JP3196880U - 乗員保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェビングに装着した折り畳んだ状態のエアバッグが、衝突時に膨張して乗員の胸部から肩部をソフトに保護するエアベルト装置を提供する。【解決手段】所定の動作信号を受けて膨張可能なエアバッグが、ベルト状をなして折り畳まれた状態で、シートベルトのショルダーベルト位置に設けられた、シートベルトを1個の巻取装置で巻き取る乗員保護装置であって、エアバッグ20は、折り畳まれた状態から膨張する際に、並列する複数本の筒状バッグ20A,20B,20Cを連結した形状で膨張する。この膨張形状がエアバッグ20の外周面を覆うテザー23で規制される。これによりシートベルトと乗員との間で膨張したエアバッグ20が乗員に当接する際に、テザー23が個々の筒状バック20A,20B,20Cの独立した挙動を拘束するように機能する。【選択図】図4

Description

本考案は乗員保護装置に係り、車両の衝突を検知して胸部から肩部にかけてシートベルト内に折り畳んだエアバッグを膨張させて乗員を有効に拘束できるようにした乗員保護装置に関する。
出願人は、車両衝突時に、シートベルトのショルダーベルトに収納されたエアバッグが胸部から肩上部を中心に膨らみ、前面衝突と側面衝突の2つの事故形態に対して1つの製品で対応できる乗員保護装置(以下、エアベルト装置と記す。)を開発している(非特許文献1)。
このエアベルト装置は、乗員が装着したショルダーベルトに沿ってエアバッグが略紡錘形状に膨らむことで乗員の胸部との接触面積が広がり、胸部にかかる衝撃を分散し緩和する。
しかし、このエアベルト装置は、シートベルトに固定されているトングを挟んで、ラップベルト側を巻き取るリトラクタと、エアベルトとして内部にエアバッグが収納されたショルダーベルト側を巻き取るリトラクタとを2台装備しているため、装置コストが高く、高級車等に装備することを想定している。
これに対して、1台のリトラクタでエアベルトが内蔵されたショルダーベルトとトングプレートを挟んだラップベルトとを引き出し、巻取りが可能なエアベルト装置の開発も進められている。ところが、1台のリトラクタを利用する場合には、ウェビングをリトラクタから引き出した際に、所定量のラップベルト部分を引き出すとともに、端部にトングプレートとガス供給口とが設けられているトングを有するエアベルト部分(ショルダーベルトの一部)が胸部から肩部にかけての適正位置にくるように、エアベルト部分がウェビングに対してなめらかにスライドできるようにする必要がある。
特許文献1には、上述の問題を解決し、単一のリトラクタでウェビングを確実に巻き取れるようにしたエアベルト装置が開示されている。特許文献1では、扁平に形成されたバッグアッセンブリ7において、経編みニットから構成されたカバー21内にウェビング4と、ガス通路22aと細長の4個のガス室22bとが並列して形成されたエアバッグが収容されている。
特開2001−260807公報
タカタ株式会社、"自動車用安全システムメーカーのタカタ、エアベルトをグッドデザインエキスポ2011 に出展"、[online]、2011年8月24日、[平成23年12月15日検索]インターネット<http://www.takata.com/pdf/110824_JP.pdf>
ところで、特許文献1に示したエアベルト装置は、衝突時等において、エアバッグを構成する上述した4個のガス室22bが長手方向に連結された4本の略円筒形状に膨張する(図8参照)。その膨張形状に伴ってニット製のカバー21も半径方向に広がり、長手方向に収縮することでショルダーベルト部に初期張力を与えるようになっている。このときバッグアッセンブリ7内にはバッグ折り畳み時の損傷防止のためにベース板25が挿入されているため、衝突時に、乗員を拘束するように作用するウェビング4はこのベース板25を介して4連をなすガス室22bの内側の2個のみを押圧することになる。このエアバッグの各ガス室は図9に示したように縫い目のみで分割され、さらに半径方向に自由に伸長するカバー21で覆われている構成であるため、各ガス室間の相対的変位をほとんど拘束することができない。このため、ウェビングから加わる力で内側の2個のみのガス室が変形し、両端のガス室22bはその力をほとんど負担することができない。したがって、エアベルト乗員の胸部保護効果が十分に発揮できないおそれがある。そこで、本考案の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、シートベルトにエアバッグが組み込まれたエアベルト装置において、乗員拘束時に、乗員胸部をソフトかつ有効に保護することができるようにした乗員保護装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本考案は、所定の動作信号を受けて膨張可能なエアバッグが、ベルト状をなして折り畳まれた状態で、シートベルトのショルダーベルト位置に設けられた、前記シートベルトを1個の巻取装置で巻き取る乗員保護装置であって、前記エアバッグは、前記折り畳まれた状態から膨張する際に、並列する複数本の筒状バッグを連結した膨張形状となり、該膨張形状が前記エアバッグの外周面を覆うテザーで規制され、前記シートベルトと乗員との間で膨張したエアバッグが前記乗員に当接する際に、前記テザーが前記個々の筒状バックの独立した挙動を拘束するようにしたことを特徴とする。
前記テザーは、面状をなし、その幅は前記エアバッグの長手方向に直交する幅より短く、前記エアバッグの両面に重ねられ、その縁部と、前記エアバッグの長手方向に沿った縁部とを縫い合わせることが好ましい。
前記エアバッグは、前記テザーと重ねられる際に、その長手方向に沿って折りしろが設けられ、前記テザーの幅とを揃えて縫い合わせるようにすることが好ましい。
前記テザーの表面に、スライドガイドを接着あるいは縫着することが好ましい。このスライドガイドは、シートベルトが通過するスペースを確保するための門型ガイドを、この門型ガイドを乗員の体形に沿うように変位させるためのシート面に配設して構成することが好ましい。この場合、前記テザーに前記シート面としての機能をもたせてもよい。この場合、前記高剛性部位としての門型ガイドは前記テザーの表面に接着あるいは縫着されることが好ましい。
前記門型ガイドは、材質または形状により高剛性とすることが好ましい。これにより、シートベルト使用時にシートベルトの通過を妨げるような変形が生じるのを防止する。一方、前記シート面は、材質または形状により低剛性とすることが好ましい。これにより、乗員が前記シートベルトを装着する際に、乗員の体形に沿うようにでき、また低摩擦材とすることで、シートベルト通過時の抵抗を小さくすることができる。
本考案によれば、エアベルト装置として、シートベルトに装着されたエアバッグが、膨張時に所定の膨張形状に規制されるため、乗員の上胴部をソフトに、かつ有効に拘束保護することができる。
本考案の乗員保護装置が組み込まれる車内装備の一構成例を示した斜視図。 図1に示した乗員保護装置としてのエアベルト装置を示した概略斜視図。 図2に示した乗員保護装置のエアバッグの構成を示した概略斜視図。 図3に示したエアバッグの折畳み前の平面図、折り畳み時断面図、膨張時断面図。 図4に示したエアバッグの膨張時における変形挙動を示した拡大断面図。 スライドガイドの断面図、側面図。 エアバッグの他の実施例を示した折り畳み前の平面図、膨張時断面図。
以下、本考案の乗員保護装置の実施するための形態として、以下の実施例について添付図面を参照して説明する。
図1は、本考案の乗員保護装置10(以下、本考案でもエアベルト装置10と記す。)を乗員シート1に装備した状態を模式的に示した斜視説明図である。同図には、リトラクタ2から引き出されたシートベルト3がトング4で折り返され、その端部がアンカープレート6に定着された状態が示されている。このアンカープレート6は、固定ボルト5を介して図示しない車体の固定部に固定される。なお、以下の説明では「シートベルト」は乗員を拘束したり、その機能を奏する場合や、部位を示す(たとえばショルダーベルト等)用語として用い、リトラクタに巻き取られ、所定の引き出し力で引き出されるシートベルトを構成する織布製の帯体を「ウェビング」と呼ぶ。
図1に示したリトラクタ2は、装備される対象のシートに対応して、たとえばBピラー、Cピラー、リアシート後方のトレイなどの車体側や、あるいはシートバック1B内等のシートの一部に収容され、固定されるように設計される。ウェビングWは、乗員が着座した当初はシート脇で所定の張力を保持して巻き取られた状態にある。ウェビングWはこのトング4の位置を境にショルダーベルト3Sと、ラップベルト3Lに分けられる。このラップベルト3LとなるウェビングWは、使用時以外はリトラクタ2に巻き取られている部分であり、乗員が着座し、図1に示したように、ウェビングWをリトラクタ2から引き出してトング4をバックル9まで引き寄せることで、ラップベルト3Lの部分が確保される。この際、乗員は着座した状態で自分の側方にあるウェビングWを掴んでリトラクタ2から引き出す動作をとる。この位置は、ショルダーベルト3Sのうち、エアバッグ20が折り畳まれ収容されたエアベルト11に相当する。このエアベルト11を構成するエアバッグ20が膨張時に十分な衝撃吸収作用を果たすようにした点が、本考案の技術的特徴の一つである。その詳細な構成については、図4,図5を参照して後述する。
図1に開示されたエアベルト装置10の他の構成について補足説明する。シートバック1Bの右肩側上端には、ショルダアンカー7が設置されている。ショルダアンカー7は通常、Bピラー上部あるいはシートバック1B上端に設けられ、このショルダアンカー7でショルダーベルト3Sは方向変換されてリトラクタ2に導かれる。一方、ショルダーベルト3SとなるウェビングWには、図2に抜き出して示したように。エアベルト11(構成は後述する。)が装着されている。本考案のエアベルト11の端部には、図1,図2に示したように、トング4はスルーアンカー8が一体化した形状からなり、トングプレート4bと並んでガス供給パイプ4aが設けられている。ガス供給パイプ4aは金属製筒状体で、このガス供給パイプ4aに連通するトング4内のガス供給経路(図示せず)は、図3に示したエアバッグ20のガス導入口20aに気密的に接続されている。
図1には、さらにトング4のガス供給パイプ4aとトングプレート4bとを保持するバックル9が示されている。このバックル9はブラケット9aを介してシート脇の車体の固定部(図示せず)にボルト等の固定部材を介して固定される。バックル9にはトングプレート支持穴9bとガス供給パイプ連結穴9aとが形成されており、トング4の装着時にトングプレート4bとガス供給パイプ4aとは同時にバックル9の各穴に挿入される。さらにガス供給パイプ4aが挿入される連結穴にはバックル9に外付けされたインフレータGのガス噴出口(図示せず)が連通されている。したがって、衝突時等に、このインフレータGへの動作信号が送られると、インフレータG内の点火剤の発火によりインフレータGのガス噴出口からガスが噴出し、ガス供給パイプ4aを介してエアバッグ20(図3)が、乗員の装着しているショルダーベルト3Sに沿って複数本の円筒を並べた扁平形状に膨張し、乗員の胸部から肩上部にかけての範囲を適正に拘束することができる(図1中、膨張形状を仮想線表示)。
ここで、ショルダーベルト3SのウェビングWに摺動可能に装着されたエアベルト11の構成について、図2,図3,図4各図を参照して説明する。図2は、ショルダーベルト3SのウェビングWに挿通されたエアベルト11を示した外観図である。同図に示したエアベルト11は、内部に位置するウェビングWを芯部材として、図3、図4(b),(c)に示したようにエアバッグ20を三つ折り状に折り畳み、外装カバー21で覆った構成からなる。外装カバー21は布地を筒状に縫製して作られており、作動時は長手方向に配置された切れやすく調整された縫糸26が切れて膨張したエアバッグが露出する。
外装カバー21の両端の開口部にはポリウレタン樹脂製の開口ガイドリング22が取り付けられている。この開口ガイドリング22は剛性が高いため変形しにくく、扁平な開口形状によってウェビングWを平らな状態に保持して摺動抵抗を低減し、シートベルト装着時にエアベルト11がウェビングWに沿ってスムースにスライドできる。
図3は、エアベルト11としてウェビングWに装着されたエアバッグ20の折り畳む前の状態を示している。このエアバッグ20の構成について、図4(a)を参照して説明する。図4(a)は、エアバッグ20の展開平面図である。エアバッグ20は、一端にガス供給口20aを有するようにエアバッグ基布を所定寸法の細長形状に裁断され、外周縁20bのからわずかに内側位置でバッグの外周形状を形成する外周シーム27と、外周シーム27に囲まれた内部において長手方向に沿って形成された2列の分割シーム28とにより所定の袋状に縫製した布材からなる。各シーム部分は、基布の対向面があらかじめ接着され、その接着部位に沿って縫製されるため、シームからの漏気は確実に防止されている。さらに図3に示したように、ウェビングWが挿通されるスリット25a,25bがエアバッグ20の幅方向のほぼ中央の、長手方向に沿って十分離れた位置に形成されている。一方のスリット25bはバッグ20の膨張領域内に形成されるため、スリット25bの周囲に漏気防止用の領域が形成されている。また、エアバッグ20は、長手方向に沿う分割シームによって3区画(20A,20B,20C)に分割されているが、この分割シーム28を設けない連通部29が形成されている。これにより、分割された各区画には連通部を介してもガスが導入される。すなわち、ガス供給口20aからガスが導入された際に、図4(a)に矢印で示したようなガス流が生じ、このガス流に沿って導入されたガスにより、エアバッグ20はほぼ同時に並列した3連の略円筒形20A,20B,20Cに膨張する(図4(d))。
ここで、この考案の技術的特徴の一つであるテザーの構成と役割について説明する。エアバッグ20の両面には、図3,図4(b)に示したように、テザー23の両端がエアバッグを外面を覆うようにエアバッグ20の長手方向の外周シーム位置で一体に重ね縫いされている。このテザー23にはエアバッグ20の基布と同一の生地が用いられている。テザー23の幅B1は、図3、図4(b)に示したように、エアバッグ20の展開時の幅B2よりわずかに短く設定されている。これにより、エアバッグ20の膨張時に、並列して膨張した3連の円筒状のエアバッグ20の外周面は、張った状態のテザー23で外周方向への膨張がわずかに拘束される。この結果、エアバッグ20は、内部に3連の筒状バッグ20A,20B,20Cが並列して配置され、表面のテザー23で外面形状が規制された、扁平な面状膨張体に近い形状に膨張する(図4(d))。この形状による乗員保護に対する効果については、後述する。なお、幅B2のエアバッグ20は、幅の狭いテザー23の幅B1に会わせて縫い合わせるために、長手方向に所定幅のタック(折りしろ)24を確保してテザー23の幅B1に合わせて折り畳まれ、テザー23と一体に縫製されてている(図3,図4(b))。
さらに、テザー23と一体に縫製されたエアバッグ20は図3に示したように、図3に示したように、エアバッグ20の長手方向の端部近傍に形成された2カ所のスリット25a、25bにウェビングWを挿通させることで、ショルダーベルト3Sの一部にスライド可能に保持される。このときウェビングWは所定の剛性と曲げ柔軟性を有するスライドガイド30(図5(c)参照)内を挿通され、このスライドガイド30を包むように、ウェビングWの両側に位置するエアバッグ20を図4(b)の矢印で示したように三つ折りに折り畳み、エアバッグ全体を外周を、図2、図4(c)で示したように、外装カバー21で覆って、ショルダーベルト3SのウェビングWに挿通されたエアベルト11を構成する。なお、製作の手順としてウェビングWにエアバッグ20を挿通させた状態で、テザー23との合わせ縫いをすることもできる。
図5(a)は、エアベルト装置としてショルダーベルトのウェビングに装着されたエアバッグ20の膨張時の断面図である(図4(d)と同等図)。テザー23によって外面形状が規制され、扁平な面状膨張体に近い形状に膨張したエアバッグ20のテザー23の表面(乗員側と反対面)には、ウェビングを保持するスライドガイド30が設けられ、このスライドガイド30にウェビングWがスムースに挿通できるようになっている。スライドガイド30は、図5に示したように、ウェビングWを内部に挿通してウェビングWの挿通を確保する空間を形成する高剛性の門型ガイド35と、ウェビングWの長手方向に延在し、ウェビングWの長手方向の自由な曲りを保持する低剛性の軟質シート32(図6(a)参照)とから構成されている。
図6(a)に示したように、高剛性部位としての門型ガイド35は、本実施例では、図示したように、内のり寸法がウェビングWの幅よりわずかに大きく、長手方向が約1.5cmの扁平な逆U字形からなり、下端が軟質シート32に溶着されている。この門型ガイド35はウェビングWの幅方向に高い剛性を有し、ウェビングWの長手方向に隣接する各門型ガイド35の間隔は、図6(b)に示したように、1cm以下に設定され、低剛性部位としての軟質シート32の長さ方向に多数個が列設されている。本実施例では、ガイドを構成する樹脂材料としてポリウレタン樹脂が用いられている。この他、適正な材料としては、熱可塑性エラストマー(たとえばエステル系、オレフィン系)、ポリアミド樹脂、硬質ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、金属板等が使用できる。
軟質シート32は、本実施例では、ウェビングWの幅にほぼ等しい細長い柔軟な板状体で、図3に示したテザー23の長手方向の範囲に接着あるいは縫い付けにより固定されている。軟質シート32の表面は平滑に仕上げられており、ウェビングWが長手方向に移動する際に、その摺動抵抗は最小限に抑えられている。本実施例では、軟質シート32を構成する樹脂材料として熱可塑性エラストマー(たとえばエステル系、オレフィン系)が用いられている。この他、適正な材料としては軟質ポリウレタン樹脂、シリコーンエラストマー、ゴム(合成、天然)等が使用できる。なお、以上に述べた門型ガイド35と軟質シート32とは、同一素材を用いて、その形状(厚さ、幅等)を異なるように設計して剛性差を発揮させることで、スライドガイド30としての機能を果たすこともできる。なお、この軟質シート32をテザー23に固定することなく、テザー23を低剛性部位として扱い、その表面に沿って直接ウェビングWが通過するように、高剛性部位としての門型ガイド35をテザー23表面に接着あるいは縫い付けることも可能である。
図6(a)のように構成されたスライドガイド30に保持され、膨張時にショルダーベルトの一部においてエアベルトとして機能するエアバッグ20の乗員保護時の挙動について図5各図を参照して説明する。図5(a)は、衝突時等にエアベルトとしてのエアバッグ20が、たとえば乗員の胸部位置において完全に膨張した直後の状態を示している。その後、同図(b)に示したように、プリテンショナの動作によるウェビングWの引き込みおよび乗員の前方(図中の上方に対応)への移動に伴い、相対的にエアベルトを保持するウェビングWには矢印方向の力が作用する。この結果、ウェビングWが矢印方向へ移動するのに応じてエアバッグ20が図示したように変形する。このとき、ウェビングWはスライドガイド30の軟質シート32を介してエアバッグ20のテザー23を押圧し、テザー23がその部分だけ押し込まれるため、テザー23で扁平形状に保形された3連のエアバッグ20(20A,20B,20C)は中央のバッグ20Bが大きく変形し、両側のエアバッグ20A,20Cはテザー23の変形と中央のエアバッグ20Bの変形とに追従して円形断面がわずかに変形するのみである。したがって、同図に示したように、エアバッグ20の乗員側面は幅B3にわたって、乗員に密着した状態を保つことができる。これにより乗員の胸部から肩部へ加わる押圧力を広範囲に分散することができる。
次に、エアバッグ内に形成する区画数、すなわち並列する細長形状のバッグ本数を変えた実施例について、図7各図を参照して説明する。図7(a−1),(a−2)は4連のバッグ配列となるように、3列の分割シームを設け、4区画とした実施例である。このタイプでは、個々の筒状バッグ(20A〜20D)の容積が小さくなるので、短時間で膨張展開し、早い段階での乗員拘束が可能となる。また、(a−2)に示したように、中央の分割シーム28の一部に連通部29を設けることで、乗員の胸部に当接するバッグ20Bの一部の断面積を(b−2)のように広くすることも好ましい。図7(a−3)は、2連の筒状バッグ20A,20Bを形成するように、1列の分割シーム28を設けたタイプである。このタイプでは、2個のバッグ20A,20Bの一体性が高まり、エアバッグ20が広い面積で胸部に当接するので、エアベルトとしての拘束効果がより発揮できる。
なお、以上の説明ではテザーの素材をエアバッグ基布と同一生地とした例を示したが、その生地の厚さ、素材を種々変更することにより、テザーによる膨張した時のエアバッグの形状を様々に制御することができる。また、乗員側面、ウェビング側面の素材を異なるように構成することでもエアバッグの膨張形状を変化させることができることは言うまでもない。
このように、本考案は上述した実施例に限定されるものではなく、各請求項に示した範囲内での種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲内で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も、本考案の技術的範囲に含まれる。
1 乗員シート
2 リトラクタ
3 シートベルト
3S ショルダーベルト
3L ラップベルト
4 トング
9 バックル
10 乗員保護装置(エアベルト装置)
11 エアベルト
20 エアバッグ
23 テザー
30 スライドガイド
32 軟質シート
35 門型ガイド

Claims (7)

  1. 所定の動作信号を受けて膨張可能なエアバッグが、ベルト状をなして折り畳まれた状態で、シートベルトのショルダーベルト位置に設けられた、前記シートベルトを1個の巻取装置で巻き取る乗員保護装置であって、前記エアバッグは、前記折り畳まれた状態から膨張する際に、並列する複数本の筒状バッグを連結した膨張形状となり、該膨張形状が前記エアバッグの外周面を覆うテザーで規制され、前記シートベルトと乗員との間で膨張したエアバッグが前記乗員に当接する際に、前記テザーが前記個々の筒状バックの独立した挙動を拘束するようにしたことを特徴とする乗員保護装置。
  2. 前記テザーは、面状をなし、その幅は前記エアバッグの長手方向に直交する幅より短く、前記エアバッグの両面に重ねられ、その縁部と、前記エアバッグの長手方向に沿った縁部とが縫い合わされた請求項1に記載の乗員保護装置。
  3. 前記エアバッグは、前記テザーと重ねられる際に、その長手方向に沿って折りしろが設けられ、前記テザーの幅とを揃えて縫い合わせるようにした請求項2に記載の乗員保護装置。
  4. 前記テザーの表面に、スライドガイドが接着あるいは縫着された請求項1に記載の乗員保護装置。
  5. 前記スライドガイドは、前記シートベルトを通過させる高剛性部位と、前記シートベルトが前記乗員の体形に沿うように前記高剛性部位を変位させる低剛性部位とからなる請求項4に記載の乗員保護装置。
  6. 前記スライドガイドは、高剛性部位をなす門型ガイドが、低剛性部位をなすシート面に配設された請求項4または請求項5に記載の乗員保護装置。
  7. 前記テザー表面に、前記高剛性部位が接着あるいは縫着された請求項5に記載の乗員保護装置。
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