JP3200082B2 - 画像処理方法 - Google Patents

画像処理方法

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JP3200082B2
JP3200082B2 JP8240191A JP8240191A JP3200082B2 JP 3200082 B2 JP3200082 B2 JP 3200082B2 JP 8240191 A JP8240191 A JP 8240191A JP 8240191 A JP8240191 A JP 8240191A JP 3200082 B2 JP3200082 B2 JP 3200082B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像処理方法に関し、よ
り具体的には、画像データを符号化することによりその
データ量を圧縮し、伝送媒体や記録媒体などに対し、符
号化データを出力する画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来の画像符号化装置で、端
子101より入力した画像A/D変換器102において
アナログ−ディジタル変換(以下、A/Dと記す。)さ
れた後、符号化部103において可変長圧縮符号化され
る。そして送信バッファメモリ104に一旦可変長圧縮
符号化データが蓄えられ、伝送路106へ送出される。
このとき104のバッファメモリの占有量と、伝送路1
06の伝送レートにより、103符号化部の可変長圧縮
符号のデータ生成量を制御する制御係数を発生し、フィ
ルタ105を通し符号化部103ヘフィードバックさせ
る。これにより、平均的に伝送路のレートで画像圧縮デ
ータを送出することができる。伝送路106から受信し
たデータは受信バッファメモリ107に一旦蓄えられ、
送られてきた制御係数とともに復号化部108へ送り、
これによって可変長圧縮符号化データを伸長復号し、A
/D変換器109でディジタル−アナログ変換し、端子
110より画像を出力する。
【0003】この図10中符号化部103のカラー画像
の圧縮方式は数々の方式が提案されているが、カラー画
像符号化方式の代表的なものとして、所謂JPEG(J
oint Photographic Expert
Group)のADCT(Adaptive Disc
rete Cosin Transform)方式が提
案されている。
【0004】図11に該ADCT方式を用いた画像符号
化装置の構成概念図を示した。入力画像としては、図7
のA/D変換器102により8ビット、すなわち256
階調/色に変換されたデータとし、色数についてはRG
B、YUV、YPbPr、YMCK等の、3色もしくは
4色とする。入力画像は直ちに8×8画素のサブブロッ
ク単位で2次元の離散コサイン変換(以下、DCTと記
す。)を行なった後、変換係数の線形量子化を行なう。
量子化ステップサイズは各変換係数毎に異なり、各変換
係数に対する量子化ステップサイズは、量子化雑音に対
する視感度の変換係数毎の相違を考慮した8×8の量子
化マトリックス要素をK倍した値とする。ここでKは制
御係数と呼ばれる。このKの値により、画質と発生する
圧縮データのデータ量が制御される。表1に量子化マト
リックス要素の1例を示す。即ち、Kを大きくすれば量
子化ステップが小さくなるので画質は悪く、データ量は
少なくなり、Kを小さくすれば量子化ステップが大きく
なるので画質は良くなるがデータ量も多くなる。
【0005】制御係数Kは、DCT後の係数を12ビッ
ト精度で表すとき、値0.1〜5程度で、画像によって
まちまちであるが、数分の一から数百分の一の圧縮率が
得られる。
【0006】
【表1】
【0007】量子化後、直流変換成分(以下、DC成分
と記す。)については、近傍サブブロック間で1次元予
測され、予測誤差をハフマン符号化する。
【0008】そして、予測誤差の量子化出力をグループ
に分け、まず予測誤差の所属するグループの識別番号を
ハフマン符号化し、続いてグループ内のいずれの値であ
るかを等長符号で表す。
【0009】DC成分以外の交流変換成分(以下、AC
成分と記す。)はこの量子化出力を図12に示す様に低
周波成分から高周波成分へとジグザグ走査しながら符号
化する。すなわち、量子化出力が0でない変換係数(以
下、有意係数と記す。)はその値により、グループに分
類し、そのグループ識別番号と、直前の有意変換係数と
の間にはさまれた量子化出力が0の変換係数(以下、無
効係数と記す。)の個数とを組にしてハフマン符号化
し、続いてグループ内のいずれの値であるかを等長符号
で表す。
【0010】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、こ
うした従来の画像符号化装置では画像1枚1枚における
圧縮生成情報量は一定ではないため、図10におけるバ
ッファメモリ量の見積もりが難しく、少なすぎると画像
によって破綻を生じ、多すぎるとハード量が増大し、シ
ステムの安定設計が難しく、コスト高にもつながってい
た。また、制御係数をフィードバックしているので、同
じ画像に対しても、その前の画像によって制御係数が異
なり、画像品質が時間的に変化し、見苦しい画像が出現
することがあった。さらに、伝送路を磁気テープや、光
ディスクの様な記録媒体を考えると、つなぎどりや、サ
ーチ、編集等、画像の切れ目と、記録データの管理領域
が一致しないため、この様な実現をするのが極めて困難
であった。
【0011】また、この技術をバッファメモリを持た
ず、制御係数を一定とし、フィードバックしない制止画
像システムに応用した場合、一枚の画像を伝送するのに
かかる時間が特定できなかったり、記録するのに一枚当
たりどれくらいの容量を必要とするのか分からないとい
う欠点があった。
【0012】さらに、複数の制御係数により、量子化圧
縮の試行を行ない、圧縮データの量が一定の範囲におさ
まらなかった場合に、所定の時間内に制御係数を決定す
ることができず、圧縮のアルゴリズムが破綻してしまう
恐れがあった。
【0013】そこで本発明は、いかなる画像データに対
しても所定時間内に前記画像データの符号化データ量を
所望のデータ量に近づけ、かつ前記所望のデータ量を超
えないように制御できる画像処理装置を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願発明にかかる画像処
理方法は、所定単位の画像データを量子化して可変長符
号化した際のデータ量が所望のデータ量以下となるよう
に量子化ステップを制御しながら前記所定単位の画像デ
ータを符号化する画像処理方法であって、第1の量子化
ステップにより所定単位の画像データを符号化した際に
発生する第1のデータ量を算出し、前記第1の量子化ス
テップとは異なる第2の量子化ステップにより前記所定
単位の画像データを符号化した際に発生する第2のデー
タ量とを算出し、前記第1及び第2のデータ量間に所望
のデータ量が存在する場合には、前記第1及び第2の量
子化ステップと前記第1のデータ量及び第2のデータ量
との関係を一次近似することにより、前記所定単位の画
像データを符号化した際のデータ量が前記所望のデータ
量となる量子化ステップを予測して設定し、前記第1及
び第2のデータ量が前記所望のデータ量よりも大きい場
合には、前記所定単位の画像データを符号化した際のデ
ータ量が前記所望のデータ量を超えない予め決められた
所定の量子化ステップを設定し、前記設定された量子化
ステップを用いて前記所定単位の画像データを符号化す
ることを特徴とする。
【0015】
【実施例】以下に説明する本発明の実施例は一枚の画像
データ毎に圧縮して、目的とする情報量を得る制御係数
に対し、Nを複数の連続する整数とし、第Nの制御係数
は小、第N+1の制御係数は大になるよう、複数の試行
を行ない、目的とする情報量を第Nの制御係数により試
行生成された情報量と、第N+1の制御係数により試行
生成された情報量によって一次近似して求める手段を有
することを特徴とする。
【0016】さらにM種類の制御係数によって複数の可
変長圧縮符号化の試行を行なった結果、それでも目的と
する情報量が第1の制御係数により試行生成された情報
量より大の場合、もしくは、第Mの制御係数により試行
生成された情報量より小の場合、可変長符号化の制御係
数を予め決められた一定値として符号化する手段を有す
ることを特長とする。
【0017】上記手段により、画像1枚1枚における圧
縮生成情報量を一定とすることによって、バッファメモ
リ量を最小とし、どんな画像によっても破綻を生じるこ
とのない安定したシステムの設計を容易にし、また、制
御係数をフィードバックすることなく、同じ画像に対し
ては画像品質が一定で、さらに、伝送路を磁気テープや
光ディスクの様な記録媒体を考えた場合、つなぎどりや
サーチ、編集等の機能を実現するのを容易にし、また、
この技術をバッファメモリを持たず、制御係数をフィー
ドバックしない静止画像システムに応用した場合一枚の
画像を伝送するのに伝送かかる時間を一定にし、記録す
る際に一枚当たりに必要とする容量を一定とする画像処
理装置を提供することができる。
【0018】以下、図面を参照して本発明の実施例を説
明する。図1は本発明の実施例による画像処理装置の構
成ブロック図を示すもので、端子1より入力した画像は
2においてA/D変換され、3の符号化部(1)により
前記の所謂ADCT方式により可変長符号化される。こ
のとき、制御係数Kは画像1フレームについて一定のQ
1として圧縮し、これにより圧縮情報量B1を得て、5の
演算部へ送る。
【0019】これと同時に4の符号化部(2)により同
じく所謂ADCT方式により可変長符号化される。この
とき、制御係数Kは画像1フレームについて一定のQ2
として圧縮し、これにより圧縮情報量B2を得て、演算
部5へ送る。また、6は画像データ遅延部でA/D変換
された画像を約画像1フレーム分遅延させる。
【0020】7の符号化部(0)は演算部5でQ1
2,B1,B2の直線近似により演算された最適制御係
数K=Q0として、圧縮符号化し、圧縮符号化データを
8の送信バッファメモリに蓄える。
【0021】9は伝送路で、即時伝送であれば光ファイ
バ・衛星・マイクロ波等の地上電波・光空間等の伝送媒
体であるし、蓄積伝送であれば、ディジタルVTRやD
AT等のテープ状の媒体・フロッピーディスクや光ディ
スク等の円盤状の媒体・半導体メモリ等の固体の媒体等
の記録媒体である。
【0022】また伝送レートについては、元の画像の情
報量と圧縮率と要求する伝送時間とにより決定され、数
十キロビット/秒から数十メガビット/秒まで様々であ
る。
【0023】一方、伝送路9から受信したデータは10
の受信バッファメモリに一旦蓄え、10の受信バッファ
メモリから読み出された圧縮符号化データ11において
同時に受信された最適制御係数Q0により伸長復号し、
12でディジタル−アナログ変換し、端子13より画像
を出力する。
【0024】図2、図3、図4、図5を使って本発明を
さらに詳しく説明する。図2は伝送対象の画像の一例
で、1枚の画像横1280画素、縦1088画素各8ビ
ットでA/D変換された画像とする。ここでの1枚当た
りのデータ容量は 1,280×1088×8=11,141,120ビット となり、これを1秒間に30枚の動画として伝送する
と、 11,141,120×30=334,233,600ビット/秒 もの高速な伝送路が必要となる。
【0025】一方伝送路は通常伝送レートは固定の場合
がほとんどであり、この伝送レートを越えた情報量は破
綻をきたし、伝送できない。いま、 36.0000Mビット/秒 の伝送路を仮定すると、シンクコード、IDコード、パ
リティ等の画像情報以外の冗長分を5%とすると、画像
情報が伝送可能な伝送レートは 34.2000Mビット/秒 となり、画像1枚(1フレーム)の圧縮情報量は 1.1400Mビット/フレーム になる。そこで1フレームの画像を各々10.23%以
下に圧縮すればよく、残りの1,140,000−(1
1,141,120×0.1023)=263.424
ビット/フレーム すなわち、 263.424×30=7,902.72ビット/秒 のダミーデータを挿入すればよい。
【0026】仮に制御係数がある値で、この結果、ある
画像の圧縮情報量が10%だったとすると、画像情報容
量は、334,233,600×0.1=33,42
3,360ビット/秒で、34,200,000−(3
34,233,600×0.1)=776,640ビッ
ト/秒 のダミーデータを挿入すればよい。
【0027】仮に制御係数がある値で、この結果、ある
画像の圧縮情報量が11%だったとすると、画像情報容
量は、 334,233,600×0.11=36,765,969ビット/秒で 34,200,000−(334,233,600×
0.11)=−2,565,696ビット/秒 となり、伝送路の伝送レートを越えてしまい、破綻を生
じる。
【0028】そこで圧縮率の目標を10.23%とし、
これを越えずに近い値が得られるように図1中、7の符
号化部0に対し、最適制御係数Q0を与えればよい。
【0029】図3にこの最適制御係数Q0を決定するた
めの説明図を示した。ここではいま、所謂ADCT方式
により、約1/10に圧縮符号化して伝送する場合を説
明する。
【0030】符号化の方式は図11に示したものと同様
で、いま横8画素×縦8画素をDCTサブブロックと
し、DCTサブブロック単位でDCT変換を行なった
後、変換係数の線形量子化を行なう。量子化ステップサ
イズは各変換係数毎に異なり、各変換係数に対する量子
化ステップサイズは、量子化雑音に対する視感度の変換
係数毎の相違を考慮した表1に示した8×8の量子化マ
トリックス要素に制御係数Kを乗じた値とする。このK
の値により画質や発生データ量を制御し、約1/10と
する。量子化後、DC成分については、最初のDCTサ
ブブロックでは0からの差分値として隣のサブブロック
間で1次元予測し、予測誤差をハフマン符号化する。そ
して、予測誤差の量子化出力をグループに分け、まず予
測誤差の所属するグループの識別番号をハフマン符号化
し、続いてグループ内のいずれの値であるかを等長符号
で表す。AC成分はこの量子化出力を低周波成分から高
周波成分へとジグザグ走査しながら符号化する。すなわ
ち、有意係数はその値により、グループに分類し、その
グループ識別番号と、直前の有意変換係数との間にはさ
まれた無効係数の個数とを組にしてハフマン符号化す
る。
【0031】まず、2つの制御係数Q12を選びQ1
0、Q0<Q2の条件を満たす場合を説明する。
【0032】図3に一般的な画像1フレームにおける制
御係数Kと、圧縮情報量Yの関係を示した。このYとK
の関係は、関数g、すなわちY=g(K)で表され、こ
の関数gは、下式(1) Y=g(K)=p log K+q(p,qは常数)…(1) に近いlog曲線に究めて近いことが言われている。
【0033】そこで、制御係数Q1に対して図1中3の
符号化部1で符号化を行ない、圧縮情報量B1を得る。
【0034】制御係数Q2に対して図1中3の符号化部
1で符号化を行ない、圧縮情報量B2を得る。
【0035】図1中5の演算部において(Q1,B1
(Q2,B2)の2点を結ぶ直線、Y=aK+b(a,b
は常数)を算出する。結果として得られる式(2)
【0036】
【外1】 を変形して、下式(3)を得る。
【0037】
【外2】
【0038】そこで、図3中、B0を前記、目標とする
圧縮率(10.23%)とすると、(3)式においてY
にB0を代入し最適制御係数Q0を得る。
【0039】
【外3】
【0040】実際には最適制御係数Q0により発生する
圧縮情報量はY=g(K)上にのるので、B0となる。
(1)式はlog曲線であり、下に凸の曲線で、この下
に凸の曲線上の2点を結ぶ直線は図3に示す如く、必ず
上に位置する。このことは常に、 B0>B0′ であることを示す。
【0041】上記(4)式のうち、Q1、Q2、B0は装
置において一定の既知の値であり、常数で、B1、B2
みを符号化の試行で得られればよい。従って、図1中
3、4の符号化部1、2は圧縮情報量のみを発生すれば
良い。
【0042】次に、2つの制御係数Q1、Q2により試行
を行なった結果、図4中(B)の曲線で示される様に、
画像が例えばカラーバーの様に極めて簡単で、もともと
の情報量が少ない場合、B0>B1Bとなり、このときに
はQ0=Q1として図1中5の演算部は符号化部7に対
し、このQ1を出力する。
【0043】また、2つの制御係数Q12により試行を
行なった結果、図4中(A)の曲線で示される様に、画
像が例えばゾーンプレートの様に極めて複雑で、もとも
との情報量が非常に多い場合、B0<B2Aとなり、この
ときQ0=QMAX=5として図1中5の演算部は符号化部
7に対し、QMAX=5を出力する。
【0044】こうすることによって、いかなる場合にお
いても目標とする圧縮率を上まわることがなく伝送路に
おいて、破綻を生じることがない。
【0045】図5にこれらの演算のフローを示した。
【0046】また、図1中、5の演算部においては上記
(4)式を演算するが、演算にはCPU等を用いても構
わないし、ROMやRAM等を使ったルックアップテー
ブルを用いても構わない。
【0047】図6は本発明による第2の実施例の画像符
号化装置の構成ブロック図を示すもので、端子20より
入力した画像は21においてA/D変換され、22の符
号化部1により前記の所謂ADCT方式により可変長符
号化される。このとき、制御係数Kは画像1フレームに
ついて一定のQ1として圧縮し、これにより圧縮情報量
1を得て26の比較・演算部へ送る。これと同時に2
3の符号化部2により同じく所謂ADCT方式により可
変長圧縮符号化される。このとき、制御係数Kは画像1
フレームについて一定のQ2として圧縮し、これにより
圧縮情報量B2を得て、26の比較・演算部へ送る。さ
らに24の符号化部3により同じく所謂ADCT方式に
より可変長圧縮符号化される。このとき、制御係数Kは
画像1フレームについて一定のQ3として圧縮し、これ
により圧縮情報量B3を得て、26の比較・演算部へ送
る。さらに25の符号化部4により同じく所謂ADCT
方式により可変長符号化される。このとき、制御係数K
は画像1フレームについて一定のQ4として圧縮し、こ
れにより圧縮情報量B4を得て、26の比較・演算部へ
送る。
【0048】27は画像データの遅延部でA/D変換さ
れた画像を約画像1フレーム分遅延させる。28は、符
号化部0で、26の比較・演算部で得られた最適制御係
数K=Q0として、圧縮符号化し、圧縮符号化データを
29の送信バッファメモリに蓄える。
【0049】30は伝送路で、伝送路30から受信した
データは31の受信バッファメモリに一旦に蓄え、31
の受信バッファメモリから読み出された圧縮符号化デー
タは32において同時に受信された最適制御係数Q0
より伸長復号し、33でディジタル−アナログ変換し、
端子34より画像を出力する。
【0050】図7、図8、図9を使って本発明第2の実
施例をさらに詳しく説明する。また、伝送対象の画像は
図2に示した如く、前記第1の実施例と同様で、同じく
1フレームの画像を各10.23%以下に圧縮する場合
を説明する。
【0051】すなわち、これは、同様に圧縮率の目標を
10.23%とし、これを越えずに近い値が得られる様
に図6中、28の符号化部0に対し、最適制御係数Q0
を与えれば良い。
【0052】図7にこの最適制御係数Q0を決定するた
めの説明図を示した。
【0053】符号化の方式は第1の実施例と同様図11
に示した所謂ADCT方式とする。
【0054】まず、4つの制御係数Q1、Q2、Q3
4、選び、Q1<Q0、Q0<Q4の条件を満たす場合を
説明する。
【0055】図7に一般的な画像1フレームにおける制
御係数Kと、圧縮情報量Yの関係を示した。前述の様に
YとKの関係は、関数g、すなわちY=g(K)で表さ
れる。そこでY=g(K)はlog曲線に極めて近い。
【0056】そこで、制御係数Q1に対して図6中22
の符号化部で符号化を行ない、圧縮情報量B1を得る。
制御係数Q2に対して図6中23の符号化部2で符号化
を行ない、圧縮情報量B2を得る。制御係数Q3に対して
図6中24の符号化部3で符号化を行ない、圧縮情報量
3を得る。制御係数Q4に対して図6中25の符号化部
4で符号化を行ない、圧縮情報量B4を得る。つぎに図
6を参考に図6中26の比較・演算部のフローを説明す
る。
【0057】図6中26の比較・演算部において、目標
とする圧縮情報量B0に対し、上記の圧縮符号化試行に
より得られたB1、B2、B3、B4について順に、 B0≦B10≦B20≦B30≦B4 の比較を行ない、B0がBN≦B0≦BN+1なるN(Nは正
の整数)を求める。
【0058】このNが分かった時点で図6中26の比較
・演算部において(QN、BN)(QN+1、BN+1)の2点
を結ぶ直線、 Y=aK+b(a,bは常数) を算出し、結果、
【0059】
【外4】 そこで、図7中のB0を前記、目標とする圧縮率(1
0.23%)とすると、(5)式においてYにB0を代
入し最適制御係数Q0を得る。
【0060】
【外5】 実際にはQ0により発生する圧縮情報量はY=g(K)
上にのるので、B0’となる。すなわち、 B0>B0 であることを示す。
【0061】この様にいかなる場合においても目標とす
る圧縮率を上まわることがなく伝送路において、破綻を
生じることがない。
【0062】上記(6)式のうち、Q1、Q2、Q3
4、B0は装置において一定の既知の値であり、常数
で、B1、B2、B3、B4のみを符号化の試行で得られれ
ば良い。従って図6中22、23、24、25の符号化
部1、2、3、4は圧縮情報量のみを発生すれば良い。
【0063】次に、4つの制御係数Q1234により
試行を行なった結果、図8中(B)の曲線で示される様
に、画像が例えばカラーバーの様に極めて簡単で、もと
もとの情報量が少ない場合、B0>B1Bとなり、このと
きにはQ0=Q1としての図6中26の演算部は28の符
号化部0に対し、出力する。
【0064】また、4つの制御係数Q1234により
試行を行なった結果、図8中(A)の曲線で示される様
に、画像が例えばゾーンプレートの様に究めて複雑で、
もともとの情報量が非常に多い場合、B0<B4Aとな
り、このときQ0=QMAX=5として図6中26の演算部
は28の符号化部0に対し、出力する。
【0065】こうすることによって、いかなる場合にお
いても目標とする圧縮率を上まわることがなく伝送路に
おいて、破綻を生じることがない。
【0066】図9にこれらの演算のフローを示した。
【0067】また、図6中、26の比較・演算部におい
ては上記(6)式を演算するが、演算にはCPU等を用
いても構わないし、ROMやRAM等を使ったルックア
ップテーブルを用いても構わない。またこの第2の実施
例においては符号化情報量のみを発生する符号化部の数
を4で説明したが、この数を多くすることによって、最
適制御係数が目標とする圧縮情報量に越えずして限りな
く近付き、効率の良い符号化が可能になる。従って、本
発明においてはこれを限定するものではない。また、上
記符号化部において便宜上、図11に示すような一般的
な符号化方式で説明したが、別の符号化方式であっても
構わなく、さらに、この例の場合、図11中のDCT部
分については共通なので、本実施例の様に複数もつ必要
はなく、一つにまとめることは可能である。
【0068】本発明の上記実施例により、最適生計を2
つの符号化試行の一次近似からもとめることによって画
像1枚1枚における圧縮生成情報量を一定にすることが
可能になり、バッファメモリの使用量を最小とし、どん
な画像によっても破綻を生じることのない安定したシス
テムの設計を容易にし、また、制御係数をフィードバッ
クすることなく、同じ画像に対しては画像品質が一定
で、さらに、伝送路を磁気テープや光ディスクの様な記
録媒体を考えた場合、つなぎどりやサーチ、編集等の機
能を実現するのを容易にした。また、この技術をバッフ
ァメモリを持たず、制御係数をフィードバックしない静
止画像システムに応用した場合、一枚の画像を伝送する
のに伝送かかる時間を一定にし、記録する際に一枚当た
りに必要とする容量を一定とする画像符号化装置を提供
することが可能になった。
【0069】なお、上述の例では制御係数と圧縮情報量
との関係はlog曲線として、説明したが、実際にはこ
れとは異なる場合があり、例えば2次曲線や3次曲線で
近似されるような曲線の場合もある。これは符号化部に
おける量子化の仕方、符号化の種類等によって異なる。
但し、いずれの場合も曲線は下に凸(接線が常に曲線よ
り下に存在する)である点で共通しており、かかる特性
に基づいて上述のような制御係数の決定方法が有効とな
る。
【0070】また、周波数変換はDCTに限らず、アダ
マール変換など他の直交変換を用いてもよい。
【0071】また、ブロックサイズも8×8画素ブロッ
クに限らない。
【0072】また量子化後の符号化方法はハフマン符号
化に限らず算術符号化やランレングス符号化など他の方
法であってもよい。
【0073】また、必ずしも一次近似そのものでなくて
も、直線近似に類する近似であれば、本発明の思想の範
囲内である。
【0074】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、所定単位
の画像データに対して所定時間内に前記画像データの符
号化データ量を所望のデータ量に近づけ、かつ前記所望
のデータ量を超えないように制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成ブロック図。
【図2】本発明を説明する実姉例の伝送対象画像を示す
図。
【図3】本発明を説明する第1実施例の演算方法を示す
図。
【図4】本発明を説明する第1実施例のさらに詳しい演
算方法を示す図。
【図5】本発明を説明する第1実施例の演算フローを示
す図。
【図6】本発明を説明する第2実施例の構成ブロック図
応を示す図。
【図7】本発明を説明する第2実施例の演算方法を示す
図。
【図8】本発明を説明する第2実施例のさらに詳しい演
算方法を示す図。
【図9】本発明を説明する第2実施例の演算フローを示
す図。
【図10】従来例の構成ブロック図。
【図11】一般的な可変長符号化方式を説明する図。
【図12】一般的な可変長符号化方式の詳細を説明する
図。
【符号の説明】
3 符号化部(1) 4 符号化部(2) 5 演算部 6 遅延部 7 符号化部(0)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 7/24 - 7/68 H04N 1/41 - 1/419 H03M 7/30 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定単位の画像データを量子化して可変
    長符号化した際のデータ量が所望のデータ量以下となる
    ように量子化ステップを制御しながら前記所定単位の画
    像データを符号化する画像処理方法であって、 第1の量子化ステップにより所定単位の画像データを符
    号化した際に発生する第1のデータ量を算出し、 前記第1の量子化ステップとは異なる第2の量子化ステ
    ップにより前記所定単位の画像データを符号化した際に
    発生する第2のデータ量とを算出し、 前記第1及び第2のデータ量間に所望のデータ量が存在
    する場合には、前記第1及び第2の量子化ステップと前
    記第1のデータ量及び第2のデータ量との関係を一次近
    似することにより、前記所定単位の画像データを符号化
    した際のデータ量が前記所望のデータ量となる量子化ス
    テップを予測して設定し、 前記第1及び第2のデータ量が前記所望のデータ量より
    も大きい場合には、前記所定単位の画像データを符号化
    した際のデータ量が前記所望のデータ量を超えない予め
    決められた所定の量子化ステップを設定し、 前記設定された量子化ステップを用いて前記所定単位の
    画像データを符号化することを特徴とする画像処理方
    法。
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