JP3201797B2 - 合わせガラス用中間膜 - Google Patents

合わせガラス用中間膜

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性、耐衝撃性が良
好で、しかも遮音性、耐候性に優れた合わせガラスの中
間膜に関する。
【0002】
【発明の背景】最近、住宅環境の改善を企図して窓ガラ
ス等の破片飛散を防止して安全性を確保し、かつ優れた
遮音性を発揮するガラス板が強く要望されて来ている。
【0003】一般に、遮音性能は、周波数の変化に応じ
た透過損失量として示され、その透過損失量は、JIS
A4708では、図1中に実線で示するように、50
0Hz以上において遮音等級に応じてそれぞれ一定値で
規定されている。ところで、ガラス単板の遮音性は、図
1中に破線で示すように、2000Hzを中心とする周
波数領域ではコインシデンス効果により著しく低下する
(図1中の破線の谷部がコインシデンス効果による遮音
性能の低下に相当し、所定の遮音性能を保持しないこと
を示す)。ここでコインシデンス効果とは、ガラス板に
音波が入射したとき、ガラス板の剛性と慣性によって、
ガラス面上を横波が伝導して横波と入射音とが共鳴し、
その結果音の透過が起こる現象をいう。
【0004】ガラスの遮音性能を向上するには、上記の
如きコインシデンス効果を緩和して、コインシデンス効
果によって生ずる透過損失量の極小部(以下、この極小
部の透過損失量をTL値という、図1参照)の低下を防
ぐ必要がある。
【0005】従来、TL値の低下を防ぐ手段として、ガ
ラスの質量の増大、ガラス面積の細分化等、種々の方策
が提案されている。しかし、これらはいずれも充分に満
足できる効果をもたらさない上に、コスト的にも実用的
に採用するに妥当な価格になっていない。
【0006】遮音性能に対する要求は最近増々高まり、
たとえば建築用窓ガラスとしては、季節ごとの外気温度
の変化に影響されないで常時優れた遮音性能を発揮する
ものが要求されるようになって来ている。
【0007】そこで、可塑化ポリビニルブチラール樹脂
に代表される合成樹脂製の中間膜を介して2枚の板ガラ
スを張り合わせて構成した遮音性合わせガラスが有力な
手段と考えられている。
【0008】従来の合わせガラスは、破片の飛散防止の
面では優れているものの、遮音性の面では2000Hz
を中心とする周波数領域において、やはりコインシデン
ス効果による遮音性の低下が避けられず、この点の改善
が求められている。
【0009】合わせガラスによる遮音の原理は、主に中
間膜の粘弾性による。粘弾性は、外部からのエネルギー
を溜める弾性と、エネルギーを熱として放出する粘性と
の両方を兼ね備えた高分子特有の性質である。すなわ
ち、外部を音が伝わる時に生ずる空気の粗密波エネルギ
ーが、中間膜の粘弾性により一部熱エネルギーに変換さ
れ、内部に伝わる音が減少される。
【0010】したがって、中間膜の熱エネルギーへの変
換効率が大きい程、遮音性能には有利となる。この変換
効率は、動的粘弾性測定により力学損失係数(以下tan
δで示す)で表することができる。通常、このtan δは
高分子化合物のガラス転移温度(以下Tgで示す)付近
で最大値を持つため、中間膜のTgを室温に設定し、か
つtan δを室温付近で最大にすることが、遮音性能の向
上に重要な方策となる。
【0011】
【従来の技術】合わせガラスの遮音性能の向上を企図し
た中間膜の先行技術としては、たとえば次のものがあ
る。
【0012】特公昭46−5830号公報には、通常の
中間膜の流動度より約3倍高い流動度を有する樹脂、た
とえばポリビニルブチラールからなる中間膜が記載され
ている。
【0013】特開昭60−27630号公報には、初期
での遮音性を上げる方策として、ポリ塩化ビニル樹脂に
可塑剤を含有させた中間膜が提案されている。
【0014】また、特開昭62−37148号公報に
は、音響抵抗の異なる2種以上の粘弾性材料を張り合わ
せた構成体からなる中間膜が記載されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】これら先行技術の遮音
性合わせガラス用中間膜のうち、特公昭46−5830
号および特開昭60−27630号記載の遮音性中間膜
は、いずれもTL値はガラス単板のそれより向上するも
のの、各樹脂の有するtan δに限界があるために、所望
するTL値が得られず、遮音性の絶対値が低いという大
きな問題を有する。
【0016】また、特開昭62−37148号記載の構
成体では、両樹脂層の界面での物質移動が生じて遮音性
が低下する恐れがある等、長期間の耐久性に問題があ
り、さらに両樹脂層の界面での接着強度が異種材料のた
め良好ではなかった。
【0017】したがって、1種の中間膜を用いた合わせ
ガラスによる遮音性能向上の為には、その中間膜として
Tg近傍でのtan δ値が出来るだけ高く、かつTgが室
温付近にある樹脂を用いることが望ましい。
【0018】ところで、一般に、ポリノルボルネンはT
g付近でのtan δが、例えば周波数1Hzの場合約2.
5と非常に高い。ポリノルボルネンは、シクロペンタジ
エンとエチレンとのディールス・アルダー反応により生
成するノルボルネンを開環重合させることにより得ら
れ、二重結合と五員環が交互に結合した構造を有する高
分子樹脂化合物である。また、この樹脂単独のTgは4
0℃付近であるが、可塑剤との相溶性がよいため、その
Tgを室温付近にまで容易に下げることが可能である。
したがって、これを合わせガラス用中間膜のベース樹脂
に配合すると、優れた遮音性能を示すことが期待され
る。しかも、ポリノルボルネンは機械的強度に優れ、特
定の可塑剤を添加すると透明性が良好になる。しかし、
ポリノルボルネンは、一本の高分子鎖で考えた場合、そ
の中の二重結合の割合が非常に高いため耐候性に劣る難
点がある。そのため、ポリノルボルネンはそのままでは
合わせガラス用中間膜としては使用できない。
【0019】本発明はかかる状況に鑑みて成されたもの
であり、その目的とするところは、ポリノルボルネンの
上記の如き欠点を解消し、透明性、耐衝撃性が良好で、
しかも遮音姓、耐候性に優れた合わせガラスの中間膜を
提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明による合わせガラ
スの中間膜は、全二重結合のうち0.1〜5.0%が水
素添加されたポリノルボルネンと、可塑剤とからなり、
かつガラス転移温度−20〜30℃を有する樹脂組成物
で形成されたことを特徴とするものである。
【0021】ポリノルボルネンは、好ましくは5万〜5
00万、さらに好ましくは50万〜100万の重量平均
分子量を有するものである。重量平均分子量が5万より
小さいと、膜成型が困難であり、しかもそのTg以上の
温度域で弾性率の低下が激しいので好ましくない。ま
た、重量平均分子量が500万より大きくなると、高温
での流動性が悪くなり、その結果、合わせガラスの製作
が困難となるので好ましくない。重量平均分子量300
万程度の高分子量ポリノルボルネンの代表例として、日
本ゼオン社製(「ノーソレックス」が挙げられる。
【0022】ポリノルボルネンの重合は、開環重合であ
る。その際、重合触媒として遷移金属系を用いる。例え
ば、タングステン、チタン、バナジウム、モリブデン、
ルテニウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、タン
タル等の化合物が好ましく、具体的には、6塩化タング
ステン、4塩化チタン、5塩化モリブデン、3塩化ルテ
ニウム、5塩化レニウム、5塩化タンタル等が例示され
る。また、アルミニウム、錫等の化合物を上記化合物と
組み合わせ、共触媒成分として用いてもよく、この共触
媒用のアルミニウム化合物としては3酸化アルミニウ
ム、ジクロロエチルアルミニウム等が例示され、錫化合
物としてはテトラフェニル錫、テトラメチル錫等が例示
される。
【0023】ポリノルボルネンは、全二重結合のうち
0.1〜5.0%が水素添加されたものである。この水
素添加により、ポリノルボルネンの物性が変化すること
なく、耐候性が向上される。水素添加の割合が0.1%
より少ないと、耐候性の向上効果は全く現われず、また
水素添加の割合が5.0%より多くなると水素添加部の
増加によりTg近傍のtan δ値が低下し、すなわち遮音
性能が低下するので、いずれの場合も好ましくない。
【0024】ポリノルボルネンを水素添加する手法とし
ては、例えばヨウ化水素−赤リン、ナトリウム−アルコ
ール、p−トルエンスルホニルヒドラジン等の添加によ
る手法、あるいはニッケル、パラジウム、酸化白金等を
触媒とする接触水素添加法等一般的な水素添加手法が採
用できる。
【0025】本発明による中間膜用樹脂組成物は、上記
部分水素添加ポリノルボルネンと、可塑剤とからなり、
Tg−20〜30℃を有するものである。部分水素添加
ポリノルボルネンに可塑剤を配合することにより、得ら
れた合わせガラスにおける室温付近での遮音性能を向上
させることができる。
【0026】部分水素添加ポリノルボルネンに配合する
可塑剤としては、同ポリノルボルネンとの相溶性が良
く、流動点−50〜30℃を有するのが好ましい。流動
点が−50〜30℃である可塑剤を用いる理由は、部分
水素添加ポリノルボルネン単独のTgが約40℃であ
り、tan δのピークが周波数1Hz付近に現われるの
で、水素添加ポリノルボルネンと相溶性が良く流動点が
−50〜30℃である可塑剤を上記の範囲内で添加する
ことにより、そのピークを−10〜30℃の範囲にまで
下げ、その結果、室温付近での遮音性能を高くできるか
らである。流動点はJIS K2265の石油製品流動
点試験方法に基づく。
【0027】また、用いられる可塑剤は、好ましくは無
色透明の液体のものである。これは、可塑剤の含有によ
り膜が着色しては、透明性を必要とする合わせガラスと
して使用できないからである。このような可塑剤として
は1環、2環および3環の芳香族炭化水素系が好まし
く、具体的にはNisseki −Highsol −SAS −LH、Nissek
i −Highsol −SAS −296 、Aromi × 200P (日本石油
化学社から販売)、Sunthene450 (Sun Oil社
製)、ダイアナプロセスオイルAH−58(出光興産社
製)等が例示される。また、可塑剤の配合量は部分水素
添加ポリノルボルネン100重量部に対し、好ましくは
50〜500重量部、さらに好ましくは100〜300
重量部である。可塑剤の配合量が50重量部より少ない
とTgを室温付近にまで下げることはできず、そのため
得られた合わせガラスにおいて室温付近の遮音性能が高
くならず、しかも上記樹脂組成物を膜化する際の加工性
が悪く、好ましくない。また可塑剤の配合量が500重
量部を越えると、可塑剤のブリードが起こる恐れがあ
り、好ましくない。
【0028】本発明による中間膜の厚みは、好ましくは
0.1〜1.5mm、さらに好ましくは0.3〜1.0mm
である。この厚みが0.1mmより薄くなると所期の遮音
効果が発揮されず、またこの厚みが1.5mmより厚くな
るとコスト面から好ましくない。
【0029】製膜方法としては、たとえば、部分水素添
加ポリノルボルネン樹脂と可塑剤の配合物をミキシング
ローラーで混練してエラストマー化し、これを所定の厚
みのスペーサーを用い加圧熱プレスにより膜化する方法
が行われる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例およびこれと比較すべ
き比較例をいつくか挙げ、更に得られた合わせガラスの
遮音性能および耐候性を示す。
【0031】実施例1 a)ポリノルボルネンの重合 精製したノルボルネン10mol (941g)を、精製し
たトルエン6リットルに溶かし、モノマー溶液を調製し
た。触媒として6塩化タングステン(WCl6 )とテト
ラフェニル錫(Ph4 Sn)の共触媒系を用いた。触媒
の添加量はモノマーの1/100mol (WCl6 ;3
9.6g、Ph4 Sn;42.7g)であり、それらを
精製トルエン4リットルに溶かし、触媒溶液を調製し
た。これらの溶液を40℃で15分間エイジングし、そ
の後モノマー溶液を触媒溶液に加え、40℃で4時間重
合を行なった。重合停止は、重合溶液にトルエン/イソ
ブチルアルコール(4/1)を適量加えることにより行
なった。停止後、重合溶液をメタノールで沈殿し、沈殿
物を濾過ついで乾燥することによりポリマーを得た。
【0032】このポリマーの重量平均分子量は、光散乱
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法に
より求めた結果、80万であった(ポリスチレン換
算)。
【0033】b)ポリノルボルネンの水素添加 上記重合法により得たポリノルボルネン900gをキシ
レン10リットルに135℃で溶解させ、この溶液にp
−トルエンスルホニルヒドラジン89.4g(0.48
mol )を添加し、反応液を135℃の状態で5時間攪拌
した。この後、反応溶液をメタノールに滴下してポリマ
ーを沈殿させ、濾過ついで乾燥することにより、部分水
素添加ポリノルボルネンを得た。
【0034】この水素添加率は、NMRの測定結果より
2.0%であった。
【0035】c)合わせガラスの作製 上記部分水素添加ポリノルボルネン50gに、流動点が
5℃である可塑剤Nisseki −Highsol −SAS −LHの10
0g(部分水素添加ポリノルボルネン100重量部に対
する可塑剤の添加量200重量部)を室温で約1時間か
けて添加混合し、得られた混合物をミキシングローラー
で100℃で約20分間充分に混練し、エラストマー状
のシートを作製した。厚さ1mmのステンレス製スペーサ
ーを用い、上記シートの所定量をプレス成形機で130
℃×10分保持することにより、厚さ約1mmの膜を作製
した。この膜のTgは、示差走査熱量測定の結果、21
℃であった。
【0036】この膜を1辺30cmの正方形の厚み3mm
の2枚のフロートガラスで両側からサンドイッチし、こ
の未圧着サンドイッチ体をゴムバッグへ入れ、20torr
の真空度で20分間脱気した後、脱気状態のまま90℃
のオーブンに移し、この温度を30分間保持した。こう
して脱気により仮接着したサンドイッチ体を、ついでオ
ートクレーブ中で圧力12kg/cm2、温度135℃で熱
圧着処理し、透明な合わせガラスを作製した。
【0037】実施例2 実施例1の操作において、重合触媒として5塩化タンタ
ル(TaCl5 )−テトラフェニル錫(Ph4 Sn)系
を用い、重合時間を1時間とし、分子量78000のポ
リノルボルネンを得た。ついで、p−トルエンスルホニ
ルヒドラジンを17.9g(0.096mol )用いてポ
リノルボルネンの水素添加率を0.5%とした。また、
部分水素添加ポリノルボルネン100重量部に対する可
塑剤の添加量を180重量部とした。これらの点以外
は、実施例1と同様にして中間膜を作製した。
【0038】実施例3 実施例1の操作において、可塑剤としてNisseki −High
sol −SAS −296 (流動点;−50℃)を部分水素添加
ポリノルボルネン100重量部に対して80重量部用
い、Tgを−12℃とした以外は、実施例1と同様にし
て中間膜を作製した。
【0039】実施例4 実施例1の操作において、ポリノルボルネンとして日本
デオン社製「ノーソレックス」(重量平均分子量;30
0万)を使用し、可塑剤としてダイアナプロセスオイル
AH−58(流動点;10℃)を270重量部用いるこ
とにより、Tgを6℃にした。また、p−トルエンスル
ホニルヒドラジンを145.3g(0.78mol )用い
てポリノルボルネンの水素添加率を3.0%とした。こ
れらの点以外は、実施例1と同様にして中間膜を作製し
た。
【0040】比較例1 実施例1の操作において、中間膜として水素添加してい
ないポリノルボルネンをそのまま用いた。また、ポリノ
ルボルネン100重量部に対する可塑剤の添加量を25
0重量部とした。これらの点以外は、実施例1と同様に
して中間膜を作製した。
【0041】比較例2 実施例1の操作において、p−トルエンスルホニルヒド
ラジンを2.8g(0.015mol )用いてポリノルボ
ルネンの水素添加率を0.05%とした。また、部分水
素添加ポリノルボルネン100重量部に対する可塑剤の
添加量を180重量部とした。これらの点以外は、実施
例1と同様にして中間膜を作製した。
【0042】比較例3 実施例1の操作において、部分水素添加ポリノルボルネ
ン100重量部に対する可塑剤の添加量を80重量部と
してTgを45℃にした以外は、実施例1と同様にして
中間膜を作製した。
【0043】比較例4 実施例1の操作において、中間膜として可塑剤トリエチ
レングリコール−2−エチルブチラートで可塑化したポ
リビニルブチラール樹脂(樹脂100重量部に対し、可
塑剤50重量部)を用いた点以外は、実施例1と同様に
して中間膜を作製した。
【0044】比較例5 実施例1の操作において、p−トルエンスルホニルヒド
ラジンを715.2g(3.84mol )用いてポリノル
ボルネンの水素添加率を10.0%とした。また、部分
水素添加ポリノルボルネン100重量部に対する可塑剤
の添加量を300重量部とした。これらの点以外は、実
施例1と同様にして中間膜を作製した。
【0045】<遮音性測定>上記実施例および比較例の
合わせガラスについて、次の手法で遮音性を測定した。
【0046】合わせガラスをダンピング試験用の振動発
生機((株)振研社製の加振機、「G21−005
D」)により加振し、そこから得られる振動特性を、機
械インピーダンスアンプ((株)リオン社製の「XG−
81」)にて増幅し、振動スペクトルをFFTアナライ
ザー(横河ヒューレットパッカード社製の「FFTスペ
クトラムアナライザー HP 3582A」)にて解析
した。こうして得られた損失係数と、ガラスとの共振周
波数の比とから、透過損失を算出した(測定温度:10
〜40℃)。この結果に基づき、周波数2000Hz近
辺における極小の透過損失量をもってTL値とした。
【0047】<耐候性測定>耐候性の測定は、合わせガ
ラスに紫外線を200時間照射し、照射前後の黄色度変
化を色差計(スガ試験機社製SM−3−CH)で求める
ことにより行なった。 <評価試験結果>上記遮音性および耐候性の測定結果を
表1に纏めて示す。
【0048】
【表1】
【0049】1) NMRにより測定した全二重結合に
対する水素添加の割合。
【0050】2) +は照射前と比較して黄色がかった
ことを表す。数値が大きい程、黄色度が進んでいる。
【0051】表1から明らかなように、本発明の実施例
による合わせガラスは、いずれも優れた遮音性能および
耐候性を有することが認められる。
【0052】
【発明の効果】本発明による中間膜は、特定の割合で水
素添加されたポリノルボルネンを可塑化することにより
得られるガラス転移温度が−20〜30℃の樹脂組成物
を成型してなるものであるので、これを用いて得られた
合わせガラスは、透明性、耐衝撃性に優れ、良好な耐候
性を保った状態で、特に2000Hz付近の中高音域に
おけるコインシデンス効果による遮音性能の低下を防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合わせガラスの遮音特性を、周波数に対する透
過損失量として示すグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全二重結合のうち0.1〜5.0%が水
    素添加されたポリノルボルネンと、可塑剤とからなり、
    かつガラス転移温度−20〜30℃を有する樹脂組成物
    で形成されたことを特徴とする合わせガラス用中間膜。
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