JP3201472U - 刃物用研ぎ器 - Google Patents
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Abstract
【課題】研磨要素の大きさを最小限に抑え、研磨部材同士の組み立て作業性に優れた刃物用研ぎ器を提供する。【解決手段】それぞれ切頭円錐の表面形状を有しかつ互いに角度を形成する円錐面11を備えた一対の砥石10,10?の頭部側平坦面10Aを突き合わせてなる研磨要素と、一対の砥石の外周を覆う一対のカバー部材51,52とを備える。一対の砥石の回転中心に挿入孔55を設けると共に、挿入孔に挿入する挿入部63,66を一対のカバー部材51,52に設け、一対の砥石の頭部側平坦面10Aを突き合わせた状態で挿入部63,66同士が接合されている。砥石を最小限の大きさにすることができると共に、砥石とカバー部材とを簡便に組み立てることができる。【選択図】図6
Description
本考案は、包丁やナイフなどの刃物を砥石により研ぐ刃物用研ぎ器に関する。
従来、この種のものとして、フレームに横設されると共に前記フレームの長さ方向に対して斜設された回転軸と、前記フレームに設けられ前記回転軸を回転可能に軸支する軸受部と、前記回転軸の中央に一対で設けられ互いに角度を形成する円錐面を有する切頭円錐状の研磨要素と、前記研磨要素の下部に設けられ研磨液を受ける桶部と、前記フレームの長さ方向に対して直交して配置され研ぎ処理中刃物が前記一対の円錐面に押圧されるように該刃物をかじ取りする案内部とを備え、前記一対の円錐面のうち少なくとも一方を研磨面に形成した刃物用研ぎ器において、前記研磨要素の前記円錐面を除く外周面を覆うカバー部材を設けたことを特徴とする刃物用研ぎ器が知られている(例えば特許文献1)。
上記刃物用研ぎ器によれば、研磨要素を小さくすることができると共に、刃物を均一に研磨することができ、また、研磨要素に研磨液を十分に供給して刃物を研ぐことができる。
上記刃物用研ぎ器では、一対の砥石同士を接着などにより固定すると共に、一対の砥石にそれぞれ回転軸を取り付け、さらに、一対の砥石をそれぞれ覆うようにカバー部材を取り付けるため、工数が増加し、組み立て作業性に劣る面があった。
また、研磨要素の先端面同士を接着する場合、円錐面に接着剤が食み出さないように接着しなければならず、作業が煩雑であった。
そこで、本考案は、研磨要素の大きさを最小限に抑え、研磨部材同士の組み立て作業性に優れた刃物用研ぎ器を提供することを目的とする。
請求項1の考案の刃物用研ぎ器は、フレームに横設された回転軸と、前記フレームに設けられ前記回転軸が回転可能に設けられる軸受部と、前記回転軸の中央に設けられそれぞれ切頭円錐の表面形状を有しかつ互いに角度を形成する円錐面を備えた一対の研磨部材の先端面を突き合わせてなる研磨要素と、前記回転軸の長さ方向に対して斜設され刃物が一対の前記円錐面に押圧されるように該刃物をかじ取りして前記一対の円錐面に接触させる案内部と、前記一対の研磨部材にそれぞれ設けられ前記円錐面及び前記先端面を除く外周を覆う一対のカバー部材とを備え、前記一対の円錐面のうち少なくとも一方を研磨面に形成した刃物用研ぎ器において、前記一対の研磨部材の前記先端面に挿入孔を貫通形成する共に、前記挿入孔に挿入する挿入部を前記一対のカバー部材に設け、前記一対の研磨部材の前記先端面を突き合わせた状態で前記一対のカバー部材の前記挿入部同士が接合されていることを特徴とする。
請求項2の考案の刃物用研ぎ器は、前記カバー部材が合成樹脂からなり、該カバー部材に前記合成樹脂からなる前記回転軸を一体に設けたことを特徴とする。
請求項3の考案の刃物用研ぎ器は、前記挿入孔と前記挿入部の係合により前記挿入孔に前記挿入部を回り止め状態で挿入したことを特徴とする。
請求項4の考案の刃物用研ぎ器は、一方の前記挿入部の先端を一方の前記研磨要素の前記先端面より突出し、一方の前記挿入部の先端を他方の前記挿入孔に回り止め状態で挿入したことを特徴とする。
請求項5の考案の刃物用研ぎ器は、一方の前記挿入部の先端に該挿入部より断面の小さな突起部を設け、この突起部を挿入する挿入受け孔を他方の前記挿入部に形成したことを特徴とする。
請求項6の考案の刃物用研ぎ器は、前記突起部と前記挿入受け孔とが超音波溶着されていることを特徴とする。
請求項7の考案の刃物用研ぎ器は、前記一対の研磨部材の前記円錐面の材質が異なり、前記一対のカバー部材の色が異なることを特徴とする。
請求項1の考案によれば、研磨要素を最小限の大きさにすることができると共に、カバー部材の挿入部同士を接合することにより、研磨要素とカバー部材とを簡便に組み立てることができる。
請求項2の考案によれば、カバー部材に回転軸を一体成形することができる。
請求項3の考案によれば、研磨部材にカバー部材を回り止め状態で取り付けることができる。
請求項4の考案によれば、一方の前記挿入部の先端を他方の前記挿入部に回り止め状態で挿入することにより、一対のカバー部材同士が回り止め状態となり、また、一方の挿入部が一対の研磨部材の先端面に跨って配置されるため、先端面において上からの力に対しての強度を確保できる。
請求項5の考案によれば、挿入受け部に突起部を挿入することにより一対の挿入部の位置合わせがなされ組立が容易となり、また、挿入部により一対のカバー部材の一体化が図られる。
請求項6の考案によれば、一対のカバー部材を接合することができる。
請求項7の考案によれば、カバー部材の色により研磨部材の違いが分かる。
本考案における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、実用新案登録請求の範囲に記載された本考案の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本考案の必須要件であるとは限らない。
以下、本考案の実施例1を図1〜図9に基づいて説明する。図1は本考案に係る刃物用研ぎ器1を示している。合成樹脂製からなるフレーム2は、左右方向に延びる握持部3と、この握持部3の長手方向端部に設けられた研磨部4とを一体にしてなり、研磨部4の上部には、案内部材となる別体の蓋体5がヒンジ部6を介して回動自在に設けられている。
前記研磨部4には、研磨要素7の下部を囲み、水や油などの研磨液を満たすことができる桶部8が設けられており、蓋体5には、研磨要素7に対応して刃物Hを案内する案内部としてスリット部9が設けられ、該スリット部9は前記フレーム2の長さ方向に直交して形成されている。尚、桶部8は研磨部4の底面部16と四方の側面部とにより構成される。
前記研磨部4内には、アルミナ系セラミックスなどからなる研磨要素7が配置され、この研磨要素7は、切頭円錐状に成る一対の研磨部材たる砥石10,10´が、先端面たるそれぞれの頭部側平坦面10A,10Aを突き合わせて配置され、研磨面たる円錐面11,11が略V字状を成すように設けられる。また、研磨要素7の左右両側には合成樹脂から成る回転軸12,12が後述するカバー部材を介して設けられ、前記回転軸12はフレーム2の研磨部4に回転可能に横設され、且つフレーム2の長手方向に対して略10度〜20度の角度で斜設されている。前記回転軸12は、後述するカバー部材に一体成形されている。尚、砥石10,10´は同一形状である。
また、研磨部4には、取付用枠部15が突設されている。前記取付用枠部15は、研磨部4の底面部16、すなわち桶部8上に間隔をおいて左右一対で配設され、ここに軸受部17が設けられると共に、該軸受部17に前記回転軸12が着脱自在に軸支される。軸受部17は、左右の中央板部18,18と左右両側の側板部19,19とを一体に備えており、左右の中央板部18,18の中央には、上部が開口すると共に左右の中央板部18,18の略全高に亘って形成される軸受溝部20が設けられ、軸受溝部20の上部には、一対の側板部19,19の対向する内縁から内方に向かい弧状に突出した係止部21,21が形成され、前記左右の中央板部18,18は側板部19,19から軸受溝部20に向かって肉厚になるように形成されている。尚、一対の係止部21,21の間隔は、回転軸12の直径寸法よりも僅かに幅狭に形成されており、中央板部18と側板部19とは屈曲部たる湾曲角部22を介して一体に形成されている。
そして、前記軸受溝部20の左右両側の縦縁部には、前記係止部21,21の下方に凹溝部23,23が縦設され、軸受溝部20の下部は底板により閉塞されている。
前記中央板部18と左右の側板部19,19の高さ方向中央には横方向の段部24,24を形成し、左右の中央板部18,18の中央側左右には前記段部24,24に連続する縦溝部25,25が縦設されている。また、軸受溝部20の下部側には、外側に向かって湾曲状に形成した湾曲板部26が設けられ、底板には円形の係合凹部27を設け、この係合凹部27に、研磨要素7を弾性的に付勢する付勢手段としてステンレス製のコイルスプリング28の下部が係合する。
コイルスプリング28の上部には、前記回転軸12と摺動する合成樹脂製の摺動部材29が設けている。この摺動部材29は、平面略六角形の柱状をなし、左右に前記凹溝部23,23に係合する係合凸部30,30を有する。また、摺動部材29の内部には前記コイルスプリング28の上部を収納する収納孔31が形成され、この収納孔31の上部は摺動部材29の上面部29Aにより塞がれている。
そして、コイルスプリング28の上部に摺動部材29を装着した状態で、コイルスプリング28の下部を係合凹部27に挿入すると共に、コイルスプリング28を圧縮し、係止部21,21の下部の軸受溝部20に摺動部材29を嵌め入れ、図5に示すように、凹溝部23,23に係合凸部30,30を係合する。この場合、軸受溝部20の上部を段発的に広げて摺動部材29を軸受溝部20に嵌め入れる。こうすると、摺動部材29が軸受溝部20に沿って上下動可能になると共に、係止部21,21の下部に摺動部材29の上面部29Aの左右が係止することにより、摺動部材29が軸受溝部20から上方に抜け出すことがない。尚、軸受溝部20の上部を広げて摺動部材29を取り外すこともできる。
また、左右一対で設けられる軸受部17,17の間に上方から研磨要素7を設置する際には、軸受溝部20の上部開口から回転軸12を圧入することで、回転軸12が僅かに開いた係止部21,21間を通過して設置される。設置されると、一対の係止部21,21が回転軸12に係止するため抜け止めがなされ、回転軸12はコイルスプリング28により上方に付勢された状態となるので、回転軸12は、軸受部17により軸支された状態で軸受溝部20に沿って上下動可能となる。そして、刃物Hを研ぐ際には、研磨要素7が上方から押圧して力を加えると、これをコイルスプリング28の弾性力により押し返すことで研磨面である円錐面11,11と刃物Hとを均一に接触させるべく調整される。
前記軸受部17の前記段部24の位置より上部には、回転軸12の抜け出しを防止する抜け止め部材32が着脱自在に装着される。この抜け止め部材32は、左右に設けられ平断面が略コ字型の外嵌枠部33,33と、これら外嵌枠部33,33の上部を連結する上面部34とを一体に有し、外嵌枠部33の内面には前記側板部19の外端面19Aに圧接する突起部35が複数設けられている。
そして、右側の外嵌枠部33が上方から右側の中央板部18及び側板部19に外嵌すると共に、左側の外嵌枠部33を上方から左側の中央板部18及び側板部19に外嵌し、同時に複数の突起部35,35・・・が側板部19の外端面19Aに圧接する。これにより抜け止め部材32を取り外す際に所定の力が必要となる。尚、軸受部17に抜け止め部材32を装着した状態で、外嵌枠部33の内側縁部33Aと前記縦溝部25とが対向する。
従って、軸受部17に抜け止め部材32を取り付けると、抜け止め部材32により軸受溝部20が開くことがなく、軸受溝部20から回転軸12が外れることがない。尚、左右一対の軸受部17,17の下部は連結ベース部36により連結されている。
図中41は付勢手段であり、研磨要素7と軸受部17との間で前記回転軸12に外装されている。前記付勢手段41は、ポリアセタール製、例えばDURACON(ジュラコン、ポリプラスチックス社製)などの合成樹脂からなる。また、付勢手段41は、長さ方向両側にリング部42,42がそれぞれ設けられ、これら両側の前記リング部42,42は、一対の弾性連結部43,43により間隔を置いて連結されている。前記弾性連結部43は断面が略方形をなし、螺旋状をなす弾性連結部43の両端部を、前記リング部42,42により連結してなり、弾性連結部43が回転軸12の長さ方向に圧縮されることにより、その弾性復元力が発揮される。尚、図2では付勢手段41を図示省略している。
前記一対の砥石10,10´には一対のカバー部材51,52が設けられる。前記砥石10,10´は、前記円錐面11と、頭部側平坦面10Aと、外周面53と、外周面53の基端側に位置する基端面54とを有し、その砥石10,10´の頭部側平坦面10Aの回転中心には、略正方形形状の挿入孔55を貫通形成している。
前記カバー部材51,52は、合成樹脂により切頭円錐状に成形されたもので、砥石10,10´の円錐面11,11と略同じ傾斜角の案内面61が形成され、この案内面61の中央には、頭部側平坦面10A,10A及び円錐面11,11を除いて砥石10,10´が収まる円形状の収納溝62が設けられ、さらに、前記基端面54の中央には前記回転軸12が一体に設けられている。また、前記基端面54にはリング状溝部56が形成され、このリング状溝部56に、前記付勢手段41のリング部42が係入する。さらに、前記外周面53には、等間隔で配置する凹凸状の掻き上げ部57が設けられており、本実施例において該掻き上げ部57は略山形状を成している。
一方のカバー部材51には、その収納溝62の中央に断面略正方形形状の挿入部63を突設し、この挿入部63を前記砥石10の挿入孔55に挿入すると共に、該砥石10を収納溝62に収納し、この収納状態で、挿入部63と挿入孔55とが係合してカバー部材51に対して砥石10が回り止め状態となり、また、挿入部63の先端面63Aは砥石10の頭部側平坦面10Aから突出する。さらに、その挿入部63の先端面63Aには該挿入部63より断面の小さな円柱状の突起部64が突設されている。
他方のカバー部材52には、その収納溝62の中央に挿入部66を突設し、この挿入部66は前記挿入部63と同一断面である。前記挿入部66を前記砥石10´の挿入孔55に挿入すると共に、該砥石10´を収納溝62に収納し、この収納状態で、挿入部66と挿入孔55とが係合してカバー部材52に対して砥石10´が回り止め状態となり、また、挿入部66の先端は砥石10´の頭部側平坦面10Aより収納溝62の内側に位置する。さらに、その挿入部66の頭部側平坦面10Aには、前記突起部64を挿入する挿入受け孔67が設けられており、挿入受け孔67はカバー部材52の回転軸12の方向に形成されている。
次に、前記研磨要素7とカバー部材51,52の組み立て方法について説明する。一方のカバー部材51の収納溝62に砥石10を挿入すると共に、砥石10の挿入孔55にカバー部材51の挿入部63を挿入する。また、他方のカバー部材52の収納溝62に砥石10´を挿入すると共に、砥石10´の挿入孔55にカバー部材52の挿入部66を挿入する。こうすると角型の挿入部63,66と挿入孔55,55とが係合し、カバー部材51,52に対して砥石10,10が回り止め状態となる。この後、突起部64を挿入受け孔67に挿入し、砥石10,10´の先端面たる頭部側平坦面10A,10Aを突き合わすと、一方の挿入部63の先端が他方の挿入孔55の先端側に挿入される。こうすると一方の挿入部63の先端と他方の挿入孔55との係合により、対をなすカバー部材51,52同士が回り止め状態となり、この後、突起部64と挿入受け孔67とを例えば超音波溶着部によって接合することにより、砥石10,10´及びカバー部材51,52が一体化される。前記接合には超音波溶着を用いており、これ以外にも接着などにより接合してもよい。尚、回転軸12内において突起部64と挿入受け孔67とを溶着することより挿入部63,66同士を接合したり、挿入部63の先端面63Aと挿入部66の先端面同士を直接溶着により接合したりしてもよい。
従って、カバー部材51,52を用いて砥石10,10´の組み立てを簡便に行うことができる。
上記構成により、カバー部材51,52は、一対の砥石10,10´それぞれの外周に取り付けることができるため、砥石10,10´を小さくして設けた場合にも、カバー部材51,52を変更することで全体の最外径を適宜調整することができる。
そして、刃物Hを研ぐ際には、桶部8内を研磨液で満たすと共に、左右一対の軸受部17,17に研磨要素7を設置し、蓋体5を閉め、刃物Hを蓋体5のスリット部9から研磨要素7に向かって押入し、刃物Hを研磨要素7の一対の円錐面11,11に押圧した状態で前後動する。そうすると、刃物Hは、前記スリット部9によりかじ取りされるので、刃先がぶれることなく一対の円錐面11,11に向かい案内されて、確実に押圧することができる。この時、カバー部材51,52が研磨要素7を覆うように、詳細には研磨要素7の円錐面11,11を除く外周面を覆うように取り付けられていることから、研磨要素7を含む全体の最外径が大きくなり、これに伴いカバー部材51,52の外周面53と蓋体5とが近接するため、スリット部9を通ってきた刃物Hを、カバー部材51,52の案内面61,61を介して研磨要素7へと円滑に案内することができる。
また、カバー部材51,52には、外周面53に凹凸状の掻き上げ部57が設けられていることから、刃物Hを前後動して研磨要素7が回転した場合に、桶部8の研磨液を掻き上げ部57が巻き上げることにより砥石10,10´を十分に湿潤させることができ、これにより研磨時に発生する熱を吸収させることができるので、発熱によって刃物が鈍ることや、研磨面の目詰まりを防止することができる。
このように本実施例では、請求項1に対応して、フレーム2に横設された回転軸12と、フレーム2に設けられ回転軸12が回転可能に設けられる軸受部17と、回転軸12の中央に設けられそれぞれ切頭円錐の表面形状を有しかつ互いに角度を形成する円錐面11,11を備えた一対の研磨部材たる砥石10,10´の先端面たる頭部側平坦面10A,10Aを突き合わせてなる研磨要素7と、回転軸12の長さ方向に対して斜設され刃物Hが一対の円錐面11,11に押圧されるように該刃物Hをかじ取りして一対の円錐面11,11に接触させる案内部たるスリット部9と、一対の砥石10,10´にそれぞれ設けられ円錐面11及び頭部側平坦面10Aを除く外周を覆う一対のカバー部材51,52とを備え、一対の円錐面11,11のうち少なくとも一方を研磨面に形成した刃物用研ぎ器において、一対の砥石10,10´の回転中心に挿入孔55,55を設けると共に、挿入孔55,55に挿入する挿入部63,66を一対のカバー部材51,52に設け、一対の砥石10,10´の頭部側平坦面10A,10Aを突き合わせた状態で一対のカバー部材51,52の挿入部63,66同士が接合されているから、砥石10,10´を最小限の大きさにすることができると共に、砥石10,10とカバー部材51,52とを簡便に組み立てることができる。
このように本実施例では、請求項2に対応して、カバー部材51,52が合成樹脂からなり、該カバー部材51,51に合成樹脂からなる回転軸12,12を一体に設けたから、カバー部材51,51に回転軸12,12を一体成形することができる。
このように本実施例では、請求項3に対応して、挿入孔55,55と挿入部63,66の係合により挿入孔55,55に挿入部63,66を回り止め状態で挿入したから、砥石10,10´にカバー部材51,51を回り止め状態で取り付けることができる。
このように本実施例では、請求項4に対応して、一方の挿入部63の先端を一方の研磨要素たる砥石10の先端面たる頭部側平坦面10Aより突出し、一方の挿入部63の先端を他方の挿入孔55に回り止め状態で挿入したから、一対のカバー部材51,52同士が回り止め状態となり、また、一方の挿入部63が一対の砥石10,10の頭部側平坦面10A,10Aに跨って配置されるため、頭部側平坦面10A,10Aにおいて上からの力に対しての強度を確保できる。
このように本実施例では、請求項5に対応して、一方の挿入部63の先端に該挿入部63より断面の小さな突起部64を設け、この突起部64を挿入する挿入受け孔67を他方の挿入部66に形成したから、挿入受け孔67に突起部64を挿入することにより一対の挿入部63,66の位置合わせがなされ組立が容易となり、また、突起部64により一対のカバー部材51,52の一体化が図られる。
このように本実施例では、請求項6に対応して、突起部64と挿入受け孔67とが超音波溶着されているから、一対のカバー部材51,52を同士接合することができる。
図10は、本考案の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例の刃物用研ぎ器1は、実施例1と回転軸12の傾き方向が異なり左右対称となっている。また、研磨を行う刃物Hは、刃先の一側を傾斜面とした片刃であって、これに対応する研磨要素7´は、一対の円錐面11,11の一方を砥石10からなる研磨面とした構成、すなわち刃物Hの傾斜面に砥石10の研磨面が接触し、反傾斜面には滑らかで硬質な非研磨面が接触する構成となる。そして、研磨面側及び非研磨面側には、それぞれ外周を覆うカバー部材51,52が装着され、これらカバー部材51,52は色が異なり、例えば赤と白である。尚、研磨要素7´の一対の研磨部材10,10´は、他方の研磨面が、アルミナ系や炭化珪素系セラミックスなどで形成され、一方の非研磨面が、シリカ系の陶土セラミックス、あるいはアルミナ系ファインセラミックスやアルミナ系ニューセラミックスなどの材料から成るものとする。こうすることで非研磨面が滑らかで硬質に形成される。
従って、本実施例によれば、研磨要素7´の少なくとも一方を研磨面とし、他方を非研磨面とした場合にも、研磨面及び非研磨面の両方にカバー部材52,51を装着することができるので、上記実施例1と同様な作用・効果を奏し、片刃用の研ぎ器として対応することができる。また、一方を研磨面、他方を非研磨面とした研磨要素7´に変更しても、カバー部材51,52を設ける構成により従来よりも研磨部材10,10´の大きさを最小限にすることができるため、片刃用研磨要素7´についても組み立て作業性を向上してコストを抑えることができる。
また、このように本実施例では、請求項7に対応して、一対の研磨部材の円錐面11,11の材質が異なり、一対のカバー部材51,52の色が異なるから、カバー部材51,52の色により研磨部材の違いが分かる。
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、把持部を備えたフレームを例示したが、研磨部を被固定部に固定すれば、把持部がないものでも本発明は適用可能である。また、実施例では、挿入孔と挿入部とを略正方形形状にすることにより、両者が係合して回り止め状態としたが、挿入孔と挿入部の形状は正方形に限らず、回り止め状態となるなら各種の形状を採用することができる。また、接合に用いる溶着部は、超音波溶着に限らず、各種の溶着を用いることができる。
1 1 刃物用研ぎ器
2 フレーム
3 握持部
4 研磨部
7 研磨要素
7´ 研磨要素
9 スリット部(案内部)
10,10´ 砥石(研磨部材)
10A 頭部側平坦面(先端面)
11 円錐面
12 回転軸
17 軸受部
51 カバー部材
52 カバー部材
63 挿入部
64 突起部
66 挿入部
67 挿入受け孔
H 刃物
2 フレーム
3 握持部
4 研磨部
7 研磨要素
7´ 研磨要素
9 スリット部(案内部)
10,10´ 砥石(研磨部材)
10A 頭部側平坦面(先端面)
11 円錐面
12 回転軸
17 軸受部
51 カバー部材
52 カバー部材
63 挿入部
64 突起部
66 挿入部
67 挿入受け孔
H 刃物
Claims (7)
- フレームに横設された回転軸と、
前記フレームに設けられ前記回転軸が回転可能に設けられる軸受部と、
前記回転軸の中央に設けられそれぞれ切頭円錐の表面形状を有しかつ互いに角度を形成する円錐面を備えた一対の研磨部材の先端面を突き合わせてなる研磨要素と、
前記回転軸の長さ方向に対して斜設され刃物が一対の前記円錐面に押圧されるように該刃物をかじ取りして前記一対の円錐面に接触させる案内部と、
前記一対の研磨部材にそれぞれ設けられ前記円錐面及び前記先端面を除く外周を覆う一対のカバー部材とを備え、
前記一対の円錐面のうち少なくとも一方を研磨面に形成した刃物用研ぎ器において、
前記一対の研磨部材の前記先端面に挿入孔を貫通形成する共に、前記挿入孔に挿入する挿入部を前記一対のカバー部材に設け、
前記一対の研磨部材の前記先端面を突き合わせた状態で前記一対のカバー部材の前記挿入部同士が接合されていることを特徴とする刃物用研ぎ器。 - 前記カバー部材が合成樹脂からなり、該カバー部材に前記合成樹脂からなる前記回転軸を一体に設けたことを特徴とする請求項1記載の刃物用研ぎ器。
- 前記挿入孔と前記挿入部の係合により前記挿入孔に前記挿入部を回り止め状態で挿入したことを特徴とする請求項1又は2記載の刃物用研ぎ器。
- 一方の前記挿入部の先端を一方の前記研磨要素の前記先端面より突出し、一方の前記挿入部の先端を他方の前記挿入孔に回り止め状態で挿入したことを特徴とする請求項3記載の刃物用研ぎ器。
- 一方の前記挿入部の先端に該挿入部より断面の小さな突起部を設け、この突起部を挿入する挿入受け孔を他方の前記挿入部に形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の刃物用研ぎ器。
- 前記突起部と前記挿入受け孔とが超音波溶着されていることを特徴とする請求項5記載の刃物用研ぎ器。
- 前記一対の研磨部材の前記円錐面の材質が異なり、前記一対のカバー部材の色が異なることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の刃物用研ぎ器。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018122382A (ja) * | 2017-01-31 | 2018-08-09 | 京セラ株式会社 | 刃物研磨具 |
CN113649861A (zh) * | 2021-08-10 | 2021-11-16 | 杭州鑫昇科技有限公司 | 钟形壳硬铣刀头、铣刀头的加工装置及其加工方法 |
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2015
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