JP3199905B2 - 液晶電気光学装置 - Google Patents

液晶電気光学装置

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JP3199905B2 JP14854393A JP14854393A JP3199905B2 JP 3199905 B2 JP3199905 B2 JP 3199905B2 JP 14854393 A JP14854393 A JP 14854393A JP 14854393 A JP14854393 A JP 14854393A JP 3199905 B2 JP3199905 B2 JP 3199905B2
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利光 小沼
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶材料と未硬化樹脂
との混合物から未硬化樹脂を析出、硬化させて形成した
カラム状の樹脂を有する液晶電気光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶電気光学装置の液晶セル内部の基板
間隔を一定にするために、一般的には直径数μmを有す
る球形のシリカビーズ等のスペーサを基板間に散在させ
る方法が用いられている。
【0003】しかしながら、スペーサを用いた場合、基
板間隔の減少は防ぐことができるが、拡大は防げず、表
示の大画面化に伴う基板の歪みや液晶材料の分布の不均
一等に対しては無力であった。
【0004】また、その対策としてスペーサに加えて接
着剤粒子をセル内に散在させ、基板間隔を固定する方法
があったが、接着剤の周囲での配向が乱れやすいといっ
た現象が発生していた。
【0005】これらの基板間隔を固定する方法の問題点
を解消する方法として、本発明者らの発明による、液晶
材料中から析出させたカラム状の樹脂(柱状の樹脂スペ
ーサという意味で重合カラムスペーサ(Polymerized Co
lumn Spacer 、PCSと略す))で基板間隔を固定する
方法がある(特願平5−55237号参照)。すなわ
ち、基板間に液晶材料と未硬化の樹脂の混合物を混入
し、液晶材料を配向させ、樹脂材料を析出、硬化させて
形成されるカラム状樹脂で両基板を接着する方法であ
る。
【0006】これによれば、セル内において液晶が配向
している状態でカラム状の樹脂を硬化することが可能な
ため、樹脂の形状は液晶材料と未硬化樹脂の混合物中か
ら液晶が析出しつつ配向した結果形作られるものであ
る。したがって樹脂周囲での配向の乱れを極めて少なく
して基板間隔の固定を行うことができた。
【0007】
【従来技術の問題点】しかしながらこのPCSを用いた
液晶電気光学装置においては、配向膜のラビング方向に
沿った一様な液晶分子の配向をさせようとした時におい
て、液晶材料や樹脂は変えずに同じ物を用いても、垂直
配向やランダムな配向になる場合があった。
【0008】液晶の配向性を左右する要因の1つとし
て、配向膜の液晶分子への規制力が挙げられる。この規
制力は、配向膜が液晶分子を吸着する力であり、簡単に
は表面張力で表される。この表面張力は配向膜種類、焼
成温度、膜厚、ラビングを含む配向膜表面構造など、多
くの要因で変化する。
【0009】一方、PCS材料である樹脂の表面張力
も、液晶の配向性を左右する大きな要因の1つであり、
の樹脂の表面張力は、オリゴマー、モノマー材料または
その組合せによって変化する。
【0010】PCSを用いた液晶電気光学装置における
液晶材料の配向は、PCS周辺以外では通常の樹脂の添
加されていない液晶の配向と何等変わりはない。しかし
PCS周辺の液晶は、配向膜からの規制と同時にPCS
からの規制をも受け、これが原因で配向性の悪化をまね
いていた。
【発明が解決しようとする課題】
【0011】本発明は、PCSを用いた液晶電気光学装
置において、液晶分子に対する規制力を制御し、配向性
の向上を実現するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、一対の基板間に液晶材料を有し、前記一対
の基板のうち少なくとも一方の基板の内側面には前記液
晶材料を一軸配向させる配向膜を有し、前記液晶材料中
に混入させていた未硬化樹脂が析出、硬化して形成した
カラム状の樹脂を有し、前記カラム状樹脂の表面張力よ
り、前記配向膜の表面張力が大きいことを特徴とするも
のである。
【0013】また、本発明は、一対の基板間に液晶材料
を有し、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の
内側面には前記液晶材料を一軸配向させる配向膜を有
し、前記液晶材料中に混入させていた未硬化樹脂が析
出、硬化して形成したカラム状の樹脂を有し、前記カラ
ム状樹脂の表面張力より、配向膜の表面張力が小さいこ
とを特徴とするものである。
【0014】
【作用】本発明はPCSを用いた液晶電気光学装置にお
いて、配向膜と樹脂の液晶分子への吸着力、簡単にいえ
ばその表面張力を任意に制御することで、液晶材料の配
向性を制御し、向上させようというものである。
【0015】一般に、表面張力が大きいほど液晶分子を
吸着する力は大きくなる。よって、液晶分子が配向膜と
水平配向(プレトルト角が基板面に対して0〜45°程
度)するのならば、配向膜の表面張力は大きく、PCS
の表面張力が小さい方が液晶の配向性は向上する。ま
た、液晶分子が配向膜と垂直配向(プレトルト角が基板
面に対して45〜90°程度)するのならば、配向膜の
表面張力は小さく、PCSの表面張力が大きい方が液晶
の配向性は向上する。
【0016】表面張力を制御するには、材料の組成を変
えたり、材料の焼成時間や焼成温度、希釈濃度、膜厚等
を変化させる、表面形状を変える、カップリング剤を塗
布する等様々な方法が考えられる。状況に応じて必要な
方法を用いればよい。
【0017】このようにして本発明によりPCSを用い
た液晶電気光学装置において、液晶材料に対する規制力
を制御し、配向性を向上させる。以下に実施例を示す。
【0018】
【実施例】10cm□のガラス基板に電極材料であるイン
ジウム・チン・オキサイド(ITOと省略する)をスパ
ッタ法や蒸着法にて500〜2000Å、本実施例では
1000Åの膜厚に成膜し、通常のフォトリソ工程で電
極をパターニングした。この基板上にスピンコート法で
配向膜材料を塗布し、焼成した。配向膜材料としては3
種類のものを用いた。この基板にラビング処理を施して
一軸配向処理を行った。一方の基板上には、シリカ粒子
である触媒化成製真し球をスペーサーとして散布し、一
方の基板上には、エポキシ樹脂製のシール材をスクリー
ン印刷にて形成した。両基板は電極間距離を約1.5μ
mとして貼り合わせて、セルを形成した。
【0019】本実施例で使用した液晶材料としては、相
系列がI(等方相)−N(ネマチック相)−A(スメク
チックA相)−C(スメクチックC* 相)である強誘電
性液晶材料A、相系列がI−A−Cの強誘電性液晶材料
Bを用いた。また、樹脂材料には、表面張力が50.1
dyne/cmの市販の紫外線硬化型樹脂を用いた。
【0020】上記液晶材料95%と、未硬化樹脂材料5
%を混合し、混合した樹脂が液晶材料中によりよく混合
するに、液晶が等方相を示すまで加熱、攪はんして樹脂
を液晶材料中に均一に混合した(以下液晶混合物とい
う)。
【0021】セルと液晶混合物を等方相に加熱し、真空
下で前述のセルに注入後2〜20℃/hr、本実施例で
は2℃/hrで室温まで徐冷した。徐冷後の室温での配
向状態を偏光顕微鏡で観察した結果、液晶はA、B共に
水平配向し、樹脂はセル内に点在して観察できた。
【0022】このセルに紫外線を、強度3〜30mW/
cm2、照射時間0.5〜5min、本実施例では強度
20mW/cm2で1minの照射を行って樹脂を硬化
させた。樹脂はカラム状に硬化しセル内に点在してい
た。このセルの液晶の配向状態と、±30Vの三角波を
印加して光学特性を測定した結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】結果を見ると、明状態値に大きな差はなか
ったが、暗状態値はカラム状樹脂の表面張力よりも配向
膜の表面張力が大きいほど向上し、その結果コントラス
ト比も向上した。
【0025】また垂直配向している液晶電気光学装置に
て、樹脂の表面張力に対し、配向膜の表面張力を小さく
していったことろ、暗状態値が向上し、その結果コント
ラスト比も向上した。
【発明の効果】以上の如く、本発明によりPCSを用い
た液晶電気光学装置の液晶分子の配向性を向上させるこ
とができ、コントラストを向上させることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−281425(JP,A) 特開 平5−61051(JP,A) 特開 平5−27246(JP,A) 特開 昭58−172622(JP,A) 特開 平4−204915(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1339 500 G02F 1/1334 G02F 1/1337

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板間に液晶材料と、該液晶材料
    中に混入してあった未硬化樹脂が析出、硬化して形成さ
    れたカラム状樹脂とを有し、 前記一対の基板の少なくとも一方の基板には前記液晶材
    料の液晶分子を配向させる配向手段が設けられた液晶電
    気光学装置であって、 前記液晶分子のプレチルト角は基板面に対して0°〜4
    5°であり、かつ前記配向手段の表面張力が前記カラム
    状樹脂の表面張力より大きいことを特徴とする液晶電気
    光学装置。
  2. 【請求項2】 一対の基板間に液晶材料と、該液晶材料
    中に混入してあった未硬化樹脂が析出、硬化して形成さ
    れたカラム状樹脂とを有し、 前記一対の基板の少なくとも一方の基板には前記液晶材
    料の液晶分子を配向させる配向手段が設けられた液晶電
    気光学装置であって、 前記液晶分子のプレチルト角は基板面に対して45°〜
    90°であり、かつ前記配向手段の表面張力が前記カラ
    ム状樹脂の表面張力より小さいことを特徴とする液晶電
    気光学装置。
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US08/483,046 US5680189A (en) 1993-05-18 1995-06-07 LCD columnar spacers made of a hydrophilic resin and LCD orientation film having a certain surface tension or alignment capability
US08/473,952 US5574581A (en) 1993-05-18 1995-06-07 LCD having hydrophobic resin or urethane oligomer columnar spacers or having orientation film surface tension > columnar spacer surface tension

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