JP3196912U - 着用具およびパイルアンドフック - Google Patents
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Abstract
【課題】緩みが生じた部分を緩みのない状態で拘束して、この部分に着心地を悪くするしわが生じることを抑えることが可能な着用具の提供。【解決手段】パンツ10(着用具)は、着用者90の着用部位を輪状に取り巻く取り巻き部分10Aと、取り巻き部分10Aに沿ってその輪を縮める弾発力を生む平ゴム11(第1の弾性帯)とを備える。また、パンツ10は、平ゴム11において着用部位とは反対側に突出され、柔軟なパイルが突出したB面に硬質の係止突起21Aが突出したA面21を貼り付ける面ファスナーであるパイルアンドフック20のA面21を貼り付け可能とするパイル組織12を備える。【選択図】図8
Description
本考案は、着用者が所定の着用部位に着用する着用具、および、この着用具に貼り付けることが可能なパイルアンドフックに関する。
例えばパンツあるいはスカートなどの下半身に着用される着用具には、着用者のウエストを取り巻く輪状の部分をゴムひもで締めることで、着用具の脱げ落ちを抑える構成が備えられたものがある。このような着用具は、長期間使用しているとゴムひもに破断あるいは伸びによる緩みが生じることで、脱げ落ちやすくなるとともに着心地が悪くなるため、その都度着用具のゴムひもあるいは着用具全体を新しいものに交換する必要があるものである。
ゴムひもなどを有する弾性帯により脱げ落ちが抑えられる着用具を長期間着心地よく使用できるようにする技術としては、例えば下記の特許文献1に記載された技術が従来から知られている。この技術は、下半身に着用される着用具であるズボン下のウエスト部分に、追加でゴムひも入りの弾性帯を着脱自在に取り付けるものである。この技術によれば、追加の弾性帯がウエスト部分を緊縮させる作用により、ズボン下の着心地をよくすることができる。
しかし、上記特許文献1に記載された技術では、下半身に着用される着用具であるズボン下のウエスト部分の2個所に縫い付けられたボタンに掛け渡されることで追加の弾性帯が取り付けられる。このため、上記特許文献1の技術においては、緩みが生じているズボン下のウエスト部分が追加の弾性帯により緊縮されると、この追加の弾性帯により緊縮されるズボン下のウエスト部分にしわが生じて、ズボン下の着心地が悪くなるという問題が発生していた。
本考案は、追加の帯により緩みをなくして着心地を向上させる着用具において、着用具において緩みが生じた部分を緩みのない状態で拘束することで、この部分に着用具の着心地を悪くするしわが生じることを抑えることを可能とするものである。
上記課題を解決するために、本考案の着用具およびパイルアンドフックは以下の手段をとる。
まず、第1の考案は、着用者が所定の着用部位に着用する着用具である。この着用具は、着用者の着用部位を輪状に取り巻く取り巻き部分を備えている。また、上記着用具は、上記取り巻き部分に沿うように設けられて、この取り巻き部分の輪を縮めるように弾発力を発生させる第1の弾性帯を備えている。また、上記着用具は、上記第1の弾性帯において着用部位とは反対側となる面から突出されることで、この面にパイルアンドフックにおけるA面を貼り付けることを可能とするパイル組織を備えている。ここで、パイルアンドフックは、比較的柔軟なパイルが突出されるB面に比較的硬質の係止突起が突出されるA面を貼り付ける面ファスナーである。
この第1の考案によれば、着用者の着用部位を取り巻く取り巻き部分の輪を縮める第1の弾性帯の弾発力により、着用具の着心地が向上される。また、上記第1の考案によれば、第1の弾性帯に緩みが生じた場合に、この緩みが生じた部分をパイルアンドフックの貼り付けにより緩みのない状態で拘束することで、この部分に着用具の着心地を悪くするしわが生じることを抑えることができる。また、上記第1の考案によれば、パイルアンドフックの貼り付けに必要な係止突起を着用具に設けることなく、この着用具にパイルアンドフックを貼り付けることが可能となる。これにより、パイルアンドフックを貼り付けない状態で使用する場合に、このパイルアンドフックの貼り付けに必要な係止突起からの硬い感触をなくして、この硬い感触による着用具の着心地の悪化がなくされた着用具を提供することができる。
ついで、第2の考案は、上述した第1の考案の着用具における第1の弾性帯に貼り付けることが可能なA面を有するパイルアンドフックである。このパイルアンドフックは、伸ばした状態で着用具の第1の弾性帯に沿うように被せて配設することが可能な帯として形成され、かつ、伸ばした状態で第1の弾性帯に沿うように被せて配設された場合には、この第1の弾性帯の伸びに抵抗するように弾発力を発生させる第2の弾性帯を備えている。また、上記パイルアンドフックは、上記第2の弾性帯の片面から突出されて、この面の全体を着用具における第1の弾性帯のパイル組織に貼り付け可能なA面とする係止突起を備えている。
この第2の考案のパイルアンドフックによれば、上述した着用具において第1の弾性帯が緩んでその弾発力が不足する場合に、この第1の弾性帯に沿って伸ばした状態の第2の弾性帯を被せて配設し、その弾発力により上記第1の弾性帯の弾発力を補うことができる。また、上記第2の考案によれば、第2の弾性帯において係止突起が備えられる片面全体を上記着用具の第1の弾性帯に貼り付けることで、比較的硬質なパイルアンドフックの係止突起を上記着用具と上記第2の弾性帯の間のみに位置させることができる。これにより、着用者に上記係止突起の硬い感触を与えにくくして、この硬い感触による着用具の着心地の悪化を抑えることができる。
さらに、第3の考案は、上述した第1の考案であって、上記取り巻き部分において上記第1の弾性帯に沿う部分から取り巻き部分の輪の幅方向に延長されて、上記第1の弾性帯および上記パイル組織に覆い被せることが可能な延長部分を備えているものである。
この第3の考案によれば、比較的硬質の係止突起を有するA面側のパイルアンドフックが貼り付けられた状態の着用具を使用する場合に、上記A面側のパイルアンドフックに着用具の延長部分を覆い被せて、着用者と上記係止突起との直接接触を抑えることができる。これにより、着用者に上記係止突起の硬い感触が与えられにくくされて、この硬い感触による着心地の悪化が抑えられた着用具を提供することができる。
さらに、第4の考案は、上述した第3の考案であって、上記延長部分を上記第1の弾性帯および上記パイル組織に覆い被せられた状態に留めることが可能なファスナーを備えているものである。
この第4の考案によれば、上述したA面側のパイルアンドフックに覆い被せられた延長部分をファスナーにより留めることで、この延長部分がめくれ上がって着用者と上記係止突起とが直接接触されうる状態となることを抑えることができる。これにより、着用者に上記係止突起の硬い感触がより与えられにくくされて、この硬い感触による着心地の悪化がさらに抑えられた着用具を提供することができる。
以下に、本考案を実施するための形態について、図面を用いて説明する。なお、以下においては、パンツ10(図1参照)の各構成を縫い合わせる縫い糸などの付随的な構成について、その図示および詳細な説明を省略する。
始めに、第1の実施形態にかかる着用具であるパンツ10の構成について、図1ないし図4を用いて説明する。このパンツ10は、図1に示すように、着用者90の腰90Aを着用部位として、この腰90Aを覆った状態に着用されるパンツである。このパンツ10は、図1および図2に示すように、着用時に腰90Aを覆う身頃の上部が、この腰90Aを輪状に取り巻く取り巻き部分10Aとして形成されている。
また、パンツ10には、その取り巻き部分10Aの輪の上縁全周に沿って、繊維で覆われた帯状のゴムひもである平ゴム11が縫い付けられて設けられている。この平ゴム11は、着用者90の腰90Aを取り巻く取り巻き部分10Aの輪を縮めるように弾発力を発生させることで、パンツ10の脱げ落ちを抑えるとともに、このパンツ10の着心地を向上させるようになっている。すなわち、平ゴム11は、本考案における「第1の弾性帯」に相当する。
平ゴム11は、図1ないし図4に示すように、パンツ10の着用時に外側(すなわち腰90Aとは反対側)となる面(図2参照)がパイル組織12で覆われた構成となっている。このパイル組織12は、繊維からなる多数のループ12Aを外側(図4で見て上側)に突出させることで、平ゴム11の外側の面に後述するパイルアンドフック80のA面81を貼り付ける(図4参照)ことができるようになっている。
ここで、パイルアンドフック80は、図4に示すように、プラスチック製の帯として形成されたベース80Aの片面全体を、パイル組織12のループ12Aよりも硬いプラスチック製の係止突起81Aが多数突出されるA面81としたパイルアンドフックである。この構成により、パイルアンドフック80は、係止突起81Aよりも柔軟なパイルが突出されるB面を有するパイルアンドフック(図示省略)に対して、このパイルアンドフックのB面にA面81を貼り付ける面ファスナーとして機能される。なお、図4においては、各係止突起81Aは二又に分岐されたかぎ形状に形成されているが、この各係止突起81Aの形状は、例えば線材の先端を半球形または球形とした形状、あるいは、分岐のない釣り針状のかぎ形状など、適宜変更することができるものである。
上述した各構成によれば、図3および図4に示すように、パンツ10の平ゴム11が破断して局所的に緩んだ破断部分11Aが生じた場合に、この破断部分11Aをパイルアンドフック80の貼り付けにより緩みのない状態で拘束することができる。これにより、パンツ10において、平ゴム11が破断することによる着心地の悪化を抑えながら、その破断部分11Aにパンツ10の着心地を悪くするしわが生じることを抑えることができる。また、上記各構成によれば、パイルアンドフック80の貼り付けに必要な係止突起をパンツ10に設けることなく、このパンツ10にパイルアンドフック80を貼り付けることが可能となる。これにより、パイルアンドフック80を貼り付けない状態で使用する場合に、このパイルアンドフック80の貼り付けに必要な係止突起81Aからの硬い感触をなくして、この硬い感触による着心地の悪化がなくされたパンツ10を提供することができる。
続いて、本考案の一実施形態にかかるパイルアンドフック20の構成について、図5ないし図8を用いて説明する。このパイルアンドフック20は、図7に示すように、パンツ10の平ゴム11を外側から取り巻くことができる長尺の帯状に形成されたパイルアンドフックである。
パイルアンドフック20は、図5および図6に示すように、表面部分が伸縮可能な編み物とされたゴムひもであって、パイルアンドフック20の全体形状に対応する長尺の帯状に形成された平ゴム22を備えている。この平ゴム22は、図7に示すように、伸ばした状態でパンツ10の平ゴム11に沿うように被せて配設することが可能な帯として形成されている。そして、平ゴム22は、伸ばした状態でパンツ10の平ゴム11に沿うように被せて配設された場合に、この平ゴム11の伸縮に応じて伸縮されて、平ゴム11の伸びに抵抗するように弾発力を発生させることができるようになっている。すなわち、平ゴム22は、本考案における「第2の弾性帯」に相当する。
また、平ゴム22は、図6に示すように、その片面全体が、パンツ10におけるパイル組織12のループ12A(図8参照)よりも硬いプラスチック製の係止突起21Aを多数突出させたA面21とされている。この構成により、パイルアンドフック20は、係止突起21Aよりも柔軟なパイルが突出されるB面を有するパイルアンドフック(図示省略)に対して、このパイルアンドフックのB面にA面21を貼り付ける面ファスナーとして機能することができる。そして、パイルアンドフック20は、図7および図8に示すように、そのA面21をパンツ10のパイル組織12に貼り付けることが可能とされる。なお、パイルアンドフック20の各係止突起21Aは、図6および図8に示すように、平ゴム22の表面部分を構成する伸縮可能な編み物をベース20Aとして、このベース20Aから突出される。
上述した各構成によれば、パンツ10の平ゴム11が緩んでその弾発力が不足する場合に、この平ゴム11に沿って伸ばした状態の平ゴム22を被せて配設して、その弾発力により平ゴム11の弾発力を補うことができる。また、平ゴム22において各係止突起21Aが備えられる片面全体をパンツ10の平ゴム11に貼り付けることで、比較的硬質なパイルアンドフック20の各係止突起21Aをパンツ10と平ゴム22の間のみに位置させることができる。これにより、パンツ10の着用者90(図8参照)に各係止突起21Aの硬い感触を与えにくくして、この硬い感触によるパンツ10の着心地の悪化を抑えることができる。
ところで、パイルアンドフック20の平ゴム22は、図8に示すように、その幅20Bがパンツ10の平ゴム11の幅11Bよりも狭くなる(例えば幅11Bが4[cm]である場合に幅20Bを3[cm]とする)ように形成されている。この構成によれば、パンツ10の平ゴム11に対するパイルアンドフック20のA面21の貼り付け位置が位置ずれして、このA面21に突出される比較的硬質の係止突起21Aが着用者90(図8参照)と直接接触することを抑えることができる。これにより、着用者90に係止突起21Aの硬い感触を与えにくくして、この硬い感触によるパンツ10の着心地の悪化を抑えることができる。
続いて、第2の実施形態にかかる着用具であるパンツ30の構成について、主に図9ないし図11を用いて説明する。ここで、パンツ30は、上述したパンツ10の変形例であるため、このパンツ10の各構成と共通する構成については、パンツ10の各構成に付した符号から、その十の位の数字を「3」に置き換えた符号を付して対応させ、その詳細な説明を省略する。
パンツ30は、図11に示すように、パンツ10において取り巻き部分10Aの輪の上縁に沿う平ゴム11(図2参照)の代わりに、取り巻き部分30Aの輪において腰90Aとは反対側(図11で見て上側)となる面を覆うように縫い付けられる平ゴム31を備えている。この平ゴム31は、図9に示すように、その幅31Bがパイルアンドフック20の幅20Bと同じ幅(例えば3[cm])となるように形成されて、取り巻き部分30Aの輪の全周を取り巻く輪とされている。
また、図11に示すように、平ゴム31において取り巻き部分30Aとは反対側となる外側(図11で見て上側)の面は、多数の繊維からなる毛房32Aを外側に突出させたパイル組織32によって覆われている。このパイル組織32の毛房32Aは、平ゴム31の外側の面にパイルアンドフック20のA面21を貼り付けることを実現させるものである。
また、パンツ30において平ゴム31に沿う取り巻き部分30Aの輪の上縁には、図9に示すように、この上縁から取り巻き部分30Aの輪の幅方向(図9では上方向)に延長されるように、延長部分33が縫い付けられている。この延長部分33は、伸縮性のある布地(例えばメリヤス)によって形成されて、取り巻き部分30Aの輪に対してこの輪の内外両側のいずれに向けても折り返すことができるようになっている。そして、延長部分33は、図9および図10に示すように、平ゴム31およびパイル組織32、ならびに、平ゴム31にパイルアンドフック20が貼り付けられている場合には、このパイルアンドフック20に覆い被せることができるようになっている。
上記構成によれば、比較的硬質の係止突起21Aが突出されるA面21(図6参照)を有するパイルアンドフック20が貼り付けられた状態のパンツ30を使用する場合に、パイルアンドフック20にパンツ30の延長部分33を覆い被せることができる。これにより、着用者90(図11参照)と係止突起21Aとの直接接触を抑えてこの係止突起21Aの硬い感触が与えられにくくされ、この硬い感触による着心地の悪化が抑えられたパンツ30を提供することができる。
ところで、取り巻き部分30Aにおいて平ゴム31の下縁に沿う部分には、図9および図11に示すように、パンツ30の外側(図11で見て上側)に向かって突出された凸スナップ33Bが設けられている。また、延長部分33においてこの延長部分33を平ゴム31に覆い被せた際に凸スナップ33Bと対向される部分には、図11に示すように、この凸スナップ33Bと互いに嵌め合わせることができる凹スナップ33Aが設けられている。なお、パンツ30においては、凹スナップ33Aおよび凸スナップ33Bは、それぞれ1つずつ設けられている。
凹スナップ33Aおよび凸スナップ33Bは、図10および図11に示すように、延長部分33を平ゴム31に覆い被せた際に互いに嵌め合わされることで、延長部分33を平ゴム31およびパイル組織32に覆い被せられた状態に留めることを可能とする。すなわち、凹スナップ33Aおよび凸スナップ33Bは、本考案における「ファスナー」に相当する。
上記構成によれば、パイルアンドフック20に覆い被せられた延長部分33を凹スナップ33Aおよび凸スナップ33Bにより留めることで、延長部分33がめくれ上がって着用者90と係止突起21Aとが直接接触されうる状態となることを抑えることができる。これにより、着用者90に対して係止突起21Aの硬い感触がより与えられにくくされて、この硬い感触による着心地の悪化がさらに抑えられたパンツ30を提供することができる。
続いて、第3の実施形態にかかる着用具であるトレーナー40の構成について、図12および図13を用いて説明する。このトレーナー40は、図12に示すように、着用者90が上半身に着用するトレーナーである。このトレーナー40は、着用者90の腰90Aを輪状に取り巻く裾リブ40Aと、着用者90の手首90Bを輪状に取り巻く袖リブ40Bと、着用者90の首90Cを輪状に取り巻く襟リブ40Cとを備えている。すなわち、着用者90の腰90A、手首90B、および、首90Cは、それぞれ本考案における「着用部位」に相当する。また、トレーナー40の裾リブ40A、袖リブ40B、および、襟リブ40Cは、それぞれ本考案における「取り巻き部分」に相当する。
なお、トレーナー40において、袖リブ40Bおよび襟リブ40Cは、対応する着用部位の違いに応じて異なるサイズに形成されている点を除き、裾リブ40Aと全く同じ構成となっている。このため、本明細書においては、袖リブ40Bおよび襟リブ40Cの具体的な構成について、これらの詳細な説明および図示を省略する。
トレーナー40の裾リブ40Aは、図13に示すように、片側の面(図13で見て上側の面)に輪奈42Aが突出された織物である輪奈ビロード42によって形成されている。この輪奈ビロード42は、輪奈42Aを形成する緩みを持たされた毛経糸42Bと緊張された地経糸42Cの2種類の経糸に対して、ゴム糸41を緯糸として織り上げられることで、この緯糸の方向に伸縮されるように形成されている。
ここで、輪奈ビロード42は、図12および図13に示すように、その緯糸の方向が裾リブ40Aの輪に沿う方向(図12で見て左右方向)となるように配設されている。これにより、輪奈ビロード42は、裾リブ40Aの輪を縮めるように弾発力を発生させる第1の弾性帯として機能される。
また、輪奈ビロード42は、その輪奈42Aを、トレーナー40の着用時に腰90Aとは反対側となる外側(図13で見て上側)に突出させることで、この外側の面にパイルアンドフック20のA面21を貼り付けることができるように構成されている。すなわち、輪奈ビロード42は、本考案における「パイル組織」に相当する。
ところで、トレーナー40において、裾リブ40Aを形成する輪奈ビロード42の輪奈42Aは、図12に示すように、トレーナー40の着用時に外部に露見される位置に設けられている。この構成によれば、着用者90は、トレーナー40の裾リブ40Aに貼り付けられるパイルアンドフック20を外部に露見させて、このパイルアンドフック20によるトレーナー40のファッションの変化を楽しむことができる。
本考案は、上述した各実施形態で説明した外観、構成に限定されず、本考案の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、以下のような各種の形態を実施することができる。
(1)上述したパンツ30(図9参照)において、その凹スナップ33Aおよび凸スナップ33Bを、線ファスナーおよびパイルアンドフックを含む任意の種類のファスナーに置き換えた変形例を採用することができる。
(2)本考案の着用具は、例えば図14に示されたスカート50、腕貫き60、および、シュシュ70、ならびに、図示しないパジャマを含む任意の着用具とすることができるものである。ここで、スカート50においては、着用部位となる着用者90の腰90Aを輪状に取り巻く取り巻き部分50Aの上縁全周に沿って第1の弾性帯となる平ゴム51が縫い付けられ、この平ゴム51の外表面にパイル組織52が設けられる。また、腕貫き60においては、着用部位となる着用者90の手首90Bおよび腕90Dを輪状に取り巻く取り巻き部分60Aの各端縁の全周に第1の弾性帯となる平ゴム61が縫い付けられ、この平ゴム61の外表面にパイル組織62が設けられる。また、シュシュ70は、ループ(図示省略)を有するタオル地72により外表面が覆われた輪状のパイルゴム71を、レース生地70Aに開いた複数の孔(図示省略)に連通させることで、このレース生地70Aを輪状にまとめたものである。そして、シュシュ70は、着用者90の髪90Eを着用部位として、この髪90Eをレース生地70Aが輪状に取り巻くように着用される。ここで、レース生地70Aは本考案における取り巻き部分として機能され、パイルゴム71は本考案における第1の弾性帯として機能され、タオル地72は本考案におけるパイル組織として機能される。
(3)本考案にかかる着用具において、第1の弾性帯は、着用者の着用部位を輪状に取り巻く取り巻き部分の全周に沿って設けられたものである必要はない。すなわち、本考案にかかる着用具においては、その取り巻き部分の輪の一部のみに第1の弾性帯を沿わせて、この第1の弾性帯に上記の輪の一部のみを縮める弾発力を発揮させる構成を採用することができる。
(4)上述したパイルアンドフック20において、その帯における両端を繋ぎ合わせて輪とした変形例を採用することができる。この変形例にかかるパイルアンドフックは、その輪の周長を伸ばすように広げられて、そのA面を内側に向けた状態で着用具のパイル組織に被せられることで、このパイル組織に貼り付けられる。
10 パンツ(着用具)
10A 取り巻き部分
11 平ゴム(第1の弾性帯)
11A 破断部分
11B 幅
12 パイル組織
12A ループ
20 パイルアンドフック
20A ベース
20B 幅
21 A面
21A 係止突起
22 平ゴム(第2の弾性帯)
30 パンツ(着用具)
30A 取り巻き部分
31 平ゴム(第1の弾性帯)
31B 幅
32 パイル組織
32A 毛房
33 延長部分
33A 凹スナップ(ファスナー)
33B 凸スナップ(ファスナー)
40 トレーナー(着用具)
40A 裾リブ(取り巻き部分)
40B 袖リブ(取り巻き部分)
40C 襟リブ(取り巻き部分)
41 ゴム糸
42 輪奈ビロード(第1の弾性帯、パイル組織)
42A 輪奈
42B 毛経糸
42C 地経糸
50 スカート(着用具)
50A 取り巻き部分
51 平ゴム(第1の弾性帯)
52 パイル組織
60 腕貫き(着用具)
60A 取り巻き部分
61 平ゴム(第1の弾性帯)
62 パイル組織
70 シュシュ(着用具)
70A レース生地(取り巻き部分)
71 パイルゴム(第1の弾性帯)
72 タオル地(パイル組織)
80 パイルアンドフック
80A ベース
81 A面
81A 係止突起
90 着用者
90A 腰(着用部位)
90B 手首(着用部位)
90C 首(着用部位)
90D 腕(着用部位)
90E 髪(着用部位)
10A 取り巻き部分
11 平ゴム(第1の弾性帯)
11A 破断部分
11B 幅
12 パイル組織
12A ループ
20 パイルアンドフック
20A ベース
20B 幅
21 A面
21A 係止突起
22 平ゴム(第2の弾性帯)
30 パンツ(着用具)
30A 取り巻き部分
31 平ゴム(第1の弾性帯)
31B 幅
32 パイル組織
32A 毛房
33 延長部分
33A 凹スナップ(ファスナー)
33B 凸スナップ(ファスナー)
40 トレーナー(着用具)
40A 裾リブ(取り巻き部分)
40B 袖リブ(取り巻き部分)
40C 襟リブ(取り巻き部分)
41 ゴム糸
42 輪奈ビロード(第1の弾性帯、パイル組織)
42A 輪奈
42B 毛経糸
42C 地経糸
50 スカート(着用具)
50A 取り巻き部分
51 平ゴム(第1の弾性帯)
52 パイル組織
60 腕貫き(着用具)
60A 取り巻き部分
61 平ゴム(第1の弾性帯)
62 パイル組織
70 シュシュ(着用具)
70A レース生地(取り巻き部分)
71 パイルゴム(第1の弾性帯)
72 タオル地(パイル組織)
80 パイルアンドフック
80A ベース
81 A面
81A 係止突起
90 着用者
90A 腰(着用部位)
90B 手首(着用部位)
90C 首(着用部位)
90D 腕(着用部位)
90E 髪(着用部位)
Claims (4)
- 着用者が所定の着用部位に着用する着用具において、
前記着用者の前記着用部位を輪状に取り巻く取り巻き部分と、
前記取り巻き部分に沿うように設けられて、当該取り巻き部分の輪を縮めるように弾発力を発生させる第1の弾性帯と、
前記第1の弾性帯において前記着用部位とは反対側となる面から突出されることで、この面に、比較的柔軟なパイルが突出されるB面に比較的硬質の係止突起が突出されるA面を貼り付ける面ファスナーであるパイルアンドフックにおけるA面を貼り付けることを可能とするパイル組織と、
を備えている、
着用具。 - 請求項1に記載された前記着用具における前記第1の弾性帯に貼り付けることが可能なA面を有するパイルアンドフックであって、
伸ばした状態で前記着用具の前記第1の弾性帯に沿うように被せて配設することが可能な帯として形成され、かつ、伸ばした状態で前記第1の弾性帯に沿うように被せて配設された場合には、当該第1の弾性帯の伸びに抵抗するように弾発力を発生させる第2の弾性帯と、
前記第2の弾性帯の片面から突出されて、この面の全体を前記着用具における前記第1の弾性帯の前記パイル組織に貼り付け可能なA面とする係止突起と、
を備えている、
パイルアンドフック。 - 請求項1に記載された着用具であって、
前記取り巻き部分において前記第1の弾性帯に沿う部分から前記取り巻き部分の輪の幅方向に延長されて、前記第1の弾性帯および前記パイル組織に覆い被せることが可能な延長部分を備えている、
着用具。 - 請求項3に記載された着用具であって、
前記延長部分を前記第1の弾性帯および前記パイル組織に覆い被せられた状態に留めることが可能なファスナーを備えている、
着用具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015000362U JP3196912U (ja) | 2015-01-28 | 2015-01-28 | 着用具およびパイルアンドフック |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015000362U JP3196912U (ja) | 2015-01-28 | 2015-01-28 | 着用具およびパイルアンドフック |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=52986524
Family Applications (1)
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JP (1) | JP3196912U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018188770A (ja) * | 2017-05-08 | 2018-11-29 | 日本ソリッド株式会社 | 下半身用装着具 |
-
2015
- 2015-01-28 JP JP2015000362U patent/JP3196912U/ja active Active
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018188770A (ja) * | 2017-05-08 | 2018-11-29 | 日本ソリッド株式会社 | 下半身用装着具 |
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