の直下位置における計算地中温度と前
記熱電対7による実測地中温度とを比較して、この計算
値と実測値とが一致するような物性条件を前記芝生層6
に与えてやることでもよい。この際、計算を簡略化する
ために、前記芝生層6に予め幾つかの物性パターンを用
意しておき、各物性パターンを当てはめた各ケースにつ
いて解析計算を行い、計算値と実測値とが最も近似する
物性パターンを採用することでもよい。
計画立案 以上、ステップ3までの手順により、直接、温度計測で
きない地盤表層領域Xの地温が把握できたことになるた
め、次の手順としては、地盤表層領域X内に設定した着
目点S(図3参照、芝生の育成にとって温度管理が重要
となる地表面下数cmの点)が目標温度となるように、パ
イプ1に供給される熱媒体の通水計画を立てる。
定常熱伝導方程式を用いる。ここで、式(6)におい
て、Tは温度、ρ、C、κは地盤材料の密度、定圧比
熱、熱伝導率をそれぞれ表し、qは単位体積当りの熱の
発生項を意味する。
基本境界条件および自然境界条件が必要となる。
に対して外向き単位法線ベクトルの成分を意味する。ま
た、T^(注;^は直上に符号される)は境界Γ1 で与
えられる温度、Q^は境界Γ2 で与えられるフラックス
をそれぞれ示す。初期条件は以下のように与えられる。
用し、三節点三角形要素で変数を離散化することによ
り、以下の有限要素方程式が得られる。
よびβは添字)は質量マトリックス、拡散マトリック
ス、フラックスベクトルをそれぞれ表し、Δtは微小時
間増分である。時間方向の離散化には、Crank-Nicolson
法を採用する。
当り、試料を採取して室内実験により熱伝導率を決定す
ることは容易であるが、地盤の不均一性、含水比の未確
定性により原位置での熱伝導率を正確に表しているとは
言い難い。そこで、本例では、熱伝導率の推定を逆問題
として取扱い、非線型最小二乗法を用いて同定する方法
を用いる。すなわち、地盤内で観測された温度の時刻歴
を用い、観測点に対応する位置における計算値と観測値
との残差を最小にすることにより求める。この場合、計
算値と観測値の残差平方和すなわち評価関数の最小化に
は、Gauss-Newton法を用いる。
層(部分領域)からなるものとし、各層内の熱伝導率は
一定、という仮定を用いる。熱伝導率を一般的に書き表
せば下式(11)となる。
の番号を表し、nは部分領域の総数である。また、解析
領域内に設けられた観測点での温度を次のように表す。
μは観測点の番号、mは観測点の総数を表す。同様に観
測点1〜mに対応する節点での計算値を以下のように表
しておく。
に示すように、観測された温度と対応する温度の計算値
との残差平方和で表される。
終了時刻をそれぞれ表す。この式から判るように、評価
関数は熱伝導率κλ(注;λは添字)の関数であるた
め、最適な熱伝導率κλは、(14)式を最小化するこ
とにより求めることができる。
あるが、たとえばGauss-Newton法を用いることができ
る。そのアルゴリズムを図9に示す。
は感度方程式法により求める。
7)によって求めることができる。
めることができる。
結果を基に、たとえば有限要素法によって地盤の熱伝導
率を考慮しながら空間的および時間的な温度変化を把握
して、着目点Sの目標温度と計算温度との差を最小にす
るようにパイプ通水温度(熱媒体温度)を求めて地温を
制御する。したがって、芝生の育成に最も影響の大きい
地盤表層域を適切な温度環境にコントロールすることが
できる。この場合の熱源供給制御としては、所定時間毎
に高温熱媒体と低温熱媒体とを交互に供給する制御とす
ることにより、その制御が容易かつ現実的なものとな
る。
よれば、一定温度に制御するよりもむしろ、周期関数曲
線状に変化させることにより、育成される芝生等が丈夫
となり、すべての病害に対して抵抗力を有するものとな
り、もって農薬散布を不要または少なくすることができ
る。前記周期関数曲線とは、基準点を境に正負の振幅を
繰り返す曲線であり、たとえばsin曲線、cos曲
線、exponention 曲線またはこれら曲線の組合せなどの
適宜の周期曲線を言う。
すると、基礎方程式(6)式は、以下のようなマトリッ
クス形式で表すことができる。
節点に関わる項であり、{u}は制御温度を表す。ま
た、(2)式の境界条件は[ B ]{f}で表される。さ
らに(18)式を変形すると次式(19)を得る。
=−[ M ] -1 [ A ]、{F}=−[M ] -1 [ B ]{f}
である。
ようになる。
意味し、[ Q ]、[ R ]は重みを表す対角マトリックス
である。これらは一般に観測値の誤差、制御温度のばら
つきを表す共分散の逆行列が用いられるが、これらの値
を見積もることは非常に困難であるため、ここでは重み
の値を経験的にそれぞれ1.0、0.001とした。
に評価関数(20)式を最小化する問題に帰着する。以
下、最適制御理論の手順に従い、制御温度{u}の求め
方を示す。ここでは、最適制御理論のうち、勾配法に基
づくSakawa-Shindo 法を採用する。まず、Hamiltonian
関数Hを導入する。
る。この式よりEuler-Lagrangeの方程式を求め、横断性
の条件を適用すると、未定乗数は(23)式で規定され
る終端条件を用いて(22)式を解くことにより求める
ことができる。
はなく終端条件が規定されているため、(22)式は次
式のように逆時間で解かなければならない。
時間ステップで記憶させておく必要がある。
Hamiltonian 関数を次式のようにおく。
が与えられるものとする。
Bang bang 制御を行うこととすると、次式で表される修
正Hamiltonian 関数の勾配により、a、bを選択するこ
とになる。
行う。
する。また、制御温度を求めるためのSakawa-Shindo 法
による計算のアルゴリズムを図11に示す。
ートポンプにより区間毎に冷水と温水とを交互に作り出
すことができるが、図12に示されるように、高温側
(a温度)の温水を貯留する温水槽30と、低温側(b
温度)の冷水を貯留する冷水槽31とを別々に用意して
おき、切換制御弁32、33a、33b…により前記温
水槽30と冷水槽31との切換えを行うことにより、所
定時間毎に一定温度の温水または冷水を制御遅れなく迅
速かつ容易に供給するようにすることができる。
て、季節に応じて前記温水槽30または冷水槽31の一
方側のみを用意して1段階制御を行うこともできる。具
体的には夏期には冷水槽31のみを用意し、所定時間は
この冷水槽31から冷水を供給した後、しばらくの間は
前記冷水の供給を停止する操作を繰り返して行うことに
より、前記冷水を供給した際には地盤が冷やされるとと
もに、供給を停止することにより地温が常温化して温め
られることになり、地盤表面近傍の地温を周期関数曲線
状に変化させることができる。逆に、冬季の場合には温
水槽30のみを用意し、所定時間はこの温水槽30から
温水の供給を行った後、しばらくの間は前記温水の供給
を停止する操作を繰り返して行うことにより、地盤表面
近傍の地温を周期関数曲線状に変化させることができ
る。
設されたパイプ中に、温水と冷水とを交互に供給するこ
ともできるが、他の方法として、図13に示されるよう
に、温水用パイプ25と冷水用パイプ26とを隣接させ
て敷設し、温水供給時には前記冷水用パイプ26に対す
る冷水供給を停止させた状態で温水用パイプ25に対し
て温水を供給し、冷水供給時には前記温水用パイプ25
に対する温水供給を停止させた状態で前記冷水用パイプ
26に対して冷水を供給して、温水と冷水とを交互に供
給することもできる。さらに、図14に示されるよう
に、温水用パイプ25と冷水用パイプ26とからなる二
重管を用い、温水と冷水とを交互に供給することもでき
る。
インバータポンプを使用して外部条件の負荷を考慮しな
がらその供給量を調節することにより、制御応答性(熱
交換の応答性)を向上させることもできる。
測の可能性について検討した。具体的には、サーモグラ
フィによる温度測定精度、実際にサーモグラフィによる
測定点が芝生のどの部位(地肌、葉頭、GL+20cm)
なのか、サーモグラフィのタイプ(短波長タイプと長波
長タイプ)の違いがどのように計測結果に影響するか等
について検証した。 (1) 実験機器・設備および実験方法 実験機器 サーモグラフィは物質が放出する赤外線を検知する機器
であり、短波長(3〜5μ)を検知するタイプと、長波
長(8〜14μ)を検知するタイプの2種類がある。一
方、太陽から電磁波は5μであり、これを反射する物質
では短波長タイプは計測温度に誤差が生じ、また長波長
タイプの場合には対面壁や天空、地面の照り返しなどに
よって誤差が生じるなどの問題がある。そこで、本実験
では、この2種類のサーモグラフィを使用して、本発明
温度測定方法および温度制御方法に対する適性について
試験を行う。
を利用して、計測領域より約5m離れた高さ3.5m位
置に短波長タイプ21と長波長タイプ22を並べて設置
した。なお、これは仰角約30°となり、サーモグラフ
ィのばらつきを防止するよう考慮して設置した。
ーティング無しで育成した芝生面とに対して複数の熱電
対23、23…を設置する。前記パイプヒーティング有
りの方は芝生の成育が進んでおり、パイプヒーティング
無しの方は芝生の成育がばらばらで所々地肌が露出して
いる。熱電対23は、図16に示されるように、計測領
域内の5ポイント(パイプヒーティング有りの芝生面で
3ポイント、パイプヒーティング無しの芝生面で2ポイ
ント)とし、編み物棒24を利用して、地肌部(GL+
0cm)、芝生の葉頭(GL+1cm)、芝生の上部(GL
+20cm)の3箇所にセットした。
に示されるように、GL-30 mm、GL-50 mm、GL-100mm、GL
-150mm、GL-300mm、GL-350mm、GL-450mmの位置に熱電対
23、23…を埋設した。
を同時に行い結果を比較する。計測は1996年5月1
5日17:00から5月16日16:00まで1時間間
隔で画像を記録した。また、熱電対23による計測は1
996年5月15日15:00より5月16日16:0
0まで10分間隔でデータロガーに記録した。 実験結果 前記5ポイントについての温度変化グラフを図17〜図
21に示し、時刻別鉛直方向温度変化図を図22〜図2
4に示す。これらの実験結果より、先ず、短波長タイプ
のサーモグラフィ21と長波長タイプのサーモグラフィ
22とでは、短波長タイプのサーモグラフィ21の方が
実際の地表面温度に近い温度を測定しており、精度が良
いことが判明した。また、短波長タイプのサーモグラフ
ィ21は、夜間は葉頭の温度を高い精度で測定し、日中
は各測定点で夫々異なるが、葉頭または地肌部分の温度
を測定していることが知見された。いずれにしても、短
波長タイプのサーモグラフィ21は葉頭または地肌温度
から大きく逸れることはないため、前述したように、境
界条件補正または芝生層を設けた解析モデルなどの対処
で十分な精度が確保できることが判明した。
ang 制御の有効性についての実証実験を行う。 (1) 実験装置 図25に示される直径2m、高さ1mの木製の円形土槽
10を作製して室内実験を行った。この円形土槽10の
円筒外型枠および底板は、厚さ3cmの材木を組み合わせ
て作成した。木製型枠の内側には底部厚さ10cm、側壁
部厚さ5cmの発泡スチロールを巻き、さらにその内側に
厚さ3mmのミラマットを敷き詰めることにより断熱の条
件を与えることとした。土槽中心部には、直径30cmの
アルミニウム缶11を挿入し、その内部に水を満たすこ
とにより外部境界とした。土槽内部には含水比3.1%
の砂を入れ、制御用ビニールパイプ13〜15、温度セ
ンサー16、16…を設置するとともに、上部まで巻き
出した。
温装置から水をビニールパイプに循環させ、缶内部の水
温をヒートジェネレーター12により一定温度に保たせ
るものとする。アルミ缶11の周辺砂中には、外壁より
30cmの位置にビニールパイプ13(14・15)を図
26のように螺旋状に埋込み、外部境界とは別系統の恒
温装置によって作られた温水または冷水を循環させるよ
うにした。このビニールパイプ13〜15内の水温を制
御手法によってコントロールすることにより地中の着目
点での温度を制御する。
とした軸対称問題と考えることができるので、制御解析
は円筒の半鉛直断面で行えばよい。したがって、その解
析対象断面の概念を図27に示す。制御用パイプ13〜
15、熱電対(K型)を用いた温度センサー16、16
…は同図に示す位置に設置されている。
7中のハッチング部分を解析領域とした。また、この部
分の有限要素モデルを図28に示す。現象が軸対称であ
ること、および鉛直方向に温度分布が一様であることを
考慮すれば、解析領域は当該領域で充分であると思われ
る。また、砂はほぼ一定であると考えられるため、熱伝
導率は全領域において一定であるものと仮定し、密度と
貯留係数を乗じた値として、砂の一般的な値、ρC=2,
000,000 kg/Kms2 を用いた。
す。図29は約3日間の間にパイプ内の水温を変化させ
ることにより得たパイプおよび外部境界(アルミ缶の水
温)の温度の境界条件を示す。図28中、■、●の位置
にこの境界条件を与え、▲点での実測値と計算値の残差
が最小となる熱伝導率を上記した手法により同定した。
また、図30に評価関数の推移、図31に熱伝導率同定
の結果を示す。
=0.75W/mKに収束していることが判る。この熱伝導率
を用いた場合の実測値と計算値を比較したものを図32
に示す。この結果、最大で約2℃程度の差異が認められ
るものの、すべての点で両者はよく一致しているものと
考えられる。したがって、以下の制御解析においては、
砂の熱伝導率としてκ=0.75W/mKを用いることとし
た。一般に未凍結土の熱伝導率は含水比等により異なる
が、概ね0.8 〜4.0 W/mKの範囲にあり、ここで得られ
た熱伝導率はこの範囲の下限よりやや小さいものの、物
理的に妥当なオーダーの値であると考えられる。
図28に示される有限要素モデルを用いる。ここでは、
外部境界(■点)の温度を25℃一定とした条件のもと
に、観測点(▲点)の温度を下式(29)にするような
制御点(●点)での制御温度を求める。ただし、式(2
9)中、Tは周期を示し、ここでは24時間とした。
とした。
られた制御温度およびそれらの条件のもとに計算された
観測点での温度を示す。Bang bang 制御の理論により計
算された観測点での温度は、目標温度を良く表現してい
ると認められる。
ステムのパイプの温度の設定を試みた結果を図34に示
す。図34によれば、制御温度そのものも、計算どおり
に与えることが可能であることが判明した。結果として
観測された実際の地温は、図33の計算結果と同様に目
標温度に実用上十分な程度に近似していると考えられ
る。
条件が制御時間全般に亘り既知であることが前提になっ
ているため、適用制限の問題はあるものの、外部に配し
た温度計などのデータを取り込み、制御系に加味するこ
とにより、たとえば気温の日較差等の周期的な外的条件
の変化に対しても対応可能となる。
ば、芝刈りや芝生の貼り替えなどの芝生管理のため及び
陸上競技等のために地中温度計を設置できない地盤表層
部分の地温を正確に知ることができるようになる。
のために特定エリアが他に比べて日照りが不足したり、
地温が低下するなどの気象環境の違いや、競技等の関係
でエリア毎の芝生損傷程度に違いがあったとしても、各
エリア毎にきめ細かい温度制御が可能となる。また、芝
生状況に応じた集中養生などにより熱媒体の過剰供給を
無くして熱エネルギーの節減を図ることができる。
面図である。
図である。
ルゴリズムである。
ルゴリズムである。
結果グラフ(No1)である。
結果グラフ(No2)である。
結果グラフ(No3)である。
結果グラフ(No4)である。
結果グラフ(No5)である。
る。
図である。
図である。
算値の比較図である。
5…熱電対、6…芝生層、7…境界条件補正用熱電対、
8…サーモグラフィ、9A・9B…気象データ計測機器
ユニット、10…円形土槽、11…アルミニウム缶、1
2…ヒートジェネレーター、13〜15…制御用ビニー
ルパイプ、16…温度センサー、30…温水槽、31…
冷水槽、32・33a〜33f…切換制御弁、40…日
射計、41…外気温度計、42…外気湿度計、43…風
速計、44…風向計、45…雨量計
Claims (7)
- 【請求項1】地盤表層領域に温度計を埋設できない条件
の下で、この地盤表層領域の地中温度を知るための温度
計測方法であって、 測定対象領域の表面温度を測定するサーモグラフィを設
置するとともに、少なくとも日射計、外気温度計、外気
湿度計の気象データ計測機器を設置し、 前記サーモグラフィによって測定した表面温度および前
記気象データ計測機器によって測定した気象データを境
界条件とする熱伝導解析により、前記温度計を埋設でき
ない地盤表層領域の地中温度を求めることを特徴とする
地中温度測定方法。 - 【請求項2】地盤表層領域に温度計を埋設できない条件
の下で、植生地盤内にパイプを敷き巡らし、このパイプ
中に熱媒体を供給することにより植生地盤の温度を制御
する温度制御方法において、 制御対象領域を平面的に複数のブロックに区画するとと
もに、各ブロック毎に熱媒体の供給系統を独立に形成
し、 制御対象領域の表面温度を測定するサーモグラフィを設
置するとともに、少なくとも日射計、外気温度計、外気
湿度計の気象データ計測機器を設置し、 前記サーモグラフィによって測定した表面温度および前
記気象データ計測機器によって測定した気象データを境
界条件とする熱伝導解析により、前記温度計を埋設でき
ない地盤表層領域の地中温度を求め、 この地盤表層領域の地中温度を目標地温とするべく、地
盤の熱伝導率を考慮しながら前記パイプに供給される熱
媒体をブロック毎に制御することを特徴とする植生地盤
の温度制御方法。 - 【請求項3】前記地盤表層領域を避けた中層地盤内に地
中温度計を埋設し、 前記サーモグラフィによって測定した表面温度および前
記気象データ計測機器によって測定した気象データを境
界条件として熱伝導解析により求めた計算地中温度と、
前記地中温度計によって測定した実測地中温度とを比較
して、その残差を無くすように前記境界条件を補正する
請求項1記載の地中温度測定方法または請求項2記載の
植生地盤の温度制御方法。 - 【請求項4】前記サーモグラフィのカメラ視野内であっ
てかつ測定対象地盤領域外の地表面に温度計を設置し、
前記サーモグラフィによる実測表面温度と、前記地表面
に設置した温度計による実測温度との比較に基づいて、
前記境界条件の補正を行う請求項1の地中温度測定方法
または請求項2記載の植生地盤の温度制御方法。 - 【請求項5】解析モデルに植生層に相当する断熱層を設
ける一方、前記サーモグラフィのカメラ視野内であって
かつ測定対象地盤領域外の地表面直下地盤内に温度計を
設置し、前記サーモグラフィによって測定した表面温度
および前記気象データ計測機器によって測定した気象デ
ータを境界条件として熱伝導解析により求めた計算地中
温度と、前記地表面直下地盤内に設置した温度計による
実測地中温度とが一致するように前記断熱層の解析上の
物性値を決定する請求項1の地中温度測定方法または請
求項2記載の植生地盤の温度制御方法。 - 【請求項6】前記気象データ計測機器に風速計を加える
請求項1〜5記載の地中温度測定方法または植生地盤の
温度制御方法。 - 【請求項7】前記サーモグラフィは短波長型を使用する
請求項1〜6記載の地中温度測定方法または植生地盤の
温度制御方法。
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JP20605196A JP3202608B2 (ja) | 1996-08-05 | 1996-08-05 | 地中温度計測方法および植生地盤の温度制御方法 |
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JP20605196A Expired - Lifetime JP3202608B2 (ja) | 1996-08-05 | 1996-08-05 | 地中温度計測方法および植生地盤の温度制御方法 |
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-
1996
- 1996-08-05 JP JP20605196A patent/JP3202608B2/ja not_active Expired - Lifetime
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