JP3198802B2 - 定着装置のニップ幅調整装置 - Google Patents

定着装置のニップ幅調整装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法を用いる画
像形成装置の定着装置に係わり、とくに加熱ロールと加
圧ロール間のニップ幅を調整するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、定着装置において加熱ロールと加
圧ロール間のニップ幅を調整する方式としては、特開昭
56−109382号公報に記載のように、加圧力をバ
ネを介しているものが多く、バネ長さの変更で、ニップ
幅を調整する方式や、バネを介さないタイプのもので
も、加圧ロールの軸を直接、スクリューで調整する方式
や、偏心カムによって、ニップ幅を調整する方式が知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方式においては、いずれの場合にもニップ幅の調整
は困難であり、特開昭56−109382号公報でも記
載されているように、加熱ロールから加圧ロールを解除
しないと調整できないという問題を有し、さらに調整
後、固定ネジによって調整ネジや偏心カム、さらに調整
レバーを固定しなければならず、この固定時に調整量が
変化しやすく、圧力を均一に作用させられないといった
不具合は解決されていない。また、大型定着装置のよう
に高圧バネを使用すると、かぎられたスペースに強いバ
ネを入れることになりバネ定数が大きくなり、微調整し
にくい欠点がある。
【0004】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
であって、加圧調整機構による加圧量の変化を増幅し、
加圧状態でも調整可能にするとともに、加圧調整量を大
幅に取ることができる定着装置のニップ幅調整装置を提
供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の定着装置のニップ幅調整装置は、定着フレ
ームに配設される軸と、前記定着フレーム内に対向配置
される加圧ロールおよび加熱ロールと、前記軸に一端が
回転自在に軸支され他端が前記加圧ロールを支持する第
1の加圧レバーおよび第2の加圧レバーと、前記第1の
加圧レバーと第2の加圧レバー間に配設される加圧量調
整板と、該加圧量調整板に形成される長孔と、前記加圧
量調整板に前記長孔の長軸に対して角度をもつように形
成され前記加圧ロールを支持する加圧面と、前記長孔を
貫通し前記第1の加圧レバーと第2の加圧レバー間に固
定されるピンと、前記加圧量調整板に前記長孔の長軸方
向に形成されるネジ孔と、該ネジ孔内に挿入される調整
ネジとを備え、前記調整ネジを回転させることにより前
記加圧量調整板を移動させ、前記加圧面を介して加圧
ールを移動させることを特徴とする。
【0006】また、前記調整ネジを駆動させるための駆
動手段と、コピー画像を加圧ロール側に向けて所定時間
加圧する手段と、加圧されたコピー画像を読み取りニッ
プ幅を演算する演算手段とを備え、該演算手段により前
記駆動手段を制御するようにしてもよい。
【0007】
【作用】本発明によれば、調整ネジの回転によって加圧
レバーに対して平行に移動する加圧量調整板を配置し、
その加圧面に加圧ロールの軸端を支持させることにより
加圧量を変化させるようにしている。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1および図2は、本発明における定着装置の
ニップ幅調整装置の1実施例を示し、図1は全体構成を
示す側面図、図2(A)は加圧量調整機構を示す立面
図、図2(B)は図2(A)を上から見た平面図、図2
(C)は加圧量調整板の立面図、図2(D)は図2
(C)のD−D線に沿って矢印方向に見た断面図であ
る。
【0009】図1において、定着フレーム1には駆動軸
2が配設され、駆動軸2には駆動歯車3が固定され図示
しないモータにより回転駆動される。駆動軸2には、加
圧量調整機構4を構成する加圧レバー5の一端が回動自
在に軸支され、加圧レバー5の他端には支持軸6が固定
され、支持軸6にローラ7が取り付けられている。さら
に、加圧レバー5にはベアリング支持用ブラケット8が
取り付けられている。
【0010】定着フレーム1には、ローラ7に接するよ
うに係止用カム9が回動自在に取り付けられ、係止用カ
ム9を矢印A方向に回動させることにより、加圧レバー
5を矢印B方向に移動させて加圧し、係止用カム9を逆
方向に回動させることにより、加圧レバー5による加圧
を解除できるようにしている。
【0011】ベアリング支持用ブラケット8の他端に
は、ベアリング10の外輪がニップ調整時に加圧レバー
5の回転支点を中心に回動可能な状態で組み込まれてい
る。このベアリング10は加圧ロール11の一部を構成
するもので、加圧ロール11に対向して加熱ロール12
が配設されている。加圧ロール11および加熱ロール1
2は、駆動歯車3、従動歯車13および図示しない歯車
を介して動力が伝達され回転駆動される。また、加圧レ
バー5には、ベアリング10を固定するためのスプリン
グ14が設けられている。なお、15はオイル供給ロー
ルを示している。なお、前記した加圧量調整機構4は、
加圧ロール11の両側に設けられている。
【0012】図2は、前記加圧量調整機構4の詳細を示
し、2枚(第1および第2)の加圧レバー5、5の間に
は、加圧量調整板16が配設されている。加圧量調整板
16は、図2(C)および図2(D)に示すように全体
として楔形になっており、長孔16a、16bと加圧面
16cが形成されている。長孔16a、16bは、それ
ぞれの長軸が平行になるように、また、加圧面16cが
長孔16aの長軸に対して角度αをもつように形成され
ている。加圧量調整板16の一端には、長孔16aの長
軸方向にネジ孔16dが形成されるとともに、ネジ孔1
6dに直交する方向にネジ孔16eが形成されている。
そして、前記ネジ孔16d内に調整ネジ17が摺動可能
に挿入され、ネジ孔16e内に樹脂製ブロック18およ
び圧接ネジ19が挿入されている。調整ネジ17は、樹
脂製ブロック18を介して圧接ネジ19により圧接さ
れ、調整ネジ17のゆるみを防止するようにしている。
【0013】前記加圧量調整板16は、図2(A)およ
び図2(B)に示すように、2枚の加圧レバー5、5の
間に配設され、ピン20、21が長孔16a、16bを
貫通し加圧レバー5、5間に固定されている。
【0014】上記構成からなる本発明のニップ幅調整方
法について説明する。図2(A)において、調整ネジ1
7を回転し加圧量調整板16を例えばC方向に移動させ
ると、加圧量調整板16は、長孔16a、16b内のピ
ン20、21にガイドされ、その加圧面16cがベアリ
ング10を押し上げるD方向に移動するため、ベアリン
グ10は駆動軸2を支点としてE方向に移動する。その
結果、加圧ロール11もE方向に移動し、加熱ロール1
2とのニップ幅を広くすることができる。また、調整ネ
ジ17を回転し加圧量調整板16をC方向と逆方向に移
動させると、前記動作と逆方向の動作となり、加圧ロー
ル11がE方向と逆方向に移動し、加熱ロール12との
ニップ幅を狭くすることができる。
【0015】すなわち、本発明においては、調整ネジ1
7の回転によって加圧レバー5に対して平行に移動する
加圧量調整板16を配置し、その加圧面16cに加圧ロ
ール11の軸端を支持させることにより加圧量を変化さ
せるようにしている。このとき、加圧面16cが長孔1
6aの長軸に対して角度αをもつように形成されている
ため、加圧面16cの加圧量の変化を加圧量調整板16
の移動によって増幅させることで加圧状態でも調整可能
とし、加圧反力による調整ネジ17のもどりもない。ま
た、2枚の加圧レバー5の間に加圧量調整板16を配置
することにより安定した動きを確保することができる。
さらに、加圧面16cの傾斜度αによって加圧量の変化
を微少化(従来例の1/10〜1/20の量)でき、加
圧量調整板16が加圧レバー5に平行に移動するためレ
バーの長さを有効に利用できるので、加圧調整量を大幅
に取ることができる。
【0016】次に、図3により本発明における定着装置
のニップ幅調整装置の他の実施例について説明する。本
実施例は電子写真複写機においてニップ幅の調整を全自
動で行う例を示している。
【0017】図3において、電子写真複写機は、画像読
取部51、画像処理部52、画像記録部53、用紙搬送
部54からなり、画像読取部51は、プラテンガラス5
5上に置かれた原稿56の画像を光学的に走査し、光電
変換素子によって変換された電気信号をデジタル信号に
変換する手段であり、原稿56が載置されるプラテンガ
ラス55と、プラテンガラス55を遮蔽可能にするプラ
テンカバー58と、露光ランプ59およびミラー60か
らなる光源ユニット61と、レンズ62と、CCDイメ
ージセンサ63とが設けられている。画像記録部53
は、感光体65と、感光体65の周囲に配設される帯電
装置66、レーザービームスキャナーユニット67、現
像装置69、転写装置70、クリーニング装置71と、
定着装置72とを備え、用紙搬送部54には給紙トレイ
73、用紙反転路74、両面コピー用搬送路75、排紙
トレイ76が配設されている。
【0018】原稿56の画像は、光源ユニット61によ
りCCDイメージセンサ63に露光されて電気信号に変
換され、その読み取られた電気信号は画像読取部51に
おいて増幅器、A/D変換器を経てデジタル信号に変換
された後、画像処理部52に送られ、ここで種々のデー
タ処理を施して階調トナー信号に変換され、レーザービ
ームスキャナーユニット67に送られる。レーザービー
ムスキャナーユニット67が駆動され、感光体65が露
光され原稿画像に応じた静電潜像が形成される。感光体
65は図示矢印の如く回転し、帯電装置66により一様
に帯電され、前記露光により静電潜像が形成され、この
静電潜像は現像装置69によりトナー像に現像される。
このトナー像は転写装置70において給紙トレイ73か
ら搬送されてくる用紙上に転写され、定着装置72に搬
送され定着され、排紙トレイ76に排出される。一方、
転写後の感光体65はクリーニング装置71により清掃
された後、除電ランプにより除電され、以下前記した一
連のコピーサイクルが繰り返される。
【0019】本実施例においては、転写装置72に、図
1および図2に示したニップ幅調整装置を用い、その調
整ネジ17を電動モータ77に駆動可能にしている。ま
た、ニップ幅演算部78を設け、画像読取部52からの
信号に基づいて加圧ロール11と加熱ロール12のニッ
プ幅を演算し、最適なニップ幅の信号を電動モータ77
に出力するようにしている。さらに、排紙トレイ76の
下流側からプラテンガラス55上に用紙を搬送するため
の画像読取用搬送路79が設けられている。なお、調整
ネジ17を回動させるのに電動モータ77を用いている
が、モータ以外に回転動力であれば他のものでも可能で
ある。
【0020】上記構成からなる本実施例のニップ幅調整
方法について説明する。先ず、ニップ調整スタートボタ
ンを押し、プラテンガラス55上に黒色原稿を置き、給
紙トレイ73から搬送される用紙上に黒色像を転写し、
定着装置72で定着した後、用紙反転路74、両面コピ
ー用搬送路75を経て再び定着装置72へ、黒色像が加
圧ロール11側になって搬送される。このとき、定着装
置72の出口側には、用紙検出センサが設けられてお
り、このセンサで用紙先端を読み取り、用紙搬送を停止
して定着装置72内で用紙が加圧ロール11と加熱ロー
ル12の間に挟まれた状態にする。一定時間経過後、再
び用紙は搬送を開始し、用紙反転路74で反転し、その
後、画像読取用搬送路79を経てプラテンガラス55上
に黒色像が下側にして置かれる。
【0021】プラテンガラス55上に置かれた黒色像
は、定着装置72で加圧されているため、ニップ領域で
はグロスが増加し、これを画像読取部52において読み
とった後、ニップ幅演算部78において、加圧ロール1
1と加熱ロール12のニップ幅を演算し、最適なニップ
幅の信号を電動モータ77に出力し、調整ネジ17を回
動させるようにしている。最後に、黒色像の用紙は排紙
トレイ76から排出される。
【0022】本実施例においては、ニップ幅の調整を全
自動で行う例を示しているが、用紙反転路74、両面コ
ピー用搬送路75および画像読取用搬送路79を設けな
い複写機にも適用可能である。その場合には、コピーモ
ードでダークコピーを作成し、コピー面を加圧ロール1
1側にして定着装置72に入れて加圧し、一定時間経過
後、用紙を取り出した後、前記用紙のコピー面を原稿読
み取り側にして原稿読み取り装置にのせてニップ調整ボ
タンを押すことによって、前記と同様に行われるもので
ある。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、加圧調整機構による加圧量の変化を増幅し、加
圧状態でも調整可能にするとともに、加圧調整量を大幅
に取ることができる。また、従来の定着装置のニップ調
整装置ではモーター等の動力を使用しての自動調整は不
可能に近い状態であったが、本発明の調整装置を用いる
ことにより、ニップ幅調整の自動化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における定着装置のニップ幅調整装置の
1実施例を示し、全体構成を示す側面図である。
【図2】図2(A)は加圧量調整機構を示す立面図、図
2(B)は図2(A)を上から見た平面図、図2(C)
は加圧量調整板の立面図、図2(D)は図2(C)のD
−D線に沿って矢印方向に見た断面図である。
【図3】本発明における定着装置のニップ幅調整装置の
他の実施例を示す構成図である。
【符号の説明】
1…定着フレーム、2…駆動軸、3、13…歯車、5…
加圧レバー 6…支持軸、7…ローラ、8…ブラケット、9…係止用
カム 10…ベアリング、11…加圧ロール、12…加熱ロー
ル 16…加圧量調整板、16a、16b…長孔、16c…
加圧面 16d…ネジ孔、17…調整ネジ、77…電動モータ、
78…ニップ幅演算部 79…画像読取用搬送路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】定着フレームに配設される軸と、 前記定着フレーム内に対向配置される加圧ロールおよび
    加熱ロールと、 前記軸に一端が回転自在に軸支され他端が前記加圧ロー
    を支持する第1の加圧レバーおよび第2の加圧レバー
    と、 前記第1の加圧レバーと第2の加圧レバー間に配設され
    る加圧量調整板と、 該加圧量調整板に形成される長孔と、 前記加圧量調整板に前記長孔の長軸に対して角度をもつ
    ように形成され前記加圧ロールを支持する加圧面と、 前記長孔を貫通し前記第1の加圧レバーと第2の加圧レ
    バー間に固定されるピンと、 前記加圧量調整板に前記長孔の長軸方向に形成されるネ
    ジ孔と、 該ネジ孔内に挿入される調整ネジとを備え、 前記調整ネジを回転させることにより前記加圧量調整板
    を移動させ、前記加圧面を介して加圧ロールを移動させ
    ることを特徴とする定着装置のニップ幅調整装置。
  2. 【請求項2】前記調整ネジを駆動させるための駆動手段
    と、 コピー画像を加熱ロールと加圧ロール間に所定時間挟む
    手段と、 挟まれたコピー画像のグロスを読み取り、ニップ幅を演
    算する演算手段とを備え、 前記演算手段により前記駆動手段を制御することを特徴
    とする請求項1記載の定着装置のニップ幅調整装置。
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