JP3201688B2 - ポリエステル玉状綿 - Google Patents
ポリエステル玉状綿Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、詰綿体の製造方法に関
するものである。更に詳しくは、寝装具や防寒被服等に
用い、主として吹き込み成形用に作られたヘタリの少な
いポリエステル玉状綿に関するものである。
するものである。更に詳しくは、寝装具や防寒被服等に
用い、主として吹き込み成形用に作られたヘタリの少な
いポリエステル玉状綿に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、開繊した短繊維を空気流により詰
物側地内に風送して詰綿体を製造するいわゆる吹き込み
成形法はよく知られている(例えば特開昭55−478
88号公報)。また、主体となるポリエステル繊維がポ
リエステル系バインダー繊維で点接合されたポリエステ
ル玉状綿も公知である。(特開昭61−125377号
公報)
物側地内に風送して詰綿体を製造するいわゆる吹き込み
成形法はよく知られている(例えば特開昭55−478
88号公報)。また、主体となるポリエステル繊維がポ
リエステル系バインダー繊維で点接合されたポリエステ
ル玉状綿も公知である。(特開昭61−125377号
公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の、主体となる繊
維とバインダー繊維を併用して熱融着加工した玉状綿
は、風合の柔らかさに欠け、当りが硬く、また、多数回
繰り返し圧縮や屈曲を受けたり高温雰囲気下で使用した
場合にへたりやすく、また接着強力が低下するという欠
点がある。
維とバインダー繊維を併用して熱融着加工した玉状綿
は、風合の柔らかさに欠け、当りが硬く、また、多数回
繰り返し圧縮や屈曲を受けたり高温雰囲気下で使用した
場合にへたりやすく、また接着強力が低下するという欠
点がある。
【0004】本発明は、このような従来のバインダー繊
維を用いた玉状綿の風合の柔らかさ不足やへたりやすさ
等を解消し、掛布団や寝袋等の寝装具や防寒被服のキル
ティング中綿、クツシヨン材等の分野に使用可能な、柔
らかな風合とへたりにくさを有し熱融着加工性も良好な
新規な玉状綿を提供することを目的とするものである。
維を用いた玉状綿の風合の柔らかさ不足やへたりやすさ
等を解消し、掛布団や寝袋等の寝装具や防寒被服のキル
ティング中綿、クツシヨン材等の分野に使用可能な、柔
らかな風合とへたりにくさを有し熱融着加工性も良好な
新規な玉状綿を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
新規な玉状綿を開発すべく鋭意検討を重ねた結果、本発
明に到達した。すなわち、本発明は、主体となるポリエ
ステル繊維が、結晶融点100℃以上のε−カプロラク
トン共重合ポリエステル系バインダー繊維で点接合され
たことを特徴とするポリエステル玉状綿を要旨とするも
のである。
新規な玉状綿を開発すべく鋭意検討を重ねた結果、本発
明に到達した。すなわち、本発明は、主体となるポリエ
ステル繊維が、結晶融点100℃以上のε−カプロラク
トン共重合ポリエステル系バインダー繊維で点接合され
たことを特徴とするポリエステル玉状綿を要旨とするも
のである。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。まず、主
体となるポリエステル繊維としては,例えばエチレンテ
レフタレート単位やブチレンテレフタレート単位あるい
はエチレンナフタレート、特にエチレン−2,6−ナフ
タレート単位を主たる構成成分とするものが好ましい
が、その物性、経済性の面からとりわけポリエチレンテ
レフタレート繊維が好ましい。なおその特性を損なわな
い範囲でイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸、ジエ
チレングリコール等の他の成分が共重合されたポリエス
テルであっても差し支えない。また、ポリエステル繊維
はその断面形態が丸断面であっても異型断面であっても
良いし中空であっても非中空でもよい。さらに、その繊
度は特に限定されるものでなく、用途による要求特性に
より決めればよいが、一般には2〜200デニールのも
のが用いられる。捲縮形態は特に規定しないがコンジュ
ゲートタイプの立体捲縮を有するものの方がソフトで嵩
高ものが得られるのでより好ましい。ポリエステル繊維
には通常の詰綿用油剤を付与しても特に滑りの良いシリ
コン系あるいは非シリコン系の易滑性油剤を付与しても
良い。
体となるポリエステル繊維としては,例えばエチレンテ
レフタレート単位やブチレンテレフタレート単位あるい
はエチレンナフタレート、特にエチレン−2,6−ナフ
タレート単位を主たる構成成分とするものが好ましい
が、その物性、経済性の面からとりわけポリエチレンテ
レフタレート繊維が好ましい。なおその特性を損なわな
い範囲でイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸、ジエ
チレングリコール等の他の成分が共重合されたポリエス
テルであっても差し支えない。また、ポリエステル繊維
はその断面形態が丸断面であっても異型断面であっても
良いし中空であっても非中空でもよい。さらに、その繊
度は特に限定されるものでなく、用途による要求特性に
より決めればよいが、一般には2〜200デニールのも
のが用いられる。捲縮形態は特に規定しないがコンジュ
ゲートタイプの立体捲縮を有するものの方がソフトで嵩
高ものが得られるのでより好ましい。ポリエステル繊維
には通常の詰綿用油剤を付与しても特に滑りの良いシリ
コン系あるいは非シリコン系の易滑性油剤を付与しても
良い。
【0007】本発明のポリエステル玉状綿のもう1つの
構成要素であるポリエステル系バインダー繊維は、融点
100℃以上のε−カプロラクトン共重合ポリエステル
をバインダー成分として持つものである。このようなポ
リエステルとしては、エチレンテレフタレート単位およ
び/またはブチレンテレフタレート単位に3モル%〜8
0モル%のε−カプロラクトン単位を共重合したものが
好ましい。ポリエステル中のε−カプロラクトン単位は
他の構成単位とランダム共重合であってもブロック共重
合であってもさしつかえない。また、これにさらにイソ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸、エチレングリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール等を共重合したものも用いることができる
が,この場合のこれらのさらに共重合される成分の総和
はポリエステルの構成成分の単位モル数に対し20モル
%以下であるのが好ましい。
構成要素であるポリエステル系バインダー繊維は、融点
100℃以上のε−カプロラクトン共重合ポリエステル
をバインダー成分として持つものである。このようなポ
リエステルとしては、エチレンテレフタレート単位およ
び/またはブチレンテレフタレート単位に3モル%〜8
0モル%のε−カプロラクトン単位を共重合したものが
好ましい。ポリエステル中のε−カプロラクトン単位は
他の構成単位とランダム共重合であってもブロック共重
合であってもさしつかえない。また、これにさらにイソ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸、エチレングリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール等を共重合したものも用いることができる
が,この場合のこれらのさらに共重合される成分の総和
はポリエステルの構成成分の単位モル数に対し20モル
%以下であるのが好ましい。
【0008】ε−カプロラクトン単位が3モル%に満た
ない場合、得られるポリエステルが硬くなって結果的に
不織布の風合が硬くなる。またε−カプロラクトン単位
が40モル%以上の場合、得られるポリエステルがエラ
ストマー弾性を有するようになり得られる玉状綿が独特
の風合いを呈するようになる。ε−カプロラクトン単位
が80モル%を越える場合得られるポリエステルの融点
が低くなり過ぎ加工工程での不具合が生じたり高温雰囲
気下で使用した場合にへたりやすくなり好ましくない。
ない場合、得られるポリエステルが硬くなって結果的に
不織布の風合が硬くなる。またε−カプロラクトン単位
が40モル%以上の場合、得られるポリエステルがエラ
ストマー弾性を有するようになり得られる玉状綿が独特
の風合いを呈するようになる。ε−カプロラクトン単位
が80モル%を越える場合得られるポリエステルの融点
が低くなり過ぎ加工工程での不具合が生じたり高温雰囲
気下で使用した場合にへたりやすくなり好ましくない。
【0009】ポリエステルバインダー繊維の融点は10
0℃以上、好ましくは130℃以上である。融点が10
0℃未満であると、高温雰囲気下、例えば炎天下にさら
される条件で使用するとへたりやすくなり好ましくな
い。また、融点の上限は主体となるポリエステル繊維の
融点より20℃以上低くするのが好ましい。
0℃以上、好ましくは130℃以上である。融点が10
0℃未満であると、高温雰囲気下、例えば炎天下にさら
される条件で使用するとへたりやすくなり好ましくな
い。また、融点の上限は主体となるポリエステル繊維の
融点より20℃以上低くするのが好ましい。
【0010】ポリエステル系バインダー繊維としては、
ポリエステルバインダー成分のみからなる単成分繊維お
よび、このポリエステルバインダー成分が単繊維の表面
の全部または一部を形成している芯鞘型、サイドバイサ
イド型、海島型、割繊型等の複合繊維等があげられる。
これらのうち、芯鞘型で芯がポリエチレンテレフタレー
ト、鞘がポリエステルバインダー成分の複合繊維が、風
合の柔らかさの点と、接着強力の高さすなわち玉状綿と
した時の形態保持性ならびに玉状綿のコシの強さの観点
より好ましい。ポリエステル系バインダー繊維の繊度は
特に限定するものではないが、2〜100デニールが適
当である。
ポリエステルバインダー成分のみからなる単成分繊維お
よび、このポリエステルバインダー成分が単繊維の表面
の全部または一部を形成している芯鞘型、サイドバイサ
イド型、海島型、割繊型等の複合繊維等があげられる。
これらのうち、芯鞘型で芯がポリエチレンテレフタレー
ト、鞘がポリエステルバインダー成分の複合繊維が、風
合の柔らかさの点と、接着強力の高さすなわち玉状綿と
した時の形態保持性ならびに玉状綿のコシの強さの観点
より好ましい。ポリエステル系バインダー繊維の繊度は
特に限定するものではないが、2〜100デニールが適
当である。
【0011】本発明に用いるポリエステル系バインダー
繊維の使用割合は、玉状綿全体の2〜70重量%でよい
が、用途による要求特性により変えることができる。本
発明の玉状綿は、捲縮を付与し5〜100mm、好ましく
は20〜80mmにカットした前記の主体となるポリエス
テル繊維とポリエステル系バインダー繊維を混合し、高
速気流下で30秒〜10分間攪拌することにより直径2
〜20mmのものを容易に得ることができる。玉状綿の直
径は特に規定しないが20mmを越える場合には風送時の
作業性や側地内の均等性がやや損なわれる場合がある。
また2mmに満たない場合、嵩高性能が多少劣る場合があ
る。
繊維の使用割合は、玉状綿全体の2〜70重量%でよい
が、用途による要求特性により変えることができる。本
発明の玉状綿は、捲縮を付与し5〜100mm、好ましく
は20〜80mmにカットした前記の主体となるポリエス
テル繊維とポリエステル系バインダー繊維を混合し、高
速気流下で30秒〜10分間攪拌することにより直径2
〜20mmのものを容易に得ることができる。玉状綿の直
径は特に規定しないが20mmを越える場合には風送時の
作業性や側地内の均等性がやや損なわれる場合がある。
また2mmに満たない場合、嵩高性能が多少劣る場合があ
る。
【0012】玉状綿を吹き込み成形するに際しては、吹
き込み成形機によって所定の側地に吹き込み、成形す
る。側地の形態は、得られる詰綿体の用途により適宜選
定される。
き込み成形機によって所定の側地に吹き込み、成形す
る。側地の形態は、得られる詰綿体の用途により適宜選
定される。
【0013】本発明の玉状綿は、吹き込み成形前に熱処
理してもよいし側地に玉状綿を吹き込んでから熱処理し
全体を一体に成形するのもよい。
理してもよいし側地に玉状綿を吹き込んでから熱処理し
全体を一体に成形するのもよい。
【0014】
【作用】本発明の玉状綿は、主体となる繊維が比較的ソ
フトで熱分解しにくく熱溶着加工しやすいポリエステル
系バインダーによって点接合されているため、得られた
玉状綿は風合が軟らかく、繰り返し圧縮しても点接合し
た部分の接着強力が高いためか接合部分が剥離しにく
い。従って玉状綿の形態が良好に保持され、へたりにく
い。また、このバインダー成分が、融点100℃以上の
ポリマーであるので、使用に際して例えば70〜80℃
位の高温雰囲気下での圧縮に対しても変形しにくくへた
りにくいものとなる。
フトで熱分解しにくく熱溶着加工しやすいポリエステル
系バインダーによって点接合されているため、得られた
玉状綿は風合が軟らかく、繰り返し圧縮しても点接合し
た部分の接着強力が高いためか接合部分が剥離しにく
い。従って玉状綿の形態が良好に保持され、へたりにく
い。また、このバインダー成分が、融点100℃以上の
ポリマーであるので、使用に際して例えば70〜80℃
位の高温雰囲気下での圧縮に対しても変形しにくくへた
りにくいものとなる。
【0015】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお、実施例に記述した諸物性の評価法は、次のと
おりである。 (1) 相対粘度 フエノールと四塩化エタンの等重量混合物を溶媒とし、
試料濃度 0.5g/dl、温度20℃で測定した。 (2) 融点 パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−2型を
使用し、昇温速度20℃/分で測定した。
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお、実施例に記述した諸物性の評価法は、次のと
おりである。 (1) 相対粘度 フエノールと四塩化エタンの等重量混合物を溶媒とし、
試料濃度 0.5g/dl、温度20℃で測定した。 (2) 融点 パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−2型を
使用し、昇温速度20℃/分で測定した。
【0016】(3) 繰り返し圧縮時の耐へたり性 玉状綿を吹き込み、一体に熱成形したミニ布団の厚さを
測定した後、ミニ布団を平行平面板にはさみ、毎分60
回で15kgの荷重をかけて合計5万回の繰り返し圧縮試
験を行なった。試験後のミニ布団の厚さを測定し、下記
の数1で嵩高性保持率C(%)を算出し、へたりにくさ
の尺度とした。Cの値が大きいほどへたりにくいもので
ある。
測定した後、ミニ布団を平行平面板にはさみ、毎分60
回で15kgの荷重をかけて合計5万回の繰り返し圧縮試
験を行なった。試験後のミニ布団の厚さを測定し、下記
の数1で嵩高性保持率C(%)を算出し、へたりにくさ
の尺度とした。Cの値が大きいほどへたりにくいもので
ある。
【0017】
【数1】
【0018】(4) 高温雰囲気下の耐へたり性 玉状綿を吹き込み、一体に熱成形したミニ布団の厚さを
測定した後、ミニ布団を平行平面板にはさみ、当初の厚
さの50%に圧縮固定して温度70℃の恒温槽中に入
れ、6時間放置した後取り出し、平行平面板よりはずし
て常温中で30分間放置し、その厚さを測定する。下記
の数2で高温雰囲気下の嵩高性保持率Cp(%)を算出
し、耐へたり性の尺度とした。
測定した後、ミニ布団を平行平面板にはさみ、当初の厚
さの50%に圧縮固定して温度70℃の恒温槽中に入
れ、6時間放置した後取り出し、平行平面板よりはずし
て常温中で30分間放置し、その厚さを測定する。下記
の数2で高温雰囲気下の嵩高性保持率Cp(%)を算出
し、耐へたり性の尺度とした。
【0019】
【数2】
【0020】(5) 風 合 10人のパネラーによる官能試験により、一体に熱成形
したミニ布団を次の3段階で評価した。 1:柔らかい 2:普 通 3:硬 い
したミニ布団を次の3段階で評価した。 1:柔らかい 2:普 通 3:硬 い
【0021】実施例1 エチレンテレフタレート単位/ブチレンテレフタレート
単位(モル比1/1)およびこのアルキレンテレフタレ
ート単位全体とε−カプロラクトン(ε−CL)の総モ
ル数に対しε−CLを20モル%配合して得たバインダ
ー成分としてのランダム共重合ポリエステルチツプ(相
対粘度1.34、融点144℃)と、相対粘度1.38のポ
リエチレンテレフタレート(PET)のチツプを減圧乾
燥した後、通常の複合溶融紡糸装置を使用して溶融し、
ランダム共重合ポリエステルを鞘部に、PETを芯部に
配し、複合比(重量比)を1:1とし、紡糸温度を28
0℃、総吐出量を313g/分として複合溶融紡糸し
た。紡出糸条を冷却した後引取速度1000m/分で引
き取って未延伸繊維糸条を得た。得られた糸条を集束
し、10万デニールのトウにして、延伸倍率2.9、延伸
温度60℃で延伸し、120℃のヒートドラムで熱処理
してから、押し込み式クリンパを使用して捲縮を付与し
た後、長さ51mmに切断して、単糸繊度4デニールの芯
鞘型複合ポリエステル系バインダー繊維を得た。
単位(モル比1/1)およびこのアルキレンテレフタレ
ート単位全体とε−カプロラクトン(ε−CL)の総モ
ル数に対しε−CLを20モル%配合して得たバインダ
ー成分としてのランダム共重合ポリエステルチツプ(相
対粘度1.34、融点144℃)と、相対粘度1.38のポ
リエチレンテレフタレート(PET)のチツプを減圧乾
燥した後、通常の複合溶融紡糸装置を使用して溶融し、
ランダム共重合ポリエステルを鞘部に、PETを芯部に
配し、複合比(重量比)を1:1とし、紡糸温度を28
0℃、総吐出量を313g/分として複合溶融紡糸し
た。紡出糸条を冷却した後引取速度1000m/分で引
き取って未延伸繊維糸条を得た。得られた糸条を集束
し、10万デニールのトウにして、延伸倍率2.9、延伸
温度60℃で延伸し、120℃のヒートドラムで熱処理
してから、押し込み式クリンパを使用して捲縮を付与し
た後、長さ51mmに切断して、単糸繊度4デニールの芯
鞘型複合ポリエステル系バインダー繊維を得た。
【0022】得られたバインダー繊維と、仕上げ油剤と
してジメチルシロキサン、アミノシラン化合物およびリ
ン酸エステル金属塩を0.15%付与し150℃、5分
間熱処理してこれらを繊維表面に固着させた中空断面の
PET繊維(強度4.0g/d、伸度58%、繊度6デニ
ール、切断長51mm、中空率<繊維断面における中空部
分の割合>27%)を20:80の重量割合で混綿し、
高速気流下で7分間攪拌した。得られた玉状綿の直径は
平均5mmであった。玉状綿150gを40cm×40cmの
ポリエチレンテレフタレート繊維製袋状ミニ布団に送綿
機で風送後160℃の熱風乾燥機で10分間熱処理する
ことにより一体化した詰綿体を得た。得られた詰綿体は
柔らかい風合いのものであった。
してジメチルシロキサン、アミノシラン化合物およびリ
ン酸エステル金属塩を0.15%付与し150℃、5分
間熱処理してこれらを繊維表面に固着させた中空断面の
PET繊維(強度4.0g/d、伸度58%、繊度6デニ
ール、切断長51mm、中空率<繊維断面における中空部
分の割合>27%)を20:80の重量割合で混綿し、
高速気流下で7分間攪拌した。得られた玉状綿の直径は
平均5mmであった。玉状綿150gを40cm×40cmの
ポリエチレンテレフタレート繊維製袋状ミニ布団に送綿
機で風送後160℃の熱風乾燥機で10分間熱処理する
ことにより一体化した詰綿体を得た。得られた詰綿体は
柔らかい風合いのものであった。
【0023】実施例2 実施例1において用いたランダム共重合ポリエステルチ
ツプに替えて、ポリブチレンテレフタレート(PBT)
とε−CLの総モル数に対しε−CLを20モル%配合
して得たバインダー成分としてのランダム共重合ポリエ
ステルチツプ(相対粘度1.34、融点182℃)を用
い、ヒートドラム熱処理を130℃、ミニ布団の熱処理
時の温度を190℃とする以外は、実施例1と同様にし
て実施例2の詰綿体を得た。
ツプに替えて、ポリブチレンテレフタレート(PBT)
とε−CLの総モル数に対しε−CLを20モル%配合
して得たバインダー成分としてのランダム共重合ポリエ
ステルチツプ(相対粘度1.34、融点182℃)を用
い、ヒートドラム熱処理を130℃、ミニ布団の熱処理
時の温度を190℃とする以外は、実施例1と同様にし
て実施例2の詰綿体を得た。
【0024】実施例3 実施例1において用いたランダム共重合ポリエステルチ
ツプに替えて、PETとε−CLの総モル数に対しε−
CLを28モル%配合して得たランダム共重合ポリエス
テルチツプ(相対粘度1.42、融点196℃)を用い、
ヒートドラム熱処理を150℃、ミニ布団の熱処理温度
を210℃とする以外は、実施例1と同様にして実施例
3の詰綿体を得た。熱処理温度が高温にもかかわらずポ
リエステルバインダー成分が熱分解した様子は認められ
なかった。
ツプに替えて、PETとε−CLの総モル数に対しε−
CLを28モル%配合して得たランダム共重合ポリエス
テルチツプ(相対粘度1.42、融点196℃)を用い、
ヒートドラム熱処理を150℃、ミニ布団の熱処理温度
を210℃とする以外は、実施例1と同様にして実施例
3の詰綿体を得た。熱処理温度が高温にもかかわらずポ
リエステルバインダー成分が熱分解した様子は認められ
なかった。
【0025】実施例4 実施例1において用いたランダム共重合ポリエステルチ
ツプに替えて、PETとε−CLの総モル数に対しε−
CLを60モル%配合して得たランダム共重合ポリエス
テルエラストマーチツプ(相対粘度1.82、融点183
℃)を用い、ヒートドラム熱処理を120℃、ミニ布団
の熱処理温度を190℃とする以外は、実施例1と同様
にして実施例4の詰綿体を得た。熱処理温度が高温にも
かかわらずポリエステルエラストマー成分が熱分解した
様子は認められなかった。
ツプに替えて、PETとε−CLの総モル数に対しε−
CLを60モル%配合して得たランダム共重合ポリエス
テルエラストマーチツプ(相対粘度1.82、融点183
℃)を用い、ヒートドラム熱処理を120℃、ミニ布団
の熱処理温度を190℃とする以外は、実施例1と同様
にして実施例4の詰綿体を得た。熱処理温度が高温にも
かかわらずポリエステルエラストマー成分が熱分解した
様子は認められなかった。
【0026】実施例5 実施例1において用いたランダム共重合ポリエステルチ
ツプに替えて、PBTとε−CLの総モル数に対しε−
CLを62モル%配合して得たランダム共重合ポリエス
テルエラストマーチツプ(相対粘度1.95、融点160
℃)を用い、ヒートドラム熱処理を110℃、ミニ布団
の熱処理温度を180℃とする以外は、実施例1と同様
にして実施例5の詰綿体を得た。
ツプに替えて、PBTとε−CLの総モル数に対しε−
CLを62モル%配合して得たランダム共重合ポリエス
テルエラストマーチツプ(相対粘度1.95、融点160
℃)を用い、ヒートドラム熱処理を110℃、ミニ布団
の熱処理温度を180℃とする以外は、実施例1と同様
にして実施例5の詰綿体を得た。
【0027】実施例6 実施例1において用いたランダム共重合ポリエステルチ
ツプに替えて、PBTに対しε−CLを71モル%配合
して得たランダム共重合ポリエステルエラストマーチツ
プ(相対粘度2.05、融点133℃)を用い、ヒートド
ラム熱処理を100℃、ミニ布団の熱処理温度を150
℃とする以外は、実施例1と同様にして実施例6の詰綿
体を得た。
ツプに替えて、PBTに対しε−CLを71モル%配合
して得たランダム共重合ポリエステルエラストマーチツ
プ(相対粘度2.05、融点133℃)を用い、ヒートド
ラム熱処理を100℃、ミニ布団の熱処理温度を150
℃とする以外は、実施例1と同様にして実施例6の詰綿
体を得た。
【0028】実施例7 実施例1において用いたランダム共重合ポリエステルチ
ツプに替えて、PBTに対しε−CLを53モル%配合
して得たランダム共重合ポリエステルエラストマーチツ
プ(相対粘度2.08、融点180℃)を用い、ヒートド
ラム熱処理を120℃、ミニ布団の熱処理温度を200
℃とする以外は、実施例1と同様にして実施例7の詰綿
体を得た。
ツプに替えて、PBTに対しε−CLを53モル%配合
して得たランダム共重合ポリエステルエラストマーチツ
プ(相対粘度2.08、融点180℃)を用い、ヒートド
ラム熱処理を120℃、ミニ布団の熱処理温度を200
℃とする以外は、実施例1と同様にして実施例7の詰綿
体を得た。
【0029】比較例1 実施例1において用いたランダム共重合ポリエステルチ
ツプに替えて、エチレンテレフタレート単位/ブチレン
テレフタレート単位(モル比6/4)28モル%、ε−
CLを72モル%配合して得たポリエステルエラストマ
ーチツプ(相対粘度1.92、融点94℃)を用い、延伸
後140℃のヒ−トドラムで熱処理することに替えて6
0℃のヒ−トドラムで熱処理する条件にて実施した。延
伸ローラー巻きや繊維同志の密着がかなり認められたが
少量のサンプルを得た。これをバインダー繊維として用
い、ウエブの熱処理温度を180℃に替えて120℃と
する以外は、実施例1と同様にして比較例1の詰綿体を
得た。
ツプに替えて、エチレンテレフタレート単位/ブチレン
テレフタレート単位(モル比6/4)28モル%、ε−
CLを72モル%配合して得たポリエステルエラストマ
ーチツプ(相対粘度1.92、融点94℃)を用い、延伸
後140℃のヒ−トドラムで熱処理することに替えて6
0℃のヒ−トドラムで熱処理する条件にて実施した。延
伸ローラー巻きや繊維同志の密着がかなり認められたが
少量のサンプルを得た。これをバインダー繊維として用
い、ウエブの熱処理温度を180℃に替えて120℃と
する以外は、実施例1と同様にして比較例1の詰綿体を
得た。
【0030】比較例2 実施例1において用いたランダム共重合ポリエステルチ
ツプに替えて、エチレンテレフタレート単位/エチレン
イソフタレート単位(モル比6/4)よりなるポリエス
テルチツプ(相対粘度1.37、DSCによる融点は認め
られず目視による軟化点110℃)を用い、延伸後14
0℃のヒ−トドラムで熱処理することに替えて熱処理を
行うことなく実施した。これをバインダー繊維として用
い、ウエブの熱処理温度を180℃に替えて150℃と
する以外は、実施例1と同様にして比較例2の詰綿体を
得た。実施例1〜7および比較例1〜2の詰綿体の風合
と耐へたり性の評価結果を表1に示す。
ツプに替えて、エチレンテレフタレート単位/エチレン
イソフタレート単位(モル比6/4)よりなるポリエス
テルチツプ(相対粘度1.37、DSCによる融点は認め
られず目視による軟化点110℃)を用い、延伸後14
0℃のヒ−トドラムで熱処理することに替えて熱処理を
行うことなく実施した。これをバインダー繊維として用
い、ウエブの熱処理温度を180℃に替えて150℃と
する以外は、実施例1と同様にして比較例2の詰綿体を
得た。実施例1〜7および比較例1〜2の詰綿体の風合
と耐へたり性の評価結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1より明らかなごとく、実施例1〜7の
いずれの固綿も、風合、耐へたり性共に良好であった
が、比較例1の詰綿体は、接着成分としてのポリエステ
ルエラストマーの融点が低いため高温雰囲気下でへたり
やすいものであった。また比較例2の詰綿体は風合が固
めであり,高温雰囲気下でへたりやすいものであった。
いずれの固綿も、風合、耐へたり性共に良好であった
が、比較例1の詰綿体は、接着成分としてのポリエステ
ルエラストマーの融点が低いため高温雰囲気下でへたり
やすいものであった。また比較例2の詰綿体は風合が固
めであり,高温雰囲気下でへたりやすいものであった。
【0033】
【発明の効果】本発明の玉状綿は、風合がソフトで、繰
り返し圧縮や高温雰囲気下での圧縮に対しへたりにく
い。そのため、例えば、防寒被服のキルティング中綿と
して用いた時高温で洗濯した後も形崩れしにくい。ま
た、掛布団や寝袋等の寝装具やクツシヨンの詰め綿とし
て用いたとき、当りが柔らかで、衝撃を吸収するため、
座り心地がよい。また、使用経時や高温雰囲気下でもへ
たりが少なく、床づき感がなく、好適である。さらに熱
融着加工性が良好である。
り返し圧縮や高温雰囲気下での圧縮に対しへたりにく
い。そのため、例えば、防寒被服のキルティング中綿と
して用いた時高温で洗濯した後も形崩れしにくい。ま
た、掛布団や寝袋等の寝装具やクツシヨンの詰め綿とし
て用いたとき、当りが柔らかで、衝撃を吸収するため、
座り心地がよい。また、使用経時や高温雰囲気下でもへ
たりが少なく、床づき感がなく、好適である。さらに熱
融着加工性が良好である。
Claims (1)
- 【請求項1】 主体となるポリエステル繊維が、結晶融
点100℃以上のε−カプロラクトン共重合ポリエステ
ルをバインダー成分として持つポリエステル系バインダ
ー繊維で点接合されたことを特徴とするポリエステル玉
状綿。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32987693A JP3201688B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | ポリエステル玉状綿 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32987693A JP3201688B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | ポリエステル玉状綿 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07150455A JPH07150455A (ja) | 1995-06-13 |
JP3201688B2 true JP3201688B2 (ja) | 2001-08-27 |
Family
ID=18226238
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32987693A Expired - Fee Related JP3201688B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | ポリエステル玉状綿 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3201688B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102438097B1 (ko) | 2016-12-30 | 2022-08-31 | 젠텍스 코포레이션 | 차량용 사이드미러 어셈블리 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002242067A (ja) * | 2001-02-15 | 2002-08-28 | Nippon Ester Co Ltd | 生分解性繊維からなる玉状綿 |
-
1993
- 1993-11-30 JP JP32987693A patent/JP3201688B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102438097B1 (ko) | 2016-12-30 | 2022-08-31 | 젠텍스 코포레이션 | 차량용 사이드미러 어셈블리 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07150455A (ja) | 1995-06-13 |
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Legal Events
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |