JP3213901U - アジャスターテープ、およびそれを縫着した衣服 - Google Patents

アジャスターテープ、およびそれを縫着した衣服 Download PDF

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Abstract

【課題】衣服に装着しても外観面で悪影響を及ぼさず、むしろ意匠効果を発揮し、さらには触れても柔軟な触感である衣服用アジャスターを提供する。【解決手段】複数の袋状を成した係合部5が並ぶテープ2と留め具6を備えたアジャスターテープ1を衣服に縫着し、留め具を挿入する係部の位置により衣服のサイズを調整する。【選択図】図1

Description

本考案は、衣服の着用者の体型や好みにより衣服のサイズを調整するためのアジャスターに関するものである。
衣服は着用者の体型に合わせて仕立てれば問題ないが、実情は店頭に並んでいる商品を試着するなどして購入するケースが大半であり、体型にぴったり合うものを探すのは難しく、また成長が著しい子供においては大き目の衣服が選択される傾向にあることから、体型に合わせて調整可能な衣服が望まれている。
その様な状況下において、上腕部回りの長さを調整する目的で上衣袖に装着した面ファスナーと、ベルトの自由端側に設けた面ファスナーにより上衣袖回りの長さを調整する上衣袖回りの調整構造が特許文献1で提案されている。
また、帽子等のサイズを調整する方法として、合成樹脂製のバンドとバックルからなり、バンド外表面に形成した鋸歯状の係合溝にバックルの係合爪を係合させてサイズを調整する裾周りの長さ調整機構が特許文献2で提案されており、これらのサイズ調整手段により簡単で確実に調整することが出来る。
しかしながら、特許文献1で提案されている上衣袖回りの調整構造によると、衣服表面に面ファスナーが表面に出現しているので外観が良くなく、また繰り返しの使用により面ファスナー面が毛羽立ったりして一層見苦しくなる問題がある。また、特許文献2の裾周りの長さ調整機構においても衣服の表面に樹脂製のバンドが出現するので、外観面、および触感において悪影響を及ぼす問題点がある。
特開2001−279509号公報 再公表2011−065425号公報
本考案は、従来の衣服のサイズ調整機構に上記のような問題があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、衣服に装着しても外観面で悪影響を及ぼさず、むしろ意匠効果を発揮し、さらには触れても柔軟な触感である衣服用アジャスターを提供することにある。
本考案者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添付図面を参照して説明すれば、次のとおりである。
即ち、本考案は、複数の袋状を成した係合部が並ぶテープと留め具を備えたテープが衣服に縫着され、留め具を挿入する係合部の位置により衣服のサイズを調整するアジャスターテープを完成させた。
また、本考案は複数の袋状の係合部を並べたテープが衣服に縫着され、複数の係合部のどれか一つに留め具を装着して、該留め具を挿入する係合部の位置により衣服のサイズを調整するという技術的手段を採用することが出来る。
また、前記複数の袋状を成した係合部が並ぶテープは、表地と裏地が織物組織で全幅に亘って一体化した部分と、表地と裏地が分離して袋状を成した係合部を形成した部分が織物の長さ方向に対して所定の間隔で交互に配置された細幅二重織物とする技術的手段を採用することができる。
また、前記係合部が設けられた細幅二重織物の経糸には弾性糸を含み、表地と裏地の長さ方向への織物の収縮差により袋状を成した係合部の表地が隆起して、係合部の袋状の両端が開口しているという技術的手段を採用することができる。
また、前記表地と裏地が分離した係合部における表地の織物幅が裏地の織物幅より狭くする技術的手段を採用することができる。
更にまた、前記留め具がZカンであって、該留め具は細幅織物の先端、または先端近傍で係合状態において留め具が表に露出しない位置に取り付けられているという技術的手段を採用することができる。
更にまた、本考案のアジャスターテープを衣服の袖、裾、ウエスト、帽子の中から選ばれた一つ、または複数の部分に装着された衣服を含めることが出来る。
本考案にあっては、複数の袋状を成した係合部が並ぶテープと留め具を先端近傍に備えたテープが衣服に縫着され、留め具を挿入する係合部の位置により衣服のサイズ調整することで、簡単で確実なサイズ調整を可能とし、さらには外観面においても意匠性を発揮させることが出来る。
また、前記複数の袋状を成した係合部が並ぶテープは、表地と裏地が織物組織で全幅に亘って一体化した部分と、表地と裏地が分離して袋状を成した係合部が、織物の長さ方向に対して所定の間隔で交互に配置された細幅二重織物とすることで、衣服の柔軟性を阻害することが無く、また触れても柔らかい触感であり、さらには色柄などを付与して意匠性を増大させることが出来る。
また、係合部が設けられた細幅二重織物の経糸には弾性糸を含み、表地と裏地の長さ方向への織物の収縮差により係合部の表地が隆起して、係合部の袋状の両端が開口しているので留め具の係合部への挿入が容易となる。
また、表地と裏地が分離した係合部における表地の幅が裏地の幅より狭いことで、係合部における表地の耳端より裏地の耳端が外側に位置するので、留め具を係合部に掛ける際に留め具のフック先端を裏地と表地の間に押し当てれば、係合部の袋状の端部が開口し、留め具の挿入が一層容易となる。
更にまた、留め具は細幅織物の先端近傍で係合状態において留め具が表に露出しない位置に取り付けられていることで身体が留め具に直接触れるようなことがないので安全であり、また見た目も改善される。
本考案の実施形態の衣服用アジャスターの正面図である。 本考案の実施形態の衣服用アジャスターを衣服の袖口に縫着した例を示す概略である。 本考案の実施形態の衣服用アジャスターの留め具の例を示す正面図である。 本考案の実施形態の衣服用アジャスターにおける留め具の取付け例を示す裏面側の図である。
本考案を実施するための形態を、具体的に図示した図面に基づいて、更に詳細に説明すると、次のとおりである。
図1において符号1は本考案のアジャスターテープを示し、符号2は複数の袋状を成した係合部5が設けられたテープ2で、符号3は先端に留め具6を備えたテープ3であり、複数の係合部5を設けたテープ2が衣服に縫着されており、留め具6を備えたテープ3は留め具6が取り付けられた方とは反対側の先端側が衣服に縫着され、留め具6を係合させる袋状の係合部5の位置によって衣服のサイズを変更するものである。
具体的は、例えば本考案のアジャスターテープ1を図2に示したブルゾンの袖口に縫着し、着用者の締め付け好みに合わせて留め具6を所望の係合部5に係合させることによって袖口サイズの調整を行うことが出来る。
図2では本考案のアジャスターテープ1により衣服の袖口周りのサイズ調整する例 を示したが、衣服の裾、ウエスト、あるいは帽子など種々の箇所のサイズ調整に採用することが出来る。
図1では、二つのテープを衣服に縫着させた実施態様を示したが、複数の袋状を成した係合部が並ぶテープを衣服に縫着し、複数の係合部のどれか一つに留め具を装着して、該留め具を挿入する係合部の位置により衣服のサイズ調整することもできる。
なお、複数の袋状を成した係合部が並ぶテープを衣服に縫着する際、テープのどちらかの端部側の一部を縫着せず、その縫着していない部分を折り返してその端部にZカンを装着させることも出来、そうすることでテープの裏面が表に出るためにZカンをテープの裏面で隠すことが出来る。
本考案の複数の係合部5を設けたテープ4、および留め具6を備えたテープ3は衣服に縫着させるので柔軟な材料が好ましく、特に細幅の織物や経編からなるテープであれば柔軟性を有しているのでより好ましい。また、袋状を成した係合部5は縫製加工によって成形されても良いが、編織物の二重組織を採用し、表地と裏地が織物組織で全幅に亘って一体化した部分と、表地と裏地が分離した袋状を形成させる方法であると織機、あるいは経編機により連続的に製造出来、安価な製造コストで製造することが出来る。なかでも細幅織物であるとテープの厚みを薄くすることが出来るのでより好ましい。
テープ2、3の幅は、縫着させる衣服の種類や縫着させる箇所により適宜選択すればよいが、10〜30mm幅が好ましく、また、袋状を成した係合部5における裏地の織物幅と表地の織物幅が同じであっても良いが、表地の織物幅が裏地の織物幅より狭くし、留め具6が挿入させる側の裏地端が表地端より外側に位置させることで、係合部5に挿入させる際に留め具6の先端を裏地端と表地端の間に押し当てれば係合部5の袋状の端部が大きく開口するので挿入し易くなる。係合部5における裏地端が表地端の差としては3〜10mmが好ましい範囲である。
また、係合部5の袋状の幅(テープ2の長方向)は、留め具6のフックが入るサイズであれば良く、5〜10mmであることが好ましく、10mm以上となると係合部5の配置ピッチが大きくなり、サイズ変更において微調整が出来なくなる問題が生じるので10mm以下であることが好ましい。また、袋状の係合部5と隣接する係合部5間、すなわち表地と裏地が一体化された部分4の距離も微調整の量に関係することから3〜15mm程度であることが好ましい。
袋状の係合部5のピッチは必要な微調整量により決まり、好ましいピッチとしては6〜30mmで、ピッチが6mm以下となると係合部5の袋状の幅(テープ2の長方向)が狭くなり、留め具6のフックを入れ難くなるし、また、ピッチが20mm以上となると微調整が出来なくなる問題があり、より好ましく8〜15mmである。
係合部5を設けたテープ2が細幅織物からなる場合における用いる繊維糸としては、通常衣料に使われている合成繊維糸からなり、特に、経糸には合成繊維糸の他に弾性糸を用い、長さ方向に伸縮性を持たせることが好ましい。そうすることで伸縮性を有した衣服に縫着させても衣服の伸縮性を阻害しないし、伸縮性の少ない衣服にも対応可能である。
係合部5を設けたテープ4に弾性糸を用いて、製織工程において弾性糸にドラフトを付与しながら製織することで、機卸しすると弾性糸の収縮力で収縮するが、表地は裏地よりも収縮し難くするような織物設計にしておけば、裏地の収縮力が勝って表地が隆起すると同時に係合部5の袋状を開口させることが出来、留め具6のフックが挿入させ易くなる。
前記収縮に差を設けるための織物設計手段としては、表地と裏地の弾性糸の使用量を違え、裏地の弾性糸の使用量を多くする、あるいは裏地の緯糸繊度や緯糸配列密度を表地よりも小さくすることで裏地の方が収縮し易くなり、テープ全体の収縮により表地を表面に隆起させることが出来る。
本考案に使用する留め具6としては、テープ3の先端に取り付け可能で、フック状のものが係合部5の袋内に挿入させて係合できる機構であれば良く、なかでも図3に示すような一般に市販されている樹脂製のZカンであれば、安価で入手出来、またフック8の先端に抜け防止の返りが設けられているので確実な係合が期待出来る。
Zカンなどの留め具6のテープへの取付けは、図1に示すようにテープ3の先端に縫製などで取り付けても構わないが、外観上で見苦しい点や触れた際に不快な感触を避けることから図4に示す様に留め具6をテープ3の端部で覆うようにし、留め具6が表に露出しないように取り付けることが出来る。
留め具6を取り付けるテープ3は、織物、編物、あるいは剛性樹脂からなるテープなど用いることが出来るが、なかでも織物であると薄くて、柔軟性を有している点で好ましく、また、係合部5を設けたテープ2と同じ素材による細幅織物であっても良く、さらには、二重組織を採用して留め具6の取付け箇所を袋状として、留め具6のテープ取付け部9を開放型にして取り換え可能な形態とすることも出来る。
また、係合部5を設けたテープ4、および留め具6を取り付けるテープ3が意匠性をより発揮させるために、先染糸によるジャガード柄や組織柄、あるいはプリント染色など色柄を付与させることも出来る。
本考案のアジャスターテープ1は衣服の袖、裾、ウエスト、帽子などに縫着し、着用者の体型や好みに合わせてサイズを調整することが出来、本考においてはそれらに縫着された衣服についても含まれるものである。
本考案は、概ね上記のように構成されるが、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能である。
1:本考案のアジャスターテープ
2:複数の係合部が並ぶテープ
3:留め具を取り付けたテープ
4:表地と裏地が一体化された部分
5:袋状の係合部
6:留め具(Zカン)
7:留め具取付け部
8:留め具(Zカン)のフック
9:テープ取り付け部
10:アジャスターテープが縫着された衣服

Claims (8)

  1. 複数の袋状を成した係合部が並ぶテープと留め具を備えたテープが衣服に縫着され、留め具を挿入する係合部の位置により衣服のサイズ調整することを特徴とするアジャスターテープ。
  2. 複数の袋状の係合部を並べたテープが衣服に縫着され、複数の係合部のどれか一つに留め具を装着して、該留め具を挿入する係合部の位置により衣服のサイズを調整することを特徴とするアジャスターテープ。
  3. 前記複数の袋状を成した係合部が並ぶテープは、表地と裏地が織物組織で全幅に亘って一体化した部分と表地と裏地が分離して袋状を成した係合部を形成した部分が織物の長さ方向に対して所定の間隔で交互に配置された細幅二重織物であることを特徴とする請求項1または2記載のアジャスターテープ。
  4. 前記係合部が設けられた細幅二重織物の経糸には弾性糸を含み、表地と裏地の長さ方向への織物の収縮差により袋状を成した係合部の表地が隆起して、係合部の袋状の両端が開口していることを特徴とする請求項3に記載のアジャスターテープ。
  5. 前記表地と裏地が分離した係合部における表地の織物幅が裏地の織物幅より狭いことを特徴とする請求項3または4項に記載のアジャスターテープ。
  6. 前記留め具がZカンであって、該留め具はテープの先端、または先端近傍で係合状態において留め具が表に露出しない位置に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2記載のアジャスターテープ。
  7. 前記留め具が取り付けられたテープが細幅織物であることを特徴とする請求項1または請求項6記載のアジャスターテープ。
  8. 請求項1〜7記載の何れか1項記載のアジャスターテープを衣服の袖、裾、ウエスト、帽子の中から選ばれた一つ、または複数に縫着され、衣服のサイズを調整することを特徴とするアジャスターテープ付衣服。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022013011A (ja) * 2020-07-03 2022-01-18 株式会社ブルーボード 衣服用ベルト

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