JP3196461B2 - 焦電体磁器組成物及びそれを用いた赤外線センサー - Google Patents

焦電体磁器組成物及びそれを用いた赤外線センサー

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は焦電体磁器組成物及びそ
れを受光素子材料として用いた赤外線センサーに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動ドア,トイレの自動水洗装
置,照明機器,空調機器,セキュリティー機器等の人間
検知センサーとして焦電型赤外線センサーが使用されて
いるが、これらセンサーに使用される受光素子には焦電
特性を有する焦電体磁器が使用されている。受光素子の
性能は焦電体磁器の持つ焦電係数,熱容量,tanδな
どの固有の特性に加え、大きな感度を得るためには可能
な限り素子の厚みを薄くする必要がある。この薄板化加
工時に割れや欠けを生じず、薄板状態で安定した機械的
強度を有する焦電体磁器が求められている。更には量産
性の面から分極電圧が低く、焼結温度が低い焦電体磁器
が求められている。
【0003】これらの要求特性を充たすものとしてPb
TiO3 系の磁器組成物が開発されている。しかしなが
らこの磁器組成物は、焼結性が悪く、大型の焼結体を得
ることが困難で、また分極に高温,高電圧が必要とし、
更に製品得率が低いという問題点を有していた。そこ
で、これらの問題点を解決するものとして、PbTiO
3 の焼結性と、分極条件の緩和を図った磁器組成物とし
てPbTiO3 −Pb(Co1/21/2 )O3 の組成系
が特公昭58−41790号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、この2成分系は焼結が容易で、分極も容易
であるが、一方加工時に割れや欠けを生じ易いという問
題点を有していることがわかった。そのため、素子の薄
肉化が極めて困難で作業性が悪く、製品得率も低いとい
う問題点を有していた。また、薄肉化ができないため高
感度の受光素子を得難いという問題点を有していた。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、PbTiO3 −Pb(Co1/21/2 )O3 系の容
易な分極条件を維持しながら薄板加工時の割れや欠けの
生じ難い高品質の焦電体磁器を高得率で与えることので
きる焦電体磁器組成物を提供すること、及び焦電体磁器
組成物から得られる受光素子材料を用いた高感度で生産
性に優れた赤外線センサーを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は次の構成からなる。
【0007】請求項1に記載の焦電体磁器組成物は、一
般式がPbx [TiyCo z1-z 1-y1-xn
(但し、nは任意の数)で表され、x,y,zが0.5
01≦x≦0.510,0.80≦y≦0.97,0.
46≦z≦0.49の条件を充たし、かつ、Pb原子の
一部がCa原子で20〜30原子%置換されている構成
を有しており、請求項2に記載の焦電体磁器組成物は、
請求項1に記載した焦電体磁器組成物100重量部に対
し、MnO2 が0〜3重量部添加含有されている構成を
有しており、請求項3に記載の赤外線センサーは、請求
項1又は2に記載の焦電体磁器組成物を受光素子材料と
して用いた構成を有している。
【0008】ここで、x<0.501,y<0.79,
z>0.50の組成では機械的特性が劣り30μm以下
の薄板化加工が不可能であり、そのためセンサーとして
大きな感度も得ることができないので好ましくない。z
<0.45,y>0.98の組成では薄板化の加工は可
能であるが、焦電特性が欠けるため高感度が得られない
ので好ましくない。x>0.511の組成では焼結性が
悪くなり高い焼結温度を必要とするので好ましくない。
Ca原子は20〜30原子%の範囲で分極電圧及びキュ
ーリー温度が最適値を与えることができ、またMnO2
は0〜3重量部添加することで感度を向上させることが
できる。
【0009】本発明の焦電体磁器組成物は一般的には粉
末冶金的方法によって容易に製造することができる。例
えば、原料酸化物としてPbTiO3 ,PbO,TiO
2 ,CoO,WO3 ,BaO,SrO,CaO等を所定
の割合に正確に秤取し、これらをボールミルなどによっ
てよく混合する。尚、この際用いる原料は加熱によって
酸化物に転ずる化合物例えば水酸化物,炭酸塩,シュウ
酸塩などであってもよい。
【0010】次いで、前記混合物を例えば600〜90
0℃程度の温度で予備焼成し、更にボールミルなどによ
って粉砕して調製粉末とすることにより得られる。次
に、この焦電体組成物からの焦電体磁器の製造は、この
調製粉末に水あるいはポリビニルアルコールなどの粘結
剤を添加配合して、0.5〜2 ton/cm2 程度の圧力で
加圧成形した後、1100〜1300℃程度の温度で焼
成する。この焼成において一つの組成分たるPbOの一
部が蒸発揮散する恐れもあるので焼成は閉炉内で行うの
が好ましい。また最高温度での保持は一般に0.5〜5
時間程度で充分である。
【0011】受光素子の製造は、上記方法で得られた焦
電体磁器を厚さ500〜700μmに切断し、両面にA
gペースト等の導電性ペーストを焼付けた後シリコンオ
イル中で3〜5KV/mmの条件で分極処理を行う。次い
で、所定の大きさに切断後限界厚みまで加工した後、両
面にニクロム電極等を所定量受光面積に成膜することに
より行われる。
【0012】
【作用】この構成によって、0.501≦x≦0.51
0,0.80≦y≦0.97,0.46≦z≦0.49
の条件を充たすPbx [Tiy Co z1-z1-y
1-xn (但し、nは任意の数)を焦電体磁器原料とす
ることにより、高い焦電特性を得ることができる。ま
た、Pb原子の一部をCa原子と、20〜30原子%と
置換したので、好適なキューリー温度を得ることができ
るとともに分極電圧を著しく低くすることができる。ま
た、MnO2 を系内に加えたので、感度を向上させるこ
とができるとともに、機械的特性を向上させ30μm以
下の薄板加工を行うことができた。これらの組成範囲の
焦電体磁器組成物を受光素子材料とすることにより、3
000V/W以上の高感度の赤外線センサーを得ること
ができる。
【0013】
【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0014】(実施例1)原料として、化学的に高純度
なPbTiO3 ,TiO2 ,CoO,WO3 ,CaCO
3 を使用し、(表1)に示された所定の組成に正確に秤
量を行い、これをボールミルを用い湿式混合処理を行
う。
【0015】
【表1】
【0016】この混合物を乾燥し、800℃で2時間仮
焼成を行った後、この仮焼成粉を更にボールミルで粉砕
し、脱水乾燥後に粘結材としてポリビニルアルコールを
適当量加え、1 ton/cm2 の圧力を加えて、縦30mm,
横30mm,厚さ10mmの角板に成形した。次いで、この
成形体を1200〜1250℃で4時間本焼成を行い焦
電体磁器を得た。尚、焼成は成分の蒸発を考慮して、同
一組成の仮焼成粉体で十分に充填された白金容器中に成
形体試料を入れた状態で行った。得られた磁器を厚さ7
00μmに切断し、両面にAgペーストを塗布後700
℃で焼き付け、シリコンオイル中、3KV/mmの条件で1
0分間分極処理を行った後、3×4mmの角板に切断す
る。その後この磁器を平面研削機にて限界厚さまで加工
し、両面にスパッタ装置にてニクロム電極を0.5μm
の厚さでφ2mmの受光面積に成膜し、受光素子を作製し
た。次に、得られた受光素子を用い赤外線センサーを作
製した。
【0017】図1は本発明の一実施例における赤外線セ
ンサーの回路図であり、図2は本発明の一実施例におけ
る赤外線センサーの要部断面図である。図中、1は受光
素子、2は抵抗、3は電界効果型トランジスタ(FE
T)、4はプリント基板、5はハーメチックシール、6
は金属製キャップ7に設けられた窓に装着されたシリコ
ン板、8は赤外線センサーである。赤外線センサー8の
製造は、受光素子1,抵抗2,FET3の組み合わせか
らなる回路をプリント基板4に形成し、受光素子1を導
電ペーストにて電気的、機械的にプリント基板の端子と
接続する。これをハーメチックシール5のピンに半田付
けし、シリコン製の窓6を付加した金属製のキャップ7
をハーメチックシールに溶接して行った。
【0018】各組成において割れや欠けが発生しない平
面研削による限界最小厚さ及び得られた受光素子により
構成された赤外線センサーの測定周波数1Hz、熱源温
度500Kにおける感度を測定した。その結果を(表
1)に示した。
【0019】この(表1)から明らかなように、本発明
による組成範囲では、いずれも30μm以下の受光素子
が得られ、これを使用した赤外線センサーは3000V
/W以上の大きな感度を有していることがわかった。そ
れに反し、Ca原子が20原子%未満の組成ではキュー
リー温度が高すぎるため分極が困難になる傾向が認めら
れ、30原子%より大きい組成ではキューリー温度が低
すぎ実用性に欠けるということがわかった。また、x<
0.501,y<0.79,z>0.50の組成では3
0μm以下の加工が不可能であり、そのためセンサーと
して大きな感度も得られない。z<0.45,y>0.
98の組成では薄板の加工は可能であるが、高感度が得
られない。またx>0.511の組成では焼結性が悪く
なることがわかった。
【0020】(実施例2)原料として、化学的に高純度
なPbTiO3 ,TiO2 ,CoO,WO3 ,CaCO
3 ,MnO2 を使用し、(表2)に示された所定の組成
に正確に秤量を行い、これをボールミルを用い湿式混合
処理する。
【0021】
【表2】
【0022】次いで、実施例1と同様の方法で供試試料
を得た。尚、受光素子はいずれの素子も20μmの厚さ
に加工した。各組成において得られた受光素子により構
成された赤外線センサーの測定周波数1Hz、熱源温度
500Kにおける感度を測定した。その結果を(表2)
に示した。
【0023】この(表2)から明らかなように、Caで
Pbを20〜30 mol%置換し、かつMnO2 を3重量
%以下添加する組み合わせにより実施例1に対し更に感
度が向上していることがわかった。本発明による組成範
囲ではいずれの組成でも感度が4000V/W以上と非
常に良好な電気的特性を有していることがわかった。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明は、一般式Pbx
[Tiy (Coz1-z1-y1-x n (但し、nは
任意の数)で表され、0.501≦x≦0.510の範
囲にあるxに対して0.80≦y≦0.97,0.46
≦z≦0.49の範囲にある、即ち複合ペロブスカイト
構造のAサイトイオンとBサイトイオンの比を1:1か
ら微妙にずらすとともにPb原子の一部をCa原子で2
0〜30原子%置換したので容易な分極条件を維持しな
がら薄板加工時の割れや欠けの生じ難い高品質の焦電体
磁器を高収率で与えることのできる焦電体磁器組成物を
実現できるものである。更に上記組成物にMnO2 を3
重量部添加することにより高感度な受光素子材を与える
ことのできる焦電体磁器組成物を実現できるものであ
る。また、これら優れた焦電体磁器組成物から得られる
受光素子材料を用いたので、生産性に優れ高感度で製品
得率の高い赤外線センサーを実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における赤外線センサーの回
路図
【図2】本発明の一実施例における赤外線センサーの要
部断面図
【符号の説明】
1 受光素子 2 抵抗 3 電界効果型トランジスタ(FET) 4 プリント基板 5 ハーメチックシール 6 シリコン板 7 金属製キャップ 8 赤外線センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/42 - 35/49 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式がPbx [TiyCo z1-z
    1-y1-xn (但し、nは任意の数)で表され、x,
    y,zが0.501≦x≦0.510,0.80≦y≦
    0.97,0.46≦z≦0.49の条件を充たし、か
    つ、Pb原子の一部がCa原子で20〜30原子%置換
    されていることを特徴とする焦電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した焦電体磁器組成物10
    0重量部に対し、MnO2 が0〜3重量部添加含有され
    ていることを特徴とする焦電体磁器組成物。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の焦電体磁器
    組成物を加工焼成した焦電体磁器を受光素子材料として
    用いたことを特徴とする赤外線センサー。
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