JP3198591B2 - ブロック共重合体及びその製造方法 - Google Patents

ブロック共重合体及びその製造方法

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JP3198591B2 JP06994792A JP6994792A JP3198591B2 JP 3198591 B2 JP3198591 B2 JP 3198591B2 JP 06994792 A JP06994792 A JP 06994792A JP 6994792 A JP6994792 A JP 6994792A JP 3198591 B2 JP3198591 B2 JP 3198591B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエーテル鎖をソフト
セグメントとし、ポリイミドをハードセグメントとする
セグメント化ブロック共重合体に関する。本発明のブロ
ック共重合体は耐熱性及び耐油性が要求される種々の自
動車部品、工業部品、電気電子分野における被覆,コー
ティング材料として利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来から工業的に製造されている熱可塑
性エラストマーには種々のものが知られている。
【0003】特に耐熱性に優れ、ゴム用途への展開が進
んでいるものとしてポリエステル系の熱可塑性エラスト
マーが知られており、自動車用途を始め種々の用途に展
開されている。
【0004】しかしながら、エステル系の熱可塑性エラ
ストマーは汎用の架橋ゴムに比べ動的耐熱性に劣るとい
う致命的な欠点を有し、更に硬度的にも高いものが主流
であるためゴム代替用途への展開を困難にしている。実
際、現在知られている熱可塑性エラストマーで最も耐熱
性に優れたポリエステル系の熱可塑性エラストマーにお
いても連続的な動的環境での使用可能温度は100℃以
下であり、汎用の架橋ゴムと同等の耐熱性を有していな
い。
【0005】また、ポリイミドをハードセグメントに用
いた熱可塑性エラストマーが知られている(ジャーナル
オブ アプライド ポリマー サイエンス、第44
巻、409頁、1992年)。このブロック共重合体に
用いられるソフトセグメント、即ちエラストマーセグメ
ントには耐熱性の観点からポリオキシアルキレン鎖の中
でも、特にポリテトラメチレン鎖が用いられている。該
ポリオキシアルキレン鎖の分子量は生成するブロック共
重合体の硬度あるいは弾性率へ影響を与える。数平均分
子量が1000以下の低分子量のソフトセグメントを用
いた場合、生成するブロック共重合体の硬度は非常に高
いものとなり、エラストマーとしての利用を考えた場
合、問題となることは公知である。一方、数平均分子量
が1000以上の比較的高分子量のソフトセグメントを
用いた場合、生成するブロック共重合体はソフトセグメ
ントの結晶化により耐寒性に劣ったエラストマーとなる
ことも公知であり、事実、ポリエステル系の熱可塑性エ
ラストマーでは低分子量のポリテトラメチレングリコー
ルがソフトセグメントとして好適に用いられている。ま
た、低分子量のポリアルキレングリコールのテレフタル
酸及び/又はイソフタル酸等による鎖延長物をブロック
共重合体のソフトセグメント成分として用いた場合、低
結晶性であり、非常に優れたソフトセグメントとなるこ
とも公知である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この様な事実に鑑み、
最近、耐熱性の熱可塑性エラストマーを製造するための
研究が行なわれてきている。液晶成分をハードセグメン
トとしたセグメント化ブロックポリエーテルエステルエ
ラストマー(特開平3−97725号公報,特開平3−
97726号公報)、あるいはセグメント化エーテルイ
ミドブロック共重合体等(特開平2−235962号公
報)を例示することができるが、現状では架橋型のエラ
ストマーに近い動的耐熱性を有する熱可塑性エラストマ
ーは得られていない。
【0007】前述のイミド系ポリマーの製造法では、分
子量が2000以下の低分子量のポリエーテルを用いる
ことにより結晶性が低下する事実を確認しており、優れ
た物性を有するブロック共重合体を得ている。しかし、
上述の方法では、ソフトセグメントであるポリテトラメ
チレングリコールジアミンを芳香族テトラカルボン酸二
無水物で連結することによりブロック共重合体を得てお
り、エラストマー材料の製造にあたり絶対的に必要とさ
れる硬度の制御ができないという問題点を有している。
また、主鎖中にエステル結合を有しており、耐加水分解
性に関しても更なる改良が期待されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、ポリアルキレンオキ
サイドをソフトセグメントに、ポリイミドをハードセグ
メントに用いたセグメント化ブロック共重合体が、優れ
た動的熱安定性を有し、且つ透明性に優れた低硬度の熱
可塑性エラストマーとなることを見出し、本発明に至っ
た。
【0009】即ち、本発明は、下記一般式(1)
【0010】
【化5】 (ここで、nは重合度を表す1〜85の整数であり、Z
は炭素数6〜24の芳香族基を表し、Rは炭素数2〜2
4の脂肪族又は芳香族基を表し、Gは平均分子量が50
0〜5000のポリオキシアルキレン鎖を表す)で表さ
れる繰り返し単位からなり、N−メチル−2−ピロリド
ン中、30℃で測定した還元粘度が0.1〜13.0d
l/gであり、イミド化率(Di)が0.5以上である
セグメント化ブロック共重合体、及びa.下記一般式
(2)
【0011】
【化6】 (ここで、Gは数平均分子量が500〜5000のポリ
オキシアルキレン鎖を表す)で表されるポリオキシアル
キレンジアミンとb.下記一般式(3)
【0012】
【化7】 (ここで、Rは炭素数2〜24の脂肪族又は芳香族基を
表す)で表される芳香族ジアミン及び下記一般式(4)
【0013】
【化8】 (ここで、Zは炭素数6〜24の芳香族基を表す)で表
される芳香族テトラカルボン酸無水物を反応させて得ら
れる酸無水物基末端のポリアミック酸とを反応させて得
られるブロック共重合体をイミド化することを特徴とす
る上述のセグメント化ブロック共重合体の製造方法に関
する。
【0014】本発明を以下に詳細に説明する。
【0015】本発明において用いられる芳香族テトラカ
ルボン酸無水物は、特に限定されないが、下記のものが
例示される。すなわち、ピロメリット酸無水物、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ
ーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)スルフォン二無水物、ビス(3,4ージカルボキシ
フェニル)スルフィド二無水物、2,2−ビス(3,4
ージカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無
水物、1,2,3,4ーテトラカルボキシブタン二無水
物、あるいは、これら酸無水物のエステル化誘導体、例
えばジアルキルエステルジカルボン酸化合物などを用い
ることができる。
【0016】更に、ハードセグメントを構成するジアミ
ン化合物としては、芳香族及び脂肪族ジアミン化合物を
用いることができ、例えばm−フェニレンジアミン、p
−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニル
プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジア
ミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル、1,5ージアミノナフタレン、3,3−
ジアミノベンジジン、3,3−ジメトキシベンジジン、
2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、ビ
ス(p−アミノ−t−ブチルフェニル)ベンゼン、1,
3−ジアミノ−4−イソプロピルベンゼン、m−キシリ
レンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジ
アミノトルエン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メ
タン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジ
メチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ドデカンジ
アミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、オクタ
メチレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミ
ン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5
−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタ
メチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、
1,4−シクロヘキサンジアミン、1,12−オクタデ
カンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)スルフィ
ド、N−メチル−ビス(3−アミノプロピル)アミン、
ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、ノ
ナメチレンジアミン、デカメチレンジアミンなどを挙げ
ることができる。
【0017】また、ソフトセグメントとして用いること
ができるものとして、長鎖のポリテトラメチレンエーテ
ルジアミン、ポリエチレンエーテルジアミン、ポリプロ
ピレンエーテルジアミン等のポリアルキレンエーテルジ
アミンが例示されるが、これらのポリオキシアルキレン
ジアミンは相当するポリオキシアルキレングルコールの
アミノ化により製造することができる。グリコールとし
ては、その他にプロピレンオキサイドと環状エーテル類
のカチオン開環共重合体を用いることができ、また、末
端をプロピレンあるいはエチレンでキャップ後に、アミ
ノ化したものも使用できる。即ち、ビスアミノエチルポ
リテトラヒドロフラン、ビスアミノプロピルポリテトラ
ヒドロフラン、ビスアミノブチルポリテトラヒドロフラ
ン等を用いることができる。これらの長鎖ポリエーテル
ジアミンの製造方法は公知であり、例えば米国特許第3
155728号公報、米国特許第3236895号公
報、米国特許第3654370号公報等に記載の方法を
用いることができる。該ソフトセグメントの分子量とし
ては数平均分子量が500〜5000のものを用いるこ
とができるが、特に900〜3000のものが好適に用
いられる。またソフトセグメントとしては、前述のポリ
マーを鎖延長したものも同様に用いることが可能であ
る。ソフトセグメントとしては、室温付近に結晶融点の
ないものを用いることが好ましく、この観点から特にポ
リアルキレンエーテルジアミンの分子量を設定する必要
がある。
【0018】反応溶媒としては、N−メチル−2−ピロ
リドン,N−ビニル−2−ピロリドン,N−アセチル−
2−ピロリドン等のピロリドン系溶媒、スルフォラン、
γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド,
ヘキサメチルホスホルアミド,N,N−ジメチルフォル
ムアミド, N,N−ジメチルメトキシアセトアミド等
のアミド系溶媒、ジメチルスルフォキシド,ジエチルス
ルフォキシド等のスルホキシド系溶媒、フェノール,o
−クレゾール,m−クレゾール,p−クレゾール,オル
トクロルフェノール,p−ブロモフェノール等のフェノ
ール系溶媒、ジグライム,テトラヒドロフラン,テトラ
ヒドロピラン等のエーテル系溶媒、テトラメチル尿素、
ピリジン、ジメチルスルフォン、N−メチル−ε−カプ
ロラクタム等を用いることができる。また、上記の溶媒
と相溶可能な種々の溶媒、例えばベンゼン、ジオキサン
等と混合溶媒とすることもできる。
【0019】反応温度は特に制限されないが、通常0〜
180℃の範囲が用いられ、0〜150℃の範囲で行な
うことが好ましい。
【0020】以下、ハードセグメントの前駆体となるポ
リアミック酸の合成方法について述べる。ポリアミック
酸は、前述の溶媒中で酸無水物及び芳香族ジアミン化合
物を0〜50℃の範囲で反応させることにより得ること
ができる。この際、該酸無水物と該ジアミン化合物の仕
込比は所望の分子量を有するポリアミック酸の重合度か
ら決定することができる。即ち、該酸無水物の仕込モル
をn,また該ジアミン化合物の仕込モル数をmとした
とき、重合度の調整は比n/mを変化させることにより
行なうことができる。また、末端構造の制御も同様に可
能であり、ジアミン化合物に対して過剰量の酸無水物を
用いることにより酸無水物基末端のポリアミック酸を合
成することが可能である。ポリアミック酸溶液は前述の
溶媒を用いて希釈することが可能であり、この混合溶媒
中でポリアミック酸を合成することも可能である。また
減圧下で溶媒を除去、濃縮することができる。更に、ポ
リアミック酸を所望により公知の方法により沈澱単離す
ることが可能であり、この単離物をブロックポリマーの
合成に用いることも可能である。
【0021】得られたポリアミック酸オリゴマーの溶液
を前述の長鎖脂肪族ジアミンあるいはその溶液と反応さ
せることにより、ポリアミック酸セグメント及び脂肪族
ソフトセグメントからなるエラストマ−状セグメント化
ブロックポリマーが得られる。この反応において末端に
酸無水物基を有するポリアミック酸の酸無水物基のモル
数とポリアルキレンオキサイドジアミンの末端アミンの
モル数との比は0.7〜1.5であることが好ましく、
特に0.9〜1.1の比率が好適に用いられる。ポリア
ルキレンオキサイドジアミンとポリアミック酸との反応
は、0〜180℃が好ましく、特に0〜100℃の範囲
が好適に用いられる。
【0022】得られたプレポリマーのイミド化について
以下に述べる。ポリアミック酸のイミド化方法は公知で
あり、以下に説明する方法を用いることができる。
【0023】プレポリマー溶液からポリマーを単離せ
ず、反応溶液にトリエチルアミン,トリブチルアミン等
のトリアルキルアミン類又はピリジン,2−ヒドロキシ
ピリジン等のピリジン誘導体及び無水酢酸を添加する方
法が好適に用いられる。トリアルキルアミン類又はピリ
ジン誘導体の添加量は、ポリアミック酸のカルボキシル
基1モルあたり1.1〜12倍モルが好適に用いられ
る。また無水酢酸の添加量は生成する水のモル数よりも
過剰に添加すれば問題なく、通常生成する水のモル数の
1.0〜12倍が好適に用いられる。これらのイミド化
剤の添加順序はイミド化に特に影響することはないが、
閉環触媒であるトリアルキルアミン類又はピリジン誘導
体を先に添加するのが好ましい。該アミン類及び無水酢
酸のポリマー溶液への添加方法は、一括添加あるいは滴
下の何れの方法でも良い。
【0024】また、プレポリマー溶液に上記したイミド
化剤を添加あるいは無添加で、イミド化により生成する
水を除去するために、トルエンに代表される水と共沸す
る有機溶媒を添加し、130〜180℃、好ましくは1
50〜180℃でイミド化する方法を用いることもでき
る。
【0025】更に、溶液中でイミド化した物を単離後、
イミド化率を向上させるために70〜200℃で、好ま
しくは100〜180℃で熱処理することも可能であ
る。
【0026】本発明のブロック共重合体は、還元粘度が
0.1〜13.0dl/gの範囲にあることが好まし
く、特に好ましくは0.2〜6.0dl/gである。還
元粘度が13.0を越える場合には成形性に問題が生
じ、0.1未満の場合には力学的特性に劣ったものしか
得られない。
【0027】本発明のブロック共重合体は、イミド化率
が0.5以上であり、特に好ましくは0.8以上であ
る。イミド化率が0.5未満の場合には分子間架橋が起
こるため、またゴム的性能も劣るため好ましくない。
【0028】本発明のブロック共重合体には種々の充填
剤及び顔料を添加することができる。例えば、二酸化チ
タン、酸化ケイ素、カーボンブラック等が例示される。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0030】本発明のブロック共重合体の分析に用いた
分析機器及び方法について下記に示す。 (1)赤外線吸収スペクトルは、NICOLET製 5
DXC FT−IRを用い、分解能2cm−1、積算回
数100回の条件で行った。更に、日立製作所製IR2
30−30スペクトロフォトメータを併用した。 (2)H−NMRスペクトルは、日本電子製 JEO
LPMX−60NMRを用い、重水素化DMSOを溶媒
に用いて測定した。 (3)TGAは、セイコー電子工業製 TG−DTA2
00を用い、窒素気流中、昇温速度10℃/分で測定し
た。 (4)動的粘弾性測定は、(株)レオロジー製 DVE
−V4を用い、厚さ0.6mm、幅0.5mm、長さ1
5mmのプレスシートを用いて、昇温速度2℃/分、振
幅10ミクロン、周波数11.0Hzの条件で測定し
た。 (5)力学的特性(破断強度,破断伸び)の測定は、島
津製作所製オートグラフDCS−1000を用い、厚さ
0.6mmのプレスシートを用いて行った。 (6)硬度は、高分子計器製 マイクロゴム硬度計によ
り、厚さ1.0mmのプレスシートを用いて測定した。 (7)溶液粘度は、ウベローデ粘度計を用い、溶媒にN
−メチル−2−ピロリドンを用いて、濃度(C)0.0
25g/dlのポリマー溶液を調製し、30℃でポリマ
ー溶液の落下時間t及び溶媒の落下時間tの測定を行
い、下記式を用いて還元粘度を算出した。
【0031】ηred=(1−t/t)/C (8)イミド化率(Di)は、熱天秤測定(TGA)に
よる下記式 Di=(1−Wmax/Wt) (ここで、Wmaxは熱分解開始温度以下の領域での重
量損失(実測値)、Wtは100%イミド化が進行した
場合の重量損失(理論値)を表す)を用いて算出した。
【0032】参考例1 窒素導入管、温度計、滴下ロートを取り付けた500m
lの4口フラスコにスターラチップを入れ、窒素下でビ
フェニルテトラカルボン酸無水物(以下、BTCと略
す)12.587g(42.78ミリモル)、N−メチ
ルピロリドン(以下、NMPと略す)90mlを仕込ん
だ。窒素導入管を取り付け、スターラチップを入れた1
00mlの2口フラスコに窒素下でジアミノジフェニル
エーテル(以下、DADPEと略す)5.711g(2
8.52ミリモル)、NMP50mlを仕込み、DAD
PE溶液を調製した。室温でDADPE溶液をBTCス
ラリ−に45分かけて滴下し、滴下終了後2時間攪拌し
てポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸
H−NMRスペクトルを図2に示した。
【0033】参考例2 窒素導入管、温度計、滴下ロートを取り付けた500m
lの4口フラスコにスターラチップを入れ、窒素下でB
TC1.029g、NMP40mlを仕込んだ。窒素導
入管を取り付け、スターラチップを入れた100mlの
2口フラスコに窒素下でDADPE0.35g、NMP
50mlを仕込み、DADPE溶液を調製した。氷冷
下、DADPE溶液をBTCスラリ−に45分かけて滴
下し、滴下終了後2時間攪拌してポリアミック酸溶液を
得た。
【0034】実施例1 充分に乾燥した数平均分子量2620のポリテトラメチ
レングリコ−ルジアミン40.17gを1lの4口フラ
スコに仕込み、窒素中攪拌下、参考例1で得られたポリ
アミック酸溶液を4分割添加した。室温で12時間反応
させ、粘調な重合体溶液を得た。この反応溶液にピリジ
ン0.95g、無水酢酸0.61gを添加し、室温で1
6時間イミド化反応を行ない黄色のポリマー溶液を得
た。イミド化が進むにつれ溶液の粘度は若干低下した。
得られたポリマー溶液を1.5lの水に注ぎ、ポリマー
を単離した。常法によりポリマーを精製、乾燥して4
6.8g(収率85%)のエラストマー状ポリマーを得
た。
【0035】NMP中で測定した還元粘度は0.44で
あった。得られたポリマーの赤外線吸収スペクトルを図
4に示した。得られたポリマーを270℃で0.5mm
の厚さにプレス成形し、このプレスシートを用いて物性
測定を行った。得られたシートは透明であった。動的粘
弾性測定の結果を図3に示した。これより、本実施例で
得られたポリマーは非常に高い動的熱安定性を有するこ
とが分かる。また、硬度(A)は68と小さく、弾性率
は1.4×10dyn/cmであり、柔軟性に優れ
ていた。破断強度及び破断伸びは361kg/cm
550%であった。TGA分析による窒素下での熱分解
開始温度は300℃であり、イミド化率は0.95、ガ
ラス転移温度(Tg)は−81.1℃であった。小角X
線測定の結果、得られたポリマーはミクロ相分離構造を
示し、ドメイン周期は200オングストロームであっ
た。また赤外線吸収スペクトルの測定から、イミド環の
存在に起因する1720及び1775cm−1の吸収ピ
ークを確認した。
【0036】実施例2 充分に乾燥した数平均分子量4350のポリプロピレン
グリコ−ルジアミン32.85gを1lの4口フラスコ
に仕込み、窒素中攪拌下、参考例2で得られたポリアミ
ック酸溶液を4分割添加した。室温で18時間反応さ
せ、粘調な重合体溶液を得た。温度を100℃に上げ更
に2時間、130℃で2時間重合を行ない黄褐色のポリ
マー溶液を得た。この反応溶液にピリジン10.23g
及びトルエン50mlを添加し、180℃で16時間、
生成する水を共沸除去しながらイミド化反応を行ない黄
色のポリマー溶液を得た。イミド化が進むにつれ溶液の
粘度は若干低下した。得られたポリマー溶液を1.5l
の水に注ぎ、ポリマーを単離した。常法によりポリマー
を精製、乾燥して30.0g(収率74%)のエラスト
マー状ポリマーを得た。
【0037】NMP中で測定した還元粘度は0.35で
あった。得られたポリマーの赤外線吸収スペクトルか
ら、イミド環の存在に起因する1722及び1773c
−1の吸収ピーク確認した。得られたポリマーを27
0℃でプレス成形し、物性測定を行った。破断強度20
0kg/cm,破断伸び500%、硬度(A)67、
弾性率1.0×10dyn/cm、小角X線による
ミクロドメイン周期は170オングストロームであっ
た。TGA分析による窒素下での熱分解開始温度は25
0℃であり、イミド化率は0.90、ガラス転移温度
(Tg)は−69.0℃であった。
【0038】
【発明の効果】本発明のセグメント化ブロック共重合体
は、優れた柔軟性、透明性及び機械強度を有しており、
従来知られている熱可塑性エラストマーにはない高い耐
熱性を有する弾性材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において用いたポリテトラメチレング
リコールジアミンの赤外線吸収スペクトルを示す図であ
る。
【図2】参考例1において得られたポリアミック酸の
H−NMRスペクトルを示す図である。
【図3】実施例1において得られた本発明のブロック共
重合体の動的粘弾性測定の結果を示す図である。
【図4】実施例1において得られた本発明のブロック共
重合体の赤外線吸収スペクトルを示す図である。
【図5】実施例1において得られた本発明のブロック共
重合体のTGAを示す図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 (ここで、nは重合度を表す1〜85の整数であり、Z
    は炭素数6〜24の芳香族基を表し、Rは炭素数2〜2
    4の脂肪族又は芳香族基を表し、Gは平均分子量が50
    0〜5000のポリオキシアルキレン鎖を表す)で表さ
    れる繰り返し単位からなり、N−メチル−2−ピロリド
    ン中、30℃で測定した還元粘度が0.1〜13.0d
    l/gであり、イミド化率(Di)が0.5以上である
    セグメント化ブロック共重合体。
  2. 【請求項2】a.下記一般式(2) 【化2】 (ここで、Gは数平均分子量が500〜5000のポリ
    オキシアルキレン鎖を表す)で表されるポリオキシアル
    キレンジアミンと b.下記一般式(3) 【化3】 (ここで、Rは炭素数2〜24の脂肪族又は芳香族基を
    表す)で表される芳香族ジアミン及び下記一般式(4) 【化4】 (ここで、Zは炭素数6〜24の芳香族基を表す)で表
    される芳香族テトラカルボン酸無水物を反応させて得ら
    れる酸無水物基末端のポリアミック酸とを反応させて得
    られるブロック共重合体をイミド化することを特徴とす
    る請求項1に記載のセグメント化ブロック共重合体の製
    造方法。
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