JP3196531B2 - ポリリン酸含有水の処理方法 - Google Patents

ポリリン酸含有水の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリリン酸含有水の処理
方法、特にポリリン酸を解重合させ、不溶性のリン酸化
合物として分離する処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造湿式工程では、ウェハ表面の
エッチングおよびクリーニングの目的で数多くのエッチ
ング用薬液が使用されている。半導体製造規模の拡大と
半導体集積度の向上により、エッチング用薬液の使用量
は増加の道をたどりつつある。資源と環境の保全の観点
から、使用済薬液の再生、回収および除害のための有用
な技術の開発が強く求められている。
【0003】ウェハ表面のエッチングでは、高濃度のリ
ン酸を高温度で用いるためポリリン酸が生成する。例え
ばシリコン窒化膜のエッチングでは、86重量%の高濃
度リン酸を160〜220℃の高温で用いており、生成
するポリリン酸はエッチング作用を減退させるととも
に、排水として排出されると、その処理は困難である。
【0004】量産規模の半導体製造工場では、上記リン
酸を用いる工程のほかに、フッ酸、フッ化アンモニウ
ム、硫酸、アンモニア水、塩酸、硝酸、酢酸などの薬液
を使用する工程があり、これらの工程で用いられる薬液
は使用後ほとんど全量が洗浄水と共に排出される。通常
これらの排水は排水処理工程に統合され、混合排水とし
て、通常消石灰処理方式により浄化され、放流されてい
る。
【0005】しかし、各薬液が統合されて希釈されてい
るため、処理条件の最適化は至難であって、処理水中の
有害成分濃度を下げるためには、処理剤を大過剰に添加
する外はない。したがって生成するスラッジ量は膨大と
なり、回収、再生を考えられるようなスラッジ組成では
ないため、廃棄費の負担は極めて大きくなる。すなわち
従来の排水処理方式では、排水を浄化するために化学当
量の数倍の処理剤を添加することが通例であるため、回
収物量は化学当量の数倍となり、処理設備は拡大し、ま
た処理コスト・輸送コストも増大するほか、回収品の純
度は著しく低下して、再利用が不可能である。一方、処
理剤の添加量を少なくして回収品純度を保とうとすれ
ば、排水の浄化が不可能となる。
【0006】従来の処理法として特開昭50−1424
96号には、フッ酸およびリン酸を希薄濃度に含む廃水
の処理方法が記載されている。この方法は、第一段階と
して炭酸カルシウムスラリーを加え、フッ化カルシウム
を主体とする固体を生成させた後この固体を分離し、第
二段階として水酸化カルシウムを加えて、生成するリン
酸カルシウムを分離する方法である。この方法では、リ
ン酸は水不溶性のリン酸カルシウムとなるが、ポリリン
酸をリン酸化合物として回収する方法については何ら記
載されていない。またポリリン酸は、オルトリン酸と著
しく化学的反応性が異なるため、上記のリン酸含有水の
処理方法をそのままポリリン酸含有水の処理に適用する
ことはできない。
【0007】また特開昭53−107151号には、リ
ン酸希薄溶液に塩化カルシウム、または塩酸および炭酸
カルシウムを添加し、リン酸水素カルシウムを生成させ
る廃水脱リン方法が記載されている。しかし、この公報
にもポリリン酸をリン酸化合物として回収する方法につ
いては何ら記載されていない。さらに処理水中の残留リ
ン濃度を20ppm以下にすることはできない。
【0008】一般にポリリン酸は水で希釈した状態で放
置すると、加水分解によりオルトリン酸が生成すること
が知られており、このオルトリン酸は前記従来法により
処理することが可能である。しかし加水分解のためには
24時間以上の滞留時間が必要であり、大型の装置を必
要とするほか、オルトリン酸の除去には前述のように大
量の反応剤を必要とする。また加水分解によっても完全
にオルトリン酸に転換することは困難であり、残留リン
濃度を低下させることは困難である。
【0009】このように、ポリリン酸を含有する溶液か
らリン酸を、過剰の反応剤を含むことの少ないリン酸化
合物として回収し、資源の再利用を可能にすると同時
に、被処理液中のリン酸を充分除去してリン酸濃度の低
い処理水を得る方法は、未だ開発されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、半導
体製造湿式工程におけるリン酸エッチング工程から排出
される濃厚ポリリン酸水溶液および洗浄液の混合液から
なるポリリン酸含有水からポリリン酸を予め加水分解す
ることなく、解重合させると同時に不溶性リン酸化合物
を生成させることができ、大量の薬剤を使用することが
なく、しかもスラッジの生成量が少なく、かつ分離する
リン酸化合物の純度が高く再利用が可能なポリリン酸含
有水の処理方法を提案することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は次のポリリン酸
含有水の処理方法である。 (1)半導体製造湿式工程におけるリン酸エッチング工
程から排出される濃厚ポリリン酸水溶液および洗浄液の
混合液からなるポリリン酸含有水を、フッ酸エッチング
工程から排出される排液と合液することなく処理する方
法であって、ポリリン酸を解重合させかつ生成するリン
酸と反応して不溶性リン酸化合物を生成する解重合触媒
兼反応剤を、前記ポリリン酸含有水と接触させてポリリ
ン酸の解重合と反応を行い、生成する不溶性リン酸化合
物を分離することを特徴とするポリリン酸含有水の処理
方法。 (2)解重合触媒兼反応剤として炭酸カルシウム、水酸
化カルシウムまたは非晶質水酸化アルミニウムを用い、
不溶性リン酸化合物としてリン酸水素カルシウムまたは
リン酸アルミニウムを生成させることを特徴とする上記
(1)記載の方法。 (3)ポリリン酸含有水に解重合触媒兼反応剤を二回以
上に分けて逐次添加して解重合および反応を行うことを
特徴とする上記(1)または(2)記載の方法。 (4)不溶性リン酸化合物を分離した後の分離水に、ア
ルミニウム塩を添加して中和し、不溶性生成物を分離す
ることを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれか
に記載の方法。
【0012】本発明において処理の対象となるポリリン
酸含有水は、半導体製造湿式工程におけるリン酸エッチ
ング工程から排出される濃厚ポリリン酸水溶液および洗
浄液の混合液からなるポリリン酸含有水であって、リン
酸が重合した形のポリリン酸が含有されている水であ
り、リン酸(オルトリン酸)が含まれていてもよい。リ
ン酸以外の他の化合物が含まれていてもよいが、他の化
合物が後述の解重合触媒兼反応剤と反応して水不溶性の
化合物を生成する場合は、このような他の化合物を除去
した後、本発明の方法に供するのが好ましい。本発明
リリン酸含有水は、フッ酸エッチング工程から排出さ
れる排液を合液することなく処理が行われるが、さらに
他の排水等を液することなく、単独で処理するのが望
ましい。
【0013】本発明で使用する解重合触媒兼反応剤は、
ポリリン酸をリン酸に解重合する触媒作用と、リン酸と
反応して不溶性リン酸化合物を生成する反応剤としての
作用とを兼備えた化合物、すなわち自己触媒作用を有す
る反応剤が使用できる。このような解重合触媒兼反応剤
としては、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、その他
の固体のカルシウム塩、非晶質水酸化アルミニウム、そ
の他の非晶質固体アルミニウム塩などがあげられる。非
晶質水酸化アルミニウムとしては、湿式合成非晶質水酸
化アルミニウムを用いるのが好ましい。
【0014】解重合触媒兼反応剤の形状は特に限定され
ないが、平均粒径が10〜500μm、好ましくは10
〜300μmの微粒子状のものを使用するのが好まし
い。解重合触媒兼反応剤は難溶性のものを用いると、必
要量が溶解して反応するため、その使用量は特に限定さ
れないが、一般的には解重合による生成するリン酸に対
して1〜3当量倍、好ましくは1〜1.2当量倍を添加
するのが望ましい。
【0015】ポリリン酸含有水と解重合触媒兼反応剤と
の接触方法としては、ポリリン酸含有水中に解重合触媒
兼反応剤を一度に添加する方法、二回以上に分けて逐次
添加する方法、解重合触媒兼反応剤を充填したカラムに
ポリリン酸含有水を循環通液する方法などがあげられ
る。これらの中ではポリリン酸含有水にポリリン酸解重
合触媒を添加する方法が好ましく、二回以上に分けて逐
次添加する方法がより好ましい。特に、ポリリン酸を構
成するリン酸の化学当量に相当する量を正確に添加し、
充分に平衡状態になった後、残留する未反応のリン酸の
化学当量にほぼ等しい量を添加するのが好ましい。この
場合解重合触媒兼反応剤の使用量がより少なく、リン酸
の回収率がより高くなるとともに、回収されるリン酸化
合物中に混入する未反応の解重合触媒兼反応剤がより少
なくなり、より高純度のリン酸化合物が不溶性化合物と
して回収できる。
【0016】接触条件は、温度が0〜100℃、好まし
くは20〜80℃、時間が0.5〜24時間、好ましく
は6〜24時間とするのが望ましい。接触は連続式に行
ってもよいし、バッチ式に行ってもよい。
【0017】このようにしてポリリン酸含有水を解重合
触媒兼反応剤と接触させることにより、ポリリン酸は解
重合触媒兼反応剤の触媒作用により解重合されてリン酸
が生成する。生成したリン酸は解重合触媒兼反応剤と反
応し、不溶性リン酸化合物が生成する。解重合触媒兼反
応剤として炭酸カルシウムを用いた場合、リン酸と炭酸
カルシウムとの反応は下記反応式(1)で表わされる。
【化1】 H3PO4 + CaCO3 + H2O → CaHPO4・2H2O + CO2 …(1) 上記反応は、強酸性領域に始まり、中性領域に向かう反
応系条件で、不溶性リン酸化合物としてリン酸水素カル
シウム二水和物(CaHPO4・2H2O)が生成する。
【0018】ポリリン酸解重合触媒として非晶質水酸化
アルミニウムを用いた場合のリン酸との反応は下記反応
式(2)で表わされ、不溶性リン酸化合物としてリン酸
アルミニウムが生成する。
【化2】 H3PO4 + Al(OH)3 → AlPO4 + 3H2O …(2)
【0019】このようにして生成した不溶性リン酸化合
物を沈降分離、ろ過、遠心分離などの固液分離方法によ
り分離することにより、リン酸を不溶性リン酸化合物と
して回収することができる。また不溶性リン酸化合物が
分離された分離水は、ポリリン酸が除去された処理水と
なる。
【0020】本発明では前記のような自己触媒作用を有
する反応剤を解重合触媒兼反応剤として用いているの
で、ポリリン酸の解重合反応と不溶性リン酸化合物の生
成反応とが同時に起こる。このためポリリン酸をリン酸
に加水分解する工程を設けることなく、ポリリン酸から
直接リン酸を一工程で回収することができ、ポリリン酸
およびリン酸が除去された処理水が得られる。この場合
反応式(1)、(2)に示されているように、不溶性リ
ン酸化合物以外の生成物は二酸化炭素または水であり、
処理水中に好ましくない反応副生物が残留することはな
い。
【0021】前記解重合触媒兼反応剤を用いた場合、前
記反応式(1)、(2)から明らかなように、生成する
不溶性リン酸化合物はリン酸水素カルシウムまたはリン
酸アルミニウムであり、他の不溶性化合物は生成しな
い。従って、前記逐次添加などの方法によりポリリン酸
解重合触媒が残留しないかまたはほとんど残留しないよ
うにポリリン酸解重合触媒を添加すると、リン酸は純度
の高いリン酸化合物として回収できる。従って、回収さ
れてリン酸化合物はそのまま、または必要により精製し
た後、再利用することができる。
【0022】分離水中に残留するポリリン酸またはリン
酸濃度をさらに低下させたい場合は、硫酸アルミニウ
ム、ポリ塩化アルミニウム等の水溶性アルミニウム塩ま
たはその水溶液を分離水に添加したのち、さらにアルカ
リを添加してpH5〜9、好ましくは7〜8となるよう
に中和し、生成した不溶性生成物を分離、除去すること
により、残留ポリリン酸またはリン酸を除去することが
できる。上記アルカリとしては、水酸化カルシウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カルシウムなど
が使用できる。
【0023】アルミニウム塩の添加量は、残留するリン
酸の1化学当量に対して、1〜5当量倍、好ましくは1
〜1.2当量倍とするのが望ましい。他の条件は通常の
凝集反応の条件とすることができる。
【0024】上記の反応では、硫酸アルミウム等のアル
ミニウム塩は、アルカリ存在下においてリン酸と反応し
て不溶性のリン酸アルミニウムを形成する。硫酸アルミ
ニウムおよび水酸化カルシウムを用いた場合の反応は下
記反応式(3)で示される。
【化3】 2H3PO4 + Al2(SO4)3 + 3Ca(OH)2 → 2AlPO4 + 3CaSO4・2H2O …(3)
【0025】
【発明の効果】本発明の処理方法は、半導体製造湿式工
程におけるリン酸エッチング工程から排出される濃厚ポ
リリン酸水溶液および洗浄液の混合液からなるポリリン
酸含有水を、フッ酸エッチング工程から排出される排液
と合液することなく解重合触媒兼反応剤と接触させるよ
うにしたので、ポリリン酸を予め加水分解することなく
解重合させると同時に不溶性リン酸化合物を生成させる
ことができ、多量の薬剤を用いることなく一工程でスラ
ッジを生成させ、かつスラッジの生成量を少なくするこ
とができる。しかも生成したスラッジは、リン酸化合物
の純度が高く、再利用することができる。
【0026】解重合触媒兼反応剤を逐次添加すると、さ
らに少ない解重合触媒兼反応剤で、純度の高いリン酸化
合物を高回収率で回収することが可能になる。また不溶
性リン化合物を分離した処理水に水溶性アルミニウム塩
およびアルカリを添加し、生成した不溶性化合物を分離
することにより、リン酸濃度が1mg/l以下の高水質
の処理水が得られる。
【0027】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。各例
中、%および部は重量基準である。 実施例1 オルトリン酸(H3PO4)を220℃で2時間加熱して
生成したポリリン酸を水で希釈し、リン酸として10
0,000mg/lのポリリン酸水溶液を得た。その
後、直ちに炭酸カルシウムをリン酸に対して1.20当
量添加し、24時間後にリン酸水素カルシウムを回収し
た。経時的に水溶液中のポリリン酸およびリン酸(以
下、全リン酸という)の合計濃度(以下、全リン酸濃度
という)を求めた。なお試験期間中、水温は25℃とし
た。結果を図1に示す。対照として、ポリリン酸の水溶
液の代わりにオルトリン酸水溶液(85%H3PO4の希
釈液)、またはポリリン酸を25℃で24時間加水分解
したリン酸水溶液を用いて、上記と同様にして反応を行
った。結果を図1に示す。
【0028】図1の結果からわかるように、ポリリン酸
水溶液に直接炭酸カルシウムを添加しても、数時間の誘
導期のあとに加速期の反応が認められ、24時間後には
ポリリン酸の加水分解水溶液を用いた場合と同程度まで
全リン酸濃度が減少した。このことは炭酸カルシウムは
ポリリン酸の解重合触媒と反応剤としての作用を有して
おり、ポリリン酸水溶液からリン酸を回収して処理水を
得る場合、予めポリリン酸をリン酸に加水分解する必要
がないことを示すものである。
【0029】実施例2 実施例1において、炭酸カルシウムの代わりに液相合成
非晶質水酸化アルミニウムまたは気相合成非晶質水酸化
アルミニウムをリン酸に対して1.20当量用いた以外
は実施例1と同様にして行った。対照として、結晶性水
酸化アルミニウムをリン酸に対して60当量用いて、上
記と同様にして行った。結果を図2に示す。
【0030】図2の結果からわかるように、水酸化アル
ミニウムとポリリン酸との反応は水酸化アルミニウムの
結晶性により反応性が異なり、結晶性水酸化アルミニウ
ムは殆どポリリン酸と反応しないが、非晶質水酸化アル
ミニウム、特に湿式合成非晶質水酸化アルミニウムは良
く反応し、リン酸アルミニウムを生成することがわか
る。また非晶質水酸化アルミニウムは、ポリリン酸と解
重合自己触媒作用をもって反応する、すなわちオルトリ
ン酸との反応速度と全く等しい速度でポリリン酸を解重
合させながらリン酸アルミニウムを生成することがわか
る。
【0031】実施例3 半導体製造湿式工程において発生するシリコン窒化膜エ
ッチング槽から排出される濃厚ポリリン酸水溶液(H3
PO4として86%水溶液)1.0部および洗浄液7.
6部を合液し、H3PO4として10%濃度に希釈した。
このポリリン酸含有水8.6部に、25℃で炭酸カルシ
ウムを全リン酸に対して1.20当量(1.05部)添
加し、6時間反応させた。その後、生成した固体を固液
分離し、リン酸水素カルシウムを回収した。なお炭酸カ
ルシウムは、比表面積6,000cm2/gの微粉のも
のを用いた。条件および結果を以下にまとめて示す。 CaCO3添加量:H3PO4に対して1.20当量
(1.05部) 反応温度:25℃ 反応時間:6時間 スラッジ生成量:2.91部 スラッジ組成: CaHPO4・2H2O;51.9% CaCO3 ;6.2% H2O ;42.0% リン酸回収率 ;99%
【0032】参考例1 半導体製造湿式工程における稀フッ酸エッチング工程か
ら排出された50%フッ化水素0.5部、バッファード
フッ酸エッチング工程から排出されたバッファードフッ
酸水溶液1.0部、リン酸エッチング工程から排出され
た濃厚ポリリン酸水溶液(H3PO4として86%水溶
液)1.0部および洗浄液を合液したところ、全体で約
200部となり、HFが0.5%、NH4Fが0.18
%、H3PO 4が0.5%にまで希釈された。
【0033】このような希釈された排水からフッ素およ
びリン酸を除去するためには大過剰の炭酸カルシウム
(7.5部のCaCO3)を添加する必要があった。条
件および結果を以下にまとめて示す。 CaCO3添加量:7.5部 反応温度:25℃ 反応時間:6時間 スラッジ生成量:16.3部 スラッジ組成: CaHPO4・2H2O;1.5% CaCO3 ;2.5% CaF2 ;0.9% H2O ;70.0% スラッジ中のリン酸化合物の量:約10部
【0034】実施例4、5 実施例3と同様にして、ただし炭酸カルシウムの添加量
を全リン酸に対して1.10または1.25当量に変更
して行った。結果を表1および表2に示す。
【0035】実施例6、7 炭酸カルシウムの添加方法を表1に示すような逐次添加
方式に変更した以外は実施例3と同様にして行った。結
果を表1および表2に示す。
【0036】実施例8 実施例3と同様にして、ただし炭酸カルシウムの代りに
水酸化カルシウムを用い、これを全リン酸に対して1.
25当量添加して行った。結果を表1および表2に示
す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】実施例9〜12 炭酸カルシウムの代わりに液相合成非晶質水酸化アルミ
ニウムを用いて、実施例4〜7と同様に行った。結果を
表3および表4に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】実施例13 実施例3においてスラッジを分離回収して得られた処理
水に、硫酸アルミニウムをリン酸に対して1.10化学
当量添加した後、直ちにCa(OH)2を添加してpH
約8.0に中和した。25℃で0.5時間保持した後、
生成したスラッジを分離した。生成スラッジの量は、実
施例3の濃厚ポリリン酸水溶液1.0部に対して0.0
09部であった。また得られた分離水(処理水)中の全
リン酸濃度は1mg/l以下であった。
【0043】比較例1 実施例3において、炭酸カルシウム1.05部の代わり
に1.5部のAl2(SO43および1.7部のCa
(OH)2を用いた以外は実施例3と同様にして行っ
た。その結果、9.68部の大量のスラッジが生成し
た。またスラッジの組成はAlPO4が11.5%、C
aSO4・2H2Oが25.8%およびH2Oが62.4
%であり、リン酸を高純度で回収することはできなかっ
た。
【0044】比較例2 比較例1において、1.7部のCa(OH)2の代わり
に1.2部のNaOHを用いた以外は比較例1と同様に
して行った。その結果、7.21部の大量のスラッジが
生成した。またスラッジの組成はAlPO4が18.0
%、NaSO4・10H2Oが19.7%およびH2Oが
62.2%であり、リン酸を高純度で回収することはで
きなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の結果を示すグラフである。
【図2】実施例2の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神藤 郁夫 埼玉県戸田市川岸一丁目4番9号 オル ガノ株式会社 総合研究所内 (72)発明者 矢部 江一 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗 田工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−107151(JP,A) 特開 平6−121981(JP,A) 特開 昭56−163792(JP,A) 特開 平7−31984(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/58 C01B 25/32 C01B 25/36

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体製造湿式工程におけるリン酸エッ
    チング工程から排出される濃厚ポリリン酸水溶液および
    洗浄液の混合液からなるポリリン酸含有水を、フッ酸エ
    ッチング工程から排出される排液と合液することなく処
    理する方法であって、 ポリリン酸を解重合させかつ生成するリン酸と反応して
    不溶性リン酸化合物を生成する解重合触媒兼反応剤を、
    前記ポリリン酸含有水と接触させてポリリン酸の解重合
    と反応を行い、生成する不溶性リン酸化合物を分離する
    ことを特徴とするポリリン酸含有水の処理方法。
  2. 【請求項2】 解重合触媒兼反応剤として炭酸カルシウ
    ム、水酸化カルシウムまたは非晶質水酸化アルミニウム
    を用い、不溶性リン酸化合物としてリン酸水素カルシウ
    ムまたはリン酸アルミニウムを生成させることを特徴と
    する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ポリリン酸含有水に解重合触媒兼反応剤
    二回以上に分けて逐次添加して解重合および反応を行
    うことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 不溶性リン酸化合物を分離した後の分離
    水に、アルミニウム塩を添加して中和し、不溶性生成物
    を分離することを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の方法。
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