JP2004077304A - 圧電素子及びこれを用いたノッキングセンサ - Google Patents
圧電素子及びこれを用いたノッキングセンサ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004077304A JP2004077304A JP2002238516A JP2002238516A JP2004077304A JP 2004077304 A JP2004077304 A JP 2004077304A JP 2002238516 A JP2002238516 A JP 2002238516A JP 2002238516 A JP2002238516 A JP 2002238516A JP 2004077304 A JP2004077304 A JP 2004077304A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piezoelectric
- piezo
- mass
- less
- electric
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Measuring Fluid Pressure (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
【課題】Pbの含有量が微量であり、圧電歪定数が大きく、優れた耐熱性を有する圧電素子及びそれを用いたノッキングセンサを提供する。
【解決手段】本発明の圧電素子は、0.1質量%以下のPbを含有する圧電磁器組成物からなる基体と、この基体の表面に形成され、0.1質量%以下のPbを含有する一対の電極とを備える。また、特定の組成式により表わされる圧電磁器組成物を用いることが特に好ましい。更に、特定の金属元素の酸化物を2質量%以下含有する圧電磁器組成物、希土類元素の酸化物を2質量%以下含有する圧電磁器組成物を使用することもできる。本発明のノッキングセンサは、これらの圧電磁器組成物からなる基体を備え、この基体の一面に一対の電極のうちの一方が、他面に一対の電極のうちの他方が形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の圧電素子は、0.1質量%以下のPbを含有する圧電磁器組成物からなる基体と、この基体の表面に形成され、0.1質量%以下のPbを含有する一対の電極とを備える。また、特定の組成式により表わされる圧電磁器組成物を用いることが特に好ましい。更に、特定の金属元素の酸化物を2質量%以下含有する圧電磁器組成物、希土類元素の酸化物を2質量%以下含有する圧電磁器組成物を使用することもできる。本発明のノッキングセンサは、これらの圧電磁器組成物からなる基体を備え、この基体の一面に一対の電極のうちの一方が、他面に一対の電極のうちの他方が形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電素子及びこれを用いたノッキングセンサに関する。更に詳しくは、Pbの含有量が微量であるにもかかわらず、圧電歪定数が大きく、且つ十分な耐熱性を有する圧電素子及びこれを用いたノッキングセンサに関する。本発明は、センサ、振動子、アクチュエータ、フィルタなどの圧電デバイスにおいて利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来から量産化されている圧電セラミックスは、チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のようにPbを含有するものが多い。しかし、これらPbを含有する圧電セラミックスでは、焼成時、酸化鉛等の揮散が避けられない。この酸化鉛等が環境に影響しないように処理するためのコストは多大なものであり、Pbを含有しない圧電セラミックスの開発が必要とされている。現在、このPbを含有しない圧電セラミックスとしては、(Bi0.5Na0.5)TiO3(BNT)及びビスマス層状化合物等があるが、Pbを含有する圧電セラミックスに比べて、圧電歪定数が小さく、印加された電圧に対する歪み、又は負荷された応力に対する発生電圧が小さいという問題がある。そのため、特に振動子等の能動素子として使用することは困難である。
【0003】
また、この圧電セラミックスのセンサとしての用途としてノッキングセンサがある。ノッキングセンサはエンジンのノッキングを検知し、点火時期を調整するために使用されるものであり、圧電素子を用いてノッキングを検出するものが主流になっている。ノッキングセンサに使用される圧電素子には、感度の高いセンサとするため圧電歪定数が大きいこと、150℃程度の高温域での使用において熱劣化が小さいこと等が必要とされている。この要求特性を備える圧電セラミックスとしてPT、PZT等が使用されてきたが、環境の観点からBNT等への切り替えが必要とされている。しかし、BNT等のPbを含有しない圧電セラミックスはPT、PZT等に比べて圧電歪定数が小さいという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の従来の問題点を解決するものであり、Pbの含有量が微量であるにもかかわらず、圧電歪定数が大きく、且つ十分な耐熱性を有する圧電素子、並びにこの圧電素子を備え、検知性能及び耐熱性が高いノッキングセンサを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の圧電素子は、0.1質量%以下のPbを含有する圧電磁器組成物からなる基体と、該基体の表面に形成され、0.1質量%以下のPbを含有する一対の電極とを備えることを特徴とする。
また、上記圧電磁器組成物は、少なくともBi、Na、K、Ba、Ti及びOを有し、組成式[(1/2)aBi2O3−(1/2)bNa2O−(1/2)cK2O−dBaO−eTiO2](但し、a、b、c、d及びeはモル比を表し、a+b+c+d+e=1である。)により表した場合に、0.1125<a≦0.2750、0.1025≦b≦0.2475、0<c≦0.1375、0<d≦0.2750、0.50<e≦0.55、a>b+cである圧電素子とすることができる。
更に、上記組成式において0<c≦0.05である圧電素子とすることができる。
また、上記圧電磁器組成物を100質量%とした場合に、Li、Mg、Ca、Sr、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Al、Ga、In、Sn及びSbの各々の元素の酸化物のうちの少なくとも1種を2質量%以下含有する圧電素子とすることができる。
更に、上記圧電磁器組成物を100質量%とした場合に、少なくとも1種の希土類元素の酸化物を2質量%以下含有する圧電素子とすることができる。
本発明のノッキングセンサは、上記の圧電素子を備え、上記基体の一面に上記一対の電極のうちの一方が形成され、該基体の他面に該一対の電極のうちの他方が形成されていることを特徴とする。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、酸化鉛等の揮散による環境面での問題がなく、且つ圧電歪定数が大きく、優れた耐熱性を有する圧電素子とすることができる。
また、特定の組成の圧電磁器組成物を用いた場合は、Pbの含有量が微量であるにもかかわらず、十分な圧電歪定数を有する圧電素子とすることができる。
更に、K成分の含有量を特定の範囲とした場合は、導電性ペーストの焼き付け温度が高くても、十分な圧電歪定数と耐熱性とを有する圧電素子とすることができる。
また、特定の金属元素の酸化物を所定量含有する圧電磁器組成物を用いた場合は、圧電素子の機械的品質係数を向上させることができる。
更に、希土類元素の酸化物を所定量含有する圧電磁器組成物を用いた場合は、圧電素子の電気機械結合係数を向上させることができる。
本発明のノッキングセンサは、酸化鉛等の揮散による環境面での問題がなく、且つ検知性能が高く、併せて優れた耐熱性を有している。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
上記「圧電磁器組成物」のPbの含有量は、圧電磁器組成物を100質量%とした場合に、0.1質量%以下であり、0.01質量%以下、特に0.001質量%以下であることが好ましい。また、Pbの含有量は蛍光X線分析などにより定量することができ、この方法により測定した場合にPbが測定限界値である0.001質量%未満であることがより好ましい。このようにPbの含有量が微量である圧電磁器組成物は、上記の方法により測定したPbの含有量が微量であり、又は測定限界値未満である原料を用いることにより製造することができる。Pbの含有量が微量である圧電磁器組成物は、その焼成時に酸化鉛等が揮散したとしても、微量であるため環境面で問題になることはない。
【0008】
このPbの含有量が微量である圧電磁器組成物としては、組成式[(1/2)aBi2O3−(1/2)bNa2O−(1/2)cK2O−dBaO−eTiO2]で表されるものを使用することができる。この圧電磁器組成物は、Pbの含有量が微量であるにもかかわらず、十分に大きい圧電歪定数及び優れた耐熱性を有する。
【0009】
この圧電磁器組成物において、aは0.1250≦a≦0.2750、特に0.2000≦a≦0.2600であることが好ましい。このaが0.1125以下であると圧電特性、特にε33 T/ε0が低下し、0.2750を越えると耐熱性が低下する。また、bは0.1125≦b≦0.2250、特に0.1250≦b≦0.1885であることが好ましい。bが0.1025未満であると圧電特性、特にd33が低下し、0.2475を越えると耐熱性が低下する。更に、cは0<c≦0.1250、特に0<c≦0.1000であることが好ましい。cが0、即ち、K成分が含有されていないと圧電歪定数が小さくなり、cが0.1375を越えると耐熱性が低下する。また、dは0<d≦0.2500、特に0<d≦0.2000であることが好ましい。dが0、即ち、Ba成分が含有されていないと耐熱性が低下し、dが0.2750を越えると圧電特性、特にε33 T/ε0が低下する。更に、eは0.51≦e≦0.53であることが好ましい。eが0.50以下であるとビスマス層状化合物等の第二相が析出し、圧電歪定数が小さくなり、0.55を越えると焼結性が低下する。また、Bi2O3の含有量はNa2OとK2Oとの合計量を越えている必要があり、Na2OとK2Oとの含有量が過多であると、耐熱性が低下する傾向にある。
【0010】
K成分の含有量を表すcは0<c≦0.05であることが好ましい。電極を形成するための導電性ペーストのガラス成分がPbを含む場合に比べて、Pbを含まない場合は焼き付け温度を高くする必要があり、焼き付け時に圧電磁器組成物に含有されるK成分が揮散し易くなる。そのため、c>0.05の場合においては組成ずれが大きくなる可能性があり、その結果、圧電歪定数が小さくなり、耐熱性も低下する。そこで、cの範囲を0<c≦0.05とすることにより、圧電特性及び耐熱性の低下を抑えることができる。
【0011】
また、圧電磁器組成物には、Li、Mg、Ca、Sr、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Al、Ga、In、Sn及びSbの各々の元素の酸化物のうちの少なくとも1種を含有させることができる。これにより圧電特性、特に圧電歪定数や、機械的品質係数(Qm)を向上させることができる。この酸化物としては、Li、Mn及びFeの酸化物が特に好ましい。これらの酸化物の含有量は、0.05〜1質量%、特に0.05〜0.5質量%であることが好ましい。この含有量が0.05〜0.5質量%であれば、圧電歪定数及びQmをより十分に向上させることができる。一方、2質量%を越えて含有する場合は、却って圧電歪定数が小さくなる。
【0012】
更に、圧電磁器組成物には、希土類元素の酸化物のうちの少なくとも1種を含有させることができる。これにより圧電特性、特に電気機械結合係数(k33)を向上させることができる。この酸化物としては、Laの酸化物が特に好ましい。これらの酸化物の含有量は、0.05〜1質量%、特に0.05〜0.5質量%であることが好ましい。この含有量が0.05〜0.5質量%であれば、k33をより十分に向上させることができる。一方、2質量%を越えて含有する場合は、却ってk33が低下する。
【0013】
上記「基体」は、圧電磁器組成物により形成される。基体の形状及び寸法は特に限定されず、用途等に応じて適宜の形状、寸法とすることができる。この基体の製造方法も特に限定されず、例えば、原料セラミック粉末に有機媒体を加えて湿式混合し、その後、泥漿を乾燥し、仮焼し、次いで、仮焼物に有機バインダ、分散剤及びエタノール等の有機媒体を配合して湿式混合し、その後、この泥漿を乾燥させて造粒し、一軸加圧法等により成形し、次いで、冷間等方静水圧プレス処理を行った後、1050〜1250℃で1〜5時間保持して焼成することにより製造することができる。
【0014】
基体の表面には一対の電極が形成されるが、この一対の電極の各々は基体の一面側の所定位置に形成してもよいし、基体の一面と他面とにそれぞれ形成してもよい。但し、後記のノッキングセンサに適用する場合は、基体の一面に一方の電極を形成し、基体の他面に他方の電極を形成する必要がある。特に、一対の電極がそれぞれ対向する位置に形成することがより好ましい。
【0015】
上記「一対の電極」のPbの含有量は、一対の電極を100質量%とした場合に、0.1質量%以下であり、0.01質量%以下、特に0.001質量%以下であることが好ましい。また、Pbの含有量は圧電磁器組成物の場合と同様にして定量することができ、上記の方法により測定した場合にPbが測定限界値である0.001質量%未満であることがより好ましい。このようにPbの含有量が微量である一対の電極は、上記の方法により測定したPbの含有量が微量であり、又は測定限界値未満である導電性ペーストを用いることにより作製することができる。尚、一対の電極の各々は同一の導電性ペーストにより作製してもよいし、異なる導電性ペーストにより作製してもよいが、通常、同一の導電性ペーストが用いられる。このPbの含有量が微量である一対の電極は、その焼き付け時に酸化鉛等が揮散したとしても、微量であるため環境面で問題になることはない。
【0016】
Pbの含有量が微量である導電性ペーストは、Pbの含有量が微量であるガラスフリットと、導電成分と、有機媒体とを用いて調製することができる。ガラスフリットとしては、例えば、SiO2、Al2O3、ZnO及びTiO2などを含有するものを使用することができる。このガラスフリットにより、圧電磁器組成物からなる基体と一対の電極との接合強度を向上させることができる。
【0017】
導電成分としては、銀、金、パラジウム、白金等の貴金属からなる粉末、これらの粉末の2種以上を含む混合粉末、2種以上の貴金属の合金からなる粉末等を使用することができる。その他、銅、ニッケル等からなる粉末、又はこれらの混合粉末、及びこれらの金属の合金からなる粉末等を用いることもできる。この導電成分としては、銀、パラジウム及び銀−パラジウム合金の各々の粉末が特に好ましい。導電粉末の平均粒径は20μm以下であることが好ましく、スクリーン印刷等の通常の方法により電極パターンを形成することができる導電粉末が好ましい。また、焼き付け時に過焼結となったり、焼結不足となることを防止するためには、導電粉末の平均粒径は1〜5μmであることがより好ましい。導電成分は、通常、導電性ペーストに含まれる固体成分のうちの70〜99質量%となるように配合される。
【0018】
有機媒体としては、例えば、アルコール類、エステル類、エーテル類等のこの種のペーストの調製に一般に用いられるものを使用することができる。この有機媒体は、導電性ペーストを100質量%とした場合に、通常、10〜40質量%程度配合される。
【0019】
この導電性ペーストは、ガラスフリット、導電成分及び必要に応じて各種の配合剤等を、3本ロールミルなどのミキシング装置を用いる通常の方法により有機媒体に混合し、分散させて調製することができる。
【0020】
上記「ノッキングセンサ」は、本発明における圧電磁器組成物を基体として備え、この基体の一面に一対の電極のうちの一方が形成され、他面に一対の電極のうちの他方が形成されている。このノッキングセンサでは、基体も電極もともにPbの含有量が微量であるため、Pbによる環境面での問題がなく、且つ圧電歪定数が大きく、耐熱性にも優れ、十分な検知性能が長期に渡って維持される。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)圧電素子の作製
市販のBi2O3粉末、Na2CO3粉末、K2CO3粉末、BaCO3粉末及びTiO2粉末を表1の組成となるようにそれぞれ秤量した。これらの粉末をボールミルに投入し、エタノールを加えて15時間湿式混合し、泥漿を得た。その後、この泥漿を湯煎乾燥し、大気雰囲気において800℃で2時間仮焼した。次いで、この仮焼物に、有機バインダ、分散剤及びエタノールを配合してボールミルに投入し、15時間湿式混合し、泥漿とした。その後、この泥漿を湯煎乾燥し、造粒し、圧力1GPaで一軸加圧して直径20mm、厚さ2mmの円板状に成形した。次いで、15GPaの圧力で冷間等方静水圧プレス処理を行い、この成形体を大気雰囲気において1050〜1250℃で2時間保持し、焼成して圧電磁器成形体を得た。
【0022】
その後、この圧電磁器成形体の上下面を平面研磨し、次いで、研磨後の上下面に、SiO2、Al2O3、ZnO及びTiO2を含むガラスフリット、銀粉末及び有機媒体としてブチルカルビトールアセテートを用いて調製した導電性ペーストをスクリーン印刷により塗布し、800℃で10分間焼き付け、電極を形成した。次いで、10〜200℃に保温した絶縁オイル(シリコーンオイル)に浸漬し、3〜7kV/mmの直流電流を1〜30分間印加することにより分極処理を行って圧電素子を作製した。
尚、この圧電素子を構成する圧電磁器成形体(圧電磁器組成物)及び電極のPb含有量を蛍光X線分析により測定したところ、いずれも測定限界値未満であった。
【0023】
(2)圧電特性の測定
圧電歪定数及び耐熱試験後の圧電歪定数並びに誘電率
EMAS−6100に従い、インピーダンスアナライザ(ヒューレットパッカード社製、型式「4194A」)を用いて、(1)で作製した各々の圧電素子を温度20℃に保持した恒温槽に静置し、圧電歪定数d33(pC/N)を測定した。また、それぞれの圧電素子を150℃で1時間加熱した後、上記と同様にして圧電歪定数d33(pC/N)を測定し、耐熱性を評価した。更に、誘電率(ε33 T/ε0)を併せて測定した。結果を表1に記載する。また、表1には耐熱試験後の圧電歪定数d33(pC/N)の耐熱試験前に対する保持率を併せて記載する。この保持率は耐熱試験後のd33を耐熱試験前のd33で除して100倍した値(単位;%)である。
【0024】
【表1】
【0025】
表1の結果によれば、実施例1〜13の圧電素子では、組成により変化するものの85〜127pC/Nと十分に大きい圧電歪定数を有しており、誘電率も700〜1300で、例えば、ノッキングセンサとして使用するのに十分な値であることが分かる。また、これらの実施例の圧電素子では耐熱試験後の圧電歪定数の保持率も66.7〜92.1%と高く、耐熱試験後も十分な圧電歪定数が保持されている。
【0026】
一方、Ba成分が含有されない比較例1〜3及びK成分が含有されない比較例4〜5では、圧電歪定数、誘電率ともに実施例に比べて何ら劣ってはいないが、耐熱試験後の圧電歪定数は0であり、耐熱性が極めて劣っていることが分かる。
【0027】
(3)ノッキングセンサ
(1)と同様の方法で作製した圧電素子であって、外径23mm、内径15mm、厚さ2.4mmのリング状圧電磁器成形体の上下面各々に電極を形成してなる圧電振動子を備えたノッキングセンサを作製した(図1参照)。このノッキングセンサはエンジンブロックに取り付けられ(図1の下方がエンジンブロックへの取付方向である。)、エンジンブロックからの振動は主体金具5を伝わり、圧電振動子1により検出される。この圧電振動子は振動の加速度に比例して電圧を発生し、ノッキングが検知される。
【0028】
尚、本発明においては、上記の具体的な実施例に記載されたものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、圧電磁器組成物はLiを含有していてもよい。このLiは圧電磁器組成物にどのような態様で含有されていてもよいが、BNTに固溶しているNaの一部と置換されていてもよい。また、この他にも圧電素子の圧電特性に影響を及ぼさない範囲で更に他の成分、又は不可避不純物等が含まれていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のノッキングセンサの模式図である。
【符号の説明】
1;圧電振動子、2;電極板、3;錘、4;ナット、5;主体金具、6;樹脂ケース、7;コネクタ部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電素子及びこれを用いたノッキングセンサに関する。更に詳しくは、Pbの含有量が微量であるにもかかわらず、圧電歪定数が大きく、且つ十分な耐熱性を有する圧電素子及びこれを用いたノッキングセンサに関する。本発明は、センサ、振動子、アクチュエータ、フィルタなどの圧電デバイスにおいて利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来から量産化されている圧電セラミックスは、チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のようにPbを含有するものが多い。しかし、これらPbを含有する圧電セラミックスでは、焼成時、酸化鉛等の揮散が避けられない。この酸化鉛等が環境に影響しないように処理するためのコストは多大なものであり、Pbを含有しない圧電セラミックスの開発が必要とされている。現在、このPbを含有しない圧電セラミックスとしては、(Bi0.5Na0.5)TiO3(BNT)及びビスマス層状化合物等があるが、Pbを含有する圧電セラミックスに比べて、圧電歪定数が小さく、印加された電圧に対する歪み、又は負荷された応力に対する発生電圧が小さいという問題がある。そのため、特に振動子等の能動素子として使用することは困難である。
【0003】
また、この圧電セラミックスのセンサとしての用途としてノッキングセンサがある。ノッキングセンサはエンジンのノッキングを検知し、点火時期を調整するために使用されるものであり、圧電素子を用いてノッキングを検出するものが主流になっている。ノッキングセンサに使用される圧電素子には、感度の高いセンサとするため圧電歪定数が大きいこと、150℃程度の高温域での使用において熱劣化が小さいこと等が必要とされている。この要求特性を備える圧電セラミックスとしてPT、PZT等が使用されてきたが、環境の観点からBNT等への切り替えが必要とされている。しかし、BNT等のPbを含有しない圧電セラミックスはPT、PZT等に比べて圧電歪定数が小さいという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の従来の問題点を解決するものであり、Pbの含有量が微量であるにもかかわらず、圧電歪定数が大きく、且つ十分な耐熱性を有する圧電素子、並びにこの圧電素子を備え、検知性能及び耐熱性が高いノッキングセンサを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の圧電素子は、0.1質量%以下のPbを含有する圧電磁器組成物からなる基体と、該基体の表面に形成され、0.1質量%以下のPbを含有する一対の電極とを備えることを特徴とする。
また、上記圧電磁器組成物は、少なくともBi、Na、K、Ba、Ti及びOを有し、組成式[(1/2)aBi2O3−(1/2)bNa2O−(1/2)cK2O−dBaO−eTiO2](但し、a、b、c、d及びeはモル比を表し、a+b+c+d+e=1である。)により表した場合に、0.1125<a≦0.2750、0.1025≦b≦0.2475、0<c≦0.1375、0<d≦0.2750、0.50<e≦0.55、a>b+cである圧電素子とすることができる。
更に、上記組成式において0<c≦0.05である圧電素子とすることができる。
また、上記圧電磁器組成物を100質量%とした場合に、Li、Mg、Ca、Sr、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Al、Ga、In、Sn及びSbの各々の元素の酸化物のうちの少なくとも1種を2質量%以下含有する圧電素子とすることができる。
更に、上記圧電磁器組成物を100質量%とした場合に、少なくとも1種の希土類元素の酸化物を2質量%以下含有する圧電素子とすることができる。
本発明のノッキングセンサは、上記の圧電素子を備え、上記基体の一面に上記一対の電極のうちの一方が形成され、該基体の他面に該一対の電極のうちの他方が形成されていることを特徴とする。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、酸化鉛等の揮散による環境面での問題がなく、且つ圧電歪定数が大きく、優れた耐熱性を有する圧電素子とすることができる。
また、特定の組成の圧電磁器組成物を用いた場合は、Pbの含有量が微量であるにもかかわらず、十分な圧電歪定数を有する圧電素子とすることができる。
更に、K成分の含有量を特定の範囲とした場合は、導電性ペーストの焼き付け温度が高くても、十分な圧電歪定数と耐熱性とを有する圧電素子とすることができる。
また、特定の金属元素の酸化物を所定量含有する圧電磁器組成物を用いた場合は、圧電素子の機械的品質係数を向上させることができる。
更に、希土類元素の酸化物を所定量含有する圧電磁器組成物を用いた場合は、圧電素子の電気機械結合係数を向上させることができる。
本発明のノッキングセンサは、酸化鉛等の揮散による環境面での問題がなく、且つ検知性能が高く、併せて優れた耐熱性を有している。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
上記「圧電磁器組成物」のPbの含有量は、圧電磁器組成物を100質量%とした場合に、0.1質量%以下であり、0.01質量%以下、特に0.001質量%以下であることが好ましい。また、Pbの含有量は蛍光X線分析などにより定量することができ、この方法により測定した場合にPbが測定限界値である0.001質量%未満であることがより好ましい。このようにPbの含有量が微量である圧電磁器組成物は、上記の方法により測定したPbの含有量が微量であり、又は測定限界値未満である原料を用いることにより製造することができる。Pbの含有量が微量である圧電磁器組成物は、その焼成時に酸化鉛等が揮散したとしても、微量であるため環境面で問題になることはない。
【0008】
このPbの含有量が微量である圧電磁器組成物としては、組成式[(1/2)aBi2O3−(1/2)bNa2O−(1/2)cK2O−dBaO−eTiO2]で表されるものを使用することができる。この圧電磁器組成物は、Pbの含有量が微量であるにもかかわらず、十分に大きい圧電歪定数及び優れた耐熱性を有する。
【0009】
この圧電磁器組成物において、aは0.1250≦a≦0.2750、特に0.2000≦a≦0.2600であることが好ましい。このaが0.1125以下であると圧電特性、特にε33 T/ε0が低下し、0.2750を越えると耐熱性が低下する。また、bは0.1125≦b≦0.2250、特に0.1250≦b≦0.1885であることが好ましい。bが0.1025未満であると圧電特性、特にd33が低下し、0.2475を越えると耐熱性が低下する。更に、cは0<c≦0.1250、特に0<c≦0.1000であることが好ましい。cが0、即ち、K成分が含有されていないと圧電歪定数が小さくなり、cが0.1375を越えると耐熱性が低下する。また、dは0<d≦0.2500、特に0<d≦0.2000であることが好ましい。dが0、即ち、Ba成分が含有されていないと耐熱性が低下し、dが0.2750を越えると圧電特性、特にε33 T/ε0が低下する。更に、eは0.51≦e≦0.53であることが好ましい。eが0.50以下であるとビスマス層状化合物等の第二相が析出し、圧電歪定数が小さくなり、0.55を越えると焼結性が低下する。また、Bi2O3の含有量はNa2OとK2Oとの合計量を越えている必要があり、Na2OとK2Oとの含有量が過多であると、耐熱性が低下する傾向にある。
【0010】
K成分の含有量を表すcは0<c≦0.05であることが好ましい。電極を形成するための導電性ペーストのガラス成分がPbを含む場合に比べて、Pbを含まない場合は焼き付け温度を高くする必要があり、焼き付け時に圧電磁器組成物に含有されるK成分が揮散し易くなる。そのため、c>0.05の場合においては組成ずれが大きくなる可能性があり、その結果、圧電歪定数が小さくなり、耐熱性も低下する。そこで、cの範囲を0<c≦0.05とすることにより、圧電特性及び耐熱性の低下を抑えることができる。
【0011】
また、圧電磁器組成物には、Li、Mg、Ca、Sr、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Al、Ga、In、Sn及びSbの各々の元素の酸化物のうちの少なくとも1種を含有させることができる。これにより圧電特性、特に圧電歪定数や、機械的品質係数(Qm)を向上させることができる。この酸化物としては、Li、Mn及びFeの酸化物が特に好ましい。これらの酸化物の含有量は、0.05〜1質量%、特に0.05〜0.5質量%であることが好ましい。この含有量が0.05〜0.5質量%であれば、圧電歪定数及びQmをより十分に向上させることができる。一方、2質量%を越えて含有する場合は、却って圧電歪定数が小さくなる。
【0012】
更に、圧電磁器組成物には、希土類元素の酸化物のうちの少なくとも1種を含有させることができる。これにより圧電特性、特に電気機械結合係数(k33)を向上させることができる。この酸化物としては、Laの酸化物が特に好ましい。これらの酸化物の含有量は、0.05〜1質量%、特に0.05〜0.5質量%であることが好ましい。この含有量が0.05〜0.5質量%であれば、k33をより十分に向上させることができる。一方、2質量%を越えて含有する場合は、却ってk33が低下する。
【0013】
上記「基体」は、圧電磁器組成物により形成される。基体の形状及び寸法は特に限定されず、用途等に応じて適宜の形状、寸法とすることができる。この基体の製造方法も特に限定されず、例えば、原料セラミック粉末に有機媒体を加えて湿式混合し、その後、泥漿を乾燥し、仮焼し、次いで、仮焼物に有機バインダ、分散剤及びエタノール等の有機媒体を配合して湿式混合し、その後、この泥漿を乾燥させて造粒し、一軸加圧法等により成形し、次いで、冷間等方静水圧プレス処理を行った後、1050〜1250℃で1〜5時間保持して焼成することにより製造することができる。
【0014】
基体の表面には一対の電極が形成されるが、この一対の電極の各々は基体の一面側の所定位置に形成してもよいし、基体の一面と他面とにそれぞれ形成してもよい。但し、後記のノッキングセンサに適用する場合は、基体の一面に一方の電極を形成し、基体の他面に他方の電極を形成する必要がある。特に、一対の電極がそれぞれ対向する位置に形成することがより好ましい。
【0015】
上記「一対の電極」のPbの含有量は、一対の電極を100質量%とした場合に、0.1質量%以下であり、0.01質量%以下、特に0.001質量%以下であることが好ましい。また、Pbの含有量は圧電磁器組成物の場合と同様にして定量することができ、上記の方法により測定した場合にPbが測定限界値である0.001質量%未満であることがより好ましい。このようにPbの含有量が微量である一対の電極は、上記の方法により測定したPbの含有量が微量であり、又は測定限界値未満である導電性ペーストを用いることにより作製することができる。尚、一対の電極の各々は同一の導電性ペーストにより作製してもよいし、異なる導電性ペーストにより作製してもよいが、通常、同一の導電性ペーストが用いられる。このPbの含有量が微量である一対の電極は、その焼き付け時に酸化鉛等が揮散したとしても、微量であるため環境面で問題になることはない。
【0016】
Pbの含有量が微量である導電性ペーストは、Pbの含有量が微量であるガラスフリットと、導電成分と、有機媒体とを用いて調製することができる。ガラスフリットとしては、例えば、SiO2、Al2O3、ZnO及びTiO2などを含有するものを使用することができる。このガラスフリットにより、圧電磁器組成物からなる基体と一対の電極との接合強度を向上させることができる。
【0017】
導電成分としては、銀、金、パラジウム、白金等の貴金属からなる粉末、これらの粉末の2種以上を含む混合粉末、2種以上の貴金属の合金からなる粉末等を使用することができる。その他、銅、ニッケル等からなる粉末、又はこれらの混合粉末、及びこれらの金属の合金からなる粉末等を用いることもできる。この導電成分としては、銀、パラジウム及び銀−パラジウム合金の各々の粉末が特に好ましい。導電粉末の平均粒径は20μm以下であることが好ましく、スクリーン印刷等の通常の方法により電極パターンを形成することができる導電粉末が好ましい。また、焼き付け時に過焼結となったり、焼結不足となることを防止するためには、導電粉末の平均粒径は1〜5μmであることがより好ましい。導電成分は、通常、導電性ペーストに含まれる固体成分のうちの70〜99質量%となるように配合される。
【0018】
有機媒体としては、例えば、アルコール類、エステル類、エーテル類等のこの種のペーストの調製に一般に用いられるものを使用することができる。この有機媒体は、導電性ペーストを100質量%とした場合に、通常、10〜40質量%程度配合される。
【0019】
この導電性ペーストは、ガラスフリット、導電成分及び必要に応じて各種の配合剤等を、3本ロールミルなどのミキシング装置を用いる通常の方法により有機媒体に混合し、分散させて調製することができる。
【0020】
上記「ノッキングセンサ」は、本発明における圧電磁器組成物を基体として備え、この基体の一面に一対の電極のうちの一方が形成され、他面に一対の電極のうちの他方が形成されている。このノッキングセンサでは、基体も電極もともにPbの含有量が微量であるため、Pbによる環境面での問題がなく、且つ圧電歪定数が大きく、耐熱性にも優れ、十分な検知性能が長期に渡って維持される。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)圧電素子の作製
市販のBi2O3粉末、Na2CO3粉末、K2CO3粉末、BaCO3粉末及びTiO2粉末を表1の組成となるようにそれぞれ秤量した。これらの粉末をボールミルに投入し、エタノールを加えて15時間湿式混合し、泥漿を得た。その後、この泥漿を湯煎乾燥し、大気雰囲気において800℃で2時間仮焼した。次いで、この仮焼物に、有機バインダ、分散剤及びエタノールを配合してボールミルに投入し、15時間湿式混合し、泥漿とした。その後、この泥漿を湯煎乾燥し、造粒し、圧力1GPaで一軸加圧して直径20mm、厚さ2mmの円板状に成形した。次いで、15GPaの圧力で冷間等方静水圧プレス処理を行い、この成形体を大気雰囲気において1050〜1250℃で2時間保持し、焼成して圧電磁器成形体を得た。
【0022】
その後、この圧電磁器成形体の上下面を平面研磨し、次いで、研磨後の上下面に、SiO2、Al2O3、ZnO及びTiO2を含むガラスフリット、銀粉末及び有機媒体としてブチルカルビトールアセテートを用いて調製した導電性ペーストをスクリーン印刷により塗布し、800℃で10分間焼き付け、電極を形成した。次いで、10〜200℃に保温した絶縁オイル(シリコーンオイル)に浸漬し、3〜7kV/mmの直流電流を1〜30分間印加することにより分極処理を行って圧電素子を作製した。
尚、この圧電素子を構成する圧電磁器成形体(圧電磁器組成物)及び電極のPb含有量を蛍光X線分析により測定したところ、いずれも測定限界値未満であった。
【0023】
(2)圧電特性の測定
圧電歪定数及び耐熱試験後の圧電歪定数並びに誘電率
EMAS−6100に従い、インピーダンスアナライザ(ヒューレットパッカード社製、型式「4194A」)を用いて、(1)で作製した各々の圧電素子を温度20℃に保持した恒温槽に静置し、圧電歪定数d33(pC/N)を測定した。また、それぞれの圧電素子を150℃で1時間加熱した後、上記と同様にして圧電歪定数d33(pC/N)を測定し、耐熱性を評価した。更に、誘電率(ε33 T/ε0)を併せて測定した。結果を表1に記載する。また、表1には耐熱試験後の圧電歪定数d33(pC/N)の耐熱試験前に対する保持率を併せて記載する。この保持率は耐熱試験後のd33を耐熱試験前のd33で除して100倍した値(単位;%)である。
【0024】
【表1】
【0025】
表1の結果によれば、実施例1〜13の圧電素子では、組成により変化するものの85〜127pC/Nと十分に大きい圧電歪定数を有しており、誘電率も700〜1300で、例えば、ノッキングセンサとして使用するのに十分な値であることが分かる。また、これらの実施例の圧電素子では耐熱試験後の圧電歪定数の保持率も66.7〜92.1%と高く、耐熱試験後も十分な圧電歪定数が保持されている。
【0026】
一方、Ba成分が含有されない比較例1〜3及びK成分が含有されない比較例4〜5では、圧電歪定数、誘電率ともに実施例に比べて何ら劣ってはいないが、耐熱試験後の圧電歪定数は0であり、耐熱性が極めて劣っていることが分かる。
【0027】
(3)ノッキングセンサ
(1)と同様の方法で作製した圧電素子であって、外径23mm、内径15mm、厚さ2.4mmのリング状圧電磁器成形体の上下面各々に電極を形成してなる圧電振動子を備えたノッキングセンサを作製した(図1参照)。このノッキングセンサはエンジンブロックに取り付けられ(図1の下方がエンジンブロックへの取付方向である。)、エンジンブロックからの振動は主体金具5を伝わり、圧電振動子1により検出される。この圧電振動子は振動の加速度に比例して電圧を発生し、ノッキングが検知される。
【0028】
尚、本発明においては、上記の具体的な実施例に記載されたものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、圧電磁器組成物はLiを含有していてもよい。このLiは圧電磁器組成物にどのような態様で含有されていてもよいが、BNTに固溶しているNaの一部と置換されていてもよい。また、この他にも圧電素子の圧電特性に影響を及ぼさない範囲で更に他の成分、又は不可避不純物等が含まれていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のノッキングセンサの模式図である。
【符号の説明】
1;圧電振動子、2;電極板、3;錘、4;ナット、5;主体金具、6;樹脂ケース、7;コネクタ部。
Claims (6)
- 0.1質量%以下のPbを含有する圧電磁器組成物からなる基体と、該基体の表面に形成され、0.1質量%以下のPbを含有する一対の電極とを備えることを特徴とする圧電素子。
- 上記圧電磁器組成物は、少なくともBi、Na、K、Ba、Ti及びOを有し、組成式[(1/2)aBi2O3−(1/2)bNa2O−(1/2)cK2O−dBaO−eTiO2](但し、a、b、c、d及びeはモル比を表し、a+b+c+d+e=1である。)により表した場合に、0.1125<a≦0.2750、0.1025≦b≦0.2475、0<c≦0.1375、0<d≦0.2750、0.50<e≦0.55、a>b+cである請求項1に記載の圧電素子。
- 上記組成式において0<c≦0.05である請求項2に記載の圧電素子。
- 上記圧電磁器組成物を100質量%とした場合に、Li、Mg、Ca、Sr、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Al、Ga、In、Sn及びSbの各々の元素の酸化物のうちの少なくとも1種を2質量%以下含有する請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の圧電素子。
- 上記圧電磁器組成物を100質量%とした場合に、少なくとも1種の希土類元素の酸化物を2質量%以下含有する請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の圧電素子。
- 請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の圧電素子を備え、上記基体の一面に上記一対の電極のうちの一方が形成され、該基体の他面に該一対の電極のうちの他方が形成されていることを特徴とするノッキングセンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002238516A JP2004077304A (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | 圧電素子及びこれを用いたノッキングセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002238516A JP2004077304A (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | 圧電素子及びこれを用いたノッキングセンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004077304A true JP2004077304A (ja) | 2004-03-11 |
Family
ID=32021915
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002238516A Pending JP2004077304A (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | 圧電素子及びこれを用いたノッキングセンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004077304A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008130011A1 (ja) * | 2007-04-19 | 2008-10-30 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | 圧電磁器組成物及び圧電素子 |
US20110221828A1 (en) * | 2010-03-10 | 2011-09-15 | Seiko Epson Corporation | Liquid-ejecting head, liquid-ejecting apparatus, and piezoelectric element and piezoelectric material |
JP5714819B2 (ja) * | 2008-06-30 | 2015-05-07 | 日本特殊陶業株式会社 | 圧電磁器組成物及びこれを用いた圧電素子 |
CN108955861A (zh) * | 2017-05-19 | 2018-12-07 | 大陆汽车电子(长春)有限公司 | 爆震传感器和爆震传感器组件 |
-
2002
- 2002-08-19 JP JP2002238516A patent/JP2004077304A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008130011A1 (ja) * | 2007-04-19 | 2008-10-30 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | 圧電磁器組成物及び圧電素子 |
US8502435B2 (en) | 2007-04-19 | 2013-08-06 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Piezoelectric ceramic composition and piezoelectric device |
JP5537931B2 (ja) * | 2007-04-19 | 2014-07-02 | 日本特殊陶業株式会社 | 圧電磁器組成物及び圧電素子 |
JP5714819B2 (ja) * | 2008-06-30 | 2015-05-07 | 日本特殊陶業株式会社 | 圧電磁器組成物及びこれを用いた圧電素子 |
US20110221828A1 (en) * | 2010-03-10 | 2011-09-15 | Seiko Epson Corporation | Liquid-ejecting head, liquid-ejecting apparatus, and piezoelectric element and piezoelectric material |
CN102189797A (zh) * | 2010-03-10 | 2011-09-21 | 精工爱普生株式会社 | 液体喷射头、液体喷射装置、压电元件以及压电材料 |
US8690298B2 (en) * | 2010-03-10 | 2014-04-08 | Seiko Epson Corporation | Liquid-ejecting head, liquid-ejecting apparatus, and piezoelectric element and piezoelectric material |
CN102189797B (zh) * | 2010-03-10 | 2015-06-10 | 精工爱普生株式会社 | 液体喷射头、液体喷射装置、压电元件以及压电材料 |
CN108955861A (zh) * | 2017-05-19 | 2018-12-07 | 大陆汽车电子(长春)有限公司 | 爆震传感器和爆震传感器组件 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4510966B2 (ja) | 圧電体セラミックス | |
JP5714819B2 (ja) | 圧電磁器組成物及びこれを用いた圧電素子 | |
US7498725B2 (en) | Piezoelectric ceramic composition and laminated piezoelectric element | |
US8502435B2 (en) | Piezoelectric ceramic composition and piezoelectric device | |
JP4403967B2 (ja) | 圧電デバイスの製造方法 | |
JP4995412B2 (ja) | 圧電磁器組成物及びこれを用いた圧電素子 | |
JP4927378B2 (ja) | 圧電磁器組成物および圧電素子 | |
EP1630149B1 (en) | Piezoelectric ceramic composition and piezoelectric element including the same | |
JP4247936B2 (ja) | 圧電体磁器組成物 | |
US20080067897A1 (en) | Production Method of Piezoelectric Ceramic, Production Method of Piezoelectric Element, and Piezoelectric Element | |
JP2004077304A (ja) | 圧電素子及びこれを用いたノッキングセンサ | |
JP2003238248A (ja) | 圧電磁器組成物と圧電デバイス | |
JP2006169032A (ja) | 圧電磁器組成物および圧電素子 | |
JP5222120B2 (ja) | 圧電磁器組成物、それを用いた圧電素子、及び非共振型ノッキングセンサ | |
JP6297820B2 (ja) | 圧電磁器組成物、圧電素子、内燃機関用センサ、及び圧電磁器組成物の製造方法 | |
JP3757794B2 (ja) | サーミスタ用半導体磁器及びそれを用いたチップ型サーミスタ | |
JP5062759B2 (ja) | 非共振型ノッキングセンサ | |
JP5170905B2 (ja) | 非共振型ノッキングセンサ | |
TW381067B (en) | Method for producing low-temperature firing piezoelectric ceramics | |
JP4927419B2 (ja) | 圧電磁器組成物及びこれを用いた圧電素子 | |
JP3481441B2 (ja) | 圧電磁器組成物 | |
JPH10167821A (ja) | 圧電磁器組成物 | |
JP2005041753A (ja) | 圧電磁器 | |
JP2000335968A (ja) | 圧電磁器組成物 | |
JPH07260578A (ja) | 焦電体材料及びそれを用いた焦電用受光素子の製造方法、及びそれを用いた赤外線センサー |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20050606 |