JPH0797241A - 遮音性合わせガラス - Google Patents
遮音性合わせガラスInfo
- Publication number
- JPH0797241A JPH0797241A JP5242746A JP24274693A JPH0797241A JP H0797241 A JPH0797241 A JP H0797241A JP 5242746 A JP5242746 A JP 5242746A JP 24274693 A JP24274693 A JP 24274693A JP H0797241 A JPH0797241 A JP H0797241A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass
- laminated glass
- sound
- film
- sound insulation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Building Environments (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
- Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】広い温度領域において優れた遮音性を発揮する
合わせガラスを提供する。 【構成】中間膜として、塩化ビニル系樹脂中間膜(塩化
ビニル─エチレン─グリシジルメタクリレート共重合体
中間膜)100重量部にジオクチルフタレート40重量
部を加えた可塑化膜、ガラス転移温度10℃、厚さ0.
38mm)を用いる。板ガラスとして、フロートガラス
(厚さ2.0mm)を用いる。板ガラス/中間膜/板ガ
ラス/中間膜/板ガラスの構成の合わせガラスを得る。
合わせガラスを提供する。 【構成】中間膜として、塩化ビニル系樹脂中間膜(塩化
ビニル─エチレン─グリシジルメタクリレート共重合体
中間膜)100重量部にジオクチルフタレート40重量
部を加えた可塑化膜、ガラス転移温度10℃、厚さ0.
38mm)を用いる。板ガラスとして、フロートガラス
(厚さ2.0mm)を用いる。板ガラス/中間膜/板ガ
ラス/中間膜/板ガラスの構成の合わせガラスを得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広い温度領域において
優れた遮音性を発揮する合わせガラスに関するものであ
る。
優れた遮音性を発揮する合わせガラスに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、一対のガラス板間に樹脂膜をサ
ンドイッチして成る合わせガラスは、破損時に破片が飛
散しなくて安全性に優れているため、例えば、自動車等
の交通車両の窓ガラスや建築物の窓ガラス等に広く用い
られている。
ンドイッチして成る合わせガラスは、破損時に破片が飛
散しなくて安全性に優れているため、例えば、自動車等
の交通車両の窓ガラスや建築物の窓ガラス等に広く用い
られている。
【0003】こうした合わせガラス用の中間膜のうち、
可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルブチラール
の樹脂膜は、ガラスとの優れた接着性、強靱な引っ張り
強度、高い透明性等を兼ね備えており、この膜を用いて
構成した合わせガラスは特に車両用窓ガラスとして好適
である。
可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルブチラール
の樹脂膜は、ガラスとの優れた接着性、強靱な引っ張り
強度、高い透明性等を兼ね備えており、この膜を用いて
構成した合わせガラスは特に車両用窓ガラスとして好適
である。
【0004】他方、建築用窓ガラスとしては、破損時の
破片の飛散防止性の良好なものが望まれるばかりでな
く、更に遮音性にも優れているものが要望されている。
破片の飛散防止性の良好なものが望まれるばかりでな
く、更に遮音性にも優れているものが要望されている。
【0005】一般に、遮音性は、周波数の変化に応じた
透過損失量として示され、その透過損失量は、JIS
A4708では、図1中に破線で示すように、500H
z以上において遮音等級に応じてそれぞれ一定値で規定
されている。ところで、ガラス板の遮音性は、図1中に
破線で示すように、2000Hzを中心とする周波数領
域ではコインシデンス効果により著しく低下する(図1
中の破線の谷部がコインシデンス効果による遮音性の低
下に相当し、所定の遮音性を保持しないことを示す)。
透過損失量として示され、その透過損失量は、JIS
A4708では、図1中に破線で示すように、500H
z以上において遮音等級に応じてそれぞれ一定値で規定
されている。ところで、ガラス板の遮音性は、図1中に
破線で示すように、2000Hzを中心とする周波数領
域ではコインシデンス効果により著しく低下する(図1
中の破線の谷部がコインシデンス効果による遮音性の低
下に相当し、所定の遮音性を保持しないことを示す)。
【0006】ここで、コインシデンス効果とは、ガラス
板に音波が入射したとき、ガラス板の剛性と慣性によっ
て、ガラス面上を横波が伝導して横波と入射音とが共鳴
し、その結果、音の透過が起こる現象をいう。
板に音波が入射したとき、ガラス板の剛性と慣性によっ
て、ガラス面上を横波が伝導して横波と入射音とが共鳴
し、その結果、音の透過が起こる現象をいう。
【0007】従来の合わせガラスは、破片の飛散防止性
の面では優れているものの、遮音性の面では2000H
zを中心とする周波数領域において、やはりコインシデ
ンス効果による遮音性の低下が避けられず、この点の改
善が求められている。
の面では優れているものの、遮音性の面では2000H
zを中心とする周波数領域において、やはりコインシデ
ンス効果による遮音性の低下が避けられず、この点の改
善が求められている。
【0008】合わせガラスの遮音性を向上するには、上
記の如きコインシデンス効果を緩和して、コインシデン
ス効果によって生ずる透過損失量の極小部(以下、この
極小部の透過損失量をTL値という、図1参照)の低下
を防ぐ必要がある。
記の如きコインシデンス効果を緩和して、コインシデン
ス効果によって生ずる透過損失量の極小部(以下、この
極小部の透過損失量をTL値という、図1参照)の低下
を防ぐ必要がある。
【0009】従来、TL値の低下を防ぐ手段として、合
わせガラスの質量の増大、ガラス面積の細分化等の種々
の方策が提案されている。しかし、これらはいずれも充
分満足できる効果をもたらさない上に、コスト的にも実
用的に採用するに妥当な価格になっていない。
わせガラスの質量の増大、ガラス面積の細分化等の種々
の方策が提案されている。しかし、これらはいずれも充
分満足できる効果をもたらさない上に、コスト的にも実
用的に採用するに妥当な価格になっていない。
【0010】遮音性に対する要求は最近増々高まり、例
えば、建築用窓ガラスとしては、季節ごとの外気温度の
変化に影響されないで常時優れた性能を発揮するものが
要求されるようになってきている。
えば、建築用窓ガラスとしては、季節ごとの外気温度の
変化に影響されないで常時優れた性能を発揮するものが
要求されるようになってきている。
【0011】合わせガラスの遮音性の向上を企図した中
間膜の先行技術としては、例えば、次のものがある。特
公昭46─5830号公報には、通常の中間膜の流動度
より約3倍高い流動度を有する樹脂、例えば、ポリビニ
ルブチラールからなる中間膜が提案されている。
間膜の先行技術としては、例えば、次のものがある。特
公昭46─5830号公報には、通常の中間膜の流動度
より約3倍高い流動度を有する樹脂、例えば、ポリビニ
ルブチラールからなる中間膜が提案されている。
【0012】特開昭62─37148号公報には、音響
抵抗の異なる2種類以上の粘弾性材料からなる積層体、
例えば、ポリメチルメタクリレート膜と塩化ビニル─エ
チレン─グリシジルメタクリレート共重合体膜との積層
体からなる中間膜が提案されている。
抵抗の異なる2種類以上の粘弾性材料からなる積層体、
例えば、ポリメチルメタクリレート膜と塩化ビニル─エ
チレン─グリシジルメタクリレート共重合体膜との積層
体からなる中間膜が提案されている。
【0013】特開昭60─278148号公報には、ポ
リビニルアルコールを炭素数6〜10のアルデヒドによ
りアセタール化して得たポリビニルアセタールと可塑剤
とからなる低自着性合わせガラス用中間膜が提案されて
いる。
リビニルアルコールを炭素数6〜10のアルデヒドによ
りアセタール化して得たポリビニルアセタールと可塑剤
とからなる低自着性合わせガラス用中間膜が提案されて
いる。
【0014】特開平2─229742号公報には、ガラ
ス転移温度が15℃以下の高分子膜、例えば、塩化ビニ
ル─エチレン─グリシジルメタクリレート共重合体膜
と、可塑化ポリビニルアセタール膜との積層体からなる
中間膜が提案されている。
ス転移温度が15℃以下の高分子膜、例えば、塩化ビニ
ル─エチレン─グリシジルメタクリレート共重合体膜
と、可塑化ポリビニルアセタール膜との積層体からなる
中間膜が提案されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】これらの先行技術の遮
音性合わせガラス用中間膜のうち、特公昭46─583
0号の中間膜は、合わせガラスの遮音性の絶対値が低い
という大きな問題を有する。
音性合わせガラス用中間膜のうち、特公昭46─583
0号の中間膜は、合わせガラスの遮音性の絶対値が低い
という大きな問題を有する。
【0016】特開昭62─37148号の中間膜は、合
わせガラスの遮音性が初期性能において満足なものでな
い上に、長期耐久性においても性能低下をきたすという
難点を有する。その原因は、これらの樹脂が界面におけ
る拡散作用により物質移動を起こし、界面での拘束層的
効果が薄れることによる。
わせガラスの遮音性が初期性能において満足なものでな
い上に、長期耐久性においても性能低下をきたすという
難点を有する。その原因は、これらの樹脂が界面におけ
る拡散作用により物質移動を起こし、界面での拘束層的
効果が薄れることによる。
【0017】特開昭60─27630号の中間膜は、初
期遮音性はややよくなるが、可塑剤の添加により上記の
如き可塑剤の物質移動が更に進行し、長期耐久性の点で
は結局何ら改善効果がない。特開昭62─278148
号及び特開平2─229742号の各中間膜は、いずれ
も、合わせガラスの遮音性がまだ充分ではない。
期遮音性はややよくなるが、可塑剤の添加により上記の
如き可塑剤の物質移動が更に進行し、長期耐久性の点で
は結局何ら改善効果がない。特開昭62─278148
号及び特開平2─229742号の各中間膜は、いずれ
も、合わせガラスの遮音性がまだ充分ではない。
【0018】このように上記先行技術の中間膜では、特
に広い温度領域で優れた遮音性を長期にわたって発揮す
る合わせガラスは、構成することができない。
に広い温度領域で優れた遮音性を長期にわたって発揮す
る合わせガラスは、構成することができない。
【0019】本発明は、上記の点に鑑み、透明性、耐候
性、衝撃エネルギー吸収性、ガラスとの接着性等の合わ
せガラスに必要な基本特性を損なうことなく、コインシ
デンス効果の緩和によってTL値の低下を防ぎ、広い温
度領域において優れた遮音性を長期安定的に発揮するこ
とができる遮音性合わせガラスを提供することを目的と
してなされたものである。
性、衝撃エネルギー吸収性、ガラスとの接着性等の合わ
せガラスに必要な基本特性を損なうことなく、コインシ
デンス効果の緩和によってTL値の低下を防ぎ、広い温
度領域において優れた遮音性を長期安定的に発揮するこ
とができる遮音性合わせガラスを提供することを目的と
してなされたものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、3枚以上の板
ガラスがそれぞれ中間膜を介して積層され、板ガラス1
枚当りの厚みが1.5〜2.5mmであり、中間膜のガ
ラス転移温度が20℃以下である遮音性合わせガラスで
ある。
ガラスがそれぞれ中間膜を介して積層され、板ガラス1
枚当りの厚みが1.5〜2.5mmであり、中間膜のガ
ラス転移温度が20℃以下である遮音性合わせガラスで
ある。
【0021】板ガラスの遮音性は2つの要素により定め
られる。1つの要素は、質量則であり、もう1つは、コ
インシデンス効果である。
られる。1つの要素は、質量則であり、もう1つは、コ
インシデンス効果である。
【0022】1つ目の要素の質量則は、構造体の重量が
重いほど遮音性が良いことにつながる。合わせガラスで
は、板ガラスの比重が2.5に対し、中間膜は略1.1
であるので、ほとんど板ガラスの重み、即ち、板ガラス
の厚みが支配的に効いてくる。
重いほど遮音性が良いことにつながる。合わせガラスで
は、板ガラスの比重が2.5に対し、中間膜は略1.1
であるので、ほとんど板ガラスの重み、即ち、板ガラス
の厚みが支配的に効いてくる。
【0023】しかし、2つ目の要素として、中高周波数
領域では音波とガラス板の振動が共鳴により、音が通過
するコインシデンス効果により遮音性が低下するが、コ
インシテンス効果の起こる周波数fcは次式により与え
られる。 fc=12100/t(Hz) 但し、tは構成している板ガラスの厚み(mm)であ
る。
領域では音波とガラス板の振動が共鳴により、音が通過
するコインシデンス効果により遮音性が低下するが、コ
インシテンス効果の起こる周波数fcは次式により与え
られる。 fc=12100/t(Hz) 但し、tは構成している板ガラスの厚み(mm)であ
る。
【0024】よって、板ガラスの厚みが厚くなるほど、
高〜中周波数へコインシデンス領域が移り、コインシデ
ンス効果による遮音性低下の領域が主可聴領域(50〜
4000Hz)に全て入ってしまうため、板ガラス全体
の遮音性は落ちる。
高〜中周波数へコインシデンス領域が移り、コインシデ
ンス効果による遮音性低下の領域が主可聴領域(50〜
4000Hz)に全て入ってしまうため、板ガラス全体
の遮音性は落ちる。
【0025】一方、逆に、板ガラスの厚みが薄くなる
と、コインシデンス領域が主可聴領域から外れた高周波
数領域側にシフトしてしまい、コインシデンス効果によ
る遮音性低下が起こらない。しかし、1.5mm未満の
場合は力学強度が弱く実用的でない。
と、コインシデンス領域が主可聴領域から外れた高周波
数領域側にシフトしてしまい、コインシデンス効果によ
る遮音性低下が起こらない。しかし、1.5mm未満の
場合は力学強度が弱く実用的でない。
【0026】そこで、本発明においては、板ガラスの厚
みが1.5〜2.5mmである必要があり、一方、板ガ
ラス全体の質量不足を補うため、3枚以上の板ガラスを
用いる必要があるのである。
みが1.5〜2.5mmである必要があり、一方、板ガ
ラス全体の質量不足を補うため、3枚以上の板ガラスを
用いる必要があるのである。
【0027】次に、2つ目の要素のコインシデンス効果
は、前述の板ガラス以外にも、用いている中間膜の特性
により大きく性能が変わる。ガラス転移温度が20℃以
下の中間膜を用いることにより、コインシデンス効果に
よる遮音性低下の少ない合わせガラスが得られる。
は、前述の板ガラス以外にも、用いている中間膜の特性
により大きく性能が変わる。ガラス転移温度が20℃以
下の中間膜を用いることにより、コインシデンス効果に
よる遮音性低下の少ない合わせガラスが得られる。
【0028】このようなガラス転移温度が20℃以下の
中間膜としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂1
00重量部に可塑剤を52重量部以上配合したもの、塩
化ビニル─エチレン─グリシジルメタクリレート共重合
体100重量部に可塑剤40重量部以上を配合したもの
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
中間膜としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂1
00重量部に可塑剤を52重量部以上配合したもの、塩
化ビニル─エチレン─グリシジルメタクリレート共重合
体100重量部に可塑剤40重量部以上を配合したもの
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0029】本発明の遮音性合わせガラスの層構成とし
ては、例えば、板ガラス/中間膜/板ガラス/中間膜/
板ガラス、板ガラス/中間膜/板ガラス/中間膜/板ガ
ラス/中間膜/板ガラス等が挙げられる。
ては、例えば、板ガラス/中間膜/板ガラス/中間膜/
板ガラス、板ガラス/中間膜/板ガラス/中間膜/板ガ
ラス/中間膜/板ガラス等が挙げられる。
【0030】中間膜1枚当りの厚みは、通常用いられて
いる合わせガラス用中間膜の厚みと同じく、好ましく
は、0.2〜1.6mmの範囲である。この厚みは、前
記したとおり、大きい方がより遮音性に優れるが、合わ
せガラスとしての耐衝撃性を確保し、且つ、耐貫通性を
確保するための強度の面も考慮すると、実用上前記範囲
の厚みがよい。中間膜1枚当りの厚みの特に好適な範囲
は0.3〜1.2mmの範囲である。
いる合わせガラス用中間膜の厚みと同じく、好ましく
は、0.2〜1.6mmの範囲である。この厚みは、前
記したとおり、大きい方がより遮音性に優れるが、合わ
せガラスとしての耐衝撃性を確保し、且つ、耐貫通性を
確保するための強度の面も考慮すると、実用上前記範囲
の厚みがよい。中間膜1枚当りの厚みの特に好適な範囲
は0.3〜1.2mmの範囲である。
【0031】中間膜の製膜方法としては、例えば、可塑
剤の添加により可塑化したポリビニルブチラールを溶剤
に溶解し、この溶液を適当なコーターで塗布して塗膜を
形成した後、この塗膜を乾燥させて膜を得る方法が挙げ
られるが、この方法に限らず、押出成形、カレンダー成
形等により製膜してもよい。中間膜を板ガラス間に介在
させるように積層して遮音性合わせガラスを製造する方
法としては、通常の合わせガラスの製造に用いられる方
法が採用される。
剤の添加により可塑化したポリビニルブチラールを溶剤
に溶解し、この溶液を適当なコーターで塗布して塗膜を
形成した後、この塗膜を乾燥させて膜を得る方法が挙げ
られるが、この方法に限らず、押出成形、カレンダー成
形等により製膜してもよい。中間膜を板ガラス間に介在
させるように積層して遮音性合わせガラスを製造する方
法としては、通常の合わせガラスの製造に用いられる方
法が採用される。
【0032】上記板ガラスの種類としては、例えば、フ
ロートガラス、強化ガラス、熱線反射ガラス、熱線吸収
ガラス、型板ガラス等が挙げられるが、特に限定されな
い。
ロートガラス、強化ガラス、熱線反射ガラス、熱線吸収
ガラス、型板ガラス等が挙げられるが、特に限定されな
い。
【0033】本発明において用いられる複数枚の板ガラ
ス及び複数枚の中間膜は、それぞれが種類の異なる場合
であっても、それらの積層順序は特に限定されるもので
はない。
ス及び複数枚の中間膜は、それぞれが種類の異なる場合
であっても、それらの積層順序は特に限定されるもので
はない。
【作用】本発明は、3枚以上の板ガラスを用いることに
より、質量を確保して遮音性を高めることができ、且
つ、板ガラス1枚当りの厚みが1.5〜2.5mmであ
り、中間膜のガラス転移温度が20℃以下であることに
より、コインシデンス領域を主可聴領域(50〜400
0Hz)よりも高い領域に移行させることができ、これ
らの要素の組み合わせにより、広い温度領域でコインシ
デンス効果の起こりにくい、即ち、音響透過損失の大き
い遮音性合わせガラスとなっている。
より、質量を確保して遮音性を高めることができ、且
つ、板ガラス1枚当りの厚みが1.5〜2.5mmであ
り、中間膜のガラス転移温度が20℃以下であることに
より、コインシデンス領域を主可聴領域(50〜400
0Hz)よりも高い領域に移行させることができ、これ
らの要素の組み合わせにより、広い温度領域でコインシ
デンス効果の起こりにくい、即ち、音響透過損失の大き
い遮音性合わせガラスとなっている。
【0034】
【実施例】実施例1 中間膜として、塩化ビニル系樹脂中間膜(塩化ビニル─
エチレン─グリシジルメタクリレート共重合体100重
量部にジオクチルフタレート40重量部を加えた可塑化
膜、ガラス転移温度10℃、厚み0.38mm)を用
い、板ガラスとして、フロートガラス(厚み2.0m
m)を用いて、板ガラス/中間膜/板ガラス/中間膜/
板ガラスの層構成の遮音性合わせガラスを得た。
エチレン─グリシジルメタクリレート共重合体100重
量部にジオクチルフタレート40重量部を加えた可塑化
膜、ガラス転移温度10℃、厚み0.38mm)を用
い、板ガラスとして、フロートガラス(厚み2.0m
m)を用いて、板ガラス/中間膜/板ガラス/中間膜/
板ガラスの層構成の遮音性合わせガラスを得た。
【0035】この合わせ方法は次の要領で行った。上記
層構成の未圧着サンドイッチ体をゴムバックに入れ、2
0torrの真空度で20分間脱気した後、脱気状態の
まま120℃のオーブンに移し、この温度を30分間保
持した。こうして脱気により仮接着したサンドイッチ体
を、ついでオートクレーブ中に圧力13kg/cm2 、
温度140℃で熱圧着処理し、透明な遮音性合わせガラ
スを作製した。
層構成の未圧着サンドイッチ体をゴムバックに入れ、2
0torrの真空度で20分間脱気した後、脱気状態の
まま120℃のオーブンに移し、この温度を30分間保
持した。こうして脱気により仮接着したサンドイッチ体
を、ついでオートクレーブ中に圧力13kg/cm2 、
温度140℃で熱圧着処理し、透明な遮音性合わせガラ
スを作製した。
【0036】実施例2 中間膜として、ポリビニルブチラール樹脂中間膜(ポリ
ビニルブチラール樹脂100重量部にトリエチレングリ
コール─ジ─2─エチルブチレート60重量部を加えた
可塑化膜、ガラス転移温度17℃、厚み0.38mm)
を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例1と
同じ層構成の遮音性合わせガラスを得た。
ビニルブチラール樹脂100重量部にトリエチレングリ
コール─ジ─2─エチルブチレート60重量部を加えた
可塑化膜、ガラス転移温度17℃、厚み0.38mm)
を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例1と
同じ層構成の遮音性合わせガラスを得た。
【0037】実施例3 中間膜として、ポリビニルブチラール樹脂中間膜(酸素
原子を介してアセチル基が結合しているエチレン基の、
主鎖の全エチレン基に対するモル分率が12モル%であ
るポリビニルブチラール樹脂100重量部に、トリエチ
レングリコール─ジ−2─エチルブチレート50重量部
を加えた可塑化膜、ガラス転移温度13℃、厚さ0.3
8mm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実
施例1と同じ層構成の遮音性合わせガラスを得た。
原子を介してアセチル基が結合しているエチレン基の、
主鎖の全エチレン基に対するモル分率が12モル%であ
るポリビニルブチラール樹脂100重量部に、トリエチ
レングリコール─ジ−2─エチルブチレート50重量部
を加えた可塑化膜、ガラス転移温度13℃、厚さ0.3
8mm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実
施例1と同じ層構成の遮音性合わせガラスを得た。
【0038】実施例4 層構成を、板ガラス/中間膜/板ガラス/中間膜/板ガ
ラス/中間膜/板ガラスとしたこと以外は実施例3と同
様にして、遮音性合わせガラスを得た。
ラス/中間膜/板ガラスとしたこと以外は実施例3と同
様にして、遮音性合わせガラスを得た。
【0039】実施例5 板ガラス/中間膜/板ガラス/中間膜/板ガラスの層構
成において、2つの中間膜のうちの1つとして実施例1
で用いた塩化ビニル系樹脂中間膜を用い、他の1つとし
て実施例3で用いたポリビニルブチラール樹脂中間膜を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして、遮音性合わ
せガラスを得た。
成において、2つの中間膜のうちの1つとして実施例1
で用いた塩化ビニル系樹脂中間膜を用い、他の1つとし
て実施例3で用いたポリビニルブチラール樹脂中間膜を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして、遮音性合わ
せガラスを得た。
【0040】比較例1 中間膜として、実施例1で用いた塩化ビニル系樹脂中間
膜を用い、板ガラスとして厚み3.0mmのフロートガ
ラスを用い、板ガラス/中間膜/板ガラスの層構成とし
たこと以外は実施例1と同様にして、遮音性合わせガラ
スを得た。
膜を用い、板ガラスとして厚み3.0mmのフロートガ
ラスを用い、板ガラス/中間膜/板ガラスの層構成とし
たこと以外は実施例1と同様にして、遮音性合わせガラ
スを得た。
【0041】比較例2 中間膜として、ポリビニルブチラール樹脂中間膜(ポリ
ビニルブチラール100重量部にトリエチレングリコー
ル─ジ─2─エチルブチレート40重量部を加えた可塑
化膜、ガラス転移温度28℃、厚み0.38mm)を用
いたこと以外は実施例1と同様にして遮音性合わせガラ
スを得た。
ビニルブチラール100重量部にトリエチレングリコー
ル─ジ─2─エチルブチレート40重量部を加えた可塑
化膜、ガラス転移温度28℃、厚み0.38mm)を用
いたこと以外は実施例1と同様にして遮音性合わせガラ
スを得た。
【0042】実施例1〜5及び比較例1,2で得られた
遮音性合わせガラスについて、下記の通り遮音性を測定
した。その結果を表1に示す。又、実施例1及び比較例
1で得られた遮音性合わせガラスについての、周波数と
透過損失との関係を図2〜4に示す。遮音性の測定 遮音性合わせガラスをダンピング試験用の振動発生機
(振研社製の加振機、商品名「G21−005D」)に
より加振し、それから得られる振動特性を、機械インピ
ーダンスアンプ(リオン社製、商品名「XG−81」)
にて増幅し、振動スペクトルをFFTアナライザー(横
河ヒューレットパッカード社製、商品名「FFTスペク
トラムアナライザーHP3582A」)にて解析した。
こうして得られた損失係数と、ガラスとの共振周波数の
比とから、透過損失を算出した(測定温度0〜20
℃)。この結果に基づき、周波数2000Hz近辺にお
ける極小の透過損失量をもってTL値とした。
遮音性合わせガラスについて、下記の通り遮音性を測定
した。その結果を表1に示す。又、実施例1及び比較例
1で得られた遮音性合わせガラスについての、周波数と
透過損失との関係を図2〜4に示す。遮音性の測定 遮音性合わせガラスをダンピング試験用の振動発生機
(振研社製の加振機、商品名「G21−005D」)に
より加振し、それから得られる振動特性を、機械インピ
ーダンスアンプ(リオン社製、商品名「XG−81」)
にて増幅し、振動スペクトルをFFTアナライザー(横
河ヒューレットパッカード社製、商品名「FFTスペク
トラムアナライザーHP3582A」)にて解析した。
こうして得られた損失係数と、ガラスとの共振周波数の
比とから、透過損失を算出した(測定温度0〜20
℃)。この結果に基づき、周波数2000Hz近辺にお
ける極小の透過損失量をもってTL値とした。
【0043】尚、表1中の判定の欄において、10℃に
おけるTL値が33dB以上、かつ20℃におけるTL
値が38dB以上のものを○とし、それ以下のものを×
として示した。
おけるTL値が33dB以上、かつ20℃におけるTL
値が38dB以上のものを○とし、それ以下のものを×
として示した。
【0044】
【表1】
【0045】表1及び図2〜4からも明らかな如く、実
施例1〜5の場合には、比較例1,2の場合と比較し
て、広い温度範囲で、音響透過損失が大きく、遮音性に
優れている。
施例1〜5の場合には、比較例1,2の場合と比較し
て、広い温度範囲で、音響透過損失が大きく、遮音性に
優れている。
【0046】
【発明の効果】本発明の遮音性合わせガラスは、上記の
如き構成とされているので、広い温度領域での遮音性に
優れている。
如き構成とされているので、広い温度領域での遮音性に
優れている。
【0047】
【図1】コインシデンス効果によって生ずる透過損失量
の極小部(TL値)を示す説明図である。
の極小部(TL値)を示す説明図である。
【図2】実施例1及び比較例1の、0℃における周波数
と透過損失の関係を示す説明図である。
と透過損失の関係を示す説明図である。
【図3】実施例1及び比較例1の、10℃における周波
数と透過損失の関係を示す説明図である。
数と透過損失の関係を示す説明図である。
【図4】実施例1及び比較例1の、20℃における周波
数と透過損失の関係を示す説明図である。
数と透過損失の関係を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G10K 11/162
Claims (1)
- 【請求項1】 3枚以上の板ガラスがそれぞれ中間膜を
介して積層され、板ガラス1枚当りの厚みが1.5〜
2.5mmであり、中間膜のガラス転移温度が20℃以
下であることを特徴とする遮音性合わせガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5242746A JPH0797241A (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | 遮音性合わせガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5242746A JPH0797241A (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | 遮音性合わせガラス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0797241A true JPH0797241A (ja) | 1995-04-11 |
Family
ID=17093649
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5242746A Pending JPH0797241A (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | 遮音性合わせガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0797241A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009120475A (ja) * | 2007-10-24 | 2009-06-04 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 合わせガラス及び合わせガラス部材 |
JP2010528961A (ja) * | 2007-05-24 | 2010-08-26 | サン−ゴバン グラス フランス | 防音性窓ガラス要素 |
WO2017094884A1 (ja) | 2015-12-04 | 2017-06-08 | 旭硝子株式会社 | 自動車用合わせガラス |
JP2018115493A (ja) * | 2017-01-19 | 2018-07-26 | 旭ビルウォール株式会社 | 道路防音壁用パネル |
JP2020073430A (ja) * | 2014-09-12 | 2020-05-14 | 積水化学工業株式会社 | 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56169158A (en) * | 1980-05-30 | 1981-12-25 | Sankyo Alum Ind Co Ltd | Double-layer glass |
JPH02217341A (ja) * | 1989-02-18 | 1990-08-30 | Nippon Zeon Co Ltd | 合せガラスの製造方法 |
JPH02229742A (ja) * | 1989-02-28 | 1990-09-12 | Sekisui Chem Co Ltd | 遮音性合わせガラス |
JPH02258654A (ja) * | 1989-03-31 | 1990-10-19 | Sekisui Chem Co Ltd | 遮音性合わせガラス |
JPH05138840A (ja) * | 1991-11-26 | 1993-06-08 | Sekisui Chem Co Ltd | 遮音性中間膜 |
-
1993
- 1993-09-29 JP JP5242746A patent/JPH0797241A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56169158A (en) * | 1980-05-30 | 1981-12-25 | Sankyo Alum Ind Co Ltd | Double-layer glass |
JPH02217341A (ja) * | 1989-02-18 | 1990-08-30 | Nippon Zeon Co Ltd | 合せガラスの製造方法 |
JPH02229742A (ja) * | 1989-02-28 | 1990-09-12 | Sekisui Chem Co Ltd | 遮音性合わせガラス |
JPH02258654A (ja) * | 1989-03-31 | 1990-10-19 | Sekisui Chem Co Ltd | 遮音性合わせガラス |
JPH05138840A (ja) * | 1991-11-26 | 1993-06-08 | Sekisui Chem Co Ltd | 遮音性中間膜 |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010528961A (ja) * | 2007-05-24 | 2010-08-26 | サン−ゴバン グラス フランス | 防音性窓ガラス要素 |
JP2009120475A (ja) * | 2007-10-24 | 2009-06-04 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 合わせガラス及び合わせガラス部材 |
JP2020073430A (ja) * | 2014-09-12 | 2020-05-14 | 積水化学工業株式会社 | 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス |
US10967611B2 (en) | 2014-09-12 | 2021-04-06 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | Interlayer for laminated glass, and laminated glass |
US10967612B2 (en) | 2014-09-12 | 2021-04-06 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | Interlayer for laminated glass, and laminated glass |
US11135811B2 (en) | 2014-09-12 | 2021-10-05 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | Interlayer for laminated glass, and laminated glass |
US11141958B2 (en) | 2014-09-12 | 2021-10-12 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | Interlayer for laminated glass, and laminated glass |
US11235559B2 (en) | 2014-09-12 | 2022-02-01 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | Interlayer for laminated glass, and laminated glass |
US11407205B2 (en) | 2014-09-12 | 2022-08-09 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | Interlayer for laminated glass, and laminated glass |
WO2017094884A1 (ja) | 2015-12-04 | 2017-06-08 | 旭硝子株式会社 | 自動車用合わせガラス |
JP2018115493A (ja) * | 2017-01-19 | 2018-07-26 | 旭ビルウォール株式会社 | 道路防音壁用パネル |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6432522B1 (en) | Transparent acoustical and mechanical barrier | |
KR100811031B1 (ko) | 감쇠 유리 및 플라스틱 적층체 | |
EP1281690B1 (en) | Interlayer film for laminated glass and laminated glass | |
AU637494B2 (en) | Interlayers for use in sound-insulating laminated glasses | |
JP4331846B2 (ja) | 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス | |
US5796055A (en) | Sound absorbing article and method of making same | |
US5340654A (en) | Interlayer film for laminated glass | |
JP4371462B2 (ja) | 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス | |
JP3050967B2 (ja) | 遮音性中間膜 | |
JP4076730B2 (ja) | 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス | |
JPH09165235A (ja) | 防音性ラミネートガラスペイン | |
JP3290573B2 (ja) | 合わせガラス用中間膜および合わせガラス | |
JP3204890B2 (ja) | 遮音性合わせガラス用中間膜及び遮音性合わせガラス | |
JPH05138840A (ja) | 遮音性中間膜 | |
JPH06926A (ja) | 合わせガラス用中間膜 | |
JP4429428B2 (ja) | 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス | |
JP4555855B2 (ja) | 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス | |
US20180029335A1 (en) | Resin film for laminated glass, laminated glass including the same, and vehicle including the same | |
JP2562237B2 (ja) | 遮音性合わせガラス用中間膜 | |
JP4986312B2 (ja) | 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス | |
KR102005190B1 (ko) | 다층차음필름, 이를 포함하는 접합유리, 및 이의 제조방법 | |
JPH0797241A (ja) | 遮音性合わせガラス | |
JP2004067427A (ja) | 合わせガラス用中間膜および合わせガラス | |
CN109562610B (zh) | 用于粘弹性塑料中间层的混合聚合物 | |
JP2001048600A (ja) | 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス |