JP3197731B2 - 電源回路及び増幅回路 - Google Patents

電源回路及び増幅回路

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JP3197731B2 JP00875594A JP875594A JP3197731B2 JP 3197731 B2 JP3197731 B2 JP 3197731B2 JP 00875594 A JP00875594 A JP 00875594A JP 875594 A JP875594 A JP 875594A JP 3197731 B2 JP3197731 B2 JP 3197731B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電源回路及び増幅回路に
関し、更に詳しく言えば、オーディオアンプの高効率化
のための電源回路及び増幅回路の改善を目的とする。
【0002】
【従来の技術】以下で、従来例に係るオーディオアンプ
について図9〜図14を参照しながら説明する。従来例
に係るオーディオアンプにおいては、その高効率化を図
ることが懸案であった。従来のオーディオアンプには、
図9に示すような回路が一般に用いられていた。この回
路は、最終段のトランジスタ(Q1,Q2)がプッシュ
プル回路を構成し、それらのベースに前段からのオーデ
ィオ信号を入力し、これを正電源(+Vcc),負電源
(−Vcc)からの電力で増幅してスピーカ(SP)を
駆動するようにしたものである。
【0003】このような回路構成では、最終段のトラン
ジスタ(Q1,Q2)は常に最大出力を取り出せる大き
さの電源電圧(+Vcc,−Vcc)で駆動されている
ため大レベルはもとより、小レベル入力時において、最
終段のトランジスタ(Q1,Q2)における大きな電力
損失が生じてしまうという欠点があった。そこで、この
ような問題を解決する回路として、図10に示すような
PWM(Pulse Width Modulation: パルス幅変調)アン
プが提案されている。この回路は、プリアンプからのオ
ーディオ信号をPWM回路(1)に入力して、そのオー
ディオ信号波形の各時点の信号レベルに応じたデューテ
ィを有するPWM信号を作成し、これで出力段のCMO
Sインバータを構成するMOS型トランジスタ(Q1
0,Q20)をスイッチング駆動して、正電源(+Vc
c),負電源(−Vcc)からスピーカ(SP)に電力
を供給するようにしたものである。
【0004】このような構成であれば、MOS型トラン
ジスタ(Q10,Q20)がスイッチング駆動されるた
め、効率の著しい改善を図ることができる。また、同じ
目的で図11に示すような回路も提案されている。この
回路は、プリアンプ(3)及び出力段のトランジスタ
(Q1,Q2)によって増幅されたオーディオ信号(以
下増幅信号と称する)の状態に応じてトランジスタ(Q
1,Q2)の電源電圧(+Vc,−Vc)を変化させる
回路であって、オフセット電源(4)で増幅信号に一定
のオフセット電圧を上乗せし、コンパレータ(7)の反
転入力部に入力したのちにコンパレータ(7)の出力に
よってチョッパ電源(8)を駆動することにより、図1
2に示すように、増幅信号に一定の電圧が上乗せされた
オフセット電圧に追従するような電源電圧を供給するこ
とができる。
【0005】従って、小レベル入力時には電源電圧(+
Vc,−Vc)を低下させ、大レベル入力時には電源電
圧(+Vc,−Vc)を上昇させることができるので、
小レベル入力時の最終段のトランジスタ(Q1,Q2)
における電力損失を抑制することができ、効率の向上を
図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
に係る図10の増幅回路によると、トランジスタ(Q
1,Q2)から出力されるPWM信号をオーディオ信号
に復調するために、スピーカ(SP)の手前にフィルタ
回路(2)が挿入される。このため、アンプの立ち上が
り速度(スルーレート)が遅く、オーディオ入力信号の
大振幅への急峻な立ち上がりには追従できず、また、P
WM信号のキャリア成分が完全に除去されずに、増幅回
路の出力からスピーカ(SP)に接続される信号線に乗
って周辺に輻射されてしまうので、周辺の機器などに電
波障害などの悪影響を及ぼすという問題が生じる。
【0007】さらに、図11に示すような回路による
と、増幅信号が急峻に立ち上がったようなときに、トラ
ンジスタ(Q1,Q2)への電力供給が追従できなくな
ってしまう。即ち図13に示すように、増幅信号を半波
クリップしてオフセットを加えたオフセット電圧にチョ
ッパ電源の出力を追従させるが、増幅信号がグランドレ
ベルを横切る時、急激な電圧変化が必要となる。この電
圧変化は増幅信号が大振幅になる程、また周波数が高い
程、急激になる。しかしチョッパ電源の出力にはチョー
クコイルとコンデンサによるフィルター回路があり、こ
れがオフセット電圧への追従性の限界を決定しているた
め、上記電圧変化が急激である場合、追従しきれず、結
果として図13中の歪みの時間帯(HT)でアンプの出
力がクリップしてしまう問題がある。
【0008】また、アンプの出力段のプッシュプルを構
成するトランジスタで、信号が振れている極性と反射側
のトランジスタ、例えば図11で増幅信号が負側に振れ
ているとき、Q1は殆ど電流を負荷に供給しない。この
時オフセット電圧は図13に示すように、極めて低い一
定電圧になる。しかしオーディオ信号が高周波な場合に
は、増幅信号がピークに成ったときにチョークコイルと
コンデンサに蓄えられたエネルギーの消費が間に合わ
ず、図14に示すように、増幅信号が反対側に振れても
チョッパ電源の出力には残留電圧が残る。この残留電圧
は増幅信号の周波数に依存するため、結果的に上記のH
Tの信号に対する位相は周波数に応じて変化する。
【0009】この様に従来の回路では増幅信号が急激に
変化するときに、チョッパ電源の電圧が追従しきれず、
増幅信号の周波数に応じた位相で増幅信号がクリップす
るという問題点があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の欠点
に鑑み成されたもので、図1に示すように、信号(Z
S)を出力する駆動対象(15)に電源電圧(+Vc)
を供給する電源回路であって、前記信号(ZS)の勾配
を検出し、前記勾配の位相を前記信号(ZS)の周波数
に応じて変化させて加工信号(KS)を生成し、オフセ
ット電圧生成部(12)に出力する勾配検出部(11)
と、前記加工信号(KS)と前記信号(ZS)と一定電
圧とを加算処理してオフセット電圧(Va)を生成し、
電圧供給部(18)に出力するオフセット電圧生成部
(12)と、前記オフセット電圧(Va)に追従する電
源電圧(+Vc)を前記駆動対象(15)に供給する電
圧供給部(18)を具備することを特徴とする電源回路
や、図2に示すように、入力信号(AS)を増幅し、増
幅信号(ZS)として出力する信号増幅部(15)と、
前記増幅信号(ZS)の勾配を検出し、前記勾配の位相
を前記増幅信号(ZS)の周波数に応じて変化させて加
工信号(KS)を生成し、オフセット電圧生成部(1
2)に出力する勾配検出部(11)と、前記加工信号
(KS)と前記増幅信号(ZS)と一定電圧とを加算処
理してオフセット電圧(Va)を生成し、電圧供給部
(18)に出力するオフセット電圧生成部(12)と、
前記オフセット電圧(Va)に追従する電源電圧(+V
c)を前記駆動対象(15)に供給する電圧供給部(1
8)を有することを特徴とする増幅回路によって、周辺
の機器などに電波障害などの悪影響を及ぼすことなく、
また、急峻なオーディオ信号の立ち上がりにもトランジ
スタ(Q1,Q2)への電力供給が追従しつつ、信号
(ZS)の状態に対応して高効率化がなされたオーディ
オアンプの提供を可能たらしめるものである。
【0011】
【作 用】本発明に係る第1の電源回路によれば、図1
に示すように、勾配検出部(11)と、オフセット電圧
生成部(12)と、電圧供給部(18)とを具備してい
る。すなわち、勾配検出部(11)によって駆動対象
(15)から出力される信号(ZS)の勾配が検出さ
れ、信号(ZS)の周波数に応じて検出された勾配の位
相が変化されて加工信号(KS)が生成され、オフセッ
ト電圧生成部(12)によって、加工信号(KS)と信
号(ZS)と一定電圧が加算処理されてオフセット電圧
(Va)が生成され、電圧供給部(18)によって、オ
フセット電圧(Va)に追従するような電源電圧(+V
c)が駆動対象(15)に供給される。
【0012】このため、検出された信号(ZS)の勾配
の位相を信号(ZS)の周波数に応じて変化させること
によってオフセット電圧(Va)を生成し、このような
オフセット電圧(Va)に追従するような電源電圧(+
Vc)を駆動対象(15)に供給することができるの
で、従来電源供給の追従が困難であった信号(ZS)の
変化が急峻な場合でも、余裕をもって信号(ZS)に追
従する電源電圧(+Vc)を駆動対象(15)に供給す
ることができ、信号(ZS)の状態に対応した、効率の
良い電源電圧の供給が可能になる。
【0013】また、本発明に係る第2の電源回路によれ
ば、本発明の第1の電源回路において、電圧供給部(1
8)が、駆動制御部(13)と電圧生成部(14)と帰
還回路(FB)とからなり、駆動制御部(13)がオフ
セット電圧(Va)と電源電圧(+Vc)とを比較処理
して電圧生成部(14)を駆動制御するコンパレータ
(13A,13B)を有し、電圧生成部(14)が駆動
対象(15)に電源電圧(+Vc)を供給するチョッパ
電源回路を有している。
【0014】このため、例えば電圧生成部(14)の出
力である電源電圧(+Vc)がオフセット電圧(Va)
よりも小さい場合は電源電圧(+Vc)が上昇し、逆に
電源電圧(+Vc)がオフセット電圧(Va)よりも大
きい場合には電源電圧(+Vc)が下降するというよう
に電源電圧の供給を、常にオフセット電圧(Va)に追
従するように制御することができる。
【0015】これにより、検出された勾配の位相を信号
(ZS)の周波数に応じて変化させることによって生成
されるオフセット電圧(Va)に追従するような電源電
圧(+Vc)を駆動対象(15)に供給することができ
るので、従来電源供給の追従が困難であった信号(Z
S)の変化が急峻な場合でも、余裕をもって信号(Z
S)に追従する電源電圧(+Vc)を駆動対象(15)
に供給することができ、信号(ZS)の状態に対応し
た、効率の良い電源電圧の供給が可能になる。
【0016】さらに、本発明に係る第3の電源回路によ
れば、本発明に係る第2の電源回路において、勾配検出
部(11)がCなる容量を有するコンデンサ(C)とR
なる抵抗値を有する抵抗(R)とが直列接続され、該接
続部が出力となり、コンデンサ(C)の他方の端子が入
力になることで構成される回路を有し、かつ f=1/(2πRC) なる値fが信号(ZS)の最大周波数の0.5倍以上2
倍以下の範囲になる条件を満たすような容量Cと抵抗値
Rを選択している。
【0017】このため、信号(ZS)が低周波の場合に
は加工信号(KS)が信号(ZS)の理想的な微分とな
り、例えば信号(ZS)が1kHzのときには勾配検出
された信号の位相が90°程度信号(ZS)からずれて
極めてレベルの小さい加工信号(KS)が生成される。
また、信号(ZS)が高周波のとき、例えば信号(Z
S)が20kHz程度のときには、信号(ZS)の勾配
を検出した信号の位相が45°程度信号(ZS)からず
れて比較的レベルの大きい加工信号(KS)が生成され
る。
【0018】これにより、信号(ZS)が低周波のとき
には、オフセット電圧に追従する電源電圧が信号(Z
S)に接触してしまう危険性の高い、信号(ZS)のグ
ランド近辺で加工信号(KS)の最大値をとるようにす
ることができる。しかし低周波の時は、電圧変化は比較
的ゆるやかであるため、電源電圧と信号の接触の危険性
は小さく、従って加工信号の最大値は小さくて良い。
【0019】また、信号(ZS)が高周波のときには、
オフセット電圧に追従する電源電圧が信号(ZS)に接
触してしまう危険性の高い、信号(ZS)の中幅近辺で
加工信号(KS)の最大値をとるようにすることができ
る。オフセット電圧(Va)は、上記のような加工信号
(KS)に基づいて生成されるので、信号(ZS)の周
波数の高低に係わらず、信号(ZS)が電源電圧に接触
して駆動対象への電源供給が追随出来なくなることを抑
止できるオフセット電圧(Va)を生成できる。
【0020】従って、検出された勾配の位相を信号(Z
S)の周波数に応じて変化させることによって生成され
るオフセット電圧(Va)に追従するような電源電圧
(+Vc)を駆動対象(15)に供給することができる
ので、従来電源供給の追従が困難であった信号(ZS)
の変化が急峻な場合でも、余裕をもって信号(ZS)に
追従する電源電圧(+Vc)を駆動対象(15)に供給
することができ、信号(ZS)の状態に柔軟に対応し
た、効率の良い電源電圧の供給が可能になる。
【0021】また、本発明に係る第1の増幅回路によれ
ば、図2に示すように信号増幅部(15)と、勾配検出
部(11)と、オフセット電圧生成部(12)と、駆動
制御部(13)と、電圧供給部(18)とを具備してい
る。すなわち、勾配検出部(11)によって信号増幅部
(15)から出力される増幅信号(ZS)の勾配が検出
され、増幅信号(ZS)の周波数に応じて検出された勾
配の位相が変化されて加工信号(KS)が生成され、オ
フセット電圧生成部(12)によって、加工信号(K
S)と増幅信号(ZS)と一定電圧が加算処理されてオ
フセット電圧(Va)が生成され、電圧供給部(18)
によって、オフセット電圧(Va)に追従するような電
源電圧(+Vc)が信号増幅部(15)に供給される。
【0022】このため、検出された増幅信号(ZS)の
勾配の位相を増幅信号(ZS)の周波数に応じて変化さ
せることによってオフセット電圧(Va)を生成し、こ
のようなオフセット電圧(Va)に追従するような電源
電圧(+Vc)を信号増幅部(15)に供給することが
できるので、従来電源供給の追従が困難であった増幅信
号(ZS)の変化が急峻な場合でも、余裕をもって増幅
信号(ZS)に追従する電源電圧(+Vc)を信号増幅
部(15)に供給することができ、増幅信号(ZS)の
状態に対応した、効率の良い電源電圧の供給が可能にな
る。
【0023】さらに、本発明に係る第2の増幅回路によ
れば、本発明の第1の増幅回路において、電圧供給部
(18)が、駆動制御部(13)と電圧生成部(14)
と帰還回路(FB)とからなり、駆動制御部(13)が
オフセット電圧(Va)と電源電圧(+Vc)とを比較
処理する第1のコンパレータ(13A)及び該第1のコ
ンパレータ(13A)の比較処理結果に基づいて電圧生
成部(14)を駆動制御する第2のコンパレータ(13
B)を有し、電圧生成部(14)が信号増幅部(15)
に電源電圧(+Vc)を供給するチョッパ増幅回路を有
している。
【0024】このため、例えば電圧生成部(14)の出
力である電源電圧(+Vc)がオフセット電圧(Va)
よりも小さい場合は電源電圧(+Vc)が上昇し、逆に
電源電圧(+Vc)がオフセット電圧(Va)よりも大
きい場合には電源電圧(+Vc)が下降するというよう
に電源電圧の供給を、常にオフセット電圧(Va)に追
従するように制御することができる。
【0025】これにより、検出された勾配の位相を増幅
信号(ZS)の周波数に応じて変化させることによって
生成されるオフセット電圧(Va)に追従するような電
源電圧(+Vc)を信号増幅部(15)に供給すること
ができるので、従来電源供給の追従が困難であった増幅
信号(ZS)の変化が急峻な場合でも、余裕をもって増
幅信号(ZS)に追従する電源電圧(+Vc)を信号増
幅部(15)に供給することができ、増幅信号(ZS)
の状態に対応した、効率の良い電源電圧の供給が可能に
なる。
【0026】また、本発明に係る第3の増幅回路によれ
ば、本発明に係る第2の増幅回路において、勾配検出部
(11)がCなる容量を有するコンデンサ(C)とRな
る抵抗値を有する抵抗(R)とが直列接続され、該接続
部が出力となり、コンデンサ(C)の他方の端子が入力
になることで構成される回路を有し、かつ f=1/(2πRC) なる値fが信号(ZS)の最大周波数の0.5倍以上2
倍以下の範囲になる条件を満たすような容量Cと抵抗値
Rを選択している。
【0027】このため、増幅信号(ZS)が低周波の場
合には加工信号(KS)が増幅信号(ZS)の理想的な
微分となり、例えば増幅信号(ZS)が1kHzのとき
には勾配検出された信号の位相が90°程度増幅信号
(ZS)からずれた極めてレベルの小さい加工信号(K
S)が生成される。また、増幅信号(ZS)が高周波の
とき、例えば増幅信号(ZS)が20kHz程度のとき
には、増幅信号(ZS)の勾配を検出した信号の位相が
45°程度増幅信号(ZS)からずれた比較的レベルの
大きい加工信号(KS)が生成される。
【0028】これにより、増幅信号(ZS)が低周波の
ときには、オフセット電圧に追従する電源電圧が増幅信
号(ZS)に接触してしまう危険性の高い、増幅信号
(ZS)のグランド近辺で加工信号(KS)の最大値を
とるようにすることができる。しかし低周波のときは、
電圧変化は比較的ゆるやかであるため、電源電圧と信号
の接触の危険性は小さく、従って加工信号の最大値は小
さくて良い。
【0029】また、増幅信号(ZS)が高周波のときに
は、オフセット電圧に追従する電源電圧が増幅信号(Z
S)に接触してしまう危険性の高い、増幅信号(ZS)
の中幅近辺で加工信号(KS)の最大値をとるようにす
ることができる。オフセット電圧(Va)は、上記のよ
うな加工信号(KS)に基づいて生成されるので、増幅
信号(ZS)の周波数の高低に係わらず、増幅信号(Z
S)が電源電圧に接触して信号増幅部への電源供給が追
随出来なくなることを抑止できるオフセット電圧(V
a)を生成できる。
【0030】従って、検出された勾配の位相を増幅信号
(ZS)の周波数に応じて変化させることによって生成
されるオフセット電圧(Va)に追従するような電源電
圧(+Vc)を信号増幅部(15)に供給することがで
きるので、従来電源供給の追従が困難であった増幅信号
(ZS)の変化が急峻な場合でも、余裕をもって増幅信
号(ZS)に追従する電源電圧(+Vc)を信号増幅部
(15)に供給することができ、増幅信号(ZS)の状
態に柔軟に対応した、効率の良い電源電圧の供給が可能
になる。
【0031】
【実施例】以下で本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。以下に本発明の実施例に係る電源回路
及び増幅回路について図3〜図8を参照しながら説明す
る。なお、本発明の実施例に係る電源回路は、本実施例
に係る増幅回路の一部であって、+側の電源回路(1
7)及び−側の電源回路(16)とからなる。
【0032】本発明の実施例に係る増幅回路は、高効率
を図ったオーディオアンプであって、図3に示すように
+側の電源回路(17)、−側の電源回路(16)、プ
リアンプ(15A)及びパワーアンプ(15B)からな
る。なお、本実施例においては、+側の電源回路(1
7)のみについて説明する。−側の電源回路(16)
は、+側と同様に構成されて、負電源(−Vcc)によ
って駆動され、その動作は+側と対称になっている。
【0033】+側の電源回路(17)は、図3に示すよ
うに、定電圧発生回路(10),勾配検出部(11),
オフセット電圧生成部(12),第1のコンパレータ
(13A),第2のコンパレータ(13B)及びチョッ
パ電源回路(14)からなり、信号増幅部の一例を構成
するパワーアンプ(15B)の最終段のトランジスタ
(TR11)のコレクタに係る電源電圧(+Vc)を供
給するものである。
【0034】定電圧発生回路(10)は、当該増幅回路
に必要な定電圧を発生する回路であって、例えば、第2
のコンパレータ(13B)の非反転入力部すなわちトラ
ンジスタ(TR142)のベースに一定電圧を供給して
いる。勾配検出部(11)は、コンデンサ(C),抵抗
(R)からなる微分回路(11A)と、トランジスタ
(TR110),抵抗(R111,R112)からなる
回路である。
【0035】その機能は、パワーアンプ(15B)から
出力された増幅信号(ZS)の勾配を微分回路(11
A)で検出し、増幅信号(ZS)の周波数に応じて増幅
信号(ZS)の勾配の位相を変化させて加工信号(K
S)を生成するものであって、更に詳しくいえば、微分
回路(11A)の出力に応じてトランジスタ(TR11
0)のベース電位が変動することでそのコレクタ電流が
変化し、その変化に応じてトランジスタ(TR110)
のコレクタに接続されたトランジスタ(TR121)の
ベース電位を変化させている。
【0036】具体的には、微分回路(11A)を構成す
る抵抗(R)の抵抗値であるRと、コンデンサ(C)の
容量であるCは、 f=1/(2πRC) なる値がオーディオ信号である増幅信号(ZS)の最大
周波数〔20kHz〕の0.5倍以上2倍以下の範囲、
すなわち10kHz〜40kHzの範囲になる条件を満
たすように設定されており、本実施例では f=20kHz なる値になるように、R,Cを設定している。その理由
について、以下で図5,図6を参照しながら簡単に説明
する。
【0037】図5に、図6に示すような一般的な微分回
路の入力信号の角周波数(ω)を変化させたときの出力
信号の位相と振幅の軌跡を示す。なお、図5において横
軸は実軸であり、縦軸は虚軸である。図6で、入力信号
(vi )の角周波数(ω)が、ω0 =(1/RC)なる
値をとるω0 に比して十分小さいとき、換言すれば f=1/(2πRC) なる値fが入力信号(vi )の最大周波数fmax に比し
て十分大きくなるような条件、具体的には5倍〜7倍程
度になる条件を満たすように微分回路のR,Cを設定し
たとき、出力信号(vo )の振幅すなわち図5における
原点からの距離は角周波数(ω)に比例し、位相のずれ
すなわち実軸からの角度は約90°となり、理想的な微
分に近くなる。この場合に、出力信号(vo )の、入力
信号(vi)に対する位相は殆ど周波数特性を持たな
い。従って出力信号(vo )の波形は入力信号(vi )
の周波数の高低によらず、常に入力信号(vi )と90
°ずれていることになる。
【0038】また、入力信号の角周波数(ω)が、ω0
〔ω0 =(1/RC)〕に近いとき、換言すれば f=1/(2πRC) なる値fが入力信号(vi )の最大周波数fmax に十分
近づくような条件、具体的には0.5倍〜2倍程度にな
る条件を満たすように微分回路のR,Cを設定したと
き、出力信号(vo )の振幅と、周波数との比例関係は
くずれ、位相は+90°よりも少なくなり、かつ周波数
依存性がでてくる。図5に示すように、丁度入力信号
(vi )の角周波数(ω)がω0 に一致すると、位相の
ずれは45°になる。
【0039】本実施例の勾配検出部(11)の微分回路
(11A)では、上述のとおり、 f=1/(2πRC) なる値がオーディオ信号の最大周波数20kHzに一致
するような条件をとっているので、例えば入力信号であ
る増幅信号(ZS)の周波数が1kHzのときには出力
信号である加工信号(KS)と増幅信号(ZS)との位
相のずれが+90°となり、10kHzのときには位相
のずれが+60°となる。また、20kHzのときには
位相のずれが+45°となる。
【0040】従って、加工信号(KS)と増幅信号(Z
S)との位相のずれ及び振幅が、増幅信号(ZS)の周
波数に応じて変化するので、増幅信号(ZS)の状態に
応じて柔軟に対応する加工信号(KS)を生成し、のち
にオフセット電圧(Va)を生成して、それに追従する
ように電源電圧(+Vc)を生成することで、増幅信号
(ZS)の状態に応じて柔軟に対応することができる。
その詳細については、のちに図7,図8を参照しながら
説明する。
【0041】オフセット電圧生成部(12)は、トラン
ジスタ(TR121,TR122),抵抗(R121〜
R124)からなる回路である。その機能は、パワーア
ンプ(15B)の出力である増幅信号(ZS)に一定電
圧を上乗せし、かつ上乗せされた増幅信号(ZS)と、
加工信号(KS)とを加算して第1のコンパレータ(1
3A)の非反転入力部に出力している。
【0042】詳述すれば、抵抗(R123,R124)
がトランジスタ(TR122)のベースに接続され、か
つ抵抗(R123)がコレクタに接続されてなるトラン
ジスタ回路によって、増幅信号(ZS)に一定電圧を上
乗せし、トランジスタ(TR110)のコレクタ電流の
変動に伴うトランジスタ(TR121)のベース電位の
変動分と、一定電圧が上乗せされた増幅信号(ZS)と
が加算された図3のA点の電位〔以下これをオフセット
電圧(Va)と称する〕を第1のコンパレータ(13
A)の非反転入力部であるトランジスタ(TR132)
のベースに出力している。
【0043】第1のコンパレータ(13A)及び第2の
コンパレータ(13B)は、駆動制御部(13)の一実
施例を構成するものである。第1のコンパレータ(13
A)は、トランジスタ(TR131〜TR133),抵
抗(R131〜R133)及びコンデンサ(C130)
からなる回路である。
【0044】その機能は、チョッパ電源回路(14)の
出力である電源電圧(+Vc)とオフセット電圧生成部
(12)からのオフセット電圧(Va)とを比較し、第
2のコンパレータ(13B)の動作制御をしている。更
に詳しく言えば、電源電圧(+Vc)よりもオフセット
電圧(Va)の方が低い場合にはトランジスタ(TR1
31),抵抗(R131,R132)及びコンデンサ
(C130)からなる定電流生成回路からの定電流がト
ランジスタ(TR132)に流れ、逆に電源電圧(+V
c)よりもオフセット電圧(Va)の方が高い場合に
は、定電流の殆どがトランジスタ(TR133)に流
れ、トランジスタ(TR133)のコレクタ電流でトラ
ンジスタ(TR141)のベース電圧を制御することで
第2のコンパレータ(13B)の駆動制御をしている。
【0045】第2のコンパレータ(13B)は、トラン
ジスタ(TR141,TR142),抵抗(R141,
R142)からなる回路である。その機能は、第1のコ
ンパレータ(13A)の出力信号と、定電圧発生回路
(10)の生成する定電圧とを比較し、その状態に応じ
てチョッパ電源(14)の動作制御をしており、具体的
には、第1のコンパレータ(13A)の出力信号に相当
するトランジスタ(TR133)のコレクタ電圧がトラ
ンジスタ(TR141)のベースに入力されるとトラン
ジスタ(TR141)が動作し、そのコレクタ電流によ
ってチョッパ電源(14)のドライブとなるトランジス
タ(TR151,TR152)の動作状態を制御してい
る。
【0046】チョッパ電源(14)は、電圧生成部の一
例であって、トランジスタ(TR151,TR15
2),MOS型トランジスタ(TR153),抵抗(R
151),コンデンサ(C151),ダイオード(D1
50)及びコイル(L151)からなる回路であって、
コンデンサ(C151)及びコイル(L151)はLP
F〔Low Pass Filter :低域通過フィルタ〕(14A)
を構成している。
【0047】その機能は、第2のコンパレータ(13
B)の駆動制御に基づいて、パワーアンプ(15B)の
最終段のトランジスタ(TR11)のコレクタに電源電
圧(+Vc)を供給している。以下で当該回路の動作に
ついて説明する。定電圧発生回路(10),勾配検出部
(11),オフセット電圧生成部(12),第1のコン
パレータ(13A),第2のコンパレータ(13B)及
びチョッパ電源回路(14)には既に当該回路を駆動す
るための正電源(+Vcc)が印加されているものとす
る。
【0048】まずプリアンプ(15A)にオーディオ信
号(AS)が入力され、パワーアンプ(15B)によっ
て増幅されて最終段のトランジスタ(TR11,TR1
2)によって増幅信号(ZS)としてスピーカ(SP)
に出力される。この増幅信号(ZS)は勾配検出部(1
1)の微分回路(11A)にも入力され、同時にオフセ
ット電圧生成部(12)のトランジスタ(TR122)
のベースに抵抗(R124)を介して入力される。
【0049】勾配検出部(11)のトランジスタ(TR
110)のベースには、増幅信号(ZS)がないときに
は定電圧発生回路(10)によって生成された定電圧が
印加されているが、そのエミッタ電位が0になっている
ため、コレクタ電流は流れない。増幅信号(ZS)が入
力されると、その信号波形が微分回路(11A)によっ
て増幅信号(ZS)の周波数に応じた位相に微分されて
加工信号(KS)が生成され、その加工信号(KS)に
応じてトランジスタ(TR110)のベース電位が変動
してそのコレクタ電流が変化する。
【0050】このとき、トランジスタ(TR110)の
ベース電位が、その動作基準値となるダイオード(D1
02)のアノード電位よりも低い部分においてはトラン
ジスタ(TR110)は遮断動作をするために、そのコ
レクタ電流の波形は、微分回路(11A)の出力である
加工信号(KS)をクリップした波形となる。例えば増
幅信号(ZS)の立ち上がり勾配が急峻なときには、微
分回路(11A)の出力が正側に大きく振れるため、ト
ランジスタ(TR110)のコレクタ電流もそれに応じ
て大きな値を示す。
【0051】一方、増幅信号(ZS)が立ち下がり勾配
のときには、微分回路(11A)の出力は負側に振れる
が、トランジスタ(TR110)のクリップ作用によ
り、このときコレクタ電流は流れない。トランジスタ
(TR110)のコレクタ電流が流れると、それまで定
電圧発生回路(10)によってそのベース電位が一定に
保たれることにより一定の直流電流をコレクタに流して
いたトランジスタ(TR121)のベース電位がトラン
ジスタ(TR110)のコレクタ電流の変動に応じて低
下し、その低下分だけトランジスタ(TR121)のコ
レクタ電流が増大し、その結果そのコレクタ電位である
点Aの電位が上昇する。
【0052】一方、増幅信号(ZS)は同時にオフセッ
ト電圧生成部(12)のトランジスタ(TR122)の
ベースに抵抗(R124)を介して入力されている。ト
ランジスタ(TR122)は、増幅信号(ZS)に応じ
てエミッタホロワ動作をするが、増幅信号(ZS)が負
側に振れる部分はコレクタが飽和するので、ベース及び
エミッタには、増幅信号(ZS)の負側がクリップされ
た波形が現れる。
【0053】トランジスタ(TR122)のエミッタに
は、抵抗(R122)を介して、トランジスタ(TR1
21)で作られる電流が流れ込む。トランジスタ(TR
122)のエミッタ電位はこの電流に依存しないが、抵
抗(R122)は、電流に応じて電位差を生ずるので、
点Aの電位はトランジスタ(TR122)のエミッタ電
位に、抵抗(R122)によって生じる電位差が加算さ
れた値となる。
【0054】トランジスタ(TR121)のコレクタ電
流は、本来は定電圧発生回路(10)で生成される直流
電圧から、直流電流が作られるため、点Aの電位の波形
はトランジスタ(TR122)のエミッタに現れるクリ
ップ波形が一定電圧にシフトされた波形となる。しか
し、増幅信号(ZS)に急峻な立ち上がり勾配がある
と、上記の勾配検出部(11)の動作により、トランジ
スタ(TR121)のコレクタ電圧が増大するので、結
果的に点Aの電位すなわちオフセット電圧(Va)は、 1)増幅信号(ZS)のクリップ波形 2)一定の直流電圧 3)微分回路(11A)から出力される加工信号(K
S)のクリップ波形 が各々加算された波形になる。こうして生成されたオフ
セット電圧(Va)が第1のコンパレータ(13A)の
非反転入力部であるトランジスタ(TR132)のベー
スに印加される。
【0055】また、第1のコンパレータ(13A)の反
転入力部であるトランジスタ(TR133)のベースに
は、チョッパ電源(14)の出力電位すなわち電源電圧
(+Vc)が入力される。よって、第1のコンパレータ
(13A)によってオフセット電圧(Va)と、チョッ
パ電源(14)の出力である電源電圧(+Vc)との比
較処理がなされるわけであるが、それ以降の動作につい
ては、 (i) オフセット電圧(Va)が電源電圧(+Vc)より
も大きい場合 (ii)オフセット電圧(Va)が電源電圧(+Vc)より
も小さい場合 の2つの場合について動作が異なるので、各々の場合に
ついて以下で説明する。
【0056】(i) オフセット電圧(Va)が電源電圧
(+Vc)よりも大きい場合 この場合には、トランジスタ(TR132)のベース電
位がトランジスタ(TR133)のベース電位よりも高
いので、トランジスタ(TR132)はOFFされ、ト
ランジスタ(TR133)がONされる。すると、トラ
ンジスタ(TR133)のコレクタ電流によってトラン
ジスタ(TR141)のベース電位が上昇してトランジ
スタ(TR141)がONされ、トランジスタ(TR1
42)はOFFされる。
【0057】トランジスタ(TR141)がONされて
コレクタ電流が流れることにとってチョッパ電源(1
4)のドライバを構成するトランジスタ(TR151,
TR152)のベース電位が低下し、MOS型トランジ
スタ(TR153)のゲートにはローレベルの電圧が出
力される。MOS型トランジスタ(TR153)はpチ
ャネルなので、ローレベルによってONされ、LPF
(14A)の出力である電源電圧(+Vc)はオフセッ
ト電圧(Va)に追従するように上昇し始め、やがて
は、オフセット電圧(Va)を上回るまでに至る。
【0058】(ii)オフセット電圧(Va)がチョッパ電
源(14)の出力である電源電圧(+Vc)よりも小さ
い場合 この場合には、トランジスタ(TR132)のベース電
位がトランジスタ(TR133)のベース電位よりも低
いので、トランジスタ(TR132)はONされ、トラ
ンジスタ(TR133)がOFFされる。
【0059】すると、トランジスタ(TR133)のコ
レクタ電流が流れなくなるため、トランジスタ(TR1
41)のベース電位が低下してトランジスタ(TR14
1)がOFFされ、トランジスタ(TR142)はON
される。トランジスタ(TR141)がOFFされてそ
のコレクタ電流が遮断されることにとってチョッパ電源
(14)のドライバを構成するトランジスタ(TR15
1,TR152)のベース電位が上昇し、MOS型トラ
ンジスタ(TR153)のゲートにはハイレベルの電圧
が出力される。
【0060】ハイレベルの電圧がMOS型トランジスタ
(TR153)のゲートに出力されることによってMO
S型トランジスタ(TR153)がOFFされ、その結
果LPF(14A)の出力である電源電圧(+Vc)は
下降を始める。この場合、時間の経過とともに電源電圧
(+Vc)は接地電位へと低下していくが、常に第1の
コンパレータ(13A)によって電源電圧(+Vc)と
オフセット電圧(Va)との比較がなされており、電源
電圧(+Vc)がオフセット電圧(Va)を下回ると、
上記の(i) の状態になるので、再びMOS型トランジス
タ(TR153)がONし、電源電圧(+Vc)は上昇
を始める。
【0061】すなわち、当該回路は、上記の(i) ,(ii)
の動作を常時繰り返すことにより、常に電源電圧(+V
c)がオフセット電圧(Va)に追従するように動作し
ている。なお、上記の図3の回路は図4に示すように概
念的に把握することができる。すなわち、本実施例に係
る増幅回路によれば、パワーアンプ(15B)の出力で
ある増幅信号(ZS)が勾配検出部(11)によって微
分されて出力され、オフセット電圧生成部によって増幅
信号(ZS)に一定電圧が上乗せされ、加算回路によっ
て増幅信号(ZS)の微分と一定電圧が上乗せされた増
幅信号(ZS)との和であるオフセット電圧(Va)が
生成され、第1のコンパレータ(13A)によってチョ
ッパ電源(14)の出力である電源電圧(+Vc)とオ
フセット電圧(Va)とが比較処理され、その比較処理
結果に基づいて、第2のコンパレータ(13A)及びチ
ョッパ電源(14)が、電源電圧(+Vc)がオフセッ
ト電圧(Va)に追従するように動作するものである。
【0062】以上説明したように、当該回路は常に増幅
信号(ZS)に一定電圧が上乗せされた電圧と、加工信
号(KS)の微分の和であるオフセット電圧(Va)
に、パワーアンプ(15B)の最終段のトランジスタ
(TR11)のコレクタに印加される電源電圧(+V
c)が追従するように動作している。すなわち、増幅信
号(ZS)が例えば1kHz程度の低周波のときには、
図7に示すように勾配検出部(11)によって生成され
る加工信号(KS)と、もとの増幅信号(ZS)との位
相のずれ量(δ)が90°となり、理想的な微分波形に
なる。
【0063】従って、この場合には、増幅信号(ZS)
の変化が急峻なとき、すなわち勾配が最大なときに加工
信号(KS)が最大になり、この加工信号(KS)と、
一定電圧が上乗された増幅信号(ZS)とがオフセット
電圧生成部(12)によって加算処理されることでオフ
セット電圧(Va)が生成される。よって、図7の最下
段のグラフに示すように、このように生成されたオフセ
ット電圧(Va)に追従するように電源電圧(+Vc)
が生成されるので、電源電圧(+Vc)の波形と増幅信
号(ZS)の波形とが増幅信号(ZS)の勾配の最大値
付近で接触してアンプの出力がクリップし、増幅信号
(ZS)が歪んでしまうことを抑止することが可能にな
る。
【0064】また、増幅信号(ZS)が例えば20kH
z程度の高周波のときには、図8に示すように勾配検出
部(11)によって生成される加工信号(KS)と、も
との増幅信号(ZS)との位相のずれ量(δ)が45°
となり、理想的な微分波形から外れる。従って、この場
合には、増幅信号(ZS)が最大値をとる付近の範囲で
加工信号(KS)が最大になり、この加工信号(KS)
と、一定電圧が上乗された増幅信号(ZS)とがオフセ
ット電圧生成部(12)によって加算処理されることで
オフセット電圧(Va)が生成される。
【0065】よって、図8の最下段のグラフに示すよう
に、オフセット電圧(Va)と、チョッパ電源(14)
のコンデンサ(C151)に常時電荷が保持されている
ことによって生じる直流成分である残留電圧とが加算さ
れた電圧に追従するように電源電圧(+Vc)が生成さ
れるので、電源電圧(+Vc)の波形と増幅信号(Z
S)の波形とが増幅信号(ZS)の最大値付近で接触し
てアンプの出力がクリップし、増幅信号(ZS)が歪ん
でしまうことを抑止することが可能になる。
【0066】このため、増幅信号(ZS)の周波数に応
じて加工信号(KS)と増幅信号(ZS)との位相のず
れ量(δ)を変化させることができるので、特に増幅信
号(ZS)が高周波のときには残留電圧の影響を考慮し
て増幅信号(ZS)の最大値付近で増幅信号(ZS)と
電源電圧(+Vc)とが接触することを避けることがで
き、増幅信号(ZS)の周波数に応じて柔軟に対応する
ことができる。
【0067】これにより、電源電圧(+Vc)の供給が
増幅信号(ZS)の変化に余裕をもって追従でき、増幅
信号(ZS)の周波数などの状態に柔軟に対応でき、か
つ従来生じていたアンプの出力のクリップを抑止して当
該オーディオアンプの高効率化を図ることが可能とな
る。また、図10に示すような回路を用いていないの
で、PWM信号をオーディオ信号に復調する際に、PW
M信号のキャリア成分が完全に除去されないことで生じ
ていた周辺の機器などへの電波障害などの悪影響を抑止
しつつ高効率化を図ることも可能となる。
【0068】なお、本実施例に係る増幅回路と同様の目
的で提案された回路として、増幅信号に追従して電源電
圧に一定のオフセット電圧がかかるようにチョッパ電源
を駆動し、かつ増幅信号が急峻に変化して電力供給が追
従できないようなときには、チョッパ電源とは別の補助
電源路を用いて当該回路を駆動して増幅信号の急峻な変
化に電力供給を追従させるような回路も提案されている
(特開平4−372212)。
【0069】この回路によると、高域,大振幅の増幅信
号が頻繁に出力されるような場合は、頻繁に補助電源路
を動作させなければならないので、これが高効率でない
ために効率の低下が大きくなる。しかし、本実施例に係
る増幅回路によれば、電源としては高効率なチョッパ電
源(14)のみを用いて、しかも増幅信号が急峻に変化
するような場合でも、電力供給が追従でき、高域,大振
幅の増幅信号が頻繁に出力されるような場合でもその効
率を低下させることがなく、その点でも有効である。
【0070】ところで、本実施例では上述したように、
+側の電源回路(17)と−側の電源回路(16)から
なる本発明の実施例に係る電源回路を増幅回路の一部と
して説明しているが、本発明の電源回路はこれに限ら
ず、例えばモータの駆動用電源であるとか、テレビの垂
直偏向回路の駆動用電源など、ある一定の信号を出力す
るような対象を駆動する電源回路に適用しても、同様の
効果を奏する。
【0071】なお、本実施例では、 f=1/(2πRC) なる値がオーディオ信号の最大周波数である20kHz
になるように設定しているが、本発明はこれに限らず、
上述のfの範囲がオーディオ信号の最大周波数の0.5
倍以上2倍以下の範囲、すなわち10kHz〜40kH
zの範囲になるように設定しておけば、ほぼ同様の効果
を奏する。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電源
回路によれば、勾配検出部(11)と、オフセット電圧
生成部(12)と、電圧供給部(18)とを具備してい
る。このため、検出された信号(ZS)の勾配の位相を
信号(ZS)の周波数に応じて変化させたのちに生成さ
れるオフセット電圧(Va)に追従するような電源電圧
(+Vc)を駆動対象(15)に供給することができる
ので、従来電源供給の追従が困難であった信号(ZS)
の変化が急峻な場合でも、余裕をもって信号(ZS)に
追従する電源電圧(+Vc)を駆動対象(15)に供給
することができ、信号(ZS)の状態により柔軟に対応
した、効率の良い電源電圧の供給が可能になる。
【0073】また、本発明に係る増幅回路によれば、勾
配検出部(11)と、オフセット電圧生成部(12)
と、電圧供給部(18)とを具備する本発明に係る電源
回路と信号増幅部(15)とを有するので、本発明に係
る電源回路と同様にして、従来電源供給の追従が困難で
あった増幅信号(ZS)の変化が急峻な場合でも、余裕
をもって増幅信号(ZS)に追従する電源電圧(+V
c)を信号増幅部(15)に供給することができ、増幅
信号(ZS)の状態に対応した、効率の良い電源電圧の
供給が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電源回路の原理図である。
【図2】本発明に係る増幅回路の原理図である。
【図3】本発明の実施例に係る増幅回路の回路図であ
る。
【図4】本発明の実施例に係る増幅回路を機能的に説明
する構成図である。
【図5】本発明の実施例に係る増幅回路の作用効果を説
明する第1の図である。
【図6】本発明の実施例に係る増幅回路の作用効果を説
明する第2の図である。
【図7】本発明の実施例に係る増幅回路の作用効果を説
明する第3の図である。
【図8】本発明の実施例に係る増幅回路の作用効果を説
明する第4の図である。
【図9】従来例に係る増幅回路を説明する第1の回路図
である。
【図10】従来例に係る増幅回路を説明する第2の回路
図である。
【図11】従来例に係る増幅回路を説明する第3の回路
図である。
【図12】従来例に係る増幅回路の動作を説明するグラ
フである。
【図13】従来例に係る増幅回路の問題点を説明する第
1のグラフである。
【図14】従来例に係る増幅回路の問題点を説明する第
2のグラフである。
【符号の説明】
(10) 定電圧発生回路 (11) 勾配検出部 (11A)微分回路 (12) オフセット電圧生成部 (13) 駆動制御部 (13A)第1のコンパレータ (13B)第2のコンパレータ (14) 電圧生成部〔チョッパ電源〕 (14A)LPF (15) 信号増幅部〔駆動対象〕 (15A)プリアンプ (15B)パワーアンプ (16) −側の電源回路 (17) +側の電源回路 (18) 電圧供給部 (20) 支持基板 (SP) スピーカ (Va) オフセット電圧 (+Vcc)正電源 (+Vc) 電源電圧 (AS) オーディオ信号〔入力信号〕 (KS) 加工信号 (ZS) 増幅信号〔信号〕
フロントページの続き (72)発明者 上野 聖和 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−10715(JP,A) 特開 昭56−42407(JP,A) 特開 昭57−184308(JP,A) 特開 昭57−212811(JP,A) 特開 昭58−84509(JP,A) 特開 昭58−151710(JP,A) 特開 昭59−135909(JP,A) 特開 昭62−9279(JP,A) 特開 平4−372212(JP,A) 特開 平7−74548(JP,A) 実開 昭52−116141(JP,U) 実開 昭61−5013(JP,U) 実開 昭61−26316(JP,U) 米国特許4626767(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05F 1/00 - 1/70 H03F 1/00 - 1/56 H03F 3/00 - 3/44 H03F 3/50 - 3/52 PCI(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力される信号を出力する駆動対象に電
    源電圧を供給する電源回路であって、 f=1/(2πRC) なる値fが前記入力される信号の最大周波数の0.5倍
    以上2倍以下の範囲になる条件を満たすCなる容量を有
    するコンデンサ及びRなる抵抗値を有する抵抗とを有
    し、前記コンデンサと抵抗とが直列に接続されてなる微
    分回路を備え、前記入力される信号を前記微分回路で微
    分することによって、前記入力される信号の勾配の大き
    さに応じた勾配検出出力の位相を前記入力される信号の
    周波数に応じて変化させて加工信号を生成し、オフセッ
    ト電圧生成部に出力する勾配検出部と、 前記加工信号、前記入力される信号および一定な電圧と
    を加算処理してオフセット電圧を生成し、電圧供給部に
    出力するオフセット電圧生成部と、 前記オフセット電圧に追従する電源電圧を前記駆動対象
    に供給する電圧供給部を具備し、 前記電圧供給部は、駆動制御部と電圧生成部と前記電源
    電圧を前記駆動制御部に帰還させる帰還回路とを有し、 前記駆動制御部は前記オフセット電圧と電源電圧とを比
    較処理して前記電圧生成部を駆動制御するコンパレータ
    を有し、 前記電圧生成部は前記駆動対象に電源電圧を供給するチ
    ョッパ電源回路を有することを特徴とする電源回路。
  2. 【請求項2】 入力信号を増幅し、入力される信号とし
    て出力する信号増幅部と、 f=1/(2πRC) なる値fが前記信号の最大周波数の0.5倍以上2倍以
    下の範囲になる条件を満たすCなる容量を有するコンデ
    ンサ及びRなる抵抗値を有する抵抗とを有し、前記コン
    デンサと抵抗とが直列に接続されてなる微分回路を備
    え、前記入力される信号を前記微分回路で微分すること
    によって、前記入力される信号の勾配の大きさに応じた
    勾配検出出力の位相を前記入力される信号の周波数に応
    じて変化させて加工信号を生成し、オフセット電圧生成
    部に出力する勾配検出部と、 前記加工信号、前記入力される信号および一定な電圧と
    を加算処理してオフセット電圧を生成し、電圧供給部に
    出力するオフセット電圧生成部と、 前記オフセット電圧に追従する電源電圧を前記駆動対象
    に供給する電圧供給部を具備し、 前記電圧供給部は、駆動制御部と電圧生成部と前記電源
    電圧を前記駆動制御部に帰還させる帰還回路とを有し、 前記駆動制御部は前記オフセット電圧と電源電圧とを比
    較処理して前記電圧生成部を駆動制御するコンパレータ
    を有し、 前記電圧生成部は前記駆動対象に電源電圧を供給するチ
    ョッパ電源回路を有することを特徴とする増幅回路。
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