JP3200792U - スライドファスナー用スライダー - Google Patents

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裕一 岩瀬
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Abstract

【課題】引手をスライダー胴体に対して肩口側と後口側のどちらに倒伏させても、引手のぶらつきを防止することが可能なスライドファスナー用スライダーを提供する。【解決手段】スライドファスナー用スライダーは、スライダー胴体10と、スライダー胴体10の引手取付部14に取着される引手20とを有し、引手20は、引手取付部14に回動可能に保持される引手連結部材21と、引手連結部材21に回動可能に密着する摩擦部を介して連結される引手本体22とを備えるとともに、引手連結部材21がスライダー胴体10の肩口側及び後口側に倒伏したときに、引手連結部材21と引手本体22とを連結する摩擦部の摩擦抵抗を利用して、引手本体22が引手連結部材21に対して折り返した位置で保持することが可能な構造を有する。【選択図】図1

Description

本考案は、スライドファスナー用スライダーに関し、特に、引手が、スライダー胴体の引手取付部に回動可能に保持される引手連結部材と、その引手連結部材に回動可能に連結される引手本体とを備えるスライドファスナー用スライダーに関する。
従来から、スライドファスナーは、衣類やカバン類などの物品における開口部又は開閉部に取り付けられている。このようなスライドファスナーは、一般に、エレメント列が形成された左右のファスナーストリンガーと、左右のエレメント列に摺動可能に取り付けられるスライダーとを有する。このスライダーをエレメント列に沿って摺動させることにより、左右のエレメント列を噛合・分離させるため、物品の開口部又は開閉部を容易に開閉することができる。
スライドファスナーに用いられるスライダーは、上翼板及び下翼板が案内柱で連結されたスライダー胴体と、スライダー胴体に対して回動可能に保持される引手とを有する。この場合、スライダー胴体には、案内柱の左右両側に配される肩口と、スライダー胴体の後端部に配される後口とが設けられているとともに、上翼板と下翼板との間には、左右の肩口と後口とを連通するエレメント案内路が形成されている。また、上翼板の上面側には、引手を取り付けるための引手取付部が設けられている。
スライダーの引手は、スライダー胴体をエレメント列の開離方向や閉鎖方向に向けて摺動操作する際に指で摘まむ摘み部として設けられており、肉厚の薄い平板状に形成されていることが多い。また、引手は、スライダーを操作し易いように、スライダー胴体の引手取付部に、比較的自由に動ける揺動可能な状態で取り付けられている。しかし、このような引手は、スライダーの非操作時にぶらつく(揺れ動く)ため、スライドファスナーが取り付けられている物品の見栄えを悪くすることや、引手がスライダー胴体に衝突して耳障りな接触音を発生させることがあった。
このような問題に対して、例えば特許4109636号公報(特許文献1)には、スライダー胴体の引手取付部に、例えば熱可塑性エラストマー等により形成される引手が、直接射出成形して取り付けられるスライダーが開示されている。
このような特許文献1のスライダーであれば、引手の軸部が、スライダー胴体の引手取付部の内周面に密着するため、引手の軸部と引手取付部の内周面との間に摩擦抵抗が生じ、指が離された後の引手のスライダー胴体に対する姿勢を維持することができる。従って、特許文献1のスライダーでは、スライダーの非操作時に引手がぶらつくことを防止して、上述のような物品の見栄えの低下や、引手の接触音の発生を防ぐことができる。
また、例えば特許4145207号公報(特許文献2)や、特許4145252号公報(特許文献3)には、引手が、スライダー胴体の引手取付部に回動可能に保持される引手連結部材と、その引手連結部材に回動可能に連結される引手本体の2部材からなるスライダーが開示されている。
特許文献2に記載されている引手は、スライダー胴体に連結される剛性材料製の引手片と、その引手片に連結されるとともに、引手片を不動状態に覆い隠す第1位置と引手片を露呈させる第2位置との間で動作可能な軟質材料製のカバー部材とを備える。また、カバー部材は、第1位置の引手片を収容保持する収容部を内側に有する。
このような引手を有する特許文献2のスライダーでは、引手片がカバー部材の収容部に収容保持されることにより、引手片がカバー部材に覆い隠されるため、スライダーの外観品質が高められる。また、引手片とカバー部材とを、スライダー胴体に対してぶらつきさせ難くする(揺動させ難くする)ことができる。
特許文献3に記載されている引手は、スライダー胴体に連結される引手片と、その引手片に回動部を介して回動可能に連結するとともに、引手片を不動状態に覆い隠すカバー部材とを備える。また、引手片とカバー部材の一方には、カバー部材が引手片を不動状態に覆い隠す位置(第1位置)にあるときに引手片とカバー部材とを係着させる係着部が設けられている。
このような引手を有する特許文献3のスライダーでは、カバー部材を係着部により引手片に係着させることにより、引手片はカバー部材に覆い隠されて不動状態となり、引手片のぶらつき(揺動)が抑えられ、カバー部材の引手片に対する保持力を確保することができる。更に、引手片がスライダー胴体に対してガタツキや位置ずれを生じなくなるため、スライダーの品質を長期間にわたって安定して確保できる。
特許4109636号公報 特許4145207号公報 特許4145252号公報
特許文献1に記載されているスライダーでは、上述のように引手がぶらつくことを防止することができるものの、引手がスライダー胴体の引手取付部に直接射出成形して形成される。このため、引手のデザインが限定され易く、また、例えば停止爪体等によりエレメント列に対してスライダーを停止させた位置で保持することが可能な停止機構をスライダーに備えさせることが難しかった。更に、引手をスライダー胴体の引手取付部に直接射出成形するため、引手取付部自体が比較的大きく形成されることがあり、スライダーの小型化又は薄型化が妨げられることもあった。
特許文献2や特許文献3に記載されているスライダーでは、引手が、スライダー胴体に連結される引手片と、その引手片に回動可能に連結されるとともに、所定の位置で引手片を不動状態に覆い隠すことが可能なカバー部材とを備える。このため、引手片がスライダー胴体に対して肩口側又は後口側に倒伏した状態で、その引手片をカバー部材で覆い隠して収容又は係着することによって、スライダー胴体に対して引手(すなわち、引手片及びカバー部材)がぶらつくことを防止できる。
しかし、これらの特許文献2や特許文献3のスライダーでは、カバー部材が引手片を覆い隠すため、スライダーの厚さ(高さ寸法)が大きくなり易く、スライダーを薄型化することが難しかった。
また、特許文献2や特許文献3では、引手片を、スライダー胴体に対して前方(肩口側)と後方(後口側)の何れか一方に倒伏させたときにのみ、引手のぶらつきを防止することができるものの、引手片をその反対側の方向に倒伏させた状態で、引手のぶらつきを防止することができなかった。従って、スライダーを使用できる物品(ファスナー被着部材)の種類が限定されるという欠点があった。
本考案は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、引手が、スライダー胴体の引手取付部に直接射出成形して形成されるものではなく、且つ、引手をスライダー胴体に対して肩口側と後口側のどちらに倒伏させても、引手のぶらつきを防止することが可能なスライドファスナー用スライダーを提供することにある。
上記目的を達成するために、本考案により提供されるスライドファスナー用スライダーは、案内柱により上翼板及び下翼板が連結され、前記上翼板上に引手取付部が配されるスライダー胴体と、前記スライダー胴体の前記引手取付部に取着される引手とを有し、前記スライダー胴体の前端部で、且つ、前記案内柱の左右両側に配される肩口と、前記スライダー胴体の後端部に配される後口とを連通するエレメント案内路が前記上翼板及び下翼板間に設けられ、前記引手は、前記引手取付部に回動可能に保持される引手連結部材と、前記引手連結部材に回動可能に連結される引手本体とを備えるスライドファスナー用スライダーであって、前記引手の前記引手連結部材及び前記引手本体のうちの一方が合成樹脂により形成され、他方が前記一方の合成樹脂よりも硬質の合成樹脂又は金属により形成され、前記引手本体は、前記引手連結部材に、回動可能に密着する摩擦部を介して連結され、前記摩擦部は、前記引手連結部材に対して前記引手本体を所望の回動角度位置で保持可能な摩擦抵抗を有し、前記引手は、前記引手連結部材が前記肩口側に倒伏したときと、前記後口側に倒伏したときに、前記引手本体が、前記引手連結部材に対して折り返される回動角度位置で保持可能な構造を有してなることを最も主要な特徴とするものである。
このような本考案のスライドファスナー用スライダーにおいて、前記引手本体は、U字状又は円弧状の引手主体部を有することが好ましい。また、前記引手本体は、表裏対称的な形状を有することが好ましい。
また、本考案のスライドファスナー用スライダーでは、前記引手連結部材が前記肩口側又は前記後口側に倒伏し、且つ、前記引手本体が、倒伏した前記引手連結部材に対して180°で折り返されて保持されたときに、前記引手本体の内側に、前記引手連結部材と前記スライダー胴体の前記引手取付部とが配されることが好ましい。
更に、本考案のスライドファスナー用スライダーでは、前記引手連結部材が前記肩口側又は前記後口側に倒伏し、且つ、前記引手本体が、倒伏した前記引手連結部材に対して180°で折り返されて保持されたときに、前記引手連結部材と前記スライダー胴体の前記引手取付部とが、前記スライダーの上方に露出することが好ましい。
更にまた、本考案のスライドファスナー用スライダーでは、前記引手連結部材が前記肩口側又は前記後口側に倒伏し、且つ、前記引手本体が、倒伏した前記引手連結部材に対して折り返されて保持されたときに、前記引手本体が、前記スライダーの平面視において前記スライダー胴体の前記引手取付部と重なる位置に配されていても良い。
また、本考案のスライダーにおいて、前記引手本体は、前記引手連結部材が前記肩口側に倒伏したときと、前記後口側に倒伏したときの少なくとも一方において前記上翼板の上面に接触する接触部を有することが好ましい。この場合、前記接触部は、前記引手本体のU字状の引手主体部の内周側に左右に分かれて配され、且つ、前記引手主体部の内側に張り出して配されていることが特に好ましい。
更に、前記引手連結部材及び前記引手本体のうちの一方がエラストマーにより形成され、他方が金属により形成されていることが好ましい。
本考案に係るスライドファスナー用スライダーは、上翼板上に引手取付部が設けられるスライダー胴体と、スライダー胴体の引手取付部に取着される引手とを有する。また、引手は、引手取付部に回動可能に保持される引手連結部材と、引手連結部材に回動可能に密着する摩擦部を介して連結される引手本体とを備えるとともに、引手連結部材がスライダー胴体の肩口側に倒伏したときと、スライダー胴体後口側に倒伏したときに、引手本体が引手連結部材に対して折り返す方向に回動することが可能に形成されている。
更に本考案では、引手を形成する2つの部材のうちの一方の部材が合成樹脂により形成され、他方の部材が一方の合成樹脂よりも硬質の合成樹脂又は金属により形成されており、引手連結部材と引手本体とを連結する摩擦部は、引手連結部材に対して引手本体を所望の回動角度位置で保持可能な摩擦抵抗を有する。
このような本考案のスライダーであれば、スライダーをエレメント列に沿って摺動させるときには、引手連結部材と引手本体とをまっすぐに延ばした状態で、スライダー胴体をエレメント列の開離方向や閉鎖方向に向けて引っ張ることができるため、スライダーの摺動操作を円滑に行うことができる。
また、スライダーをエレメント列に対して停止させるときには、引手をスライダー胴体に対して肩口側に倒伏させたときであっても、後口側に倒伏させたときであっても、引手本体を引手連結部材に対して折り返して曲げた状態で保持することが可能であり、それによって、引手連結部材に対する引手本体のぶらつきを防止するとともに、スライダー胴体に対する引手のぶらつきを効果的に防止又は抑制することができる。
更に、本考案のスライダーにおける引手は、前述の特許文献1のようなスライダー胴体に直接射出成形して形成されるものではないため、スライダー胴体の引手取付部を必要以上に大きく形成する必要がない。また、本考案の引手は、前述の特許文献2や特許文献3のように引手の一方の部材を他方の部材が覆い隠すように形成しなくても良い。このため、本考案のスライダーを薄型に又は小型に形成することが可能となる。また、本考案のスライダーは、必要に応じて、引手取付部内に停止爪体等を収容することによって、停止機構を備えることも可能である。
このような本考案のスライダーにおいて、引手本体がU字状又は円弧状の引手主体部を有することにより、スライダー全体をより薄く見せることができる。特にこの場合、引手の引手本体は、表裏対称的な形状を有しており、更に好ましくは、引手の引手連結部材も表裏対称的な形状を有する。これにより、スライダー胴体に引手を取り付けてスライダーを組み立てる際に、引手本体の表裏を気にせずに、更には、引手連結部材の表裏を気にせずに、スライダーの組み立て作業を行うことができるため、スライダーの製造効率を高めることができる。
また、本考案のスライダーでは、引手連結部材がスライダー胴体の肩口側又は後口側に倒伏し、且つ、引手本体が、倒伏した引手連結部材に対して180°で折り返されて保持されたときに、引手本体の内側に、引手連結部材とスライダー胴体の引手取付部とが配される。これにより、引手連結部材と引手取付部とが引手本体の内側に収容されてコンパクトになるため、スライダー全体を小さく又は薄く見せることができるとともに、スライダーの見栄えを向上させることができる。
更に、本考案のスライダーでは、引手連結部材がスライダー胴体の肩口側又は後口側に倒伏し、且つ、引手本体が、倒伏した引手連結部材に対して180°で折り返されて保持されたときに、引手連結部材と引手取付部とが、例えば引手本体の内側からスライダーの上方に露出する。これにより、スライダーをより薄く見せることができる。
更にまた、本考案のスライダーでは、引手連結部材がスライダー胴体の肩口側又は後口側に倒伏し、且つ、引手本体が、倒伏した引手連結部材に対して折り返されて保持されたときに、引手本体が、スライダーの平面視においてスライダー胴体の引手取付部と重なる位置に配されていても良い。
これにより、例えば引手本体を、倒伏した引手連結部材に対して折り返したときに、引手本体が引手連結部材に干渉し、引手連結部材に対して180°よりも小さい角度で折り返されて保持されるような場合に、引手がスライダー胴体に対してぶらつくものの、引手本体がスライダー胴体の引手取付部が干渉し易くなる。その結果、引手取付部との干渉によって引手のぶらつき具合を小さく抑えることができるため、スライダー胴体に対する引手のぶらつきを効果的に抑制できる。
また、本考案のスライダーにおいて、引手の引手本体は、引手連結部材が肩口側に倒伏したときと、後口側に倒伏したときの少なく一方において上翼板の上面に接触する接触部を有する。これにより、引手の引手連結部材を倒伏させたときに、引手本体を引手連結部材に対して折り返すとともに上翼板の上面に接触させた状態で保持することができる。
それによって、スライダー胴体に対して引手が倒伏し過ぎてファスナーストリンガーに接触することを防止でき、また、使用者が引手を指から離したときに、引手本体及び引手連結部材の位置をより安定させることができるため引手がぶらつくことをより効果的に防止できる。
更に、引手本体を上翼板の上面に接触させた状態で保持したときに、引手本体の内側に引手連結部材を配置して、引手連結部材の高さ位置と引手本体の高さ位置を合わせることが可能となる。このため、スライダーをより薄く見せることが可能となるとともに、例えばスライダーを左右の側面側から見たときに、引手本体の内側に引手連結部材が隠れて見え難くなるため、スライダーの見栄えを向上させることも可能となる。
またこの場合、引手本体の接触部は、引手本体のU字状の引手主体部の内周側に左右に分かれて配され、且つ、その引手主体部の内側に張り出して配されていることにより、引手本体の接触部を目立ち難く配置できるとともに、引手のぶらつきを、より安定して防止できる。
更に、本考案のスライダーでは、引手の引手連結部材及び引手本体のうちの一方の部材がエラストマーにより形成され、他方の部材が金属により形成されていることにより、引手連結部材と引手本体とを連結する摩擦部にて、引手連結部材に対して引手本体を所望の回動角度位置で保持可能な摩擦抵抗をより安定して得ることができる。
本考案の実施例1に係るスライダーを示す斜視図である。 同スライダーの平面図である。 同スライダーの側面図である。 図2に示したIV−IV線における断面図である。 同スライダーの分解斜視図である。 引手の引手本体を引手連結部材に対して90°の回動角度で保持した状態を示す側面図である。 引手連結部材を示す斜視図である。 同スライダーで引手連結部材を後口側に倒伏させたときに引手のぶらつきが防止される状態の平面図である。 同状態のスライダーの側面図である。 同状態のスライダーの底面図である。 同スライダーで引手連結部材を肩口側に倒伏させたときに引手のぶらつきが防止される状態の平面図である。 実施例1の変形例に係るスライダーの引手を示す断面図である。 本考案の実施例2に係るスライダーを示す平面図である。 同スライダーの側面図である。 同スライダーで引手連結部材を後口側に倒伏させたときに引手のぶらつきが抑制される状態の平面図である。 同スライダーで引手連結部材を肩口側に倒伏させたときに引手のぶらつきが抑制される状態の平面図である。 同スライダーで引手連結部材を後口側に倒伏させたときに引手のぶらつきが抑制される状態の側面図である。 本考案の実施例3に係るスライダーで引手連結部材を後口側に倒伏させたときに引手のぶらつきが防止される状態の平面図である。 同スライダーで引手連結部材を肩口側に倒伏させたときに引手のぶらつきが防止される状態の平面図である。
以下、本考案の好適な実施の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本考案は、以下で説明する実施の形態に何ら限定されるものではなく、本考案と実質的に同一な構成を有し、且つ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
例えば、以下に示す各実施例にて説明するスライダーは、引手が引手取付部となるカバー体に保持され、且つ、停止機構を備えていない所謂自由スライダーとして構成されている。しかし、本考案は、例えば、カバー体の代わりに上翼板に引手取付部が片持ち状に一体的に形成されるタイプのスライダーや、カバー体内に停止爪体がその停止爪部をエレメント案内路に進退可能に収容された停止機構を備えるタイプのスライダーにも同様に適用することが可能である。
図1は、本実施例1に係るスライダーを示す斜視図であり、図2及び図3は、同スライダーの平面図及び側面図である。また、図4は、図2に示したIV−IV線における断面図であり、図5は、同スライダーの分解斜視図である。
なお、以下の説明において、前後方向とはスライダーの摺動方向であり、特に、スライダーがスライドファスナーのエレメント列を噛合させるために移動する方向を前方(肩口側方向)とし、エレメント列を分離させるために移動する方向(後口側方向)を後方とする。
また、上下方向とは、スライダーの高さ方向、又はスライダーが取着されるファスナーストリンガーにおけるテープ表裏方向を言い、特に、スライダーのスライダー胴体に対して引手が取り付けられる側を上方とし、その反対側の方向を下方とする。また言い換えると、スライドファスナーが使用されるときに外部に露呈する側を上方とし、その反対側の方向を下方とする。更に、左右方向とは、スライダーの幅方向を言い、スライダーの摺動方向と高さ方向とに直交する方向である。
本実施例1のスライダー1は、スライダー胴体10と、スライダー胴体10に回動可能に保持される引手20とを有する。この場合、スライダー胴体10の材質は特に限定されず、亜鉛合金などの金属、又は、ポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリプチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を用いてスライダー胴体10を形成することができる。
このスライダー1は、例えば図示しない左右一対のファスナーストリンガーに対し、同ファスナーストリンガーのコイル状に形成される左右のエレメント列に沿って摺動可能に取り付けられる。この場合、例えば引手20を指で摘まんで、スライダー胴体10をエレメント列に沿って前方(肩口側方向)へ摺動させることにより、左右のエレメント列を噛合させることができ、また反対に、スライダー胴体10をエレメント列に沿って後方(後口側方向)へ摺動させることにより、左右のエレメント列を分離(開離)させることができる。
本実施例1のスライダー胴体10は、コイル状のエレメント列を備えたファスナーストリンガーに用いられる従来の一般的なスライダー胴体と基本的に同様の構造で形成されている。すなわち、スライダー胴体10は、上翼板11と、上翼板11と略平行に配される下翼板12と、上翼板11及び下翼板12の前端部(肩口側端部)間を連結する案内柱13(連結柱と呼ばれることもある)と、上翼板11の上面に立設される図示しない前後の取付柱と、前後の取付柱に固定されて引手取付部を形成するカバー体14とを有する。
また、上翼板11には、エレメント列を摺接させる(案内する)左右の上フランジ部15が、上翼板11の左右側縁部に沿って垂設されている。下翼板12には、ファスナーテープの裏面(下面)に対面する左右の下フランジ部16が、下翼板12の左右側縁部に沿って立設されている。この場合、下フランジ部16における下翼板12からの高さ寸法は、上フランジ部15における上翼板11からの高さ寸法よりも小さく設定されている。
スライダー胴体10の前端部には、案内柱13を間に挟んで左右の肩口が形成されている。また、スライダー胴体10の後端部には後口が形成されている。更に、左右の肩口と後口とを連通する略Y字形状のエレメント案内路が、上翼板11、下翼板12、左右の上フランジ部15、及び左右の下フランジ部16に囲まれて設けられている。スライダー胴体10の左右側縁部には、スライドファスナーの左右のファスナーテープを挿通させるためのテープ挿通間隙が、上フランジ部15と下フランジ部16との間に形成されている。
このようなスライダー胴体10の引手取付部(カバー体)14に取着される本実施例1の引手20は、引手取付部14に回動可能に保持される引手連結部材(第1引手部材)21と、引手連結部材21に回動可能に連結される引手本体(第2引手部材)22の2つの部材から形成されている。
本実施例1の引手連結部材21は、亜鉛合金などの金属によって、全体が一体的に形成されている。なお、本考案では、引手連結部材21の材質として、ポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリプチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂であって、後述する引手本体22よりも硬い合成樹脂を採用することも可能である。
この引手連結部材21は、表裏対称的な形状で形成されている。また、引手連結部材21は、図5及び図7に拡大して示すように、薄板状の連結主体部21aと、連結主体部21aの一端部から引手長さ方向に延出する左右のアーム部21bと、引手幅方向に沿って配され、左右のアーム部21bの先端部間を連結する円柱状の第1軸部(引手取付軸部)21cと、連結主体部21aの他端部から引手幅方向に突出する左右の第2軸部(本体取付軸部)21dとを有する。
本実施例1において、引手連結部材21の連結主体部21aと左右のアーム部21bとは、略Y字の形状を有しており、スライダー1を形成したときに外部から視認することができる(例えば図1及び図2を参照)。また、引手連結部材21の連結主体部21a、左右のアーム部21b、及び第1軸部21cに囲まれて、スライダー胴体10の引手取付部14を挿通させる開口窓部21eが形成されている。
引手連結部材21の第1軸部21cは、引手取付部(カバー体)14と上翼板11との間に配置される。引手連結部材21は、この第1軸部21cを中心にして、スライダー胴体10の引手取付部に回動可能に保持されている。
引手連結部材21における左右の第2軸部21dは、連結主体部21aから引手幅方向に突出する円柱状の首部と、首部の先端部に配される略円盤状の係合頭部とをそれぞれ有する。引手連結部材21の第2軸部21dは、後述するように引手本体22の射出成形を行う際に金型内に第2軸部21dが挿入された状態でインサート成形が行われることにより、引手本体22内に埋設されている。
本実施例1の引手本体22は、引手連結部材21との間で後述するような摩擦抵抗が安定して得られる熱硬化性エラストマー又は熱可塑性エラストマーにより形成されており、特に本実施例1では、引手本体22の材質に、適度な弾性を備えるとともに、柔らかく手触りの良いシリコーンが採用されている。
なお、引手本体22の材質には、引手連結部材21との間で引手本体22を所望の回動角度位置で保持可能な摩擦抵抗を得ることができれば、弾性を備えない合成樹脂であって、引手連結部材21よりも軟らかで柔軟性の高いものを採用することも可能である。このような引手本体22の材質に採用可能な合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等がある。更に本実施例1では、引手連結部材21と引手本体22の材質を反対にして、引手連結部材21を熱硬化性エラストマー(シリコーン)で形成し、引手本体22を金属で形成することも可能である。
本実施例1の引手本体22は、U字状の引手主体部22aと、引手主体部22aの左右先端部に設けられ、引手連結部材21の第2軸部21dが埋設される左右の軸受け部22bと、引手主体部22aから内側に膨出して配される左右の上翼板接触部22cとを有する。この引手本体22は、表裏対称的な形状を有するとともに、引手連結部材21の第2軸部21dを掴むような構造に形成されている。なお、本実施例1の引手本体22は、上翼板接触部22cを設けずに形成されても良い。
U字状の引手主体部22aは、スライダー胴体10及び引手連結部材21の大きさに対応して、引手連結部材21をスライダー胴体10の後口側に倒伏させるとともに引手主体部22aを引手連結部材21に対して180°で折り返した回動角度位置で保持したときに(図8〜図10を参照)、スライダー胴体10の引手取付部14が引手主体部22aの内側に配置され、且つ、引手主体部22aが上翼板11の外周に沿うような大きさで形成されている。
引手本体22における左右の軸受け部22bは、引手主体部22aよりも表裏方向に膨出して形成されているとともに、左右の軸受け部22bの互いに対向する側面部には、引手連結部材21の第2軸部21dを密着状態で埋設する取付孔部が形成されている。
本実施例1の引手20では、引手連結部材21の第2軸部21dにおける外面全体と、引手本体22の軸受け部22bにおける取付孔部の内面全体とが密着して摩擦部(密着部)を形成しており、このように第2軸部21dの外面と軸受け部22bの内面とが密着して両面間に摩擦抵抗(摩擦力)を生じさせることにより、引手本体22を引手連結部材21に対して所望の回動角度位置で保持することが可能となる。
引手本体22における左右の上翼板接触部22cは、引手主体部22aの軸受け部22bとは引手長さ方向の反対側の端部に左右に分かれて設けられているとともに、引手主体部22aの内周側に内側へ張り出すように設けられている。この場合、上翼板接触部22cの厚さ寸法(引手厚さ方向における寸法)は、引手主体部22aの厚さ寸法と略同じ大きさに設定されている。
これらの左右の上翼板接触部22cは、スライダー胴体10に対して引手連結部材21が後口側に倒伏するとともに、その引手連結部材21に対して引手主体部22aを180°で折り返した位置で保持したときに、上翼板11の肩口側近傍の上面に接触(当接)させることがきる(図8〜図10を参照)。またこのとき、左右の上翼板接触部22cの間には、スライダー胴体10の引手取付部14が挿入される。それにより、スライダー胴体10に対し、引手本体22及び引手連結部材21の前後方向及び左右方向における位置が相対的に合わせられ、引手20がスライダー胴体10に対して所定の位置に安定して保持される。
更に本実施例1では、スライダー胴体10に対して引手連結部材21が肩口側に倒伏するとともに、その引手連結部材21に対して引手主体部22aを180°で折り返した位置で保持したときにも(図11を参照)、左右の上翼板接触部22cを上翼板11の後口側近傍の上面に接触させるとともに、左右の上翼板接触部22cの間にスライダー胴体10の引手取付部14を挿入することができる。なお、本実施例1において、左右の上翼板接触部22cは、引手連結部材21が後口側及び肩口側の一方に倒伏させたときにのみ上翼板11に接触させるように形成されても良い。
このような本実施例1の引手20を作製する場合、先ず、薄板状の金属板にプレス加工や打ち抜き加工などを行うことによって、図7に示したような所定の形状を有する引手連結部材21を作製する。次に、引手本体22の射出成形に用いる金型を用意し、その金型のキャビティ内に、上記で作製された引手連結部材21の第2軸部21dを挿入(インサート)した状態で、引手本体22の射出成形を行う。これにより、煩雑な作業工程を行うことなく、本実施例1の引手20を簡単に且つ低コストで作製することができる。
このとき、本実施例1の引手連結部材21と引手本体22とは両方とも表裏対称的な形状を有するため、引手本体22の射出成形を行う際に引手20の表裏を気にすることなく作業を行うことができ、作業効率を高めることができる。
なお、引手本体22の射出成形が行われた直後は、引手本体22が引手連結部材21の第2軸部21dに固着しているものの、引手本体22と引手連結部材21とに力を加えて引手本体22を引手連結部材21に対して強制的に回動させることによって、引手本体22を引手連結部材21に回動可能に密着させるとともに、引手本体22と引手連結部材21との間に上述したような所定の摩擦抵抗を発生させることができる。
その後、上述のようにして作製された本実施例1の引手20は、スライダー胴体10の引手取付部(カバー体)14に取り付けられる。引手20をスライダー胴体10に取り付ける場合には、スライダー胴体10からカバー体14が分離している状態で、スライダー胴体10の図示しない前後の取付柱間に、引手20の引手連結部材21における第1軸部21cを配置するとともに、前後の取付柱のうちの一方を引手連結部材21の開口窓部21e内に挿入する。続いて、カバー体14を、スライダー胴体10の上方側から前後の取付柱に装着してスライダー胴体10に固定する。これによって、引手20の引手連結部材21が、スライダー胴体10の引手取付部14に回動可能に保持される。
このとき、本実施例1の引手連結部材21と引手本体22とは両方とも表裏対称的な形状を有する。それにより、スライダー胴体10に引手20を組み付ける際に、引手20の表裏を気にすることなくスライダー1の組み立て作業を行うことができるため、スライダー1の製造効率を高めることができる。
なお、本実施例1において、カバー体14をスライダー胴体10に固定する方法や固定する手段は特に限定されるものではなく、例えば接着や溶着を利用してカバー体14の固定を行っても良いし、カバー体14の一部をカバー体14に向けて押圧して塑性変形させることによってカバー体14の固定(加締め固定)を行っても良い。
そして、上述のように引手20がスライダー胴体10の引手取付部14に取り付けられることによって、図1などに示した本実施例1のスライダー1が製造される。
このようにして得られる本実施例1のスライダー1では、スライダー胴体10の引手取付部14を、例えば前述の特許文献1のように必要以上に大きく形成する必要がなく、また、引手20の引手本体22を、例えば前述の特許文献2や特許文献3のように引手連結部材21を覆い隠すように形成する必要もない。従って、本実施例1のスライダー1は、後述するように引手20がスライダー胴体10に対してぶらつかないように形成できるにも関わらず、従来に比べてスライダー1の薄型化や小型化を容易に実現することができる。
また、本実施例1のスライダー1では、引手連結部材21が金属により形成され、引手本体22が熱硬化性エラストマー(シリコーン)により形成されているとともに、引手連結部材21と引手本体22とが互いに密着した状態で連結されている。これにより、引手連結部材21と引手本体22とが密着することによって両部材21,22間に形成される摩擦部は、引手連結部材21に対して引手本体22を所望の回動角度位置で保持可能な摩擦抵抗を安定して備えることができる。
従って、本実施例1のスライダー1では、上述の摩擦抵抗を利用することによって、例えば図3、図6及び図9に示したように、引手本体22を引手連結部材21に対して、0°、90°、180°などの所望の回動角度位置で安定して保持して維持することができる。
このため、例えば本実施例1のスライダー1を左右のファスナーストリンガーに取り付けてエレメント列に沿って摺動させるときには、引手本体22を引手連結部材21に対して0°の回動角度位置で保持して、引手連結部材21と引手本体22とをまっすぐに延ばした状態を維持できる(図1〜図4を参照)。これにより、使用者は、スライダー1の引手20を摘み易くなるとともに、引手20を引っ張ることによって、スライダー胴体10をエレメント列に沿って円滑に摺動させることができる。
また、本実施例1のスライダー1では、引手20の引手連結部材21を、スライダー胴体10に対して後口側に倒伏させることも(図8〜図10を参照)、また、肩口側に倒伏させることもできる(図11を参照)。更にこのとき、引手連結部材21を後口側又は肩口側に倒伏させたときに、引手本体22を引手連結部材21に対して、180°の回動角度位置(引手連結部材21に対して引手本体22を折り返した位置)で保持することができる。
この場合、例えば図9に示したように、引手本体22の内側に引手連結部材21を配置して、引手連結部材21の高さ位置と引手本体22の高さ位置とが合わせられる。このため、スライダー1をより薄く見せる(感じさせる)ことが可能となるとともに、例えばスライダー1を左右の側面側から見たときに、引手本体22の内側に配される引手連結部材21が隠れて見え難くなるため、スライダー1の見栄えを向上させることができる。
更に本実施例1では、引手連結部材21を肩口側に倒伏させたときであっても、後口側に倒伏させたときであっても、引手連結部材21から折り返して保持される引手本体22の上翼板接触部22cを、スライダー胴体10の上翼板11の上面に接触させることができる。それによって、引手本体22及び引手連結部材21の位置を安定させることができる。
従って、例えばスライダー1をエレメント列に対して停止させたときに、引手20をスライダー胴体10に対して肩口側又は後口側に倒伏させるとともに、引手本体22を引手連結部材21に対して完全に折り返した位置まで回動させて上翼板11に接触させることによって、その倒伏した引手20の引手連結部材21の位置と、引手連結部材21から折り返された引手本体22の位置とを安定して保持できる。その結果、引手連結部材21及び引手本体22が、スライダー胴体10に対してぶらつくことを効果的に防止することができる。
なお、この実施例1では、引手20の引手連結部材21に第2軸部21dが設けられているとともに、引手本体22に、第2軸部21dを保持する軸受け部22bが設けられていることによって、引手本体22が、引手連結部材21の第2軸部21dに密着した状態で引手連結部材21に回動可能に連結されている。
しかし、本考案において、引手連結部材21と引手本体22との連結構造はこれに限定されるものではなく、引手本体22を引手連結部材21に密着した状態で回動可能に連結することができれば、例えば図12に本実施例1の変形例を示すように、また、後述する実施例2や実施例3に示すように、その他の連結構造を採用することも可能である。
例えば、実施例1の変形例に係る図12の引手20aは、上述した実施例1のスライダー胴体10に取り付けられる。また、この変形例に係る引手20aは、スライダー胴体10の引手取付部14に回動可能に保持される金属製の引手連結部材23と、引手連結部材23に回動可能に連結される熱硬化性エラストマー(シリコーン)製の引手本体24とを有する。
引手連結部材23は、薄板状の連結主体部23aと、連結主体部23aの一端部から引手長さ方向に延出する左右のアーム部21bと、引手幅方向に沿って配され、左右のアーム部21bの先端部間を連結する円柱状の第1軸部21cと、連結主体部23aの他端部における左右側面部に形成され、引手本体24の後述する本体取付軸部24dが埋設される左右の軸受け部(取付孔部)23fとを有する。すなわち、引手連結部材23は、引手本体24の本体取付軸部24dを掴むような構造に形成されている。
引手本体24は、U字状の引手主体部22aと、引手主体部22aの左右先端部から引手幅方向の内側に向けて突出する左右の本体取付軸部24dと、引手主体部22aから内側に膨出して配される左右の上翼板接触部22cとを有する。なお、この変形例において、引手20aにおける引手連結部材23の連結主体部23a及び軸受け部23f、並びに、引手本体24の本体取付軸部24d以外の部分については、上述の実施例1における引手連結部材21及び引手本体22と実質的に同様に形成されている。
このような変形例における引手20aであっても、引手連結部材23と引手本体24とが互いに密着した状態で連結されており、引手連結部材23と引手本体24との間に形成される摩擦部が、引手連結部材23に対して引手本体24を所望の回動角度位置で保持可能な摩擦抵抗を安定して有する。従って、この変形例の引手20aがスライダー胴体10の引手取付部14に取着されたスライダーでも、スライダー胴体10に対して引手20aがぶらつくことを効果的に防止できる等の上述の実施例1のスライダー1と同様の効果を得ることができる。
図13は、本実施例2に係るスライダーを示す平面図であり、図14は、同スライダーの側面図である。
本実施例2のスライダー2は、スライダー胴体10と、スライダー胴体10に回動可能に保持される引手30とを有する。なお、本実施例2のスライダー胴体10と、後述する実施例3のスライダー胴体10は、前述の実施例1におけるスライダー胴体10と実質的に同様に形成されている。このため、本実施例2及び後述する実施例3におけるスライダー胴体10やその構成部材等については、前述の実施例1と同じ符号を用いて表すことによって、その詳しい説明を省略することとする。
本実施例2の引手30は、スライダー胴体10の引手取付部14に回動可能に保持される金属製の引手連結部材31と、引手連結部材31に回動可能に連結される熱硬化性エラストマー(シリコーン)製の引手本体32とを有する。
本実施例2の引手連結部材31は、引手連結部材31の長さ方向の略中央部に配される連結主体部31aと、連結主体部31aの一端部から引手長さ方向に延出する左右の第1アーム部31bと、引手幅方向に沿って配され、左右の第1アーム部31bの先端部間を連結する円柱状の第1軸部(引手取付軸部)31cと、連結主体部31aの他端部から引手長さ方向に延出する左右の第2アーム部31eと、引手幅方向に沿って配され、左右の第2アーム部31eの先端部間を連結する円柱状の第2軸部(本体取付軸部)31dとを有する。
この引手連結部材31は、第1軸部31cが上翼板11と引手取付部14との間に保持されることによって、スライダー胴体10に回動可能に取り付けられる。また、第2軸部31dは、引手本体32の射出成形を行う際に、金型内に引手連結部材31の第2軸部31dが挿入された状態でインサート成形が行われることにより、引手本体32内に埋設される。
本実施例2の引手本体32は、環状の引手主体部32aと、引手主体部32aから延出するとともに、引手連結部材31の第2軸部31dを埋設する軸受け部32bとを有する。すなわち、この引手本体32は、引手連結部材31の第2軸部31dを掴むような構造に形成されている。
引手本体32における環状の引手主体部32aは、引手連結部材31をスライダー胴体10の後口側又は肩口側に倒伏させるとともに、その引手連結部材31に対して引手主体部32aを折り返した位置で保持したときに、図15及び図16に示したようなスライダー2の平面視において、スライダー胴体10の引手取付部14と重なる大きさで形成されている。
引手本体32の軸受け部32bは、引手連結部材31の第2軸部31dを密着状態で埋設している。この場合、引手連結部材31の第2軸部31dにおける外周面全体と、引手本体32の軸受け部32bにおける内周面全体とが密着して摩擦部を形成し、両面間に摩擦抵抗(摩擦力)を生じさせている。このような摩擦抵抗が得られることにより、引手本体32を引手連結部材31に対して所望の回動角度位置で保持することが可能となる。
なお、本実施例2の引手本体32は、引手連結部材31をスライダー胴体10の後口側又は肩口側に倒伏させるとともに、その引手連結部材31に対して引手主体部32aを折り返した場合に、引手連結部材31の上に載るようにして引手連結部材31に接触する。この場合、引手本体32は、引手連結部材31に対して180°より小さい角度で折り返された状態で保持されるため、引手本体32が上翼板11の上面に接触することはない。
上述のような引手30を有する実施例2のスライダー2によれば、前述の実施例1のスライダー1と同様に、従来に比べてスライダー2の薄型化や小型化を容易に実現することができる。また、引手連結部材31と引手本体32とを、両部材31,32間に形成される摩擦部の摩擦抵抗によってまっすぐな状態に保持することができる。このため、スライダー2の引手30が摘み易くなり、スライダー2の摺動操作を円滑に行うことができる。
更に本実施例2では、引手連結部材31をスライダー胴体10の後口側又は肩口側に倒伏させたときに、引手連結部材31と引手本体32との間の摩擦抵抗を利用して、例えば図17に示したように、引手本体32を引手連結部材31に対して180°よりも小さな角度で折り返された位置で保持することができる。
それによって、引手連結部材31に対する引手本体32のぶらつきを防止することができる。またこの場合、引手30の引手本体32は、スライダー胴体10の引手取付部14に近接する位置に配置され、引手本体32と引手取付部14との間の隙間を小さくできるとともに、その引手本体32が、上述したように、図15に示したスライダー2の平面視において、スライダー胴体10の引手取付部14と重なる大きさを有する。
このため、引手本体32を、スライダー胴体10の引手取付部14や上翼板11に干渉し易く(ぶつかり易く)することができる。その結果、例えば引手30が、スライダー胴体10の上翼板11から引手連結部材31が浮き上がるようにしてぶらつく場合に、引手本体32が引手取付部14又は上翼板11に干渉して引手30のぶらつき具合を小さくできるため、スライダー胴体10に対する引手30のぶらつきを抑制することができる。
図18及び図19は、本実施例3に係るスライダーを示す平面図である。
本実施例3のスライダー3は、スライダー胴体10と、スライダー胴体10に回動可能に保持される引手40とを有する。この場合、スライダー胴体10は、前述の実施例1におけるスライダー胴体10と実質的に同様に形成されている。
本実施例3の引手40は、引手取付部14に回動可能に保持される金属製の引手連結部材41と、引手連結部材41に回動可能に連結される熱硬化性エラストマー(シリコーン)製の引手本体42とを有する。
本実施例3の引手連結部材41は、薄板状の連結主体部41aと、連結主体部41aの一端部から引手長さ方向に延出する左右のアーム部41bと、引手幅方向に沿って配され、左右のアーム部41bの先端部間を連結する円柱状の引手取付軸部41cと、連結主体部41aの他端部に引手幅方向の全体に亘って設けられる軸受け部41fとを有する。すなわち、この引手連結部材41は、引手本体42の後述する本体取付軸部42dを掴むような構造に形成されている。
この引手連結部材41は、引手取付軸部41cがスライダー胴体10の引手取付部(カバー体)14と上翼板11との間に保持されることによって、スライダー胴体10に回動可能に取り付けられる。また、軸受け部41fには、引手幅方向に沿って左側縁から右側縁まで貫通する取付孔部が形成されている。
本実施例3の引手本体42は、円弧状(優弧状)の引手主体部42aと、引手主体部42aの左右の端部間を直線状に連結するとともに、引手連結部材41の軸受け部41fに把持される本体取付軸部42dとを有する。
引手本体42における円弧状の引手主体部42aは、引手連結部材41をスライダー胴体10に対してスライダー胴体10の後口側又は肩口側に倒伏させるとともに、その引手連結部材41に対して引手主体部42aを180°で折り返した位置で保持したときに、スライダー胴体10の引手取付部14と干渉しない大きさで形成されている。
また、この円弧状の引手主体部42aは、引手連結部材41を後口側又は肩口側に倒伏させるとともに、その引手連結部材41に対して引手主体部42aを180°で折り返した位置で保持したときに、上翼板11の上面に接触する部分(上翼板接触部)を有する。なお、本実施例3では、引手主体部42aを、上翼板11の上面に接触しないように形成することも可能である。
引手本体42の本体取付軸部42dは、引手幅方向に沿って円柱状に形成されている。この本体取付軸部42dは、引手連結部材41の軸受け部41fに、その軸受け部41fに形成された取付孔部の内面全体と密着した状態で挿通されている。これにより、軸受け部41fにおける取付孔部の内面全体と、引手本体42の本体取付軸部42dの外面とが密着して摩擦部が形成され、これらの両面間に、引手本体42を引手連結部材41に対して所望の回動角度位置で保持することが可能な摩擦抵抗(摩擦力)を生じさせている。
上述のような引手40を有する実施例3のスライダー3によれば、前述の実施例1及び実施例2のスライダー1,2と同様に、従来に比べてスライダー3の薄型化や小型化を容易に実現することができる。また、引手連結部材41と引手本体42とを、両部材41,42間の摩擦部の摩擦抵抗によってまっすぐな状態に保持することができるため、スライダー3の引手40が摘み易くなって、スライダー3の摺動操作を円滑に行うことができる。
更に本実施例3では、引手連結部材41をスライダー胴体10の後口側又は肩口側に倒伏させたときに、引手連結部材41と引手本体42との間の摩擦抵抗を利用して、引手本体42を引手連結部材41に対して180°で折り返した位置で保持することができる。それによって、引手連結部材41に対する引手本体42のぶらつきを防止することができる。
特にこの場合、引手連結部材41を肩口側に倒伏させたときであっても、後口側に倒伏させたときであっても、引手連結部材41から折り返して保持される引手本体42の引手主体部42aをスライダー胴体10の上翼板11に接触させて、引手本体42の位置と引手連結部材41の位置とを安定させることができる。従って、前述の実施例1の場合と同様に、引手連結部材41及び引手本体42が、スライダー胴体10に対してぶらつくことを防止できる。
1,2,3 スライダー
10 スライダー胴体
11 上翼板
12 下翼板
13 案内柱
14 カバー体(引手取付部)
15 上フランジ部
16 下フランジ部
20,20a 引手
21 引手連結部材(第1引手部材)
21a 連結主体部
21b アーム部
21c 第1軸部(引手取付軸部)
21d 第2軸部(本体取付軸部)
21e 開口窓部
22 引手本体(第2引手部材)
22a 引手主体部
22b 軸受け部
22c 上翼板接触部
23 引手連結部材
23a 連結主体部
23f 軸受け部(取付孔部)
24 引手本体
24d 本体取付軸部
30 引手
31 引手連結部材
31a 連結主体部
31b 第1アーム部
31c 第1軸部(引手取付軸部)
31d 第2軸部(本体取付軸部)
31e 第2アーム部
32 引手本体
32a 引手主体部
32b 軸受け部
40 引手
41 引手連結部材
41a 連結主体部
41b アーム部
41c 引手取付軸部
41f 軸受け部
42 引手本体
42a 引手主体部
42d 本体取付軸部

Claims (9)

  1. 案内柱(13)により上翼板(11)及び下翼板(12)が連結され、前記上翼板(11)上に引手取付部(14)が配されるスライダー胴体(10)と、前記スライダー胴体(10)の前記引手取付部(14)に取着される引手(20,20a,30,40)とを有し、前記スライダー胴体(10)の前端部で、且つ、前記案内柱(13)の左右両側に配される肩口と、前記スライダー胴体(10)の後端部に配される後口とを連通するエレメント案内路が前記上翼板(11)及び下翼板(12)間に設けられ、前記引手(20,20a,30,40)は、前記引手取付部(14)に回動可能に保持される引手連結部材(21,23,31,41) と、前記引手連結部材(21,23,31,41) に回動可能に連結される引手本体(22,24,32,42) とを備えるスライドファスナー用スライダー(1,2,3) であって、
    前記引手(20,20a,30,40)の前記引手連結部材(21,23,31,41) 及び前記引手本体(22,24,32,42) のうちの一方が合成樹脂により形成され、他方が前記一方の合成樹脂よりも硬質の合成樹脂又は金属により形成され、
    前記引手本体(22,24,32,42) は、前記引手連結部材(21,23,31,41) に、回動可能に密着する摩擦部を介して連結され、
    前記摩擦部は、前記引手連結部材(21,23,31,41) に対して前記引手本体(22,24,32,42) を所望の回動角度位置で保持可能な摩擦抵抗を有し、
    前記引手(20,20a,30,40)は、前記引手連結部材(21,23,31,41) が前記肩口側に倒伏したときと、前記後口側に倒伏したときに、前記引手本体(22,24,32,42) が、前記引手連結部材(21,23,31,41) に対して折り返される回動角度位置で保持可能な構造を有してなる、
    ことを特徴とするスライドファスナー用スライダー。
  2. 前記引手本体(22,24,42)は、U字状又は円弧状の引手主体部(22a,42a) を有してなる請求項1記載のスライドファスナー用スライダー。
  3. 前記引手本体(22,24,42)は、表裏対称的な形状を有してなる請求項2記載のスライドファスナー用スライダー。
  4. 前記引手連結部材(21,23,41)が前記肩口側又は前記後口側に倒伏し、且つ、前記引手本体(22,24,42)が、倒伏した前記引手連結部材(21,23,41)に対して180°で折り返されて保持されたときに、前記引手本体(22,24,42)の内側に、前記引手連結部材(21,23,41)と前記スライダー胴体(10)の前記引手取付部(14)とが配されてなる請求項2又は3記載のスライドファスナー用スライダー。
  5. 前記引手連結部材(21,23,41)が前記肩口側又は前記後口側に倒伏し、且つ、前記引手本体(22,24,42)が、倒伏した前記引手連結部材(21,23,41)に対して180°で折り返されて保持されたときに、前記引手連結部材(21,23,41)と前記スライダー胴体(10)の前記引手取付部(14)とが、前記スライダー(1,3) の上方に露出してなる請求項1又は2記載のスライドファスナー用スライダー。
  6. 前記引手連結部材(31)が前記肩口側又は前記後口側に倒伏し、且つ、前記引手本体(32)が、倒伏した前記引手連結部材(31)に対して折り返されて保持されたときに、前記引手本体(32)が、前記スライダー(2) の平面視において前記スライダー胴体(10)の前記引手取付部(14)と重なる位置に配されてなる請求項1記載のスライドファスナー用スライダー。
  7. 前記引手本体(22,24,42)は、前記引手連結部材(21,23,41)が前記肩口側に倒伏したときと、前記後口側に倒伏したときの少なくとも一方において前記上翼板(11)の上面に接触する接触部(22c) を有してなる請求項1又は2記載のスライドファスナー用スライダー。
  8. 前記接触部(22c) は、前記引手本体(22,24) のU字状の引手主体部(22a) の内周側に左右に分かれて配され、且つ、前記引手主体部(22a) の内側に張り出して配されてなる請求項7記載のスライドファスナー用スライダー。
  9. 前記引手連結部材(21,23,31,41) 及び前記引手本体(22,24,32,42) のうちの一方がエラストマーにより形成され、他方が金属により形成されてなる請求項1又は2記載のスライドファスナー用スライダー。
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